JP2009166661A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部の径成長を抑制し、ベルトの耐久性能および摩耗性能を向上し空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有したタイヤであって、前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、周方向ベルト層の幅方向最外側に配置されたコードと、傾斜ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離が5mm以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルトとして、コードやフィラメント等の補強素子がタイヤ赤道に沿う向きに延びる周方向ベルト層を有する空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
特開平2−208101号公報
しかし、更に扁平比が小さくなった場合、具体的には、タイヤの断面幅に対する断面高さの比である扁平比が0.70以下の場合には、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。ところが、周方向ベルト層幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、周方向ベルト層幅を広げると、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。周方向ベルト層のコードが疲労破断すると、周方向張力を負担出来なくなり、タイヤ形状保持が不可能となり、その使用が困難になる。
周方向ベルト層を広くした場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
そこで、前記引張振幅入力を抑制するための方法を鋭意究明した結果、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することが、コードの疲労破断を抑制するのに極めて有効であることが判明した。
そこで、本発明の目的は、特に周方向ベルト層端部におけるコードの耐疲労性を向上することによって、ベルトの耐久性を高め、さらに摩耗性能も向上する空気入りタイヤ、中でも扁平比の小さい重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
周方向ベルト層の幅方向最外側に配置されたコードと、傾斜ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離が5mm以上である、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
前記距離が40mm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
前記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成ることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記幅方向端部域に配置されたコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
前記幅方向中央域に配置されたコードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記幅方向端部域に配置されたコードが有機繊維コードであり、
前記幅方向中央域に配置されたコードが金属コードである、
ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記幅方向端部域に配置されたコードおよび前記幅方向中央域に配置されたコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、周方向ベルト層幅を広げて、特に扁平比の小さいタイヤで顕著なトレッド部の径成長を抑制し、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することにより、特に周方向ベルト層端部におけるコードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性能を大幅に向上するとともに、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定することにより摩耗性能を向上した、扁平比の小さいタイヤを提供することができる。
また、周方向ベルト層の幅方向端部と、傾斜ベルト層の幅方向端部との距離を規制することにより、さらに、ベルトの耐久性能を向上し、耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWは、タイヤの総幅TWの60%以上に設定することが好ましく、さらに、70%以上に設定することがより好ましい。なぜなら、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅TWの60%〜70%の領域までであることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置する必要があるためである。周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWの上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、2層の傾斜ベルト層、図示例では傾斜ベルト層3aおよび3bの幅BW3aおよびBW3bを周方向ベルト層2a、2bの幅BWよりも広くする必要がある。なぜなら、タイヤの摩耗性能およびコーナーリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性を確保するためである。
また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるためである。
また、傾斜ベルト層3a、3bの幅がタイヤの総幅TWの65%以上であることが好ましい。なぜなら、タイヤ総幅TWの65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとが交差することにより、摩耗性能を維持するためである。また、傾斜ベルト層3a、3bの幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、前記周方向ベルト端部と傾斜ベルト層間のゴムのせん断変形が大きくなる。これにより、ゴムが破壊されタイヤの耐久性は著しく低下するおそれがあるからである。
なお、図1に示した例では、周方向ベルト層2aと2bとの幅は同じであるが、異なる幅にしてもよい。特に、周方向ベルト層の幅方向中央部の強度を大きくした場合には、1層だけ幅を広く配置し、もう1層は幅を狭くしても良い。
