JP2009167535A - 支持体用原紙とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、サイズ性に優れ、かつ、異物欠点の少ない支持体用原紙とその製造方法を提供することである。
【解決手段】紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙において、原紙に用いられるパルプスラリーに、ピッチコントロール剤として無機系ピッチコントロール剤を0.01〜1質量%含有するパルプ100質量%に対して、少なくとも内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ100質量%に対して0.1〜1質量%添加し、更に、pH調整剤として、無機系pH調整剤を0.05質量%以上添加し、抄紙時のパルプスラリーのpHを7.5以上にすることで抄造する支持体用原紙により達成された。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙とその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、サイズ性に優れ、かつ、異物欠点の少ない支持体用原紙とその製造方法に関するものである。
従来、画像材料用支持体の場合には、現像液が印画紙の縁部から現像時に浸み込むことを防止するために、パルプ繊維スラリーにサイズ剤を配合することが知られている。その際の代表的なサイズ剤として、アルキルケテンダイマーがよく使用されることが記載されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
また、画像材料用支持体の原紙中に混入する欠点のレベル(欠点個数/面積)は一般の上質紙に比べて極端に少ないことが求められる。近年、エネルギー削減の目的から、製紙産業は紙の製造時に使用する水の量を削減する傾向にあり、該支持体においても、原紙製造時における使用水量を削減しようとする傾向にある。紙の製造時に使用する水の量を削減した場合には、系内に投入した薬品が循環し続けたり、系内の水温も高温になってくる。その結果、該支持体を製造する際に投入した薬品由来の欠点が多く発生する。そこで、薬品の歩留まりを上げる方法が提案されているが、十分な改良に至っていない(例えば、特許文献3〜4参照)。
また、ピッチを防止するために、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを添加する手法が知られている。MP(機械パルプ)やDIP(脱墨パルプ)を使用している系において、パルプ100重量%に対してタルクを0.8〜2.6重量%(最大)添加することでピッチ防止を行うことが書かれているが、異物欠点に関する記載はない(例えば、非特許文献1参照)。
特開昭63−180948号公報 特開平3−62028号公報 特開平4−281095号公報 特許第3092694号公報 紙パ技協誌 第59巻、第10号
本発明の目的は、サイズ性に優れ、かつ、異物欠点の少ない支持体用原紙とその製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙において、原紙に用いられるパルプスラリー中に、パルプに対して、ピッチコントロール剤として無機系ピッチコントロール剤を0.01〜1質量%、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを0.1〜1質量%、pH調整剤として無機系pH調整剤を0.05質量%以上含有し、かつ抄紙時のパルプスラリーのpHが7.5以上であることを特徴とする支持体用原紙。
2)前記無機系pH調整剤が炭酸カルシウムである1)記載の支持体用原紙。
3)前記内添サイズ剤がアニオン性アルキルケテンダイマーである1)または2)記載の支持体用原紙。
4)紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙において、原紙に用いられるパルプスラリーに、パルプに対して、ピッチコントロール剤として無機系ピッチコントロール剤を0.01〜1質量%、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを0.1〜1質量%、pH調整剤として無機系pH調整剤を0.05質量%以上添加し、かつ抄紙時のパルプスラリーのpHを7.5以上にして抄造することを特徴とする支持体用原紙の製造方法。
本発明により、サイズ性に優れ、かつ、異物欠点の少ない支持体用原紙とその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の画像材料支持体用原紙とその製造方法を詳細に説明する。
はじめに、本発明における画像材料支持体用原紙について述べる。本発明者は、まず、高温(少なくとも抄紙系、特にヘッドボックスあたりの温度が45℃以上)において、該支持体の原紙を、アルキルケテンダイマー(以下AKDと記載する)をサイズ剤として製造する際の異物欠点について調査した。その結果、異物欠点中にAKDが多く含有されると共に、タルク成分が含有されるケースが多いことを見出した。
そこで、タルクの由来について調査してみたところ、パルプの製造時、蒸解・漂白工程に添加される、ピッチコントロール剤であることを見出した。ピッチコントロール剤は本来、パルプの製造工程において樹脂成分を吸着し、パルプ製造工程の系外にパルプと一緒に排出されることで、パルプ中の樹脂分由来の異物欠点をなくすために添加される。
結果、通常のパルプには、量の差はあるが、ピッチコントロール剤が含有される。
また、一般にピッチコントロール剤は、比表面積の大きい、無機系の粒子が使用されることが多い。
