JP2009211904A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンク内に機能液を良好に濡れ広がらせることにより、膜厚が均一な機能層を備えた電気光学装置および、そのような電気光学装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】電気光学装置としての有機EL装置100は、基体8と、基体8上に配置された複数の画素2と、基体8上に設けられており、複数の画素2のそれぞれの領域2aを区画するバンク部30と、バンク部30の側面に基体8の上面に沿う方向に形成されており、複数の画素2のそれぞれの領域2aの周囲を囲む溝部38と、バンク部30により区画された領域に機能液を配置することにより、基体8上に形成された有機機能層40と、を備え、溝部38における上面38aと下面38bとが親液性を有していることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
有機EL方式の電気光学装置の製造方法として、有機機能層を液滴吐出法により形成する方法が知られている(例えば特許文献1)。液滴吐出法では、有機機能層の構成材料を溶媒に溶解または分散させた機能液を、バンクで区画された画素の領域に選択的に配置し、この機能液から溶媒を蒸発させて有機機能層を形成する。このため、プロセスを簡易にするとともに原材料の使用量を少なくすることができる。
一方で、液滴吐出法では、機能液が必ずしも画素の領域内の一定位置に着弾しない。このため、形成される有機機能層の膜厚が不均一になり、表示品位が低下する場合がある。有機機能層の膜厚を均一にする方法として、無機バンク層および有機バンク層の2層構造のバンクにおいて、下層の無機バンク層をオーバーエッチングすることによりバンクの側面に溝部を設け、この溝部による毛細管現象を利用して機能液をバンク内に濡れ広がらせる方法が提案されている(例えば特許文献2)。このような方法によれば、機能液が画素の領域よりも広い範囲に広がるので、膜厚の均一性を向上させることが可能である。
特許3328297号公報 特開2007−80765号公報
しかしながら、このような溝部において下面が親液性であっても、上面が上層の有機バンク層であり撥液性であると、溝部の全体に亘って機能液が均一に濡れ広がらない可能性がある。また、バンク部のうちの無機バンク層の基体側をウエットエッチングにより部分的に除去して、無機バンク層に所望の形状の溝部を形成することは容易でない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、基体と、前記基体上に配置された複数の画素と、前記基体上に設けられており、前記複数の画素のそれぞれの領域を区画するバンク部と、前記バンク部の側面に前記基体の上面に沿う方向に形成されており、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲を囲む溝部と、前記バンク部により区画された領域に機能液を配置することにより、前記基体上に形成された機能層と、を備え、前記溝部における上面と下面とが親液性を有していることを特徴とする。
この構成によれば、バンク部の側面に溝部が形成されている。このため、バンク部で囲まれた複数の画素のそれぞれの領域に機能液を配置すると、機能液は毛細管現象によって溝部に入り込む。このとき、溝部において上面と下面とがともに親液性を有しているので、機能液は上面と下面とに沿って良好に濡れ広がる。これにより、機能液が複数の画素のそれぞれの領域の周囲に良好に行き渡るので、複数の画素のそれぞれの領域内全体に機能液をより均一に配置することができる。したがって、機能層の膜厚の均一性を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記バンク部は、前記基体上に形成された第1のバンク層と、前記第1のバンク層上に積層された第2のバンク層と、を含み、前記第2のバンク層は、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲に重なる開口部を有しており、前記第1のバンク層は、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲よりも大きい開口部を有しており、前記第2のバンク層の前記第1のバンク層側の面のうち、前記第1のバンク層に重ならない部分が前記溝部における前記上面をなしていてもよい。
この構成によれば、第1のバンク層の開口部を第2のバンク層の開口部よりも大きく形成することにより、基体と第2のバンク層との間に溝部を容易に形成できる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第2のバンク層は、親液性を有する材料からなっていてもよい。
この構成によれば、第2のバンク層が親液性を有する材料で構成されるので、溝部における上面を親液性にできる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1のバンク層の材料と前記第2のバンク層の材料とをエッチング可能なエッチャントに対して、前記第1のバンク層の材料のエッチングレートは前記第2のバンク層の材料のエッチングレートよりも大きくてもよい。
この構成によれば、同じエッチャントに対して、第1のバンク層がエッチングされる量は第2のバンク層がエッチングされる量よりも多い。これにより、第2のバンク層を等方性エッチングして開口部を形成する際に、第1のバンク層もエッチングして、第1のバンク層の開口部を第2のバンク層の開口部よりも大きく形成できる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1のバンク層は金属材料からなり、前記第2のバンク層は無機材料からなっていてもよい。
この構成によれば、第1のバンク層の金属材料に適したエッチャントを用いて選択的にエッチングすることにより、第1のバンク層の開口部を所望の大きさに容易に形成できる。これにより、溝部において所望の奥行きが容易に得られる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記バンク部は、前記第2のバンク層上に積層された第3のバンク層をさらに含み、前記第3のバンク層は、前記第2のバンク層の前記開口部に重なる開口部を有しており、有機材料からなっていてもよい。