また、周方向ベルト層の幅を広くすると、周方向ベルト層の幅方向外側端部において、コードの疲労破断が発生し易くなり、十分に満足するタイヤ寿命を得ることが難しい。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張方向の振幅入力が作用するためであり、この引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。そこで、本発明では、周方向ベルト層の幅方向端部において、該幅方向外側に配置されたコードの弾性率を当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低くすることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
すなわち、走行中のタイヤでは、周方向ベルト層端部に引張振幅入力が作用する。この引張振幅入力は、タイヤのトレッド端部側の接地面において、コードが周方向に伸ばされて引張最大応力が作用し、トレッド端部の非接地域ではほぼ内圧充填時の引張応力が作用するためである。この引張応力の振幅を抑制するには、タイヤの負担を軽くする(タイヤの撓み量を小さくする)ことが考えられるが、この手法ではタイヤの乗り心地性を満足させることはできない。
そこで、接地面内においてコードがタイヤの周方向に伸ばされたとき、該接地面に対応する周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの弾性率が低ければ、コードにかかる引張応力は低くなる。しかし、周方向ベルト層の全てのコードの弾性率を低くしてしまうと、内圧充填による径方向成長量が大きくなり、タイヤの形状保持が困難になる。そこで、周方向ベルト層の幅方向において、その端部付近に相当する幅方向外側のコード弾性率を、同幅方向内側のコードの弾性率よりも低くすることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加を極力同じにすれば、接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部の応力振幅は効果的に抑制される結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
なお、周方向ベルト層の幅方向外側に配置されたコードの弾性率は、当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率に対して、0.3〜0.8倍であることが、上記引張応力の振幅抑制に有効である。
ここで、図1(b)、(c)に周方向ベルト層の平面展開図を示すように、各周方向ベルト層を、幅方向中央域2Cとこの幅方向中央域2Cの幅方向外側に位置する幅方向端部域2E、2Eとに区画した際、幅方向端部域2E、2Eに配置されたコード6の弾性率を幅方向中央域2Cに配置されたコード7の弾性率よりも低くする。
すなわち、図1において周方向ベルト層2a、2bとして示すコード配列は、周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eに、幅方向中央域2Cに配置されるコード7対比で弾性率の低いコード(以下、「低弾性率コード」という)6を複数本配置し、この低弾性率コード6のベルト幅方向内側の幅方向中央域2Cに、低弾性率コード6よりも弾性率の高いコード(以下、「高弾性率コード」という)7の複数本を配置したものである。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E、2Eに低弾性率コード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cに高弾性率コード7を配置することを基本とする。
また、各幅方向端部域2E、2Eの幅tは、周方向ベルト層の幅BWの5%〜20%であることが好ましい。なぜなら、幅tが全幅の5%未満では、周方向ベルト層への応力振幅の大きい領域に弾性率の高いコードが存在してしまう為に未だ破断する可能性が高く、一方20%を超えると、径成長の増大を抑制するのが難しくなるからである。
図2(a)に本発明に従うタイヤのベルト層の部分拡大底面図、図2(b)にその幅方向断面図を示す。
ベルト4は、タイヤ径方向内側から、周方向ベルト層2a、2b、傾斜ベルト層3a、3bを順に配置してなる。ここで、周方向ベルト層の幅方向最外側に配置されたコードと、幅方向最外側のコードとの距離が5mm以上であることが肝要である。すなわち、この例においては、周方向ベルト層2a、2bのうち幅広の周方向ベルト層2bの幅方向最外側に配置されたコード6bと、傾斜ベルト層3a、3bのうち幅狭の傾斜ベルト層3aの幅方向端部(すなわち、傾斜ベルト層3aに配置されたコード8のコード端8E)との距離dが5mm以上であることが肝要である。
なぜなら、上記距離が5mm未満の場合、周方向ベルト層の端部は、タイヤ転動に伴う傾斜ベルト層間のせん断変形による周方向の変位に強く影響され、周方向ベルト層の幅方向端部域に配置されたコード6が周方向に引き伸ばされ、コードの耐久性が悪化するおそれがあるためである。また、周方向ベルト層が周方向に引き伸ばされると、トレッドの偏摩耗の原因となるおそれがあるためである。
なお、この距離dとは、図2(b)に示すように、周方向ベルト層2bを傾斜ベルト層3aに投影させた水平面内でのコードの中心間距離を意味する。
また、上記距離dは40mm以下であることが好ましい。なぜなら、上記距離dが40mmより広い場合、タイヤ転動に伴う傾斜ベルト層の周方向の変形自体が大きくなり、上述した場合と同様、周方向ベルト層が引き伸ばされるためである。
また、本発明の周方向ベルト層は、1本または複数本の低弾性率コード6および高弾性率コード7をそれぞれゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成形することが、製造の時間短縮につながり、結果的にコストを抑制することができ、好適である。
また、低弾性率コード6には、例えば、金属製の弾性コード、すなわち複撚りの4×0.28mm+6×0.25mmのコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが好適であり、高弾性率コード7には、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード(図1(b)、(c)における周方向ベルト層2a、2bの構造を参照)、いわゆる波形コード、又は金属製の非伸張コード、すなわち層撚り(3+9+15)×0.23mmのコードが好適である。ハイエロンゲーションコードの引張歪1.8%における弾性率は、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード、又は金属製の非伸張コードよりも小さいことが一般的である。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
