JP2008087266A - インクジェット記録シート - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、嵩高感、不透明度、画像品位及び読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく提供することである。
【解決手段】原紙にカチオン性化合物を含有する塗料を付着させてなるインクジェット記録シートで、カチオン性化合物の固形付着量を両面で2.0〜5.0g/m2付着させ、かつJIS P8122に準拠するステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整してなるインクジェット記録シートにおいて、該インクジェット記録シートに用いられる原紙が、少なくともJIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の低密度填料を紙質量当たり5%以上15%以下含有し、該原紙の密度が0.55g/cm3以上0.75g/cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録シートにより達成された。
【選択図】 なし
【解決手段】原紙にカチオン性化合物を含有する塗料を付着させてなるインクジェット記録シートで、カチオン性化合物の固形付着量を両面で2.0〜5.0g/m2付着させ、かつJIS P8122に準拠するステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整してなるインクジェット記録シートにおいて、該インクジェット記録シートに用いられる原紙が、少なくともJIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の低密度填料を紙質量当たり5%以上15%以下含有し、該原紙の密度が0.55g/cm3以上0.75g/cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録シートにより達成された。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水溶性インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものであり、更に詳しくは、特に嵩があり、不透明度に優れ、記録密度の高い高精細なバーコードなどを印字したときでも、画像品位、読み取り品質、インク吸収性、画像耐水性が良好であり、製造時において操業性に優れるインクジェット記録シートに関するものである。
近年、環境の観点から、古紙利用率のアップとともに、紙の軽量化が提唱されるようになってきた。紙の軽量化の為の技術としては、化学的作用によって、繊維と繊維の間の結合を阻害して、紙の嵩密度を発現させる方法や抄造の際にシラスバルーンなどの低密度な嵩高填料を含有し抄紙することが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、原紙を軽量化させ、これにインク受理層を設けるインクジェット記録シートとして、該原紙に多価アルコールに脂肪酸エステル等の低密度化薬品を含有することで原紙を軽量化させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、低密度化薬品をパルプ繊維のスラリーに添加し、抄造する場合でも、操業条件としてウエットプレスやドライヤー、カレンダー条件をうまく調整する必要があり、マシン速度が低下したり、紙を製造する場合に、カレンダーにおいて充分な線圧をかけることができず、結果、紙厚のプロファイルをうまく調整することができず、著しく生産性を落とす場合がある。
従って、本発明が目的とする、嵩高感、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性と操業性を同時に満足することはできなかった。
特公昭52−39924号公報
特開2002−103791号公報
従って、本発明の目的は、嵩高感、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)原紙にカチオン性化合物を含有する塗料を付着させてなるインクジェット記録シートで、カチオン性化合物の固形付着量を両面で2.0〜5.0g/m2付着させ、かつJIS P8122に準拠するステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整してなるインクジェット記録シートにおいて、該インクジェット記録シートに用いられる原紙が、少なくともJIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の低密度填料を紙質量当たり5%以上15%以下含有し、該原紙の密度が0.55g/cm3以上0.75g/cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録シート。
1)原紙にカチオン性化合物を含有する塗料を付着させてなるインクジェット記録シートで、カチオン性化合物の固形付着量を両面で2.0〜5.0g/m2付着させ、かつJIS P8122に準拠するステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整してなるインクジェット記録シートにおいて、該インクジェット記録シートに用いられる原紙が、少なくともJIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の低密度填料を紙質量当たり5%以上15%以下含有し、該原紙の密度が0.55g/cm3以上0.75g/cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録シート。
2)前記見かけ比重0.4以下の低密度填料が、アルミノ珪酸塩であることを特徴とする1)記載のインクジェット記録シート。
3)前記カチオン性化合物が、トリメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物またはジメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物を含むことを特徴とする1)または2)記載のインクジェット記録シート。
本発明により、特に嵩があり、不透明度に優れ、記録密度の高い高精細なバーコードなどを印字したときでも、画像品位、読み取り品質、インク吸収性、画像耐水性が良好であるインクジェット記録シートを操業性よく提供することが可能となる。
以下、本発明のインクジェット記録シートを詳細に説明する。