この構成によれば、第2のバンク層上に有機材料からなる第3のバンク層を積層することにより、バンク部を厚くできる。これにより、機能液がバンク部から溢れるのを防止できる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記溝部における前記下面は、前記基体の表面に備えられた第1の電極であり、前記機能層は、有機発光層を含む有機機能層であり、前記有機機能層上に第2の電極を備えていてもよい。
この構成によれば、複数の画素のそれぞれの領域において有機機能層の膜厚の均一性が向上するので、表示ムラのない有機EL装置を提供できる。
[適用例8]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記溝部における前記下面は前記基体であり、前記機能層は、所定の色光を選択的に透過する着色層であってもよい。
この構成によれば、複数の画素のそれぞれの領域において着色層の膜厚の均一性が向上するので、色ムラのないカラーフィルタを備えた電気光学装置を提供できる。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、電子機器は表示ムラのない有機エレクトロルミネセンス装置または色ムラのないカラーフィルタを備えているので、優れた表示品質を有する電子機器を提供できる。
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の膜厚や寸法の比率等は適宜異ならせてある。
(第1の実施形態)
<有機EL装置>
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての有機エレクトロルミネセンス装置(以下有機EL装置と呼ぶ)の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る有機EL装置を示す平面図である。図2は、第1の実施形態に係る有機EL装置の回路構成図である。図3は、第1の実施形態に係る有機EL装置の各画素の駆動部分を示す部分平面図である。図4は、第1の実施形態に係る有機EL装置の各画素のバンク部を示す部分平面図である。図5は、第1の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図である。詳しくは、図3および図4のA−A’線に沿った部分断面図である。なお、それぞれの図面において、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
有機EL装置100は、図1に示すように、基板10と、基板10上に配置された複数の画素2とを有している。画素2は、有機EL装置100の表示の最小単位であり、間隔を置いてマトリクス状に配置されている。画素2は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの表示に寄与し、それぞれの色に対応して画素2R,2G,2Bと呼ぶ(対応する色について区別しない場合には単に画素2と呼ぶ)。なお、X軸は画素2の行方向を示し、Y軸は画素2の列方向を示している。
画素2は、有機エレクトロルミネセンス素子(以下有機EL素子と呼ぶ)6を表示素子として備えており、R、G、Bのそれぞれに発光する有機EL素子6R,6G,6Bにより得られた光を表示光として出力するようになっている。画素2R,2G,2Bから画素群4が構成されている。有機EL装置100では、画素群4において画素2R,2G,2Bのそれぞれの表示の輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。
基板10上には、バンク部30が設けられている。バンク部30は、平面視ほぼ格子状に形成されており、画素2のそれぞれの領域2aを区画している。画素2の領域2aは、例えば四隅が丸い四角形である。画素2の領域2aは、円形、長円形、またはその他の形状であってもよい。
次に、図2を参照して、有機EL装置100の回路構成を説明する。図2に示すように、有機EL装置100は、基板10上に画素2のそれぞれに対応して設けられた、スイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)11と、駆動用TFT12と、保持容量13と、第1の電極としての画素電極28と、第2の電極としての共通電極46と、有機機能層40と、を備えている。画素電極28と、共通電極46と、有機機能層40と、によって有機EL素子6が構成される。有機EL素子6において、画素電極28が陽極であり、共通電極46が陰極である。
基板10上には、さらに、データ線駆動回路14と、走査線駆動回路15と、X軸の方向に沿って延びる複数の走査線16と、Y軸の方向に沿って延びる複数の信号線17と、信号線17に並列に延びる複数の電源線18と、が設けられている。なお、図1と同様に、X軸は画素2の行方向を示し、Y軸は画素2の列方向を示している。走査線駆動回路15には走査線16が接続されており、走査線16を介して走査信号がスイッチング用TFT11のゲート電極に供給される。
一方、データ線駆動回路14には信号線17が接続されており、スイッチング用TFT11がオン状態になると、信号線17を介して供給される画像信号が保持容量13に保持され、この保持容量13の状態に応じて駆動用TFT12のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT12を介して電源線18に電気的に接続したとき、電源線18から画素電極28に駆動電流が流れ、さらに有機機能層40を通じて共通電極46に電流が流れる。有機機能層40は、画素電極28と共通電極46との間に流れる電流量に応じた輝度で発光する。
次に、図3、図4、および図5を参照して、有機EL装置100の構造を説明する。図3に示すように、画素電極28は平面視略矩形状である。画素電極28は、画素2のそれぞれに対応して設けられており、画素2の領域2aよりも大きな領域を有している。画素電極28の四辺は、信号線17と、電源線18と、走査線16と、他の画素電極28用の走査線(図示しない)によって囲まれている。駆動用TFT12は、画素2のそれぞれに対応して設けられており、画素2の領域2aに重ならないように配置されている。
図5に示すように、有機EL装置100は、基板10上に、駆動用TFT12と、層間絶縁層25,26と、画素電極28と、バンク部30と、有機機能層40と、共通電極46と、を備えている。有機EL装置100は、有機機能層40から発した光が基板10側に射出されるボトムエミッション方式である。
本実施形態においては、基板10と、駆動用TFT12と、層間絶縁層25,26と、画素電極28とで基体8が構成される。基板10は、透光性を有する材料からなる。透光性を有する材料としては、例えばガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等があげられる。基板10は、例えばSiO2等からなる保護層に覆われていてもよい。
