JP2009170434A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子の低寿命化を防止するとともに、コントラスト比に優れた表示装置を提供する。
【解決手段】基板2上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部112が備えられてなる表示装置であり、バンク部112は、基板2側に位置する第1バンク層112aと、第1バンク層112aの上に形成された第2バンク層112bとから形成されてなり、第1バンク層112aと第2バンク層112bとの間に遮光層113が備えられてなることを特徴とする表示装置を採用する。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示装置及び電子機器に関するものである。
近年、有機蛍光材料等の発光材料をインク化し、当該インク(組成物)を基材上に吐出するインクジェット法により、発光材料のパターニングを行う方法を採用して、陽極及び陰極の間に該発光材料からなる発光層が挟持された構造のカラー表示装置、特に発光材料として有機発光材料を用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の開発が行われている(特許文献1参照)。
そこで、従来の表示装置(有機EL表示装置)を図面を参照して説明する。
図31は、従来の表示装置の要部を示す断面模式図である。
図31に示す表示装置は、基板802上に素子部811、陰極812が順次積層されて構成されている。また、素子部811と基板802との間には回路素子部814が備えられている。
この従来の表示装置においては、素子部811内に備えられた発光素子910から基板802側に発した光が、回路素子部814及び基板802を透過して基板802の下側(観測者側)に出射されるとともに、発光素子910から基板802の反対側に発した光が陰極812により反射されて、回路素子部814及び基板2を透過して基板802の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
回路素子部814は、基板802上に透明な下地膜814と透明なゲート絶縁膜942と透明な第1層間絶縁膜944と第2層間絶縁膜947とが順次積層されてなり、下地膜814上には島状のシリコン膜941が設けられ、更にゲート絶縁膜942上にはゲート電極943(走査線)が設けられている。シリコン膜941には、図示略のチャネル領域とこのチャネル領域を挟むドレイン領域及びソース領域が設けられ、ゲート電極943はシリコン膜941のチャネル領域に対応する位置に設けられている。また、第2層間絶縁膜947上には平面視略矩形にパターニングされた画素電極911(陽極)が積層されている。そして、第1,第2層間絶縁膜844、847を貫通するコンタクトホール945,946が形成されており、一方のコンタクトホール945がシリコン膜941の図示略のソース領域と画素電極911とを接続し、もう一方のコンタクトホール146が電源線948に接続されている。このようにして回路素子部814には、各画素電極911に接続された駆動用の薄膜トランジスタ913が形成されている。
素子部811は、複数の画素電極911…上の各々に積層された発光素子910と、各画素電極911及び各発光素子910の間に備えられて各発光素子910を区画するバンク部912を主体として構成されている。
バンク部912は、画素電極911の周縁部上に乗上げるまで形成されることにより、画素電極911の形成位置に対応する開口部912cが設けられている。バンク部912は、例えばフッ素樹脂等の撥インク性の樹脂、またはCF4プラズマ処理等により表面をフッ素化した樹脂により形成されて撥インク性が付与されており、有機ELの材料を含む組成物インク(組成物)をインクジェットヘッドからインク滴として吐出させた際に、バンク部912の撥インク性により開口部912cに液滴がパターニングされるようになっている。
発光素子910は、画素電極911上に形成された正孔注入/輸送層910aと、正孔注入/輸送層910aに隣接して配置された発光層910bとから構成されている。
正孔注入/輸送層910aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む組成物を、画素電極911上に吐出・乾燥することにより得られたものである。
また陰極812は、素子部811の全面に形成されており、画素電極911と対になって発光素子910に電子を注入する役割を果たす。この陰極912は、複数層により形成されてなり、例えば、フッ化リチウム、カルシウム、Mg、Ag、Ba等の仕事関数の低い金属が一般的に用いられる。
特開平10−12377号公報
しかし、従来の表示装置においては、発光層から発せられた着色光が、観測者側のみならず、発光層の周囲(発光層の非形成領域)にまで広がるため、この非形成領域を挟んで隣接する発光層から発した着色光同士が混色化して色にじみが生じ、表示装置のコントラスト比が低下するおそれもあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、発光素子の低寿命化を防止するとともに、コントラスト比に優れた表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の表示装置は、基板面内に複数の発光素子が形成されてなり、平面視で、前記各発光素子の間の領域に遮光層が設けられたことを特徴とする。
この遮光層は発光素子よりも観察者に近い位置(即ち、表示面に近い位置)に形成される。例えば発光光を基板側に出射させるボトムエミッション型の表示装置では、遮光層は、発光素子の発光層の形成される位置よりも基板側に設けられる。また、発光光を基板と反対側に出射させるトップエミッション型の表示装置では、遮光層は、各発光素子を仕切る隔壁(バンク)の上部や、基板面を覆う封止基板の内面(基板面と対向する面)側に設けられる等、基板面に対して発光層よりも上層側に配置される。
或いは、本発明の表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、前記バンク部は、前記基板側に位置する第1バンク層と、前記第1バンク層の上に形成された第2バンク層とから形成されてなり、前記第1バンク層と前記第2バンク層との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする。
尚、本発明において、発光素子とは、基板上に形成された電極と、該電極に隣接して形成された機能層と、該機能層に隣接して形成された対向電極を少なくとも含むものとする。また機能層とは、少なくとも正孔注入/輸送層と発光層を含むものとする。
また本発明の表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、前記基板と前記バンク部との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする。
上記の表示装置によれば、遮光層を設けることにより、発光素子の非形成領域における外部からの入射光、及び発光素子からの出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、発光素子からの光を、発光素子の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による色にじみを防止することができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また、遮光層を第1バンク層と第2バンク層の間に設けた場合は、第1バンク層と第2バンク層との密着性を高めることができる。
また本発明の表示装置では、前記遮光層には前記発光素子に対応する遮光開口部を設けることが好ましい。
また本発明の表示装置では、前記遮光層が黒色樹脂よりなることが好ましい。
また本発明の表示装置では、前記遮光層が、前記基板側に位置する第1遮光膜と、前記基板から離れた側に位置する第2遮光膜とから形成されてなることが好ましい。
また本発明の表示装置では、前記第1遮光膜が金属クロム膜であるとともに前記第2遮光膜が酸化クロムであることが好ましい。
係る表示装置によれば、基板側に金属クロム膜が配置され、基板から離れた側に酸化クロム膜が配置されているので、金属クロム膜によって外部からの入射光を反射させると共に、酸化クロム膜によって発光素子の非形成領域における発光素子の出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比をより高めて視認性を更に向上させることができる。
また本発明の表示装置では、前記第1バンク層がSiO2、TiO2のうちのいずれかよりなるとともに、第2バンク層がアクリル樹脂またはポリイミド樹脂のいずれかよりなることが好ましい。
また本発明の表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、前記バンク部が黒色樹脂から構成されることにより遮光層が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明の表示装置においては、前記バンク部に、前記第1バンク層と前記遮光層とが形成されてなることが好ましい。
係る表示装置によれば、バンク部が黒色樹脂から構成されて遮光層を兼ねるものであり、このバンク部によって発光素子の非形成領域における外部からの入射光、及び発光素子からの出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、発光素子からの光を、発光素子の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による色にじみを防止でき、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また本発明の表示装置では、前記第1バンク層がSiO2、TiO2のうちのいずれかよりなるとともに、前記有機物バンク層を構成する前記樹脂がアクリル樹脂またはポリイミド樹脂のいずれかであることが好ましい。
また本発明の表示装置では、少なくとも前記第1バンク層の一部には親液性を有する加工が施されてなることが好ましい。
次に本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、前記表示装置は、基板面内に複数の発光素子が形成されてなり、平面視で、前記各発光素子の間の領域に遮光層が設けられたことを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、前記バンク部は、前記基板側に位置する第1バンク層と、前記第1バンク層の上に形成された第2バンク層とから形成されてなり、前記第1バンク層と前記第2バンク層との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする。
また本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、前記基板と前記バンク部との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする。
更に本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、前記バンク部に黒色樹脂から構成されて遮光層が形成されてなることを特徴とする。
係る電子機器によれば、長寿命でコントラスト比に優れた表示部を有する電子機器を構成することができる。
以上、詳細に説明したように、本発明の表示装置によれば、遮光層を設けることにより、発光素子の非形成領域における外部からの入射光、及び発光素子からの出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、発光素子からの光を、発光素子の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による色にじみを防止することができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また、遮光層を第1バンク層と第2バンク層の間に設けた場合は、第1バンク層と第2バンク層との密着性を高めることができる。
本発明の第1の実施形態の表示装置の配線構造の平面模式図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置を示す図であって、(a)は表示装置の平面模式図であり、(b)は(a)のAB線に沿う断面模式図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の要部を示す図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造に用いるプラズマ処理装置の一例を示す平面模式図である。 図6に示したプラズマ処理装置の第1プラズマ処理室の内部構造を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造に用いるプラズマ処理装置の別の例を示す平面模式図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置を製造する際に用いるヘッドを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置を製造する際に用いるインクジェット装置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施形態の表示装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第2の実施形態の表示装置の要部を示す図である。 本発明の第3の実施形態の表示装置の要部を示す図である。 本発明の第4の実施形態の表示装置の要部を示す図である。 本発明の第5の実施形態の表示装置の要部を示す図である。 本発明の第6の実施形態の表示装置を示す断面図であり、図2(b)に対応する図である。 本発明の第6の実施形態の表示装置の要部を示す図であり、図3に対応する図である。 本発明の第7の実施形態である電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る他の例の表示装置を示す断面模式図である。 本発明に係る別の例の表示装置を示す断面模式図である。 発光層の配置を示す平面模式図であって、(a)がストライプ配置、(b)がモザイク配置、(c)がデルタ配置を示す図である。 従来の表示装置の要部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。尚、図1〜図26において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材に縮尺は実際のものとは異なるように表している。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の表示装置の配線構造の平面模式図を示し、図2には本実施形態の表示装置の平面模式図及び断面模式図を示す。
図1に示すように、本実施形態の表示装置1は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101及び信号線102の各交点付近に、画素領域Aが設けられている。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路104が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路105が接続されている。
更に、画素領域Aの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ112と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量capと、該保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ123と、この駆動用薄膜トランジスタ123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)111と、この画素電極111と陰極(対向電極)12との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。電極111と対向電極12と機能層110により、発光素子が構成されている。
係る構成によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ112がオンになると、そのときの信号線102の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capに状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ123のチャネルを介して、電源線103から画素電極111に電流が流れ、更に機能層110を介して陰極12に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態の表示装置1は、ガラス等からなる透明な基板2と、マトリックス状に配置された発光素子を具備して基板2上に形成された発光素子部11と、発光素子部11上に形成された陰極12とを具備している。発光素子部11と陰極12とにより表示素子10が構成される。
基板2は、例えばガラス等の透明基板であり、基板2の中央に位置する表示領域2aと、基板2の周縁に位置して表示領域2aを囲む非表示領域2bとに区画されている。
表示領域2aは、マトリックス状に配置された発光素子によって形成される領域であり、表示領域の外側に非表示領域2bが形成されている。そして,非表示領域2bには、表示領域2aに隣接するダミー表示領域2dが形成されている。
また、図2(b)に示すように、発光素子部11と基板2の間には回路素子部14が備えられ、この回路素子部14に前述の走査線、信号線、保持容量、スイッチング用の薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トランジスタ123等が備えられている。
また、陰極12は、その一端が発光素子部11上から基板2上に形成された陰極用配線12aに接続しており、この配線の一端部12bがフレキシブル基板5上の配線5aに接続されている。また、配線5aは、フレキシブル基板5上に備えられた駆動IC6(駆動回路)に接続されている。
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、回路素子部14の非表示領域2bには、前述の電源線103(103R、103G、103B)が配線されている。
また、表示領域2aの図2(a)中両側には、前述の走査側駆動回路105、105が配置されている。この走査側駆動回路105、105はダミー領域2dの下側の回路素子部14内に設けられている。更に回路素子部14内には、走査側駆動回路105、105に接続される駆動回路用制御信号配線105aと駆動回路用電源配線105bとが設けられている。
更に表示領域2aの図2(a)中上側には検査回路106が配置されている。
この検査回路106により、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができる。
また図2(b)に示すように、発光素子部11上には封止部3が備えられている。この封止部3は、基板2に塗布された封止樹脂3aと、封止缶604とから構成されている。封止樹脂603は、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、特に、熱硬化樹脂の1種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。
この封止樹脂603は、基板2の周囲に環状に塗布されており、例えば、マイクロディスペンサ等により塗布されたものである。この封止樹脂603は、基板2と封止缶604を接合するもので、基板2と封止缶604の間から封止缶604内部への水又は酸素の侵入を防いで、陰極12または発光素子部11内に形成された図示略の発光層の酸化を防止する。
封止缶604は、ガラス又は金属からなるもので、封止樹脂603を介して基板2に接合されており、その内側には表示素子10を収納する凹部604aが設けられている。また凹部604aには水、酸素等を吸収するゲッター剤605が貼り付けられており、封止缶604の内部に侵入した水又は酸素を吸収できるようになっている。なお、このゲッター剤605は省略しても良い。
次に図3には、表示装置における表示領域の断面構造を拡大した図を示す。この図3には3つの画素領域Aが図示されている。 この表示装置1は、基板2上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部14、機能層110が形成された発光素子部11及び陰極12が順次積層されて構成されている。
この表示装置1においては、機能層110から基板2側に発した光が、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるとともに、機能層110から基板2の反対側に発した光が陰極12により反射されて、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
なお、陰極12として、透明な材料を用いることにより陰極側から発光する光を出射させることができる。透明な材料としては、ITO、Pt、Ir、Ni、もしくはPdを用いる事ができる。膜厚としては75nmほどの膜厚にする事が好ましく、この膜厚よりも薄くした方がより好ましい。
回路素子部14には、基板2上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜2cが形成され、この下地保護膜2c上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜141が形成されている。尚、半導体膜141には、ソース領域141a及びドレイン領域141bが高濃度Pイオン打ち込みにより形成されている。なお、Pが導入されなかった部分がチャネル領域141cとなっている。
更に回路素子部14には、下地保護膜2c及び半導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形成され、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極143(走査線101)が形成され、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142上には透明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜144bが形成されている。ゲート電極143は半導体膜141のチャネル領域141cに対応する位置に設けられている。 また、第1、第2層間絶縁膜144a、144bを貫通して、半導体膜141のソース、ドレイン領域141a、141bにそれぞれ接続されるコンタクトホール145,146が形成されている。
そして、第2層間絶縁膜144b上には、ITO等からなる透明な画素電極111が所定の形状にパターニングされて形成され、一方のコンタクトホール145がこの画素電極111に接続されている。
また、もう一方のコンタクトホール146が電源線103に接続されている。
このようにして、回路素子部14には、各画素電極111に接続された駆動用の薄膜トランジスタ123が形成されている。
尚、回路素子部14には、前述した保持容量cap及びスイッチング用の薄膜トランジスタ142も形成されているが、図3ではこれらの図示を省略している。
次に図3に示すように、発光素子部11は、複数の画素電極111…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極111及び機能層110の間に備えられて各機能層110を区画するバンク部112と、遮光層113とを主体として構成されている。機能層110上には陰極12が配置されている。これら画素電極111、機能層110及び陰極12によって発光素子が構成されている。ここで、画素電極111は、例えばITOにより形成されてなり、平面視略矩形にパターニングされて形成されている。この画素電極111の厚さは、50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nm程度がよい。この各画素電極111…の間にバンク部112が備えられている。
バンク部112は、図3に示すように、基板2側に位置する無機物バンク層112a(第1バンク層)と基板2から離れて位置する有機物バンク層112b(第2バンク層)とが積層されて構成されている。また、無機物バンク層112aと有機物バンク層112bとの間に遮光層113が配置されている。
無機物、有機物バンク層112a、112bは、画素電極111の周縁部上に乗上げるように形成されている。平面的には、画素電極111の周囲と無機物バンク層112aとが平面的に重なるように配置された構造となっている。また、有機物バンク層112bも同様であり、画素電極111の一部と平面的に重なるように配置されている。また無機物バンク層112aは、有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に更に形成されている。このようにして、無機物バンク層112aの各第1積層部112eが画素電極111の内側に形成されることにより、画素電極111の形成位置に対応する下部開口部112cが設けられている。
また、有機物バンク層112bには、上部開口部112dが形成されている。
この上部開口部112dは、画素電極111の形成位置及び下部開口部112cに対応するように設けられている。上部開口部112dは、図3に示すように、下部開口部112cより広く、画素電極111より狭く形成されている。また、上部開口部112dの上部の位置と、画素電極111の端部とがほぼ同じ位置になるように形成される場合もある。この場合は、図3に示すように、有機物バンク層112bの上部開口部112dの断面が傾斜する形状となる。
そしてバンク部112には、下部開口部112c及び上部開口部112dが連通することにより、無機物バンク層112a及び有機物バンク層112bを貫通する開口部112gが形成されている。
また、無機物バンク層112aは、例えば、SiO2、TiO2等の無機材料からなることが好ましい。この無機物バンク層112aの膜厚は、50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。膜厚が50nm未満では、無機物バンク層112aが後述する正孔注入/輸送層より薄くなり、正孔注入/輸送層の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また膜厚が200nmを越えると、下部開口部112cによる段差が大きくなって、正孔注入/輸送層上に積層する後述の発光層の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。
更に、有機物バンク層112bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の通常のレジストから形成されている。この有機物バンク層112bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、後述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層112bが薄くなり、発光層が上部開口部112dから溢れるおそれがあるので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112dによる段差が大きくなり、有機物バンク層112b上に形成する陰極12のステップカバレッジを確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層112bの厚さを2μm以上にすれば、駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁を高めることができる点でより好ましい。
また、バンク部112には、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域が形成されている。
親液性を示す領域は、無機物バンク層112aの第1積層部112e及び画素電極111の電極面111aであり、これらの領域は、酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理されている。また、撥液性を示す領域は、上部開口部112dの壁面及び有機物バンク層112の上面112fであり、これらの領域は、4フッ化メタン、テトラフルオロメタン、もしくは四フッ化炭素を処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)されている。
次に図3に示すように、機能層110は、画素電極111上に積層された正孔注入/輸送層110aと、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成された発光層110bとから構成されている。なお、発光層110bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層110aは、正孔を発光層110bに注入する機能を有するとともに、正孔を正孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を有する。このような正孔注入/輸送層110aを画素電極111と発光層110bの間に設けることにより、発光層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上する。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、陰極12から注入される電子が発光層で再結合し、発光が行われる。
正孔注入/輸送層110aは、下部開口部112c内に位置して画素電極面111a上に形成される平坦部110a1と、上部開口部112d内に位置して無機物バンク層の第1積層部112e上に形成される周縁部110a2から構成されている。また、正孔注入/輸送層110aは、構造によっては、画素電極111上であって、且つ無機物バンク層110aの間(下部開口部110c)にのみ形成されている(前述に記載した平坦部にのみ形成される形態もある)。
