JP2009187687A - 透明導電性フィルムの製造方法、該方法により得られたフィルムを有するタッチパネルおよび該タッチパネルを有する表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶化した透明導電層を基材フィルム上に形成することができ、高強度で機械的耐久性に優れた透明導電性フィルムを製造しうる方法、この方法により得られたフィルムを有するタッチパネルおよびこのタッチパネルを有する表示装置を提供すること。
【解決手段】 ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成することを特徴とする、透明導電性フィルムの製造方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】 ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成することを特徴とする、透明導電性フィルムの製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、低複屈折、低吸湿、高透明性、高耐熱性等の基本的な特性を有する透明導電性フィルムの製造方法、この方法により得られたフィルムを有するタッチパネルおよびこのタッチパネルを有する表示装置に関する。
指で押したり、専用ペンで描画したりすると、その部分が対面電極と接触、通電して信号が入力される抵抗膜式タッチパネルは、小型、軽量、薄型化に有利であることから、各種の家電や携帯端末の入力機器として広く用いられている。
抵抗膜式タッチパネルは、図2に示すように、ガラス板10の上に透明導電層13を形成してなる下部電極1の上に、高分子フィルム11に透明導電層14を形成してなる上部電極2を、透明導電層13、14が対面するようにスペーサ15を介して積層したものであり、上部電極2の表示面を指やペンで押すと、上部電極2と下部電極1とが接触して通電し信号が入力される。なお、上部電極2の表面には、高分子フィルム11の保護のためにハードコート層12が設けられている。
抵抗膜式タッチパネルは、図2に示すように、ガラス板10の上に透明導電層13を形成してなる下部電極1の上に、高分子フィルム11に透明導電層14を形成してなる上部電極2を、透明導電層13、14が対面するようにスペーサ15を介して積層したものであり、上部電極2の表示面を指やペンで押すと、上部電極2と下部電極1とが接触して通電し信号が入力される。なお、上部電極2の表面には、高分子フィルム11の保護のためにハードコート層12が設けられている。
従来タッチパネルの透明導電層は、一般にDCスパッタリングにより形成されている。このようなタッチパネルでは、指やペンによる入力に伴って、上部電極の透明導電層と下部電極の透明導電層とが接触と非接触とを繰り返すこととなるが、透明導電層の形成材料であるITO(インジウム・スズ酸化物)等の透明導電性材料は、耐擦傷性が低いために、透明導電層のうち、特にタッチパネルの入力時に繰り返し変形を受ける上部電極の透明導電層に亀裂が入り易く、また、同材質の透明導電層同士の接触、非接触で透明導電層が基材である高分子フィルムから剥離して脱落し易いという問題があった。
上部電極の透明導電層が損傷したり、剥離したりすると、透明導電層面の電気抵抗値が変化し、また、その均一性が失われ、電気特性が損なわれることにより、正確な入力を行うことができなくなり、このことがタッチパネルの信頼性を損ない、損傷、欠陥、耐久性低下の原因となっていた。
上部電極の透明導電層が損傷したり、剥離したりすると、透明導電層面の電気抵抗値が変化し、また、その均一性が失われ、電気特性が損なわれることにより、正確な入力を行うことができなくなり、このことがタッチパネルの信頼性を損ない、損傷、欠陥、耐久性低下の原因となっていた。
なお、タッチパネル用途の透明導電性フィルムの耐久性を向上させる目的で、特開平2−194943号公報には、ITO膜を成膜した後、熱処理(アニール)を施してITOを結晶化させることが記載されている。すなわち、高分子フィルムのような樹脂基板上にITO膜をスパッタリングにより成膜する場合、成膜中に基板を加熱することができないため、成膜されたITO透明導電層はアモルファス状態である。アモルファス膜は、強度が低く、機械的耐久性が要求される用途には使用に耐え得ない。このため、成膜されたITO膜をアニールして結晶化させることにより膜強度を高めることが提案されているが、透明導電性フィルムの基材が高分子フィルムである場合には、比較的低い温度で長い時間でのアニールが必要となり、生産性、コストの面で問題があった。
本発明は上記のような従来技術における問題点を解決するためになされたものであって、高強度で機械的耐久性に優れた透明導電性フィルムを製造しうる方法、この方法により得られたフィルムを用いて製造されるタッチパネルおよびこのタッチパネルを有する表示装置を提供することを目的としている。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法は、ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成することを特徴とする。
本発明の製造方法においては、基材フィルムが、環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層とを有する積層フィルムであることが好ましい。
本発明に係るタッチパネルは、上記の方法で得られた透明導電性フィルムを少なくとも一方の透明電極として製造されることを特徴としている。
本発明に係る表示装置は、上記記載のタッチパネルを表示面側に有することを特徴としている。
本発明の製造方法においては、基材フィルムが、環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層とを有する積層フィルムであることが好ましい。
本発明に係るタッチパネルは、上記の方法で得られた透明導電性フィルムを少なくとも一方の透明電極として製造されることを特徴としている。
本発明に係る表示装置は、上記記載のタッチパネルを表示面側に有することを特徴としている。
