JP4306546B2 - 塗工紙 - Google Patents

塗工紙 Download PDF

Info

Publication number
JP4306546B2
JP4306546B2 JP2004193315A JP2004193315A JP4306546B2 JP 4306546 B2 JP4306546 B2 JP 4306546B2 JP 2004193315 A JP2004193315 A JP 2004193315A JP 2004193315 A JP2004193315 A JP 2004193315A JP 4306546 B2 JP4306546 B2 JP 4306546B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
coating layer
parts
coated paper
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004193315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005036379A (ja
Inventor
健司 柳沢
智文 時吉
真之 山本
茂 長嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2004193315A priority Critical patent/JP4306546B2/ja
Publication of JP2005036379A publication Critical patent/JP2005036379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4306546B2 publication Critical patent/JP4306546B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、塗工紙に関し、特に透気性に優れ、印刷時のブリスターの発生を効果的に抑制することができ、かつ印刷仕上がりの良好な塗工紙に関するものである。
商用印刷に用いられる一形態であるオフセット輪転印刷(以下、「オフ輪印刷」とも称す。)は、印刷用紙が巻き取りにて給紙され、用紙上にインキが転移された後、乾燥機でインキが乾燥され、再び巻き取られる。さらに折り機で折り状態となる。いずれの場合にも、乾燥機を出た用紙表面のインキが完全に乾いていないと、塗工紙表面や印刷機上に汚れを生じたりするために、極めて高温条件に設定された乾燥機が用いられるが、その際に用紙にブリスターと呼ばれる欠陥が生ずる場合がある。
このオフ輪印刷におけるブリスター(ペーパーブリスターと呼ばれる)は、用紙内の水分の急激な気化による蒸気圧の上昇で、用紙に厚さ方向の力がかかり、紙層中に層間剥離による空隙を生じる現象で、用紙中の水分がスムーズに散逸しないことが発生原因であるといわれる。このためブリスターの発生は、特に表裏に透気性の劣る塗工層を有する印刷用紙で発生しやすい。近年の印刷速度の高速化に伴い、乾燥温度はさらに高くなる傾向にあり、ブリスターの抑制は困難になりつつある。中でも、スーパーカレンダーによる光沢付与工程を経て得られる高光沢の印刷用紙は、より塗工層が緻密化されているため、より透気性の劣る塗工層となり、ブリスターが特に発生しやすい。
オフ輪印刷におけるブリスターの発生抑制については、多くの提案がなされている。大きく分けると二つの方法に分類することができ、一つ目は塗工紙の紙状基材(以下、「原紙」と記載することがある。)の層間強度を高め、水蒸気圧による膨張に抗して層間剥離を起こさせない方法、二つ目は塗工層の透気性を良好なものとし、発生する水蒸気を逃がして蒸気圧を低下させる方法である。
原紙の層間強度向上については、種々の提案がなされている。例えば、原紙の層間強度を特定値以上にする方法(例えば、特開平11−160906号公報(2頁)(特許文献1)参照)、原紙にカチオン化澱粉およびポリアクリルアミドと特定量含有する方法(例えば、特開平6−25996号公報(2頁)(特許文献2)参照)などが提案され、実用化されているものもある。しかしながら、原紙の層間強度向上の上記手法は、原紙上に形成される塗工層の透気度が高い場合、水蒸気の散逸が該塗工層で大きく阻害されるために原紙の層間強度向上だけではブリスター発生を完全には抑えられない。
また、塗工層の透気性を良好にする方法についても、数々の提案がなされている。例えば、下塗り層と上塗り層のうち、下塗り層に特定のゲル含有率を持つラテックスを使用する方法(例えば、特開平9−324395号公報(2頁)(特許文献3)参照)、特定の顔料およびバインダーを使用し、疎面化ロールにて表面処理する方法(例えば、特開平5−247891号公報(2頁)(特許文献4)参照)、ガラス転移点(以下、「Tg」と記す。)の異なるラテックスを、紙状基材もしくは下塗り層上に塗工する方法(例えば、特開昭59−22683号公報(2頁)(特許文献5)参照)、特定のアスペクト比を持つカオリンを使用する方法(例えば、特開2000−226791号公報(2頁)(特許文献6)参照)、高Tgラテックスを含有する塗工層の乾燥に過熱水蒸気等を用いる方法(例えば、特開平8−158297号公報(2頁)(特許文献7)参照)等がある。ところが、塗工層が複数層である場合には、塗工層厚みが増すために所期の透気性にはなり難い。また複数回の塗工工程であるために生産コストは高くなる。また疎面化処理する場合は、光沢の高い塗工紙を得ることができない。またTgの異なるラテックスを紙状基材、もしくは下塗り層上に塗工する場合には、特定範囲内に乾燥条件をコントロールする必要があり、安定した製造が難しく、またラテックスのみを塗工するために塗工紙としては印刷時の吸水・着肉が劣るという問題点がある。さらに、特定のアスペクト比を持つカオリンの使用は高光沢化に限界があり、また高Tgラテックスを含有する塗工層の乾燥に過熱水蒸気等を用いる方法では、商用印刷の主たる印刷方式の一形態である平判印刷におけるインキセットと呼ばれるインキ乾燥性が極端に遅くなり、印刷工程中に乾燥工程がない場合に印刷作業性が大幅に低下し、印刷物に未乾燥インキに起因する汚れが発生し、印刷仕上がりを低下させるおそれがある。以上のように、いずれの場合にも効果は見られるものの、印刷仕上がりが良好で、近年の印刷速度の高速化に対応できるものとしては必ずしも十分なレベルとはいえず、より一層の改善が望まれていた。