この平坦部110a1は、その厚さが一定で例えば50〜70nmの範囲とされている。
周縁部110a2が形成される場合においては、周縁部110a2は、第1積層部112e上に位置するとともに上部開口部112dの壁面、即ち有機物バンク層112bに密着している。また、周縁部110a2の厚さは、電極面111aに近い側で薄く、電極面111aから離れる方向に沿って増大し、下部開口部112dの壁面近くで最も厚くなっている。
周縁部110a2が上記の様な形状を示す理由としては、正孔注入/輸送層110aが、正孔注入/輸送層形成材料及び極性溶媒を含む第1組成物を開口部112内に吐出してから極性溶媒を除去して形成されたものであり、極性溶媒の揮発が主に無機物バンク層の第1積層部112e上で起こり、正孔注入/輸送層形成材料がこの第1積層部112e上に集中的に濃縮・析出されたためである。
また発光層110bは、正孔注入/輸送層110aの平坦部110a1及び周縁部110a2上に渡って形成されており、平坦部112a1上での厚さが50〜80nmの範囲とされている。
発光層110bは、赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色(G)に発光する緑色発光層110b2、及び青色(B)に発光する青色発光層110b3、の3種類を有し、各発光層110b1〜110b3がストライプ配置されている。
上記のように、正孔注入/輸送層110aの周縁部110a2が上部開口部112dの壁面(有機物バンク層112b)に密着しているので、発光層110bが有機物バンク層112bに直接に接することがない。従って、有機物バンク層112bに不純物として含まれる水が発光層110b側に移行するのを、周縁部110a2によって阻止することができ、水による発光層110bの酸化を防止できる。
また、無機物バンク層の第1積層部112e上に不均一な厚さの周縁部110a2が形成されるため、周縁部110a2が第1積層部112eによって画素電極111から絶縁された状態となり、周縁部110a2から発光層110bに正孔が注入されることがない。これにより、画素電極111からの電流が平坦部112a1のみに流れ、正孔を平坦部112a1から発光層110bに均一に輸送させることができ、発光層110bの中央部分のみを発光させることができるとともに、発光層110bにおける発光量を一定にすることができる。
また、無機物バンク層112aが有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に更に延出されているので、この無機物バンク層112aによって画素電極111と平坦部110a1との接合部分の形状をトリミングすることができ、各発光層110b間の発光強度のばらつきを抑えることができる。
更に、画素電極111の電極面111a及び無機物バンク層の第1積層部112eが親液性を示すので、機能層110が画素電極111及び無機物バンク層112aに均一に密着し、無機物バンク112a上で機能層110が極端に薄くならず、画素電極111と陰極12との短絡を防止できる。
また、有機物バンク層112bの上面112f及び上部開口部112d壁面が撥液性を示すので、機能層110と有機物バンク層112bとの密着性が低くなり、機能層110が開口部112gから溢れて形成されることがない。
尚、正孔注入/輸送層形成材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物を用いることができる。
また、発光層110bの材料としては、例えば、[化1]〜[化5]に示す(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、またはこれらの高分子材料にルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用いることができる。
Figure 2009170434
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次に図3に示すように、遮光層113は、無機物バンク層112aと有機物バンク層112bの間に形成されている。遮光層113には、機能層110に対応する位置に遮光開口部113cが設けられている。これにより遮光層113は、機能層110同士の間に配置されることになり、機能層110の非形成領域に位置することになる。
遮光層113は、発光層110bから発して陰極12により反射された光を遮光するものであり、画素領域A以外からの反射光の出射を防止して、表示装置の視認性を向上する。また、この遮光層113は、陰極12による外部光の反射を抑えて表示装置の視認性を向上させる。
この遮光層113は、無機物バンク層112a上に形成された第1遮光膜113aと、第1遮光膜113a上に積層された第2遮光膜113bとから形成されている。第1遮光膜113aは例えば厚さ100nmの金属Cr膜からなり、第2遮光膜113bは例えば厚さ50nmの酸化クロム(Cr25)膜からなる。
係る遮光層113を設けることにより、機能層110の非形成領域における外部からの入射光、及び機能層110からの出射光を同非形成領域にて遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、機能層110からの光を、機能層110の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による混色光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
また、遮光層113を無機物バンク層112aと有機物バンク層112bの間に設けることにより、無機物バンク層112aと有機物バンク層112bの密着性を高めることができる。
更に、基板側に金属クロム膜(113a)が配置され、基板から離れた側に酸化クロム膜(113b)が配置されているので、金属クロム膜(113a)によって外部からの入射光を反射させると共に、酸化クロム膜(113b)によって機能層110の非形成領域における機能層110の出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比をより高めて視認性を更に向上させることができる。
尚、図3では2層構造の遮光層113を例示したが、本発明ではこれに限らず、遮光層としてカーボンブラック等の黒色顔料を樹脂に混合させてなる黒色樹脂を用い、この黒色樹脂層の単層構造からなる遮光層を採用してもよい。
次に陰極12は、発光素子部11の全面に形成されており、画素電極111と対になって機能層110に電流を流す役割を果たす。この陰極12は、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事関数が低いものを設けることが好ましく、特にこの形態においては発光層110bに直接に接して発光層110bに電子を注入する役割を果たす。また、フッ化リチウムは発光層の材料によっては効率よく発光させるために、発光層110と陰極12との間にLiFを形成する場合もある。尚、赤色及び緑色の発光層110b1、1110b2にはフッ化リチウムに限らず、他の材料を用いても良い。従ってこの場合は青色(B)発光層110b3のみにフッ化リチウムからなる層を形成し、他の赤色及び緑色の発光層110b1、110b2にはフッ化リチウム以外のものを積層しても良い。また、赤色及び緑色の発光層110b1、110b2上にはフッ化リチウムを形成せず、カルシウムのみを形成しても良い。
尚、フッ化リチウムの厚さは、例えば2〜5nmの範囲が好ましく、特に2nm程度がよい。またカルシウムの厚さは、例えば2〜50nmの範囲が好ましく、特に20nm程度がよい。
また、陰極12を形成するアルミニウムは、発光層110bから発した光を基板2側に反射させるもので、Al膜の他、Ag膜、AlとAgの積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200nm程度がよい。
更にアルミニウム上にSiO、SiO2、SiN等からなる酸化防止用の保護層を設けても良い。
尚、このように形成した発光素子上に封止缶604を配置する。図2(b)に示すように、封止缶604を封止樹脂603により接着し、表示装置1を形成する。
次に、本実施形態の表示装置の製造方法を図面を参照して説明する。
本実施形態の表示装置1の製造方法は、例えば、(1)バンク部形成工程、(2)プラズマ処理工程、(3)正孔注入/輸送層形成工程、(4)発光層形成工程、(5)対向電極形成工程、及び(6)封止工程とを具備して構成されている。なお、製造方法はこれに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
(1)バンク部形成工程
バンク部形成工程では、基板2の所定の位置にバンク部112を形成する工程である。バンク部112は、第1のバンク層として無機物バンク層112aが形成されてなり、第2のバンク層として有機物バンク層112bが形成された構造である。以下に形成方法について説明する。
(1)-1 無機物バンク層の形成
まず、図4に示すように、基板上の所定の位置に無機物バンク層112aを形成する。無機物バンク層112aが形成される位置は、第2層間絶縁膜144b上及び電極(ここでは画素電極)111上である。なお、第2層間絶縁膜144bは薄膜トランジスタ、走査線、信号線、等が配置された回路素子部14上に形成されている。
無機物バンク層112aは、例えば、SiO2、TiO2等の無機物膜を材料として用いることができる。これらの材料は、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等によって形成される。
更に、無機物バンク層112aの膜厚は50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。
無機物バンク層112は、層間絶縁層114及び画素電極111の全面に無機物膜を形成し、その後無機物膜をフォトリソグラフィ法等によりパターニングすることにより、開口部を有する無機物バンク層112が形成される。開口部は、画素電極111の電極面111aの形成位置に対応するもので、図4に示すように下部開口部112cとして設けられる。
このとき、無機物バンク層112aは画素電極111の周縁部と重なるように形成される。図4に示すように、画素電極111の周縁部と無機物バンク層112aとが重なるように無機物バンク層112aを形成することにより、発光層110の発光領域を制御することができる。
(1)-2 遮光層113及び有機物バンク層112bの形成
次に、遮光層113と、第2のバンク層としての有機物バンク層112bを形成する。
図5に示すように、無機物バンク層112a上に遮光層113及び有機物バンク層112bを形成する。
まず、第1遮光膜113a及び第2遮光膜113b(遮光層113)を無機物バンク層112a及び電極面111aの全面に積層する。
第1遮光膜113aは例えば、金属Cr膜をスパッタ法、蒸着法等で成膜することにより形成し、第2遮光膜113bは例えば、酸化クロム(Cr25)膜を蒸着法等で成膜することにより形成する。
次に、有機物バンク層112bとして、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する材料を用い、有機物バンク層112bをフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成する。なお、パターニングする際、有機物バンク層112bに上部開口部112dを形成するとともに、遮光層113に遮光開口部113cを形成する。上部開口部112dは、電極面111a及び下部開口部112cに対応する位置に設けられる。
上部開口部112d及び遮光開口部113cは、図5に示すように、無機物バンク層112aに形成された下部開口部112cより広く形成する事が好ましい。更に、有機物バンク層112bはテーパーを有する形状が好ましく、有機物バンク層112bの最低面では画素電極111の幅より狭く、有機物バンク層112bの最上面では画素電極111の幅とほぼ同一の幅に形成する事が好ましい。
これにより、無機物バンク層112aの下部開口部112cを囲む第1積層部112eが、有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に延出された形になる。
このようにして、上部開口部112d、遮光開口部113c並びに下部開口部112cを連通させることにより、無機物バンク層112a及び有機物バンク層112bを貫通する開口部112gが形成される。
第1遮光膜113aの膜厚は例えば100nmがよい。また第2遮光膜113bは例えば50nmがよい。
また、有機物バンク層112bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。このような範囲とする理由は以下の通りである。
すなわち、厚さが0.1μm未満では、後述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層112bが薄くなり、発光層110bが上部開口部112dから溢れてしまうおそれがあるので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112dによる段差が大きくなり、上部開口部112dにおける陰極12のステップカバレッジが確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層112bの厚さを2μm以上にすれば、陰極12と駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁を高めることができる点で好ましい。
(2)プラズマ処理工程
次にプラズマ処理工程では、画素電極111の表面を活性化すること、更にバンク部112の表面を表面処理する事を目的として行われる。特に活性化工程では、画素電極111(ITO)上の洗浄、更に仕事関数の調整を主な目的として行っている。更に、画素電極111の表面の親液化処理、バンク部112表面の撥液化処理を行う。
このプラズマ処理工程は、例えば(2)-1予備加熱工程、(2)-2活性化処理工程(親液性にする親液化工程)、(2)-3撥液化処理工程、及び(2)-4冷却工程とに大別される。なお、このような工程に限られるものではなく、必要に応じて工程を削減、更なる工程追加も行われる。
まず、図6は、プラズマ処理工程で用いられるプラズマ処理装置を示す。
図6に示すプラズマ処理装置50は、予備加熱処理室51、第1プラズマ処理室52、第2プラズマ処理室53、冷却処理室54、これらの各処理室51〜54に基板2を搬送する搬送装置55とから構成されている。各処理室51〜54は、搬送装置55を中心として放射状に配置されている。
まず、これらの装置を用いた概略の工程を説明する。
予備加熱工程は、図6に示す予備加熱処理室51において行われる。そしてこの処理室51により、バンク部形成工程から搬送された基板2を所定の温度に加熱する。
予備加熱工程の後、親液化工程及び撥液化処理工程を行う。すなわち、基板は第1,第2プラズマ処理室52,53に順次搬送され、それぞれの処理室52,53においてバンク部112にプラズマ処理を行い親液化する。この親液化処理後に撥液化処理を行う。撥液化処理の後に基板を冷却処理室に搬送し、冷却処理室54おいて基板を室温まで冷却する。この冷却工程後、搬送装置により次の工程である正孔注入/輸送層形成工程に基板を搬送する。
