JP2009184367A - 動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の初爆に伴うトルクショックをより適正に抑制する。
【解決手段】ハイブリッド自動車20では、クランキングに伴ってエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になると、その後にクランク角変化量ΔCAが所定変化量ΔCAfirとなる時点が燃料噴射開始時期として定められると共に当該燃料供給開始時期にエンジン22への燃料噴射が開始される旨をハイブリッドECU70側に予告すべく燃料カットフラグFfcが値0に設定される。そして、燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断されてから待機時間t1refが経過し、かつクランク角変化量ΔCAが待機閾値ΔCAref以上になった時点からエンジン22の初爆に伴うリングギヤ軸32aのトルク変動が抑制されるようにモータMG2の出力トルクが調整される(ステップS180,S190,S220〜S260)。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法に関する。
従来から、内燃機関の初爆時に生じるトルクショックを抑制するために、内燃機関の初爆に伴って駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向のトルクを駆動軸に出力するよう電動機を駆動制御する動力出力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この動力出力装置では、例えば内燃機関の運転を停止して電動機による走行を行っている最中に内燃機関を始動するときに、内燃機関のクランク角が初爆のタイミングを含むを所定角度範囲を通過する時間について電動機から出力されるトルクを所定トルクだけ小さく調整することによって内燃機関の初爆に伴って駆動軸に出力されるトルクをキャンセルし、初爆によるトルクショックを抑制している。
特開2005−30281号公報
しかしながら、内燃機関の初爆のタイミングを含むクランク角の角度範囲は、周囲環境の状況等に応じて変動することがある。従って、上記従来の動力出力装置のように内燃機関のクランク角に基づいて電動機の出力トルクを調整しようとしても、初爆のタイミングを含むクランク角の角度範囲が精度よく把握されないと初爆前に電動機の出力トルクが調整されてしまうおそれがあり、このような場合には、電動機により駆動軸に出力されるトルクが減少した後に駆動軸に初爆によるトルクが作用し、却ってトルクショックの影響が大きくなってしまうおそれもある。
そこで、本発明の動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法は、内燃機関の初爆に伴うトルクショックをより適正に抑制することを主目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、
前記電動機および前記電動クランキング手段と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされると、該内燃機関の燃料供給開始時期を設定すると共に、該設定した燃料供給開始時期に前記内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告を行う燃料供給開始時期設定手段と、
前記予告がなされてからの前記内燃機関のクランク角の変化量を取得するクランク角変化量取得手段と、
前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされると、前記内燃機関がクランキングされると共に該内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に反力として作用するトルクがキャンセルされるように前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記予告がなされてから所定の待機時間が経過し、かつ前記取得されたクランク角の変化量が所定の待機閾値以上になった時点から前記内燃機関の初爆に伴う前記駆動軸のトルク変動が抑制されるように前記電動機の出力トルクを調整する機関始動時制御手段と、
を備えるものである。
この動力出力装置では、内燃機関の運転が停止されている最中に当該内燃機関の始動指示がなされると、内燃機関がクランキングされると共に当該クランキングに伴って駆動軸に反力として作用するトルクがキャンセルされるように電動クランキング手段と前記電動機とが制御される。また、内燃機関の始動指示がなされると、燃料供給開始時期設定手段により燃料供給開始時期が設定されると共に設定された燃料供給開始時期に内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告が行われ、更に当該予告がなされてからの内燃機関のクランク角の変化量がクランク角変化量取得手段により取得される。そして、予告がなされてから所定の待機時間が経過し、かつクランク角の変化量が所定の待機閾値以上になった時点から内燃機関の初爆に伴う駆動軸のトルク変動が抑制されるように電動機の出力トルクが調整される。これにより、この動力出力装置では、内燃機関の始動に際して、当該内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告から充分な時間が経過すると共にクランク角の変化量が充分に大きくなった時点から電動機の出力トルクが調整されることになるので、内燃機関の周囲環境の状況等が変化しても、実際に内燃機関の初爆が起きる前に電動機の出力トルクが調整されてしまうことを抑制することが可能となり、内燃機関の初爆に伴うトルクショックをより適正に抑えることができる。
また、前記燃料供給時期設定手段は、前記予告がなされてから前記クランク角の変化量が所定変化量に達する時期を前記燃料供給開始時期として設定するものであってもよく、前記待機閾値は、前記所定変化量に基づいて定められてもよい。これにより、待機閾値をより適正に定めることが可能となるので、実際に内燃機関の初爆が起きる前に電動機の出力トルクが調整されてしまうことをより確実に抑制することができる。この場合、前記待機閾値は、前記所定変化量以下に定められてもよい。