また、近年注目されつつあるオンディマンド印刷の形態の一つであるトナー転写方式による印刷方式(所謂、電子写真方式)でも、やはりブリスター発生が問題となることがある。トナー転写方式のブリスターは二種類あり、一つは、オフ輪印刷におけるブリスターと同様、用紙内水分が蒸発して発生する蒸気圧により、用紙が層間剥離した状態となるペーパーブリスターである。もう一つは、用紙上に転移された固体トナーが熱定着部にて溶融・固化される際に、トナー間に存在する空気が塗工層を通過することができずに平滑化されたトナー層表面から抜けることにより発生するトナーブリスターである。このトナー転写方式特有のトナーブリスターは、オフ輪印刷のブリスター発生抑制方法では解決が難しく、まだ有効な解決方法が見出せていない。
一般の塗工紙の塗工層表面に存在するは空隙としては、顔料粒子間の他成分で埋まらない微細空隙(以下、「細孔A」と称する。)と、塗工層の乾燥工程にて発生する蒸気透過孔(以下、「細孔B」と称する。)と、塗工層の膜の脆さから乾燥時の膜収縮による引張り応力に抗しきれず生じる被膜に破断(以下、「クラック」と称する。)の三種類の細孔があり、印刷時における紙へのインキの固定化(所謂、インキセット)には、その細孔の毛細管現象によるインキ溶剤の吸収が極めて重要な役割を果たしている。この細孔Aの細孔径は、用いられる顔料のサイズによって大きさは異なるが、通常0.02〜0.2μm程度であり、インクセットに大きく寄与している。因みに、最もインクセットに有効な細孔は、細孔径0.12〜0.15μm程度のものという報告がある(例えば、寺尾知之ら「インキセットに対する塗工紙の塗工層構造の影響」、紙パ技協紙、第51巻第9号、79−85頁(1997年9月)(非特許文献1)参照)。細孔Bは、発生状況をコントロールするのが非常に難しく、場合によっては白紙もしくは印刷物上で目視にて判別できる大きさで円形状の孔が発生することがあり、一般に、塗工紙生産においては発生の抑制が望まれる。クラックは、通常塗工層の表面強度を低下させるために、極力発生を抑えるよう製造されるものである。ガラス転移点の異なるラテックスを併用する方法(例えば、特許文献5参照)により塗工層表面にクラックが発生することが知られているが、前述した通り安定的に生産することが難しく、また得られる塗工層表面のクラックサイズは、特許文献5に記述しているようにインキセットを改善できる大きさ、すなわち0.02〜0.20μm程度と推察される。これまで本発明で規定するような0.2μm以上の大きさの空隙を、効果的に、かつ安定的に発生させることは提案されていない。
上記のように、従来技術では、塗工層表面に存在する空隙を、コントロールすることが困難なため、オフ輪印刷におけるブリスターの発生、および電子写真方式におけるペーパーブリスターおよびトナーブリスターの発生を抑制した塗工紙として満足なものが、得られておらず、より一層の改善が望まれていた。
特開平11−160906号公報(2頁) 特開平6−25996号公報(2頁) 特開平9−324395号公報(2頁) 特開平5−247891号公報(2頁) 特開昭59−22683号公報(2頁) 特開2000−226791号公報(2頁) 特開平8−158297号公報(2頁)
寺尾知之ら「インキセットに対する塗工紙の塗工層構造の影響」、紙パ技協紙、第51巻第9号、79−85頁(1997年9月)
本発明は、透気性に優れ、オフ輪印刷、および電子写真方式での印刷時において、ブリスターの発生を生じない塗工紙の提供を目的とする。且つ、オフ輪ジワが発生し難く、折れ割れ適性に優れた塗工紙の提供を目的とする。
本発明者らはかかる現状に鑑み鋭意検討した結果、塗工紙は少なくとも2層の塗工層とを設けてなり、紙状基材に隣接する内側塗工層中には、特定の結晶構造を有する顔料を含有し、かつ前記内側塗工層上に形成された最外側塗工層中には、特定のガラス転移温度を有するの熱可塑性有機微粒子を含有することが特に有効であることを見出した。
従って、本発明は以下の態様を含む。
(1)紙状基材と、その少なくとも一面上に、少なくとも2層の塗工層とを設けてなる塗工紙において、前記紙状基材に隣接する内側塗工層中には、針状結晶、紡錘状結晶、柱状結晶および米粒状結晶のいずれか一種の結晶構造を有する顔料を含有し、かつ前記内側塗工層上に形成された最外側塗工層中には、ガラス転移温度20〜150℃の熱可塑性有機微粒子及びクラック形成促進粒子を、下記の条件(1)及び(2)にて含有することを特徴とする塗工紙:
[1]ガラス転移温度20〜150℃の熱可塑性有機微粒子が、非造膜性中空有機顔料を含み、かつ最外側塗工層の全顔料100質量部中に、前記非造膜性中空有機顔料が1〜10質量部の量で含まれる;
[2]クラック形成促進粒子は、その平均粒子径が3.0〜30.0μmであり、かつ最外側塗工層100質量部中に、0.1〜10質量部の量で含まれる。
(2)前記紙状基材に隣接する内側塗工層が、澱粉類を含有する(1)に記載の塗工紙。
(3)前記熱可塑性有機微粒子が、スチレン−ブタジエン共重合体である(1)に記載の塗工紙。
(4)前記最外側塗工層100質量部中に、40〜90質量部の無機顔料、および5〜60質量部の熱可塑性有機微粒子を含有する(1)〜()のいずれかに記載の塗工紙。
本発明に係る塗工紙は、オフ輪印刷及び電子写真方式の印画においてブリスターが発生せず、印刷仕上がりが良好であり、しかもオフ輪ジワが発生せず、折り割れが起こらず、実用上極めて有用である。
本発明者等は、オフセット印刷時におけるブリスターの抑制、さらには電子写真方式におけるブリスターの抑制について鋭意研究を重ねた結果、塗工紙は少なくとも2層の塗工層とを設けてなり、紙状基材に隣接する内側塗工層中には、特定の結晶構造を有する顔料を含有し、かつ前記内側塗工層上に形成された最外側塗工層中には、特定のガラス転移温度を有する熱可塑性有機微粒子を含有することによって、他の適性を損なうことなく改善できることを見出した。
本発明において得られる塗工紙が、ブリスターの発生抑制に極めて効果的である理由は、以下のように考えられる。すなわち、最外側塗工層表面にクラックが存在し、このクラックは、一般の塗工紙製造で発生するクラックとは異なり、最外側塗工層中に特定のガラス転移温度を有する熱可塑性有機微粒子を含有することによって、そのサイズが大きく、かつその数も多いため、水蒸気や空気が効率的に散逸し、オフ輪印刷や電子写真による印画の際のブリスター発生を大幅に抑制出来るものと考えられる。
一方、前記内側塗工層には、針状結晶、紡錘状結晶、柱状結晶および米粒状結晶のいずれか一種の結晶構造を有する顔料が、塗工紙に耐折り割れ性を付与し、透気性を有する塗工層が得られやすく、好ましく用いられる。