はじめに、本発明におけるインクジェット記録シート用原紙について述べる。本発明者は、まず、安定的に該原紙を製造する為の填料の比重と添加量に関して鋭意検討を行った。該原紙を製造する場合には、プレス・カレンダーといった製造条件も調整して製造することが必要であるが、実際には、プレス・カレンダー共に、一定の線圧以上に圧力をかけないと、幅手でのプロファイルがとれなかったり、紙の走行中にシワが入るなど、操業性を著しく悪化させる。そこで、比重の軽い填料を紙中に内添させ、紙全体の嵩を出しやすくすることで、該原紙を製造する際に、プレス・カレンダーにおいて、一定の圧力がかけられるようにできる。そして、少なくとも該原紙において、JIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の填料(以下本発明においては低密度填料とする)を紙質量当たり5質量%以上含有させることが必要であることを見出した。このように低密度填料を含有して原紙を抄造することで、紙層間に小さな空隙が生じ、原紙そのものがインク吸収層の役目を果たすことになり、インク吸収性が向上する。
はじめに、本発明におけるインクジェット記録シート用原紙について述べる。本発明者は、まず、安定的に該原紙を製造する為の填料の比重と添加量に関して鋭意検討を行った。該原紙を製造する場合には、プレス・カレンダーといった製造条件も調整して製造することが必要であるが、実際には、プレス・カレンダー共に、一定の線圧以上に圧力をかけないと、幅手でのプロファイルがとれなかったり、紙の走行中にシワが入るなど、操業性を著しく悪化させる。そこで、比重の軽い填料を紙中に内添させ、紙全体の嵩を出しやすくすることで、該原紙を製造する際に、プレス・カレンダーにおいて、一定の圧力がかけられるようにできる。そして、少なくとも該原紙において、JIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の填料(以下本発明においては低密度填料とする)を紙質量当たり5質量%以上含有させることが必要であることを見出した。このように低密度填料を含有して原紙を抄造することで、紙層間に小さな空隙が生じ、原紙そのものがインク吸収層の役目を果たすことになり、インク吸収性が向上する。
本発明に用いられるパルプとしては、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)など従来から知られている化学パルプの何れもが使用でき、またGP(グランドパルプ)やTMP(サーモメカニカルパルプ)など各種の機械パルプ、さらには古紙パルプや非木材パルプ、合成パルプ、各種パルプ繊維をマーセル化など化学的処理を加えたパルプについても原紙の品質を損なわない範囲で単独にあるいは併用して使用する事が可能である。
本発明に用いられる低密度填料としては、JIS Z8807で示される見かけ比重0.4以下である填料であれば、如何なる公知の填料をも用いることが出来る。例えば、水和珪酸塩、アルミノ珪酸塩、中空粒子、有機填料、無機填料などが挙げられる。好ましくは、アルミノ珪酸塩を用いることが印字品質、操業性の点において好ましい。
本発明においては、低密度填料と併用して、内添填料を添加することがサイズ性の点から好ましい。内添填料を添加することにより、低密度填料を添加することによるサイズ性の低下を補うことが可能である。内添填料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、デラミネーティッドカオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、カチオン修飾したコロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、有機顔料といった公知の製紙用填料を使用することが出来る。
本発明で用いられるパルプスラリー中には、一般に知られる各種の抄紙用助剤を用いることが出来る。例えば、紙力剤として澱粉、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ガラクトマンナンなど、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂など、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物、脂肪酸金属塩、脂肪酸、エポキシ系高級脂肪酸アミド、ロジン誘導体など、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンドなどの水溶性アルミニウム塩など、pH調整剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸など、他に歩留まり向上剤、染料、顔料、蛍光増白剤、を適宜組み合わせて含有すると有利である。
また、本発明においては、低密度化を進めるために、嵩高剤または紙厚向上剤を添加する方が好ましい。嵩高剤としては、一般に知られている公知の嵩高剤が使用でき、例えば、ノニオン系界面活性剤や脂肪酸ポリアミドアミン等が挙げられる。
本発明の原紙の製造方法において使用する抄紙機は、一般的な抄紙機であれば特に制限は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリット抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、各種のコンビネーション抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できるが、抄紙機ウェットパートおよびプレスパートにおいて紙匹に加える外力をできる限り穏やかにする設備や運転条件が望ましく、例えば、湿った状態の紙匹を低圧で処理できるシュープレスや乾燥後の平滑化処理をソフトカレンダーで行う事は、本発明の嵩高効果を損ねず望ましい方法である。
次にインク吸収層について述べる。従来から、インクジェット記録方式に用いられる直接染料や酸性染料を含有する水溶性インクの画像耐水性を向上させるためには、染料のアニオン性部分とカチオン性物質の反応による染料の定着と耐水化処理が有効であることは自明のことであるが、従来の技術として、画像耐水性を少量のカチオン性物質で付与し、画像品位(フェザリング)をサイズ剤によるサイズ性をコントロールで両立させるという観点に主眼を置いていたため、高速インクジェットプリンティングの作業性と従来求められている品質を両立させた場合、本発明で課題としている記録密度の高い高精細なバーコード等の読み取りに対して十分な品質が得られない。そこで、本発明は従来とは異なり、カチオン性樹脂を従来では想像もしない量を付着させることにより、極めて優れた画像品位が得られることを見出し、さらにはサイズ性のコントロールと組み合わせることが、特に有効であることを見出して本発明に至った。本来画像耐水性の向上に使用されているカチオン性樹脂を多量に使用するため、インクセット性を全く低下させずに、極めて優れた画像品位を得ることが出来る。
本発明で使用するカチオン性樹脂は、水に溶解したときカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーであり、好ましくは、オリゴマーまたはポリマーである。特に、カチオン性樹脂が、トリメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物またはジメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物を主成分とする化合物である時に優れた画像品位と画像耐水性が得られる。
本発明において、カチオン性樹脂の固形付着量が2.0g/m2より少ないと、たとえステキヒトサイズ度が20〜50秒の範囲にあっても、インクセット性が劣るため印字ムラが顕著となり、例えば「UCC/EAN128コード」のような高精細なバーコードに対して、十分な読み取り品質が得られない。また、カチオン性樹脂が5.0g/m2を超えた場合、インクの滲みが少なすぎてインクドット間に隙間が生じることとなり、バーコードではバーの印字部分に白抜けが発生し、「UCC/EAN128コード」のような高精細なバーコードに対して、十分な読み取り品質が得られなくなる。加えて、カチオン成分に由来して、金属部分で錆が発生しやすくなり、抄紙機や印刷機でのトラブルが懸念されるため好ましくない。
一方、ステキヒトサイズ度が20〜50秒の範囲から外れた場合、たとえカチオン性樹脂の固形付着量が両面で2.0〜5.0g/m2の範囲であっても、バーコードのバーが滲みすぎる、あるいは滲みが少なくなりすぎて「UCC/EAN128コード」のような高精細なバーコードに対して、十分な読み取り品質が得られない。また、ステキヒトサイズ度が50秒を超えるとインクセット性が低下傾向となり大きく超えた場合は、インクジェットプリンター印字作業での乾燥不良を起こし、シートを汚すことも懸念されるため好ましくない。
カチオン性樹脂を付着させる方法としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、前計量型トランスファロールコーターの他、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コスト、及び一工程で紙の両面を処理できる点からは抄紙機に設置されているサイズプレス、ゲートロールコーター、前計量型トランスファロールコーターなどによってカチオン性樹脂を付着させ、オンマシンで仕上げるのが望ましい。
ステキヒトサイズ度のコントロールは、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤などの内添サイズ剤の調整のみでも可能だが、サイズプレス装置またはゲートロール装置等でカチオン性樹脂と併用して表面サイズ剤を用いることで、さらにバーコード画像品位が向上し、バーコード読み取り品質を向上することができる。その理由として、内添サイズ剤はパルプ繊維に凝集して付着することがあり、サイズ性にムラが起こりやすいが、表面サイズ剤を併用することで、このサイズ性のムラを均すことが出来るためと考えられる。
カチオン性樹脂と併用される表面サイズ剤としては、スチレン/アクリル酸系重合体、スチレン/メタアクリル酸系重合体、アクリロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸系共重合体、アルキルケテンダイマー、ロジン系などの表面サイズ剤が挙げられるが、カチオン性樹脂との混合のためには、微弱アニオン性〜カチオン性の表面サイズ剤が好ましい。
本発明のインクジェット記録シートにおいては、カチオン性樹脂、表面サイズ剤と同時に各種バインダーも必要に応じて用いられ、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉または各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールまたはそれらの誘導体などを単独或いは併用して使用することができる。操業性、コストの面から澱粉の使用が好ましい。本発明でいう澱粉には、上記の酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、各種変性澱粉が含まれる。
カチオン性樹脂と共にバインダーを併用する場合、バインダーの固形付着量が少なくなるとカチオン性樹脂の効果が得られやすくなるため、インクジェット印字部の印字濃度、印字濃度ムラは良好になるが、耐刷性が悪化傾向となる。また、バインダーの固形付着量が多くなると凸版印刷やオフセット印刷等における耐刷性は良好になるが、カチオン性樹脂の効果が小さくなる、あるいはバインダーの塗布ムラが起きやすく、インクジェット印字部の印字濃度、印字濃度ムラは悪化する傾向となる。そのため、バインダーの固形付着量としては、両面で1.0〜3.0g/m2が好ましい。
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す「部」は、実質固形分の質量部を示す。
<原紙1の作製>
LBKP(濾水度440mlcsf) 100部
軽質炭酸カルシウム(比重0.52)(原紙中灰分で表示)
奥多摩工業製「タマパール121」
紙中含有量が15質量%になるように添加量調整
低密度填料(比重0.35)(アルミノ珪酸塩)
ローデア社製「チキソレックス17」
紙中含有量が10質量%になるように添加量調整
硫酸バンド 0.4部
カチオン化澱粉
日本食品加工製「ネオタック40T」 1部
アルキルケテンダイマーサイズ剤
荒川化学工業製「サイズパインK−903−20」 0.13部
カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤
ハイモ製「NR11LS」 0.03部
嵩高剤(高級脂肪酸系化合物)
星光PMC「PT8102」 0.5部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量80g/m2の基紙を抄造し、マシンカレンダーを用い、65℃、カレンダー処理速度900m/分で、1ニップ、12kN/mの条件でカレンダー処理し、原紙1の試料とした。この時の紙密度は、0.68g/cm3であった。
LBKP(濾水度440mlcsf) 100部
軽質炭酸カルシウム(比重0.52)(原紙中灰分で表示)
奥多摩工業製「タマパール121」
紙中含有量が15質量%になるように添加量調整
低密度填料(比重0.35)(アルミノ珪酸塩)
ローデア社製「チキソレックス17」
紙中含有量が10質量%になるように添加量調整
硫酸バンド 0.4部
カチオン化澱粉
日本食品加工製「ネオタック40T」 1部
アルキルケテンダイマーサイズ剤
荒川化学工業製「サイズパインK−903−20」 0.13部
カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤
ハイモ製「NR11LS」 0.03部
嵩高剤(高級脂肪酸系化合物)
星光PMC「PT8102」 0.5部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量80g/m2の基紙を抄造し、マシンカレンダーを用い、65℃、カレンダー処理速度900m/分で、1ニップ、12kN/mの条件でカレンダー処理し、原紙1の試料とした。この時の紙密度は、0.68g/cm3であった。
<原紙2の作製>
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.60g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙2の試料を作製した。