また、低弾性率コード6に有機繊維コードを用いて、高弾性率コード7に金属製コードを用いても、上述の弾性率の条件を満足できる。
低弾性率コード6の弾性率は、引張歪み1.8%において、40GPa以上100GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
高弾性率コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
図3および表1に示す仕様の下、発明例タイヤ、従来例タイヤ、および比較例タイヤをサイズ495/45R22.5で試作し、各試作タイヤについて、耐久試験、摩耗試験を行ったので以下に説明する。
発明例タイヤ1〜3および比較例タイヤ2、3は、図3(a)に示すベルト構造を有し、傾斜方向ベルト層3a、3bはいずれも周方向ベルト層2a、2bより幅広であり、幅が狭い方の傾斜方向ベルト層3bの幅方向最外側のコードと周方向ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離dを変化させている。なお、図3の例ではコードは図示しないが、図2と同様に、距離dはコードの中心間距離を示すものとする。低弾性率コードを含む幅方向端部域2E、2Eと、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cとから周方向ベルト層を構成する。
従来例タイヤは、図3(b)に示すベルト構造を有し。幅が狭い方の傾斜方向ベルト層3bは周方向ベルト層2a、2bより幅狭であり、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cのみから周方向ベルト層を構成する。
比較例タイヤ1は、図3(c)に示すベルト構造を有し、傾斜方向ベルト層3a、3bはいずれも周方向ベルト層2a、2bよりは幅広であるが、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cのみから周方向ベルト層を構成する。
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労強度を測定した(耐久試験)。疲労強度は従来例タイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きい、すなわち、耐久性能が良好であることを示している。また、同時に、トレッド摩耗量を測定した(摩耗試験)。トレッド摩耗量は従来例タイヤの摩耗量を100としてその逆数を指数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、摩耗性能が良好であることを示している。
なお、コードの弾性率は、コードをインストロン型引張試験機による引張試験に供し、そのときの引張歪1.8%でのコード弾性率である。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eには4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。
Figure 2009166661
表1の結果より、発明例タイヤ1〜3は幅方向端部域と幅方向中央域とのコードの弾性率を変え、周方向ベルト層の幅方向最外側に配置したコードと、傾斜ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離が5mm以上にすることにより、耐久性能が向上したことが分かる。
また、従来例タイヤ以外のタイヤは2層の傾斜ベルト層を周方向ベルト層よりも幅広にすることで、良好な摩耗性能を示したことがわかる。
以上により、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整してベルトの耐久性能を大幅に向上し、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定して摩耗性能を向上し、さらに、周方向ベルト層の幅方向最外側に配置したコードと、傾斜ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離を規制することにより、ベルトの耐久性能を一層向上し、耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
(a)は本発明に従うタイヤの幅方向断面図であり、(b)、(c)はベルトの展開図である。 (a)は本発明に従うタイヤのベルト層の部分拡大底面図、(b)はその幅方向断面図である。 (a)〜(c)は発明例タイヤ、従来例タイヤおよび比較例タイヤに従うベルトの幅方向断面図である。
符号の説明
1 カーカス
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E、2E 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7、8 コード
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
    前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
    傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
    各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
    周方向ベルト層の幅方向最外側に配置されたコードと、傾斜ベルト層の幅方向最外側のコードとの距離が5mm以上である、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記距離が40mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅方向端部域に配置されたコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
    前記幅方向中央域に配置されたコードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記幅方向端部域に配置されたコードが有機繊維コードであり、
    前記幅方向中央域に配置されたコードが金属コードである、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記幅方向端部域に配置されたコードおよび前記幅方向中央域に配置されたコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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