JP2009160128A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとが股間側で連続せずに離間しており、両外装シート12F,12Bは、ウエスト側折り返し部分21と股間側折り返し部分22とを有し、これらウエスト側折り返し部分21の股間側端縁と、股間側折り返し部分22のウエスト側端縁とが一致しており、サイドシール部12Aのうち、ウエスト側端部におけるシート状資材12の積層数と股間側端部におけるシート状資材12の積層数とが同じであり、且つウエスト側端部と股間側端部との間の中間部におけるシート状資材12の積層数が、ウエスト側端部及び股間側端部におけるシート状資材の積層数と同じか又は少ない、構造のパンツ型使い捨ておむつとする。
【選択図】図10
Description
このようなパンツ型使い捨ておむつにおいては、***後などにおいておむつを脱がす際、サイドシール部における背側部分と腹側部分とを引き剥がし、身体から取り除くことが行われる。このため、サイドシール部には、装着中に破れないようなシール強度だけでなく、使用後の引き剥がし易さも求められており、従来から様々な技術が提案されている(特許文献1〜8参照)。
例えば、図25に示すように、従来のパンツ型紙おむつにおいては、肌触りを良くする等の目的で、最も外側に位置するシート状資材12のウエスト側端部を最も内面側に折り返し、シート状資材12の端縁を覆い隠すことが行われているが、この場合、サイドシール部の上側部分(図25(b)の上側部分)におけるシート状資材12の積層数が下側部分におけるシート状資材12の積層数よりも多くなるため、サイドシール部の上側部分が相対的に強く溶着される。つまり、サイドシール部の上側部分が適切に溶着されるように製造すると、下側部分の溶着が不十分となり、脚周りに加わる強い力によりシールがはがれるおそれがあり、下側部分の溶着が適切となるように製造すると、上側部分の溶着が強くなり、使用後の引き剥がしが殆ど不可能になるため、適切な条件設定が極めて困難である。
さらに、このような問題点は、前述した各特許文献に記載されるような溶着パターンの変更では解決が困難であった。
そこで、本発明の主たる課題は、十分なシール強度の確保と引き剥がし易さとを両立させること及び肌触りを良くして着用感を向上することにある。
<請求項1記載の発明>
複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された腹側外装シートの両側部と、複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された背側外装シートの両側部とが溶着接合されて形成された筒状の胴回り部と、
前記腹側外装シート内面の幅方向中央部から前記背側外装シート内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、***物を吸収する内装体とを備え、
前記腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装シート及び背側外装シートは、最外面をなすシート状資材がウエスト側端縁において最内面の少なくともウエスト側端部を覆うように折り返されて形成されたウエスト側折り返し部分と、最外面をなすシート状資材が股間側端縁において最内面の少なくとも股間側端部を覆うように折り返されて形成された股間側折り返し部分とを有し、
これらウエスト側折り返し部分及び股間側折り返し部分が互に重ならないように、前記ウエスト側折り返し部分の股間側端縁と、前記股間側折り返し部分のウエスト側端縁とが一致するか又は離間しており、
前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが溶着接合された部分であるサイドシール部のうち、ウエスト側端部におけるシート状資材の積層数と股間側端部におけるシート状資材の積層数とが同じであり、且つ前記ウエスト側端部と股間側端部との間の中間部におけるシート状資材の積層数が、前記ウエスト側端部及び股間側端部におけるシート状資材の積層数と同じか又は少ない、
ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
上記課題を解決するだけであれば、単に、外装シートにおけるシート状資材の積層数を調整するだけでも可能である。しかし、外装シートにおけるシート状資材の積層構造には種々の制約がある。例えば、外装シートのウエスト開口部の縁や脚開口部の縁等、肌に接触する縁部にシート状資材の縁が露出すると、シートが剥がれ易くなったり、肌触りが悪化したりするため、これを改善する目的で、最も外側に位置するシート状資材のウエスト側端部を最も内面側に折り返し、シート状資材の端縁を覆い隠す場合には、その制約を受ける。また、シート状資材間に糸ゴム等の弾性伸縮部材を挟持固定する場合、シート状資材の積層構造は弾性伸縮部材の配置等の制約を受ける。よって、単に、外装シートにおけるシート状資材の積層数を調整するだけでは、他の機能を損ないかねない。
複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された腹側外装シートの両側部と、複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された背側外装シートの両側部とが溶着接合されて形成された筒状の胴回り部と、
前記腹側外装シート内面の幅方向中央部から前記背側外装シート内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、***物を吸収する内装体とを備え、
前記腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装シート及び背側外装シートは、最外面をなすシート状資材がウエスト側端縁において最内面のウエスト側端縁から股間側端縁又はその近傍までを覆うように折り返されて形成されており、
前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが溶着接合された部分であるサイドシール部のうち、ウエスト側端部におけるシート状資材の積層数と股間側端部におけるシート状資材の積層数とが同じであり、且つ前記ウエスト側端部と股間側端部との間の中間部におけるシート状資材の積層数が、前記ウエスト側端部及び股間側端部におけるシート状資材の積層数と同じか又は少ない、
ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
腹側外装シート及び背側外装シートが、最外面をなすシート状資材がウエスト側端縁において最内面のウエスト側端縁から股間側端縁又はその近傍までを覆うように折り返されて形成されている構造を採用することもでき、この場合、各外装シートの股間側端縁においては、各外装シートのシート状資材の端縁が露出するが、特に剥がれや肌触りの悪化が発生し易いウエスト側端縁においては、各外装シートのシート状資材の端縁が露出せずに済む。よって、前述の形態とほぼ同等の作用効果が奏せられる。
前記内装体の前端部が、前記腹側外装シートにおけるウエスト側折り返し部分と、その外面側資材との間に挟持固定されるとともに、前記内装体の後端部が、前記背側外装シートにおけるウエスト側折り返し部分と、その外面側資材との間に挟持固定されている、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本項記載のように構成することで、上述した各部位のシート状資材の積層数にしながらも、内装体の前端縁及び後端縁に露出する内装体構成資材の端縁を、各外装シートのウエスト側折り返し部分により被覆することができ、外装シートからの内装体の剥がれや内装体の前後端による肌触りの悪化を防止することができる。
前記腹側外装シート及び背側外装シートに、幅方向に沿うスリットがそれぞれ形成されるとともに、前記内装体の前端部が、前記腹側外装シートにおけるスリットを通り抜けて腹側外装シートの外面に固定され、且つ前記内装体の後端部が、前記背側外装シートにおけるスリットを通り抜けて背側外装シートの外面に固定されている、請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本項記載のように構成することで、上述した各部位のシート状資材の積層数にしながらも、内装体の前端縁及び後端縁に露出する内装体構成資材の端縁を、各外装シートの外面に配置することができ、外装シートからの内装体の剥がれや内装体の前後端による肌触りの悪化を防止することができる。
前記内装体の前端部及び後端部が、前記腹側外装シートの最内面及び前記背側外装シートの最内面にそれぞれ接合されるとともに、前記内装体の前端部からその前側及び幅方向両側に位置する腹側外装シートの最内面部分までを一体的に被覆するように前部カバーシートが貼り付けられ、且つ前記内装体の後端部からその後側及び幅方向両側に位置する背側外装シートの最内面部分までを一体的に被覆するように後部カバーシートが貼り付けられている、請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本項記載のように構成することで、上述した各部位のシート状資材の積層数にしながらも、内装体の前端縁及び後端縁に露出する内装体構成資材の端縁を、前部及び後部カバーシートにより被覆し且つ外装シートに対して押し付けることができるため、外装シートからの内装体の剥がれや内装体の前後端による肌触りの悪化を防止することができる。
前記内装体の前端部及び後端部の端縁が、フィルム材あるいは紙素材からなるシート材を含まないように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本項記載のように構成することで、内装体の前後端部の端縁が薄く、柔らかくなるとともに、通気性に優れるようになる。そのため、内装体の前後端部を被覆する構成と組み合わせれば、着用感をさらに向上させることが可能となり、また、被覆せずに、内面側に露出させておいても、着用感の悪化を抑えることができる。
前記腹側外装シート及び背側外装シートの各々における、前記ウエスト側折り返し部分とその外面側に位置するシート状資材との間及び前記股間側折り返し部分とその外面側に位置するシート状資材との間に、弾性伸縮部材がそれぞれ挟持固定されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本項記載のように構成することで、上述した各部位のシート状資材の積層数にしながらも、従来同様、胴回り部を構成する各外装シート内に弾性伸縮部材を設けてフィット性向上を図ることができる。
前記溶着接合が超音波溶着によりなされている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前述したようなシート状資材積層数の影響は超音波溶着により溶着部を形成する場合において顕著である。よって、本発明はこのような場合に好適である。
前記サイドシール部は、前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが重なる部分の上縁から下縁まで線状に形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
本発明は、本項記載のようなサイドシール部に対して特に好適である。