前記内側塗工層を構成する針状結晶、紡錘状結晶、柱状結晶および米粒状結晶のいずれか一種の結晶構造を有する微粒子顔料を意味し、例えば、リン酸及びその水溶性塩の少なくとも1種の存在下、特定濃度の水酸化カルシウム懸濁液と炭酸ガス含有気体を反応させる方法(特公昭57−30815号)、特定のカルボン酸類及びその水溶性塩の少なくとも1種の存在下で反応させる方法(特公昭57−31530号)、特定の針柱状の結晶核炭酸カルシウムと水酸化カルシウム含有水懸濁液中に炭酸ガス含有気体を特定温度で導入して炭酸化反応を行い、針柱状炭酸カルシウムの結束体を得る方法(特開昭59−232916号)等により製造されるものである。
これらの顔料は、電子顕微鏡による観察で認められる平均寸法が短軸寸法(W)0.005〜0.5μm、長軸寸法(L)0.1〜10μm、アスペクト比(L/W)2〜1000である針状結晶、紡錘状結晶、柱状結晶および米粒状結晶のいずれか一種の結晶構造を有する微粒子顔料であり、適宜、選択して使用される。
ブリスター発生の抑制には、幅0.2〜3.0μm、長さ3〜1000μmであるクラックが、1mm2あたり1〜1000個必要である。ちなみに、クラックの数が1mm2あたり1個より少ない場合、或いはクラックの幅が0.2μmに満たない場合、或いはクラックの長さが3μmに満たない場合、透気性改善効果が低くなり、ブリスターの発生を効果的に抑制できなくなることがある。また、逆に1mm2あたり1000個を超える場合、或いはクラックの幅が3.0μmを超える場合、或いはクラックの長さが1000μmを超える場合、印刷強度が低下するおそれがある。クラック個数としては1mm2あたり50〜500個、クラック幅としては0.5〜2.0μm、クラック長さとしては10〜500μmの範囲にある場合、塗工層の透気性向上と他の品質とのバランスが良く最も好ましい。
本発明で規定するクラックを有する塗工紙に印刷した場合、印刷物上で目視にてクラックを確認するのは非常に困難であり、良好な印刷仕上がりとなる。
尚、クラックは繋がることなく独立して存在するほうが良い。クラックが繋がると印刷強度が劣る場合があり、好ましくない。
本発明にて規定する1mm2あたりのクラック数とは、塗工層表面に存在する、図1a〜cに示すような枝分かれ等をせずに独立して存在する直線状、曲線状、半円状等のクラック、及び図2d〜gに示すような組合せ形状の網目状、格子状、三角形状、矢形状等のクラックの、1mm2あたりの総数を示すものである。尚、上記組合せ形状のクラックは、1つのクラックと見なしてカウントしたものである。
本発明の塗工層の成分は、所期のクラックが得られるものであれば、特に限定されるものではないが、好ましい材料としては熱可塑性有機微粒子を挙げることが出来る。中でも、塗工乾燥条件下で表面或いは全体が軟化状態になる熱可塑性有機微粒子が好ましく、さらに、一般的に塗工紙の接着剤して用いられるラテックスよりも成膜温度の高い、Tg(ガラス転移点)20〜150℃の範囲の樹脂からなる熱可塑性有機微粒子が、クラック発生の点で優れており、より好ましい。中でも、所望のクラック発生効果と印刷強度のバランス上、Tgが20〜80℃の範囲ものが好ましく、30〜80℃の範囲のものが特に好ましい。Tgが20℃未満の場合、所期のレベルから見てクラックの発生が少なめで透気性の劣るものとなり、ブリスター発生の抑制効果が劣る。Tgが150℃を超えると、通常の乾燥条件では印刷強度の低下を招くことがあり、あまり好ましくない。
本発明では、最外側塗工層にTgが20〜150℃の温度範囲にある樹脂からなる熱可塑性有機微粒子の1種を単独で用いるよりも、Tgが20〜150℃の温度範囲にある樹脂からなる、成膜条件の異なる二種以上の熱可塑性有機微粒子を併用した系がより好ましい。例えば、異なるTgを有する熱可塑性有機微粒子の組合せ、或いは単一のTgを有する熱可塑性有機微粒子と、単一でないTg(2ピーク以上或はブロード)を有する熱可塑性有機微粒子の併用系である。Tg20〜150℃の樹脂からなる熱可塑性有機微粒子の1種を単独で用いる系では、塗工機の乾燥機内が高温で水蒸気量が多くなる条件で製造される場合、成膜が一気に進行して空隙が減少し、インキセットの遅い塗工紙となり、印刷後に未乾燥のインキにより印刷汚れが発生し易くなる。しかし上記併用系は、乾燥時の急激な成膜の進行が抑えられ、良好な空隙が形成されるために、透気性が良好であると同時に、良好なインキセット性を有する紙となる。単一でないTg(2ピーク以上或はブロード)を有する熱可塑性有機微粒子としては、Tg測定機における複数のピークのうち主たるTgピークが20〜150℃の範囲にあるもの、或いはブロードなピークが観測される場合には、そのピークの8割以上が20〜150℃の範囲にあるもの、或いは含有されるモノマー組成から計算されるTgが20〜150℃の範囲にあるものが好ましい。複数の熱可塑性有機微粒子の配合比率は塗工紙の品質設計に合わせて任意に設定することができる。本発明に用いられる熱可塑性有機微粒子としては、全体が均質な通常の微粒子の他に、コア/シェル型微粒子等の不均質構造微粒子を挙げることが出来る。コア/シェル型微粒子の場合、シェル側の樹脂のTgが重要で、20〜150℃の範囲にあることが好ましい。しかし、得られるシートの性能は劣るが、Tg20℃以下のものを使うことも出来る。具体的にはバインダーピグメントと呼ばれるものが挙げられる。
前記熱可塑性有機微粒子としては、例えばポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。これらの中から1種あるいは2種以上が適宜選択して用いられる。
前記熱可塑性有機微粒子の、塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、5〜60質量部の範囲が好ましい。配合量が5質量部未満であると、クラックの発生を促進することができず、透気度の高いものとなり、ブリスター発生の抑制効果が目標よりかなり劣るものとなる。また配合量が60質量部を超える場合には、塗工層中の樹脂成分が多くなり、インキビヒクル吸収性が劣るため、インキ転移不良が起こりやすくなり、さらに塗工紙としての風合いが低下するため好ましくない。