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.60g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙2の試料を作製した。
<原紙3の作製>
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.72g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙3の試料を作製した。
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.72g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙3の試料を作製した。
<原紙4の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに特殊炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製「PP−4」見かけ比重=0.40)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.71g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙4の試料を作製した。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに特殊炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製「PP−4」見かけ比重=0.40)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.71g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙4の試料を作製した。
<原紙5の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに合成非晶質シリカ(株式会社トクヤマ製「トクシールGU−N」見かけ比重=0.18)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙5の試料を作製した。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに合成非晶質シリカ(株式会社トクヤマ製「トクシールGU−N」見かけ比重=0.18)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙5の試料を作製した。
<原紙6の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中5質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中20質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.72g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙6の試料を作製した。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中5質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中20質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.72g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙6の試料を作製した。
<原紙7の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中15質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中10質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙7の試料を作製した。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中15質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中10質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙7の試料を作製した。
<原紙8の作製>
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.76g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙8の試料を作製した。
原紙1においてカレンダー線圧を調整し、紙密度を0.76g/cm3に調整した以外は原紙1と同様にして、原紙8の試料を作製した。
<原紙9の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに特殊炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製「PP−S」見かけ比重=0.60)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.75g/cm3以下に調整しようとしたが、調整することができなかった。この時の試料を原紙9の試料とした。この時の紙密度は、0.77g/cm3であった。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩の代わりに特殊炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製「PP−S」見かけ比重=0.60)を用い、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.75g/cm3以下に調整しようとしたが、調整することができなかった。この時の試料を原紙9の試料とした。この時の紙密度は、0.77g/cm3であった。