駆動用TFT12は、基板10上に設けられている。駆動用TFT12は、半導体膜20と、ゲート絶縁層21と、ゲート電極22と、ドレイン電極23と、ソース電極24と、を備えている。半導体膜20には、図示しないが、ソース領域と、ドレイン領域と、チャネル領域と、が形成されている。半導体膜20は、ゲート絶縁層21に覆われている。ゲート電極22は、ゲート絶縁層21を間に挟んで半導体膜20のチャネル領域に重なるように位置している。
層間絶縁層25は、ゲート絶縁層21とゲート電極22とを覆っている。ドレイン電極23とソース電極24とは、層間絶縁層25上に配置されている。ドレイン電極23は、層間絶縁層25に設けられたコンタクトホールを介して、半導体膜20のドレイン領域に導電接続されている。ソース電極24は、同様にコンタクトホールを介して、半導体膜20のソース領域に導電接続されている。
層間絶縁層26は、層間絶縁層25上に配置され、ドレイン電極23とソース電極24とを覆っている。画素電極28は、層間絶縁層26上に位置している。画素電極28は、透光性導電材料からなり、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる。画素電極28は、層間絶縁層26に設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極23に導電接続されている。これにより、画素電極28は駆動用TFT12に電気的に接続されている。画素電極28の表面には、O2プラズマ処理等の親液化処理が施されていてもよい。
バンク部30は、基体8上に設けられている。バンク部30は、第1のバンク層としての無機バンク層32と、第2のバンク層としての無機バンク層34と、第3のバンク層としての有機バンク層36との3層で構成される。バンク部30の側面には、基体8の上面(画素電極28の表面)に沿う方向に溝部38が形成されている。
無機バンク層32は、層間絶縁層26と画素電極28との上に形成されている。無機バンク層32は、画素電極28の周縁部に乗り上げており、画素電極28上に位置する開口部32aを有している。無機バンク層32は、ある同一のエッチャント(例えばフッ酸溶液)に対して、無機バンク層34の材料よりもエッチングレートが大きい無機材料からなる。無機バンク層32の材料は、例えばSiNである。
無機バンク層34は、無機バンク層32上に積層されている。無機バンク層34は、画素電極28上に位置する開口部34aを有している。無機バンク層34は、ある同一のエッチャント(例えばフッ酸溶液)に対して、無機バンク層32の材料よりもエッチングレートが小さい無機材料からなる。無機バンク層34の材料は、例えばSiO2である。SiO2は液体材料に対する親和性(親液性)が高いので、無機バンク層34の材料がSiO2であると、バンク部30内に配置された機能液を無機バンク層34の表面に沿って良好に濡れ広がらせることができる。無機バンク層34の表面には、O2プラズマ処理等の親液化処理が施されていてもよい。
有機バンク層36は、無機バンク層34上に積層されている。有機バンク層36は、画素電極28上に位置し断面視テーパ状の開口部36aを有している。有機バンク層36は、有機材料からなり、例えばアクリル樹脂からなる。有機バンク層36の材料は、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂等の高分子材料、ポリシラザン、ポリシロキサン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等であってもよい。有機バンク層36の層厚は、例えば1μm〜2μm程度である。有機バンク層36を積層することでバンク部30が厚くなるので、バンク部30内に配置された機能液がバンク部30から溢れるのを防止できる。
また、有機バンク層36の表面には、撥液化処理が施されていてもよい。有機バンク層36の表面に撥液化処理が施されていると、バンク部30内に配置された機能液に対して非親和性(撥液性)を示す。これにより、画素2の領域2aを区画する仕切部材としての機能を良好に果たすことができる。撥液化処理に代えて、有機バンク層36の材料自体に予めフッ素基等の撥液成分を充填しておいてもよい。
ここで、バンク部30および溝部38の平面構造を、図4を参照して説明する。無機バンク層34の開口部34aと、有機バンク層36の開口部36aの内周36bとは、ともに画素2の領域2aの周囲に重なっている。換言すれば、画素2の領域2aは、開口部36aの内周36bおよび開口部34aによって規定されている。無機バンク層32の開口部32aは、画素2の領域2aの周囲よりも大きく、画素電極28の領域よりも小さい。溝部38は、画素2の領域2aの周囲を囲んでいる。溝部38は、平面視で画素2の領域2aの周囲と無機バンク層32の開口部32aとの間の領域に配置されている。
図5に戻って、溝部38は、画素電極28の表面と、無機バンク層32の開口部32aと、無機バンク層34の無機バンク層32側の面とで構成される。無機バンク層34の無機バンク層32側の面のうち無機バンク層32に重ならない部分が、溝部38における上面38aである。上面38aは、SiO2からなる無機バンク層34の表面であるので、親液性を有している。画素電極28の表面のうち平面視で上面38aに重なる部分が、溝部38における下面38bである。下面38bは、ITOからなる画素電極28の表面であるので、親液性を有している。下面38bに対する上面38aの高さは、無機バンク層32の層厚と同じである。
有機機能層40は、バンク部30により区画された画素2の領域2aに形成され、画素電極28上に位置している。有機機能層40は、画素電極28側において、溝部38に入り込んで形成されている。有機機能層40は、順に積層された正孔注入輸送層42と発光層44とで構成されている。有機機能層40では、正孔注入輸送層42から注入される正孔と、共通電極46から注入される電子と、が発光層44で再結合することにより発光が得られる。発光層44は、画素2R,2G,2Bに対応して、R、G、Bのいずれかに発光する。
正孔注入輸送層42の材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、ポリスチレンスルフォン酸、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸との混合物(PEDOT/PSS)等を用いることができる。