本発明の塗工液には、上記の熱可塑性有機微粒子以外に、必要に応じて顔料を配合することが出来る。前記顔料としては、公知の無機顔料及び前記熱可塑性有機微粒子以外の有機顔料を挙げることが出来る。無機顔料としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等が挙げられる。有機顔料としては、例えばポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂、スチレン−メタアクリル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等が挙げられる。有機顔料としては、密実型、中空型、貫通孔型、コア/シェル型のものを挙げることが出来る。これらの中から1種あるいは2種以上が適宜選択して用いられる。中でも、中空有機顔料は、圧力による変形が容易で、スーパーカレンダー等の平滑化工程で光沢を付与する際に、より低い処理圧で所望の光沢が得られるために、塗工層の細孔の減少が抑制され、良好な透気性を示すものが好ましく用いられる。なお中空有機顔料の塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、20質量部以下が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。20質量部を超えると、スーパーカレンダー等の平滑化工程においてカレンダー焼けやブラッキングと呼ばれる不透明度低下現象の起こることがある。
前記無機顔料の塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、40〜90質量部の範囲が好ましい。配合量が40質量部未満であると、クラックの発生を促進することができず、透気度の高いものとなり、ブリスター発生の抑制効果がかなり劣るものとなる。また、配合量が90質量部を超える場合には、表面強度が劣り安定した印刷が出来ない。
中でも、40〜90質量部の範囲の無機顔料と、5〜60質量部の範囲の熱可塑性有機微粒子の組成からなる塗工液を使用した場合、特に良好なクラックが得られるので、好ましい。
本発明に用いられる塗工液には、必要に応じて、さらに、接着剤、クラック形成促進粒子が添加される。接着剤は、塗工層の表面強度を高め、良好な印刷適性を付与するために用いられる。またクラック形成促進粒子は、クラックの形成が所期のレベルに達しない場合に配合される。
接着剤としては、水溶性或いは水分散性の高分子化合物を用いることができ、例えばカチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成高分子化合物等を挙げることができる。接着剤は、必要に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択される。接着剤の中でも、Tgが20℃以下の接着剤が好ましく、特に好ましくは0℃以下である。接着剤の塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、15質量部以下が好ましい。配合量が15質量部を超えると、クラックの発生が阻害され、本発明の所望の効果が得難くなる。なお接着剤としては、コア/シェル構造を持つラテックスも使用でき、この場合、成膜に寄与するシェル部分のTgが20℃以下のものが好ましい。接着剤として、澱粉類などの水溶性高分子化合物を用いる場合、使用量が多くなると、所期の透気性が得られなくなるので、塗工液への配合量としては、5質量部以下、さらに2質量部以下であることが好ましい。
クラック形成促進粒子は、クラック形成に対して促進作用を有する平均粒子径が3.0〜30.0μmの範囲の粒子であり、5.0〜15.0μmの範囲の粒子が、特に好ましい。平均粒子径が3.0μm未満であると、粒子を添加する効果が現れにくい。30.0μmを超えると、印刷時にインキ転移不良等の問題を起こすことがある。クラック形成促進粒子の粒子径分布については、1.0〜50.0μmの範囲にあることが望ましい。またクラック形成促進粒子としては、形状が球状である球状粒子が好ましく、球状炭酸カルシウム粒子が特に好ましく用いられる。クラック形成促進粒子は、その大きさが特に重要であり、材質を特に選ばないが、例えば、熱可塑性有機微粒子或いは顔料で挙げた素材と同様のものを挙げることが出来る。クラック形成促進粒子の塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。配合量が0.1質量部未満であると、粒子を添加する効果が現れにくく、一方、10質量部を超えると印刷強度の低下を招くことがある。
本発明に用いられる塗工液には、必要に応じてさらに、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、保水剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等が適宜配合される。
保水剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、またはアルカリ膨潤型アクリル系増粘剤等の合成系保水剤の使用が好ましい。
本発明に用いられる紙状基材を形成するパルプについては、製法や種類等について特に限定するものではなく、KP、SPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプや、ECFパルプやTCFパルプ等の塩素フリーパルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、あるいはケナフ、バガス、竹、藁、麻等のような非木材パルプ、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリノジック繊維等の有機合成繊維、さらにはガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維等を挙げることが出来る。
紙状基材中には、必要に応じて填料、歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、定着剤、内添サイズ剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を適宜配合することができる。なお、填料としては、特に限定するものではないが、一般に上質紙に用いられる各種の顔料、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機顔料系の密実型、微小中空型、貫通孔型の粒子を挙げることが出来る。
紙状基材の抄紙方法については特に限定するものではなく、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法、また中性サイズ剤および/または炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性の中性抄紙法等、全ての抄紙方法に適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機、傾斜ワイヤー抄紙機等の、公知の抄紙機を適宜使用することができる。
本発明に用いられる紙状基材の坪量は、特に限定されるものではないが、通常40〜200g/m2の範囲のものが好ましく用いられる。
紙状基材の抄紙方法については特に制限されないが、塗工層の透気性が良好であっても、紙状基材の透気性が極端に劣るものでは、ブリスターの発生を抑制する効果が得られないことがある。そのため紙状基材のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく透気度としては、30秒以下が好ましく、より好ましくは20秒以下である。
本発明の塗工層の合計塗工量は、特に限定されるものではないが、紙状基材の片面に対し乾燥質量で2〜25g/m2、好ましくは5〜20g/m2である。塗工量が2g/m2に満たない場合、塗工層を原紙上に均一に形成するのは困難であり、一方、25g/m2を超えると、塗工層収縮によるクラックの発生が起きにくくなる。
本発明の内側塗工層は、無機顔料と水溶性接着剤を成分として含有する水性系塗工液を紙状基材に塗工して形成されるが、無機顔料としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等が挙げられ、これらの中から適宜選択され、1種あるいは2種以上併用して用いられる。
内側塗工層用塗工液には、他の顔料として有機顔料を配合してよい。かかる有機顔料としては、例えばポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂、スチレン−メタアクリル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等が挙げられ、これらの中から適宜選択され、1種あるいは2種以上併用して用いられる。
無機顔料の内側塗工層用塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、40〜90質量部の範囲が好ましい。配合量が40質量部未満の場合、透気性の面で劣ったものになり易い。また配合量が90質量部を超える場合には、層間強度の面で劣ったものになり易い。また有機顔料の内側塗工層用塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、30質量部以下が好ましい。塗工液コストの点で30質量部を超えることは好ましくない。
内側塗工層中の接着剤としては、例えば澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉などの澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、大豆蛋白質などのタンパク質類、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、オレフィン―無水マレイン酸樹脂などの水溶性接着剤が挙げられ、これらの中から適宜選択され、1種あるいは2種以上を併用して用いられる。水溶性接着剤の中でも、澱粉類は、剛度が付与し易く、また低廉なので特に好ましい。
内側塗工層中の接着剤としては、他に水分散性接着剤を配合してよい。かかる水分散性接着剤としては、スチレン―ブタジエンラテックス、アクリルニトリル―ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート―ブタジエンラテックスなどの共役ジエン系共重合ラテックス、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系エマルジョン、エチレン―酢酸ビニルエマルジョンなどの酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン―アクリル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、ポリエステル系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョン、ポリアミド系エマルジョンなどが挙げられ、これらの中から適宜選択され、1種あるいは2種以上を併用して用いられる。
水溶性接着剤の内側塗工層用塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、2〜25質量部の範囲が好ましい。配合量が2質量部未満の場合、層間強度の劣ったものになり易く、剛度が小さいものになり易い。また配合量が25質量部を超える場合には、透気度の高いものになり易い。水分散性接着剤の内側塗工層用塗工液への配合量としては、塗工層100質量部(乾燥)に対して、20質量部以下が好ましい。20質量部を超える場合には、透気度の高いものになり易い。
内側塗工層用塗工液には、必要に応じてさらに、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、保水剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等が適宜配合される。
内側塗工層及び最外層塗工層の塗工量は、特に限定されるものではないが、内側塗工層の場合、片面当たり乾燥質量で通常0.1〜10g/m2、好ましくは0.5〜5g/m2である。0.1g/m2に満たない場合、2層化による効果が極めて小さいものとなり、一方、10g/m2を越えると、透気性の劣ったものとなり易い。尚、本発明においては、内側塗工層は、紙状基材の片面あるいは両面に設けられる。また、片面当たりの内側塗工層の数は、通常1層であるが、2層以上の積層とすることもできる。その際の内側塗工層を形成する各塗工液は必ずしも同一である必要はなく、異なるものであってもよい。
塗工液の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置、例えばブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、スロットダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、スライドビードコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等が用いられる。クラック発生メカニズムから見て、原紙上に均一厚みを塗工する輪郭塗工方式よりも、原紙表面の繊維による凹凸を被覆して平坦化する平坦塗工方式が好ましい。塗工液に熱可塑性有機微粒子を配合する場合の乾燥は、紙面温度が熱可塑性有機微粒子のTgより高くなる条件下で行うことが好ましい。
本発明の塗工紙は、通常、平滑化処理が施される。平滑化処理は、スーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等の公知の装置を用いてオンマシンやオフマシンにて行われる。加圧装置の圧力、加熱温度、ニップ数等の処理条件は適宜調節される。本発明においては、発生したクラックが、一般の印刷用塗工紙で通常観られるクラックの大きさと比較してかなり大きく、かつ多数であることから、スーパーカレンダー等の光沢処理によってもクラックが閉塞されること無く、良好な透気性を持たせることが出来る。
