JP2009190515A - 車両用乗員保護システム及び車両用乗員保護制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートバックを基本姿勢にできるだけ早く復帰させるにもかかわらず、基本姿勢に復帰したシートバックから着座者の上半身が飛び出すことのない車両用乗員保護システム及び車両用乗員保護制御装置を提供する。
【解決手段】衝突を予知するための衝突予知手段と、シートバックの姿勢を対衝突に適した基本姿勢とこの基本姿勢から平伏姿勢方向に揺動したリクライニング姿勢との間で変更するアクチュエータの動作を制御する制御手段とを備えた車両用乗員保護システム。衝突予知が出力されると、シートバックを基本姿勢の手前の準基本姿勢へ高速復帰させるようにアクチュエータを高速復帰モードで動作させ、さらに準基本姿勢から基本姿勢へ高速復帰モードより低速である低速復帰モードで動作させる車両用乗員保護システム。
【選択図】図5

Description

本発明は、衝突予知機能を備えた車両において、衝突を予知した際に、リクライニング姿勢のシートバックを着座乗員の保護のために対衝突に適した基本姿勢に姿勢変更する車両用乗員保護システム及び車両用乗員保護制御装置に関する。
一般に自動車等の車両では、衝突等の緊急時にシートに着座している乗員の安全を確保するため、車両構造や座席構造が考慮され、さらにはエアバックやシートベルトなどの保護器具を有効に作動させる構成を採用している。しかしながら、このような安全対策は、一般的には、シートバックが予め設定されている対衝突に適した基本姿勢である場合に、最も効果的に機能するように講じられている。従って、衝突予知発生時において、シートバックが基本姿勢から外れて傾斜したリクライニング姿勢にある場合には、衝突の前にシートバックを基本姿勢に復帰させることが重要である。衝突予知の発生から衝突までの時間は極めて短いので、短時間でシートバックを基本姿勢に復帰させなければならない。このため、衝突予知がなされた緊急時には、通常時の姿勢変更速度より高速でリクライニング姿勢から基本姿勢に復帰させる車両用乗員保護システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−8026号公報(段落番号0010−0012、図3)
緊急時にシートバックをリクライニング姿勢から基本姿勢に高速で復帰させる構成は衝突時の乗員保護にとって大きな利点であり、できる限り短時間で基本姿勢に復帰して衝突等の緊急事態に備えることが望ましい。このため、フルパワーでモータを駆動してシートバックを高速移動させることになり、基本姿勢での停止時に大きな衝撃が生じるおそれがある。また、シートバック停止時に、着座者には大きな前向きの慣性力が作用するので、シートバックから着座者の上半身が、特に頭部がヘッドレストから大きく離れてしまうおそれがある。着座者保護の観点からは、基本姿勢のシートバックに着座者が密着していることが要求され、シートバックが基本姿勢に復帰した際にシートバックから着座者の体が飛び出してしまうことは避けなければならない。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、衝突等の緊急事態に備えるために、シートバックを基本姿勢にできるだけ早く復帰させるにもかかわらず、基本姿勢に復帰した際の衝撃を小さくし、基本姿勢に復帰したシートバックから着座者の上半身が飛び出すことのない車両用乗員保護システム及び車両用乗員保護制御装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明による車両用乗員保護システムは、衝突を予知するための衝突予知手段と、揺動可能なシートバックを有するシートと、前記シートバックの姿勢を対衝突に適した基本姿勢とこの基本姿勢から平伏姿勢方向に揺動したリクライニング姿勢との間で変更するアクチュエータ駆動式リクライニング機構と、前記リクライニング機構のアクチュエータの動作を制御する制御手段とを備え、前記衝突予知手段によって衝突予知が出力されると、前記制御手段は、前記シートバックを前記基本姿勢の手前の準基本姿勢へ高速復帰させるように前記アクチュエータを高速復帰モードで動作させ、さらに前記準基本姿勢から前記基本姿勢へ低衝撃で復帰させるように前記高速復帰モードより低速である低速復帰モードで動作させ、前記基本姿勢で停止させるよう構成してある。
この構成によれば、衝突予知が出力されると、アクチュエータを高速復帰モードで高速駆動して、シートバックを基本姿勢にほぼ近い準基本姿勢となるまで高速移動させる。シートバックが準基本姿勢に達すると、アクチュエータを高速復帰モードより低速である低速復帰モードで低速駆動し、基本姿勢に達したシートバックを低衝撃で停止させる。従って、シートバックが基本姿勢で停止した時に着座者には大きな慣性力が作用しないので、着座者を基本姿勢のシートバックに接触した状態に維持することができる。つまり、本発明では、最短でシートバックを基本姿勢に復帰させることだけを意図するのではなく、若干の遅れ時間を犠牲としても、基本姿勢のシートバックに着座者を密着させておくこと重視することで、総合的により優れた車両用乗員保護システムを実現している。
シートバックが基本姿勢で停止した時の衝撃をより小さくし、また着座者に作用する慣性力を小さくするためには、基本姿勢の手前でシートバックを減速運動させると好都合である。このため、本発明に関わる車両用乗員保護システムの好適な形態の1つとして、前記低速復帰モードでは、前記アクチュエータが減速制御される。このような準基本姿勢を過ぎた段階での減速制御の適用は、シートバックの基本姿勢での停止が、機械的なストッパによって強制的に行われる構成を採用している場合に、特に好都合である。緊急時のシートバックの高速復帰運動は、かなり大きな運動エネルギを持つことになるが、この減速制御によってストッパとの接当前にできるだけ運動エネルギを小さくできるからである。
機械的なストッパによってシートバックを基本姿勢で停止させる構成を採用している場合、リクライニングシートにおけるシートバックの位置制御はそれほど高精度に設計されていない。従って、一般的には、シートバックの位置を常に検出しながらフィードバック制御でシートバックの速度を制御することは困難である。このため、好適な形態の1つとして、前記制御手段は前記シートバックの基本姿勢への到達予想時点で零を含む所定速度以下となるように前記アクチュエータの減速制御を行うことが提案される。予め、基本姿勢と準基本姿勢との間の角度範囲は分かっているので、基本姿勢への到達予想時点で零を含む所定速度以下となるような減速パターンを設定しておくことができる。従って、この特徴構成を採用すれば、準基本姿勢に達した時点でこの減速パターンで減速制御することで、シートバックは、ストッパの助けなしで基本姿勢の直前で停止するか、もしくは、小さな運動エネルギをストッパに与えて基本姿勢で停止することになる。これにより、衝突等の緊急事態に備えるために高速移動して、基本姿勢もしくはほぼ基本姿勢でシートバックが停止した際に、シートバックから着座者の上半身が飛び出す事態を回避できる。
さらに、本発明は、上述した車両用乗員保護システムに組み込まれる、車両用乗員保護制御装置も発明対象としている。つまり、本発明による車両用乗員保護制御装置は、車両用シートのシートバックを揺動するアクチュエータを駆動制御し、該シートバックの姿勢を、対衝突に適した基本姿勢とこの基本姿勢から平伏姿勢方向に揺動したリクライニング姿勢との間で変更する制御手段を備え、前記制御手段は、衝突を予知するための衝突予知手段から衝突予知信号が出力されると、前記シートバックを前記基本姿勢の手前の準基本姿勢へ高速復帰させるように前記アクチュエータを高速復帰モードで動作させ、さらに前記準基本姿勢から前記基本姿勢へ低衝撃で復帰させるように前記高速復帰モードより低速である低速復帰モードで動作させ、前記基本姿勢で停止させる。このような特徴構成を有する車両用乗員保護制御装置では、衝突予知信号が出力されると、制御手段は、アクチュエータを高速復帰モードで高速駆動させ、シートバックを基本姿勢にほぼ近い準基本姿勢となるまで高速移動させる。シートバックが準基本姿勢に達すると、制御手段は、アクチュエータを高速復帰モードより低速である低速復帰モードで低速駆動し、基本姿勢に達したシートバックを低衝撃で停止させる。これにより、シートバックが基本姿勢で停止した時に着座者には大きな慣性力が作用しないので、着座者を基本姿勢のシートバックに接触した状態に維持することができる。つまり、本発明による車両用乗員保護制御装置の制御は、最短でシートバックを基本姿勢に復帰させることだけを意図するのではなく、若干の遅れ時間を犠牲としても、基本姿勢のシートバックに着座者を密着させておくこと重視することで、総合的により優れた車両用乗員保護を実現している。
以下に、本発明に係る車両の車両用乗員保護システムを自動車のシートに適用した実施形態について図面に基づいて説明する。図1と図2は本実施形態に係る車両用乗員保護システムのシート1を示す側面図と斜視図、図3は本実施形態に係る車両の車両用乗員保護システムの制御ブロック図である。尚、本実施形態では、シート1は、運転者が乗車する運転席を例示しているが、これに限らず、助手席側のシート等にも適用可能である。
図1〜2に示したように、本実施形態に係るシート1は、シートバック10、シートクッション11、及びヘッドレスト12を備えている。シートバック10は、所定の支点13を介してシートクッション11に揺動自在(所定範囲で回動可能)に支持されており、リクライニング機構2によりシートバック10のシートクッション11に対する傾斜角度が変更可能である。シートクッション11は、シートスライド機構14を介して前後方向にスライド動作可能に車両の床面に取り付けられている。また、シートクッション11の前部には、図示されていないフロントバーチカル機構が設けられており、座面前部の上下方向の突出量を変更可能である。
本実施形態における車両用乗員保護システムは、車両の衝突を予知したとき等の緊急時に、シートクッション2をその着座者の保護に適した姿勢位置に復帰動作させる、所謂プリクラッシュシートシステムである。この出願では、衝突に対して着座者に適したシートクッション2の姿勢を基本姿勢と称し、平伏姿勢までの姿勢をリクライニング姿勢と称している。なお、基本姿勢から平伏姿勢方向にわずかに揺動した姿勢を特に、準基本姿勢と称している。また、衝突予知は、車両の衝突のみならず、横転や転覆のような恐れがある緊急事態においても出力される。
リクライニング機構2は、制御手段を組み込んでいる車両用乗員保護制御装置である乗員保護ECU50からの駆動信号に従って動作するアクチュエータとしてのリクライニングモータ20と非図示の伝動機構とを備えている。この伝動機構は、公知の構造を有し、リクライニングモータ20からの回転力を支点13周りでシートバック10を揺動する力に変更する。リクライニングモータ20の回転にともなってシートバック10が揺動することにより、シートバック10の姿勢が基本姿勢とリクライニング姿勢との間で変更可能である。
また、シートスライド機構14も、乗員保護ECU50からの制御信号に従って動作するシートスライドモータ14aによりシートクッション11を前後方向にスライド動作させることができる。
リクライニング機構2には、さらに、シートバック10の揺動角度を検知する姿勢検知手段としてのリクライニング角度検知センサ21が設けられている。シートスライド機構14にも、シートクッション11の前後方向のスライド位置を検知するスライド位置検知センサ14bが設けられている。リクライニング角度検知センサ21やスライド位置検知センサ14bには、例えば、ポテンショメータやロータリエンコーダ等の角度計測機器、或いは、リニアポテンショメータやリニアエンコーダ等の長さ計測機器等を用いることができる。
また、シート1には、リクライニング機構2を通じて、シートバック10を任意の姿勢に設定するためのリクライニング操作スイッチ22を含む、各種シート操作スイッチを配備した操作スイッチユニット15が備えられている。操作スイッチユニット15の各操作スイッチの操作量や操作時間等に応じた操作信号は、乗員保護ECU50に入力される。
さらに、この車両の適当な箇所に、衝突予知手段4の構成要素の1つである衝突予知センサ41が設けられている。衝突予知センサ41は、例えば、車両の周囲に存在する障害物を検出するミリ波レーダや画像認識装置等を利用して構成される。この衝突予知センサ41からの出力信号は、運転状況ECU40に入力される。運転状況ECU40においては、衝突予知センサ41からの出力信号に基づいて、障害物までの距離や相対速度等の情報が演算されるとともに、それらの情報に基づいて一定の判断条件の下に車両が衝突する可能性が評価される。衝突予知が評価された場合、その衝突予知情報が運転状況ECU40から乗員保護ECU50に出力される。
また、運転状況ECU40は、車両の前輪や後輪の横滑りをセンサ等により検知し、各車輪のブレーキやエンジンの出力を制御することにより車両の安定性を確保するためにも利用される。この車両安定制御が要求される場合にも、車両の衝突の可能性があると判断できることから、これによっても衝突予知情報を作り出すことができる。従って、本実施形態においては、これらの衝突予知センサ41や車両安定制御のためのセンサ群、及びこれらのセンサ信号に基づいて車両の衝突の可能性を判断する運転状況ECU40が、本発明の衝突予知手段4を構成する。
乗員保護ECU50は、バッテリやイグニッションスイッチと接続されている電源回路51、運転状況ECU60と接続されている衝突予知情報入力部52、制御部53、リクライニングモータ20と接続されているモータ駆動回路54、リクライニング角度検知センサ21と接続されているセンサ入力回路55、操作スイッチユニット15と接続されているスイッチ信号入力回路57などを備えている。
本発明の制御手段の中核要素として機能する制御部53は、実質的にはマイコンで構成されており、インストールされたプログラムによって種々の機能を作り出している。本発明に特に関係する機能としては、センサ入力回路55からのセンサ情報やスイッチ信号入力回路57からのスイッチ状態情報に基づいてシートバック10の姿勢を算定するシートバック姿勢算定部531、モータ駆動回路54にモータ制御信号を出力するモータ制御部532、リクライニングモータ20に対する制御モードを決定するモータ駆動モード決定部533が挙げられる。
モータ駆動モード決定部533によって決定されるモータ駆動モードは、通常モードと緊急モードに分けられ、この緊急モードは高速復帰モードと低速復帰モードを含んでいる。通常モードは、衝突予知手段4から衝突予知が出力されていない場合に選択されるモードである。この通常モードでは、着座者によって操作されるリクライニング操作スイッチ22からの操作信号に基づいて、モータ制御部532が適正速度でリクライニングモータ20を制御して、シートバック10を所望の姿勢に設定する。緊急モードは、衝突予知手段4から衝突予知が出力されている場合に選択されるモードである。この緊急モードでは、シートバック10を基本姿勢へ高速復帰させるようにリクライニング姿勢から準基本姿勢までリクライニングモータ20をフルパワーで動作させる高速復帰モードと、準基本姿勢から基本姿勢へシートバック10をソフトランディング(ゆっくりと揺動)すべく低速度でリクライニングモータ20を動作させる低速復帰モードとが組み合わせられる。この実施の形態ではリクライニングモータ20はデューティ制御されているので、高速復帰モードではフルデューティでリクライニングモータ20が駆動され。低速復帰モードでは、連続的にデューティ比を減少させていく減速制御でリクライニングモータ20が駆動される。
このように本実施形態の車両用乗員保護システムは、衝突を予知するための衝突予知手段4を設け、衝突予知手段4によって衝突予知が出力されたときには、リクライニング姿勢のシートバック10を、まず高速復帰モードで高速で準基本姿勢まで移動させる。その後、低速復帰モードでシートバック10を減速しながら対衝突に適した基本姿勢に復帰させ、着座者をシートバック10で保持した状態で、衝突に備える。
次に、図4のシートバック10のリクライニング姿勢から基本姿勢への移行過程を示す模式図と、図5のフローチャートを用いて、対衝突に備えたシートバック10の緊急姿勢変更制御ルーチンを説明する。この緊急姿勢変更制御ルーチンは、リクライニングモータ20を高速復帰モードと低速復帰モードで動作させる制御過程を含んでいる。
この緊急姿勢変更制御ルーチンがスタートすると、まず初期設定が行われる(#01)。初期設定では、各タイマや各フラグや変数値がリセットされる。ここで使われる代表的なタイマは、緊急モードにおけるリクライニングモータ20の駆動制限時間を規定する復帰タイマである。この復帰タイマの機能により、シートバック10が基本姿勢に到達しなくても、この駆動制限時間が経過すると、リクライニングモータ20は異常状態として停止させられる。ここで使われる代表的なフラグは、復帰フラグと減速フラグである。復帰フラグはそのON状態(例えばフラグ値=「1」)で、高速復帰モード又は減速復帰モードによるシートバック10の緊急姿勢変更動作が実行中であることを示す。減速フラグはそのON状態で、減速復帰モードによる準基本姿勢から基本姿勢へのシートバック10の減速姿勢変更動作が実行中であることを示す。
初期設定が終了すると、まず、運転状況ECU40から衝突予知が出力され、乗員保護ECU50によって衝突予知が確認されているかどうかがチェックされる(#02)。衝突予知が出力されていない場合(#02No分岐)、復帰フラグの状態を調べて(#03)。復帰フラグの値が「1」でなければ(#03No分岐)、現時点で緊急姿勢変更動作が実行されていないので、ステップ#02に戻る。ステップ#03で復帰フラグの値が「1」なら(#03Yes分岐)、緊急モードでのシートバック10の高速復帰動作の実行中に突然衝突予知出力が解消されたことになる。従って、必要に応じた付加的な処理を行った後、この高速復帰制御が取り消されたとして、例えば、この緊急姿勢変更制御ルーチンを始めから再開するため、ステップ#01に戻る。
ステップ#02で衝突予知が出力されていた場合(#02Yes分岐)、復帰フラグの状態を調べる(#04)。復帰フラグの値が「0」の場合(#04Yes分岐)、シートバック姿勢算定部531によって算定されたシートバック10の現角度が、シートバック10の基本姿勢への復帰を行うべき領域であるかどうかチェックされる(#05)。シートバック10の現角度が基本姿勢の角度であるなら、もちろんシートバック10の基本姿勢への復帰を行う必要がない。また、シートバック10が極端な平伏姿勢となっており、その姿勢から基本姿勢への高速復帰がシートベルトの絡みなど別な問題を引き起こす可能性がある場合にも、シートバック10の基本姿勢への復帰は禁止される。従って、シートバック10の現角度がそのような基本姿勢復帰禁止領域に入っている場合(#05Yes分岐)、高速復帰制御が開始されずにステップ#02に戻る。
シートバック10の現角度が基本姿勢復帰禁止領域に入っていない場合(#05No分岐)、例えば、図4の(a)で示されているようなリクライニング姿勢の場合、高速復帰モードでリクライニングモータ20を動作させ、シートバック10の高速復帰を開始する(#06)。このリクライニングモータ20はデューティ制御されるように構成されているので、モータ駆動回路54からフルデューティの駆動信号が与えられる。シートバック10の高速復帰動作が開始されたので、復帰フラグに「1」を設定し(#07)、復帰タイマをスタートさせ(#08)、ステップ#02に戻る。
ステップ#07で復帰フラグに「1」が設定されたので、ステップ#04の復帰フラグの状態チェックでNo分岐する。この実施の形態では、緊急モードでのシートバック10の高速復帰に対するリクライニングモータ20の駆動制限時間
:Tが設定されている。したがって、復帰タイマのタイマ値とこの駆動制限時間:Tが比較される(#09)。
復帰タイマのタイマ値が駆動制限時間:Tを超えていない場合(#09No分岐)、シートバック姿勢算定部531によって算定されたシートバック10の現角度が、シートバック10の準基本姿勢に達しているかどうかチェックされる(#18)。シートバック10が準基本姿勢に達していない限り(#10No分岐)、シートバック10の高速復帰モードでの高速移動が、ステップ#02Yes分岐、ステップ04No分岐、#09No分岐、#10No分岐を経て続行される。
シートバック姿勢算定部531によって算定されたシートバック10の現角度が、シートバック10の準基本姿勢に達している場合、高速復帰モードから低速復帰モードでのシートバック10の移動に変更される。この高速モードから低速復帰モードの切り替わり時のシートバック10の姿勢が図4の(b)で例示されており、次に行われる低速復帰モードでのシートバック10の減速移動によって図4の(c)で例示されている基本姿勢に復帰する。
シートバック10の準基本姿勢に達している場合、ステップ#10でYes分岐し、減速フラグの状態を調べる(#11)。減速フラグの値が「1」でなければ(#20No分岐)、まだ、低速復帰モードでのシートバック10の減速移動が開始されていないことになる。従って、乗員保護ECU50は、リクライニングモータ20に減速移動のための連続的にデューティ比が減少する減速パターンを与えることでリクライニングモータ20の減速制御を開始する(#12)。低速復帰モードとしての減速制御が開始されると、減速フラグに「1」を設定し(#13)、ステップ#02に戻る。
減速制御が開始されていると減速フラグの値が「1」となるので、ステップ#11でNo分岐し、シートバック姿勢算定部531によって算定されたシートバック10の現角度が、シートバック10の基本姿勢に達しているかチェックされる(#15)。シートバック10が基本姿勢に復帰していると(#15Yes分岐)、リクライニングモータ20への給電を停止して(#16)、ステップ#01に戻る。シートバック10が基本姿勢に復帰してなければ(#18No分岐)、低速復帰モードとしての減速制御を続行するために、ステップ#02に戻る。
なお、上記の緊急モードでのシートバック10の復帰動作中に復帰タイマのタイマ値が駆動制限時間:Tを超えた場合(#09Yes分岐)、緊急モードでの復帰動作を打ち切るために、リクライニングモータ20への給電を停止して(#16)、ステップ#01に戻るか、又は緊急避難的な異常リカバリ処理を行う。
以上のように、高速復帰モードでの高速復帰動作と、基準姿勢にソフトランディングするための低速モードでの減速動作とを組み合わせることにより、シートバック10を基本姿勢にできるだけ早く復帰させるにもかかわらず、基本姿勢に復帰したシートバックから着座者の上半身が飛び出すことのない車両用乗員保護システムを実現することができる。
〔別実施の形態〕
上記実施の形態の説明では、低速復帰モードでのバックシート10の準基本姿勢から基本姿勢までの移動をシートバック姿勢算定部531によって算定されたシートバック10の揺動角度を用いた位置制御で行っていた。これに代えて、準基本姿勢から基本姿勢までに要する減速制御予測時間としてのしきい値:Cを予め設定しておき、バックシート10の準基本姿勢から基本姿勢までの移動をその時間だけ行う時間制御で行ってもよい。この場合での緊急姿勢変更制御ルーチンのフローチャートを図6に示している。ここでは、準基本姿勢から基本姿勢までに要する減速制御予測時間を計るための減速タイマが採用されている。従って、図6のフローチャートは図5のフローチャートに較べ、ステップ#13のあとに、減速タイマをスタートするステップ#14が追加されている。さらに、ステップ#15の内容が、バックシート10が基本姿勢に達しているかどうかの判定ではなく、減速タイマの値がしきい値:Cを超えているかどうかの判定となっている。これにより、低速復帰モードでの制御は、バックシート10が準基本姿勢に達してから、しきい値:Cによって規定される時間の経過後に終了する。
シートバック10を揺動させるアクチュエータとしてはモータ以外、電動シリンダやその他の駆動装置を用いることが可能である。また、本発明の車両用乗員保護システムは、他の乗員保護システム(例えば、エアバック、プリテンショナー付シートベルト、アクティブヘッドレスト等)の予備動作としても使用可能である。
本発明による車両用乗員保護システムの制御対象であるリクライニングシートの一例を示す側面図 図1によるシートの斜視図 本発明による車両用乗員保護システムの1つの実施形態における制御ブロック図 本発明による車両用乗員保護システムの制御対象であるリクライニングシートのリクライニング姿勢から基本姿勢に移行する形態を示す模式図 本発明による車両用乗員保護システムで用いられる緊急姿勢変更制御ルーチンの一例を示すフローチャート 本発明による車両用乗員保護システムで用いられる緊急姿勢変更制御ルーチンの異なる例を示すフローチャートシート
符号の説明
1:シート
2:リクライニング機構
4:衝突予知手段
10:シートバック
20:リクライニングモータ(アクチュエータ)
21:リクライニング角度検知センサ(姿勢検知手段)
40:運転状況ECU
50:乗員保護ECU(車両用乗員保護制御装置)

Claims (4)

  1. 衝突を予知するための衝突予知手段と、揺動可能なシートバックを有するシートと、前記シートバックの姿勢を対衝突に適した基本姿勢とこの基本姿勢から平伏姿勢方向に揺動したリクライニング姿勢との間で変更するアクチュエータ駆動式リクライニング機構と、前記リクライニング機構のアクチュエータの動作を制御する制御手段とを備え、
    前記衝突予知手段によって衝突予知が出力されると、前記制御手段は、前記シートバックを前記基本姿勢の手前の準基本姿勢へ高速復帰させるように前記アクチュエータを高速復帰モードで動作させ、さらに前記準基本姿勢から前記基本姿勢へ低衝撃で復帰させるように前記高速復帰モードより低速である低速復帰モードで動作させ、前記基本姿勢で停止させる車両用乗員保護システム。
  2. 前記低速復帰モードでは、前記アクチュエータは減速制御される請求項1に記載の車両用乗員保護システム。
  3. 前記制御手段は前記シートバックの基本姿勢への到達予想時点で零を含む所定速度以下となるように前記アクチュエータの減速制御を行う請求項2に記載の車両用乗員保護システム。
  4. 車両用シートのシートバックを揺動するアクチュエータを駆動制御し、該シートバックの姿勢を、対衝突に適した基本姿勢とこの基本姿勢から平伏姿勢方向に揺動したリクライニング姿勢との間で変更する制御手段を備えた車両用乗員保護制御装置であって、
    前記制御手段は、衝突を予知するための衝突予知手段から衝突予知信号が出力されると、前記シートバックを前記基本姿勢の手前の準基本姿勢へ高速復帰させるように前記アクチュエータを高速復帰モードで動作させ、さらに前記準基本姿勢から前記基本姿勢へ低衝撃で復帰させるように前記高速復帰モードより低速である低速復帰モードで動作させ、前記基本姿勢で停止させる車両用乗員保護制御装置。
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US9981622B2 (en) 2015-03-19 2018-05-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Occupant protection control system, storage medium storing program, and vehicle

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