発光層44の材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料である、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン(PDAF)、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール(PFBT)、ポリアルキルチオフェン(PAT)や、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシラン系等を用いることができる。また、これらの発光材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いてもよい。
共通電極46は、バンク部30と有機機能層40とを覆うように形成されている。共通電極46は、図示しないが、例えば、LiF層とAl層とが順に積層され構成されている。この構成により、共通電極46は電子注入層および反射層を兼ねている。共通電極46上には、陰極保護層が形成されていてもよい。陰極保護層の材料としては、SiO2、SiN、SiON等を用いることができる。陰極保護層が形成されていると、製造工程中で共通電極46への酸素等の侵入を抑え、共通電極46が腐食されるのを防止することができる。
共通電極46は、封止層48に覆われている。封止層48は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、液状ガラス等からなり、さらにガラス、金属、樹脂フィルム、プラスチック、その他の封止部材を積層接着してもよい。
本実施形態の有機EL装置100においては、有機機能層40から基板10側に発した光が基板10側に射出されるとともに、有機機能層40から共通電極46側に発した光が共通電極46により反射されて、基板10側に射出される。
なお、有機EL装置100は、有機機能層40から発した光が封止層48側に射出されるトップエミッション方式の有機EL装置であってもよい。有機EL装置100がトップエミッション方式である場合、基板10は透明な材料および不透明な材料のいずれを用いてもよい。駆動用TFT12は、画素2の領域2aに重なっていてもよい。また、トップエミッション方式である場合、共通電極46には透光性を有する導電材料が用いられ、封止層48には透光性を有する材料が用いられる。
<有機EL装置の製造方法>
次に、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について図を参照して説明する。図6、図7、および図8は、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図である。なお、以下の説明では、有機機能層40を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて形成する場合を例に説明する。ただし、以下に示す手順や機能液の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
まず、図6(a)に示すように、基体8を形成する。基体8は、基板10上に、駆動用TFT12と、層間絶縁層25,26と、画素電極28とを、それぞれ公知の方法を用いて形成することにより得られる。
次に、図6(b)に示すように、層間絶縁層26と画素電極28とを覆う無機材料層32fを形成する。無機材料層32fの材料としては、例えばSiNを用いる。続いて、図6(c)に示すように、無機材料層32fを覆う無機材料層34fを形成する。無機材料層34fの材料としては、例えばSiO2を用いる。次に、図6(d)に示すように、無機材料層34fを覆う有機材料層36fを形成する。有機材料層36fの材料としては、例えばアクリル樹脂を用いる。有機材料層36fの層厚は、例えば1μm〜2μm程度にする。
次に、図7(a)に示すように、有機材料層36fをフォトリソグラフィ法によりパターニングし、画素2の領域2aの周囲に重なる部分を開口させる。このとき、有機材料層36fの層厚が厚いため開口部36aがテーパ状に形成される。これにより、内周36bが画素2の領域2aの周囲に重なる開口部36aを有する有機バンク層36が形成される。
ここで、必要に応じて、有機バンク層36の表面に撥液化処理を施してもよい。撥液化処理の方法として、フッ素系化合物を含むガス(フッ素含有ガス)を処理ガスとしてプラズマ処理する方法を適用することができる。フッ素系化合物を用いることにより、有機バンク層36の表面にフッ素基が導入されて撥液性が付与される。フッ素系化合物としては、例えばCF4、SF6、CHF3等を用いることができる。
次に、有機バンク層36をマスクとして、無機材料層34fと無機材料層32fとをパターニングし、それぞれの開口部36aに重なる部分を開口させる。ここで、無機材料層34fと無機材料層32fとのパターニングは、エッチャントとしてフッ酸溶液(HF)を用いたウエットエッチングにより行うことが好ましい。ウエットエッチングを用いることで、無機材料層34fと無機材料層32fとが等方性エッチングされる。なお、無機材料層34fと無機材料層32fとをパターニングする方法は、等方性エッチングであればウエットエッチングに限定されない。
このパターニングにおいては、無機材料層34fに形成される開口部34aが開口部36aの内周36bにちょうど重なるところでエッチングを停止させる。このとき、無機材料層32fの材料は無機材料層34fの材料よりもエッチングレートが大きいので、無機材料層32fがエッチングされる量は無機材料層34fがエッチングされる量よりも多い。したがって、無機バンク層32の開口部32aは無機バンク層34の開口部34aよりも大きく形成される。
これにより、図7(b)に示すように、開口部34aを有する無機バンク層34と開口部32aを有する無機バンク層32とが形成され、画素電極28のうち開口部32a内の領域が露出される。また、この結果、画素電極28の表面と、無機バンク層32の開口部32aと、無機バンク層34の無機バンク層32側の面と、で構成される溝部38が形成される。
溝部38における奥行き(開口部34aに対する開口部32aの大きさ)および高さ(無機バンク層32の層厚)は、後述する機能液42aの組成、粘度および配置後の挙動を観察した上で、実験的、理論的、シミュレーション的に設定すればよい。後の工程で、バンク部30内に配置された機能液42aが溝部38に入り込む際に、溝部38内にあった空気の少なくとも一部は溝部38内に押込まれる。したがって、溝部38において、空気が押込まれても機能液42aが十分に入り込めるだけの奥行きを確保することが望ましい。本実施形態においては、無機バンク層32と無機バンク層34とのエッチングレートの差の大小により、溝部38における奥行きを調整可能である。
