JP2009204139A - 転がり軸受、およびそれを用いた主軸装置 - Google Patents

転がり軸受、およびそれを用いた主軸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 軸受内に封入したグリースだけを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、かつ効果的な潤滑ができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 この転がり軸受装置は、内輪2、外輪3、および転動体3を有する。例えば、固定側軌道輪が外輪2とする。外輪2の軌道面2aに続く段差面2bを転動体3から離れる方向に設ける。先端面が段差面2bに隙間15を介して対面し周壁で外輪2との間に流路14を形成する環状の隙間形成片7を設ける。流路14に連通するグリース溜まり9を設ける。隙間形成片7の先端面に、この先端面と段差面2bとの間の隙間15の円周方向の一部を塞ぐ円弧状片16を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械主軸等のグリース潤滑とされる潤滑機構付きの転がり軸受、およびそれを用いた主軸装置に関する。
工作機械主軸軸受の潤滑方法として、メンテナンスフリーで使用可能なグリース潤滑、搬送エアに潤滑オイルを混合してオイルをノズルより軸受内に噴射するエアオイル潤滑、軸受内に潤滑油を直接に噴射するジェット潤滑等の方法がある。最近の工作機械は、加工能率を上げるために、ますます高速化の傾向にあり、主軸軸受の潤滑も比較的安価で簡単に高速化が可能なエアオイル潤滑が多く用いられてきている。しかし、このエアオイル潤滑法は、付帯設備としてエアオイル供給装置が必要であることと、多量のエアを必要とすることから、コスト、騒音、省エネ、省資源の観点から問題がある。また、オイルの飛散によって環境を悪化させる問題もある。これらの問題を回避するために、最近ではグリース潤滑による高速化が注目され始め、要望も多くなってきている。
このような試みの一つに、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載の転がり軸受は、図7に示すように、内部にグリース溜まり9を形成したグリース溜まり形成部品6を固定側軌道輪2(例えば外輪)に接して設けると共に、このグリース溜まり形成部品6から固定側軌道輪2の軌道面2aの付近まで延びて、固定側軌道輪2との間に隙間15を形成する隙間形成片7を設け、前記グリース溜まり9と固定側軌道輪2の軌道面2aとの間を前記隙間15を介して連通させたものである。
上記転がり軸受によると、軸受の停止時には、グリース中の増稠剤および前記隙間15の毛細管現象によりグリースの基油が隙間15に移動する。軸受を運転すると、隙間15に貯油されていた基油は、運転で生じる固定側軌道輪2の温度変化と、転動体3の公転・自転で生じる空気流とにより隙間15から吐出されて、固定側軌道輪2の軌道面2aに付着しながら移動して転動体接触部に連続的に補給される。
特開2006−132765号公報
特許文献1に記載のものは、前記隙間15の隙間量δの寸法を例えばδ=50〜100μmに設定することで、固定側軌道輪2の軌道面2aに適量の潤滑油を供給するようにしている。しかし、隙間15の隙間量δは微小であり、設定上の許容範囲も狭いため、その調整が難しい。隙間量δが小さすぎると、軌道面2aへの潤滑油の供給が不十分となる。また、隙間量δが大きすぎると、初期に軸受に封入されたグリースに、運転時に隙間15から吐出される潤滑油が加わることで、軸受空間の潤滑油が過剰となり、運転中の攪拌抵抗が大きくなる。
この発明の目的は、軸受内に封入したグリースと軸受に設けたグリース溜まりに封入したグリースとを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、かつ効果的な潤滑ができる転がり軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、上記転がり軸受を主軸装置に用いた場合に、その主軸装置に合わせて転がり軸受の隙間から吐出される潤滑油を適正に調整することである。
この発明にかかる転がり軸受は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端面が前記段差面に隙間を介して対面し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する環状の隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端面に、この先端面と前記段差面との間の前記隙間の円周方向の一部を塞ぐ円弧状片を設けたことを特徴とする。