<原紙10の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中2質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中23質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整した以外は原紙1と同様にして、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.75g/cm3以下に調整しようとしたが、調整することができなかった。この時の試料を原紙10の試料とした。この時の紙密度は、0.76g/cm3であった。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中2質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中23質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整した以外は原紙1と同様にして、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.75g/cm3以下に調整しようとしたが、調整することができなかった。この時の試料を原紙10の試料とした。この時の紙密度は、0.76g/cm3であった。
<原紙11の作製>
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中18質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中7質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙11の試料を作製した。
原紙1において、低密度填料として用いたアルミノ珪酸塩が、紙中18質量%、軽質炭酸カルシウムが、紙中7質量%含有されるように、それぞれの填料の配合量を調整し、カレンダー線圧を調整して紙密度を0.65g/cm3にした以外は原紙1と同様にして、原紙11の試料を作製した。
(実施例1)
上記により作製した原紙1に、カチオン性樹脂としてジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、里田化工株式会社製)を固形付着量で両面で2.5g/m2、酸化澱粉(商品名:MS#3800、日本食品化工社製)を固形付着量で両面で0.3g/m2となるようにオンマシンのサイズプレス装置を用いて付着させ、マシンカレンダー処理を行って、実施例1のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は25秒であった。
上記により作製した原紙1に、カチオン性樹脂としてジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、里田化工株式会社製)を固形付着量で両面で2.5g/m2、酸化澱粉(商品名:MS#3800、日本食品化工社製)を固形付着量で両面で0.3g/m2となるようにオンマシンのサイズプレス装置を用いて付着させ、マシンカレンダー処理を行って、実施例1のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は25秒であった。
(実施例2)
上記原紙2を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は27秒であった。
上記原紙2を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は27秒であった。
(実施例3)
上記原紙3を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は22秒であった。
上記原紙3を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は22秒であった。
(実施例4)
上記原紙4を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は26秒であった。
上記原紙4を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は26秒であった。
(実施例5)
上記原紙5を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は23秒であった。
上記原紙5を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は23秒であった。
(実施例6)
上記原紙6を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は30秒であった。
上記原紙6を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は30秒であった。
(実施例7)
上記原紙7を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は21秒であった。
上記原紙7を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は21秒であった。
(実施例8)
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で5.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は47秒であった。
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で5.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は47秒であった。
(実施例9)
カチオン性樹脂をジアルキルアミン・アンモニウム・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス31A、里田化工株式会社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は35秒であった。
カチオン性樹脂をジアルキルアミン・アンモニウム・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス31A、里田化工株式会社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は35秒であった。
(比較例1)
上記原紙8を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は20秒であった。
上記原紙8を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は20秒であった。
(比較例2)
上記原紙9を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は35秒であった。
上記原紙9を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は35秒であった。
(比較例3)
上記原紙10を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は34秒であった。
上記原紙10を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は34秒であった。
(比較例4)
上記原紙10を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は17秒であった。