なお、ウエットエッチングを用いることで、有機機能層40の塗布むらの原因となる有機バンク層36の現像残渣や、有機バンク層36を撥液化処理した際に生じる堆積物等を除去することができる。また、画素電極28がITOからなる場合には、その表面をフッ酸溶液で処理することで仕事関数(すなわち正孔注入輸送層42への正孔注入効率)を調節することができる。
以上により、基体8上に、無機バンク層32と無機バンク層34と有機バンク層36との3層構造からなるバンク部30が形成される。また、バンク部30の側面には、基体8の上面(画素電極28の表面)に沿う方向に、画素2の領域2aの周囲を囲む溝部38が形成される。有機バンク層36の開口部36aと無機バンク層34の開口部34aと無機バンク層32の開口部32aとは互いに連通し、画素電極28は開口部32a内において露出した状態となっている。
次に、図8(a)に示すように、正孔注入輸送層42を形成するための機能液42aを液滴吐出ヘッド(図示しない)から吐出し、バンク部30により区画された画素2の領域2aに配置する。この機能液42aは、正孔注入輸送層42の形成材料および溶媒を含む。機能液42aが基体8上のバンク部30内に配置されると、機能液42aは流動性が高いため水平方向に広がろうとする。バンク部30の最上層は有機バンク層36であるので、機能液42aは有機バンク層36を越えてその外側に広がらない。
一方、バンク部30の側面に溝部38が形成されているので、機能液42aは毛細管現象によって溝部38に入り込む。このとき、溝部38において上面38aと下面38bとがともに親液性を有しているので、機能液は上面38aと下面38bとに沿って良好に濡れ広がる。これにより、機能液42aが画素2の領域2aの周囲に良好に行き渡るので、画素2の領域2a内全体に機能液42aをより均一に配置することができる。
続いて、加熱あるいは光照射により機能液42aの溶媒を蒸発させて、基体8上に正孔注入輸送層42を形成する。機能液42aの溶媒を蒸発させる方法は、大気環境下または窒素ガス雰囲気下において所定温度および時間(例えば200℃、10分)焼成してもよいし、大気圧より低い圧力環境下(減圧環境下)に放置することで溶媒を除去してもよい。本実施形態では、機能液42aが画素2の領域2a内全体に均一に配置されているので、形成される正孔注入輸送層42の膜厚の均一性を向上させることができる。正孔注入輸送層42の膜厚の均一性が向上するので、正孔注入輸送層42の表面の平坦性も向上する。
次に、図8(b)に示すように、発光層44を形成するための機能液44aを液滴吐出ヘッドから吐出し、バンク部30内の正孔注入輸送層42上に配置する。機能液44aは、発光層44の形成材料および溶媒を含む。機能液44aは、赤色の発色光を発光する材料を含む機能液、緑色の発色光を発光する材料を含む機能液、青色の発色光を発光する材料を含む機能液のいずれかを、画素2R,2G,2B(図1参照)に対応して配置する。
続いて、図8(c)に示すように、機能液44aの溶媒を蒸発させて、正孔注入輸送層42上に発光層44を形成する。正孔注入輸送層42の表面が良好に平坦化されているので、その上に形成される発光層44の膜厚の均一性を向上させることができる。以上により、基体8上に有機機能層40が形成される。
次に、図5に示すように、バンク部30と有機機能層40とを覆うように共通電極46を形成する。共通電極46を形成する方法は、例えば蒸着法を適用する。次に、共通電極46上に封止層48を形成する。以上により、有機EL装置100を製造することができる。
上記第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)バンク部30の側面に、上面38aと下面38bとがともに親液性を有する溝部38が形成されている。このため、バンク部30で囲まれた画素2の領域2aに機能液42aを配置すると、機能液42aは毛細管現象によって溝部38に入り込み上面38aと下面38bとに沿って良好に濡れ広がる。機能液42aが画素2の領域2aの周囲に良好に行き渡り領域2a内全体に均一に配置されるので、形成される正孔注入輸送層42の膜厚の均一性が向上し、正孔注入輸送層42の表面の平坦性も向上する。これにより、その上に形成される発光層44の膜厚の均一性が向上する。したがって、画素2の領域2aのそれぞれにおいて有機機能層40の膜厚の均一性が向上するので、表示ムラのない有機EL装置100を提供できる。
(2)無機材料層32fの材料は無機材料層34fの材料よりもエッチングレートが大きいので、同じエッチング工程において、無機バンク層32の開口部32aが無機バンク層34の開口部34aよりも大きく形成される。これにより、溝部38を容易に形成できる。また、無機バンク層34が親液性を有する無機材料で構成されるので、溝部38における上面38aを親液性にできる。
(3)無機バンク層34上に有機バンク層36を積層することにより、バンク部30を厚くでき、機能液42a,44aがバンク部30から溢れるのを防止できる。
(第2の実施形態)
<有機EL装置>
次に、第2の実施形態に係る有機EL装置の構成について図を参照して説明する。図9は、第2の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図である。なお、第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
第2の実施形態に係る有機EL装置200は、第1の実施形態に係る有機EL装置100に対して、バンク部50が無機バンク層32の代わりに金属バンク層52を備えている点が異なっているが、その他の構成は同じである。
バンク部50は、基体8上に位置している。バンク部50は、金属バンク層52と、無機バンク層34と、有機バンク層36との3層で構成される。バンク部50の側面には、溝部38が形成されている。
金属バンク層52は、層間絶縁層26と画素電極28との上に形成されている。金属バンク層52は、画素電極28の周縁部に乗り上げており、画素電極28上に位置する開口部52aを有している。開口部52aは、画素2の領域2aの周囲よりも大きく、画素電極28の領域よりも小さい。金属バンク層52は、図示しないが、画素2毎に分断されている。金属バンク層52は、例えばアルミニウムからなる。金属バンク層52の材料は、アルミニウムネオジウム合金、アルミニウム銅合金、モリブデン、クロム等であってもよい。