この発明において、前記円弧状片を、前記隙間形成片の先端面の円周方向複数箇所に設けて、前記隙間の隣合う円弧状片間に位置して前記円弧状片によって塞がれていない箇所である潤滑油吐出部を円周方向の複数箇所に形成してもよい。
また、前記隙間形成片の先端面のうち、円弧状片が設けられている円周方向範囲の方が、円弧状片が設けられていない円周方向範囲よりも広くしてもよい。
この構成の転がり軸受装置は、グリース溜まりおよび流路にグリースを充填して使用される。軸受空間には初期潤滑用としてグリースを封入しておく。これにより、軸受の停止時には、グリース中の増稠剤および隙間の毛細管現象により、グリース中の基油が流路から隙間へ移動し、この毛細管現象と油の表面張力とが相まって隙間に基油が油状で保持される。軸受を回転すると、隙間に貯油されていた基油は、運転で生じる固定側軌道輪の温度変化と、転動体の公転・自転で生じる空気流とにより隙間から吐出されて、固定側軌道輪の軌道面に付着しながら移動して転動体接触部に連続的に供給される。よって、軸受内に封入したグリースと軸受に設けたグリース溜まりに封入したグリースとを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成できる。
円弧状片の軸方向長さを目標とする隙間量の寸法に設定しておけば、円弧状片の先端が段差面に当接するように隙間形成片を固定側軌道輪に組み付けることにより、目標とする隙間量の隙間が容易に得られる。また、隙間形成片の先端面における円弧状片の設けられている円周方向範囲を変えることで、円弧状片によって塞がれていない隙間部分すなわち潤滑油吐出部の断面積を変えることができ、隙間から吐出される潤滑油の量を調整できる。それにより、軸受空間の潤滑油が過剰となり、運転中の攪拌抵抗が大きくなることを防げる。
潤滑油吐出部を円周方向の複数箇所に形成すれば、潤滑油を円周方向にバランスよく供給することができる。また、隙間形成片の先端面のうち、円弧状片が設けられている円周方向範囲の方が、円弧状片が設けられていない円周方向範囲よりも広くすれば、隙間から吐出される潤滑油量を抑制する効果が高く、隙間を極端に狭くしなくても潤滑油量を適性に調整することが可能になる。そのため、固定側軌道輪および隙間形成片の加工や組立が容易になる。
この発明において、前記固定側軌道輪が外輪であってもよい。
固定側軌道輪が外輪である場合、外輪に前記段差面が設けられるが、グリース封入状態で軸受を回転させたときに、封入グリースが遠心力で外輪内径部に飛散するため、前記隙間と軌道輪との間の基油の繋がりが確実となる。そのため、転動体接触部で潤滑油として消費される分の基油が、グリース溜まりから上記隙間を経て軌道面に補給される作用が高められ、より安定した潤滑油の補給が行われる。
転がり軸受が横型主軸の支持に使用される場合は、前記隙間のうちの前記潤滑油吐出部を円周の下側半分に位置させるのがよい。
横型主軸の主軸装置では、重力の影響により、隙間の下部に潤滑油が多量に偏在しやすい。潤滑油が多量に偏在すると、軸受回転時の攪拌抵抗が大きくなる。そこで、隙間形成片の先端面において円弧状片の設けられていない箇所、すなわち潤滑油吐出部を円周の下側半分に位置させ、上側半分を塞ぐことで、上側半分の箇所から吐出される余分な潤滑油が下側に移動して下部に潤滑油の多量の偏在が生じることを解消する。なお、潤滑油吐出部が上側半分に位置すると、潤滑油吐出部からの潤滑油の吐出が生じ難くなるが、下側半分の潤滑油吐出部を位置させることで、潤滑油の円滑な吐出を可能としている。このように、多量の潤滑油が隙間の下部に多量に偏在して攪拌抵抗が大きくなることを回避しながら、円滑な潤滑油の供給を可能としている。
例えば、前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線上に1箇所だけ形成することができる。
これにより、重力方向に多量の潤滑油が偏って吐出することを防ぐ効果が期待できる。
前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線を挟んで対称となる2箇所に形成してもよい。
潤滑油吐出部が1箇所であると、潤滑不良になる可能性がある。その場合には、このように潤滑油吐出部を2箇所に設けるとよい。
前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線上の1箇所、および前記垂線を挟んで対称となる2箇所の計3箇所に形成し、前記垂線上の1箇所に位置する潤滑油吐出部の断面積を、垂線を挟んで対称となる2箇所にそれぞれ位置する潤滑油吐出部の断面積よりも狭くしてもよい。
前記垂線上の1箇所、すなわち円周の下端に位置する潤滑油吐出部は、垂線を挟んで対称となる2箇所にそれぞれ位置する潤滑油吐出部よりも重力の影響を受けやすい。そこで、上記のように潤滑油吐出部を3箇所に設けた場合、下端の潤滑油吐出部の断面積を他の潤滑油吐出部の断面積よりも小さくすることで、各潤滑油吐出部からほぼ同量の潤滑油が吐出されるようにするのが好ましい。
この発明の主軸装置は、上記転がり軸受を用いて縦型主軸を支持した主軸装置であって、主軸の上部を支持する転がり軸受は、下部を支持する転がり軸受よりも、前記隙間形成片の先端面における前記円弧状片の設けられている円周方向範囲が広いことを特徴とする。
縦型主軸の主軸装置では、主軸の上部と下部を同じ転がり軸受で支持した場合、重力の影響により、下部の転がり軸受よりも上部の軸受の方が、前記隙間から吐出される潤滑油の量が多い。そこで、主軸の上部を支持する転がり軸受は、下部を支持する転がり軸受よりも、隙間形成片の先端面における円弧状片の設けられている円周方向範囲を広くする。円弧状片の設けられている円周方向範囲が広いということは、隙間の潤滑油吐出部の面積が小さいということである。これにより、主軸の上部を支持する転がり軸受と下部を支持する転がり軸受とで、隙間から吐出される潤滑油の量を同程度にすることができる。
この発明の転がり軸受は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端面が前記段差面に隙間を介して対面し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する環状の隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端面に、この先端面と前記段差面との間の前記隙間の円周方向の一部を塞ぐ円弧状片を設けたため、軸受内に封入したグリースと軸受に設けたグリース溜まりに封入したグリースとを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成でき、かつ効果的な潤滑ができる。
この発明の主軸装置は、上記転がり軸受を用いて縦型主軸を支持した主軸装置であって、主軸の上部を支持する転がり軸受は、下部を支持する転がり軸受よりも、前記隙間形成片の先端面における前記円弧状片の設けられている円周方向範囲を広くしたことにより、主軸装置に合わせて転がり軸受の隙間から吐出される潤滑油を適正に調整できる。
この発明の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1において、この転がり軸受は、内輪1、外輪2、および内外輪1,2の軌道面1a,2a間に介在する複数の転動体3を有し、グリース溜まり形成部品6と、隙間形成片7とを備える。複数の転動体3は、保持器4に保持され、内外輪1,2間の軸受空間の一端は、シール5によって密封されている。軸受空間に封入したグリースの外部への漏れをシール5によって防止する。この転がり軸受はアンギュラ玉軸受であり、シール5は軸受背面側の端部に設けられ、グリース溜まり形成部品6および隙間形成片7は軸受正面側に設けられる。軸受正面側ではグリース溜まり形成部品6がシールを兼ねており、軸受正面側からのグリースの漏れが防止される。図において、交差したハッチングで示す部分は、グリースの充填された部分を示す。
固定側軌道輪となる外輪2には、その軌道面2aに続く段差面2bが、転動体3から離れる外輪正面側、つまり軌道面2aにおける接触角が生じる方向と反対側の縁部に続いて設けられている。この段差面2bは、軌道面2aから外径側に延びて外輪正面側に対面する面であり、外輪2の正面側の内径面部分2cに続いている。
グリース溜まり形成部品6は、内部にグリース溜まり9を形成したリング状の部品であり、外輪2の正面側の幅面に接して設けられる。この例では、グリース溜まり形成部品6は、外輪2の正面側の幅面に接して設けられる外輪位置決め間座10と、この外輪位置決め間座10の内径面に嵌合する外向き溝形のグリース溜まり形成部品本体11とからなる。外輪位置決め間座10とグリース溜まり形成部品本体11とで挟まれる内部空間がグリース溜まり9とされる。外輪位置決め間座10は、内径面における外輪2と反対側端に、グリース溜まり形成部品本体11の側壁部11aが当接する側壁部10aを有している。グリース溜まり形成部品本体11は、グリース溜まり9にグリースを封入した後に上記側壁部11aを外輪位置決め間座10の側壁部10aの内側に当接させることにより、外輪位置決め間座10に対して軸方向に位置決めされる。
グリース溜まり形成部品本体11における上記側壁部11aの外径面とこれに対向する外輪位置決め間座10の内径面との間には、図示しない密封材が介在させられ、またはグリース溜まり形成部品本体11と外輪位置決め間座10とは、接着剤により接着される。外輪位置決め間座10と外輪2との合わせ面には、密封材21が介在させてある。密封材21はOリングからなり、外輪位置決め間座10の上記合わせ面に形成された円周溝22内に嵌め込んである。これらにより、グリース漏れ防止が図られている。
隙間形成片7は、外輪2の内径面部分2cに沿って配置され、先端が前記段差面2bに対向し、外輪2との間に流路14および隙間15を形成するリング状の部材である。この隙間形成片7は、グリース溜まり形成部品本体11に一体に形成されている。すなわち、グリース溜まり形成部品本体11の軸受隣接側の側壁部11bにおける外径端部から一体に延びている。
図1(B)の部分拡大図に示すように、隙間形成片先端部7aの周壁と、これに対向する外輪2の内径面部分2cとで上記流路14が形成される。隙間形成片7は、その先端部7aが外輪2の段差面2bに近接した位置まで延びており、隙間形成片先端部7aの端面と、これに対面する外輪段差面2bとで軸方向に微小な隙間量δとなる前記隙間15が形成される。隙間15は、前記流路14に連通し、軌道面2aの端部に開口する。隙間15の隙間量δは、毛細管現象を作用させることができる50〜100μmとされている。
さらに、前記隙間形成片先端部7aの端面には、この端面と外輪2の段差面2bとの間の隙間15の円周方向の一部を塞ぐ円弧状片16が設けられている。各円弧状片16間の箇所が潤滑油吐出部17となる。図2に示すように、この例では、円弧状片16は円周方向に等配で4箇所に設けられている。図において、交差したハッチングで示す部分が、円弧状片16の存在する箇所である。以下の隙間形成片7を示す図(図4、図6)についても同様である。各円弧状片16の円周上の範囲を示す位相αの最適値は、転がり軸受が使用される箇所によって異なる。円弧状片16は必ずしも等配で設ける必要はなく、円周上に偏って設けてもよい。また、図1に示すように、この例では、円弧状片16の先端を段差面2bに当接させているが、必ずしも当接させる必要はない。
隙間形成片先端部7aの端面に続く内径面は、転動体3に近接したテーパ面7aaとされ、このテーパ面7aaと転動体3との間に潤滑油が溜まり易くなるようにしている。テーパ面7aaと転動体3との距離dは、テーパ面7aaに付着した油が転動体3の表面に転移可能な大きさの極小隙間とすることが好ましく、0.2mm以下としてある。隙間形成片7の基部7bは、先端部7aに比べ小径とされる。この基部7bの外径面と外輪2の内径面部分2cとで囲まれる部分はグリース溜まり9の一部となっており、このグリース溜まり9に前記流路14が連通している。
上記構成の作用を説明する。軸受組立時に、グリース溜まり9および流路14にグリースを充填しておく。また、軸受内へは初期潤滑用としてグリースを封入しておく。軸受の停止時には、グリース中の増稠剤および隙間15の毛細管現象により、グリースの基油が流路14から隙間15へ移動し、毛細管現象と油の表面張力とが相まって隙間15に基油が油状で保持されている。軸受を運転すると、隙間15に貯油されていた基油は、運転で生じる外輪2の温度変化と、転動体3の公転・自転で生じる空気流とにより隙間15から吐出されて、外輪2の軌道面2aに付着しながら移動して転動体接触部に連続的に補給される。これにより、軸受内に封入したグリースと軸受に設けたグリース溜まり9に封入したグリースとを使用して高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成できる。
円弧状片16の軸方向長さを目標とする隙間量δの寸法に設定しておけば、円弧状片16の先端が外輪2の段差面2bに当接するように隙間形成片7を外輪2に組み付けることにより、目標とする隙間量δの隙間15が容易に得られる。また、円弧状片16の円周方向範囲を変えることで、隙間15の潤滑油吐出部17の断面積を変えることができ、隙間15から吐出される潤滑油の量を調整できる。そのため、軸受空間の潤滑油が過剰となり、運転中の攪拌抵抗が大きくなることを防げる。
隙間形成片先端部7aの端面に続く内径面を転動体3に近接したテーパ面7aaとしたため、次の利点が得られる。すなわち、テーパ面7aaと転動体3との距離dが大きい場合、隙間15から吐出したグリース基油は、軸受潤滑油として使用されずに、グリース溜まり形成部品本体11の外径面に付着しながら流出してしまうことがある。前記距離dが極小隙間(0.2mm以下)である場合は、グリース溜まり形成部品本体11の外径面に付着しながら流出してしまう油を、上記極小隙間の箇所で転動体3の表面に付着させ、潤滑油として有効利用することができる。