電子写真方式でのペーパーブリスター及びトナーブリスターは、塗工紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王研式透気度を8000秒以下にすることで、所期のレベルにすることが出来る。なかでも、5000秒以下が好ましく、より好ましくは3000秒以下、さらに好ましくは2000秒以下である。
本発明においては、塗工紙の風合いの点で、JIS Z 8741に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が45〜85%の範囲のものが好ましく、より好ましくは55〜85%である。
JIS Z 8741に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が高い塗工紙を得るためには、強圧条件での平滑化処理が必要であり、一般の印刷用塗工紙では、処理によって細孔が塞がれ、透気性の劣ったものしか得られないが、本発明に係る塗工紙は、クラックが寄与して強圧条件での平滑化処理を行っても透気性が確保でき、ブリスターの発生を抑制することができる。
また紙状基材の片面に上記塗工層を設けた場合、裏面にカール防止、印刷適性付与、給排紙適性付与、帯電防止性付与等のための塗工層を設けることが出来る。また、裏面には、粘着、感熱記録、磁気記録、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の性質を付与するための後加工を行うことが出来る。他に、熱転写受容層、インクジェット記録層等の後加工を施すことも出来る。
本発明の塗工紙の水分は、通常3〜10%の範囲に調整される。更に好ましくは4〜8%の範囲である。水分が3%未満の場合は、紙にカールが発生し安定した印刷が出来ない。水分が10%を超えると、ブリスターが極めて発生しやすくなる。
本発明で得られた塗工紙は、オフセット印刷用や、電子写真方式の用紙として極めて良好な性能を有するが、他に熱転写方式、インクジェット方式等の画像記録用紙として用いることも出来る。
特に、5〜7μm程度のトナー粒子によって画像が形成される電子写真方式では、上述の塗工シートを用いることによって極めて高品位な画像を得ることができる。
例えば、ISO−13660ドラフトスタンダード・QEA(Quality Engineering Assosiates,Inc.)に準拠した方法に基づいて、電子写真方式プリンターを用いて画像を形成、評価すると、タイルサイズ40μmにおけるモトルが、10GSV(Grey Scale Value)以下、ラインのラジェドネス(ギザギザ度)が10μm以下、ブラリネス(ぼやけ度)が11μm以下であり、極めて良好な画像を得ることが出来る。
本発明の塗工紙は、更にオフ輪ジワや折り割り適性に大きな効果があることが判った。オフ輪ジワとは、オフ輪印刷中に発生する紙への皺であり、折り割れ適性とは、オフ輪印刷後の折り機加工での、折り山部或いは谷部のインキ層の耐亀裂性である。オフ輪ジワに大きな効果がある理由としては、紙の透気度が低いために、オフ輪印刷の乾燥工程で含有する水分の蒸発が均一に起こり、そのために紙水分のバラツキを生じないので紙に歪がかからず、皺が発生し難いことが考えられる。また、折り割り適性に大きな効果がある理由としては、紙が低透気度の割に塗工層の表面強度が強く、折ることによって力が加わっても、塗工層が崩れず、結果その上のインク層に亀裂を生じ難いことが考えられる。尚、オフ輪ジワや折り割り適性に対しては、更にバインダーとバインダーピグメントを配合する系が特に良好な結果を示す。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが,本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を示す。また、測定されたTgが単一ピークでない場合は、主たるピーク温度、あるいはモノマー組成から計算されるTgを「Tg代表値」として示し、測定されたTgが単一ピークである場合は、その測定値、あるいはモノマー組成から計算されるTgを「Tg値」として示す。
実施例1
[紙状基材の作成]
LBKP(フリーネス(CSF)=450ml)90部、NBKP(フリーネス(CSF)=450ml)10部のパルプスラリーに、軽質炭酸カルシウム(PC:白石カルシウム社製)5部、澱粉1.5部、アルケニル無水コハク酸0.1部、および硫酸バンド0.6部を添加して紙料を調製した。続いて、この紙料を用いて長網抄紙機で抄紙し、その抄紙工程でサイズプレス装置を用いて乾燥重量が1g/m2となるように澱粉を塗布し、その後にマシンキャレンダでベック平滑度30秒になるように平滑化処理し、坪量65g/m2の紙状基材を得た。
[内側塗工層用塗工液の調製]
針状軽質炭酸カルシウム(商品名;TPX121、奥多摩工業社製)100部に、水溶性接着剤である酸化デンプン(商品名;エースA、王子コンスターチ社製)10部を加え、さらに水を加えて固形濃度が45%の塗工液を調整した。
[内側塗工層の形成]
上記塗工液を、片面当たりの乾燥塗工量が1.0g/m2となるように、ゲートロールコーターを用いて塗工速度500m/minで上記紙状基材の両面に塗工して、内側塗工層形成紙を得た。
[最外側塗工層用塗工液の調製]
水に、カオリン(商品名;ミラグロス91、エンゲルハード社製)5部、分散剤(商品名;アロンA−9、東亞合成社製)0.01部を加え、コーレス分散機で分散して、固形分濃度72%のカオリン分散液を得た。この分散液に、固形分濃度75%の重質炭酸カルシウム(商品名;FMT−97、ファイマテック社製)を固形分で65部加え、顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、カルボキシメチルセルロース(商品名;AGガムHE No.2、第一工業製薬社製)0.3部、スチレン−ブタジエン系共重合体からなるTg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部を添加・撹拌し、さらに水を加えて、固形分濃度が55%の塗工液を調製した。
[積層塗工紙の作成]
上記最外塗工層用塗工液を、片面当たりの乾燥塗工量が8.5g/m2となるように、ブレードコーターを用いて塗工速度500m/minで上記内側塗工層形成紙の両面に塗工し、その後に、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップで処理して、白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例2
最外側塗工層用塗工液の調製で、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部の代わりに、Tg55℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;0640、JSR社製)30部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例3
最外側塗工層用塗工液の調製で、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部の代わりに、Tg代表値46℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;L−8804、旭化成工業社製)30部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例4
最外側塗工層用塗工液の調製で、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部の代わりに、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)10部、及びTg55℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;0640、JSR社製)20部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例5
最外側塗工層用塗工液の調製で、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部の代わりに、Tg75℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;S2577(A)、JSR社製)30部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
比較例1
最外側塗工層用塗工液の調製で、水溶性接着剤である酸化デンプン(商品名;エースA、王子コンスターチ社製)10部の代わりに、Tg0℃以下の水分散性接着剤であるラテックス(商品名;T2531E、JSR社製)10部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
比較例2
最外側塗工層用塗工液の調製で、Tg35℃の熱可塑性有機微粒子(商品名;P0T−7092、日本ゼオン社製)30部の代わりに、Tg0℃以下の水分散性接着剤であるラテックス(商品名;T2531E、JSR社製)30部を用いた点と、加圧ニップ処理条件を変えた点以外は、実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例6
最外側塗工層用塗工液の調製で、重質炭酸カルシウム(商品名;FMT−97,ファイマテック社製)を65部から62部に変更し、クラック形成促進粒子(平均粒子径10μmの軽質炭酸カルシウム、米庄石灰工業社製)4部を追加した点と、加圧ニップ処理条件を変更した以外は実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例7
最外側塗工層用塗工液の調製で、重質炭酸カルシウム(商品名;FMT−97,ファイマテック社製)を65部から61部に変更し、中空有機顔料(商品名;HP−1055,ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)4部を追加した点と、加圧ニップ処理条件を変更した以外は実施例1と同様にして白紙光沢が70%で坪量が84g/m2の塗工紙を得た。
実施例1〜7、比較例1及び2で得られた塗工紙、並びにそのオフ輪印刷物、カラーコピー印刷物を下記評価方法で評価した。
[塗工層表面クラック個数]
100倍もしくは500倍の倍率で塗工紙の表面を電子顕微鏡観察して100mm2に存在するクラック個数を調べ、1mm2あたりのクラック個数を算出した。
[白紙光沢度の評価]
JIS Z 8741に基づき、入射角と受光角が75度の条件で白紙光沢度を測定した。測定には、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM−26Dを用いた。
[透気度の評価]
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づき、旭精工社製全自動デジタル型王研式透気度・平滑度試験機EYOを用いて用紙の透気度を測定した。透気度数値(秒)が小さいほど透気性が良いことを表す。
[塗工紙の印刷]
[オフ輪印刷]
オフセット輪転印刷機(三菱リソピアL-BT3-1100/三菱重工製)を用いて、両面が4色ベタ図柄で印刷速度600rpm、乾燥機出口での紙面温度は120℃とし、乾燥機通過後の冷却ロールには10℃の冷却水を通して印刷と連続して折り加工した。
[オフ輪ブリスターの評価]
上記オフ輪印刷物のブリスター発生状況を目視判定し、1〜5の5段階で評価した。
5:ブリスターは全く観察されず、極めて優れているレベル。
4:ブリスターは殆ど観察されず、優れているレベル。
3:細かなブリスターが少量観察されるが、実用上問題ないレベル。
2:細かなブリスターが多量に観察され、実用上問題ありのレベル。
1:大きなブリスターが多量に観察され、実用上問題ありのレベル。
[カラーコピーブリスターの評価]
RICOH社製カラーコピー機IPSiO Color2100を用いて、A4判サイズの塗工紙に連続100枚カラー印画し、ブリスター発生状況を目視判定し、1〜5の5段階で評価した。
5:ブリスターは全く観察されず、極めて優れているレベル。
4:ブリスターは殆ど観察されず、優れているレベル。
3:細かなブリスターが少量観察されるが、実用上問題ないレベル。
2:細かなブリスターが多量に観察され、実用上問題ありのレベル。
1:大きなブリスターが多量に観察され、実用上問題ありのレベル。
[印刷仕上がりの評価]
上記オフ輪印刷物の印刷仕上がり状態を、目視判定し1〜5の5段階で評価した。
5:極めて優れているレベル。
4:かなり優れているレベル。
3:やや劣るが、実用上問題ないレベル。
2:かなり劣り、実用上問題ありのレベル。
1:大幅に劣り、実用上問題ありのレベル。
[オフ輪ジワの評価]
両面4色ベタ印刷部のオフ輪じわ発生状況を目視判定し、1〜5の5段階で評価した。
5:皺の発生が全く認められず、極めて優れているレベル。
4:皺の発生が殆ど認められず、優れているレベル。