無機バンク層34は、金属バンク層52上に積層されている。溝部38は、平面視で、画素2の領域2aの周囲と金属バンク層52の開口部52aとの間の領域に配置されている。溝部38は、画素電極28の表面と、金属バンク層52の開口部52aと、無機バンク層34の金属バンク層52側の面とで構成される。
<有機EL装置の製造方法>
次に、第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について図を参照して説明する。図10は、第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図である。
図10(a)に示すように、基体8上に、層間絶縁層26と画素電極28とを覆う金属材料層52fを形成する。金属材料層52fの材料としては、例えばアルミニウムを用いる。続いて、金属材料層52fを覆う無機材料層34fを形成する。次に、無機材料層34fを覆う有機材料層を形成してパターニングし、開口部36aを有する有機バンク層36を形成する。このパターニングにおいては、X軸方向およびY軸方向における互いに隣り合う画素2同士の間(図1参照)も開口させる。互いに隣り合う画素2同士の間を開口させるのは、金属バンク層52を画素2毎に分断するためである。
次に、図10(b)に示すように、有機バンク層36をマスクとして、例えばフッ酸溶液を用いたウエットエッチングにより無機材料層34fをパターニングする。このパターニングにおいては、無機材料層34fに形成される開口部34aが開口部36aの内周36bにちょうど重なるところでエッチングを停止させる。これにより、開口部34aを有し、互いに隣り合う画素2同士の間が開口された(図示しない)無機バンク層34が形成される。無機材料層34fのパターニングは、ドライエッチングを用いてもよい。
次に、有機バンク層36および無機バンク層34をマスクとして、例えばウエットエッチングにより金属材料層52fをパターニングする。金属材料層52fの材料がアルミニウム、アルミニウムネオジウム合金、アルミニウム銅合金、またはモリブデンである場合は、エッチャントとしてリン酸、酢酸、硝酸水溶液の混合液を用いることができる。また、金属材料層52fの材料がクロムである場合は、エッチャントとして硝酸、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液の混合液を用いることができる。これにより、金属材料層52fが選択的にエッチングされる。なお、金属材料層52fをパターニングする方法は、等方性エッチングであればウエットエッチングに限定されない。
このパターニングにおいては、図10(c)に示すように、金属材料層52fに形成される開口部52aが開口部36aの内周36bに対して所望の大きさになるところ、すなわち溝部38において所望の奥行きが得られるところでエッチングを停止させる。これにより、開口部52aを有する金属バンク層52が形成され、画素電極28のうち開口部52a内の領域が露出される。金属バンク層52は、互いに隣り合う画素2同士の間が開口され(図示しない)、画素2毎に分断される。また、この結果、画素電極28の表面と、金属バンク層52の開口部52aと、無機バンク層34の金属バンク層52側の面と、で構成される溝部38が形成される。
上記第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)バンク部50の側面に溝部38が形成されているため、バンク部50で囲まれた画素2の領域2aに機能液42aを配置すると、機能液42aが画素2の領域2aの周囲に良好に行き渡る。機能液42aが画素2の領域2a内全体に均一に配置されるので、形成される正孔注入輸送層42の膜厚の均一性が向上し、正孔注入輸送層42の表面の平坦性も向上する。これにより、その上に形成される発光層44の膜厚の均一性が向上する。したがって、画素2の領域2aのそれぞれにおいて有機機能層40の膜厚の均一性が向上するので、表示ムラのない有機EL装置200を提供できる。
(2)金属バンク層52の金属材料に適したエッチャントを用いて選択的にエッチングすることにより、金属バンク層52の開口部52aを所望の大きさに容易に形成できる。これにより、溝部38において所望の奥行きが容易に得られる。
(第3の実施形態)
<液晶装置>
次に、第3の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について図を参照して説明する。図11は、第3の実施形態に係る液晶装置を示す平面図である。図12は、第3の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示す断面図である。詳しくは、図11のB−B’線に沿った部分断面図である。なお、それぞれの図面において、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
第3の実施形態に係る液晶装置300は、図12に示すように、素子基板9と、カラーフィルタ基板70と、素子基板9とカラーフィルタ基板70との間に位置する液晶層80と、を備えたアクティブマトリクス方式の液晶装置である。本実施形態では、カラーフィルタ基板70が、第1の実施形態に係る有機EL装置100のバンク部30と同様の構成を有するバンク部60を備えている。
図11に示すように、素子基板9およびカラーフィルタ基板70上には、R、G、Bの表示に寄与する画素3R,3G,3B(対応する色について区別しない場合には単に画素3と呼ぶ)が複数配置されている。画素3は、液晶装置300の表示の最小単位であり、間隔を置いてマトリクス状に配置されている。なお、X軸は画素3の行方向を示し、Y軸は画素3の列方向を示している。画素3R,3G,3Bから画素群5が構成されている。液晶装置300では、画素群5において画素3R,3G,3Bのそれぞれの表示の輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。
カラーフィルタ基板70には、バンク部60が設けられている。バンク部60は、平面視ほぼ格子状に形成されており、画素3のそれぞれの領域を区画している。画素3の領域は、例えば四角形である。
次に、図12を参照して、液晶装置300の構造を説明する。素子基板9は、基板10と駆動用TFT12と層間絶縁層25,26と画素電極28とを備えている。基板10は、透光性を有する材料からなる。基板10上には、複数の駆動用TFT12を含む層間絶縁層25,26が設けられている。層間絶縁層26上には、駆動用TFT12のそれぞれに接続された複数の画素電極28が設けられている。画素電極28は、例えばITOからなる。
カラーフィルタ基板70は、基体としての基板72と、バンク部60と、着色層74と、オーバーコート層76と、を備えている。基板72は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。
バンク部60は、基板72の液晶層80側に設けられている。バンク部60は、第1のバンク層としての無機バンク層62と、第2のバンク層としての無機バンク層64と、第3のバンク層としての有機バンク層66との3層で構成される。バンク部60の側面には、基板72の液晶層80側の面に沿う方向に溝部68が形成されている。基板72とバンク部60との間に、バンク部60に重なるように遮光層が設けられていてもよい。
無機バンク層62は、基板72上に形成されている。無機バンク層62は、無機バンク層64の材料よりもエッチングレートが大きい材料からなる。無機バンク層62の材料は、例えばSiNである。無機バンク層64は、無機バンク層62上に積層されている。無機バンク層64は、無機バンク層62の材料よりもエッチングレートが小さい材料からなる。無機バンク層64の材料は、例えばSiO2である。有機バンク層66は、無機バンク層64上に積層されている。有機バンク層66は、例えばアクリル樹脂からなる。
無機バンク層62と無機バンク層64と有機バンク層66とは、画素3に対応する開口部を有している。無機バンク層64の開口部と有機バンク層66の開口部の内周とは、ともに画素3の領域の周囲に重なっている。無機バンク層62の開口部は、画素3の領域の周囲よりも大きい。溝部68は、画素3の領域の周囲を囲んでいる。溝部68は、平面視で、画素3の領域の周囲と無機バンク層62の開口部との間の領域に配置されている。
溝部68は、基板72の表面と、無機バンク層62の開口部と、無機バンク層64の無機バンク層62側の面とで構成される。溝部68において、基板72側から見た上面68aは、SiO2からなる無機バンク層64の表面であるので親液性を有している。溝部68において、下面68bはガラスからなる基板72の表面であるので親液性を有している。
着色層74は、バンク部60により区画された画素3の領域に形成されている。着色層74は、基板72側において、溝部68に入り込んで形成されている。R、G、Bのいずれかの色光を選択的に透過する着色層74R,74G,74B(対応する色について区別しない場合には単に着色層74と呼ぶ)と、3つの画素電極28との組み合わせにより、3色の画素3R,3G,3Bがそれぞれ構成される。
オーバーコート層76は、バンク部60と着色層74とを覆うように形成されている。オーバーコート層76上には、共通電極78が形成されている。共通電極78は、例えばITOからなる。
液晶層80は、素子基板9とカラーフィルタ基板70との間に位置している。素子基板9の液晶層80に接する側には、図示しないが、層間絶縁層26と画素電極28とを覆うように配向膜が形成されている。カラーフィルタ基板70の液晶層80に接する側には、図示しないが、共通電極78を覆うように配向膜が形成されている。液晶層80は、これらの配向膜に施された配向処理によって配向方向が規制されている。また、図示しないが、素子基板9の液晶層80と反対側およびカラーフィルタ基板70の液晶層80と反対側には、それぞれ偏光板が配置されている。
本実施形態の液晶装置300が備えるカラーフィルタ基板70を形成する方法として、第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を適用することができる。有機EL装置の製造方法を適用してカラーフィルタ基板70を形成する場合は、バンク部30および溝部38を形成する方法と同様にして、バンク部60と溝部68を形成すればよい。また、機能液42a,44aの代わりに、所定の色光(例えば、R、G、Bの3色のいずれか)の着色層形成材料を含む機能液を用いればよい。
上記第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)バンク部60の側面に溝部68が形成されているため、バンク部60で囲まれた画素3の領域に着色層形成材料を配置すると、着色層形成材料が画素3の領域の周囲に良好に行き渡り、画素3の領域内全体に均一に配置されるので、形成される着色層74の膜厚の均一性が向上する。画素3の領域に形成される着色層74の膜厚の均一性が向上するので、色ムラのないカラーフィルタ基板70を備えた液晶装置300を提供できる。
なお、カラーフィルタ基板70のバンク部60は、第2の実施形態に係る有機EL装置200のバンク部50と同様の構成を有していてもよい。このような構成によれば、カラーフィルタ基板70において、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、電気光学装置について説明したが、本電気光学装置でいう画素とは、画素自体が直接画像を形成する場合の他、画素が間接的に画像を形成するための単位素子を含むものとする。これによれば、本電気光学装置は、例えば電子写真方式の画像形成装置等に用いる露光ヘッドも含まれる。
<電子機器>
上述した有機EL装置100,200、および液晶装置300は、例えば、図13に示すように、電子機器としての携帯電話機500に搭載して用いることができる。携帯電話機500は、表示部502に有機EL装置100,200、または液晶装置300を備えている。この構成により、表示部502を有する携帯電話機500は優れた表示品質を有している。
また、電子機器は、電子ブック、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置等であってもよい。さらに、有機EL装置100,200は、電子機器としてのラインプリンタの露光手段として用いることも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態の有機EL装置100,200、および液晶装置300において、バンク部30,50,60は3層のバンク層が積層され構成されていたが、この形態に限定されない。バンク部は、2層のバンク層で構成されていてもよいし、1層のバンク層で構成されていてもよい。バンク部に形成された溝部において、上面が撥液性を有する場合は、上面となるバンク層の基体側の面に親液化処理を施せばよい。
(変形例2)
上記実施形態の有機EL装置100,200において、有機機能層40は正孔注入輸送層42と発光層44とで構成されていたが、この形態に限定されない。有機機能層は、発光層を含む3層以上の機能層で構成されていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態の有機EL装置100,200において、発光層44はR、G、Bのいずれかに発光する構成であったが、この形態に限定されない。発光層は、白色に発光する構成であってもよい。発光層が白色に発光する構成である場合、第3の実施形態のカラーフィルタ基板70と組み合わせて、R、G、Bの3色が得られる構成としてもよい。