本発明によれば、低複屈折、低吸湿、高透明性、高耐熱性、機械的耐久性等の基本的な特性を確保した透明性導電フィルムを提供することができる。
本発明によれば、前記ハードコート層の上に透明導電層を積層することにより、上記特性の全てを満足し、特にタッチパネル用透明電極として用いた場合に、鮮明な画像が得られ、かつ耐久性に優れた導電性透明フィルムを提供することができる。
さらに本発明によれば、低複屈折、低吸湿、高透明性、高耐熱性、機械的耐久性等に優れ、かつ、透明性を確保し、いわゆる白ぼけ、黒浮きというような部分的な表示むらを防止しながらニュートンリングを有効に防止し、かつ、画像のちらつき、ギラツキという現象を防止した良好な写像性を十分に発揮して鮮明な画像が得られるタッチパネルおよび表示装置を提供することができる。
本発明によれば、前記ハードコート層の上に透明導電層を積層することにより、上記特性の全てを満足し、特にタッチパネル用透明電極として用いた場合に、鮮明な画像が得られ、かつ耐久性に優れた導電性透明フィルムを提供することができる。
さらに本発明によれば、低複屈折、低吸湿、高透明性、高耐熱性、機械的耐久性等に優れ、かつ、透明性を確保し、いわゆる白ぼけ、黒浮きというような部分的な表示むらを防止しながらニュートンリングを有効に防止し、かつ、画像のちらつき、ギラツキという現象を防止した良好な写像性を十分に発揮して鮮明な画像が得られるタッチパネルおよび表示装置を提供することができる。
以下、本発明に係る透明導電性フィルムの製造方法について具体的に説明する。
本発明に係る透明導電性フィルムの製造方法においては、ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成する。
本発明に用いられる基材フィルムとしては、環状オレフィン系重合体フィルムか、環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層との積層フィルムが好ましいものとして挙げられ、中でも環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層との積層フィルムが好ましい。
本発明に係る透明導電性フィルムの製造方法においては、ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成する。
本発明に用いられる基材フィルムとしては、環状オレフィン系重合体フィルムか、環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層との積層フィルムが好ましいものとして挙げられ、中でも環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層との積層フィルムが好ましい。
[環状オレフィン系重合体]
本発明で用いられる基材フィルムを形成する環状オレフィン系重合体は、ノルボルネン構造を有するモノマーと必要に応じて加えられた他の重合性モノマーとを、開環重合したり付加重合したりして得られるポリマーであり、下記式(1)で表される環状オレフィン化合物(以下、「特定単量体」ともいう)に由来する繰り返し単位を少なくとも1種以上含む重合体が好ましい。耐熱性に優れる環状オレフィン系重合体を基材フィルムに用いることから、高温でスパッタリングを行うことが可能になり、結晶性の高い透明導電層を形成することができる。
本発明で用いられる基材フィルムを形成する環状オレフィン系重合体は、ノルボルネン構造を有するモノマーと必要に応じて加えられた他の重合性モノマーとを、開環重合したり付加重合したりして得られるポリマーであり、下記式(1)で表される環状オレフィン化合物(以下、「特定単量体」ともいう)に由来する繰り返し単位を少なくとも1種以上含む重合体が好ましい。耐熱性に優れる環状オレフィン系重合体を基材フィルムに用いることから、高温でスパッタリングを行うことが可能になり、結晶性の高い透明導電層を形成することができる。
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基を表す。
R1とR2、またはR3とR4とが相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、あるいは、R1とR2、R3とR4、またはR2とR3とが相互に結合して単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよい。xは0または1、yは0〜3の整数を表す。)
R1とR2、またはR3とR4とが相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、あるいは、R1とR2、R3とR4、またはR2とR3とが相互に結合して単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよい。xは0または1、yは0〜3の整数を表す。)
本発明に好適に用いられる環状オレフィン系重合体としては、次のような(共)重合体が挙げられる。
(a)特定単量体と、必要に応じてシクロアルケンなど他のシクロオレフィンとの開環(共)重合体。
(b)上記(a)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(c)特定単量体と、必要に応じて上記他のシクロオレフィン、α−オレフィン等との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
これらのうち、光学特性および加工性の点から、(b)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体が特に好ましい。
(a)特定単量体と、必要に応じてシクロアルケンなど他のシクロオレフィンとの開環(共)重合体。
(b)上記(a)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(c)特定単量体と、必要に応じて上記他のシクロオレフィン、α−オレフィン等との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
これらのうち、光学特性および加工性の点から、(b)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体が特に好ましい。
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体のうち好ましいのは、上記式(1)中、R1およびR3が水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、xは0または1、yは0〜3の整数であり、より好ましくはx+y=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはx=0、y=1であるものである。x=0、y=1である特定単量体は、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R2およびR4の少なくとも一つが式−(CH2)nCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系重合体が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(1)において、R1またはR3がアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CH2)nCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系重合体の吸湿性を低くできる点で好ましい。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inh で0.2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系重合体の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の防眩フィルムとして使用したときの光学特性の安定性とのバランスが良好となる。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)としては、130℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。得られる環状オレフィン系重合体フィルムの光学特性変化を安定にし、延伸加工など、Tg近辺まで加熱して加工する場合の樹脂の熱劣化を防止するため、高いガラス転移温度が必要である。また、ガラス転移温度が250℃以下であると、フィルムの成形性に優れるという利点がある。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体の23℃における飽和吸水率は、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。飽和吸水率がこの範囲内であると、光学特性が均一であり、得られる環状オレフィン系重合体フィルムと他の光学部材や接着剤などとの密着性が優れ、使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などとの相溶性にも優れ、多量に添加することも可能となる。飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体としては、その光弾性係数(CP)が0〜100(×10-12Pa-1)であり、かつ応力光学係数(CR)が1,500〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすようなものが好適に使用される。ここで、光弾性係数(CP)及び応力光学係数(CR)については、種々の文献(Polymer Journal,Vol.27,No,9pp 943-950(1995),日本レオロジー学会誌,Vol.19,No.2, p93-97(1991),光弾性実験法,日刊工業新聞社,昭和50年第7版に記載されている。前者がポリマーのガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
光弾性係数(CP)が大きいことは、環状オレフィン系重合体フィルムを他の光学部材や接着剤と貼り合わせて用いた場合に外的因子又は自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に光学特性が変化してしまうことを表し、例えば、本発明のように保護層を積層する場合、及び他の光学部材に固定して用いる場合には、貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、例えば、環状オレフィン系重合体フィルムに位相差の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがある。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)が好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜50(×10-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。保護層を積層した時に発生する応力、防眩フィルムを他の光学部材に固定した時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化などによる不必要な位相差を最小限に止めるためである。
