JP2009206019A - 燃料電池用高分子電解質膜の製造方法、その電解質膜及びその膜を使用した燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents

燃料電池用高分子電解質膜の製造方法、その電解質膜及びその膜を使用した燃料電池用膜電極接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子フィルム基材の持つ固有の特性の低下を抑制しつつ、低いグラフト率において、高いプロトン伝導性を与えるとともに寸法変化、機械的な強度変化、メタノール燃料の透過を抑制し、さらに、耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】高分子フィルム基材に、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び水とケトン系溶媒を含む溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させた状態で紫外線を照射して、当該ビニルモノマーを液相系において当該高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を当該基材表面及び当該基材表面から内部方向に伸張させる光グラフト重合工程と、前記光グラフト重合工程により形成された前記グラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分にスルホン酸基を導入する工程とを備えることを特徴とする、燃料電池用高分子電解質膜の製造方法を利用する。
その結果、基材表面上にのみラジカルを発生させることができ、基材表面から内側方向にビニル系モノマーをグラフト重合でき、さらに、スルホン酸基を導入することができるので、基材の固有の物性を維持しつつ、良好な物性を有する燃料電池用高分子電解質膜を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れたプロトン伝導性、寸法安定性、機械的特性と共に、優れた耐酸化性、耐熱性を有する燃料電池に適した高分子電解質膜の製造方法、高分子電解質膜、及びその膜を使用した燃料電池用膜電極接合体に関する。
高分子電解質膜を用いた燃料電池は、エネルギー密度が高いことから、メタノール、水素等の燃料を利用して、携帯機器、家庭向けコジェネレーション、自動車の電源や簡易補助電源として期待されている。この燃料電池において、優れた特性を有する高分子電解質膜の開発は最も重要な技術の一つである。
高分子電解質膜型燃料電池において、電解質膜は、プロトンを伝導するための働きと、燃料である水素やメタノールと酸化剤である空気(酸素)とを直接混合させないための隔膜としての役割も有する。電解質膜としては、長期間電流を通すので膜の化学的な安定性、特に、膜の劣化の主因となる水酸化ラジカル等に対する耐性(耐酸化性)が優れていること、電池の動作温度である80℃以上での耐熱性があること、また、プロトン伝導性を高く保持するために膜の保水性が一定であることが要求される。一方、隔膜としての役割から、膜の力学的な強度、特には膜の伸び率が優れていることや寸法安定性が優れていること、水素ガス、メタノール又は酸素ガスについて過剰な透過性を有しないことなどが要求される。膜の伸び率が低いと、膜電極接合体成型時に膜にダメージを受けることになる。
初期の高分子電解質膜型燃料電池では、スルホン酸基保持可能なモノマーであるスチレンと化学架橋剤として知られているジビニルベンゼンの共重合で製造した炭化水素系高分子電解質膜が使用された。しかし、この電解質膜は耐酸化性に起因する耐久性が非常に劣っていたため実用性に乏しく、その後はデュポン社により開発されたパーフルオロスルホン酸膜「ナフィオン(デュポン登録商標)」等が一般に用いられてきた。
しかしながら、ナフィオン等の従来の含フッ素系高分子電解質膜は、化学的な耐久性や安定性には優れているが、膜厚方向のプロトン伝導性として0.06S/cm前後の値を示すものの保水性が不十分でイオン交換膜の乾燥が生じてプロトン伝導性が低下したり、メタノールを燃料とする場合に膜の膨潤やメタノールのクロスオーバーが起きたりする。さらに、ナフィオン(登録商標)などの含フッ素系高分子電解質膜はモノマーの合成が困難かつ複雑であり、また、これを重合してポリマー膜を製造する工程も複雑であるため、製品は非常に高価であり、プロトン交換膜型燃料電池を自動車などへ搭載して実用化する場合の大きな障害となっている。そのため、前記ナフィオン(登録商標)等に替わる低コストで高性能な電解質膜を開発する努力がおこなわれてきた。
一方、60Co線源からγ線、電子線利用による高エネルギーの放射線前照射・後グラフト重合法や高エネルギーの放射線同時グラフト重合法では、高分子膜にスルホン酸基を導入することができるモノマーをグラフトして、固体高分子電解質膜を作製する試みがなされている。本発明者らはこれらの新しい固体高分子電解質膜を開発すべく検討を重ね、高温・不活性ガス雰囲気下で放射線照射を施すことで架橋構造を付与したポリテトラフルオロエチレンフィルムにスチレンモノマーを放射線グラフト反応により導入し、次いでスルホン化することにより、メタノール燃料に膨潤し難い性質と共にイオン交換容量を広い範囲に制御できることを特徴とする固体高分子電解質膜及びその製造方法を出願した(例えば、特許文献1を参照)。しかし、この高分子電解質膜は、架橋構造の付与とグラフト鎖の導入を目的に、膜全体に高エネルギーの放射線を2段階にわたって照射するため分解による膜の機械的強度が低下した。
一方、炭化水素系、炭化水素・炭化フッ素系、炭化フッ素系からなる高分子フィルム基材は、高エネルギーの放射線照射過程において、基材の内部にまで均一に照射を受けるため、基材の持つ化学構造の違い、照射下の雰囲気・温度・圧力などにより、グラフト重合に必要な開始点(ラジカル)の生成や架橋構造の付与ばかりでなく分解も起こることが確かめられ、その結果として基材の持つ固有の特性低下(機械的強度、耐熱性、耐久性等)を引き起こすことが判明した(例えば、非特許文献1を参照)。
また、高分子フィルム基材の持つ固有の特性を低下させずに、耐酸化性、電気伝導性を有する燃料電池用高分子電解質膜を製造するために、高分子フィルム基材上に形成させた光重合開始剤を含有する下塗り層の表面に、スルホン酸基保持可能なビニルモノマー含有混合液を接触させた状態で紫外線を照射してグラフト重合させ、次いでグラフトした分子鎖同士、基材の分子鎖同士、グラフトした分子鎖と基材の分子鎖を放射線により多重架橋させ、さらにスルホン酸基を導入する高分子電解質膜の製造方法が試みられている(例えば、特許文献2を参照)。一般に、光増感剤は有機溶媒には可溶であるが水には不溶であるため光増感剤を溶解させた溶媒中に高分子フィルム基材を浸漬するなど基材表面に光増感剤を予め塗布しておく必要がある。この方法では、光重合開始剤を含有する溶媒中に高分子フィルム基材を浸漬させて、高分子フィルム基材上に光重合開始剤を含有する下塗り層を形成させている。