図1〜図9は、第1の実施形態のパンツ型使い捨ておむつを示している。このパンツ型使い捨ておむつは、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとを有しており、腹側外装シート12Fの幅方向両側縁と背側外装シート12Bの幅方向両側縁とが、両者の重なる部分の上下方向全体にわたりヒートシールや超音波溶着等により溶着接合されて筒状の胴回り部100が形成されるように構成されている。符号12Aは両外装シート12F,12Bが溶着接合された部分であるサイドシール部を示している。サイドシール部12Aの溶着パターンは、公知のものを特に限定なく用いることができ、例えば縦方向又は斜め方向に沿う線状又は点状の溶着部が上下方向に沿って所定の間隔を空けて一列又は複数列つらなるパターンや、溶着部が上下方向に沿って一直線状に連続するパターン等を採用することができる。
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bは、図4及び図5にも示すように一枚のシート状資材12を2層構造となるように折り畳んで貼り合せてなるものである。特徴的には、各外装シート12F,12Bにおいては、シート状資材12が幅方向全体にわたりウエスト側端縁(ウエスト開口部WOの縁)を折り線として最外面から最内面に折り返され、この折り返し部分が最内面における上下方向中間位置よりウエスト側の部分全体を覆うウエスト側折り返し部分21として形成されるとともに、シート状資材12が幅方向全体にわたり股間側端縁を折り線として最外面から最内面に折り返され、この折り返し部分が最内面における上下方向中間位置より股間側の部分全体を覆う股間側折り返し部分22として形成されている。よって、ウエスト側折り返し部分21及び股間側折り返し部分22が互に重ならないように、ウエスト側折り返し部分21の股間側端縁と、股間側折り返し部分22のウエスト側端縁とが一致している(突き合わさっている)。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えている。液不透過性シート11の裏面側には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。また、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に、中間シート(セカンドシート)40を設けることができる。さらに、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に、身体側に起立するバリヤーカフス60,61を設けることができる。なお、図示しないが、内装体200の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより、適宜相互に固定することができる。また、内装体200は、メカニカルファスナーや粘着材を用い、外装シート12F,12Fに対して着脱自在に取り付けることもできる。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からなるフィルム材(防水フィルム)や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
バリヤーカフス60,61は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包被シート58とを有する。包被シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
70mm ≦ W1 < W2 ≦ 190mm …(1)
0.5 ≦ W1/W2 ≦ 0.85 …(2)
0mm ≦ L1−L2 ≦ 70mm …(3)
0mm ≦ L3−L4 ≦ 50mm …(4)
また、上記数値範囲にあると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の取付部分65近傍に吸収体56が存在しないため、バリヤーカフス60,61の動きの自由度が増し、バリヤーカフス60,61が幅方向外側に開き易く、肌に対して面で当たりやすくなり、脚の動きに対するフィット面の追従性も向上する。前後両側においては内装体200側部の吸収体56が十分な範囲に存在するため、これを基点(支点)としてバリヤーカフス60,61の起立が安定する。前後両側から股間部に至る部分は、バリヤーカフス60,61が内装体200の幅方向両側縁を基準として幅方向内側に起立した姿勢から幅方向外側に開いていく変位部であり、このバリヤーカフス60,61の姿勢変化が内装体200側部まで存在する吸収体56により支えられ、バリヤーカフス60,61の全体的な起立形状が安定する。上記数値範囲を外れ、括れ部が大きくなりすぎると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の自由度が高くなりすぎ、かえって脚周りに隙間ができ易くなるおそれがあり、また股間部の前後両側においても基点(支点)が無いためにバリヤーカフス60,61の起立が不安定になるおそれがある。逆に括れ部が小さくなりすぎると、バリヤーカフス60,61の自由度が低下するので好ましくない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパやクレープ紙等の紙素材、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
内装体200の裏面側には、製品外面に露出する股間部外装シート12Mが設けられている。この股間部外装シート12Mの素材としては、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bと同様のものを用いることができるが、より高強度の素材や消臭剤を含有するもの等、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bとは異なる素材を用いることもできる。具体的には、PP、PP/PE、PP/PET等の繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアーポイント不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等の各種不織布、あるいはこれに消臭剤等を添加したもの等を用いることができる。
図11〜図13は、第2の実施形態のパンツ型使い捨ておむつを示している。上記第1の実施形態では、ウエスト側折り返し部分21及び股間側折り返し部分22が互に重ならないように、ウエスト側折り返し部分21の股間側端縁と、股間側折り返し部分22のウエスト側端縁とを一致させたのに対して、第2の実施形態では、ウエスト側折り返し部分21及び股間側折り返し部分22が互に重ならないように、ウエスト側折り返し部分21の股間側端縁と、股間側折り返し部分22のウエスト側端縁とを上下方向に離間させ、この離間部分23には弾性伸縮部材を設けないようにした点のみが相違するものである。このような離間部分23が存在すると、離間部分23におけるシート状資材12の積層数が少ない(図示例では1枚)ため、各外装シート12F,12Bの通気性及び柔軟性が向上する。
上記第1の実施形態のように、一枚のシート状資材12をウエスト側及び股間側の両方で折り返して各外装シート12F,12Bの全体を2層構造に構成するのに代えて、図14及び図15に示すように、一枚のシート状資材12をウエスト側のみで折り返して各外装シート12F,12Bの全体を2層構造に構成することも提案される。この場合、シート状資材12の端縁が各外装シート12F,12Bの股間側端縁において露出するが、他の部位には露出しない。つまり、特に剥がれや肌触りの悪化が発生し易いウエスト側端縁においては、各外装シートのシート状資材の端縁が露出せずに済む。よって、第1の実施形態とほぼ同等の作用効果が奏せられる。
上記第1の実施形態のように、内装体200の前端部201及び後端部202を、ウエスト側折り返し部分21とその外面側資材との間に挟み込んで固定するのに代えて、図16及び図17に示すように、各外装シート12F,12Bの幅方向中央に、幅方向に沿うスリット27,27をそれぞれ形成するとともに、内装体200の前端部201を腹側外装シート12Fのスリット27に通して腹側外装シート12Fの外面にホットメルト接着剤等により固定し、且つ内装体200の後端部202を背側外装シート12Bのスリット27に通して背側外装シート12Bの外面にホットメルト接着剤等により固定することも提案される。この場合、内装体200の前端縁及び後端縁に露出する内装体構成資材の端縁が、各外装シート12F,12Bの外面に位置するため、外装シート12F,12Bからの内装体200の剥がれや内装体200の前後端による肌触りの悪化を防止することができる。図示例は第1の実施形態の変形例であるが、第2及び第3の実施形態にも適用可能であり、特に第3の実施形態のように、外装シート12F,12Bのシート状資材12間に挟み難い場合に好適である。
また、上記第1の実施形態のように、内装体200の前端部201及び後端部202を、ウエスト側折り返し部分21とその外面側資材との間に挟み込んで固定するのに代えて、図14及び図15に示すように、内装体200の前端部201及び後端部202を、腹側外装シート12Fの最内面及び背側外装シート12Bの最内面にそれぞれホットメルト接着剤等により接合するとともに、内装体の200前端部201からその前側及び幅方向両側に位置する腹側外装シート12Fの最内面部分までの部分にわたり一体的な前部カバーシート25をホットメルト接着剤等により貼り付け、且つ内装体200の後端部202からその後側及び幅方向両側に位置する背側外装シート12Bの最内面部分までの部分にわたり一体的な後部カバーシート26をホットメルト接着剤等により貼り付けることも提案される。この場合、内装体200の前端縁及び後端縁に露出する内装体構成資材の端縁を、前部及び後部カバーシートにより被覆し且つ各外装シート12F,12Bに対して押し付けることができるため、外装シート12F,12Bからの内装体200の剥がれや内装体200の前後端による肌触りの悪化を防止することができる。図からも判るように、本第5の実施形態は、特に第3の実施形態のように内装体200を外装シート12F,12Bのシート状資材12間に挟み難い場合に好適であるが、第1及び第2の実施形態にも適用可能である。
第6の実施形態は、内装体200の改良に関するものである。図20〜図24に示すように、液不透過性シート11及び包被シート58の前後方向長さが第1〜第5の実施形態と比べて短くなっており、内装体200の前後端部201,202には液不透過性シート11及び包被シート58を有しない構造となっている。ただし、液不透過性シート11及び包被シート58は吸収体56よりも前後方向長さが長く、吸収体56の前側及び後側に延出されている。中間シート40は、第1〜第5の実施形態と同様に内装体200の前後端部201,202には存在していない。一方、表面シート30及び股間部外装シート12Mは内装体200の前後端部201,202まで延在しており、これら表面シート30及び股間部外装シート12Mが内装体200の前後端部201,202においてホットメルト接着剤等の接着剤31により幅方向全体にわたり接合されている。この構造からも判るように、股間部外装シート12Mは、内装体200の全長にわたって配置されることが好ましく、また、内装体200の前後端部201,202は不織布のみで構成されることが好ましい。なお、ここでいう「内装体の前後端部」とは、少なくとも外装シート12F,12Bに対する固定部分の一部を含む部分を意味し、例えば内装体200の前縁及び後縁から股間側にそれぞれ5〜15mm程度の部分とすることができる。
Claims (9)