筆記用やオフセット印刷などに使用される一般の上質紙のような紙では、高いサイズ性を必要としないので、抄紙工程のパルプスラリー中に配合されるサイズ剤の量も、本発明の支持体の原紙製造時に比較して少なく、サイズ剤由来の異物欠点が発生するということは少ない。しかしながら、該支持体の原紙は、最終的に写真用印画紙として使用される際、現像工程で現像液が該原紙に浸み込むことを防止するために、高いサイズ性を必要とし、サイズ剤としてAKDの添加量も、パルプに対して0.1質量%以上添加する必要がある。一般の印刷用紙を製造する場合よりサイズ剤の添加量が多く、原紙中に混入する異物欠点の数が非常に少ないことを求められる該支持体の原紙を製造する際には、パルプの品質、抄造時のpH調整方法に留意する必要があることを見出した。
まず、本発明において留意すべきパルプの品質とは、パルプ中に含まれる無機系ピッチコントロール剤の量である。パルプ中に含まれる無機系ピッチコントロール剤は、小さなエマルジョンをスラリー中で吸着しやすく、スラリー中の条件によって無機系ピッチコントロール剤とサイズ剤が凝集し、異物欠点を発生しやすい。そして、異物欠点の発生を抑えるために、パルプ中に含まれる無機系ピッチコントロール剤の量を、パルプに対して0.01〜1質量%となるように調整することが必要であることを見出した。
添加する無機系ピッチコントロール剤の量がパルプに対して0.01質量%未満であると、パルプ中に存在する樹脂酸と無機系ピッチコントロール剤が結びつくことによるピッチトラブル防止効果が十分でなく、また、パルプに対して1質量%を超えて添加した際には、ピッチトラブル防止効果は優れるが、無機系ピッチコントロール剤とサイズ剤との凝集がひどくなり、異物欠点が増加してしまうため使用することができない。
次に本発明者は、前記のような無機系ピッチコントロール剤を含有するパルプとAKDとの凝集程度が、スラリーのpHやpH調整方法によって変化することを見出した。スラリー中のpHについては、パルプそのもののpHや添加する薬品によって調整される。スラリーのpHが7.5以下になった際に、パルプ中の無機系ピッチコントロール剤とAKDとの間の相互作用が強まり、異物欠点が発生しやすいことを見出した。そして、異物欠点の発生を抑えるために、パルプ中に無機系pH調整剤を0.05質量%以上添加する必要があることを見出した。パルプ中に無機系pH調整剤を0.05質量%以上添加することにより、パルプのpHをコントロールし、pHを7.5以上に保つことが可能となる。また、サイズ性の観点から、あまりパルプのpHを高くすることは好ましくない。このため、好ましくはパルプ中に添加する無機系pH調整剤の量としては、0.05〜5質量%添加することが好ましく、特に好ましくは、0.05〜3質量%添加することが好ましい。また、本発明におけるパルプスラリーのpHとは、パルプスラリー温度が42±3℃において測定したpHのことである。
本発明に用いられる無機系ピッチコントロール剤として、タルク、クレー等の多孔質無機物が挙げられるが、特に好ましくは、タルクを用いることが、パルプ中に存在する樹脂酸の吸着効果が大きいため好ましい。一方、有機系ピッチコントロール剤では、パルプ中に存在する樹脂酸の吸着効果が不十分であるため、有機系単独では本発明においては使用できないが、パルプ中に存在する樹脂酸の吸着効果を損なわない範囲で無機系ピッチコントロール剤と併用しても良い。
次いで、pH調整方法について検討した。本発明においては、水溶性のアルカリ性金属塩などでpHを調整した方が、不溶性のアルカリ性金属塩を用いてpHを調整するよりも、異物欠点が発生しやすく、また、1価のアルカリ性の金属塩を用いた方が2価のアルカリ性の金属塩を用いるよりも異物欠点が発生しやすいことを見出した。
本発明での不溶性のアルカリ性の金属塩とは、例えば、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられるが、特に好ましくは、炭酸カルシウムを用いた際に、異物欠点が減少するため好ましい。
本発明の支持体用原紙を構成するパルプは、通常、製紙用に使用されるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)など従来から知られている化学パルプの何れもが使用でき、またGP(グランドパルプ)やTMP(サーモメカニカルパルプ)など各種の機械パルプ、さらには古紙パルプや非木材パルプ、合成パルプ、各種パルプ繊維をマーセル化など化学的処理を加えたパルプについても原紙の品質を損なわない範囲で単独にあるいは併用して使用することが可能である。
本発明に内添サイズ剤として用いられるAKDとしては、無機系ピッチコントロール剤とAKDとの凝集を抑えることができ、異物欠点を抑えることができるアニオン性AKDを用いることが好ましい。また、添加するAKDの量は、パルプに対して0.1〜1質量%とする必要がある。AKDの添加量がパルプに対して0.1質量%未満であると、サイズ性の発現が不十分となり、また、パルプに対して1質量%を超えて添加した際には、AKDの添加量に対するサイズ性の発現改良効果が小さくなり、また、実操業時に種々の汚れの原因となるため使用できない。好ましくは、サイズ性の発現効果と実操業時の汚れのバランスから、パルプに対して0.2〜0.5質量%添加することが好ましい。
本発明で用いられるパルプスラリー中には、一般に知られる各種の抄紙用助剤を用いることができる。例えば、填料として炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、デラミネーティッドカオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、カチオン修飾したコロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、有機顔料、紙力剤として澱粉、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ガラクトマンナンなど、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂など、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンドなどの水溶性アルミニウム塩など、内添サイズ剤としてアルケニルまたはアルキルコハク酸無水物、脂肪酸金属塩、脂肪酸、エポキシ系高級脂肪酸アミドなど、他に歩留まり向上剤、染料、顔料、蛍光増白剤などを適宜組み合わせて含有すると有利である。
本発明の支持体用原紙の製造において使用する抄紙機は、一般的な抄紙機であれば特に制限はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリッド抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、各種のコンビネーション抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
また、本発明の支持体用原紙は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液で、タブサイズもしくはサイズプレスすることも可能である。本発明で使用される水溶性高分子添加剤としては、例えば、澱粉、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウムなどが用いられ、さらに、サイズ剤として石油樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体などのラテックスまたはエマルジョン類が、帯電防止剤として無機電解質である食塩、塩化カルシウム、ぼう硝などが、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコールなどが、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなどが、pH調整剤として塩酸、硫酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダなどが用いられ、その他染料、着色顔料、蛍光増白剤などの添加剤を組み合わせて使用することもできる。
支持体用原紙の両面を被覆するために用いられるポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィンの単独重合体、α−オレフィンの共重合体、およびそれらの各種重合体の混合物などから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンを主体とするこれらの混合物である。ポリオレフィン樹脂の分子量には特に制限はないが、通常20,000〜200,000の範囲であれば良い。ポリオレフィン樹脂被覆層の厚さについては特に制限はなく、従来の画像材料用支持体の樹脂層の厚さに準じて決めることができる。その厚さは通常10〜100μm、そして特に15〜50μmの範囲から選ばれる。写真乳剤の塗布される表面を形成するポリオレフィン樹脂被覆層には、通常用いられる二酸化チタンをはじめとする白色顔料、充填剤などが混合可能であり、さらに、蛍光増白剤、またはその他の公知の添加剤が少量添加されていてもよい。本発明のポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体は、カラー写真印画紙用紙、白黒写真印画紙用紙などに使用することができる。
以下に、本発明の実施例を掲げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」は、実質固形分の質量部を示す。
(パルプAの作製)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、濾水度440mlCSFに叩解した後、パルプ固形分1質量%となるように希釈してパルプスラリーとした。こうして得られたパルプスラリーに、炭酸ソーダ適量、硫酸適量を添加してpHが7.0になるように調整し、この後パルプ固形分100部に対し、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを0.05部添加することで、パルプAの試料とした。
(パルプBの作製)
パルプAにおいて、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを1部添加する以外はパルプAと同様にしてパルプBの試料を作製した。
(パルプCの作製)
パルプAにおいて、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを0.01部添加する以外はパルプAと同様にしてパルプCの試料を作製した。
(パルプDの作製)
パルプAにおいて、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを2.5部添加する以外はパルプAと同様にしてパルプDの試料を作製した。
(パルプEの作製)
パルプAにおいて、無機系ピッチコントロール剤としてのタルクを添加しない以外はパルプAと同様にしてパルプEの試料を作製した。
(パルプFの作製)
パルプAにおいて、pH調整剤として炭酸ソーダ適量、硫酸適量を添加することで、pHを6.5に調整した以外はパルプAと同様にしてパルプFの試料を作製した。
(パルプGの作製)
パルプAにおいて、pH調整剤として炭酸ソーダ適量、硫酸適量を添加することで、pHを6.0に調整した以外はパルプAと同様にしてパルプGの試料を作製した。
(パルプHの作製)
パルプAにおいて、無機系ピッチコントロール剤としてタルクの代わりにクレーを用いた以外はパルプAと同様にしてパルプHの試料を作製した。
(パルプIの作製)
パルプAにおいて、ピッチコントロール剤としてタルクの代わりに有機系ピッチコントロール剤(ポリスターOM:日油製)を用いた以外はパルプAと同様にしてパルプIを作製した。
(実施例1)
パルプA パルプ量として100部
軽質炭酸カルシウム(比重0.52)(原紙中灰分で表示)
奥多摩工業製「タマパール121」
紙中含有量が1質量%になるように添加量調整
カチオン化澱粉
日本食品加工製「ネオタック40T」 2部
カチオン性AKDサイズ剤
星光PMC製「AD1608」 0.4部
高級脂肪酸サイズ剤
近代化学工業製「NS−815」 0.15部
歩留まり向上剤
エカケミカルス製「PL1610」 0.01部
抄紙温度を50℃として、パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、これを長網抄紙機で抄造し、抄紙後にカレンダー処理を経て、坪量80g/m2の紙を製造し、実施例1の試料とした。この際のパルプスラリーのpHは7.99であった。
(実施例2)
実施例1においてカチオン性AKDサイズ剤の添加量を1部とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.03であった。
(実施例3)
実施例1においてカチオン性AKDサイズ剤の添加量を0.1部とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.95であった。
(実施例4)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプBを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.02であった。
(実施例5)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプCを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.01であった。
(実施例6)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプFを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.54であった。
(実施例7)
実施例1において、カチオン性AKDサイズ剤を使用する代わりに、アニオン性AKDサイズ剤(荒川化学工業製「サイズパインK−910」)を使用する以外は実施例1と同様にして、実施例7の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.01であった。
(実施例8)
実施例7においてアニオン性AKDサイズ剤の添加量を1部とした以外は実施例7と同様にして、実施例8の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.06であった。
(実施例9)
実施例7においてアニオン性AKDサイズ剤の添加量を0.1部とした以外は実施例7と同様にして、実施例9の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.99であった。
(実施例10)
実施例1において、炭酸カルシウムの代わりにソーダ灰をパルプ100質量%に対して0.1質量%添加した以外は実施例1と同様にして、実施例10の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.86であった。
(実施例11)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプHを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.85であった。
(実施例12)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの添加量を紙中含有量が5質量%になるように添加量を調整して添加した以外は実施例1と同様にして、実施例12の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.30であった。
(比較例1)
実施例1において、カチオン性AKDサイズ剤の添加量を1.5部とした以外は実施例1と同様にして、比較例1の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.03であった。
(比較例2)
実施例1において、カチオン性AKDサイズ剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.94であった。
(比較例3)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプDを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは8.03であった。
(比較例4)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプEを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.99であった。
(比較例5)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプGを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.32であった。
(比較例6)
実施例1において、パルプAの代わりにパルプIを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の試料を作製した。この際のパルプスラリーのpHは7.92であった。
<サイズ性評価>
得られた支持体用原紙に対して、23℃65%RHの環境下にて8時間調湿した後、その両面をコロナ処理し、低密度ポリエチレンを押出機で溶融押出して30g/m2被覆することで、画像材料用支持体を作製し、それぞれの画像材料用支持体に対して次の試験方法により、画像材料用支持体切り口からの浸み込みを評価した。
<浸み込み試験方法>
ベンジルアルコール:ジエチレングリコール:ローズベンガル=100:100:1の液を作製し、20℃に調温し、評価溶液とした。作製した画像材料用支持体を23℃65%RHの環境下にて8時間調湿した後、カッターにて5×5cmにカットしサンプルとした。カットしたサンプルを評価溶液に3分間浸漬し、取り出した後即座に水洗いし直ちに水をふき取り、必要以上に評価溶液がサンプルに浸透することを防いだ。サンプルのカッター切断辺から、赤染料が確認できる距離を測定した。浸透度合いが0.5mm未満のものを○、0.5mm以上0.8mm未満のものを△、0.8mm以上のものを×と評価した。製品として適するものは、△以上の評価のものである。
<異物欠点評価>
得られた支持体用原紙に対して、異物欠点が生じているかどうか、作製した試料を目視にて確認することで異物欠点評価を実施した。欠点が生じていないものを◎、0.5×0.5mm以上の異物欠点が1個生じているものを○、2個異物欠点が生じているものを△、3個以上異物欠点が生じているものを×とした。製品として適するものは△以上の評価のものである。
Figure 2009167535
<結果評価>
実施例1、2、3と比較例1、2を比較した結果、AKDサイズ剤を1.5部と過剰に添加した比較例1の場合、異物欠点が多くなる。また、AKDサイズ剤を添加しない比較例2の場合、サイズ性に劣る。それに対して、AKDサイズ剤を0.1〜1部添加した実施例1、2、3の場合、サイズ性に優れ、異物欠点が少ない原紙を作製できる。
実施例1、4、5と比較例3、4を比較した結果、タルクを過剰に添加する比較例3、タルクを添加しない比較例4ともに、異物欠点が増加する。これは、タルクを過剰添加した場合には、サイズ剤との凝集による異物欠点が増加し、また、タルクを添加しない場合はピッチ由来の異物欠点が増加しているものと考えられる。それに対し、タルクを0.01〜1部添加した実施例1、4、5の場合、サイズ性に優れ、異物欠点が少ない原紙を作製できる。
実施例1、6と比較例5を比較した結果、パルプスラリーのpHを7.5未満に調整した比較例5の場合、異物欠点が増加する。それに対し、パルプスラリーのpHを7.5以上に調整した実施例1、6の場合、サイズ性に優れ、異物欠点が少ない原紙を作製できる。
実施例1〜3、7〜9を比較した結果、AKDサイズ剤としてアニオン性AKDサイズ剤を使用した方が、カチオン性AKDサイズ剤を使用したときよりも異物欠点が少なくなる。また、サイズ性に関しては、大きな差は見られない。
実施例1、10を比較した結果、pH調整剤として炭酸カルシウムを使用した方が、炭酸ソーダ(ソーダ灰)を使用したときよりも異物欠点が少なくなる。また、サイズ性に関しては、大きな差は見られない。
実施例1、11と比較例6を比較した結果、ピッチコントロール剤として有機系ピッチコントロール剤を使用した比較例6の場合、異物欠点が増加する。また、無機系ピッチコントロール剤としてタルクを使用したときに、異物欠点が最も減少する。サイズ性に関しては、大きな差は見られない。
実施例1、12を比較した場合、pH調整剤としての炭酸カルシウムの添加量が多い方が、サイズ性に劣る。異物欠点に関しては、大きな差は見られない。
本発明は、サイズ性に優れ、かつ、異物欠点の少ない支持体用原紙を提供することが可能である。

Claims (4)

  1. 紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙において、原紙に用いられるパルプスラリー中に、パルプに対して、ピッチコントロール剤として無機系ピッチコントロール剤を0.01〜1質量%、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを0.1〜1質量%、pH調整剤として無機系pH調整剤を0.05質量%以上含有し、かつ抄紙時のパルプスラリーのpHが7.5以上であることを特徴とする支持体用原紙。
  2. 前記無機系pH調整剤が炭酸カルシウムである請求項1記載の支持体用原紙。
  3. 前記内添サイズ剤がアニオン性アルキルケテンダイマーである請求項1または2記載の支持体用原紙。
  4. 紙基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した画像材料用支持体に用いられる支持体用原紙において、原紙に用いられるパルプスラリーに、パルプに対して、ピッチコントロール剤として無機系ピッチコントロール剤を0.01〜1質量%、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを0.1〜1質量%、pH調整剤として無機系pH調整剤を0.05質量%以上添加し、かつ抄紙時のパルプスラリーのpHを7.5以上にして抄造することを特徴とする支持体用原紙の製造方法。
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