(変形例4)
第3の実施形態の液晶装置300は、FFS方式の半透過反射型の液晶装置であったが、この形態に限定されない。液晶装置300は、例えば、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶装置、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式の液晶装置、VA(Vertical Alignment)方式の液晶装置であってもよい。
第1の実施形態に係る有機EL装置を示す平面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の回路構成図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の各画素の駆動部分を示す部分平面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の各画素のバンク部を示す部分平面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図。 第2の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図。 第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する図。 第3の実施形態に係る液晶装置を示す平面図。 第3の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示す断面図。 本実施の形態における電子機器を示す図。
符号の説明
2…画素、2a…領域、3…画素、4…画素群、5…画素群、6…有機EL素子、8…基体、9…素子基板、10…基板、11…スイッチング用TFT、12…駆動用TFT、13…保持容量、14…データ線駆動回路、15…走査線駆動回路、16…走査線、17…信号線、18…電源線、20…半導体膜、21…ゲート絶縁層、22…ゲート電極、23…ドレイン電極、24…ソース電極、25,26…層間絶縁層、28…画素電極、30…バンク部、32…無機バンク層、32a…開口部、32f…無機材料層、34…無機バンク層、34a…開口部、34f…無機材料層、36…有機バンク層、36a…開口部、36b…内周、36f…有機材料層、38…溝部、38a…上面、38b…下面、40…有機機能層、42…正孔注入輸送層、42a…機能液、44…発光層、44a…機能液、46…共通電極、48…封止層、50…バンク部、52…金属バンク層、52a…開口部、52f…金属材料層、60…バンク部、62…無機バンク層、64…無機バンク層、66…有機バンク層、68…溝部、70…カラーフィルタ基板、72…基板、74…着色層、76…オーバーコート層、78…共通電極、80…液晶層、100,200…有機EL装置、300…液晶装置、500…携帯電話機、502…表示部。

Claims (9)

  1. 基体と、
    前記基体上に配置された複数の画素と、
    前記基体上に設けられており、前記複数の画素のそれぞれの領域を区画するバンク部と、
    前記バンク部の側面に前記基体の上面に沿う方向に形成されており、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲を囲む溝部と、
    前記バンク部により区画された領域に機能液を配置することにより、前記基体上に形成された機能層と、を備え、
    前記溝部における上面と下面とが親液性を有していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記バンク部は、前記基体上に形成された第1のバンク層と、前記第1のバンク層上に積層された第2のバンク層と、を含み、
    前記第2のバンク層は、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲に重なる開口部を有しており、
    前記第1のバンク層は、前記複数の画素のそれぞれの領域の周囲よりも大きい開口部を有しており、
    前記第2のバンク層の前記第1のバンク層側の面のうち、前記第1のバンク層に重ならない部分が前記溝部における前記上面をなしていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2に記載の電気光学装置であって、
    前記第2のバンク層は、親液性を有する材料からなることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項2または3に記載の電気光学装置であって、
    前記第1のバンク層の材料と前記第2のバンク層の材料とをエッチング可能なエッチャントに対して、前記第1のバンク層の材料のエッチングレートは前記第2のバンク層の材料のエッチングレートよりも大きいことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項2または3に記載の電気光学装置であって、
    前記第1のバンク層は金属材料からなり、
    前記第2のバンク層は無機材料からなることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の電気光学装置であって、
    前記バンク部は、前記第2のバンク層上に積層された第3のバンク層をさらに含み、
    前記第3のバンク層は、前記第2のバンク層の前記開口部に重なる開口部を有しており、有機材料からなることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電気光学装置であって、
    前記溝部における前記下面は、前記基体の表面に備えられた第1の電極であり、
    前記機能層は、有機発光層を含む有機機能層であり、
    前記有機機能層上に第2の電極を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電気光学装置であって、
    前記溝部における前記下面は前記基体であり、
    前記機能層は、所定の色光を選択的に透過する着色層であることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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