光弾性係数(CP)が大きいことは、環状オレフィン系重合体フィルムを他の光学部材や接着剤と貼り合わせて用いた場合に外的因子又は自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に光学特性が変化してしまうことを表し、例えば、本発明のように保護層を積層する場合、及び他の光学部材に固定して用いる場合には、貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、例えば、環状オレフィン系重合体フィルムに位相差の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがある。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)が好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜50(×10-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。保護層を積層した時に発生する応力、防眩フィルムを他の光学部材に固定した時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化などによる不必要な位相差を最小限に止めるためである。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体は、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤が添加されていてもよい。
本発明に用いられる環状オレフィン系重合体フィルムとしては、上記の環状オレフィン系重合体を溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)など、公知の方法によりフィルムもしくはシート状に成形したものを用いることができる。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体フィルムの厚さは、通常は1〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは10〜250μm、特に好ましくは50〜200μmである。良好なハンドリングを確保するとともに、ロール状への巻き取りを容易にするためである。
本発明において用いられる透明フィルム(環状オレフィン系重合体フィルム)の厚み分布は、通常は平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。かかる厚み制御を実施することにより、フィルム面内におけるムラを防ぐことができる。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体フィルムの厚さは、通常は1〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは10〜250μm、特に好ましくは50〜200μmである。良好なハンドリングを確保するとともに、ロール状への巻き取りを容易にするためである。
本発明において用いられる透明フィルム(環状オレフィン系重合体フィルム)の厚み分布は、通常は平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。かかる厚み制御を実施することにより、フィルム面内におけるムラを防ぐことができる。
本発明の導電性透明フィルムに使用される透明フィルムとしては、必要に応じて延伸加工したものが好適に使用される。具体的には、公知の一軸延伸法あるいは二軸延伸法により製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法などあるいは横一軸と縦一軸を組み合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法などを用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。これらの場合、2つの延伸軸の交わり角度は、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
一軸延伸法の場合、延伸速度は、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。これらの場合、2つの延伸軸の交わり角度は、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)を基準として、通常はTg±30℃、好ましくはTg±10℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg+10℃の範囲である。上記範囲内とすることで、位相差ムラの発生を抑えることが可能となり、また屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.1〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3.5倍である。延伸倍率が10倍を超える場合、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分、さらに好ましくは1分〜60分静置されることが好ましい。これにより、位相差特性の経時変化が少なく安定した環状オレフィン系重合体フィルムからなる位相差フィルムが得られる。
延伸倍率は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.1〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3.5倍である。延伸倍率が10倍を超える場合、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分、さらに好ましくは1分〜60分静置されることが好ましい。これにより、位相差特性の経時変化が少なく安定した環状オレフィン系重合体フィルムからなる位相差フィルムが得られる。
[ハードコート層]
本発明で用いられる基材フィルムは、透明導電層を積層する面に、あらかじめハードコート層を有していてもよい。ハードコート層は、透明導電層の形成やその後の加工あるいは装置組み立て時に、環状オレフィン系重合体フィルムの表面に傷が生じ、これが原因で透明導電層積層体としての視認性が低下することを避けるために施されるものであり、微粒子を分散含有するものが好ましい。
本発明で用いられる基材フィルムは、透明導電層を積層する面に、あらかじめハードコート層を有していてもよい。ハードコート層は、透明導電層の形成やその後の加工あるいは装置組み立て時に、環状オレフィン系重合体フィルムの表面に傷が生じ、これが原因で透明導電層積層体としての視認性が低下することを避けるために施されるものであり、微粒子を分散含有するものが好ましい。
ハードコート処理は、透明導電層形成前、または後にフィルムの両面もしくは片面に実施することができるが、本発明では、ハードコート処理を、透明導電層形成前の光学フィルムの両面に形成することが好ましい。ハードコート層としては、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂に、微粒子を分散させた防眩作用を有するハードコート処理剤の硬化被膜が好ましく用いられる。上記活性エネルギー線硬化型樹脂のうちアクリル系樹脂は、透明導電層の密着性を高める効果も有するのでもっとも好適に用いられる。
ハードコート処理剤に混合する微粒子としては、特に限定されるものではないが、平均粒径(一次平均粒径)が、たとえば、1nm〜100nm程度、1nm〜50nm程度、さらに1nm〜25nm程度のものを主成分とするのが適当である。また、これに加えて、平均粒径が50nm〜800nm程度のもの、100nm〜10μm程度のものなど、主成分として添加する粒子とは粒径の異なる群の粒子を併用して保護層形成用組成物を調製することも好ましい。このような平均粒径を有することにより、白ぼけ及び/又は黒浮きというような部分的な表示むら又は背景画像の不鮮明な表示、ギラツキ及び/又はグレア等の不均一な表示、ニュートンリングという光の干渉作用という主に3種の不具合をバランスよく解消することができる。
また、ここで用いられる微粒子としては、シリカ粒子またはポリマー粒子が好ましく、シリカとしては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。ここでいうヒュームドシリカとは、工業規模で生産されている最も粒子系の小さい粒子形(平均1次粒径が7〜40nm、比表面積が50〜380m2/g)をもつ高純度(99.9%以上)の無水シリカをいい、通常、四塩化ケイ素の酸素/水素バーナー中、1000℃以上の高温下の加水分解法で製造される。
シリカは、表面のシラノール基を疎水性処理したものを用いることができ、好ましくは疎水性処理したものである。
シリカ粒子の配合割合は、樹脂100重量部に対してシリカ粒子が、0.1〜10重量部となるようにするのが好ましい。シリカ粒子の量が少ないと、防眩効果が劣り、多いと光透過率や被膜強度が低下する。
シリカは、表面のシラノール基を疎水性処理したものを用いることができ、好ましくは疎水性処理したものである。
シリカ粒子の配合割合は、樹脂100重量部に対してシリカ粒子が、0.1〜10重量部となるようにするのが好ましい。シリカ粒子の量が少ないと、防眩効果が劣り、多いと光透過率や被膜強度が低下する。
硬化被膜の形成に際しては、上述の活性エネルギー線硬化型樹脂および微粒子に、必要に応じて帯電防止剤、重合開始剤などの各種の添加物を加えてなる組成物を、通常溶剤で希釈して固形分が20〜80重量%となるように調製し、これを光学フィルムの一面に、一般的な溶液塗工手段であるグラビアコータ、リバースコータ、スプレーコータ、スロットオリフィスコータまたはスクリーン印刷などの手段により、乾燥硬化後の厚みが1〜15μm程度となるように塗布した後、加熱乾燥後紫外線照射や電子線照射により硬化させることができる。このハードコート処理層の形成に先立ち、被着面にコロナ放電、紫外線照射、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、プライマ処理などの易接着処理をすることで、透明フィルムとハードコート処理層との密着性をより高めることができる。
[透明導電層の形成方法]
本発明に係る透明導電層は、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層である。透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの従来公知の技術をいずれも使用できるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も特に制限されるものではなく、例えば、酸化錫を含有する酸化インジウム、酸化チタンを含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫、亜鉛またはこれらの合金などが好ましく用いられる。中でも好ましいものとしては、酸化錫を含有する酸化インジウム(ITO)が挙げられる。
本発明に係る透明導電層は、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層である。透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの従来公知の技術をいずれも使用できるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も特に制限されるものではなく、例えば、酸化錫を含有する酸化インジウム、酸化チタンを含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫、亜鉛またはこれらの合金などが好ましく用いられる。中でも好ましいものとしては、酸化錫を含有する酸化インジウム(ITO)が挙げられる。
本発明では、基材フィルム(環状オレフィン系重合体フィルムまたは環状オレフィン系重合体フィルムとハードコート層との積層フィルム)を100℃以上、環状オレフィン系重合体のTg−20℃以下の温度に加熱し、スパッタリングする工程を行うことにより透明導電層を形成する。このような条件で透明導電層を形成することにより、結晶化した透明導電層が得られる。特に好ましい加熱温度は、140〜150℃である。基材フィルムの加熱温度が100℃を下回ると、十分に結晶化した透明導電層を得ることができない。また、Tg−20℃を超えると、基材フィルムが軟化・変形したり、位相差が増大したりするおそれがある。
基材フィルムを加熱する方法としては、基材フィルムを赤外線で加熱する方法、またロール・トゥ・ロール方式では、基材フィルムの接触しているロールを加熱することで基材フィルムを加熱する方法等が好ましい方法として挙げられる。
基材フィルムを加熱する方法としては、基材フィルムを赤外線で加熱する方法、またロール・トゥ・ロール方式では、基材フィルムの接触しているロールを加熱することで基材フィルムを加熱する方法等が好ましい方法として挙げられる。
透明導電層の形成は、例えば内部を真空状態に維持できる耐圧容器内において、フィルムロールより送り出されたフィルム(基材フィルム)が送出側ガイドローラーを経由して基板支持部に送られ、基板支持部の外周面を巻回し、巻取側ガイドローラーを経由して巻取ローラーに巻き取られるように構成した装置を用いて行われることが好ましい。
透明導電層を形成する際には、ターゲットとして従来公知のITOターゲットが用いられる。ITO膜の形成に用いるターゲット材としては酸化インジウムと酸化スズの重量比が99:1〜90:10、より好ましくは99:1〜95:5の焼結体ターゲットを使用することが望ましい。酸化スズの重量比が10重量%を超えるターゲットを用いると非晶質のITO膜となりやすく、酸に対する耐性が弱くなる。また、酸化チタンを含有する酸化インジウムターゲットも用いられる。
また、成膜時に雰囲気ガスとしてArに微量の酸素、好ましくはArとO2との合計に対して0.1〜3体積%のO2を導入すると、ITO薄膜の透明性と導電性を良くすることができるため好ましい。
Arのみの雰囲気ガスの場合、または上記範囲よりもO2が多い場合には、作製されたITO透明導電層の結晶化温度が高くなり好ましくない。しかも、O2が上記範囲よりも多いと、成膜されたITO薄膜の抵抗値が著しく上昇してしまい、必要な導電性を得ることができない。
Arのみの雰囲気ガスの場合、または上記範囲よりもO2が多い場合には、作製されたITO透明導電層の結晶化温度が高くなり好ましくない。しかも、O2が上記範囲よりも多いと、成膜されたITO薄膜の抵抗値が著しく上昇してしまい、必要な導電性を得ることができない。
この透明導電層の膜厚は、一般的には10〜100nm程度であり、好ましくは20〜30nmである。透明導電層の膜厚が薄過ぎると十分な導電性を得ることができず、過度に厚くても導電性には差異はなく、成膜コストが高くつく上に透明導電性フィルムの厚みが厚くなって好ましくない。
本発明のタッチパネルの好ましい構成は図1に示すように、ガラス板10の上に透明導電層13を形成してなる下部電極1と、高分子フィルム11の両面にハードコート層12、12を形成し、さらに一方のハードコート層12に透明導電層14を形成してなる上部電極2とを、透明導電層13、14が対面するようにスペーサ15を介して積層したものである。このような透明導電性フィルムを上部電極として備えるタッチパネルは、透明導電層の機械的耐久性が良好であるため、耐久性、信頼性に優れる。
なお、本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネルの上部電極としての用途に好適であるが、その他、透明スイッチングデバイス、その他の各種の光学系透明導電性フィルム用途に有効に使用することができる。
なお、本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネルの上部電極としての用途に好適であるが、その他、透明スイッチングデバイス、その他の各種の光学系透明導電性フィルム用途に有効に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<作製例1>
(ハードコート処理剤の調製)
ペンタエリスリトールアクリレートと水添キシレンジイソシアネートから得られたウレタンアクリレート100部と、イソシアヌル酸−トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル]20部と、平均粒径が1〜3μmのシリカ粒子を全固形分に対して40重量%と、光重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを全固形分に対して3重量%とを、酢酸ブチル/メチルエチルケトン(1/2:重量比)の混合溶媒により固形分濃度が45重量%となるように希釈してハードコート処理剤を調製した。
<作製例1>
(ハードコート処理剤の調製)
ペンタエリスリトールアクリレートと水添キシレンジイソシアネートから得られたウレタンアクリレート100部と、イソシアヌル酸−トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル]20部と、平均粒径が1〜3μmのシリカ粒子を全固形分に対して40重量%と、光重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを全固形分に対して3重量%とを、酢酸ブチル/メチルエチルケトン(1/2:重量比)の混合溶媒により固形分濃度が45重量%となるように希釈してハードコート処理剤を調製した。
[実施例1]
作製例1で得られたハードコート処理剤を、グラビアリバース法にて、環状オレフィン系重合体からなる透明フィルムである、アートン(登録商標)フィルム(JSR株式会社製、Tg:165℃、膜厚:188μm、フィルム幅:300mm、フィルム長さ:30m)に塗布し、70℃で40秒間乾燥し、300mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚1.7μmの保護層を有するフィルムを得た。
得られた保護層を有するフィルムの保護層の面とは反対面に、同様に保護層を形成し、膜厚1.7μmの保護層を両面に有するフィルムを形成した。その後、フィルムの表面に対し、Ar流量300sccm、出力700V/0.05Aにてプラズマ処理を施した。
フィルムをスパッタリング装置内に配置し、真空排気を行いながらローラーを140℃に加熱し、圧力を2×10-1Paに保持し、アルゴンガスおよび酸素ガス流入下で、ターゲットとしてIn2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより、フィルムのプラズマ処理を施した面に、ITOからなる透明導電層を厚さ200オングストロームで積層し、導電性透明フィルム1を得た。
作製例1で得られたハードコート処理剤を、グラビアリバース法にて、環状オレフィン系重合体からなる透明フィルムである、アートン(登録商標)フィルム(JSR株式会社製、Tg:165℃、膜厚:188μm、フィルム幅:300mm、フィルム長さ:30m)に塗布し、70℃で40秒間乾燥し、300mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚1.7μmの保護層を有するフィルムを得た。
得られた保護層を有するフィルムの保護層の面とは反対面に、同様に保護層を形成し、膜厚1.7μmの保護層を両面に有するフィルムを形成した。その後、フィルムの表面に対し、Ar流量300sccm、出力700V/0.05Aにてプラズマ処理を施した。
フィルムをスパッタリング装置内に配置し、真空排気を行いながらローラーを140℃に加熱し、圧力を2×10-1Paに保持し、アルゴンガスおよび酸素ガス流入下で、ターゲットとしてIn2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより、フィルムのプラズマ処理を施した面に、ITOからなる透明導電層を厚さ200オングストロームで積層し、導電性透明フィルム1を得た。
得られた透明導電性フィルム1のシート抵抗値を4探針法により測定したところ400Ω/□であり、85℃×85%R.H.の存在下に250時間保存した後に再びシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は500Ωでありシート抵抗の変化は少なかった。また、得られた透明導電性フィルム1に対し、0.8Rのポリアセタールペンを用い、加重250gおよび印加電圧3Vの条件で打鍵試験を行ったところ、300万回でも導電性が得られるという高耐久性を示した。
さらに、得られた透明導電性フィルム1についてX線回折測定でITOの結晶性を確認したところ、2θ=30°および35°、51°付近に結晶性のピークが認められた。
さらに、得られた透明導電性フィルム1についてX線回折測定でITOの結晶性を確認したところ、2θ=30°および35°、51°付近に結晶性のピークが認められた。
[比較例1]
実施例1と同様に、透明フィルムの両面への保護層の形成とプラズマ処理を行った後、ローラーの加熱を行わず、圧力2×10-1Pa、25℃の条件下、アルゴンガスおよび酸素ガス流入下でターゲットとしてIn2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより、フィルムのプラズマ処理を施した面に、ITOからなる透明導電層を厚さ200オングストロームで積層し、透明導電性フィルム2を得た。
得られた透明導電性フィルム2について実施例1と同様にして各種評価を行ったところ、シート抵抗値は450Ω/□であり、85℃×85%R.H.の存在下に250時間保存した後に再びシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は1200Ω/□まで上昇した。また、得られた透明導電性フィルム2に対し、実施例1と同様に打鍵試験を行ったところ、80万回で導電性が得られなくなった。
さらに、得られた透明導電性フィルム2をX線回折測定でITOの結晶性ピークを確認したところ、結晶性ピークが観察されず、非晶質であることを確認した。
実施例1と同様に、透明フィルムの両面への保護層の形成とプラズマ処理を行った後、ローラーの加熱を行わず、圧力2×10-1Pa、25℃の条件下、アルゴンガスおよび酸素ガス流入下でターゲットとしてIn2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより、フィルムのプラズマ処理を施した面に、ITOからなる透明導電層を厚さ200オングストロームで積層し、透明導電性フィルム2を得た。
得られた透明導電性フィルム2について実施例1と同様にして各種評価を行ったところ、シート抵抗値は450Ω/□であり、85℃×85%R.H.の存在下に250時間保存した後に再びシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は1200Ω/□まで上昇した。また、得られた透明導電性フィルム2に対し、実施例1と同様に打鍵試験を行ったところ、80万回で導電性が得られなくなった。
さらに、得られた透明導電性フィルム2をX線回折測定でITOの結晶性ピークを確認したところ、結晶性ピークが観察されず、非晶質であることを確認した。
1 下部電極
2 上部電極
10 ガラス板
11 高分子フィルム
12 ハードコート層
13 透明電極層
14 透明電極層
15 スペーサ
2 上部電極
10 ガラス板
11 高分子フィルム
12 ハードコート層
13 透明電極層
14 透明電極層
15 スペーサ
Claims (4)
- ガラス転移温度が130℃以上の環状オレフィン系重合体を有する基材フィルムを、100℃以上、上記ガラス転移温度−20℃以下の温度に加熱した状態で、スパッタリングにより透明導電層を形成することを特徴とする、透明導電性フィルムの製造方法。
- 基材フィルムが、環状オレフィン系重合体フィルムと粒子含有ハードコート層とを有する積層フィルムである、請求項1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
- 請求項1に記載の方法で得られた透明導電性フィルムを少なくとも一方の透明電極として製造されることを特徴とするタッチパネル。
- 請求項3に記載のタッチパネルを表示面側に有することを特徴とする表示装置。
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- 2008-02-04 JP JP2008023482A patent/JP2009187687A/ja active Pending
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