この実施形態では、固定側軌道輪が外輪2であり、この外輪2に前記段差面2bが設けられるが、グリース封入状態で軸受を回転させたときに、封入グリースが遠心力で外輪内径部に飛散するため、前記隙間15と軌道面2aとの間の基油の繋がりが確実となる。そのため、転動体接触部で潤滑油として消費される分の基油が、グリース溜まり9から隙間15を経て軌道面2aに補給される作用が高められ、より安定した潤滑油の補給が行われる。
また、この実施形態では、転がり軸受がアンギュラ玉軸受であり、前記段差面2bが、軌道面2aにおける接触角が生じる方向とは反対側の縁部に続いて形成されているので、段差面2bをより転動体3の直下に配置し易くなる。これにより、転動体3の中心付近に段差面2bを近づけることができ、隙間15から軌道面2aへの潤滑油の補給がより効率良く行える。
図3は、上記実施形態の転がり軸受を用いた工作機械用主軸装置の例を示す。この主軸装置は、主軸31が縦型タイプであり、ハウジング32内で主軸31の下部と上部を2個の転がり軸受30A,30Bで回転自在に支持している。2個の転がり軸受30A,30Bは、背面組合せで用いられている。各転がり軸受30A,30Bの内輪1は、内輪位置決め間座36および内輪間座37により位置決めされ、内輪固定ナット39により主軸31に締め付け固定されている。外輪2は、外輪位置決め間座6、外輪間座40および外輪押え蓋41,42によりハウジング32内に位置決め固定されている。ハウジング32は、ハウジング内筒32Aとハウジング外筒32Bとを嵌合させたものであり、その嵌合部に冷却のための通油溝43が設けられている。
主軸31は、その下端部31aに工具またはワーク(図示せず)を着脱自在に取付けるチャック(図示せず)が設けられ、上端部31bは、モータ等の駆動源が回転伝達機構(図示せず)を介して連結される。モータは、ハウジング32に内蔵してもよい。この主軸装置は、例えばマニシングモータ、旋盤、フライス盤、研削盤等の各種工作機械に適用できる。
主軸31の上部と下部を同じ転がり軸受で支持した場合、重力の影響により、下部の転がり軸受よりも上部の転がり軸受の方が隙間15から吐出される潤滑油の量が多くなる。そこで、図4に示すように、主軸31の上部を支持する転がり軸受30Aの隙間形成片7(同図(A))は、主軸31の下部を支持する転がり軸受30Bの隙間形成片7(同図(B))に比べて、各円弧状片16の円周方向範囲を広くしてある。つまり、隙間15の潤滑油吐出部17の面積が狭いということである。これにより、両転がり軸受30A,30Bにおいて、隙間15から吐出される潤滑油の量を同程度にすることができる。
図5は、上記実施形態の転がり軸受を用いた工作機械用主軸装置の異なる例を示す。この主軸装置は、主軸31が横型タイプであり、ハウジング32内で主軸31の両端を2個の転がり軸受30A,30Bで回転自在に支持している。構造自体は図3の縦型タイプと全く同じである。
このような横型主軸31の主軸装置では、図8のように、重力Fの影響により全周の潤滑油が矢印の方向に移動して、各転がり軸受30A,30Bの隙間15の下部18に潤滑油が多量に偏在しやすい。潤滑油が多量に偏在すると、軸受回転時の攪拌抵抗が大きくなる。そこで、図6に示すように、隙間形成片7の先端面において円弧状片16の設けられていない箇所、すなわち潤滑油吐出部17を円周の下側半分に位置させ、上側半分を塞ぐことで、上側半分の箇所から吐出される余分な潤滑油が下側に移動して下部に潤滑油の多量の偏在が生じることを解消する。なお、潤滑油吐出部17が上側半分に位置すると、潤滑油吐出部17からの潤滑油の吐出が生じ難くなるが、下側半分の潤滑油吐出部17を位置させることで、潤滑油の円滑な吐出を可能としている。このように、多量の潤滑油が隙間15の下部に多量に偏在して攪拌抵抗が大きくなることを回避しながら、円滑な潤滑油の供給を可能としている。
図6(A)は、円周上の下端の1箇所に潤滑油吐出部17を設けた例である。これにより、重力方向に多量の潤滑油が偏って吐出することを防ぐ効果が期待できる。
図6(B)は、円周上の下部の2箇所に潤滑油吐出部17を設けた例である。2箇所の潤滑油吐出部17は、円周の中心Oを通る垂線19を挟んで対称位置にある。潤滑油吐出部17が1箇所であると、潤滑不良になる可能性がある場合には、このように潤滑油吐出部17を2箇所に設けるとよい。
図6(C)は、円周上の下端の1箇所、および円周上の下部における垂線19を挟んで対称位置にある2箇所の計3箇所に、潤滑油吐出部17A,17B,17Cを設けた例である。この場合、下端の潤滑油吐出部17Aは他の潤滑油吐出部17B,17Cよりも重力の影響を受けやすいため、潤滑油吐出部17Aの断面積を潤滑油吐出部17B,17Cの断面積よりも小さくすることで(αA<αB,αC)、各潤滑油吐出部17A,17B,17Cからほぼ同量の潤滑油が吐出されるようにするのが好ましい。
上記各構成の主軸装置によると、転がり軸受30A,30Bの隙間15から吐出される潤滑油の量を適正に調整することで、転がり軸受30A,30Bにおける高速化、長寿命化、メンテナンスフリー化の作用が効果的に発揮される。
(A)はこの発明の実施形態に係る転がり軸受の断面図、(B)はその部分拡大図である。 同転がり軸受の隙間形成片の側面図である。 縦型主軸の主軸装置の断面図である。 (A)は同主軸装置の主軸の上部を支持する転がり軸受の隙間形成片の側面図、(B)は下部を支持する転がり軸受の隙間形成片の側面図である。 横型主軸の主軸装置の断面図である。 (A),(B),(C)は同主軸装置の主軸の支持に適した転がり軸受の隙間形成片の側面図である。 従来の潤滑機構付きの転がり軸受の断面図である。 隙間形成片における潤滑油の偏りを示す説明図である。
符号の説明
1…内輪
1a…軌道面
2…外輪(固定側軌道輪)
2a…軌道面
2b…段差面
3…転動体
6…グリース溜まり形成部品
7…隙間形成片
9…グリース溜まり
10…外輪位置決め
11…グリース溜まり形成部品本体
14…流路
15…隙間
16…円弧状片
17…潤滑油吐出部
30A,30B…転がり軸受
31…主軸

Claims (9)

  1. 内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在する複数の転動体を有する転がり軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、回転しない固定側軌道輪に、軌道面に続く段差面を転動体から離れる方向に設け、先端面が前記段差面に隙間を介して対面し周壁で前記固定側軌道輪との間に流路を形成する環状の隙間形成片を設け、前記流路に連通するグリース溜まりを設け、前記隙間形成片の先端面に、この先端面と前記段差面との間の前記隙間の円周方向の一部を塞ぐ円弧状片を設けたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1において、前記円弧状片を、前記隙間形成片の先端面の円周方向複数箇所に設けて、前記隙間の隣合う円弧状片間に位置して前記円弧状片によって塞がれていない箇所である潤滑油吐出部を円周方向の複数箇所に形成した転がり軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記隙間形成片の先端面のうち、円弧状片が設けられている円周方向範囲の方が、円弧状片が設けられていない円周方向範囲よりも広い転がり軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記固定側軌道輪が外輪である転がり軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、横型主軸の支持に使用され、前記隙間のうちの前記潤滑油吐出部が円周の下側半分に位置する転がり軸受。
  6. 請求項5において、前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線上に1箇所だけ形成した転がり軸受。
  7. 請求項5において、前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線を挟んで対称となる2箇所に形成した転がり軸受。
  8. 請求項5において、前記潤滑油吐出部を、転がり軸受の中心と通る垂線上の1箇所、および前記垂線を挟んで対称となる2箇所の計3箇所に形成し、前記垂線上の1箇所に位置する潤滑油吐出部の断面積を、垂線を挟んで対称となる2箇所にそれぞれ位置する潤滑油吐出部の断面積よりも狭くした転がり軸受。
  9. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受を用いて縦型主軸を支持した主軸装置であって、主軸の上部を支持する転がり軸受は、下部を支持する転がり軸受よりも、前記隙間形成片の先端面における前記円弧状片の設けられている円周方向範囲が広いことを特徴とする主軸装置。
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