- 複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された腹側外装シートの両側部と、複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された背側外装シートの両側部とが溶着接合されて形成された筒状の胴回り部と、
前記腹側外装シート内面の幅方向中央部から前記背側外装シート内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、***物を吸収する内装体とを備え、
前記腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装シート及び背側外装シートは、最外面をなすシート状資材がウエスト側端縁において最内面の少なくともウエスト側端部を覆うように折り返されて形成されたウエスト側折り返し部分と、最外面をなすシート状資材が股間側端縁において最内面の少なくとも股間側端部を覆うように折り返されて形成された股間側折り返し部分とを有し、
これらウエスト側折り返し部分及び股間側折り返し部分が互に重ならないように、前記ウエスト側折り返し部分の股間側端縁と、前記股間側折り返し部分のウエスト側端縁とが一致するか又は離間しており、
前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが溶着接合された部分であるサイドシール部のうち、ウエスト側端部におけるシート状資材の積層数と股間側端部におけるシート状資材の積層数とが同じであり、且つ前記ウエスト側端部と股間側端部との間の中間部におけるシート状資材の積層数が、前記ウエスト側端部及び股間側端部におけるシート状資材の積層数と同じか又は少ない、
ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。 - 複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された腹側外装シートの両側部と、複数層のシート状資材の貼り合わせにより形成された背側外装シートの両側部とが溶着接合されて形成された筒状の胴回り部と、
前記腹側外装シート内面の幅方向中央部から前記背側外装シート内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、***物を吸収する内装体とを備え、
前記腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装シート及び背側外装シートは、最外面をなすシート状資材がウエスト側端縁において最内面のウエスト側端縁から股間側端縁又はその近傍までを覆うように折り返されて形成されており、
前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが溶着接合された部分であるサイドシール部のうち、ウエスト側端部におけるシート状資材の積層数と股間側端部におけるシート状資材の積層数とが同じであり、且つ前記ウエスト側端部と股間側端部との間の中間部におけるシート状資材の積層数が、前記ウエスト側端部及び股間側端部におけるシート状資材の積層数と同じか又は少ない、
ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記内装体の前端部が、前記腹側外装シートにおけるウエスト側折り返し部分と、その外面側資材との間に挟持固定されるとともに、前記内装体の後端部が、前記背側外装シートにおけるウエスト側折り返し部分と、その外面側資材との間に挟持固定されている、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記腹側外装シート及び背側外装シートに、幅方向に沿うスリットがそれぞれ形成されるとともに、前記内装体の前端部が、前記腹側外装シートにおけるスリットを通り抜けて腹側外装シートの外面に固定され、且つ前記内装体の後端部が、前記背側外装シートにおけるスリットを通り抜けて背側外装シートの外面に固定されている、請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記内装体の前端部及び後端部が、前記腹側外装シートの最内面及び前記背側外装シートの最内面にそれぞれ接合されるとともに、前記内装体の前端部からその前側及び幅方向両側に位置する腹側外装シートの最内面部分までを一体的に被覆するように前部カバーシートが貼り付けられ、且つ前記内装体の後端部からその後側及び幅方向両側に位置する背側外装シートの最内面部分までを一体的に被覆するように後部カバーシートが貼り付けられている、請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記内装体の前端部及び後端部の端縁が、フィルム材あるいは紙素材からなるシート材を含まないように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記腹側外装シート及び背側外装シートの各々における、前記ウエスト側折り返し部分とその外面側に位置するシート状資材との間及び前記股間側折り返し部分とその外面側に位置するシート状資材との間に、弾性伸縮部材がそれぞれ挟持固定されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記溶着接合が超音波溶着によりなされている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記サイドシール部は、前記腹側外装シートの両側部と背側外装シートの両側部とが重なる部分の上縁から下縁まで線状に形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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