JP5102062B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5102062B2 JP5102062B2 JP2008043282A JP2008043282A JP5102062B2 JP 5102062 B2 JP5102062 B2 JP 5102062B2 JP 2008043282 A JP2008043282 A JP 2008043282A JP 2008043282 A JP2008043282 A JP 2008043282A JP 5102062 B2 JP5102062 B2 JP 5102062B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cord
- width
- tire
- elastic modulus
- width direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Description
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
この技術は、周方向ベルト層に埋設したコードの幅方向の弾性率を調整することによって、コードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性の向上を図ろうとするものである。さらに、傾斜ベルト層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くしてトレッド部の面内せん断剛性を高くして耐摩耗性能を確保している。
すなわち、本発明は、上記した特願2006−349481号明細書に提案の空気入りタイヤの改良に係るものであり、上記の問題を未然に防ぐことによって、ベルト耐久性の一層の改善を図ることを目的とする。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置したベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域が少なくとも2層構造であって、該幅方向端部域は、前記幅方向中央域に隣接する内側端から、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップを、前記カーカスのクラウン部外周長の80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第二周を巻き付け、引き続き前記カーカスのクラウン部外周長の80〜90%の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10〜20%の周長に対して、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第三周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第四周を巻き付けて成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
また、傾斜ベルト層を周方向ベルト層より幅広に配置し、トレッド部の面内せん断剛性を高くしたため、優れた耐摩耗性能を確保することが可能である。
図1は、本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるからである。
なお、傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ接地時の傾斜ベルト層の変形が大きくなり、傾斜ベルト層と周方向ベルト層間ゴムの歪負担が大きくなる結果、該層間でのセパレーションが発生しやすくなるからである。
そこで、本発明では、周方向ベルト層の幅方向端部において、該幅方向外側に配置されたコードの弾性率を当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低くすることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E1、2E2に低弾性率コード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cに高弾性率コード7を配置することを基本とする。
すなわち、図2(a)に示すように、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップSを、幅方向端部域2E1の幅方向中央域2Cに隣接する内側端IEからベルトの幅方向内側から外側に向かって、前記カーカス1のクラウン部外周長Lの80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長、つまり一周長の20%以下の周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップSの幅SW以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成する。図示例では、カーカス1のクラウン部外周長Lの90%の周長に対して、タイヤの赤道面CLに沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10%の周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップSの幅SWの移動量でずらしながら巻き付けている。
最後に、図2(d)に示すように、タイヤの赤道面CLに沿って第四周を巻き付けて成形される。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
低弾性率コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
いずれの試作タイヤも2層の傾斜ベルト層を有し、さらに発明例タイヤ1および2と比較例タイヤ2〜4とは、低弾性率コードを配置した幅方向端部域2E1、2E2と、高弾性率コードを配置した幅方向中央域2Cとから周方向ベルト層を有し、従来例タイヤおよび比較例タイヤ1は、高弾性率コードを全幅にわたって配置した周方向ベルト層を有する。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E1、2E2には4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで波形のコードを適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E1、2E1 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7 コード
S ストリップ
CL タイヤ赤道
Claims (6)
- 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置したベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記周方向ベルト層の幅方向端部域が少なくとも2層構造であって、該幅方向端部域は、前記幅方向中央域に隣接する内側端から、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップを、前記カーカスのクラウン部外周長の80%以上100%未満の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの周長に対して、ベルトの幅方向内側から外側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第一周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第二周を巻き付け、引き続き前記カーカスのクラウン部外周長の80〜90%の周長に対してタイヤの赤道面に沿って巻き付けたのち、一周長の残りの10〜20%の周長に対して、ベルトの幅方向外側から内側に向かって、ストリップ幅以内の移動量でずらしながら巻き付けて第三周を形成し、その後タイヤの赤道面に沿って第四周を巻き付けて成ることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ストリップの第一周および第三周のストリップの移動量がストリップ幅であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記低弾性率コードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、前記高弾性率コードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記低弾性率コードが有機繊維コードであり、前記高弾性率コードが金属コードであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記低弾性率コードおよび前記高弾性率コードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008043282A JP5102062B2 (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008043282A JP5102062B2 (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009196600A JP2009196600A (ja) | 2009-09-03 |
JP5102062B2 true JP5102062B2 (ja) | 2012-12-19 |
Family
ID=41140591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008043282A Expired - Fee Related JP5102062B2 (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5102062B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5735810B2 (ja) | 2011-01-14 | 2015-06-17 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤにおける周方向ベルト層の形成方法 |
DE112011105480B4 (de) * | 2011-07-29 | 2016-02-11 | The Yokohama Rubber Co., Ltd | Luftreifen |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3244781B2 (ja) * | 1992-07-14 | 2002-01-07 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造 |
FR2740733A1 (fr) * | 1995-11-08 | 1997-05-09 | Michelin & Cie | Pneumatique "poids-lourds" radial avec armature de sommet ayant une nappe multipartite |
JP4377110B2 (ja) * | 2002-06-28 | 2009-12-02 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP4298330B2 (ja) * | 2003-03-11 | 2009-07-15 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP2004338502A (ja) * | 2003-05-14 | 2004-12-02 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ及びその製造方法 |
CN100503278C (zh) * | 2003-07-18 | 2009-06-24 | 米其林技术公司 | 用于重型车辆的轮胎 |
US8505601B2 (en) * | 2005-05-31 | 2013-08-13 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic radial tire |
-
2008
- 2008-02-25 JP JP2008043282A patent/JP5102062B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009196600A (ja) | 2009-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4842117B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4377933B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
US8479793B2 (en) | Pneumatic tire | |
JP6003024B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
JP6442228B2 (ja) | 乗用車用空気入りタイヤ | |
JP2012046061A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5060780B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2007015638A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2011162023A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009196548A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4377934B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009184371A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5102062B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009255619A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009196601A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2008143347A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5275655B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4153127B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4865274B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP5965155B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5013522B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2009166661A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009166664A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4486408B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4568547B2 (ja) | 空気入りランフラットタイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120822 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120927 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5102062 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |