JP2008105560A - ヘッドレスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車両の操縦に起因して生じた加速度により頭部が移動した場合に乗員の頸部の保護が可能なヘッドレスト装置を提供すること。
【解決手段】シート3に着座した乗員の頭部とヘッドレスト1の距離を検出する距離センサ4と、距離センサ4が検出する距離に基づきヘッドレストを前後方向へ移動させるヘッドレスト駆動機構2と、自車両の操縦に起因した自車両の加速度に基づきヘッドレスト駆動機構2を作動させる制御部5と、を有することを特徴とするヘッドレスト装置を提供する。
【選択図】図3
【解決手段】シート3に着座した乗員の頭部とヘッドレスト1の距離を検出する距離センサ4と、距離センサ4が検出する距離に基づきヘッドレストを前後方向へ移動させるヘッドレスト駆動機構2と、自車両の操縦に起因した自車両の加速度に基づきヘッドレスト駆動機構2を作動させる制御部5と、を有することを特徴とするヘッドレスト装置を提供する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用シートのヘッドレストを前後方向に移動させることが可能なヘッドレスト装置に関し、特に、自車両の加速度に基づきヘッドレストを前後に移動させるヘッドレスト装置に関する。
自車両が障害物と衝突する場合、急激な加速度が乗員に加わり、頭部が車両後方に移動して頸部に負担を加えることが知られている。そこで、衝突を検知又は予想して、ヘッドレストを車両前方へ移動して頭部の直前で停止するように駆動することで、移動した頭部を受け止め乗員の頸部にかかる負担を和らげるヘッドレスト制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、車両が衝突した場合にシートバックから乗員の頭部に向けてエアバックを展開するエアバッグ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載のエアバッグ装置は、前方の障害物との衝突による急激な減速が検出されてから所定時間の経過後にエアバックを展開することで、乗員が反力により跳ね返る際にエアバックが膨張した状態で乗員の頭部とヘッドレストの間に介在するよう展開のタイミングを制御する。
特開2006−160152号公報
特開平6−127331号公報
しかしながら、特許文献1記載のヘッドレスト制御装置又は特許文献2記載のエアバッグ装置は、他車両等との衝突が検出又は予測されなければ作動しないため、例えば、急発進、急ブレーキ等、自車両の操縦に起因して頭部が移動する場合、頸部を適切に保護できないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、自車両の操縦に起因して生じた加速度により頭部が移動した場合に乗員の頸部の保護が可能なヘッドレスト装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、シートに着座した乗員の頭部とヘッドレストの距離を検出する距離センサと、距離センサが検出する距離に基づきヘッドレストを前後方向へ移動させるヘッドレスト駆動機構と、自車両の操縦に起因した自車両の加速度に基づきヘッドレスト駆動機構を作動させる制御部と、を有することを特徴とするヘッドレスト装置を提供する。
本発明によれば、自車両の操縦に起因した自車両の加速度を検出してヘッドレスト駆動機構を作動させるため、急減速や急発進の際に移動する乗員の頭部を受け止め頸部を保護することができる。
また、本発明の一形態において、制御部は、ヘッドレスト駆動機構を作動させた後、加速度が所定値A以上又は所定値B未満の場合、移動後のヘッドレストの位置を維持し、加速度が所定値B以上かつ所定値A未満の場合、は所定時間経過後にヘッドレストを元の位置に収納させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドレストが前方に駆動された時間でなく、加速度に基づきヘッドレストを収納するか否かを判定するため、適切に頸部を保護することができる。
また、本発明の一形態において、加速度を生じさせた操縦は、運転者のアクセル操作及びブレーキ操作の少なくともいずれかである、ことを特徴とする。
本発明によれば、運転者の操作に起因して頭部が移動した場合に乗員の頸部を保護することができる。
また、本発明の一形態において、加速度を生じさせた操縦が加速操縦である場合、ヘッドレスト駆動機構は、加速度生じさせた操縦が減速操縦である場合よりも高速に、ヘッドレストを方向へ移動させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、加速操縦により生じた加速度によりヘッドレストを駆動する速度は、減速操縦により生じた加速度によりヘッドレストを駆動する速度よりも速いので、頭部とヘッドレストの距離が短くても、確実に乗員の頸部を保護することができる。
自車両の操縦に起因して生じた加速度により頭部が移動した場合に乗員の頸部の保護が可能なヘッドレスト装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
図1(a)は、前方へ移動可能な可動部1aを備えたヘッドレスト1の側面図を示す。ヘッドレスト1は、乗員が着座するシート3に備えられ、前方側の可動部1aと後方側の固定部1bとにより構成されていて、内部に可動部1aの駆動機構2を備える。駆動機構2が駆動することにより、可動部1aを固定部1bに対して車両の前後方向へ往復移動させ、乗員の頭部とヘッドレスト1との間の距離を制御する。
本実施例のヘッドレスト装置10は、所定以上の加速度が検出された場合に可動部1aを車両前方へ駆動することで、乗員の頭部とヘッドレスト1との距離を低減して、加速時に生じる頭部の移動により乗員の頸部にかかる負担を和らげる。
ヘッドレスト1の表皮内側に、可撓性を有する薄板状の静電容量センサ4が内設されており、静電容量センサ4は乗員の頭部との相対位置(距離)を非接触状態で検知する。例えば、後方から他車両が異常接近することが検出されると、駆動機構2は静電容量センサ4により乗員の頭部との距離を測定しながら可動部1aを車両前方へ駆動して、頭部の直前で停止するように可動部1aを駆動する。結果として、後方衝突時における乗員の頸部にかかる負担を和らげることができる。以下では、可動部1aを駆動することを単にヘッドレスト1を駆動するという。
図1(b)は、駆動機構2の構造図の一例を示す。前後一対のベース21、22が左右一対のX状のリンク24で連結されている。一方のベース21が前面側のヘッドレスト1の可動部1a内に結合され、他方のベース22が背面側の固定部1bに結合される。また、一対のリンク24は、それぞれ二つのリンク部材24a,24bからなり、リンク部材24a,24bの略中央部がピン29により回動可能に連結されている。リンク部材324a,24bの両端部は、両ベース31,32の両側に一体に設けられた側部21a,22aにそれぞれ連結されている。
リンク24aは、前端部がベース21の側部21aにピン25aによって回動可能に連結され、リンク24aの後端部がベース22の側部22aにピン25bによって回動可能に連結されている。他方、一対のリンク部材24bは、前端部が軸26aにより後端部が軸26bにより相互に結合されている。一方の軸26aの両端部は、ベース21の側部21aに形成された縦長のガイド孔21bにスライド可能に連結され、他方の軸26bの両端部は、ベース22の側部22aに形成された縦長のガイド孔22bにスライド可能に連結されている。
背面側のベース22は、駆動機構2の駆動源である電動ユニット28を備えている。電動ユニット28のモータ28aはベース22の内側に取り付けられている。また、モータ28aの駆動軸は、ボールネジ部28bを介してリンク24の軸26bに連結されている。このボールネジ部28bの機能により、モータ28aの正逆回転が軸26bの昇降動作に変換される。したがって、電動ユニット28の駆動制御に基づき、X状の両リンク24がパンタグラフのように作動し、ベース21がベース22に対して相対的に移動する。
図2は、ヘッドレスト装置10のブロック図の一例を示す。ヘッドレスト装置10はPCS(Pre−Crash Safety)ヘッドレスト制御ECU(Electronic Control Unit)5により制御される。PCSヘッドレスト制御ECU5には、ヘッドレスト1の駆動機構2、車両の前後方向の加速度を検出するGセンサ6及び車両後方から接近する立体物を検出する後方レーダセンサ7がCAN等の車内LANを介して接続されている。
なお、PCSヘッドレスト制御ECU5は、プログラムを実行するCPU、プログラム実行の作業領域となり又は一時的にデータを記憶するRAM、イグニションオフしてもデータを保持するEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、データの入力や他のECUとのインターフェイスとなる入出力インターフェイス、他のECUと通信する通信コントローラ、及び、プログラムを記憶するROM等がバスにより接続されたマイコンにより構成される。CPUがプログラムを実行することで、乗員の頭部位置を推定する頭部位置推定手段5a、推定される頭部位置及び加速度に基づきヘッドレスト1を駆動するか否かを判定する駆動判定手段5b、駆動後のヘッドレスト1を収納するか否かを判定する収納判定手段5c、が実現される。また、例えばEEPROMには、ヘッドレスト1を駆動するか否かを判定するための判定閾値11が記憶されている。
Gセンサ6は、加速度により検知体に生じた変位量を電気抵抗や静電容量の変化で検出するセンサであり、車両前後、上下及び左右方向の3軸それぞれの加速度を検出する。なお、本実施形態は、特に車両前後方向の加速度を利用するものであり、減速時の加速度(減速度)と加速時の加速度を区別せずにいずれも加速度という。
後方レーダセンサ7は例えばミリ波レーダセンサであり、レーダを発信して立体物に反射したレーダを受信する。後方レーダセンサ7は自車両のトランク周辺に配置されていて、後方から接近する特に他車両との距離及び相対速度を、発信したレーダが受信されるまでの時間やレーダの周波数変化等に基づき検出する。後方レーダセンサ7の検出信号は例えば衝突を予測・判断する衝突判断ECUに送出され、衝突判断ECUは後方車両の衝突の可能性を判断し、衝突の可能性が高いと判断した場合には、衝突の数秒前にPCSヘッドレスト制御ECU5にヘッドレスト駆動信号を送出する。
続いて、自車両の操縦に起因して生じうる乗員の頭部位置について説明する。図3は車両の加速度に応じて移動する頭部位置の一例を示す図である。図3は速度及び加速度の時間変化を示すと共に、推定される頭部位置を示している。なお、頭部位置は、駆動されていない状態のヘッドレスト1の前面からの距離により示す。停止状態又は定速走行時の頭部位置はヘッドレスト1から所定距離(以下、初期値という)離れた位置にあり、車両の加速度に応じて頭部の位置が移動している。
例えば、発進時は加速度が急激に増大しているため、頭部位置は初期位置よりも後方に移動している(小さくなる)。また、減速から加速する操縦領域では、定速走行から車両が減速すると慣性により頭部が車両前方へ移動するため頭部位置は前方に移動し(大きくなり)、また、減速後に急加速するとその後の加速の影響を受け頭部位置は急激に小さくなる。
このような短時間の頭部位置の変化は頸部に負担を与えるものである。本実施形態のヘッドレスト装置10は、加速度の値から頭部位置を推定して、推定された頭部位置と加速度が所定の関係を有する場合に、ヘッドレスト1を車両前方へ駆動して乗員の頸部を保護する。
なお、加速又は減速は運転者が操作する場合に限らず、オートクルーズコントロールなどの自動操縦においても生じるものである。本実施形態では運転者の操作を中心に説明するが、自動操縦により生じた加速度に対しても同様に適用される。
頭部位置の推定について説明する。図4(a)は頭部位置を説明するための図である。頭部位置xは、駆動されていない状態のヘッドレスト1の前面からの距離を示す。停車状態や定速状態の場合のように定常的な頭部位置xを初期値Cとし、加速度(減速)が生じて移動した頭部の推定位置をDとする。頭部位置Dは、例えば次の式により推測される。
D=C−∫∫F(x)dtdt …(1)
但し、F(x)=a−g(x)
ここで、aは加速度であり、g(x)は推定される頭部位置Dに応じて頭部の移動を抑制しようと働く抑制加速度を決定するための所定の関数である。図4(b)はg(x)の一例を示す図である。頭部位置が初期値Cにある場合、抑制加速度もゼロであるためg(x)はx=初期値Cにおいてゼロとなる。また、頭部位置が前方になるほど頭部の移動は抑制されるため、g(x)は頭部位置Dが大きくなるほど(前方に移動すると)大きくなる。同様に頭部位置Dが初期値Cより後方になると頭部の移動は抑制されるため、g(x)は頭部位置Dが小さくなるほど(後方に移動すると)小さくなる関数である。
D=C−∫∫F(x)dtdt …(1)
但し、F(x)=a−g(x)
ここで、aは加速度であり、g(x)は推定される頭部位置Dに応じて頭部の移動を抑制しようと働く抑制加速度を決定するための所定の関数である。図4(b)はg(x)の一例を示す図である。頭部位置が初期値Cにある場合、抑制加速度もゼロであるためg(x)はx=初期値Cにおいてゼロとなる。また、頭部位置が前方になるほど頭部の移動は抑制されるため、g(x)は頭部位置Dが大きくなるほど(前方に移動すると)大きくなる。同様に頭部位置Dが初期値Cより後方になると頭部の移動は抑制されるため、g(x)は頭部位置Dが小さくなるほど(後方に移動すると)小さくなる関数である。
頭部位置推定手段5aは、所定のサイクル時間毎に式(1)により頭部位置Dを算出し、算出された頭部位置Dにより抑制加速度を決定して、その抑制加速度を用いてさらに頭部位置Dを推定する演算を繰り返す。例えば、頭部位置Dが初期値Cにある場合に加速度aが検出された場合、g(x)はゼロであるので式(1)は次のようになる。
D1=C−∫∫a dtdt
減速時であれば加速度aはマイナスの値となりD1はCよりも大きくなり、加速時であれば加速度aはプラスの値となりD1はCよりも小さくなる。
D1=C−∫∫a dtdt
減速時であれば加速度aはマイナスの値となりD1はCよりも大きくなり、加速時であれば加速度aはプラスの値となりD1はCよりも小さくなる。
位置推定手段5aは算出されたD1をg(x)に代入し新たな抑制加速度を算出し、式(1)により新たな頭部位置D2を推定する。
D2=D1−∫∫F(D1)dtdt
=D1−∫∫(a−g(D1))dtdt
頭部位置推定手段5aは、このような頭部位置Dの推定を加速度aが例えばゼロになるまで(定速走行)繰り返す。
D2=D1−∫∫F(D1)dtdt
=D1−∫∫(a−g(D1))dtdt
頭部位置推定手段5aは、このような頭部位置Dの推定を加速度aが例えばゼロになるまで(定速走行)繰り返す。
次に、ヘッドレスト1を駆動するか否かの判定について説明する。g(x)にて説明したように減速して頭部が前方に移動するほど元の位置に戻そうとする抑制力が加わるため、小さな加速が加わっただけで頭部は高速に後方に移動する。また、一方、初期値Cの近くに頭部がある場合、加速又は減速の加速度にのみが作用して頭部が移動するため、比較的大きな加速度が加わらないと頭部も大きく移動しない。すなわち、加速度aが小さくても頭部位置Dが大きく前方に移動した場合には頸部保護が必要であり、加速度aが大きい場合には頭部位置Dがそれほど前方になくても頸部保護が必要である。
そこで、推定される頭部位置D及び加速度aに基づきヘッドレスト1を駆動するか否かを判定するための判定閾値11を予め定めておく。図5は判定閾値11の一例を示す。判定閾値11は、推定される頭部位置Dが大きいほど小さい加速度aになり、推定される頭部位置Dが小さいほど大きい加速度aとなっている。すなわち、図5(b)の車線の領域がヘッドレスト1が駆動される領域である。駆動判定手段5bは、図5のような判定閾値11に基づきヘッドレスト1を駆動するか否かを判定する。
このようにヘッドレスト1を駆動するか否かを判定することで、ヘッドレスト装置10は減速後の加速や急発進による頭部の移動に対し頸部を適切に保護することができる。また、推定される頭部位置Dが小さくかつ検出された加速度aも小さい場合、駆動判定手段5bはヘッドレスト1を駆動すると判定しないので必要のない駆動を防止できる。
続いて、ヘッドレスト1を駆動した後の収納制御について説明する。乗員の頭部の直前にて停止された可動部1aは原則的には所定時間経過後に駆動前の初期位置に収納される。しかしながら、駆動後一定時間経過後であっても車両が加速又は減速している場合には、頭部が移動するおそれがあるため駆動した位置に可動部1aを維持することが好適となる。
一定時間経過後の加速度aが所定値A以上の場合(加速している場合)、乗員の頭部は前方に駆動された可動部1aに接しているか又は後方に向けて移動すると推測されるため、加速度aが大きい状態で可動部1aを収納すると頭部が可動部1aと共に後方に移動するおそれがある。
また、一定時間経過後の加速度aが所定値B未満の場合(減速している場合)、推定される頭部位置Dが大きく、続いて再度、判定閾値11を満たす可能性が高いと推測されるため、加速度aが所定値B未満の状態で可動部1aを収納すると可動部1aを収納した直後に駆動することになり頻繁作動となるおそれがある。
そこで、収納判定手段5cは、駆動後一定時間経過後の加速度aが所定値B以上かつ所定値A未満の場合(以下単に収納条件という。)に入る場合に、可動部1aを収納すると判定する。なお、AとBの絶対値は同じであってもよい。
図6は、ヘッドレスト装置10がヘッドレスト1の駆動及び収納を制御する処理手順のフローチャート図を示す。図6の処理手順は例えばイグニションオンによりスタートする。
Gセンサ6は所定サイクル時間毎に加速度aを検出しPCSヘッドレスト制御ECU5に送出するので(S1)、頭部位置推定手段5aは加速度aを用いて式(1)により頭部位置Dを推定する(S2)。
駆動判定手段5bは、推定した頭部位置D及び加速度aに基づき図5の判定閾値11を参照し、判定閾値11を満たすか否かを判定する(S3)。判定閾値11を満たさない場合(S3のNo)、PCSヘッドレスト制御ECU5はヘッドレスト1を駆動せずにそのまま処理を終了し、ステップS1から繰り返す。
判定閾値11を満たす場合(S3のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に駆動信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを頭部の直前まで駆動する(S4)。
駆動後、収納判定手段5cは一定時間経過するまで待機し(S5)、一定時間が経過すると(S5のYes)、収納条件を満たすか否かを判定する(S6)。収納条件を満たさない場合(S6のNo)、収納判定手段5cは収納条件を満たすまでステップS6の判定を繰り返す。
収納条件を満たす場合(S6のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に収納信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを初期位置に収納する(S7)。
本実施例によれば、乗員の操縦又は自動操縦に起因した加速又は減速により頭部の移動が生じても乗員の頸部を保護することができる。
本実施例では、実際に車両に生じる加速度aに加えアクセル開度から車両に生じる加速度を予測することで、ヘッドレスト1を駆動するか否かを早期に判定するヘッドレスト装置10について説明する。
図7は、ヘッドレスト装置10のブロック図の一例を示す。なお、図7において図2と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図7のヘッドレスト装置10は、PCSヘッドレスト制御ECU5にアクセルペダルストロークセンサ8が接続されている点で異なる。アクセルペダルストロークセンサ8は運転者のアクセルペダル操作量に応じてアクセル開度を検出する。
また、PCSヘッドレスト制御ECU5は加速度予測手段5dを有し、加速度予測手段5cはアクセル開度に基づき所定時間経過後に車両に生じる加速度を予測する。加速度の予測は、単純にPCSヘッドレスト制御ECU5が有するアクセル開度、エンジンの駆動状態及びギア比等と加速度を対応づけたマップに基づき算出してもよいし、エンジンECUから予測される加速度を受信してもよい。なお、オートクルーズコントロールにおいては、運転者のアクセルペダル操作量の代わりにエンジンECUにスロットル開度を要求する信号から加速度を予測する。
車両の加速度は、エンジントルク、ギア比、車速等により定まるものである。エンジンECUは、アクセル開度に応じて制御されるスロットル開度、吸入量、エンジン回転数に対応づけて定められたエンジントルク算出マップを参照し、エンジントルクを決定する。なお、エンジン回転数はアクセル開度に応じて予測してもよいし、アクセル開度が検出されてから所定時間後の実際のエンジン回転数を検出してもよい。このエンジントルクに加えギア比及び現在の車速から、エンジンECUは所定時間後の加速度を予測する。なお、路面の勾配を検出して予測される加速度を補正してもよい。
頭部位置推定手段5aは、実施例1と同様に予測された加速度に基づき頭部位置Dを推定する。すなわち、式(1)の加速度aにアクセル開度から予測された加速度を代入して、頭部位置Dを推定する。
このように、アクセル開度に基づき加速度を予測し車両に実際に加速度が生じる前に頭部位置Dを推定することで、ヘッドレスト1を駆動すべきか否かを早期に判定することができ、乗員の頸部を確実に保護することができる。例えば、自車両が急発進した場合、頭部とヘッドレスト1の距離が小さいが、駆動すべきか否かを早期に判定することで、頭部が後方に移動する前にヘッドレスト1を駆動して乗員の頸部を確実に保護することができる。
なお、駆動判定手段5b及び収納判定手段5cの判定方法は実施例1と同様である。駆動判定手段5bは、推定される頭部位置D及び予測された加速度に基づき判定閾値11を参照し、ヘッドレスト1を駆動するか否かを判定する。
収納判定手段5cは、駆動後一定時間経過後に予測される加速度が所定範囲(減速度が所定以下かつ加速度が所定以下の範囲。以下単に収納条件という。)に入る場合に、可動部1aを収納すると判定する。なお、収納の判定についてはGセンサ6が検出する加速度を利用してもよい。
図8は、ヘッドレスト装置10がヘッドレスト1の駆動及び収納を制御する処理手順のフローチャート図を示す。図6の処理手順は例えばイグニションオンによりスタートする。
アクセルペダルストロークセンサ8は所定サイクル時間毎にアクセル開度を検出しPCSヘッドレスト制御ECU5に送出するので(S10)、加速度予測手段5dは所定時間後の加速度を予測する(S20)。
以降は、図6と同様である。頭部位置推定手段5aは予測された加速度を用いて式(1)により頭部位置Dを推定する(S2)。
駆動判定手段5bは、推定した頭部位置D及び加速度に基づき図5の判定閾値11を参照し、判定閾値11を満たすか否かを判定する(S3)。判定閾値11を満たさない場合(S3のNo)、PCSヘッドレスト制御ECU5はヘッドレスト1を駆動せずにそのまま処理を終了し、ステップS1から繰り返す。
判定閾値11を満たす場合(S3のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に駆動信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを頭部の直前まで駆動する(S4)。
駆動後、収納判定手段5cは一定時間経過するまで待機し(S5)、一定時間が経過すると(S5のYes)、収納条件を満たすか否かを判定する(S6)。収納条件を満たさない場合(S6のNo)、収納判定手段5cは収納条件を満たすまでステップS6の判定を繰り返す。
収納条件を満たす場合(S6のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に収納信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを初期位置に収納する(S7)。
本実施例によれば、ヘッドレスト1を駆動すべきか否かを早期に判定することができるので、乗員の頸部を確実に保護することができる。
本実施例では、加速度aを生じさせた操縦が加速であるか否かに応じて、可動部1aの駆動時の移動速度を可変とするヘッドレスト装置10について説明する。本実施例の操縦においても、運転者による操作だけでなくオートクルーズコントロールのような自動操縦も含まれるが、以下では運転者の操作によるアクセル操作又はブレーキ操作を検出するヘッドレスト装置10について説明する。
図9は、ヘッドレスト装置10のブロック図の一例を示す。なお、図9において図2と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図9のヘッドレスト装置10は、PCSヘッドレスト制御ECU5にアクセルペダルストロークセンサ8及びストップランプスイッチ9が接続されている点で異なる。アクセルペダルストロークセンサ8は運転者のアクセルペダル操作量に応じてアクセル開度を検出する。また、ストップランプスイッチ9はブレーキペダルの操作を検出する。検出されたアクセル開度及びブレーキペダルの操作信号はPCSヘッドレスト制御ECU5に送出される。
駆動判定手段5bは、頭部位置D及びGセンサ6により検出された加速度aが判定閾値11を満たす場合、ブレーキペダルの操作信号が検出されるか否かを判定し、ブレーキペダルが操作されていない場合、PCSヘッドレスト制御ECU5はブレーキペダルが操作されるよりも速い速度で可動部1aを駆動させる駆動信号を駆動機構2に送出する。したがって、アクセル操作のみが検出された場合、ブレーキ操作が検出されるよりも早く可動部1aが頭部の直前まで到達する。
図10は、ヘッドレスト装置10がヘッドレスト1の駆動及び収納を制御する処理手順のフローチャート図を示す。図6の処理手順は例えばイグニションオンによりスタートする。
Gセンサ6は所定サイクル時間毎に加速度aを検出しPCSヘッドレスト制御ECU5に送出するので(S1)、頭部位置推定手段5aは加速度aを用いて式(1)により頭部位置Dを推定する(S2)。
駆動判定手段5bは、推定した頭部位置D及び加速度aに基づき図5の判定閾値11を参照し、判定閾値11を満たすか否かを判定する(S3)。判定閾値11を満たさない場合(S3のNo)、PCSヘッドレスト制御ECU5はヘッドレスト1を駆動せずにそのまま処理を終了し、ステップS1から繰り返す。
判定閾値11を満たす場合(S3のYes)、駆動判定手段5bはアクセル操作のみが検出されているか否かを判定する(S40)。ステップS40の判定はアクセル操作の直前又は所定時間以内にブレーキ操作が検出されたか否かを判定するものである。
アクセル操作のみが検出された場合(S40のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5はブレーキ操作が検出される場合よりも速い速度でヘッドレスト1の可動部1aを駆動するよう駆動機構2に要求する(S50)。
ブレーキ操作なく判定閾値11を満たした場合、減速時の慣性により頭部が前方に移動することなく、加速により頭部がヘッドレスト1の方へ接近するため、速い速度でヘッドレスト1の可動部1aを駆動することで、確実に乗員の頸部を保護することができる。
アクセル操作のみが検出されない場合(S40のNo)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に駆動信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを頭部の直前まで駆動する(S4)。
以降の処理は実施例1と同様である。駆動後、収納判定手段5cは一定時間経過するまで待機し(S5)、一定時間が経過すると(S5のYes)、収納条件を満たすか否かを判定する(S6)。収納条件を満たさない場合(S6のNo)、収納判定手段5cは収納条件を満たすまでステップS6の判定を繰り返す。
収納条件を満たす場合(S6のYes)、PCSヘッドレスト制御ECU5は駆動機構2に収納信号を送出し、ヘッドレスト1の可動部1aを初期位置に収納する(S7)。
本実施例によれば、アクセル操作のみが検出された場合、ブレーキ操作が検出された場合よりも速い速度でヘッドレスト1の可動部1aを駆動するので、頭部とヘッドレスト1の距離が短くても、確実に乗員の頸部を保護することができる。
自動操縦時にヘッドレスト1を駆動する場合、判定閾値11を満たす前の所定期間の加速度aから、加速前に減速操縦があったか否かを判定する。また、運転者の操作を検出する場合であっても、判定閾値11を満たす前の所定期間の加速度aを監視して、加速前に減速操縦があったか否かを判定してもよい。
本実施形態のヘッドレスト装置10は、自車両の操縦に起因して頭部が移動する場合、ヘッドレスト1を前方に駆動するので、乗員の頸部を保護することができる。前方に駆動された場合、収納条件を満たすまで駆動された位置を維持するので、車両の加速度aが大きい状態が継続しても確実に頸部を保護できる。また、アクセル開度により加速度を予測すれば、ヘッドレスト1を駆動するか否かを早期に判定して確実に乗員の頸部を保護することができる。また、減速操縦が検出されない場合、減速操縦が検出される場合よりも速い速度で可動部1aを駆動させるため、頭部とヘッドレスト1の距離が短くても、確実に乗員の頸部を保護することができる。
1 ヘッドレスト
1a 可動部
1b 固定部
2 駆動機構
3 シート
4 静電容量センサ
5 PCSヘッドレスト制御ECU
6 Gセンサ
7 後方レーダセンサ
8 アクセルペダルストロークセンサ
9 ストップランプスイッチ
10 ヘッドレスト装置
11 判定閾値
1a 可動部
1b 固定部
2 駆動機構
3 シート
4 静電容量センサ
5 PCSヘッドレスト制御ECU
6 Gセンサ
7 後方レーダセンサ
8 アクセルペダルストロークセンサ
9 ストップランプスイッチ
10 ヘッドレスト装置
11 判定閾値
Claims (4)
- シートに着座した乗員の頭部とヘッドレストの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサが検出する距離に基づき前記ヘッドレストを前後方向へ移動させるヘッドレスト駆動機構と、
自車両の操縦に起因した自車両の加速度に基づき前記ヘッドレスト駆動機構を作動させる制御部と、
を有することを特徴とするヘッドレスト装置。 - 前記制御部は、前記ヘッドレスト駆動機構を作動させた後、前記加速度が所定値A以上又は所定値B未満の場合、移動後の前記ヘッドレストの位置を維持し、
前記加速度が所定値B以上かつ所定値A未満の場合、所定時間経過後に前記ヘッドレストを元の位置に収納させる、
ことを特徴とする請求項1記載のヘッドレスト装置。 - 前記加速度を生じさせた前記操縦は、運転者のアクセル操作及びブレーキ操作の少なくともいずれかである、ことを特徴とする請求項1又は2記載のヘッドレスト装置。
- 前記加速度を生じさせた前記操縦が加速操縦である場合、前記ヘッドレスト駆動機構は、前記加速度を生じさせた前記操縦が減速操縦である場合よりも高速に、前記ヘッドレストを前方へ移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のヘッドレスト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006290319A JP2008105560A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | ヘッドレスト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006290319A JP2008105560A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | ヘッドレスト装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008105560A true JP2008105560A (ja) | 2008-05-08 |
Family
ID=39439277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006290319A Pending JP2008105560A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | ヘッドレスト装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008105560A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009161176A (ja) * | 2009-04-13 | 2009-07-23 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用乗員保護装置 |
JP2010221819A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-10-07 | Fujikura Ltd | ヘッドレスト位置調整装置 |
JP2012224308A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nhk Spring Co Ltd | 乗員保護装置 |
-
2006
- 2006-10-25 JP JP2006290319A patent/JP2008105560A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010221819A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-10-07 | Fujikura Ltd | ヘッドレスト位置調整装置 |
JP2009161176A (ja) * | 2009-04-13 | 2009-07-23 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用乗員保護装置 |
JP2012224308A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nhk Spring Co Ltd | 乗員保護装置 |
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