以下に、それぞれの工程について詳細に説明する。
(2)-1 予備加熱工程
予備加熱工程は予備加熱処理室51により行う。この処理室51において、バンク部112を含む基板2を所定の温度まで加熱する。
基板2の加熱方法は、例えば処理室51内にて基板2を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと基板2を加熱する手段がとられている。なお、これ以外の方法を採用することも可能である。
予備加熱処理室51において、例えば70℃〜80℃の範囲に基板2を加熱する。この温度は次工程であるプラズマ処理における処理温度であり、次の工程に合わせて基板2を事前に加熱し、基板2の温度ばらつきを解消することを目的としている。
仮に予備加熱工程を加えなければ、基板2は室温から上記のような温度に加熱されることになり、工程開始から工程終了までのプラズマ処理工程中において温度が常に変動しながら処理される事になる。したがって、基板温度が変化しながらプラズマ処理を行うことは、特性の不均一につながる可能性がある。したがって、処理条件を一定に保ち、均一な特性を得るために予備加熱を行うのである。
そこで、プラズマ処理工程においては、第1,第2プラズマ処理装置52,53内の試料ステージ上に基板2を載置した状態で親液化工程または撥液化工程を行う場合に、予備加熱温度を、親液化工程または撥液化工程を連続して行う試料ステージ56の温度にほぼ一致させることが好ましい。
そこで、第1,第2プラズマ処理装置52,53内の試料ステージが上昇する温度、例えば70〜80℃まで予め基板2を予備加熱することにより、多数の基板にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほぼ一定にすることができる。これにより、基板2間の表面処理条件を同一にし、バンク部112の組成物に対する濡れ性を均一化することができ、一定の品質を有する表示装置を製造することができる。
また、基板2を予め予備加熱しておくことにより、後のプラズマ処理における処理時間を短縮することができる。
(2)-2 活性化処理
つぎに第1プラズマ処理室52では、活性化処理が行われる。活性化処理には、画素電極111における仕事関数の調整、制御、画素電極表面の洗浄、画素電極表面の親液化処理が含まれる。
親液化処理として、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。図7には第1プラズマ処理を模式的に示した図である。
図7に示すように、バンク部112を含む基板2は加熱ヒータ内臓の試料ステージ56上に載置され、基板2の上側にはギャップ間隔0.5〜2mm程度の距離をおいてプラズマ放電電極57が基板2に対向して配置されている。基板2は、試料ステージ56によって加熱されつつ、試料ステージ56は図示矢印方向に向けて所定の搬送速度で搬送され、その間に基板2に対してプラズマ状態の酸素が照射される。
2プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜100ml/min、板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。なお、試料ステージ56による加熱は、主として予備加熱された基板2の保温のために行われる。
このO2プラズマ処理により、図8に示すように、画素電極111の電極面111a、無機物バンク層112aの第1積層部112e及び有機物バンク層112bの上部開口部112dの壁面ならびに上面112fが親液処理される。この親液処理により、これらの各面に水酸基が導入されて親液性が付与される。
図9では、親液処理された部分を一点鎖線で示している。
なお、このO2プラズマ処理は、親液性を付与するのみならず、上述の通り画素電極であるITO上の洗浄,仕事関数の調整も兼ねている。
(2)-3 撥液処理工程
つぎに、第2プラズマ処理室53では、撥液化工程として、大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。第2プラズマ処理室53の内部構造は図7に示した第1プラズマ処理室52の内部構造と同じである。即ち、基板2は、試料ステージによって加熱されつつ、試料ステージごと所定の搬送速度で搬送され、その間に基板2に対してプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射される。
CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800kW、4フッ化メタンガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。なお、加熱ステージによる加熱は、第1プラズマ処理室52の場合と同様に、主として予備加熱された基板2の保温のために行われる。
なお、処理ガスは、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。
CF4プラズマ処理により、図9に示すように、上部開口部112d壁面及び有機物バンク層の上面112fが撥液処理される。この撥液処理により、これらの各面にフッ素基が導入されて撥液性が付与される。図9では、撥液性を示す領域を二点鎖線で示している。有機物バンク層112bを構成するアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオロカーボンが照射することで容易に撥液化させることができる。また、O2プラズマにより前処理した方がフッ素化されやすい、という特徴を有しており、本実施形態には特に有効である。
尚、画素電極111の電極面111a及び無機物バンク層112aの第1積層部112eもこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、濡れ性に影響を与える事は少ない。図9では、親液性を示す領域を一点鎖線で示している。
(2)-4 冷却工程
次に冷却工程として、冷却処理室54を用い、プラズマ処理のために加熱された基板2を管理温度まで冷却する。これは、この以降の工程であるインクジェット工程(液滴吐出工程)の管理温度まで冷却するために行う工程である。
この冷却処理室54は、基板2を配置するためのプレートを有し、そのプレートは基板2を冷却するように水冷装置が内蔵された構造となっている。
また、プラズマ処理後の基板2を室温、または所定の温度(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程において、基板2の温度が一定となり、基板2の温度変化が無い均一な温度で次工程を行うことができる。したがって、このような冷却工程を加えることにより、インクジェット法等の吐出手段により吐出された材料を均一に形成できる。
例えば、正孔注入/輸送層を形成するための材料を含む第1組成物を吐出させる際に、第1組成物を一定の容積で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送層を均一に形成することができる。
上記のプラズマ処理工程では、材質が異なる有機物バンク層112b及び無機物バンク層112aに対して、O2プラズマ処理とCF4プラズマ処理とを順次行うことにより、バンク部112に親液性の領域と撥液性の領域を容易に設けることができる。
尚、プラズマ処理工程に用いるプラズマ処理装置は、図6に示したものに限られず、例えば図10に示すようなプラズマ処理装置60を用いてもよい。
図10に示すプラズマ処理装置60は、予備加熱処理室61と、第1プラズマ処理室62と、第2プラズマ処理室63と、冷却処理室64と、これらの各処理室61〜64に基板2を搬送する搬送装置65とから構成され、各処理室61〜64が、搬送装置65の搬送方向両側(図中矢印方向両側)に配置されてなるものである。
このプラズマ処理装置60では、図6に示したプラズマ処理装置50と同様に、バンク部形成工程から搬送された基板2を、予備加熱処理室61、第1,第2プラズマ処理室62,63、冷却処理室64に順次搬送して各処理室にて上記と同様な処理を行った後、基板2を次の正孔注入/輸送層形成工程に搬送する。
また,上記プラズマ装置は,大気圧下の装置でなくとも,真空下のプラズマ装置を用いても良い。
(3)正孔注入/輸送層形成工程
次に発光素子形成工程では、電極(ここでは画素電極111)上に正孔注入/輸送層を形成する。
正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出としてたとえばインクジェット装置を用いることにより、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(組成物)を電極面111a上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極111上及び無機物バンク層112a上に正孔注入/輸送層110aを形成する。
なお、正孔注入/輸送層110aが形成された無機物バンク層112aをここでは第1積層部112eという。
この正孔注入/輸送層形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好ましい。例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
なお、正孔注入/輸送層110aは第1積層部112e上に形成されないこともある。すなわち、画素電極111上にのみ正孔注入/輸送層が形成される形態もある。
インクジェットによる製造方法は以下の通りである。
図11に示すように、インクジェットヘッドH1に形成されてなる複数のノズルから正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を吐出する。ここではインクジェットヘッドを走査することにより各画素毎に組成物を充填しているが、基板2を走査することによっても可能である。更に、インクジェットヘッドと基板2とを相対的に移動させることによっても組成物を充填させることができる。なお、これ以降のインクジェットヘッドを用いて行う工程では上記の点は同様である。
インクジェットヘッドによる吐出は以下の通りである。すなわち、インクジェットヘッドH1に形成されてなる吐出ノズルH2を電極面111aに対向して配置し、ノズルH2から第1組成物を吐出する。画素電極111の周囲には下部開口部112cを区画するバンク112が形成されており、この下部開口部112c内に位置する画素電極面111aにインクジェットヘッドH1を対向させ、このインクジェットヘッドH1と基板2とを相対移動させながら、吐出ノズルH2から1滴当たりの液量が制御された第1組成物滴110cを電極面111a上に吐出する。
ここで用いる第1組成物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
より具体的な第1組成物の組成としては、PEDOT/PSS混合物(PEDOT/PSS=1:20):12.52重量%、PSS:1.44重量%、IPA:10重量%、NMP:27.48重量%、DMI:50重量%のものを例示できる。尚、第1組成物の粘度は2〜20Ps程度が好ましく、特に4〜15cPs程度が良い。
上記の第1組成物を用いることにより、吐出ノズルH2に詰まりが生じることがなく安定吐出できる。
なお、正孔注入/輸送層形成材料は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各発光層110b1〜110b3に対して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても良い。
図11に示すように、吐出された第1組成物滴110cは、親液処理された電極面111a及び第1積層部112e上に広がり、下部、上部開口部112c、112d内に充填される。仮に、第1組成物滴110cが所定の吐出位置からはずれて上面112f上に吐出されたとしても、上面112fが第1組成物滴110cで濡れることがなく、はじかれた第1組成物滴110cが下部、上部開口部112c、112d内に転がり込む。
電極面111a上に吐出する第1組成物量は、下部、上部開口部112c、112dの大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃度等により決定される。
また、第1組成物滴110cは1回のみならず、数回に分けて同一の電極面111a上に吐出しても良い。この場合、各回における第1組成物の量は同一でも良く、各回毎に第1組成物を変えても良い。更に電極面111aの同一箇所のみならず、各回毎に電極面111a内の異なる箇所に第1組成物を吐出しても良い。
インクジェットヘッドの構造については、図14のようなヘッドHを用いる事ができる。更に、基板とインクジェットヘッドの配置に関しては図15のように配置することが好ましい。図14中、符号H7は前記のインクジェットヘッドH1を支持する支持基板であり、この支持基板H7上に複数のインクジェットヘッドH1が備えられている。
インクジェットヘッドH1のインク吐出面(基板との対向面)には、ヘッドの長さ方向に沿って列状に、且つヘッドの幅方向に間隔をあけて2列で吐出ノズルが複数(例えば、1列180ノズル、合計360ノズル)設けられている。また、このインクジェットヘッドH1は、吐出ノズルを基板側に向けるとともに、X軸(またはY軸)に対して所定角度傾いた状態で略X軸方向に沿って列状に、且つY方向に所定間隔をあけて2列に配列された状態で平面視略矩形状の支持板20に複数(図14では1列6個、合計12個)位置決めされて支持されている。
また図15に示すインクジェット装置において、符号1115は基板2を載置するステージであり、符号1116はステージ1115を図中x軸方向(主走査方向)に案内するガイドレールである。またヘッドHは、支持部材1111を介してガイドレール1113により図中y軸方向(副主走査方向)に移動できるようになっており、更にヘッドHは図中θ軸方向に回転できるようになっており、インクジェットヘッドH1を主走査方向に対して所定の角度に傾けることができるようになっている。このように、インクジェットヘッドを走査方向に対して傾けて配置することにより、ノズルピッチを画素ピッチに対応させることができる。また、傾き角度調整することにより、どのような画素ピッチに対しても対応させることができる。
図15に示す基板2は、マザー基板に複数のチップを配置した構造となっている。即ち、1チップの領域が1つの表示装置に相当する。ここでは、3つの表示領域2aが形成されているが、これに限られるものではない。例えば、基板2上の左側の表示領域2aに対して組成物を塗布する場合は、ガイドレール1113を介してヘッドHを図中左側に移動させるとともに、ガイドレール1116を介して基板2を図中上側に移動させ、基板2を走査させながら塗布を行う。次に、ヘッドHを図中右側に移動させて基板の中央の表示領域2aに対して組成物を塗布する。右端にある表示領域2aに対しても前記と同様である。
尚、図14に示すヘッドH及び図15に示すインクジェット装置は、正孔注入/輸送層形成工程のみならず、発光層形成工程に用いて良い。
次に、図12に示すような乾燥工程を行う。乾燥工程を行う事により、吐出後の第1組成物を乾燥処理し、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、正孔注入/輸送層110aを形成する。
乾燥処理を行うと、第1組成物滴110cに含まれる極性溶媒の蒸発が、主に無機物バンク層112a及び有機物バンク層112bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。
これにより図13に示すように、第1積層部112e上に、正孔注入/輸送層形成材料からなる周縁部110a2が形成される。この周縁部110a2は、上部開口部112dの壁面(有機物バンク層112b)に密着しており、その厚さが電極面111aに近い側では薄く、電極面111aから離れた側、即ち有機物バンク層112bに近い側で厚くなっている。
また、これと同時に、乾燥処理によって電極面111a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより電極面111a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる平坦部110a1が形成される。電極面111a上では極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/輸送層の形成材料が電極面111a上で均一に濃縮され、これにより均一な厚さの平坦部110aが形成される。
このようにして、周縁部110a2及び平坦部110a1からなる正孔注入/輸送層110aが形成される。
なお、周縁部110a2には形成されず、電極面111a上のみに正孔注入/輸送層が形成される形態であっても構わない。
上記の乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で圧力を例えば133.3Pa(1Torr)程度にして行う。圧力が低すぎると第1組成物滴110cが突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上にすると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、平坦な膜を形成する事ができない。
乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層110a内に残存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
上記の正孔注入/輸送層形成工程では、吐出された第1組成物滴110cが、下部、上部開口部112c、112d内に満たされる一方で、撥液処理された有機物バンク層112bで第1組成物がはじかれて下部、上部開口部112c、112d内に転がり込む。これにより、吐出した第1組成物滴110cを必ず下部、上部開口部112c、112d内に充填することができ、電極面111a上に正孔注入/輸送層110aを形成することができる。
(4)発光層形成工程
次に発光層形成工程は、表面改質工程、発光層形成材料吐出工程、および乾燥工程、とからなる。
まず、正孔注入/輸送層110aの表面を表面改質するために表面改質工程を行う。この工程については、以下に詳述する。次に、前述の正孔注入/輸送層形成工程と同様、インクジェット法により第2組成物を正孔注入/輸送層110a上に吐出する。その後、吐出した第2組成物を乾燥処理(及び熱処理)して、正孔注入/輸送層110a上に発光層110bを形成する。
発光層形成工程では、正孔注入/輸送層110aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層110aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で正孔注入/輸送層110aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層110a上に吐出しても、正孔注入/輸送層110aと発光層110bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層110bを均一に塗布できないおそれがある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層110aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
そこで、表面改質工程について説明する。
表面改質工程は、発光層形成の際に用いる第1組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法またはディップ法により正孔注入/輸送層110a上に塗布した後に乾燥することにより行う。
インクジェット法による塗布は、図13に示すように、インクジェットヘッドH3に、表面改質材を充填し、インクジェットヘッドH3に形成された吐出ノズルH4から表面改質材を吐出する。前述の正孔注入/輸送層形成工程と同様に、吐出ノズルH4を基板2(すなわち、正孔注入/輸送層110aが形成された基板2)に対向させ、インクジェットヘッドH3と基板2とを相対移動させながら、吐出ノズルH4から表面改質材110dを正孔注入/輸送層110a上に吐出することにより行う。
また、スピンコート法による塗布は、基板2を例えば回転ステージ上に載せ、上方から表面改質材を基板2上に滴下した後、基板2を回転させて表面改質材を基板2上の正孔注入/輸送層110aの全体に広げることにより行う。なお、表面改質材は撥液化処理された上面112f上にも一時的に広がるが、回転による遠心力で飛ばされてしまい、正孔注入/輸送層110a上のみに塗布される。
更にディップ法による塗布は、基板2を例えば表面改質材に浸積させた後に引き上げて、表面改質材を正孔注入/輸送層110aの全体に広げることにより行う。この場合も表面改質材が撥液処理された上面112f上に一時的に広がるが、引き上げの際に表面改質材が上面112fからはじかれて正孔注入/輸送層110aのみに塗布される。
ここで用いる表面改質材としては、第2組成物の非極性溶媒と同一なものとして例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を例示でき、第2組成物の非極性溶媒に類するものとして例えば、トルエン、キシレン等を例示できる。
特に、インクジェット法により塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物,特に第2組成物と同じ溶媒混合物等を用いることが好ましく、スピンコート法またはディップ法による場合は、トルエン、キシレン等が好ましい。
次に、図16に示すように、塗布領域を乾燥させる。乾燥工程は、インクジェット法で塗布した場合はホットプレート上に基板2を載せて例えば200℃以下の温度で加熱して乾燥蒸発させることが好ましい。スピンコート法またはディップ法による場合は、基板2に窒素を吹き付けるか、あるいは基板を回転させて基板2表面に気流を発生させることで乾燥させることが好ましい。
尚、表面改質材の塗布を、正孔注入/輸送層入層形成工程の乾燥処理の後に行い、塗布後の表面改質材を乾燥させた後に、正孔注入/輸送層形成工程の熱処理を行っても良い。
このような表面改質工程を行うことで、正孔注入/輸送層110aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層110aに均一に塗布することができる。
尚、上記の表面改質材に、正孔輸送性材料として一般に用いられる前記の化合物2等を溶解して組成物とし、この組成物をインクジェット法により正孔注入/輸送層上に塗布して乾燥させることにより、正孔注入/輸送層上に極薄の正孔輸送層を形成しても良い。
正孔注入/輸送層の大部分は、後の工程で塗布する発光層110bに溶け込むが、一部が正孔注入/輸送層110aと発光層110bの間に薄膜状に残存し、これにより正孔注入/輸送層110aと発光層110bとの間のエネルギー障壁を下げて正孔の移動を容易にし、発光効率を向上させることができる。
次に発光層形成工程として、インクジェット法(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層110a上に吐出した後に乾燥処理して、正孔注入/輸送層110a上に発光層110bを形成する。
図17に、インクジェットによる吐出方法を示す。図17に示すように、インクジェットヘッドH5と基板2とを相対的に移動し、インクジェットヘッドに形成された吐出ノズルH6から各色(たとえばここでは青色(B))発光層形成材料を含有する第2組成物が吐出される。
吐出の際には、下部、上部開口部112c、112d内に位置する正孔注入/輸送層110aに吐出ノズルを対向させ、インクジェットヘッドH5と基板2とを相対移動させながら、第2組成物が吐出される。吐出ノズルH6から吐出される液量は1滴当たりの液量が制御されている。このように液量が制御された液(第2組成物滴110e)が吐出ノズルから吐出され、この第2組成物滴110eを正孔注入/輸送層110a上に吐出する。
発光層形成材料としては、[化1]〜[化5]に示すポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープすることにより用いることができる。
非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層110aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。
このような非極性溶媒を発光層110bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層110aを再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
図17に示すように、吐出された第2組成物110eは、正孔注入/輸送層110a上に広がって下部、上部開口部112c、112d内に満たされる。その一方で、撥液処理された上面112fでは第1組成物滴110eが所定の吐出位置からはずれて上面112f上に吐出されたとしても、上面112fが第2組成物滴110eで濡れることがなく、第2組成物滴110eが下部、上部開口部112c、112d内に転がり込む。
各正孔注入/輸送層110a上に吐出する第2組成物量は、下部、上部開口部112c、112dの大きさ、形成しようとする発光層110bの厚さ、第2組成物中の発光層材料の濃度等により決定される。
また、第2組成物110eは1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層110a上に吐出しても良い。この場合、各回における第2組成物の量は同一でも良く、各回毎に第2組成物の液量を変えても良い。更に正孔注入/輸送層110aの同一箇所のみならず、各回毎に正孔注入/輸送層110a内の異なる箇所に第2組成物を吐出配置しても良い。
次に、第2の組成物を所定の位置に吐出し終わった後、吐出後の第2組成物滴110eを乾燥処理することにより発光層110b3が形成される。すなわち、乾燥により第2組成物に含まれる非極性溶媒が蒸発し、図18に示すような青色(B)発光層110b3が形成される。なお、図18においては青に発光する発光層が1つのみ図示されているが、図1やその他の図より明らかなように本来は発光素子がマトリックス状に形成されたものであり、図示しない多数の発光層(青色に対応)が形成されている。
続けて、図19に示すように、前述した青色(B)発光層110b3の場合と同様の工程を用い、赤色(R)発光層110b1を形成し、最後に緑色(G)発光層110b2を形成する。
なお、発光層110bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。
また、発光層の第2組成物の乾燥条件は、青色110b3の場合、例えば、窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜10分行う条件とする。圧力が低すぎると第2組成物が突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上にすると、非極性溶媒の蒸発速度が高まり、発光層形成材料が上部開口部112d壁面に多く付着してしまうので好ましくない。
また緑色発光層110b2、および赤色発光層b1の場合、発光層形成材料の成分数が多いために素早く乾燥させることが好ましく、例えば、40℃で窒素の吹き付けを5〜10分行う条件とするのがよい。
その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。
このようにして、画素電極111上に正孔注入/輸送層110a及び発光層110bが形成される。
(5)対向電極(陰極)形成工程
次に対向電極形成工程では、図20に示すように、発光層110b及び有機物バンク層112bの全面に陰極12(対向電極)を形成する。なお,陰極12は複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場合もある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関数が高い材料、例えばAlを用いる事もできる。
これらの陰極12は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、熱による発光層110bの損傷を防止できる点で好ましい。
また、フッ化リチウムは、発光層110b上のみに形成しても良く、更に所定の色に対応して形成する事ができる。例えば、青色(B)発光層110b3上のみに形成しても良い。この場合、他の赤色(R)発光層及び緑色(G)発光層110b1、110b2には、カルシウムからなる上部陰極層12bが接することとなる。
また陰極12の上部には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用いることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。
また陰極12上に、酸化防止のためにSiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
(6)封止工程
最後に封止工程は、発光素子が形成された基板2と封止基板3bとを封止樹脂3aにより封止する工程である。たとえば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂3aを基板2の全面に塗布し、封止樹脂3a上に封止用基板3bを積層する。この工程により基板2上に封止部3を形成する。
封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極12にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極12に侵入して陰極12が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
更に、図2に例示した基板5の配線5aに陰極12を接続するとともに、駆動IC6に回路素子部14の配線を接続することにより、本実施形態の表示装置1が得られる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
図21は第2の実施形態の表示装置の要部を示す断面図である。
図21に示すように、本実施形態の表示装置は、基板2上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部14、発光層が形成された発光素子部211、陰極12が順次積層されて構成されている。
本実施形態に係る表示装置においては、第1の実施形態の場合と同様に、機能層110から基板2側に発した光が、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるとともに、機能層110から基板2の反対側に発した光が陰極12により反射されて、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
本実施形態の表示装置が第1の実施形態の表示装置と異なる点は、遮光層を基板の回路素子部14とバンク部112との間に配置した点である。
従って以後の説明においては、図21に示す構成要素のうち、図3に示した第1の実施形態の表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、図21には、回路素子部14、画素電極111、バンク部112(無機物バンク層112a及び有機物バンク層112b)、機能層110(正孔注入/輸送層110a及び発光層110b)、陰極12の各構成要素を示しているが、これらは第1の実施形態で説明した構成要素と同じものなので、説明を省略する。
図21に示す発光素子部211は、複数の画素電極111…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極111及び各機能層110の間に備えられて各機能層110を区画するバンク部112と、遮光層213とを主体として構成されている。
遮光層213は、回路素子部14の第2層間絶縁膜144b及び画素電極111と無機物バンク層112aとの間に配置されている。
この遮光層213は、カーボンブラック等の黒色顔料をアクリル樹脂またはポリイミド樹脂等に混合させてなる黒色樹脂層の単層構造である。
また遮光層213には、機能層110に対応する位置に遮光開口部213cが設けられている。このようにして遮光層213は、機能層110同士の間に配置されることになり、機能層110の非形成領域に位置することになる。
この遮光層213は、第1の実施形態の遮光層113と同様に、発光層110bから発して陰極12により反射された光を遮光するものであり、画素領域A以外からの反射光の出射を防止して、表示装置の視認性を向上する。また、この遮光層213は、陰極12による外部光の反射を抑えて表示装置の視認性を向上させる。
係る遮光層213を設けることにより、機能層110の非形成領域における外部からの入射光、及び機能層110からの出射光を同非形成領域にて遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、機能層110からの光を、機能層110の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による混色光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
尚、遮光層213は黒色樹脂層の単層構造に限らず、第1層間絶縁膜144b上に金属クロム膜と酸化クロム(Cr25)膜を順次積層した積層構造であっても良い。この場合、金属クロム膜の厚さを100nm程度とし、酸化クロム膜の厚さを50nm程度にすると良い。
尚、本実施形態の表示装置の製造方法は、第1の実施形態の表示装置の製造方法とほぼ同様であり、異なる点は、第2層間絶縁膜144b及び画素電極111上に遮光層213と無機物バンク層112aを順次積層するとともに、エッチング等により下部開口部112c並びに遮光開口部213aを設け、更に無機物バンク層112a上に有機物バンク層112bを積層する点のみである。したがって、本実施形態の表示装置は、上記の相違点を除いて、第1の実施形態の表示装置と同様な手順で製造される。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
図22は第3の実施形態の表示装置の要部を示す断面図である。
図22に示すように、本実施形態の表示装置は、基板2上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部14、発光層が形成された発光素子部311、陰極12が順次積層されて構成されている。
本実施形態に係る表示装置においては、第1及び第2の実施形態の場合と同様に、機能層110から基板2側に発した光が、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるとともに、機能層110から基板2の反対側に発した光が陰極12により反射されて、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
本実施形態の表示装置が第1の実施形態の表示装置と異なる点は、有機物バンク層を黒色樹脂で形成することにより、有機物バンク層が遮光層となる点である。
従って以後の説明においては、図22に示す構成要素のうち、図3に示した第1の実施形態の表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、図22には、回路素子部14、画素電極111、無機物バンク層112a、機能層110(正孔注入/輸送層110a及び発光層110b)、陰極12の各構成要素を示しているが、これらは第1の実施形態で説明した構成要素と同じものなので、説明を省略する。
図22に示す発光素子部311は、複数の画素電極111…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極111及び各機能層110の間に備えられて各機能層110を区画するバンク部312とを主体として構成されている。
バンク部312は、図22に示すように、基板2側に位置する無機物バンク層312aと基板2から離れて位置する有機物バンク層312bとが積層されて構成されている。
無機物、有機物バンク層312a、312bは、画素電極111の周縁部上に乗上げるように形成されている。平面的には、画素電極111の周囲と無機物バンク層312aとが平面的に重なるように配置された構造となっている。また、有機物バンク層312bも同様であり、画素電極111の一部と平面的に重なるように配置されている。また無機物バンク層312aは、有機物バンク層312bよりも画素電極111の中央側に更に形成されている。このようにして無機物バンク層312aの各第1積層部112eが画素電極111の内側に形成されることにより、画素電極111の形成位置に対応する下部開口部112cが設けられている。
また、有機物バンク層312bには、上部開口部312dが設けられている。
上部開口部312dは、図22に示すように、下部開口部112cより広く、画素電極111より狭く形成されている。
またバンク部312には、下部開口部112c及び上部開口部312dが連通して、無機物バンク層112c及び有機物バンク層312dを貫通する開口部3112gが設けられている。
有機物バンク層312bは遮光層を兼ねるものであり、カーボンブラック等の黒色顔料をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の通常のレジストに混合させてなる黒色樹脂から形成される。この有機物バンク層312bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、後述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層312bが薄くなり、発光層が上部開口部112dから溢れてしまうおそれがあるとともに、遮光層を兼ねる有機物バンク層313bが薄くなることにより遮光性が低下してしまうので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部312dによる段差が大きくなり、有機物バンク層312b上に形成する陰極12及び反射層13のステップカバレッジを確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層312bの厚さを2μm以上にすれば、駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁を高めることができる点でより好ましい。
また、有機物バンク層312bの上部開口部312d壁面及び上面312fは撥液性を示す領域であり、これらの面に、4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理によってフッ素等の撥液基が導入されている。
尚、本実施形態に係る有機物バンク層312bは、材質が黒色樹脂からなる点を除いて、第1の実施形態に係る有機バンク層112bと同等であり、この有機物バンク層312bと発光素子110及び陰極12の位置関係は、第1の実施形態の場合と同じである。
上記の表示装置によれば、有機物バンク層312bが遮光層を兼ねるので、この有機物バンク層312bによって機能層110の非形成領域における外部からの入射光、及び機能層110からの出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
また、有機物バンク層312bが遮光層を兼ねるので、別個に遮光層を設ける必要がなく、表示装置の構成を簡素化することができる。
尚、本実施形態の表示装置の製造方法は、第1の実施形態の表示装置の製造方法とほぼ同様であり、異なる点は、有機物バンク層312bを黒色樹脂で形成する点と、有機物バンク層と無機物バンク層の間に形成していた遮光層を省略する点である。したがって、本実施形態の表示装置は、上記の相違点を除いて、第1の実施形態の表示装置と同様な手順で製造される。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態を図面を参照して説明する。
図23は第4の実施形態の表示装置の要部を示す断面図である。
図23に示すように、本実施形態の表示装置は、基板2上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部414、発光層が形成された発光素子部411、陰極12が順次積層されて構成されている。
本実施形態に係る表示装置においては、第1の実施形態の場合と同様に、発光素子部411の機能層110から基板2側に発した光が、回路素子部414及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるとともに、機能層110から基板2の反対側に発した光が陰極12により反射されて、回路素子部414及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
本実施形態の表示装置が第1の実施形態の表示装置と異なる点は、遮光層を回路素子部314内に配置した点である。
従って以後の説明においては、図23に示す構成要素のうち、図3に示した第1の実施形態の表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、図23には、画素電極111、バンク部112(無機物バンク層112a及び有機物バンク層112b)、機能層110(正孔注入/輸送層110a及び発光層110b)、陰極12の各構成要素を示しているが、これらは第1の実施形態で説明した構成要素と同じものなので、説明を省略する。
図23に示す発光素子部411は、複数の画素電極111…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極111及び各機能層110の間に備えられて各機能層110を区画するバンク部112とを主体として構成されている。本実施形態の発光素子部411は、第1の第1の実施形態の発光素子部11から遮光層113を除いたこと以外は、第1の実施形態に係る発光素子部11とほぼ同等である。
次に、回路素子部414には、基板2上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜2cが形成され、この下地保護膜2c上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜141が形成されている。尚、半導体膜141には、ソース領域141a及びドレイン領域141bが高濃度Pイオン打ち込みにより形成されている。なお、Pが導入されなかった部分がチャネル領域141cとなっている。
更に回路素子部414には、下地保護膜2c及び半導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形成され、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極143(走査線101)が形成され、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142上には透明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜144bが形成されている。ゲート電極143は半導体膜141のチャネル領域141cに対応する位置に設けられている。 また、ゲート絶縁膜142と層間絶縁膜143との間には遮光層413が形成されている。
また、第1、第2層間絶縁膜144a、144bを貫通して、半導体膜141のソース、ドレイン領域141a、141bにそれぞれ接続されるコンタクトホール145,146が形成されている。
そして、第2層間絶縁膜144b上には、ITO等からなる透明な画素電極111が所定の形状にパターニングされて形成され、一方のコンタクトホール145がこの画素電極111に接続されている。
遮光層413は、カーボンブラック等の黒色顔料を、アクリル樹脂またはポリイミド樹脂等に混合させてなる黒色樹脂層の単層構造である。
この遮光層413には、機能層110に対応する位置に遮光開口部413cが設けられている。このようにして遮光層413は、機能層110同士の間に配置されることになり、機能層110の非形成領域に位置することになる。
この遮光層413は、第1の実施形態の遮光層113と同様に、発光層110bから発して陰極12により反射された光を遮光するものであり、画素領域A以外からの反射光の出射を防止して、表示装置の視認性を向上する。また、この遮光層213は、陰極12による外部光の反射を抑えて表示装置の視認性を向上させる。
係る遮光層413を回路素子部414内に設けることにより、発光素子110の非形成領域における外部からの入射光、及び発光素子110からの出射光を同非形成領域にて遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。
特に、機能層110からの光を、機能層110の非形成領域にて遮光することで、従来の表示装置において生じていた着色光同士による色にじみ防止することができ、表示装置のコントラスト比を高めることができる。
尚、本実施形態の表示装置の製造方法は、第1の実施形態の表示装置の製造方法とほぼ同様であり、異なる点は、回路素子部414の形成時にゲート絶縁膜142と第1層間絶縁膜143aとの間に遮光層413を形成する点と、有機物バンク層と無機物バンク層の間に形成していた遮光層を省略する点である。したがって、本実施形態の表示装置は、上記の相違点を除いて、第1の実施形態の表示装置と同様な手順で製造される。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態を図面を参照して説明する。
図24は第5の実施形態の表示装置の要部を示す断面図である。
図24に示すように、本実施形態の表示装置は、金属からなる基板502上に、発光素子部11、陰極512、保護層513が順次積層されてなる表示素子部510を具備して構成されている。また、発光素子部11と基板502との間には回路素子部14が備えられている。
本実施形態に係るマトリックス型表示素子510においては、機能層110から基板502側に発した光が、金属製の基板502により反射され、更に陰極512及び保護層513を透過して基板2の上側(観測者側)に出射されるとともに、機能層110から基板502の反対側に発した光がそのまま陰極512及び保護層513を透過して基板502の上側(観測者側)に出射されるようになっている。このように、本実施形態に係る表示装置では、光が基板502の上側に出射されるように構成されており、光の出射方向が第1〜第4の実施形態のマトリックス型表示素子の反対方向になっている。
本実施形態の表示装置が第1の実施形態の表示装置と異なる点は、反射層の代わりに保護層513を形成した点と、陰極512を薄く形成した点である。
従って以後の説明においては、図24に示す構成要素のうち、図3に示した第1の実施形態の表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、図24には、回路素子部14、画素電極111、バンク部112(無機物バンク層112a及び有機物バンク層112b)、機能層110(正孔注入/輸送層110a及び発光層110b)、遮光層113(第1遮光膜113a及び第2遮光膜射層113b)の各構成要素を示しているが、これらは第1の実施形態で説明した構成要素と同じものなので、説明を省略する。
図24に示す表示素子部510は、金属からなる基板502上に、発光素子部11、陰極512、保護層513が順次積層されて形成されている。
基板2は、例えばAl等からなる金属基板であり、機能層110から発した光を反射して、基板502の上方側に出射できるようになっている。
また、陰極512は、発光素子部11の全面に形成されており、画素電極111と対になって機能層110に電流を注入する役割を果たす。この陰極512は、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事関数が低いものを設けることが好ましく、特にこの形態においては発光層110bに直接に接して発光層110bに電子を注入する役割を果たす。また、フッ化リチウムは発光層の材料によっては効率よく発光させるために、発光層110と陰極12との間にLiFを形成する場合もある。
尚、赤色及び緑色の発光層110b1、1110b2にはフッ化リチウムに限らず、他の材料を用いても良い。従ってこの場合は青色(B)発光層110b3のみにフッ化リチウムからなる層を形成し、他の赤色及び緑色の発光層110b1、110b2にはフッ化リチウム以外のものを積層しても良い。また、赤色及び緑色の発光層110b1、110b2上にはフッ化リチウムを形成せず、カルシウムのみを形成しても良い。
また、本実施形態の陰極512は、第1〜第4の実施形態の陰極12よりも薄く形成されていて、機能層110から発した光を透過できるようになっている。
次に保護層513は、陰極512上に形成されており、陰極512及び発光素子部11に対する水又は酸素の侵入を防いで、陰極512または発光素子部11内に形成された発光層110bの酸化を防止する。
この保護層513は、例えば、Ag膜等からなることが好ましい。
本実施形態の保護層513は比較的薄く形成されていて、発光素子110から発した光を透過できるようになっている。
上記の表示装置によれば、機能層110から発した光が陰極512及び保護層513を透過して出射されるので、光が基板及び回路素子部を透過する場合に比べて光量のロスを少なくすることができ、表示装置の高輝度化を図ることができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、上記第3実施形態と同様の部位については同じ符号を付し、その説明を一部省略する。
図25は第6の実施形態の表示装置を示す断面図である。
本実施形態の表示装置は、図25に示すように、基板2′と、マトリックス状に配置された発光素子を具備して基板2′上に形成された発光素子部311と、発光素子部311上に形成された陰極12′とを具備している。発光素子部311と陰極12′とにより表示素子310′が構成される。
本実施形態の表示装置は封止部3′側が表示面として構成された所謂トップエミッション型の構造を有しており、基板2′としては、透明基板(又は半透明基板)及び不透明基板のいずれを用いることもできる。透明又は半透明な基板としては、例えばガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特に、安価なソーダガラス基板が好適に用いられる。不透明な基板としては、例えばアルミナ等のセラミックやステンレススチール等の金属シートに表面酸化等の絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、基板2′は、中央に位置する表示領域2aと、基板2′の周縁に位置して表示領域2aを囲む非表示領域2bとに区画されている。
表示領域2aは、マトリックス状に配置された発光素子によって形成される領域であり、表示領域の外側に非表示領域2bが形成されている。そして,非表示領域2bには、表示領域2aに隣接するダミー表示領域2dが形成されている。
また、発光素子部311と基板2′の間には回路素子部14が備えられ、この回路素子部14には、上記第1実施形態と同様に、走査線、信号線、保持容量、スイッチング用の薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トランジスタ123等が備えられている。
また、陰極12′は、その一端が発光素子部311上から基板2′上に形成された陰極用配線12aに接続しており、この配線の一端部がフレキシブル基板(図示略)上の配線に接続されている。また、配線は、フレキシブル基板上に備えられた図示しない駆動IC(駆動回路)に接続されている。
また、回路素子部14の非表示領域2bには、前述の第1実施形態において説明した電源線103(103R、103G、103B)が配線されている。
また、表示領域2aの両側には、前述の走査側駆動回路105、105が配置されている。この走査側駆動回路105、105はダミー領域2dの下側の回路素子部14内に設けられている。更に回路素子部14内には、走査側駆動回路105、105に接続される駆動回路用制御信号配線105aと駆動回路用電源配線105bとが設けられている。
また、発光素子部311上には封止部3′が備えられている。この封止部3′は、基板2′に塗布された封止樹脂603と、封止缶604′とから構成されている。封止樹脂603は、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、特に、熱硬化樹脂の1種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。
この封止樹脂603は、基板2′の周囲に環状に塗布されており、例えば、マイクロディスペンサ等により塗布されたものである。この封止樹脂603は、基板2′と封止缶604′を接合するもので、基板2′と封止缶604′の間から封止缶604′内部への水又は酸素の侵入を防いで、陰極12′または発光素子部311内に形成された図示略の発光層の酸化を防止する。
封止缶604′は、ガラスや樹脂等の透光性部材からなり、封止樹脂603を介して基板2′に接合され、その内側には表示素子310′を収納する凹部604aが設けられている。なお、凹部604aには、必要に応じて、水や酸素等を吸収するゲッター剤を設けてもよい。このゲッター剤は、例えばに凹部604内の非表示領域2bに設けられることで、表示に影響を及ぼさないようにすることができる。
図26には、表示装置における表示領域の断面構造を拡大した図を示す。この図26には3つの画素領域が図示されている。この表示装置は、基板2′上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部14、機能層110が形成された発光素子部311及び陰極12が順次積層されて構成されている。
この表示装置においては、機能層110から封止部3′側に発した光が、封止缶604′の上側(観察者側)に出射されるとともに、機能層110から基板2′側に発した光が画素電極111′により反射されて、封止部3′側(観察者側)に出射されるようになっている。このため、陰極12′には、例えばITO、Pt、Ir、Ni、もしくはPd等の透明な材料が用いられる。膜厚としては75nmほどの膜厚にする事が好ましく、この膜厚よりも薄くした方がより好ましい。また、画素電極111′には、例えばAlやAg等の高反射率の金属材料を用いることが好ましく、これにより、基板2′側に発した光を封止部3′側に効率的に出射させることができる。
発光素子部311は、複数の画素電極111′…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極111′及び機能層110の間に備えられて各機能層110を区画するバンク部312とを主体として構成されている。機能層110上には陰極12′が配置されている。これら画素電極111′、機能層110及び陰極12′によって発光素子が構成されている。ここで、画素電極111′は、例えばITOにより形成されてなり、平面視略矩形にパターニングされて形成されている。この画素電極111′の厚さは、例えば50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nm程度がよい。この各画素電極111′…の間にバンク部312が備えられている。
バンク部312は、基板2側に位置する無機物バンク層312a(第1バンク層)と基板2から離れて位置する有機物バンク層312b(第2バンク層)とが積層されて構成されている。
無機物、有機物バンク層312a、312bは、画素電極111′の周縁部上に乗上げるように形成されている。平面的には、画素電極111′の周囲と無機物バンク層312aとが平面的に重なるように配置された構造となっている。また、有機物バンク層312bも同様であり、画素電極111′の一部と平面的に重なるように配置されている。また無機物バンク層312aは、有機物バンク層312bよりも画素電極111′の中央側に更に形成されている。このようにして、無機物バンク層312aの各第1積層部112eが画素電極111の内側に形成されることにより、画素電極111の形成位置に対応する下部開口部112cが設けられている。
また、有機物バンク層312bには、上部開口部312dが形成されている。
この上部開口部312dは、画素電極111の形成位置及び下部開口部112cに対応するように設けられている。上部開口部312dは、下部開口部112cより広く、画素電極111′より狭く形成されている。また、上部開口部312dの上部の位置と、画素電極111′の端部とがほぼ同じ位置になるように形成される場合もある。この場合は、図26に示すように、有機物バンク層312bの上部開口部312dの断面が傾斜する形状となる。
そしてバンク部312には、下部開口部112c及び上部開口部312dが連通することにより、無機物バンク層312a及び有機物バンク層312bを貫通する開口部312gが形成されている。
有機物バンク層312bは遮光層を兼ねるものであり、カーボンブラック等の黒色顔料をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の通常のレジストに混合させてなる黒色樹脂から形成される。この有機物バンク層312bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、後述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層312bが薄くなり、発光層が上部開口部312dから溢れてしまうおそれがあるとともに、遮光層を兼ねる有機物バンク層313bが薄くなることにより遮光性が低下してしまうので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部312dによる段差が大きくなり、有機物バンク層312b上に形成する陰極12及び反射層13のステップカバレッジを確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層312bの厚さを2μm以上にすれば、駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁を高めることができる点でより好ましい。
また、無機物バンク層312aは、例えば、SiO、SiO2、TiO2等の無機材料からなることが好ましい。この無機物バンク層312aの膜厚は、例えば50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。膜厚が50nm未満では、無機物バンク層312aが後述する正孔注入/輸送層より薄くなり、正孔注入/輸送層の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また膜厚が200nmを越えると、下部開口部112cによる段差が大きくなって、正孔注入/輸送層上に積層する後述の発光層の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。
また、バンク部312には、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域が形成されている。
親液性を示す領域は、無機物バンク層312aの第1積層部112e及び画素電極111′の電極面111aであり、これらの領域は、酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理されている。また、撥液性を示す領域は、上部開口部312dの壁面及び有機物バンク層312bの上面312fであり、これらの領域は、4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)されている。
機能層110は、画素電極111′上に積層された正孔注入/輸送層110aと、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成された発光層110bとから構成されている。なお、発光層110bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層110aは、正孔を発光層110bに注入する機能を有するとともに、正孔を正孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を有する。このような正孔注入/輸送層110aを画素電極111′と発光層110bの間に設けることにより、発光層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上する。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、陰極12′から注入される電子が発光層で再結合し、発光が行われる。
正孔注入/輸送層110aは、下部開口部112c内に位置して画素電極面111a上に形成される平坦部110a1と、上部開口部312d内に位置して無機物バンク層の第1積層部112e上に形成される周縁部110a2から構成されている。また、正孔注入/輸送層110aは、構造によっては、画素電極111′上であって、且つ無機物バンク層110aの間(下部開口部110c)にのみ形成されている(前述に記載した平坦部にのみ形成される形態もある)。
この平坦部110a1は、その厚さがほぼ一定で、例えば50〜70nmの範囲に形成される。
周縁部110a2が形成される場合においては、周縁部110a2は、無機物バンク層の第1積層部112e上に位置するとともに上部開口部312dの壁面、即ち有機物バンク層312bに接している。また、周縁部110a2の厚さは、電極面111aに近い側で薄く、電極面111aから離れる方向に沿って増大し、下部開口部312dの壁面近くで最も厚くなっている。
周縁部110a2が上記の様な形状を示す理由としては、正孔注入/輸送層110aが、正孔注入/輸送層形成材料及び極性溶媒を含む第1組成物(組成物)を開口部312内に吐出してから極性溶媒を除去して形成されたものであり、極性溶媒の揮発が主に無機物バンク層の第1積層部112e上で起こり、正孔注入/輸送層形成材料がこの第1積層部112e上に集中的に濃縮・析出されたためである。
また発光層110bは、正孔注入/輸送層110aの平坦部110a1及び周縁部110a2上に渡って形成されており、平坦部112a1上での厚さが例えば50〜80nmの範囲とされている。
発光層110bは、赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色(G)に発光する緑色発光層110b2、及び青色(B)に発光する青色発光層110b3、の3種類を有し、各発光層110b1〜110b3がストライプ配置されている。
なお、回路素子部14の構成については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
したがって、本実施形態の表示装置でも、上記第3実施形態と同様に、有機バンク層312bが遮光層を兼ねるため、この有機バンク312bによって機能層110の非形成領域における外部からの入射光、及び機能層110からの出射光を遮光することができ、表示装置のコントラスト比を高めて視認性を向上させることができる。また、図25では、TFT123をバンク部312の下層側(即ち、隣接する発光層の間の領域)に配置した構造を示したが、本実施形態のように発光層110bからの光を封止部3′側から取り出す場合には、画素の開口率は画素電極111′の下層側に配置される回路構造に影響されないため、回路素子部14の配線やTFT123と画素電極111′とが平面視で重なるように配置することも可能である。これにより、画素電極111′を最大限広くするとともに、配線の太さを十分に太くすることで、高輝度且つ大画面表示を実現することができる。
なお、本実施形態の表示装置の製造方法は、第3の実施形態の表示装置の製造方法と略同様であり、異なる点は、画素電極111′,陰極12′,封止缶604′の材料のみである。したがって、本実施形態の表示装置は、上記相違点を除いて、第3実施形態の製造方法と同様な手順で製造される。
[第7の実施形態]
次に、第1〜第6の実施形態の表示装置のいずれかを備えた電子機器の具体例について説明する。
図27(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図27(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は前記の表示装置のいずれかを用いた表示部を示している。
図27(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図27(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号703は情報処理装置本体、符号702は前記の表示装置いずれかを用いた表示部を示している。
図27(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図27(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は前記の表示装置のいずれかを用いた液晶表示部を示している。
図27(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、前記の第1〜第5の実施形態の表示装置のいずれかを用いた表示部を備えたものであり、先の第1〜第5実施形態の表示装置の特徴を有するので、いずれの表示装置を用いても、高輝度であって表示品質に優れた効果を有する電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、第1〜第5の実施形態と同様にして、図2に示すような駆動IC6(駆動回路)を備えた表示装置1を構成し、この表示装置1を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器に組み込むことにより製造される。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
図28には、本発明に係る他の例の表示装置の断面模式図を示す。図28に示す表示装置は、基板2と、基板2上に形成された表示素子10と、基板2の周囲に環状に塗布された封止樹脂603と、表示素子10上に備えられた封止缶604とを具備して構成されている。
基板2及び表示素子10は、第1の実施形態に係る基板2及び表示素子10と同じものである。表示素子10は、発光素子部11と、該発光素子部11上に形成された陰極12とを主体として構成されている。
また図28に示すように、発光素子部11上には封止部3が備えられている。
この封止部3は、陰極12上に塗布された熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなる封止樹脂3aと、封止樹脂3a上に配置された封止基板3bとからなる。なお、封止樹脂3aとしては、硬化時にガス、溶媒等が発生しないものが好ましい。
この封止部3は、少なくとも発光素子部11上にある陰極12をほぼ覆うように形成されており、陰極12及び発光素子部11に対する水又は酸素の侵入を防いで、陰極12または発光素子部11内に形成された後述する発光層の酸化を防止する。
尚、封止基板3bは、封止樹脂3aに接合されて封止樹脂3aを保護するものであり、ガラス板、金属板若しくは樹脂板のいずれかであることが好ましい。
また図31には、本発明に係る別の例の表示装置の断面模式図を示す。図31に示す表示装置は、基板2と、基板2上に形成された表示素子10と、表示素子10の全面に塗布された封止樹脂3aと、封止樹脂3a上に備えられた封止用基板3bとを具備して構成されている。
基板2、表示素子10、封止樹脂3a及び封止用基板3bは、第1の実施形態に係る基板2、表示素子10、封止材3及び封止用基板4と同じものである。表示素子10は、発光素子部11と、該発光素子部11上に形成された陰極12とを主体として構成されている。
また、図31に示すように、封止材3と陰極12の間には保護層713が形成されている。保護層713は、SiO2、SiN等からなるものであり、厚さが100〜200nmの範囲とされている。この保護層713は、陰極12及び発光素子部11に対する水又は酸素の侵入を防いで、陰極12または発光素子部11内に形成された図示略の発光層の酸化を防止する。
上記の表示装置によれば、水及び酸素の侵入を効果的に防いで陰極12または発光層の酸化を防止することにより、表示装置の高輝度化及び長寿命化を図ることができる。
また、第1〜第6の実施形態においては、R、G、Bの各発光層110bをストライプ配置した場合について説明したが、本発明はこれに限られず、様々な配置構造を採用しても良い。例えば図30(a)に示すようなストライプ配置の他、図30(b)に示すようなモザイク配置や、図30(c)に示すようなデルタ配置とすることができる。
また、第6の実施形態では、黒色樹脂からなる有機物バンク層312bを遮光層として用いたが、透明な有機物バンク層312bの上面312fに遮光層を形成することで、隣接する発光層からの着色光同士の混色を防止してもよい。或いは、封止缶604′の内面(陰極12′に対向する面)において、バンクと対向する位置に遮光層を形成することによっても同様の効果が得られる。
1 表示装置 2,2′ 基板 2a 表示領域 2b 非表示領域 3 封止部 6 駆動IC(駆動回路) 10,310,310′ 表示素子 11,211,311 発光素子部 12,12′ 陰極((対向電極(発光素子)) 110 機能層(発光素子) 110a 正孔注入/輸送層(機能層) 110a1 平坦部 110a2 周縁部 110b 発光層(機能層) 111,111′ 画素電極((電極)発光素子) 111a 電極面 112,312 バンク部 112a,312a 第1バンク層(無機物バンク層) 112b,312b 第2バンク層(有機物バンク層) 112c 下部開口部(無機物バンク層側の開口部(壁面)) 112d,312d 上部開口部(有機物バンク層側の開口部(壁面)) 112e 上面(無機物バンク層の上面) 112f,312f 上面(有機物バンク層の上面) 112g,312g 開口部 113 遮光層 113a 第1遮光膜 113b 第2遮光膜 A 画素領域

Claims (19)

  1. 基板面内に複数の発光素子が形成されてなり、
    平面視で、前記各発光素子の間の領域に遮光層が設けられたことを特徴とする表示装置。
  2. 基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、
    前記バンク部は、前記基板側に位置する第1バンク層と、前記第1バンク層の上に形成された第2バンク層とから形成されてなり、
    前記第1バンク層と前記第2バンク層との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする表示装置。
  3. 基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、
    前記基板と前記バンク部との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする表示装置。
  4. 前記遮光層には前記発光素子に対応する遮光開口部が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記遮光層が黒色樹脂よりなることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記遮光層は、前記基板側に位置する第1遮光膜と、前記基板から離れた側に位置する第2遮光膜とから形成されてなることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記第1遮光膜が金属クロム膜であるとともに前記第2遮光膜が酸化クロムであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記第1バンク層がSiO2、TiO2のうちのいずれかよりなることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記第2バンク層がアクリル樹脂またはポリイミド樹脂のいずれかよりなることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の表示装置。
  10. 少なくとも前記第1バンク層の一部には親液性を有する加工が施されてなることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の表示装置。
  11. 基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなる表示装置であり、
    前記バンク部が黒色樹脂から構成されることにより遮光層が形成されてなることを特徴とする表示装置。
  12. 前記バンク部には、前記第1バンク層と前記遮光層とが形成されてなることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  13. 前記第1バンク層がSiO2、TiO2のうちのいずれかよりなることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記遮光層がアクリル樹脂またはポリイミド樹脂のいずれかよりなることを特徴とする請求項12または13に記載の表示装置。
  15. 少なくとも前記第1バンク層の一部には親液性を有する加工が施されてなることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の表示装置。
  16. 表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、
    前記表示装置は、基板面内に複数の発光素子が形成されてなり、平面視で、前記各発光素子の間の領域に遮光層が設けられたことを特徴とする、電子機器。
  17. 表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、
    前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、
    前記バンク部は、前記基板側に位置する第1バンク層と、前記第1バンク層の上に形成された第2バンク層とから形成されてなり、
    前記第1バンク層と前記第2バンク層との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする電子機器。
  18. 表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、
    前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、
    前記基板と前記バンク部との間に遮光層が備えられてなることを特徴とする電子機器。
  19. 表示装置と、前記表示装置を駆動するための駆動回路と、を有してなる電子機器であって、
    前記表示装置は、基板上に複数の発光素子が形成されてなり、各前記発光素子の間にバンク部が備えられてなり、
    前記バンク部に黒色樹脂から構成されて遮光層が形成されてなることを特徴とする電子機器。
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