3:軽度の皺の発生は認められるが、実用上問題ないレベル。
2:皺の発生が認められ、実用上問題ありのレベル。
1:きつい皺が認められ、実用上問題ありのレベル。
[折れ割れ評価]
印刷された塗工紙をA4サイズに断裁して、温度20℃、湿度30%RHの環境で、紙折り機(ホリゾン社製)で2つ折りして、その屈曲部を拡大ルーペで観察して、1〜5の5段階で評価した。
5:屈曲部の塗被層に全く亀裂や裂けがなく、良好なもの。
4:屈曲部の塗被層に殆ど亀裂や裂けがなく、実用上問題がないもの。
3:屈曲部の塗被層に若干の亀裂が見られるが、実用上問題がないもの。
2:屈曲部の塗被層に亀裂と裂けが見られ、実用上問題があるもの。
1:屈曲部の塗被層に亀裂と裂けが見られ、紙基体のパルプ繊維が露出し、著しく劣るもの。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0004306546
クラックの形状1。 クラックの形状2。

Claims (4)

  1. 紙状基材と、その少なくとも一面上に、少なくとも2層の塗工層とを設けてなる塗工紙において、前記紙状基材に隣接する内側塗工層中には、針状結晶、紡錘状結晶、柱状結晶および米粒状結晶のいずれか一種の結晶構造を有する顔料を含有し、かつ前記内側塗工層上に形成された最外側塗工層中には、ガラス転移温度20〜150℃の熱可塑性有機微粒子及びクラック形成促進粒子を、下記の条件(1)及び(2)にて含有することを特徴とする塗工紙:
    (1)ガラス転移温度20〜150℃の熱可塑性有機微粒子が、非造膜性中空有機顔料を含み、かつ最外側塗工層の全顔料100質量部中に、前記非造膜性中空有機顔料が1〜10質量部の量で含まれる;
    (2)クラック形成促進粒子は、その平均粒子径が3.0〜30.0μmであり、かつ最外側塗工層100質量部中に、0.1〜10質量部の量で含まれる。
  2. 前記紙状基材に隣接する内側塗工層が、澱粉類を含有する請求項1に記載の塗工紙。
  3. 前記熱可塑性有機微粒子が、スチレン−ブタジエン共重合体である請求項1記載の塗工紙。
  4. 前記最外側塗工層100質量部中に、40〜90質量部の無機顔料、および5〜60質量部の熱可塑性有機微粒子を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の塗工紙。
JP2004193315A 2003-06-30 2004-06-30 塗工紙 Expired - Fee Related JP4306546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004193315A JP4306546B2 (ja) 2003-06-30 2004-06-30 塗工紙

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003188354 2003-06-30
JP2004193315A JP4306546B2 (ja) 2003-06-30 2004-06-30 塗工紙

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009031848A Division JP2009174113A (ja) 2003-06-30 2009-02-13 塗工紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005036379A JP2005036379A (ja) 2005-02-10
JP4306546B2 true JP4306546B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=34220515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004193315A Expired - Fee Related JP4306546B2 (ja) 2003-06-30 2004-06-30 塗工紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4306546B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247081A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Jsr Corp 紙塗工用有機顔料分散液、並びに塗工紙及びその製造方法
JP2009293159A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Oji Paper Co Ltd 塗工紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005036379A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009174113A (ja) 塗工紙
JP4734926B2 (ja) 塗工紙
EP1371778B1 (en) Coated paper sheet
JP2010126854A (ja) 印刷用顔料塗被紙
JP2000226791A (ja) 塗工紙
JP2008238755A (ja) 記録シート
JP2004209965A (ja) インクジェット記録用塗工紙及びその記録物
JP2002363885A (ja) 塗工紙
JP2005036378A (ja) 塗工紙
JP4306546B2 (ja) 塗工紙
JP2012206328A (ja) インクジェット記録媒体
JP4179057B2 (ja) オフセット印刷用多層塗工紙
JP4321112B2 (ja) 塗工シート
WO2019188003A1 (ja) 工程紙基材用キャスト塗工紙
JP3850123B2 (ja) 電子写真用転写紙
JP4027953B2 (ja) 塗工紙
JP5082910B2 (ja) 塗工紙
JP2003202695A (ja) トナー受容性連続紙
JP2008088625A (ja) 塗工紙
JP2006022438A (ja) 塗工紙
JP2011073369A (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP3826834B2 (ja) 塗工紙
JP2005171401A (ja) 塗工紙
JP3028697B2 (ja) 熱転写記録用受像紙
JP2011208334A (ja) 再生葉書用紙ならびにその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees