JP2009152291A - 基板洗浄装置及びこの基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超臨界流体が基板洗浄空間内に形成する渦の中心位置を変更することができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、洗浄空間Sを規定する内壁25に対して所定の角度αで当該洗浄空間S内に超臨界流体を吐出させる3つ以上の流体吐出部21と、流体吐出部21にそれぞれ超臨界流体を供給するための供給流路と、供給流路から分流されて各流体吐出部21から吐出される超臨界流体の流量を制御する吐出流量制御手段30と、を備え、吐出流量制御手段30は、一部の流体吐出部21から第1の流量で超臨界流体が吐出されると共にそれ以外の流体吐出部21から第1の流量よりも小流量の第2の流量で超臨界流体が吐出され、且つ、第1の流量が分流される流体吐出部21が順次移行するように、供給流路11における超臨界流体の分流の流量を調整することを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】本発明は、洗浄空間Sを規定する内壁25に対して所定の角度αで当該洗浄空間S内に超臨界流体を吐出させる3つ以上の流体吐出部21と、流体吐出部21にそれぞれ超臨界流体を供給するための供給流路と、供給流路から分流されて各流体吐出部21から吐出される超臨界流体の流量を制御する吐出流量制御手段30と、を備え、吐出流量制御手段30は、一部の流体吐出部21から第1の流量で超臨界流体が吐出されると共にそれ以外の流体吐出部21から第1の流量よりも小流量の第2の流量で超臨界流体が吐出され、且つ、第1の流量が分流される流体吐出部21が順次移行するように、供給流路11における超臨界流体の分流の流量を調整することを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、超臨界流体を用いて半導体基板やフラットパネルディスプレー用のガラス基板等の基板表面の洗浄及びレジスト剥離処理等を行う基板洗浄装置及びこの基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法に関する。
半導体製造装置やフラットパネルディスプレー(FPD)用のガラス基板の製造工程においては、被洗浄物としての半導体基板(半導体ウエハ)やガラス基板に回路パターンを形成するリソグラフィプロセスがある。このリソグラフィプロセスは、基板(被洗浄物)にレジストを塗布し、このレジストに回路パターンの形成されたマスクを介して光を照射し、レジストの光が照射されていない部分(又は光が照射された部分)を除去し、除去された部分を現像、剥離又はエッチング等の処理を行うという一連の工程を繰り返すことで前記回路パターンを基板に転写する。
この一連の工程における各工程では、前記半導体基板やガラス基板が汚染されていると回路パターンを精密に形成することができなくなり、不良品の発生原因となる。従って、回路パターンを形成する際の工程において、基板表面がレジストや塵埃等の微粒子(パーティクル)の残留していない清浄な状態となるよう、前記半導体基板やガラス基板の洗浄が行われている。
従来、前記基板の洗浄方法としては、水や洗浄液等の液体を用いて基板表面を洗浄するいわゆるウェット方式が採用されてきた。しかし、近年、回路パターンサイズの微細化に伴い、ウェット方式の洗浄では、基板に形成された回路パターンが洗浄に用いる液体の表面張力で倒壊する(パターン倒れ)といった問題が生じていた。そこで、近年、前記基板の洗浄に超臨界流体を用いる洗浄方法が採用されている。
この超臨界流体を用いた基板洗浄装置としては、基板の表面(洗浄面)に沿って洗浄剤等が添加された超臨界流体を流すことで、微細な回路パターンのパターン倒れを生じさせることなく当該基板表面の洗浄を行う装置が知られている。
このような基板洗浄装置においては、超臨界流体の流れが基板上で渦を巻く場合がある。この場合、渦中心付近では他の位置の超臨界流体よりも流れが遅くなるためレジストの剥離処理において処理むらが発生する場合がある。また、前記超臨界流体の渦が一定位置に形成される場合には、洗い流したパーティクルの前記渦中心への集中によって、基板表面における傷等の発生といった不具合が懸念される。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、超臨界流体が基板洗浄空間内に形成する渦の中心位置を変更することができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係る基板洗浄装置は、基板の表面を超臨界流体で洗浄する基板洗浄装置であって、基板を洗浄するための洗浄空間を有する基板洗浄チャンバーと、前記洗浄空間を規定する内壁に対して所定の角度で当該洗浄空間内に超臨界流体を吐出させる3つ以上の流体吐出部と、前記流体吐出部にそれぞれ超臨界流体を供給するための供給流路と、前記洗浄空間内の超臨界流体を外部へ排出するための流体排出部と、前記供給流路から分流されて各流体吐出部から吐出される超臨界流体の流量を制御する吐出流量制御手段と、を備え、前記吐出流量制御手段は、一部の流体吐出部から第1の流量で超臨界流体が吐出されると共にそれ以外の流体吐出部から第1の流量よりも小流量の第2の流量で超臨界流体が吐出され、且つ、前記第1の流量が分流される流体吐出部が順次移行するように、前記供給流路における超臨界流体の分流の流量を調整することを特徴とする。
かかる構成では、供給流路を通じて洗浄空間内に供給された超臨界流体が流体吐出部から洗浄空間内に所定の角度で吐出されることで、基板の表面に沿って超臨界流体の渦が形成される。この超臨界流体の渦によって当該基板表面の洗浄が行われる。
しかも、上記構成では、3つ以上の流体吐出部において第1の流量が分流される一部の流体吐出部が順次移行するように供給流路における超臨界流体の分流の流量が調整されている。そのため、前記洗浄空間内に形成される超臨界流体の渦の中心(渦中心)の位置が前記基板の表面に沿って回転移動する。
このように、基板上に形成される超臨界流体の渦が、その渦中心を前記基板の表面に沿って回転移動するように形成されることで、レジストの剥離処理における処理むらの発生が抑制され、基板表面に対してレジストの剥離処理が均一に行われる。さらに、前記渦中心が基板上を回転移動することで、洗い流したパーティクルの集中する位置も移動することになり、基板表面の前記渦中心に対応する位置での傷の発生も抑制される。
本発明に係る基板洗浄装置においては、前記供給流路は、主流路と、この主流路から分岐した3つ以上の流量調整路と、これら各流量調整路に接続された分配流路と、を有し、各分配流路にはそれぞれ1以上の前記流体吐出部が接続される構成であってもよい。
かかる構成によれば、各流量調整路内を流通する超臨界流体の流量を調整するだけで洗浄空間内に形成される渦中心の回転移動を制御できる。
前記吐出流量制御手段は、前記流量調整路に設けられる分流量調整手段と、この分流量調整手段を制御する制御手段と、を有する構成であることが好ましい。
このように吐出流量制御手段を分流量調整手段と制御手段とに分けることで、洗浄空間内に形成される渦中心の回転移動が制御できると共に各手段の構成の簡素化を図ることができる。
また、前記分流量調整手段は、開口度を調整できる流量制御弁であり、前記制御手段は、前記流量制御弁の開口度調整動作を制御する構成であってもよい。
かかる構成によれば、簡単な構成によって流量調整路内を流通する超臨界流体の流量を調整することができる。また、流量制御弁は、種々開発されているため汎用品も多く、コスト削減を図ることができる。
また、前記分流量調整手段は、流路を開閉する開閉弁であり、前記制御手段は、前記開閉弁の開閉動作を制御する構成であってもよい。
かかる構成によれば、開と閉(開放と閉塞)の二つの状態間を切換えるだけのより簡単な構成の弁によって供給流路における超臨界流体の分流量を調整することができる。さらに、開閉弁の開閉動作は、開と閉の二つの状態間の切り換えのみであるため、この開閉動作の制御も容易になる。
また、前記分流量調整手段は、オリフィスをさらに備え、前記開閉弁とオリフィスとは、前記主流路に対して並列になるように流量調整路に設けられてもよい。
かかる構成によれば、全ての開閉弁を閉じても、主流路に対して前記開閉弁と並列に設けられたオリフィスを通過して所定流量の超臨界流体が洗浄空間内に吐出される。そのため、オリフィスの選定によって、開閉弁を用いて流量調整路の流量調整が可能になる。
また、前記流体排出部は、前記洗浄空間に配置された前記基板に対向する対向壁に複数設けられ、これら複数の流体排出部は、前記洗浄空間から超臨界流体を外部へ順次に排出するよう、切換え可能に構成される構成であってもよい。
かかる構成によれば、流体排出部が切換えられることで、洗浄空間内から超臨界流体が排出される位置が変化するため、超臨界流体の渦中心の位置が切換えられた流体排出部に向かって移動する。そのため、前記切換えのタイミングが調整されることで、より超臨界流体の渦中心の位置の制御が行い易くなる。
また、上記課題を解消すべく、本発明に係る基板洗浄方法は、供給流路から供給された超臨界流体を洗浄空間内に吐出させて基板の表面を洗浄する基板洗浄方法であって、前記洗浄空間を規定するチャンバーの内壁に間隔をおいて配置されると共に、超臨界流体を前記内壁に対して所定の角度で前記洗浄空間内に吐出可能な少なくとも3つ以上の流体吐出部を使用し、一部の流体吐出部から第1の流量で超臨界流体を吐出させると共に、その他の流体吐出部から第1の流量よりも小流量である第2の流量で超臨界流体を吐出させ、且つ、前記第1の流量が吐出される流体吐出部が順次移行するように、前記供給流路から各流体吐出部へ分流される超臨界流体の流量を当該供給流路において調整することを特徴とする。
かかる構成では、前記同様、洗浄空間内に形成される超臨界流体の渦によって基板表面の洗浄が行われる。さらに、前記洗浄空間内に形成される超臨界流体の渦中心の位置が、前記基板の表面に沿って回転移動することで、レジストの剥離処理における処理むらの発生が抑制され、基板表面に対してレジストの剥離処理が均一に行われる。また、前記渦中心が基板上を回転移動することで、洗い流したパーティクルの集中する位置も移動することになり、基板表面の前記渦中心に対応する位置での傷の発生も抑制される。
以上より、本発明によれば、超臨界流体が基板洗浄空間内に形成する渦の中心位置を変更することができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することができるようになる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る基板洗浄装置は、洗浄剤等を添加した超臨界流体(以下、単に「超臨界流体」と称する。)を用いて半導体基板(ウエハ)やフラットパネルディスプレー(FPD)のガラス基板(以下、両方を併せて単に「基板」とも称する。)のレジスト剥離処理やパーティクルの洗浄を行う装置である。特に、微細な回路パターンが形成された基板を、パターン倒れを生じさせないように洗浄する際に用いられる装置である。尚、本実施形態において用いられる超臨界流体は、臨界点以上の高温・高圧下におくことで超臨界状態となった二酸化炭素(CO2)である。
具体的には、図1に示されるように、基板洗浄装置10は、基板w(図2参照)を洗浄する基板洗浄チャンバー20と、基板洗浄チャンバー20から排出された超臨界流体を循環させて再度基板洗浄チャンバー20に導入するための循環流路管11と、循環流路管11の途中に設けられて当該循環流路管11内の超臨界流体を循環させる循環ポンプ12と、循環流路管11から分流されて基板洗浄チャンバー20に供給される超臨界流体の各分流の流量を制御する吐出流量制御手段30と、を備える。
基板洗浄チャンバー20は、超臨界流体を用いて基板wのレジスト剥離処理及び洗浄処理が内部で行われるチャンバーである。この基板洗浄チャンバー20は、図2乃至図4(b)にも示されるように、基板(処理基板)wを収容して洗浄するための洗浄空間Sと、この洗浄空間S内に超臨界流体を吐出するための複数の流体吐出部21,21,…と、循環流路管11から供給される超臨界流体を各流体吐出部21に分配するための分配主流路22と、洗浄空間S内の超臨界流体を外部へ排出するための流体排出部23と、をチャンバー本体Bに有する。
洗浄空間Sは、水平な略円盤状に形成された空間で、基板wを配置した際に当該基板wを周縁方向から囲む円周状の内壁25と、互いに対向する上下一対の対向壁(上側対向壁及び下側対向壁)26,27と、によって規定されている。内壁25は、その壁面が平面視円形で、当該内壁25には複数の流体吐出部21,21,…が設けられている。下側対向壁27は、昇降可能なステージ28の上部によって構成され、上面が平滑な水平面となるように形成され、洗浄空間S内に搬入された基板wが配置される。このステージ28が降下又は上昇することで、洗浄空間Sと外部とを連通し、洗浄空間S内に基板wを搬入及び搬出するための基板挿入口29が開閉する(図4(a)及び図4(b)参照)。
ステージ28の下側には、上下に延びるピストン28aが接続されており、ピストン28aの中間部には大径部28bが形成されている。
上側対向壁26は、周縁部26aが径方向外側且つ上方に向かって傾斜し、中央部には一対(2つ)の流体排出部23,23が設けられている。
各流体排出部23は、基板洗浄チャンバー20の外部に配置された流路切換バルブ40に排出管41を介してそれぞれ接続されている。この流路切換バルブ40は、洗浄空間Sから超臨界流体を排出する流体排出部23を切換える。即ち、前記一対の流体排出部23,23は、流路切換バルブ40によって、交互に洗浄空間S内の超臨界流体を排出するように切換えられる。流路切換バルブ40は循環流路管11に接続されて、流体排出部23からの超臨界流体をこの循環流路管11に流入させる。
複数の流体吐出部21,21,…は、内壁25に沿って間隔をおいて設けられ且つ内壁25に対して所定の角度αで洗浄空間S内に超臨界流体を吐出できるように設けられている。詳細には、複数の流体吐出部21,21,…は、内壁25の周方向に沿って等間隔となるように当該内壁25に設けられ且つ共通の面(水平な仮想面V:図2参照)に沿って超臨界流体を吐出するように設けられている。即ち、全ての流体吐出部21,21,…が下側対向壁27の壁面に対して同じ高さ位置となるように設けられている。各流体吐出部21は、内壁25に対する水平方向の角度がそれぞれαとなるように、且つ平面視で例えば時計回りの方向に超臨界流体を吐出(噴出)するように設けられている。また、各流体吐出部21は、すべて長さ及び内径が等しく且つ前記水平な仮想面Vに沿って時計回りに湾曲した円弧状に形成されている。また、各流体吐出部21は、吐出側先端面が内壁25の壁面と面一となるように内壁25に設けられている。
尚、本実施形態においては、各流体吐出部21は、その吐出側先端面が内壁25の壁面と面一となるように設けられているが、洗浄空間S内に形成される後述の超臨界流体による渦の妨げとならない程度であれば、前記壁面から突出していてもよい。また、各流体吐出部21は、内壁25を前記仮想平面Vの位置で上下に分離し、対向する分離面に溝を切り欠き、前記分離した内壁25を併せることによって形成されてもよく、管材を内壁25に埋め込むことで形成されてもよい。
分配主流路22は、複数の分配流路部22a,22a,…に分割され、各分配流路部22aは、循環流路管11から超臨界流体が供給されると共に流体吐出部21が接続されている。本実施形態においては、分配主流路22は、4つの分配流路部22aに分割されている。詳細には、分配主流路22は、内壁25の壁面と同心となるような円環状の流路をその軸方向の長さが等しくなるように分割した形状の複数の分配流路部22a,22a,…によって構成されている。この分配主流路22は、内壁25の壁面からの距離が一定となるように前記壁面の外側(洗浄空間Sの径方向外側)に形成されると共に軸方向における各位置での内径が同一になるように形成されている。また、前記各分配流路部22aには、それぞれ等しい数の流体吐出部21…が接続されており、分配主流路22(分配流路部22a)の内径は、この流体吐出部21の内径よりも大きい。
循環流路管11は、基板洗浄チャンバー20の洗浄空間Sから排出された超臨界流体を前記洗浄空間Sへ供給するための管路である。この循環流路管11は、主流路管13と、循環ポンプ12の下流側且つ基板洗浄チャンバー20の上流側で分配流路部22aに対応する数(本実施形態においては、4本)に分岐した流量調整管14と、で構成されている。この流量調整管14は、それぞれ対応する分配流路部22aに接続される。本実施形態において、各流量調整管14は、2つ(2本)の並列流路管14a,14bに一旦分岐し、下流端でこの分岐した並列流路管14a,14bが合流している。
尚、上記の主流路管13と流量調整管14と分配流路部22aとによって供給流路が構成されている。この供給流路は、各流体吐出部21にそれぞれ超臨界流体を供給するための流路であり、分配流路部22aのみが基板洗浄チャンバー20内に配置され、他の主流路管13及び流量調整管14は、基板洗浄チャンバー20の外部に配置される循環流路管11を構成している。
吐出流量制御手段30は、前記供給流路から分流されて洗浄空間S内に吐出される超臨界流体の各分流量(各流体吐出部21から吐出される流量)を制御する。このように各分流量が制御されることで、後述するように洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦の中心位置が回転移動するように制御される。具体的には、この吐出流量制御手段30は、分流量調整手段31と、この分流量調整手段31の分流量調整動作を制御する分流量制御手段32とを有する。
分流量調整手段31は、各流量調整管14にそれぞれ設けられる。これら各分流量調整手段31が調整されることで、流量調整管14毎に内部を流通する超臨界流体の流量の調整が可能となる。このように各流量調整管14内を流通する超臨界流体の流量が調整されることで、各分配流路部22aにそれぞれ供給される超臨界流体の流量が分配流路部22a毎に調整される。それに伴って洗浄空間S内に流体吐出部21を介して吐出される超臨界流体の流量(分流量)が調整される。本実施形態においては、分流量調整手段31は、並列流路管14a,14bのうちの第1の並列流路管14aに設けられる開閉弁31aと、第2の並列流路管14bに設けられるオリフィス(絞り)31bとで構成される。
開閉弁31aは、第1の並列流路管14a内を超臨界流体が流通可能な開放状態と、超臨界流体が流通不可能な閉塞状態と、の2つの状態間で切換可能な弁である。この開閉弁31aの開閉制御、即ち、第1の並列流路管14a内を流通する超臨界流体の流量調整動作の制御は、分流量制御手段32によって制御される。この制御の詳細については後述する。
尚、本実施形態において、開閉弁31aとしてはエアーオペレートバルブが用いられている。このエアーオペレートバルブ(開閉弁)31aは、途中に電磁弁15aが設けられたエアー配管15によって分流量制御手段32に接続されている。そして、分流量制御手段32に設けられたコントローラー(図示せず)で電磁弁15aを開閉制御し、エアー配管15を介してエアーオペレートバルブ31aにエアーが供給され又はエアーの供給が停止されることでエアーオペレートバルブ31aが開閉制御される。
分流量制御手段32は、前記各分流量調整手段31を制御する(本実施形態においては、開閉弁31aを開閉制御する)ことで、一部の流体吐出部21から後述の大流量(第1の流量)で超臨界流体が吐出されると共にそれ以外の流体吐出部から後述の小流量(第2の流量)の超臨界流体が吐出され、且つ、前記大流量が分流される流体吐出部21が順次移行するように、各流量調整管14への超臨界流体の分流量を調整する。尚、分流量制御手段32の制御の詳細については後述する。
循環流路管11には、基板洗浄チャンバー20の下流側且つ循環ポンプ12の上流側に、排気管(排気ライン)16、二酸化炭素(CO2)供給管(CO2供給ライン)17、洗浄剤(添加薬)供給管(洗浄剤供給ライン)18がそれぞれ接続されている。排気管16に設けられたバルブ16aの開閉により循環流路管11からの二酸化炭素の排気が行われる。二酸化炭素供給管17に設けられたバルブ17aの開閉により循環流路管11への二酸化炭素の供給が行われる。洗浄剤供給管18に設けられたバルブ18aの開閉により循環流路管11への洗浄剤の供給が行われる。
また、循環流路管11には、循環ポンプ12の下流側且つ流量調整管14の上流側にフィルター19が設けられている。このフィルター19は、基板洗浄処理中に発生するパーティクルを当該フィルター19を通過する超臨界流体から取り除き、基板wへのパーティクルの再付着を防止するためのものである。
本実施形態に係る基板洗浄装置10は、以上の構成からなり、次に、基板洗浄装置10の動作について説明する。
まず、ステージ28下側のピストン28aの大径部28b上側のチャンバー本体Bとの間隙s1内に流体が注入されることで、ピストン28aが押し下げられ、ステージ28が降下する。ステージ28が降下した状態で、基板洗浄チャンバー20側部に開いた基板挿入口29から基板wが洗浄空間S内に搬入される(図4(a)参照)。
基板wが搬入された後、大径部28b上側のチャンバー本体Bとの間隙s1内から流体が排出されると共に下側の間隙s2内に流体が注入される。また、同時にピストン28a下側のチャンバー本体Bとの間隙s3内にも流体が注入される。このように流体が注入されることで、ピストン28aが押し上げられ、ステージ28が上昇する。その際、基板挿入口29がステージ28の側壁によって閉じられ、洗浄空間S内が液密及び気密状態となる。
次に、バルブ16aが閉じた状態でバルブ17aが開放されて二酸化炭素供給管17から循環流路管11、循環ポンプ12及び基板洗浄チャンバー20等の超臨界流体が循環する循環サイクルを構成する構成要素内に超臨界流体(超臨界CO2)が充填される。また、バルブ18aが一時開かれて洗浄剤供給管18からこの超臨界流体に所定量の洗浄剤が添加され、循環ポンプ12により超臨界流体が前記循環サイクル内を循環する。この循環により、基板洗浄チャンバー20においては、超臨界流体が流体吐出部21から洗浄空間S内に吐出されて洗浄空間Sの中心部に向かい、流体排出部23から外部に排出される。
このような洗浄空間S内の超臨界流体の流れによって、当該洗浄空間S内に搬入された基板表面のレジスト剥離処理やパーティクルの洗浄等の基板表面の洗浄(洗浄処理)が行われる。このとき、後述するように分流量制御手段32による各流量調整管14の開閉弁31aの開閉制御及びタイマー(図示せず)による流路切換バルブ40の切換えタイミングの制御によって、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の流れが制御され、基板wの洗浄が行われる。基板wの洗浄が終了すると、排気管16のバルブ16aが開けられ、前記循環サイクル内から当該排気管16を通じて超臨界流体が排出される。超臨界流体排出後、基板wが洗浄空間S内から搬入と逆の手順で搬出される。
以下、洗浄空間S内の超臨界流体の流れによる基板w表面の洗浄時における分流量制御手段32による開閉弁31aの開閉制御、及びタイマー等による流路切換バルブ40の切換えタイミングの制御について図5(a)乃至図6(b)も参照しつつ説明する。尚、以下では説明の便宜上、複数の分配流路部22a,22a,…にそれぞれ接続される流量調整管14,14,…の一つ(図3における左側の流量調整管14)を第1流量調整管141とし、図3において時計回りに第2流量調整管142、第3流量調整管143及び第4流量調整管144とも称する。
全ての開閉弁31aが開いた状態で、循環流路管11から基板洗浄チャンバー20の洗浄空間S内に超臨界流体が供給される。詳細には、超臨界流体は、循環ポンプ12から循環流路管11の主流路管13に送り出され、当該循環流路管11が分岐することで形成されている4つの流量調整管14を経て分配主流路22を構成する各分配流路部22aに到達する。さらに詳細には、各流量調整管14を流れる超臨界流体の流れは、各流量調整管14に設けられた第1及び第2の並列流路管14a,14b内をそれぞれ流れるように一旦分流される。そして、第1の並列流路管14aにおいては開閉弁31aを通過後、第2の並列流路管14bにおいてはオリフィス31bを通過後に、各並列流路管14a,14bが合流することで前記分流された超臨界流体の流れも合流し、この合流後に超臨界流体が部分流路部22aに到達する。このとき、各流量調整管14を流れる超臨界流体の流量がそれぞれ同一となるため各分配流路部22aに供給される超臨界流体の流量がそれぞれ同一となる。
このようにして循環流路管11から超臨界流体が各分配流路部22aに供給され、これら各分配流路部22aから当該分配流路部22aに接続される各流体吐出部21へ供給される。
その際、分配流路部22aが軸方向において内径が同一に構成されていることから、軸方向における各位置での圧力が同一となる。従って、共通(同一)の分配流路部22aに接続されている各流体吐出部21には、同一圧力で超臨界流体が供給され、共通の分配流路部22aに接続された一群(複数)の流体吐出部21,21,…から洗浄空間S内に吐出される超臨界流体の流量がそれぞれ同一となる。また、上記のように各分配流路部22aに供給される超臨界流体の流量が同一であるため、内壁25に設けられた全ての流体吐出部21から吐出される超臨界流体の流量がそれぞれ同一となる。
洗浄空間S内に供給された超臨界流体は、各流体吐出部21から吐出される際、洗浄空間Sを規定する基板洗浄チャンバー20の内壁25から何れも平面視時計回りの方向に当該洗浄空間S内に吐出される。このように吐出されることで、超臨界流体は、内壁25側から洗浄空間Sの中心に向かって当該洗浄空間S内に配置された基板表面に沿って渦を形成しつつ流れる。この超臨界流体の渦によって当該基板wに対して擬似的な枚葉スピン洗浄が行われる。
このとき、流路切換バルブ40は、一方(図5(a)において左側)の流体排出部23から超臨界流体が排出されるように切換えられている。そのため、前記渦状に流れる超臨界流体は、洗浄空間S内を内壁25側から中心に向かって基板wに沿うように流れ、当該洗浄空間Sの中心部で上側対向壁26中央部に形成された前記一方側の流体排出部23に向かって渦を巻きつつ上昇するように流れる(図5(a)参照)。
この状態で、流路切換バルブ40が切換えられると超臨界流体を洗浄空間Sから排出する流体排出部23が他方側(図5(a)において右側)に切り換わる。そのため、前記上昇する流れの向かう方向が切り換わり、これに伴って渦の中心部に形成される超臨界流体の流れの遅い領域(よどみ)pが移動する(図5(b)参照)。この流路切換バルブ40の切換えを繰り返すことで、前記よどみpは、基板w上を洗浄空間Sの径方向に沿って往復動する。前記流路切換バルブ40の切換タイミングは、タイマー(図示せず)によって所定の周期で行われる。このタイマーの切換え周期は任意に調整可能である。
また、超臨界流体が前記渦を巻きつつ上昇するように流れる状態で、各分流量調整手段31を分流量制御手段32によって制御することで各流量調整管14を流れる超臨界流体の流量が調整され、前記よどみpを移動させることができる。具体的には、4つの開閉弁31aのうち1つの開閉弁31aが開き、他の3つの開閉弁31aが閉じた状態で、この開いた状態の開閉弁31aが順に移行、本実施形態においては、第1流量調整管141から図3において時計回りの順に移行する。
詳細には、第1流量調整管141の開閉弁31aが開くと共に第2乃至第4流量調整管142乃至144の各開閉弁31aが閉まった状態となる。次に、第2流量調整管142の開閉弁31aが開くと共に第1、第3及び第4流量調整管141,143,144の各開閉弁31aが閉まった状態となる。次に、第3流量調整管143の開閉弁31aが開くと共に第1、第2及び第4流量調整管141,142,144の各開閉弁31aが閉まった状態となる。次に、第4流量調整管144の開閉弁31aが開くと共に第1乃至第3流量調整管141乃至143の各開閉弁31aが閉まった状態となる。この各状態が所定時間ずつ順に繰り返されるように第1乃至第4流量調整管141乃至144の各開閉弁31aが分流量制御手段32によって制御されることで第1乃至第4流量調整管141乃至144を流れる超臨界流体の流量が調整される。
ここで、第1流量調整管141の開閉弁31aが開き、第2乃至第4流量調整管142乃至144の各開閉弁31aが閉じた状態の場合について、より詳細に説明する。第2乃至第4流量調整管142乃至144においては、第1の並列流路管14a内の超臨界流体の流れが止まり、第2の並列流路管14b内にだけ超臨界流体が流れる。そのため、開閉弁31aが閉じた第2乃至第4流量調整管142乃至144には、オリフィス31bによって規定される流量(小流量)の超臨界流体がそれぞれ流れ、当該第2乃至第4流量調整管142乃至144に対応する各分配流路部22aに供給される。これに対し、開閉弁31aの開いた第1流量調整管141においては、前述のオリフィス31bに流量を規定される第2の並列流路管14b内を流れる超臨界流体に加え、第1の並列流路管14a内も超臨界流体が流れ、当該流量調整管14が接続された部分流路部22aにはこれらを併せた量(大流量)の超臨界流体が供給される。
このように第1乃至第4流量調整管141乃至144の各開閉弁31aのうち、開いた1つの開閉弁31aが順次移行すると共に他の3つの開閉弁31aが閉じた状態となるように分流量制御手段32によって各開閉弁31aが制御されることで、供給される超臨界流体の流量の多い分配流路部22aが前記内壁25の周方向に沿って順次移行する。即ち、大流量が供給される分配流路部22aが洗浄空間Sを規定する内壁25の周方向に沿って順次(図3において時計回りに)移行する。
従って、第1流量調整管141の開閉弁31aが開いたとき、第1流量調整管141が接続された分配流路部22aに設けられた一群の流体吐出部21,21,…からの吐出量が大流量となり、前記渦の中心が洗浄空間Sの中心位置から移動する(図6(a)の矢印参照)。
次に、第2流量調整管142の開閉弁31aが開いたときは、当該第2流量調整管142が接続された分配流路部22aに設けられた一群の流体吐出部21,21,…からの吐出量が大流量となり、前記渦の中心位置が移動する(図6(b)の矢印参照)。
次に、第3流量調整管143の開閉弁31aが開いたときには、当該第3流量調整管143が接続された分配流路部22aに設けられた一群の流体吐出部21,21,…からの吐出量が大流量となるため、図6(c)のように、さらに前記渦の中心位置が移動する。また、第4流量調整管144の開閉弁31aが開いたときには、当該第4流量調整管144が接続された分配流路部22aに設けられた一群の流体吐出部21,21,…からの吐出量が大流量となるため、図6(d)のように、さらに前記渦の中心位置が移動する。
このように洗浄空間Sを規定する内壁25の周方向に沿って配置される複数の分配流路部22a,22a,…に対し、大流量の超臨界流体が供給される分配流路部22aが前記周方向に沿って順次移行し、残りの分配流路部22aには小流量の超臨界流体が供給されるように、各開閉弁31aを分流量制御手段32によって制御する。そうすることで、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦の中心位置が前記周方向に沿って回転移動するようになる。
このようにして、分流量制御手段32による第1乃至第4流量調整管141乃至144における分流量調整手段31の制御(本実施形態においては、開閉弁31aの開閉制御)による超臨界流体の流量の調整、又はタイマー等による流路切換バルブ40の切換えタイミングの調整によって、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦中心の位置を基板w上で回転移動又は直線的に移動させることができる。
また、前記分流量調整手段31の制御(前記開閉弁31aの開閉制御)と流路切換バルブ40の切換えタイミングの調整とを組み合わせて制御することで、より自在に超臨界流体の渦中心の位置を移動させることができる。尚、前記分流量調整手段31の制御のみで洗浄空間S内に形成される渦の中心が十分な回転移動をする場合は、上側対向壁26に設けられる流体排出部23は、1つだけでもよい。また、流体排出部23が上側対向壁26に3つ以上設けられることで、さらに自在に超臨界流体の渦中心の回転移動の制御が可能となる。
次に、本実施形態に係る基板洗浄装置10の作用及び効果を説明する。
基板洗浄装置10では、供給流路(循環流路管11及び分配流路部22a)を通じて洗浄空間S内に供給された超臨界流体が流体吐出部21から洗浄空間内に所定の角度αで吐出されることで、基板wの表面に沿って超臨界流体の渦が形成される。この超臨界流体の渦によって当該基板表面の洗浄が行われる。
しかも、3つ以上の流体吐出部21において大流量(第1の流量)が分流される一部の流体吐出部21が順次移行するように前記供給流路における超臨界流体の分流量が調整されている。そのため、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦の中心(渦中心)の位置が基板wの表面に沿って回転移動する。
このように、基板w上に形成される超臨界流体の渦が、その渦中心を基板wの表面に沿って回転移動するように形成されることで、レジストの剥離処理における処理むらの発生が抑制され、基板表面に対してレジストの剥離処理が均一に行われる。さらに、前記渦中心が基板w上を回転移動することで、洗い流したパーティクルの集中する位置も移動することになり、基板表面の前記渦中心に対応する位置での傷の発生も抑制される。
また、供給流路は、主流路管13と、この主流路管13から分岐した4つの流量調整管14と、これら各流量調整管14に接続された分配流路部22aと、を有し、各分配流路部22aにはそれぞれ複数の流体吐出部21,21,…が接続される。そのため、流量調整管14内を流通する超臨界流体の流量を調整するだけで洗浄空間S内に形成される渦中心の回転移動を制御できる。
また、吐出流量制御手段30を流量調整管14に設けられる分流量調整手段31と、この分流量調整手段31を制御する分流量制御手段32と、に分けることで、洗浄空間S内に形成される渦中心の回転移動が制御できると共に各手段31,32の構成の簡素化を図ることができる。
また、分流量調整手段31は、流路を開放又は閉塞する開閉弁31aであり、分流量制御手段32は、開閉弁31aの開閉動作を制御する構成とすることで、開と閉の二つの状態間を切換えるだけのより簡単な構成の弁によって流量調整管14毎の流量を調整することができる。さらに、開閉弁31aの開閉動作は、開と閉の二つの状態間の切り換えのみであるため、この開閉動作の制御も容易になる。その結果、分流量制御手段32の簡素化も図ることができる。
また、分流量調整手段31は、超臨界流体を所定流量だけ通過させるオリフィス31bをさらに備え、開閉弁31aとオリフィス31bとは、主流路13に対して並列になるように流量調整管14に設けられる。そのため、全ての開閉弁31aを閉じても、主流路13に対して開閉弁31aと並列に設けられたオリフィス31bを通過して所定流量の超臨界流体が洗浄空間S内に吐出される。そのため、分流量調整手段31が開閉弁31aのみで構成される場合に比べ、全ての開閉弁31aを閉じても洗浄空間S内の高圧状態が保ち易く、基板wを洗浄する流体の超臨界状態が保ち易くなる。
また、流体排出部23は、洗浄空間Sに配置された基板wに対向する上側対向壁26に2つ設けられ、これら2つの流体排出部23,23は、洗浄空間Sから超臨界流体を外部へ順次に排出するよう、切換え可能に構成される。このように洗浄空間Sから外部へ超臨界流体を排出可能な流体排出部23が切換えられることで、超臨界流体の渦中心の位置が切換えられた流体排出部23に向かって移動する。そのため、前記切換えのタイミングが調整されることで、より超臨界流体の渦中心の位置の制御が行い易くなる。
また、上記基板洗浄装置10を用いた基板洗浄方法では、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦によって基板表面の洗浄が行われる。さらに、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦中心の位置が、基板wの表面に沿って回転移動することで、レジストの剥離処理における処理むらの発生が抑制され、基板表面に対してレジストの剥離処理が均一に行われる。また、渦中心が基板w上を回転移動することで、洗い流したパーティクルの集中する位置も移動することになり、基板表面の前記渦中心に対応する位置での傷の発生も抑制される。
尚、本発明の基板洗浄装置及び基板洗浄方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本実施形態においては、分配主流路22は、4つの分配流路部22aに分割されているが、これに限定される必要はなく、3つ又は5つ以上の分配流路部に分割されていてもよい。分配主流路が3つ以上に分割されていれば、流量調整管に設けられた分流量調整手段を制御することで洗浄空間内に形成される超臨界流体の渦の中心位置を回転移動させることができる。また、分配主流路を分割する数が多くなるほど、所望する回転移動の軌道に沿ってより正確に前記渦の中心位置を回転移動させ易くなる。
また、本実施形態においては、分流量調整手段31は、各流量調整管14に並列に設けられた開閉弁31a及びオリフィス31bによって構成され、分流量制御手段32は、開閉弁31aの開閉動作の制御を行う制御手段が用いられているがこれに限定される必要はない。即ち、分流量調整手段として各流量調整管に開口度を調整できる流量制御弁が用いられ、分流量制御手段32として前記流量調整弁の開口度調整動作を制御する制御手段が用いられてもよい。このようにしても、3つ以上の流体吐出部において大流量(第1の流量)が分流される一部の流体吐出部21が順次移行するように供給流路における超臨界流体の分流量が調整できる。そのため、洗浄空間S内に形成される超臨界流体の渦の中心(渦中心)の位置が基板の表面に沿って回転移動する。さらに、流量制御弁は、種々開発されているため汎用品も多く、コスト削減を図ることができる。
また、本実施形態においては、複数の開閉弁31aのうち1つだけを開き、残り全てを閉じた状態となるように制御しているがこれに限定される必要はない。即ち、複数の開閉弁のうち2つ以上の開閉弁が開き、残りが閉じた状態であってもよく、1つの開閉弁のみが閉じ、残り全ての開閉弁が開いた状態であってもよい。このように制御した場合であっても、洗浄空間S内に形成される渦の中心位置が回転移動するように制御できればよい。
また、本実施形態においては、各流量調整管14に分流量調整手段31として開閉弁31aとオリフィス31bとが並列に配置されているがこれに限定される必要もない。即ち、各流量調整管14が分岐されることなくそれぞれ開閉弁31が設けられ、これら各開閉弁31がそれぞれ開閉制御されることで渦中心の回転移動が制御されるように構成されてもよい。このように構成されても、各開閉弁を制御することによって各流体吐出部21から吐出(噴出)される超臨界流体の流量が内壁25の周方向において変化する(一定でない)ため、前記渦中心の回転移動の制御が可能となる。
10 基板洗浄装置
11 循環流路管
20 基板洗浄チャンバー
21 流体吐出部
23 流体排出部
25 内壁
30 吐出流量制御手段
S 洗浄空間
w 基板
α 角度
11 循環流路管
20 基板洗浄チャンバー
21 流体吐出部
23 流体排出部
25 内壁
30 吐出流量制御手段
S 洗浄空間
w 基板
α 角度
Claims (8)
- 基板の表面を超臨界流体で洗浄する基板洗浄装置であって、
基板を洗浄するための洗浄空間を有する基板洗浄チャンバーと、
前記洗浄空間を規定する内壁に対して所定の角度で当該洗浄空間内に超臨界流体を吐出させる3つ以上の流体吐出部と、
前記流体吐出部にそれぞれ超臨界流体を供給するための供給流路と、
前記洗浄空間内の超臨界流体を外部へ排出するための流体排出部と、
前記供給流路から分流されて各流体吐出部から吐出される超臨界流体の流量を制御する吐出流量制御手段と、を備え、
前記吐出流量制御手段は、一部の流体吐出部から第1の流量で超臨界流体が吐出されると共にそれ以外の流体吐出部から第1の流量よりも小流量の第2の流量で超臨界流体が吐出され、且つ、前記第1の流量が分流される流体吐出部が順次移行するように、前記供給流路における超臨界流体の分流の流量を調整することを特徴とする基板洗浄装置。 - 前記供給流路は、主流路と、この主流路から分岐した3つ以上の流量調整路と、これら各流量調整路に接続された分配流路と、を有し、
各分配流路にはそれぞれ1以上の前記流体吐出部が接続されることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。 - 前記吐出流量制御手段は、前記流量調整路に設けられる分流量調整手段と、この分流量調整手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の基板洗浄装置。
- 前記分流量調整手段は、開口度を調整できる流量制御弁であり、
前記制御手段は、前記流量制御弁の開口度調整動作を制御することを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄装置。 - 前記分流量調整手段は、流路を開閉する開閉弁であり、
前記制御手段は、前記開閉弁の開閉動作を制御することを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄装置。 - 前記分流量調整手段は、オリフィスをさらに備え、
前記開閉弁とオリフィスとは、前記主流路に対して並列になるように流量調整路に設けられることを特徴とする請求項5に記載の基板洗浄装置。 - 前記流体排出部は、前記洗浄空間に配置された前記基板に対向する対向壁に複数設けられ、
これら複数の流体排出部は、前記洗浄空間から超臨界流体を外部へ順次に排出するよう、切換え可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。 - 供給流路から供給された超臨界流体を洗浄空間内に吐出させて基板の表面を洗浄する基板洗浄方法であって、
前記洗浄空間を規定するチャンバーの内壁に間隔をおいて配置されると共に、超臨界流体を前記内壁に対して所定の角度で前記洗浄空間内に吐出可能な少なくとも3つ以上の流体吐出部を使用し、
一部の流体吐出部から第1の流量で超臨界流体を吐出させると共に、その他の流体吐出部から第1の流量よりも小流量である第2の流量で超臨界流体を吐出させ、且つ、前記第1の流量が吐出される流体吐出部が順次移行するように、前記供給流路から各流体吐出部へ分流される超臨界流体の流量を当該供給流路において調整することを特徴とする基板洗浄方法。
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JP2011176118A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Tokyo Electron Ltd | 液処理装置、液処理方法、プログラムおよびプログラム記録媒体 |
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JP2013224748A (ja) * | 2013-07-26 | 2013-10-31 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | バルブおよびこれを備えた基板処理装置 |
JP2016051858A (ja) * | 2014-09-01 | 2016-04-11 | 株式会社荏原製作所 | リンス槽および該リンス槽を用いた基板洗浄方法 |
KR20180006716A (ko) * | 2016-07-11 | 2018-01-19 | 세메스 주식회사 | 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법 |
-
2007
- 2007-12-19 JP JP2007327259A patent/JP2009152291A/ja active Pending
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