しかしながら、この方法では、ビニルモノマーを含有する特定の溶媒(例えば、水+アセトン系溶媒)を用いて光照射した場合、折角塗布した光増感剤がアセトンなどに溶解し、結果的に光増感剤が光励起し、基材にラジカルを生成させる働きを低下させてしまうという問題点がある。
この解決策として、塗布した光増感剤の表面を、さらにポリビニルアルコールなどで被覆し保護する方法が試みられている。しかしながら、塗布された光増感剤も高分子フィルム基材も固体同士であり、固体同士がその界面でラジカルの生成を行うのは困難であるラジカルの生成が非効率的であるという問題点がある。
特開2001−348439号公報 特開2007−258048号公報 J. Chen et al., J. Membrane Science, 277, 249 (2006) Y. Kimura et al., Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B263, 463 (2007)
本発明は上記問題点に鑑み、高分子フィルム基材の持つ固有の特性の低下を抑制しつつ、低いグラフト率において、高いプロトン伝導性を与えるとともに、優れた寸法安定性、機械的特性を有し、さらに、耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、発明は、上記高分子電解質膜を膜電極に密着接合させてなる燃料電池用膜電極接合体を提供することを目的とする。
本発明は、スルホン酸基を導入可能なグラフト鎖を膜表面から内部に伸張させる技術を確立できたことから、燃料電池への使用に適した高い伝導性、優れた寸法安定性、優れた機械的特性、メタノール燃料の低クロスオーバーなどを有する高分子電解質膜及びその製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の一態様による燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高分子フィルム基材に、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び水とケトン系溶媒を含む溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させた状態で紫外線を照射して、ビニルモノマーを液相系において高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させる光グラフト重合工程と、光グラフト重合工程により形成されたグラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分(例えば、芳香環)にスルホン酸基を導入する工程とを備えることを特徴とする。上記モノマー溶液が、さらに多官能性ビニルモノマーを含むこともできる。また、上記光グラフト重合工程が、高分子フィルム基材に、上記モノマー溶液の蒸気を接触させた状態で紫外線を照射して、ビニルモノマーを気相系において高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させることもできる。
また、本発明の他の一態様による燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高分子フィルターを介して、高分子フィルム基材の両面に深さ方向に対して2μm以内の範囲に片面として5〜30kGyの電子線照射処理を施す電子線照射工程と、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び有機溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させて、ビニルモノマーを液相系において高分子フィルム基材表面からグラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させるグラフト重合工程と、グラフト重合工程により形成されたグラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分(例えば、芳香環)にスルホン酸基を導入する工程とを備えることを特徴とする。上記モノマー溶液が、さらに多官能性ビニルモノマーを含むこともできる。また、上記グラフト重合工程が、高分子フィルム基材にモノマー溶液の蒸気を接触させた状態でグラフト重合を行って、ビニルモノマーを気相系において高分子フィルム基材表面からグラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させることもできる。上記のいずれかの燃料電池用高分子電解質膜の製造方法において、上記高分子基材がオレフィン系高分子材料又はフッ素系高分子材料からなるものとすることもできる。
さらに、本発明のさらに他の一態様による燃料電池用高分子電解質膜は、上記のいずれかの方法によって製造された高分子電解質膜であって、グラフト鎖が高分子フィルム基材の表面層からのみ内部に伸張するものであり、さらに、グラフト率が5%以上であり、プロトン伝導率が膜面方向で0.03S/cm以上であり、かつ、プロトン伝導率が膜厚方向で0.06S/cm以上であることを特徴とする。また、この高分子電解質膜は、プロトン伝導度などの各特性を適切で広い範囲内に制御できること、一本のスルホン酸基導入(保持)グラフト鎖が膜断面を貫通していることから低いグラフト率においても高いプロトン伝導性を付与できること、機械的特性、寸法安定性に優れていること、固有の基材の持つ特性を維持できること、メタノール燃料の透過抑制に優れていること、さらに耐酸化性・耐熱性に優れていることの少なくとも1つ、好ましくは全てを備えることができる。
また、本発明のさらに他の一態様による燃料電池用膜電極接合体は、上記のいずれかの方法によって製造された高分子電解質膜を膜電極に密着接合させてなることを特徴とする。この膜・電極接合体は、高分子電解質膜とその両面に接合した一対の触媒層を持つガス拡散電極で構成されている。燃料電池としての作動は、燃料であるメタノールや水素をアノード側のガス拡散電極に、もう一方のカソード側のガス拡散電極に酸化剤である酸素や空気を供給し、両方の電極間に外部負荷回路を接続するシステムからなる。この時、アノード側で生成したプロトン(H)を、電解質膜を通ってカソード側に移動させ、カソード側で酸素と反応させ水を生成する。ここで重要なことは、高分子電解質膜はプロトンの移動媒体としての役割と燃料ガスや酸素ガスの隔膜としての機能していることである。
本発明の燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法によれば、高分子フィルム基材の表面からのみグラフト鎖を内部に伸張させる反応技術が確立できたので、基材の持つ固有の性能を維持しながら、低いグラフト率において高いプロトン伝導性を与えるとともに優れた寸法安定性、機械的特性を有し、メタノール燃料透過を抑制し、さらに耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用高分子電解質膜を提供できる。
また、本発明の燃料電池用膜電極接合体によれば、上記の製造方法によって製造された高分子電解質膜を膜電極に密着接合させてなるので、低いグラフト率において高いプロトン伝導性を与えるとともに、優れた寸法安定性、機械的特性を有し、メタノール燃料透過を抑制し、さらに耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用電極接合体を得ることができる。
本発明の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高分子基材の表面層上(表面の近傍)にのみラジカルを発生させ、スルホン酸基導入(保持)可能な部分を有するビニル(系)モノマーを、高分子基材の表面上のみならず基材の表面から内部方向に伸張するようにグラフト重合させ、さらにスルホン酸基導入可能な部分にスルホン酸基を導入させるものである。すなわち、本発明の一実施形態による燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高分子フィルム基材に、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び水とケトン系溶媒を含む溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させた状態で紫外線を照射して、ビニルモノマーを液相系において高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させる光グラフト重合工程と、光グラフト重合工程により形成されたグラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分(例えば、芳香環)にスルホン酸基を導入する工程とを備える。また、本発明の他の実施形態による燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高分子フィルターを介して、高分子フィルム基材の両面に深さ方向に対して2μm以内の範囲に片面として5〜30kGyの電子線照射処理を施す電子線照射工程と、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び有機溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させて、ビニルモノマーを液相系において高分子フィルム基材表面からグラフト重合させて、グラフト鎖を基材表面及び基材表面から内部方向に伸張させるグラフト重合工程と、グラフト重合工程により形成されたグラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分(例えば、芳香環)にスルホン酸基を導入する工程とを備える。以下に詳述する。
本明細書中において使用する「高分子フィルム基材」という用語は、電解質膜の基材となるフィルム状の形態を有する高分子材料をいうものとする。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などから構成されるフィルムを用いることができる。これらのうち、オレフィン系高分子材料又はフッ素系高分子材料からなる基材は、企業の持つノウハウ技術を駆使し、耐久性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性などの特性を付与することで、エンジニアプラスチックとして、多分野に利用されているため好ましい。また、本発明は、高分子フィルム基材がフッ素系材料であるときに特に効果を発揮する。
なお、高分子フィルム基材は、厚さとしては、10〜100μmが電解質膜の機械的強度などを維持する観点から好ましい。
本発明において、紫外線を吸収する分子構造を有しているケトン系溶媒は、分子内にケトン構造を有する溶媒であり、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、及びシクロヘキサノンなどを使用することができる。
これらのうち、メチルエチルケトン、アセトンは、多種多様な基材に対し高いラジカル生成能を有するため好ましい。
ケトン系溶媒は、水と共にポリマー溶液用の溶媒として用いることができる。ケトン系溶媒と水の配合比(体積比)は、適宜決めることができ、例えば、ケトン系溶媒:水=1:1〜30、好ましくは1:3〜10である。
さらに、ケトン系溶媒や水と共に、以下に例示する、水に可溶な有機溶媒であればいずれのものも混合して使用することができる。これらの有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、アセトニトリルなどを挙げることができる。
これらのさらに混合される有機溶媒の配合量は、適宜決めることができる。例えば、ケトン系溶媒と水との合計量100体積%を基準として、5〜80体積%、好ましくは15〜50体積%を添加することができる。
本発明において、高分子フィルム基材に紫外線による光や低エネルギー加速器からの電子線によりグラフト重合するビニルモノマー、すなわちスルホン基を導入可能な部分を有するビニルモノマーを以下に例示する。このようなビニルモノマーとしては、A群の1官能性ビニルモノマー、B群の多官能性ビニルモノマーからなる群から選択される1種単独で、又は2種以上の混合物を使用することができる。
なお、これらのビニルモノマーのうち、芳香環を有するビニルモノマーが、芳香環へのスルホン酸基の導入が容易であるため好ましい。よって、これらのビニルモノマーのうち、芳香環を有するビニルモノマーを1種以上使用することが好ましい。
A群:
スチレン;メチルスチレン類(α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)、エチルスチレン類、ジメチルスチレン類、トリメチルスチレン類、ペンタメチルスチレン類、ジエチルスチレン類、イソプロピルスチレン類、ブチルスチレン類(3−tert−ブチルスチレン、4−tert−ブチルスチレンなど)などのアルキルスチレン;クロロスチレン類、ジクロロスチレン類、トリクロロスチレン類、ブロモスチレン類(2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレンなど)、フルオロスチレン類(2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン)などのハロゲン化スチレン;メトキシスチレン類、メトキシメチルスチレン類、ジメトキシスチレン類、エトキシスチレン類、ビニルフェニルアリルエーテル類などのアルコキシスチレン;ヒドロキシスチレン類、メトキシヒドロキシスチレン類、アセトキシスチレン類、ビニルベンジルアルキルエーテル類などのヒドロキシスチレン誘導体;ビニル安息香酸類、ホルミルスチレン類などのカルボキシスチレン誘導体;ニトロスチレン類などのニトロスチレン;アミノスチレン類、ジメチルアミノスチレン類などのアミノスチレン誘導体;ビニルベンジルスルホン酸類、スチレンスルホニルフルオリド類などのイオンを含むスチレン誘導体からなる群から選択される1官能性ビニルモノマー。
B群:
ビス(ビニルフェニル)エタン、ジビニルベンゼン、2,4,6−トリアリロキシ−1,3,5−トリアジン(トリアリルシアヌレート)、トリアリル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート(トリアリルトリメリテート)、ジアリルエーテル、トリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリワン、2,3−ジフェニルブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルオクタフルオロブタン、ビス(ビニルフェニル)メタン、ジビニルアセチレン、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホキシド、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、ブタジエン、1,4−ジビニル−2,3,5,6−テトラクロルベンゼンからなる群から選択される多官能性ビニルモノマー。
これらのビニルモノマーを、溶媒、例えば上記のケトン系溶媒と水の混合液に溶解してビニルモノマー溶液とすることができる。ビニルモノマーと溶媒(混合液)から構成されるモノマー溶液中の配合量(モル比)は、例えばケトン系溶媒の配合量(体積%)などに応じて適宜決めることができる。例えば、溶媒中のケトン系溶媒の配合量(溶媒全体100体積%を基準にした体積%)が5〜30体積%である場合には、紫外線照射による液相系でのビニルモノマーのモル濃度(モル/L)は、0.1モル/L〜4モル/L、好ましくは0.3モル/L〜1.0モル/Lと規定することができる。また、紫外線照射による気相系でのビニルモノマーのモル濃度は、0.1モル/L〜3モル/L、好ましくは0.3モル/L〜1.5モル/Lと規定することができる。
なお、上記のビニルモノマーを2種以上用いる場合には、その配合割合(例えば体積比)は適宜決めることができる。また、A群の1官能性ビニルモノマーに、Bの多官能性ビニルモノマーを所定の割合(例えば体積比)で配合して使用する場合には、燃料電池用高分子電解質膜としての良好な物性を維持しつつ、多官能性ビニルモノマー由来の架橋構造の形成により、耐酸化性、耐熱性をより向上させることができる。このときの、A群の1官能性ビニルモノマーとBの多官能性ビニルモノマーの割合(体積比)は、例えば、1官能性ビニルモノマー:多官能性ビニルモノマー=1:
0.01〜0.6、好ましくは1:0.02〜0.3である。また、例えば、芳香環を有するビニルモノマーの1種以上をA群の1官能性ビニルモノマーから選択し、さらに、多官能性ビニルモノマーの1種以上をB群の多官能性ビニルモノマーから選択することが好ましい。
高分子フィルム基材への上記モノマーの光グラフト重合は、液相系や気相系で行うことができる。液相系の場合、光グラフト重合は、密封可能な活栓付パイレックス製ガラスアンプルを用いて、その中に予めビニルモノマー及び水とケトン系溶媒とを含む溶媒(混合液)からなるモノマー溶液を充填、次いで、高分子フィルム基材を浸し、窒素ガス等の不活性ガスをバブリング後、光(例えば紫外線)照射下、40〜90℃の温度でグラフト重合を行わせる。一方、気相系では、高分子フィルム基材を、密封可能な活栓付パイレックス製ガラスアンプル内でビニルモノマー及び水とケトン系溶媒を含む溶媒(混合液)からなるモノマー溶液と直接接触させることなく、40〜90℃の温度、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下でビニルモノマー及び水とケトン系溶媒とを含む溶媒(混合液)からなるモノマー溶液を気化させることによりビニルモノマーを気化させ、その蒸気を利用し、光グラフト重合を行わせる。
グラフト重合を行わせる光線としては、紫外線が最も好ましく、紫外線照射の光源として超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハロライドランプ、キセノンランプ、低圧殺菌ランプ等が挙げられる。400W高圧水銀灯を用いた場合、照射時間は30〜600分であるのが好ましい。
一方、本発明では、光グラフト重合と同様に基材表面にのみラジカルを生成させる手段として、低エネルギー加速器からの電子線照射を利用できる。この場合、高分子フィルム基材の表面層にのみ電子線照射によるラジカルを生成させるために、高分子フィルターを介して高分子フィルム基材の表面層(例えば、基材表面から2μm以内)にのみ電子線照射によるラジカルを生成させ、次いで窒素ガスでバブリング処理済のビニルモノマー及び有機溶媒からなるモノマー溶液と直接接触させ、密封可能な活栓付パイレックス製ガラスアンプル内で窒素ガス雰囲気下、40〜90℃の温度でグラフト重合を行わせる。気相系では、電子線照射した高分子フィルム基材を、密封可能な活栓付パイレックス製ガラスアンプル内で、予め窒素ガスでバブリング処理したビニルモノマーと有機溶媒からなるモノマー溶液と直接接触させることなく、40〜90℃の温度、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でビニルモノマー及び有機溶媒からなるモノマー溶液を気化することによりビニルモノマーを気化させ、その蒸気を利用し、グラフト重合を行わせる。
本発明の電子線照射処理の条件は、25〜50keVの加速電圧、20〜150μAの電流下、基材の片面当たり5〜30kGyである。
高分子フィルム基材の表面から照射によってラジカル生成が可能な深さは、例えば高分子フィルム基材の厚さなどに応じて決めることができるが、基材表面から2μm以内が基材の持つ固有の特性を保持するために好ましい。この深さは、高分子フィルターの厚さ、化学構造などによって制御することができる。また、加速電圧、基材と加速器の電子出口の距離、真空度などによっても制御できる。深さを制御するための高分子フィルターの厚さは1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。また高分子フィルターとしては例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンなどの材質からなる高分子フィルターを使用できる。これらのうち、ポリエチレンナフタレートの材質からなる高分子フィルターは、薄膜にもかかわらず基材との密着性、取扱などの容易なことから好ましい。
なお、上記のモノマー溶液を構成する有機溶媒としては、上記の光グラフト重合で使用されるケトン系溶媒、さらには混合使用可能な有機溶媒が挙げられる。すなわち、この上記のモノマー溶液を構成する有機溶媒は、光グラフト重合用の溶媒(混合液)とは異なり、ケトン系溶媒を必須の構成要素として含まなくてもよい。しかし、例えば、気相系における反応においては、ケトン系溶媒を含む有機溶媒がモノマーの蒸発量の制御、基材とモノマーの界面における親和性の制御などに関与するため好ましくは使用される。有機溶媒がケトン系溶媒を含む場合には、その配合量(体積比)は適宜決めることができる。例えば有機溶媒全体を100体積%として、ケトン系溶媒を2〜70体積%、好ましくは9〜25体積%含むことができる。
なお、電子線照射による液相系でのビニルモノマーのモル濃度(重量%)は、例えばモノマー溶液(モノマー+溶媒の合計量)100重量%を基準として、10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%と規定することができる。また、電子線線照射による気相系でのビニルモノマーのモル濃度(モル/L(溶媒))は、0.1モル/L〜3モル/L、好ましくは0.3モル/L〜1.5モル/Lと規定することができる。
グラフト高分子フィルム基材にスルホン酸基を導入するには、グラフトした分子鎖中のフェニル基にクロルスルホン酸のジクロルエタン溶液やクロロホルム溶液を、公知の条件、例えば40〜80℃の温度、3〜20時間の条件下で反応させることによって行うことができる。
本発明の高分子電解質膜は、従来不可能とされていた光増感剤を高分子フィルム基材の表面に塗布することなく、水、ケトン系溶媒及び有機溶媒のみからなる混合液下で紫外線照射することで基材の表面にのみラジカルを生成、若しくは高分子フィルターを介して電子線照射を施すことで基材表面にのみラジカルを生成させ、いずれもラジカルを開始点としビニルモノマーをグラフト重合させると共に、グラフト鎖を基材表面から内部に伸張させるものである。
すなわち、オレフィン系やフッ素系の高分子フィルム基材にスルホン酸基導入(保持)可能なビニルモノマーや化学架橋構造の導入に必要な多官能性ビニルモノマーを、光増感剤を使用せずに、本発明において見出した紫外線吸収能を持つケトン系溶媒を含む混合液を利用して、液相系もしくは気相系において照射することにより、該ビニルモノマーのグラフト重合反応を行わせ、その際、基材の表面で生成したラジカルを開始点にグラフト鎖を膜表面から従来不可能であった内部にまで伸張させ、最終的にスルホン酸基を導入することで、本発明の燃料電池用高分子電解質膜を製造することができる。本発明は、光増感剤を使用しないので、光増感剤を塗布する工程やその表面をさらに保護する工程を省略することができる。また、一般に高分子フィルム基材は疎水性であるため、高分子フィルム基材と水とは親和性を持たない。しかしながら、水中にアセトンを加えると、水とアセトンとは高い相溶性を有するため、水中のアセトンが、疎水性の基材表面で高い親和性を保持するとともに、その界面において固体・液体状態にもかかわらず均一な濡れ状態を得ることができる。本発明においては、この均一な濡れ状態を得ることができる。この均一な濡れ状態は非常に重要であり、この状態においては、ビニルモノマーは、例えば水に溶解しなくてもアセトンには溶解する。よって、アセトン・モノマー・基材は、高い親和性を維持しながら、光照射工程で、基材表面から均一に、かつ持続的にラジカルを発生させ、グラフト重合を発生させることが可能となる。光増感剤を使用する場合には、上記の均一な濡れ状態を作りだすことはできない。
一方、低エネルギー加速器からの電子線利用の場合、本発明において見出した上記の高分子フィルターを介してオレフィン系やフッ素系の高分子フィルム基材の表面層(2μm以内)にのみ生成させたラジカルを開始点に、液相系もしくは気相系において、該ビニルモノマーのグラフト重合反応を行わせ、グラフト鎖を膜表面から従来不可能であった内部にまで伸張させ、最終的にスルホン酸基を導入することで、本発明の燃料電池用高分子電解質膜を製造することができる。
また、本発明の高分子電解質膜は、上記のように基材の表面層で生成したラジカルを開始点にグラフト鎖を膜表面から従来不可能であった内部にまで伸張させ、最終的にスルホン酸基を導入するものであるので、「ひも状」のグラフト鎖が基材を貫通することからスルホン化によって得られた電解質膜は、5%以上のグラフト率において、膜面方向で0.03S/cm以上、膜厚方向で0.06S/cm以上の高い電気伝導性を示すばかりでなく、基材自体の持つ特性を維持できるため、電解質膜の寸法変化や燃料のクロスオーバーを著しく抑制できる。さらに、ビニルモノマーと化学架橋剤をグラフト共重合させて得られたスルホン酸基保持グラフト鎖は、架橋ネットワーク構造の導入によって、優れた耐久性や耐熱性を付与できる。
また、本発明の高分子電解質膜においては、ビニルモノマーのグラフト率は、好ましくは5%以上24%以下である。また、プロトン伝導率としては、膜面方向では、好ましくは0.03S/cm以上0.08S/cm以下であり、膜厚方向では、好ましくは0.06S/cm以上0.13S/cm以下である。
グラフト量やスルホン化反応量、即ち、導入されるスルホン酸基の量を制御することによって、得られる膜のイオン交換容量を変えることができる。本発明において、グラフト率は、高分子フィルム基材に対し、5%以上が好ましいが、これはイオン交換容量として0.4mmol/g以上に相当する。ここで、イオン交換容量とは、乾燥電解質膜の重量1g当たりのイオン交換基量(mmol/g)である。グラフトモノマーの種類に依存するが、グラフト率を高くしてイオン交換基を多く導入すれば、イオン交換容量は高くなる。しかし、イオン交換基量を高くし過ぎると、含水時に膜が膨潤して膜の強度が低下する。一般的には、イオン交換容量が増すにつれて含水率も増大するが、本発明の高分子電解質膜の含水率は4%以上が好ましく、6〜25%がより好ましい。
また、本発明の高分子電解質膜は、機械的特性に優れている。機械的特性としては、特に伸び率が重要であり、本発明の高分子電解質膜は、特にこの伸び率が高く非常に優れている。高分子電解質膜に求められる機械的特性のうち伸び率は特に重要である。高分子電解質膜と触媒電極(炭素原子、白金など)を接合して得られる「膜・電極接合体(MEA)」は、燃料電池の心臓部を担うものになり、高分子電解質膜との相性が極端に悪い無機質な電極を、例えば加圧加熱処理などを施すことにより高分子電解質膜と接合させて作製される。高分子電解質膜が高い伸び率を有するということは、膜が弾力性に富んでいることになるため、加圧加熱処理による圧着を向上させることができる。
また、高分子電解質膜は、イオン交換容量とも関係するプロトン伝導率が高いものほど電気抵抗が小さく、電解質膜としての性能はすぐれている。しかし、25℃におけるイオン交換膜のプロトン伝導率が0.05S/cm未満である場合は、燃料電池としての出力性能が著しく低下する場合が多いため、高分子電解質膜のプロトン伝導率は0.05S/cm以上に設計されていることが多い。本発明による高分子電解質膜では、25℃における高分子電解質膜のプロトン伝導率がナフィオンや放射線グラフト重合を利用して合成したそれに比べ、5%の低グラフト率においても、ナフィオン並みの高い値が得られた。これは、紫外線や低エネルギーの電子線を利用し、基材の表面にのみ生成したラジカルを、グラフト重合の開始剤とすることで膜表面からスルホン酸基保持可能なグラフト分子鎖が、膜厚方向に対しナノーオーダーの一本鎖として存在することからプロトンが移動しやすく、かつ多重架橋構造が付与されているため水による膜の膨潤が抑制され、その結果として、隣接しているスルホン酸基同士の相互作用が容易になるためプロトンの伝達が高くなったと思われる。膜厚方向に対し一本鎖として導入する手法は、膜表面から内部にグラフト鎖を伸張できる本発明のグラフト重合法でのみ可能なことも特徴の一つである。
なお、高分子電解質膜のプロトン伝導率を高めるため、高分子電解質膜の厚みを薄くすることも考えられる。しかし現状では、過度に薄い高分子電解質膜では破損しやすく、膜自体の製作が困難である。したがって、通常では30〜200μmの高分子電解質膜が使われている。本発明の場合、膜厚は10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが有効である。
本発明の燃料電池用高分子電解質膜は膜電極に密着接合されて燃料電池用電極接合体を構成し、燃料電池に用いることができる。
また、本発明の燃料電池用高分子電解質膜は、イオン交換膜としても使用できる。
次に、本発明の高分子電解質膜を用いた膜・電極接合体について説明する。本発明の膜・電極接合体は、上述した本発明の高分子電解質膜と、アノード電極と、カソード電極とから構成される。
アノード電極及びカソード電極は、当技術分野において通常使用されるものであれば特に限定されない。例えば、アノード電極は、触媒である白金・ルテニウム担持カーボンブラックを塗布したカーボンペーパーを使用することができ、カソード電極としては、触媒である白金担持カーボンブラックを塗布したカーボンペーパーを使用することができる。アノード及びカソードの触媒の担持量は、適宜決定することができる。
本発明の膜・電極体は、上述した本発明の高分子電解膜を、アノード電極とカソード電極の間に配置し、熱プレス等の当技術分野において通常使用される方法を用いて接合することにより製造することができる。
本発明の燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法によれば、光吸収能を持つケトン系溶媒を含む混合液中での光グラフト重合や低エネルギーの電子線照射により基材の表面層にのみラジカルを生成させる手法の確立によって、グラフト鎖を膜表面のみならず従来不可能であった内部にも伸張させることができるので、高分子フィルム基材の持つ固有の特性を維持しつつ、低いグラフト率においても、高いプロトン伝導性を与えるとともに寸法変化、機械的な強度変化、メタノール燃料透過を抑制し、さらに耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用高分子電解質膜を製造することができる。また、本発明の燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法によれば、製造条件の調整により、イオン交換容量等の高分子電解質膜の物性を広い範囲で制御できる。
さらに、本発明の燃料電池用膜電極接合体によれば、上記の製造方法によって製造された高分子電解質膜を膜電極に密着接合させてなるので、低いグラフト率において高いプロトン伝導性を与えるとともに寸法変化、機械的な強度変化、メタノール燃料透過を抑制し、さらに耐熱性、耐酸化性が良好な燃料電池用電極接合体を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各測定値は以下の測定によって求めた。
(1)グラフト率(%)
フィルム基材を主鎖部、フッ素モノマーやこれらと炭化水素系モノマー等とのグラフト重合した部分をグラフト鎖部とすると、主鎖部に対するグラフト鎖部の重量比は、次式のグラフト率(Xdg [重量%])として表される。
Figure 2009206019
(2)イオン交換容量(mmol/g)
膜のイオン交換容量(Ion Exchange Capacity, IEC)は次式で表される。
Figure 2009206019
[n(酸基)obs]の測定は、正確を期すため、膜を再度1M硫酸溶液中に50℃で4時間浸漬し、完全に酸型(H型)とした。その後、3MのNaCl水溶液中50℃、4時間浸漬して−SONa型とし、置換されたプロトン(H)を0.2MのNaOHで中和滴定し酸基濃度を求めた。
(3)膨潤率(wt%)
室温で純水中、若しくは15Mメタノール水溶液中に保存しておいたH型のイオン交換膜をそれぞれ純水中、若しくはメタノール水溶液中から取り出し軽くふき取った後(約1分後)の膜の重量をW(g)とし、その後、この膜を60℃にて16時間、真空乾燥した時の膜の重量W(g)を乾燥重量とすると、W、Wから次式により膨潤率が求められる。
Figure 2009206019
(4)膜面方向のプロトン伝導度(S/cm)(例えば、非特許文献2を参照)
室温で、水中で保存のH型の高分子電解質膜を取り出し、両白金電極に挟み、インピーダンスよる膜面方向の抵抗を測定する。高分子電解質膜のプロトン伝導性は次式を用いて算出した。
Figure 2009206019
(5)耐酸化性(導電性基脱離時間)
60℃の水溶液中で飽和膨潤させた電解質膜の重量を基準とし、次いで60℃の3%過酸化水素溶液に浸漬し、電解質膜の重量が減少し始めた時の時間(導電性基脱離時間)を耐酸化性の尺度とする。
(6)機械的強度
高分子電解質膜の機械的強度は、引張強度(MPa)と最大伸び率(%)を、室温(約25℃)、湿度50%RHの下、JIS K7127に準じ、ダンベル型の試験片を用いて測定した。
(実施例1)
3cmx3cmx50μmに切断したポリフッ化ビニリデンフィルム基材(以下、「PVDF」と略す。)(株式会社クレハ製、商品名:クレハKFポリマー)をコック付きのパイレックス製のガラスアンプルに入れて脱気の後、ガラスアンプルに予め脱気しておいたメチルエチルケトン/イソプロパノール/水(5/28.5/66.5v%)の混合液(36mL)とスチレン(2.4mL、0.546mol/L)とからなるスチレンモノマー溶液(液相グラフト重合溶液系)を直接接触させ、窒素ガスで置換した後、コックを閉め、60℃で、光源として高圧水銀灯(400W)を用いて紫外線を1時間照射することで、液相系光グラフト重合を行った。得られた光グラフト重合膜をトルエンで洗浄し乾燥した。グラフト率は、12%であった。
グラフト重合膜をスルホン化するため、1,2−ジクロロエタンで希釈した0.2Mクロロスルホン酸に浸漬し、60℃で6時間反応させた後、水洗により加水分解を行った。本実施例で得られた高分子電解質膜のイオン交換容量、含水率、プロトン伝導率、機械的特性、及び耐酸化性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009206019
表1において、耐酸化性は時間を尺度として表されており、時間が長いほど、耐酸化性が優れていることを示している。本発明の耐酸化性は、3%過酸化水素(H)水溶液中に電解質膜を浸漬し、60℃の温度で処理したときの膜の分解による重量変化を、時間を関数として調べた結果である。表1で、いくつかの実施例及び比較例における200時間は、この試験期間中分解が全く起こらないことを示している。
(実施例2)
実施例1において、基材としてエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(以下、「ETFE」と略す。)(旭硝子株式会社製、商品名:フルオン)を用いた。他の条件は実施例1と同じである。グラフト率は23%であった。その結果を表1に示す。
(実施例3)
3cmx3cmx50μmに切断したPVDFをコック付きのパイレックス製ガラスアンプルに入れて脱気の後、ガラスアンプル中に予め脱気しておいたアセトン/水(6mL/30mL)の混合液とスチレン(2.4mL、0.546mol/L)とかななるスチレンモノマー溶液(液相グラフト重合溶液系)を直接接触させ、窒素ガスで置換した後、コックを閉め、60℃で、光源として高圧水銀灯(400W)を用いて紫外線を1時間照射することで、液相系光グラフト重合を行った。得られた光グラフト重合膜をトルエンで洗浄し乾燥した。グラフト率は、9%であった。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3において、基材としてポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と略す。)(日東電工株式会社製、商品名:ニトフロン)を用いた。紫外線照射は3時間である。他の条件は実施例3と同じである。グラフト率は、5%であった。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4において、液相グラフト重合溶液系(スチレンモノマー溶液)に多官能性ビニルモノマーであるジビニルベンゼンをスチレンに対して5mol%を加えた。他の条件は実施例4と同じである。グラフト率は、10%であった。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例4において、PTFEとスチレンモノマー溶液を直接接触させずに、スチレンモノマー溶液の蒸気(気相グラフト重合溶液系)を利用して気相系光グラフト重合を行った。他の条件は実施例4と同様である。グラフト率は、5%であった。その結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6において、気相グラフト重合溶液系に多官能性ビニルモノマーであるビス(ビニルフェニル)エタンをスチレンに対して5mol%を加えた。他の条件は、実施例6と同じである。グラフト率は、15%であった。その結果を表1に示す。
(実施例8)
電子線の加速電圧を25keVとし、99μAの電流値の条件下において、窒素雰囲気で、ポリエチレンナフタレートフィルター(5μm厚)(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:テオネックス)を介して、5cmx5cmx50μmに切断したPVDFに、基材表面から2μmの深さのところに片面当たり20kGyの照射を両面に行なった。なお、基材表面から2μmの深さのところへの片面当たり20kGyの照射の確認は、富士フィルム株式会社製、三酢酸セルロースフィルム線量計(FT−125)により行った。
照射PVDFをコック付きのガラスアンプルに入れて脱気の後、ガラスアンプル中に予め脱気しておいたスチレン/イソプロパノール(40/60w%;60g)のスチレンモノマー溶液(液相グラフト重合溶液系)を直接接触させ、窒素ガスで置換した後、コックを閉め、60℃で6時間、グラフト重合を行った。得られたグラフト重合膜をトルエンで洗浄し乾燥した。グラフト率は、20%であった。その結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8において、スチレンモノマー溶液として、メチルエチルケトン/イソプロパノール/水(15mL:10/30/60v%)の混合液とスチレン(2.4mL、0.546mol/L)とからなるスチレンモノマー溶液を用いた。
照射PVDFとスチレンモノマー溶液を直接接触させずに、スチレンモノマー溶液の蒸気(気相グラフト重合溶液系)を利用して気相系グラフト重合を60℃で3時間行った。他の条件は、実施例8と同じである。グラフト率は、19%であった。その結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例9において、気相グラフト重合溶液系に多官能性ビニルモノマーであるビス(ビニルフェニル)エタンをスチレンに対して5mol%を加えた。他の条件は実施例9と同じである。グラフト率は、24%であった。その結果を表1に示す。
(実施例11)
電子線の加速電圧を25keVとし、149μAの電流値の条件下において、窒素雰囲気で、ポリエチレンナフタレートフィルター(3μm厚)(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:テオネックス)を介して、5cmx5cmx50μmに切断したPTFEに、基材表面から2μmの深さのところに片面当たり30kGyの照射を両面に行なった。
照射PTFEをコック付きのガラスアンプルに入れて脱気の後、ガラスアンプル中に予め脱気しておいたスチレン/n−ブタノール(40/60w%;60g)のスチレンモノマー溶液(混合液:液相グラフト重合溶液系)を直接接触させ、窒素ガスで置換した後、コックを閉め、60℃で8時間、グラフト重合を行った。得られたグラフト重合膜をトルエンで洗浄し乾燥した。グラフト率は、11%であった。その結果を表1に示す。
(比較例1)
下記の表1に示したナフィオン112(デュポン製)について測定したイオン交換容量電気伝導度、含水率、及び耐酸化性の結果を表1の比較例1に示す。
(比較例2)
実施例8において、ポリエチレンナフタレートフィルターを介さずにPVDFに直接電子線を照射した。実施例8と同じグラフト率を得るため、グラフト重合を3時間行なった。グラフト率は19%であった。その結果を表1の比較例2に示す。
(比較例3)
実施例11において、ポリエチレンナフタレートフィルターを介さずにPTFEに直接電子線を照射した。実施例11と同じグラフト率を得るため、グラフト重合を4時間行なった。グラフト率は12%であった。その結果を表1の比較例2に示す。
上記の表1から理解されるように、本発明の高分子電解質膜は、その種々の特性について、例えばプロトン伝導率については、膜面方向では、例えば0.03S/cm以上0.08S/cm以下の範囲、膜厚方向では、例えば0.06S/cm以上0.13S/cm以下の範囲のように、所望の範囲内で調整可能である。また、多官能性基を導入することにより、耐酸化性が向上し、従って、耐久性、耐熱性が向上する。
また、本発明の高分子電解質膜は、特に高い伸び率を示し、機械的特性も優れている。さらに、本発明の高分子電解質膜は、低い膨潤率、特にメタノール中で低い膨潤率を示し、従って、寸法安定性も優れている。
本発明の電解質膜は、低いグラフト率において高いプロトン伝導性を与えるとともに寸法安定性、高機械的強度、燃料の透過抑制、さらに耐熱性、耐酸化性を有するので、メタノール、水素等の燃料を利用して、携帯機器、家庭向けコジェネレーション、自動車用の電源や簡易補助電源として期待されている燃料電池に適した高分子電解質膜として使用される。

Claims (9)

  1. 高分子フィルム基材に、スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び水とケトン系溶媒を含む溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させた状態で紫外線を照射して、当該ビニルモノマーを液相系において当該高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を当該基材表面及び当該基材表面から内部方向に伸張させる光グラフト重合工程と、
    前記光グラフト重合工程により形成された前記グラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分にスルホン酸基を導入する工程と
    を備えることを特徴とする、燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  2. 前記モノマー溶液が、さらに多官能性ビニルモノマーを含むことを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  3. 前記光グラフト重合工程が、前記高分子フィルム基材に、前記モノマー溶液の蒸気を接触させた状態で紫外線を照射して、当該ビニルモノマーを気相系において当該高分子フィルム基材表面から光グラフト重合させて、グラフト鎖を当該基材表面及び当該基材表面から内部方向に伸張させる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  4. 高分子フィルターを介して、高分子フィルム基材の両面に深さ方向に対して2μm以内の範囲に片面として5〜30kGyの電子線照射処理を施す電子線照射工程と、
    スルホン酸基導入可能なビニルモノマー及び有機溶媒を含んでなるモノマー溶液を接触させて、当該ビニルモノマーを液相系において当該高分子フィルム基材表面からグラフト重合させて、グラフト鎖を当該基材表面及び当該基材表面から内部方向に伸張させるグラフト重合工程と、
    前記グラフト重合工程により形成された前記グラフト鎖中のスルホン酸基導入可能な部分にスルホン酸基を導入する工程と
    を備えることを特徴とする燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  5. 前記モノマー溶液が、多官能性ビニルモノマーをさらに含むことを特徴とする請求項4記載の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  6. 前記グラフト重合工程が、前記高分子フィルム基材に前記モノマー溶液の蒸気を接触させた状態でグラフト重合を行って、当該ビニルモノマーを気相系において当該高分子フィルム基材表面からグラフト重合させて、グラフト鎖を当該基材表面及び当該基材表面から内部方向に伸張させる
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  7. 前記高分子フィルム基材がオレフィン系高分子材料又はフッ素系高分子材料からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の方法によって製造された高分子電解質膜であって、グラフト鎖が高分子フィルム基材の表面層からのみ内部に伸張するものであり、さらに、グラフト率が5%以上であり、プロトン伝導率が膜面方向で0.03S/cm以上であり、かつ、プロトン伝導率が膜厚方向で0.06S/cm以上であることを特徴とする燃料電池用高分子電解質膜。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の方法によって製造された高分子電解質膜を膜電極に密着接合させてなることを特徴とする、燃料電池用電極接合体。
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