また、前記待機時間は、少なくとも常温であることを含む所定条件下で前記予告がなされてから前記内燃機関のクランク角の変化量が前記所定変化量に達するまでに要する時間であってもよい。これにより、待機時間をより適正な値とすることが可能となる。
更に、前記燃料供給時期設定手段は、前記電動クランキング手段によるクランキングが開始された後の前記内燃機関の回転数に基づいて前記予告を行うものであってもよい。これにより、燃料供給開始時期をより適正な時期とすると共に、燃料供給開始時期をより適切なタイミングで予告することが可能となる。
また、前記機関始動時制御手段は、前記予告がなされた後に前記待機時間が経過すると共に前記クランク角の変化量が前記待機閾値以上になったときから、最初の点火タイミングと次の点火タイミングとを含む所定時間だけ前記電動機の出力トルクを減少させるものであってもよい。これにより、仮に最初の点火タイミングで初爆が起きず次の点火タイミングで初爆が起きたとしても、初爆に伴うトルクショックを抑制することが可能となる。
更に、前記電動クランキング手段は、前記駆動軸と前記内燃機関の機関軸とに接続されて電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関の動力の少なくとも一部を前記駆動軸側に出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段であってもよい。この場合、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記駆動軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含むものであってもよい。
本発明による車両は、前記動力出力装置と、前記駆動軸に連結された駆動輪とを備えるものである。この車両は、上記何れかの態様の動力出力装置を備えるものであるから、上記動力出力装置が奏するものと同様の作用効果を奏する。
本発明による動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、前記電動機および前記電動クランキング手段と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えた動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされたときに、前記内燃機関がクランキングされると共に該内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に反力として作用するトルクがキャンセルされるように前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御するステップと、
(b)前記内燃機関の始動指示がなされた後に、該内燃機関の燃料供給開始時期を設定すると共に、該設定した燃料供給開始時期に前記内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告を行うステップと、
(c)前記予告がなされた後に所定の待機時間が経過すると共に前記内燃機関のクランク角の変化量が所定の待機閾値以上になった時点から前記内燃機関の初爆に伴う前記駆動軸のトルク変動が抑制されるように前記電動機の出力トルクを調整するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、内燃機関の始動に際して、当該内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告から充分な時間が経過すると共にクランク角の変化量が充分に大きくなった時点から電動機の出力トルクが調整されることになるので、内燃機関の周囲環境の状況等が変化しても、実際に内燃機関の初爆が起きる前に電動機の出力トルクが調整されてしまうことを抑制することが可能となり、内燃機関の初爆に伴うトルクショックをより適正に抑えることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト(機関軸)26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、例えばクランクシャフト26に取り付けられてクランク角CAを検出するクランクポジションセンサ23といったエンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ53からの端子間電圧Vb、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に設置された電流センサ55からの充放電電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ56からのバッテリ温度Tb等が入力される。また、バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサ55により検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて残容量SOCを算出したり、残容量SOCとバッテリ温度Tbとに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Winとバッテリ50の放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限Woutとを設定したりする。ここで、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、基本的に、それぞれのバッテリ温度Tbに基づく値(温度依存値)にバッテリ50の残容量SOCに基づく入力制限用補正係数または出力制限用補正係数を乗じることにより設定可能である。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッドECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転停止しているエンジン22を始動する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッドECUユニット70により実行されるエンジン始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動指示がなされたときに実行される。