上記原紙10を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は17秒であった。
(比較例5)
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で1.8g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は18秒であった。
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で1.8g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は18秒であった。
(比較例6)
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で5.3g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は55秒であった。
カチオン性樹脂の固形付着量を両面で5.3g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット記録シートを作製した。このシートのステキヒトサイズ度は55秒であった。
<嵩高感評価>
得られたインクジェット記録シートの密度を測定し、嵩高感の評価とした。密度の測定は、JIS P8118に従った。さらに評価用画像を印字した印字物を作成し、印字物単枚の風合いや手肉感を触感して、ボリューム感ある印字物として感じられるか否かを以下の3段階で評価した。嵩高感の高い物を○、やや嵩高感があるものを△、嵩高感の無いものを×とした。
得られたインクジェット記録シートの密度を測定し、嵩高感の評価とした。密度の測定は、JIS P8118に従った。さらに評価用画像を印字した印字物を作成し、印字物単枚の風合いや手肉感を触感して、ボリューム感ある印字物として感じられるか否かを以下の3段階で評価した。嵩高感の高い物を○、やや嵩高感があるものを△、嵩高感の無いものを×とした。
<操業性評価>
得られたインクジェット記録シートに対して、実操業における、操業性の良さを評価した。本発明のインクジェット記録シートを製造する際に、問題無く操業できる物を○、若干の難はあるが、操業可能な物を△、かなりの難があり、実操業が困難である物を×とした。
得られたインクジェット記録シートに対して、実操業における、操業性の良さを評価した。本発明のインクジェット記録シートを製造する際に、問題無く操業できる物を○、若干の難はあるが、操業可能な物を△、かなりの難があり、実操業が困難である物を×とした。
<不透明度評価>
得られたインクジェット記録シートに対してベタ印字を実施し、裏から見ることで裏抜けを目視にて確認した。この裏抜け具合を不透明度の判定とした。裏抜けがほとんどないものを○、若干裏抜けがあるが、印字画像は見えないものを△、裏抜けがあり、印字画像が見えるものを×とした。
得られたインクジェット記録シートに対してベタ印字を実施し、裏から見ることで裏抜けを目視にて確認した。この裏抜け具合を不透明度の判定とした。裏抜けがほとんどないものを○、若干裏抜けがあるが、印字画像は見えないものを△、裏抜けがあり、印字画像が見えるものを×とした。
<画像品位評価>
インクジェット印字後の画像を、印字濃度等を目視にて総合的に判断し評価した。良好なものを○、若干の難があるが実使用上問題ないレベルを△、問題が大きく実使用上問題となるレベルを×とした。
インクジェット印字後の画像を、印字濃度等を目視にて総合的に判断し評価した。良好なものを○、若干の難があるが実使用上問題ないレベルを△、問題が大きく実使用上問題となるレベルを×とした。
<読み取り品位評価>
インクジェット印字されたバーコードについて、「UCC/EAN128による標準料金代理収納ガイドライン」に従い、ANSI X3.182に準拠してバーコード読み取り評価を行った。バーコード検証機は、「Quick Check PC600」(HHP社製)を用い、測定部開口径が0.075mm(3mil)のリーダーでバーコードを10回走査させ、平均値で評価した。品質判定基準は以下の通りである。
A:バーコードリーダーの1回の走査により読み取りが可能なレベルで最高品質である。B:ほとんどの場合1回の走査で読めるが、再スキャンで読み取れるレベルである。
C:Bよりも再スキャンの回数を多くすれば読み取れるレベルである。
D:バーコードに対して複数の走査線を通過させると読み取れるレベルである。
F:ほとんど読み取ることが出来ないレベルである。
バーコードの品質としては、C以上であれば実用上問題ない。より安定した品質を得るためにB以上が好ましいとされている。D以下は、実用上問題が発生するため、使用不可とされている。
インクジェット印字されたバーコードについて、「UCC/EAN128による標準料金代理収納ガイドライン」に従い、ANSI X3.182に準拠してバーコード読み取り評価を行った。バーコード検証機は、「Quick Check PC600」(HHP社製)を用い、測定部開口径が0.075mm(3mil)のリーダーでバーコードを10回走査させ、平均値で評価した。品質判定基準は以下の通りである。
A:バーコードリーダーの1回の走査により読み取りが可能なレベルで最高品質である。B:ほとんどの場合1回の走査で読めるが、再スキャンで読み取れるレベルである。
C:Bよりも再スキャンの回数を多くすれば読み取れるレベルである。
D:バーコードに対して複数の走査線を通過させると読み取れるレベルである。
F:ほとんど読み取ることが出来ないレベルである。
バーコードの品質としては、C以上であれば実用上問題ない。より安定した品質を得るためにB以上が好ましいとされている。D以下は、実用上問題が発生するため、使用不可とされている。
<インク吸収性>
インクジェット印字を行った部位について、印字直後に印字部のインクが溢れていないかの目視判定を行った。溢れが生じることで、印字後に印字ムラが生じる場合がある。良好なものを○、実用上問題ないレベルを△、溢れが酷く実用上問題となるレベルを×とした。
インクジェット印字を行った部位について、印字直後に印字部のインクが溢れていないかの目視判定を行った。溢れが生じることで、印字後に印字ムラが生じる場合がある。良好なものを○、実用上問題ないレベルを△、溢れが酷く実用上問題となるレベルを×とした。
<画像耐水性>
インクジェット印字後のシートを水道水中に30秒間浸積した後、余分な水分を濾紙で吸い取り自然乾燥した。その後、記録画像の滲みの程度を目視で評価した。良好なものを○、若干の滲みがあるが実使用上問題ないレベルを△、滲みが酷く実使用上問題となるレベルを×とした。
インクジェット印字後のシートを水道水中に30秒間浸積した後、余分な水分を濾紙で吸い取り自然乾燥した。その後、記録画像の滲みの程度を目視で評価した。良好なものを○、若干の滲みがあるが実使用上問題ないレベルを△、滲みが酷く実使用上問題となるレベルを×とした。
<結果評価>
実施例1、2、3と比較例1を比較した結果、原紙密度が0.75g/cm3以下の原紙を用いることで、嵩高感があり、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく製造することができることがわかる。原紙密度が0.75g/cm3を超える原紙の場合では、嵩高感に劣り、不透明度が低くなり、インク吸収性が劣る。
実施例1、2、3と比較例1を比較した結果、原紙密度が0.75g/cm3以下の原紙を用いることで、嵩高感があり、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく製造することができることがわかる。原紙密度が0.75g/cm3を超える原紙の場合では、嵩高感に劣り、不透明度が低くなり、インク吸収性が劣る。
実施例1、4、5と比較例2を比較した結果、低密度填料として見かけ比重0.4以下の填料を使用することで、嵩高感があり、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく製造することができることがわかる。特に、低密度填料としてアルミノ珪酸塩を使用することで、品質と操業性のバランスがとりやすいことがわかる。
実施例1、6、7と比較例3、4を比較した結果、低密度填料を紙質量当たり5質量%以上15質量%以下含有させることで、嵩高感があり、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく製造することができることがわかる。低密度填料が紙質量当たり5質量%未満の場合には、嵩が出にくく、結果、カレンダー線圧を下げても嵩を出すことができず、同時に、紙厚プロファイルを調整することができない。低密度填料が紙質量当たり15質量%を超える場合には、サイズ性が悪化しマシン速度が低下し、操業性が悪化する。
実施例1、8、9と比較例5、6を比較した結果、カチオン性樹脂の固形付着量が両面で2.0〜5.0g/m2で、かつステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整したとき、嵩高感があり、不透明度、画像品位、読み取り品位、インク吸収性、画像耐水性に優れたインクジェット記録シートを操業性よく製造することができることがわかる。カチオン性樹脂の固形付着量が2.0g/m2よりも少ない場合は、インクセット性に劣るため、画像品位、読み取り品位が悪化し、画像耐水性に劣る。また、カチオン性樹脂の固形付着量が5.0g/m2を超える場合には、インクの滲みが少なすぎてインクドット間に隙間が生じることとなり、バーコードではバーの印字部分に白抜けが発生するために、読み取り品位が悪化する。
本発明のインクジェット記録シートは、嵩高感、不透明度に優れ、画像品位及び読み取り品質、インク吸収性、画像耐水性が良好であり、製造時において操業性よく提供することが可能である。
Claims (3)
- 原紙にカチオン性化合物を含有する塗料を付着させてなるインクジェット記録シートで、カチオン性化合物の固形付着量を両面で2.0〜5.0g/m2付着させ、かつJIS P8122に準拠するステキヒトサイズ度を20〜50秒に調整してなるインクジェット記録シートにおいて、該インクジェット記録シートに用いられる原紙が、少なくともJIS Z8807に示される見かけ比重0.4以下の低密度填料を紙質量当たり5%以上15%以下含有し、該原紙の密度が0.55g/cm3以上0.75g/cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録シート。
- 前記見かけ比重0.4以下の低密度填料が、アルミノ珪酸塩であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
- 前記カチオン性化合物が、トリメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物またはジメチルアミン・エピクロルヒドリン化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006269137A JP2008087266A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | インクジェット記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006269137A JP2008087266A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | インクジェット記録シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008087266A true JP2008087266A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39371919
Family Applications (1)
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JP2006269137A Pending JP2008087266A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | インクジェット記録シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008087266A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017035854A (ja) * | 2015-08-13 | 2017-02-16 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット記録用紙 |
JP2017109382A (ja) * | 2015-12-16 | 2017-06-22 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット記録用紙 |
JP2017109381A (ja) * | 2015-12-16 | 2017-06-22 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット記録用紙 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006269137A patent/JP2008087266A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017035854A (ja) * | 2015-08-13 | 2017-02-16 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット記録用紙 |
JP2017109382A (ja) * | 2015-12-16 | 2017-06-22 | 北越紀州製紙株式会社 | インクジェット記録用紙 |
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