図2のエンジン始動時制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、車速センサ88からの車速V、モータMG1,MG2のモータ回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の入出力制限Win,Wout、エンジン22の回転数Ne、クランク角CA、燃料カットフラグFfcや完爆判定フラグFfinの値といった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリECU52から通信により入力するものとした。更に、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ23からの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとし、クランク角CAは、クランクポジションセンサ23が検出したものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。同様に、燃料カットフラグFfcおよび完爆判定フラグFfinの値もエンジンECU24から通信により入力するものとした。ここで、燃料カットフラグFfcは、エンジン22に対する燃料噴射が停止(燃料カット)されているときに値1に設定され、燃料噴射の停止(燃料カット)が解除されてエンジン22に対する燃料噴射が可能であるときに値0に設定されるものである。また、完爆判定フラグFfinは、エンジン22の回転数Ne等に基づいてエンジン22が完爆したと判断されたときには値1に設定され、エンジン22が未だ完爆していないと判断されたときには値0に設定されるものである。ステップS110のデータ入力処理の後、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて、駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、ステップS100にて入力したエンジン22の回転数Neとタイマ78により計時される本ルーチンの開始からの経過時間tとを用いてエンジン22をモータMG1によりクランキングして始動させる際のクランキングトルクとしてのモータトルク指令Tm1*を設定する(ステップS120)。実施例では、モータトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neと経過時間tとの関係が予め定められてクランキングトルク設定用マップとしてROM74に記憶されており、モータトルク指令Tm1*としては、与えられた回転数Neと経過時間tとに対応したものが当該マップから導出・設定される。図4(a)にクランキングトルク設定用マップの一例を示す。このクランキングトルク設定用マップを用いた場合、図4(a)からわかるように、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させるべく、本ルーチンが開始された時間t00の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクがモータトルク指令Tm1*として設定される。そして、図4(a)および図4(b)に示すように、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯よりも大きい値として設定される基準回転数Nrefに達した時間t10からは徐々に小さい値をトルク指令Tm1*に設定する。このように、エンジン22の始動開始直後に比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定することにより、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させて早急に共振回転数帯を通過させると共に基準回転数Nrefに到達させることができる。なお、エンジン22の完爆が判定された時間t50から発電用のトルクがモータMG1に対するトルク指令Tm1*として設定されることになる。
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定したならば、通常時に値0に設定される所定のフラグFが値0であるか否かを判定し(ステップS130)、フラグFが値0であるときには、更に燃料カットフラグFfcが値0であるか否かを判定する(ステップS140)。エンジン22の始動開始直後には、燃料カットフラグFfcが値1に設定されているから、ステップS140において否定判断がなされ、ステップS280にて補正トルクTαに値0が設定される。次いで、ステップS100にて入力したバッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを式(1)および式(2)を用いて計算する(ステップS230)。更に、要求トルクTr*と減速ギヤ35のギヤ比Grとに基づいてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(3)に従って計算し(ステップS240)、式(4)で示すように、モータMG2のトルク指令Tm2*をステップS230にて計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値に補正トルクTαを加えたものをモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS250)。エンジン22の始動開始直後には、補正トルクTαが上述のように値0に設定されることから、トルク制限Tmax,Tminで仮モータトルクTm2tmpを制限した値がトルク指令Tm2*として設定されることになる。なお、ステップS240にて用いられる式(3)は、図5に示す共線図から容易に導出することができる。図5は、エンジン22をクランキングして始動させるときの動力分配統合機構30の回転要素についての回転数とトルクとの力学的な関係を表す共線図の一例を示すものである。同図において、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を変速機60の現在のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22をクランキングする際にリングギヤ32に作用するトルクと、そのトルクをキャンセルしつつ要求トルクTr*を出力するためにモータMG2から出力されて減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、上述のようにしてトルク制限Tmax,Tminで仮モータトルクTm2tmpを制限した値がモータMG2のトルク指令Tm2*とされ得るようにすることにより、エンジン22をクランキングするトルク(モータMG1のトルク指令Tm1*)に応じてリングギヤ軸32aに作用する駆動力に対する反力としてのトルク(図5におけるトルク=−1/ρ・Tm1*)をキャンセルしつつリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力するためのトルク指令Tm2*をバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。そして、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS260)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。更に、完爆判定フラグFfinが値0であるか否かを判定し(ステップS270)、エンジン22が未だ完爆しておらず完爆判定フラグFfinが値0であるときには再度ステップS100以降の処理を実行する。
Tmin = (Win - Tm1*・Nm1)/Nm2 …(1)
Tmax = (Wout - Tm1*・Nm1)/Nm2 …(2)
Tm2tmp = (Tr* - Tm1*/ρ)/Gr …(3)
Tm2* = max(min(Tm2tmp,Tmax),Tmin) + Tα …(4)
ここで、実施例のハイブリッド自動車20では、図4(b)に示すようにモータMG1によるエンジン22のクランキングに伴ってエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になると、図4(c)に示すように、エンジンECU24により燃料カットフラグFfcが値0に設定される。更に、エンジンECU24は、エンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になって燃料カットフラグFfcが値0に設定されてから、図4(a)に示すクランキングトルク設定用マップに従うエンジン22のクランキングに伴ってクランク角CAが所定変化量ΔCAfir(実施例では、例えば540°)だけ変化した時点を燃料噴射開始時期として定める。すなわち、実施例のエンジンECU24は、エンジン22の回転数Neが基準回転数Nrefに達すると、その後にクランク角CAが所定変化量ΔCAfirだけ変化した時点で燃料噴射が開始される旨をハイブリッドECU70側に予告すべく燃料カットフラグFfcを値1から値0へと変化させるのである。これにより、図2のエンジン始動時制御ルーチンが繰り返し実行されてエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になると、ステップS100にて入力された燃料カットフラグFfcが値0であると判断されることになる(ステップS140)。そして、この場合には、更に本ルーチンの前回実行時にステップS100にて入力された燃料カットフラグFfcが値1であるか否かを判定し(ステップS150)、本ルーチンの前回実行時における燃料カットフラグFfcが値1であった場合には、タイマ78に第1の経過時間t1の計時を開始させると共にステップS100にて入力したクランク角CAを計時開始時クランク角CA0としてRAM76に記憶する(ステップS160)。なお、本ルーチンの前回実行時における燃料カットフラグFfcが値0であった場合には、既に第1の経過時間t1の計時が開始されると共に計時開始時クランク角CA0がROM76に記憶されていることになるので、ステップS160の処理はスキップされる。こうしてステップS160にて第1の経過時間t1の計時が開始されると、ステップS100にて入力したクランク角CAとステップS160において記憶した計時開始時クランク角CA0とに基づいてクランク角変化量ΔCAを計算する(ステップS170)。クランク角変化量ΔCAは、ステップS160にて第1の経過時間t1の計時が開始されてから、すなわち実質的にはエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になってエンジンECU24により燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断ざれてからのクランク角CAの変化量であり、計時開始時クランク角CA0の値を考慮しつつクランク角CAの今回値と前回値との差分を積算することにより得られるものであり、図4(d)に示すように基本的に時間の経過と共に漸増する。
続いて、第1の経過時間t1が閾値としての所定の待機時間t1ref以上であるか否かを判定し(ステップS180)、第1の経過時間t1が待機時間t1ref以上であるときには、更にステップS170にて計算したクランク角変化量ΔCAが待機閾値ΔCAref以上であるか否かを判定する(ステップS190)。実施例において、ステップS180にて用いられる待機時間t1refは、少なくとも常温常圧下である所定の基準状態下でエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になってエンジンECU24により燃料カットフラグFfcが値0に設定されてから、図4(a)に示すクランキングトルク設定用マップに従うエンジン22のクランキングに伴ってクランク角CAが燃料噴射開始時期を規定する上記所定変化量ΔCAfir(実施例では、例えば540°)だけ変化するのに要する時間として予め実験・解析等を経て求められたものとエンジンECU24とハイブリッドECU70との間の通信遅れ時間とに基づいて定められる。また、ステップS190にて用いられる待機閾値ΔCArefは、燃料噴射開始時期を規定する上記所定変化量ΔCAfirに基づいて定められ、実施例では、所定変化量ΔCAfirよりも若干小さい値(例えば520°)に定められている。ステップS180およびS190の何れかで否定判断がなされたときには、補正トルクTαが値0に設定され(ステップS280)、上述のステップS230以降の処理が実行される。
一方、ステップS180およびS190の双方にて肯定判断がなされたときには、タイマ78を一旦リセットした上で第2の経過時間t2の計時を開始させると共にフラグFに値1を設定し(ステップS200)、更に第2の経過時間t2が閾値としての所定時間t2ref未満であるか否かを判定する(ステップS210)。実施例において、所定時間t2refは、例えば、燃料噴射の開始に伴う最初の点火タイミングとその次の点火タイミングとを含む時間として予め定められている。そして、第2の経過時間t2が所定時間t2ref未満であるときには、補正トルクTαを第2の経過時間t2に基づいて設定する(ステップS220)。実施例では、予め用意されたマップを用いて補正トルクTαを第2の経過時間t2に応じて図4(e)に示すように変化するように設定することとし、補正トルクTαは負の値として設定される。こうしてステップS220にて補正トルクTαが設定されると、上述のステップS230以降の処理が実行される。このようにステップS220の処理が実行される場合、補正トルクTαが負の値として設定されることから、ステップS250では、トルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値を更に補正トルクTαに応じて減少させた値がトルク指令Tm2*として設定されることになる。また、ステップS210にて第2の経過時間t2が所定時間t2ref以上であると判断されると、適宜タイマ78がリセットされると共に補正トルクTαが値0に設定され(ステップS280)、ステップS230以降の処理が実行される。そして、上述の燃料噴射開始時期に燃料噴射制御が開始されると共にそれに応じた点火制御が開始された後、エンジンECU24によりエンジン22が完爆したと判断されると、完爆判定フラグFfinが値1に設定され、それに伴ってステップS270にて完爆判定フラグFfinが値1であると判断されると、本ルーチンが終了することになる。
このように、図2のエンジン始動時制御ルーチンが実行されると、モータMG1によるクランキングに伴ってエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上となって(時刻t10)エンジンECU24により燃料カットフラグFfcが値0に設定されると共に燃料噴射開始時期が設定されたとハイブリッドECU70により判断されてから(ステップS180)、待機時間t1refが経過し、かつクランク角変化量ΔCAが待機閾値ΔCAref以上になった時点(図4の例では時刻t30)から、モータMG2の出力トルクが減少するように第2の経過時間t2に応じた補正トルクTαに基づくトルク指令Tm2*の補正が実行される。そして、このような補正トルクTαに基づくトルク指令Tm2*の補正は、第2の経過時間t2が燃料噴射の開始に伴う最初の点火タイミングとその次の点火タイミングとを含む時間として定められた所定時間t2ref以上になるまで継続されることになる。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転が停止されている最中にエンジン22の始動指示がなされると、エンジン22がクランキングされると共にクランキングに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに反力として作用するトルクがキャンセルされるようにモータMG1およびMG2が制御される。また、モータMG1によるエンジン22のクランキングに伴ってエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になると、エンジンECU24により、エンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になってからクランク角変化量ΔCAが所定変化量ΔCAfir(実施例では、例えば540°)となる時点が燃料噴射開始時期として定められると共に、当該燃料噴射開始時期にエンジン22に対する燃料噴射が開始される旨をハイブリッドECU70側に予告すべく燃料カットフラグFfcが値0に設定される。更に、燃料噴射開始時期の予告として燃料カットフラグFfcが値0に設定されると、ハイブリッドECU70により、燃料カットフラグFfcが値0に設定されてからのエンジン22のクランク角変化量ΔCAがクランクポジションセンサ23からの信号に基づいて取得される。そして、ハイブリッドECU70により燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断されてから所定の待機時間t1refが経過し、かつクランク角変化量ΔCAが所定の待機閾値ΔCAref(実施例では、例えば520°)以上になった時点からエンジン22の初爆に伴うリングギヤ軸32aのトルク変動が抑制されるようにモータMG2の出力トルクが調整される(ステップS180,S190,S220〜S260)。これにより、ハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動に際して、エンジン22に対する燃料噴射が開始される旨の予告として燃料カットフラグFfcが値0に設定されてから充分な時間(t1ref)が経過すると共にクランク角変化量ΔCAが充分に大きくなった時点からモータMG2の出力トルクが調整されることになるので、エンジン22の周囲環境の状況等が変化しても、実際にエンジン22の初爆が起きる前にモータMG2の出力トルクが調整されてしまうことを抑制することが可能となり、エンジン22の初爆に伴うトルクショックをより適正に抑えることができる。すなわち、実施例のハイブリッド自動車20では、例えば冷間始動時等にモータMG1によりクランキングしてもフリクション等に起因してエンジン22の回転数Neが速やかに高まらないような場合、燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断されてから待機時間t1refが経過しても、クランク角変化量ΔCAが燃料噴射開始時期を規定する所定変化量ΔCAfirに基づく待機閾値ΔCAref以上になるまでは補正トルクTαが値0に設定され、クランク角変化量ΔCAが待機閾値ΔCAref以上になって初めて補正トルクTαによるモータMG2のトルク指令Tm2*の補正が実行されることになる。これにより、ハイブリッド自動車20では、エンジン22の冷間始動時においても実際にエンジン22の初爆が起きる前にモータMG2の出力トルクが調整されてしまうことを抑制して初爆に伴うトルクショックをより適正に抑えることができる。
また、上記実施例のように、クランキングによりエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上となって燃料カットフラグFfcが値0に設定されてから(予告がなされてから)クランク角変化量ΔCAが所定変化量ΔCAfirとなる時期を燃料噴射開始時期とする場合、待機閾値ΔCArefを当該所定変化量ΔCAfirに基づいて定めれば、待機閾値ΔCArefを実際にエンジン22の初爆が起きる前にモータMG2の出力トルクが調整されてしまうことをより確実に抑制する上でより適正なものとすることができる。更に、上記実施例のように、ハイブリッド自動車20の全体を制御するハイブリッドECU70と、エンジン22を制御するエンジンECU24との間で各種情報をやり取りする場合には、待機閾値ΔCArefを所定変化量ΔCAfirよりも小さくすることで両者間の通信遅れによる影響を低減することが可能となる。また、少なくとも常温常圧下である所定の基準状態下でエンジン22の回転数Neが基準回転数Nref以上になってエンジンECU24により燃料カットフラグFfcが値0に設定されてから、エンジン22のクランキングに伴ってクランク角CAが燃料噴射開始時期を規定する所定変化量ΔCAfirだけ変化するのに要する時間に基づいて閾値としての待機時間t1refを定めれば、待機時間t1refを実際にエンジン22の初爆が起きる前にモータMG2の出力トルクが調整されてしまうことをより確実に抑制する上でより適正な値とすることが可能となる。
更に、上記実施例のように、エンジン22の回転数Neが基準回転数Nrefに達したときに燃料カットフラグFfcを値0に設定することで燃料噴射開始時期をハイブリッドECU70側に予告すれば、燃料噴射開始時期をより適正な時期にすると共に、燃料噴射開始時期をより適正なタイミングでハイブリッドECU70側に予告することが可能となる。また、燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断されてから待機時間t1refが経過すると共にクランク角の変化量ΔCAが待機閾値ΔCAref以上になってから、最初の点火タイミングと次の点火タイミングとを含む所定時間t2refの間だけモータMG2の出力トルクを減少させるよう出力トルクを調整すれば、仮に最初の点火タイミングで初爆が起きず次の点火タイミングで初爆が起きたとしても、初爆に伴うトルクショックを抑制することが可能となる。
なお、上記実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図6に示す変形例としてのハイブリッド自動車120のように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸(車輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図6における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。また、上記実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して車輪63a,63bに接続される車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図7に示す変形例としてのハイブリッド自動車220のように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と車輪63a,63bに動力を出力する車軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を車軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えたものに適用されてもよい。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例においては、リングギヤ軸32a等に動力を出力可能なエンジン22が「内燃機関」に相当し、リングギヤ軸32aに動力を出力可能なモータMG2が「電動機」に相当し、エンジン22を始動させるためのクランキングを実行可能なモータMG1が「電動クランキング手段」に相当し、モータMG1およびMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、エンジン22の運転が停止されている最中にエンジン22の始動指示がなされるとエンジン22の燃料噴射開始時期を設定すると共に当該燃料噴射開始時期にエンジン22に対する燃料噴射が開始される旨を予告するエンジンECU24が「燃料供給開始時期設定手段」に相当し、クランクポジションセンサ23におり検出されたクランク角CAに基づいて燃料カットフラグFfcが値0に設定されたと判断されてからのクランク角変化量ΔCAを取得するハイブリッドECU70が「クランク角変化量取得手段」に相当し、図2のエンジン始動時制御ルーチンを実行するハイブリッドECU70,エンジンECU24およびモータECU40の組み合わせが「機関始動時制御手段」に相当する。また、モータMG1および動力分配統合機構30や対ロータ電動機230が「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG1や対ロータ電動機230が「発電用電動機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。なお、「内燃機関」は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力するエンジン22に限られず、水素エンジンといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「電動機」や「発電用電動機」は、モータMG1,MG2のような同期発電電動機に限られず、誘導電動機といったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「電動クランキング手段」は、モータMG1のような発電機としても機能し得るものに限られず、セルモータのようなエンジンのクランキングのみを実行するものであっても構わない。「燃料供給開始時期設定手段」は、燃料供給の開始時期を設定・予告するものであれば如何なる形式のものであっても構わない。「クランク角変化量取得手段」は、クランクポジションセンサ23が検出したエンジン22のクランク角に基づいてクランク角変化量ΔCAを取得するのであれば、例えばエンジンECU24といったようなハイブリッドECU70以外のものであっても構わない。「機関始動時制御手段」は、燃料供給開始時期の予告がなされてから、所定の待機時間が経過し、かつクランク角変化量が所定の待機閾値以上になった時点から内燃機関の初爆に伴う駆動軸のトルク変動が抑制されるように電動機の出力トルクを調整するものであれば、単一の電子制御ユニットのような、ハイブリッドECU70とエンジンECU24とモータECU40との組み合わせ以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。
何れにしても、これら実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業等において利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行されるエンジン始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 (a),(b),(c),(d)および(e)は、それぞれ、実施例におけるモータトルク指令Tm1*,エンジン回転数Ne,燃料カットフラグFfc,クランク角変化量ΔCA,補正トルクTαの時間変化を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素の力学な関係を説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 タイマ、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、
    前記電動機および前記電動クランキング手段と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされると、該内燃機関の燃料供給開始時期を設定すると共に、該設定した燃料供給開始時期に前記内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告を行う燃料供給開始時期設定手段と、
    前記予告がなされてからの前記内燃機関のクランク角の変化量を取得するクランク角変化量取得手段と、
    前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされると、前記内燃機関がクランキングされると共に該内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に反力として作用するトルクがキャンセルされるように前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御し、前記予告がなされてから所定の待機時間が経過し、かつ前記取得されたクランク角の変化量が所定の待機閾値以上になった時点から前記内燃機関の初爆に伴う前記駆動軸のトルク変動が抑制されるように前記電動機の出力トルクを調整する機関始動時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記燃料供給時期設定手段は、前記予告がなされてから前記クランク角の変化量が所定変化量に達する時期を前記燃料供給開始時期として設定し、前記待機閾値は、前記所定変化量に基づいて定められる請求項1に記載の動力出力装置。
  3. 前記待機閾値は、前記所定変化量以下に定められる請求項2に記載の動力出力装置。
  4. 前記待機時間は、少なくとも常温であることを含む所定条件下で前記予告がなされてから前記内燃機関のクランク角の変化量が前記所定変化量に達するまでに要する時間である請求項2または3に記載の動力出力装置。
  5. 前記燃料供給時期設定手段は、前記電動クランキング手段によるクランキングが開始された後の前記内燃機関の回転数に基づいて前記予告を行う請求項1から4の何れか一項に記載の動力出力装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の動力出力装置であって、
    前記機関始動時制御手段は、前記予告がなされた後に前記待機時間が経過すると共に前記クランク角の変化量が前記待機閾値以上になったときから、最初の点火タイミングと次の点火タイミングとを含む所定時間だけ前記電動機の出力トルクを減少させる動力出力装置。
  7. 前記電動クランキング手段は、前記駆動軸と前記内燃機関の機関軸とに接続されて電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関の動力の少なくとも一部を前記駆動軸側に出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段である請求項1から6の何れか一項に記載の動力出力装置。
  8. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記駆動軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含む請求項7に記載の動力出力装置。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の動力出力装置と、前記駆動軸に連結された駆動輪とを備える車両。
  10. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記内燃機関を始動させるためのクランキングを実行可能な電動クランキング手段と、前記電動機および前記電動クランキング手段と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えた動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関の運転が停止されている最中に該内燃機関の始動指示がなされたときに、前記内燃機関がクランキングされると共に該内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に反力として作用するトルクがキャンセルされるように前記電動クランキング手段と前記電動機とを制御するステップと、
    (b)前記内燃機関の始動指示がなされた後に、該内燃機関の燃料供給開始時期を設定すると共に、該設定した燃料供給開始時期に前記内燃機関に対する燃料供給が開始される旨の予告を行うステップと、
    (c)前記予告がなされた後に所定の待機時間が経過すると共に前記内燃機関のクランク角の変化量が所定の待機閾値以上になった時点から前記内燃機関の初爆に伴う前記駆動軸のトルク変動が抑制されるように前記電動機の出力トルクを調整するステップと、
    を含む動力出力装置の制御方法。
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