JP2009151900A - 光ディスク装置及び位置制御方法並びに光ピックアップ - Google Patents

光ディスク装置及び位置制御方法並びに光ピックアップ Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスクの記録層内に複数のマーク層を形成する場合における半径方向の位置精度を高め得るようにする。
【解決手段】光ディスク装置10は、光ピックアップ17の光路形成部70においてサーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの光路をそれぞれ適切に調整した上で、対物レンズ18によりサーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ集光する。さらに光ピックアップ17は、サーボ光ビームLSを基準層104に合焦させるよう対物レンズ18のフォーカス制御を行うと共に、トラッキング光ビームLKを目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう当該対物レンズ18のトラッキング制御を行うことにより、当該対物レンズ18により集光する情報光ビームLMの焦点FMを目標マーク層YGの目標トラックTGに合わせることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は光ディスク装置及び位置制御方法並びに光ピックアップに関し、例えば光ディスクに複数層の記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を読み取ることにより情報を再生するようになされたものが広く普及している。
またかかる従来の光ディスク装置では、当該光ディスクに対して光ビームを照射し、当該光ディスクの局所的な反射率等を変化させることにより、情報の記録を行うようになされている。
この光ディスクに関しては、当該光ディスク上に形成される光スポットの大きさは、およそλ/NA(λ:光ビームの波長、NA:開口数)で与えられ、解像度もこの値に比例することが知られている。例えば、BD方式では、直径120[mm]の光ディスクにおよそ25[GB]のデータを記録することができる。
ところで光ディスクには、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報が記録されるようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が要求されている。
ここで、1枚の光ディスクに複数の記録層を設けることを検討する。光ディスクは、図1(A)に示すように、仮に従来のDVD方式及びBD方式のように反射層や記録層等の種類の異なる材料を積層する構成とした場合、その製造工程が複雑化し製造コストの上昇等を招いてしまう。
そこで光ディスク装置のなかには、光ディスクの一様な記録層内に記録マークの層(以下、これをマーク層と呼ぶ)を複数積層しながら記録することにより大容量化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1(B)に示すように、かかる構成の光ディスク装置に対応した光ディスク100は、記録層101内が一様であり、当該記録層内には位置の目印となり得るものが存在しない。このため光ディスク100には、トラック等が形成された基準層104が別途設けられている。
すなわち光ディスク装置は、基準層104の基準とするトラック(以下これをトラックTSと呼ぶ)に所定のサーボ光ビームLSを合焦させ、当該サーボ光ビームLSと一致した光軸XLを有する情報光ビームLMを記録層101内の目標とする位置(以下これを目標位置PGと呼ぶ)に合焦させるようになされている。
特開2007−220206公報(第1図、第4図及び第5図)
ところでかかる構成の光ディスク装置は、図2(A)に示すように、基準層104の基準トラックTSと各マーク層のトラックを対応づけて管理し、情報の記録及び再生を行うことになる。このため光ディスク100は、記録層101内において、ある基準トラックに対応する各マーク層のトラックにより、図2(B)に示すような仮想的な円筒CYLを形成することになる。
このとき光ディスク装置は、光ディスク100が理想的な状態であれば、円筒CYLの中心軸XCを光軸XLに対し平行とすることになる。
しかしながら光ディスク装置では、光ディスク100が理想的な状態から傾いて装着され、或いは光ディスク100自体に反りを生じる可能性がある。このとき円筒CYLの中心軸XCは、図3(A)に示すように、光軸XLに対し平行ではなくなってしまう。
実際上、光ディスク装置は、その個体差等により、光ディスク100の装着時に個別の傾きを持たせてしまう可能性があり、また光ディスク100のチャッキング機構等に起因し、チャッキングの度に傾きが微妙に相違する可能性がある。さらに光ディスク100は、経時変化により、徐々に反り具合が変化する可能性もある。
このため光ディスク装置は、例えば1回目の記録がなされた光ディスク100に対し、記録済みのトラックに続けて新たなトラックを形成しながら2回目の記録を行うような場合に、1回目の記録時と2回目の記録時とで光軸XLに対する円筒CYLの中心軸XCの傾きが変化することが考えられる。
また光ディスク装置では、サーボ光ビームL1及び情報光ビームL2の光軸が互いにずれてしまう場合や、光ディスク100の中心XDと光ディスク装置側のスピンドルモータ等の回転中心XTとがずれてしまう可能性もある。このとき円筒CYLの中心軸XCは、図3(B)に示すように平行移動することになってしまう。
このような場合、光ディスク装置は、図4に示すように、記録済の領域AR1に上書きして新たな領域AR2を記録してしまうことになる。すなわち光ディスク装置は、光ディスク100の反りや傾き等により、記録済のトラックに新たなトラックを上書きしてしまい、既存の情報を誤って消去してしまう恐れがあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスクの記録層内に複数のマーク層を形成する場合における半径方向の位置精度を高め得る光ディスク装置及び位置制御方法並びに光ピックアップを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光ディスク装置においては、情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し情報を記録し又は光ディスクから情報を再生するための情報光ビームと、光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームと、光ディスクの半径方向に関する情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームとをそれぞれ集光する対物レンズと、情報光ビームの光軸方向に関し、対物レンズにより集光される基準光ビームの焦点と情報光ビームの焦点及びトラッキング光ビームの焦点との距離を、情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含むマーク層と基準層との距離だけ離隔させると共に、半径方向に関し、情報光ビームの焦点とトラッキング光ビームの焦点とを、所定トラック数だけ離隔させるよう、対物レンズへ入射される基準光ビーム、情報光ビーム及びトラッキング光ビームの光路を形成する光路形成部と、基準光ビームを基準層に合焦させるよう、対物レンズを光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御すると共に、目標位置を含むマーク層における目標トラックから所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう、対物レンズを半径方向に位置制御する位置制御部とを設けるようにした。
本発明の光ディスク装置では、基準層に基準光ビームを合焦させると共に目標位置を含むマーク層に形成済の参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう対物レンズの位置を制御することにより、一様な光ディスク内の目標位置を含むマーク層に対し、形成済の参照トラックとの間に一定の間隔を保つ目標位置に情報光ビームを集光することができる。
また本発明の位置制御方法においては、情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し情報を記録し又は光ディスクから情報を再生するための情報光ビームと、光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームと、光ディスクの半径方向に関する情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームとを所定の対物レンズへ入射させるよう、当該情報光ビーム、基準光ビーム及びトラッキング光ビームの光路をそれぞれ形成する光路形成ステップと、対物レンズによって情報光ビーム、基準光ビーム及びトラッキング光ビームを集光することにより、情報光ビームの光軸方向に関し、所定の対物レンズにより集光される基準光ビームの焦点と情報光ビームの焦点及びトラッキング光ビームの焦点との距離を、情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含むマーク層と基準層との距離だけ離隔させると共に、半径方向に関し、情報光ビームの焦点とトラッキング光ビームの焦点とを所定トラック数だけ離隔させる集光ステップと、対物レンズにより集光された基準光ビームを基準層に合焦させるよう、対物レンズを光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御すると共に、目標位置を含むマーク層における目標トラックから所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう、対物レンズを半径方向に位置制御する位置制御ステップとを設けるようにした。
本発明の位置制御方法では、基準層に基準光ビームを合焦させると共に目標位置を含むマーク層に形成済の参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう対物レンズの位置を制御することにより、一様な光ディスク内の目標位置を含むマーク層に対し、形成済の参照トラックとの間に一定の間隔を保つ目標位置に情報光ビームを集光することができる。
さらに本発明の光ピックアップにおいては、情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し情報を記録し又は光ディスクから情報を再生するための情報光ビームを出射する情報光源と、光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームを出射する基準光源と、光ディスクの半径方向に関する情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームを出射するトラッキング光源と、基準光ビーム、情報光ビーム及びトラッキング光ビームをそれぞれ集光する対物レンズと、情報光ビームの光軸方向に関し、対物レンズにより集光される基準光ビームの焦点と情報光ビームの焦点及びトラッキング光ビームの焦点との距離を、情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含むマーク層と基準層との距離だけ離隔させると共に、半径方向に関し、情報光ビームの焦点とトラッキング光ビームの焦点とを、所定トラック数だけ離隔させるよう、対物レンズへ入射される基準光ビーム、情報光ビーム及びトラッキング光ビームの光路を形成する光路形成部と、基準光ビームが基準層により反射されてなる基準反射光ビームを受光することにより、所定の位置制御部に対し、当該基準反射光ビームの受光結果を基に、基準光ビームを基準層に合焦させるよう、対物レンズを光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御させる基準反射光受光部と、トラッキング光ビームが参照トラックにより反射されてなるトラッキング反射光ビームを受光することにより、位置制御部に対し、当該トラッキング反射光ビームの受光結果を基に、目標位置を含むマーク層における目標トラックから所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう、対物レンズを半径方向に位置制御するトラッキング反射光受光部とを設けるようにした。
本発明の光ピックアップでは、所定の位置制御部に対し、基準層に基準光ビームを合焦させると共に目標位置を含むマーク層に形成済の参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう対物レンズの位置を制御させることにより、一様な光ディスク内の目標位置を含むマーク層に対し、形成済の参照トラックとの間に一定の間隔を保つ目標位置に情報光ビームを集光することができる。
本発明によれば、本発明のでは、基準層に基準光ビームを合焦させると共に目標位置を含むマーク層に形成済の参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう対物レンズの位置を制御することにより、一様な光ディスク内の目標位置を含むマーク層に対し、形成済の参照トラックとの間に一定の間隔を保つ目標位置に情報光ビームを集光することができ、かくして光ディスクの記録層内に複数のマーク層を形成する場合における半径方向の位置精度を高め得る光ディスク装置及び位置制御方法を実現できる。
また本発明によれば、所定の位置制御部に対し、基準層に基準光ビームを合焦させると共に目標位置を含むマーク層に形成済の参照トラックにトラッキング光ビームを合焦させるよう対物レンズの位置を制御させることにより、一様な光ディスク内の目標位置を含むマーク層に対し、形成済の参照トラックとの間に一定の間隔を保つ目標位置に情報光ビームを集光することができ、かくして光ディスクの記録層内に複数のマーク層を形成する場合における半径方向の位置精度を高め得る光ピックアップを実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)焦点位置制御の基本原理
まず第1の実施の形態による焦点位置制御の基本原理について説明する。第1の実施の形態では、光ディスク装置10から光ディスク100へ情報光ビームLMを照射することにより光ディスク100に情報を記録し、また当該情報光ビームLMが反射されてなる情報反射光ビームLMを検出することにより当該光ディスク100から情報を読み出すようになされている。
実際上光ディスク100は、図5に外観図を示すように、全体として略円板状に構成され、中心にチャッキング用の孔100Hが設けられている。また光ディスク100は、図6に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101の両面を基板102及び103により挟んだような構成を有している。
さらに光ディスク100は、記録層101と基板103との間に、基準層104が設けられている。基準層104には、トラッキングサーボ用の案内溝が形成されており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラックを形成している。このトラックには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生するトラックを当該アドレスにより特定し得るようになされている。
なお基準層104(すなわち記録層101と基板103との境界面)には、案内溝に代えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良い。また基準層104のトラックは、螺旋状でなく同心円状であっても良い。
この基準層104は、波長405[nm]の青色レーザ光でなるサーボ光ビームLSを基板102側へ反射するようになされている。以下、このとき反射された光ビームをサーボ反射光ビームLSRと呼ぶ。
光ディスク装置10は、サーボ反射光ビームLSRを受光し、その受光結果を基に対物レンズ18を光ディスク100に近接又は離隔させるフォーカス方向へ位置制御することにより、サーボ光ビームLSの焦点FSを基準層104に合わせるようになされている。
また光ディスク装置10は、対物レンズ18により情報光ビームLMを記録層101内に集光するようになされている。この情報光ビームLMは、サーボ光ビームLSと光軸XLを共有するようになされている。
実際上、光ディスク装置10は、対物レンズ18をフォーカス方向へ位置制御した上で、当該対物レンズ18により情報光ビームLMを光ディスク100の記録層101内に集光することにより、その焦点FMの位置に記録マークRMを形成し、また形成済の記録マークRMにより当該情報光ビームLMを反射させるようになされている。
因みに記録層101は、例えば樹脂材料に所定の光重合開始剤が混合され硬化された後、情報光ビームLMが集光されるとその焦点FMを中心に温度が急激に上昇され、光重合開始剤残渣が気化することにより焦点を中心とした気泡を形成するようになされている。この場合、形成された空洞が記録マークRMとなる。
さらに光ディスク装置10は、光ディスク100を回転駆動すると共に対物レンズ18を半径方向へ適宜移動制御しながら情報光ビームLMの強度を変調させることにより、当該光ディスク100の記録層101内に複数の記録マークRMを螺旋状に順次形成するようになされている。以下、このようにして形成された記録マークRMは、光ディスク100の円板面とほぼ平行な平面状に配置され、当該記録マークRMによる層(以下これをマーク層Yと呼ぶ)を形成する。
さらに光ディスク装置10は、情報光ビームLMにおける焦点FMの位置を光ディスク100の厚さ方向に変化させることにより、記録層101内に複数のマーク層Yを形成することができる。例えば光ディスク装置10は、光ディスク100の一面100A側から所定の層間隔rごとにマーク層Yを順次形成するようになされている。
すなわち記録層101は、一様に形成されており、従来のDVDメディアやBDメディアのような多層構造とはなっていない。これを換言すれば、当該記録層101内には、位置決め用の指標となり得るものは何ら設けられていない。
ところで光ディスク装置10は、光ディスク100に対し、内周側から記録マークRMを順次螺旋状に記録していくことにより各マーク層Yを形成するようになされ、また基準層104に最も近接したマーク層Y1から順次各マーク層Yを形成していくようになされている。
ここで、光ディスク100の注目するマーク層Y(以下、このマーク層Yを目標マーク層YGと呼ぶ)において、記録マークRMが内周側からある程度記録されているものとし、光ディスク装置10により、当該マーク層Yの記録済トラックに続いて新たな記録マークRMを記録する(すなわち追記を行う)場合を想定する。
第1の実施の形態による光ディスク装置10は、対物レンズ18により、サーボ光ビームLS及び情報光ビームLMに加えて、トラッキング光ビームLKを記録層101内に集光するようになされている。
実際上、光ディスク装置10は、対物レンズ18へ入射させる情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの光路や発散角等をそれぞれ適宜調整することにより、情報光ビームLMとトラッキング光ビームLKとの光路を相違させて当該対物レンズ18へ入射させる。
これによりトラッキング光ビームLKの焦点FKは、情報光ビームLMの焦点FMと同一の目標マーク層YGにおける、当該焦点FMよりも所定トラック(例えば2トラック)分だけ内周側の参照トラックTEに離隔して集光されるようになされている。
因みに光ディスク装置10は、トラッキング光ビームLKの焦点FKを情報光ビームLMの焦点FMよりも2トラック分内周側に形成することにより、光ビーム同士の干渉を防止し、且つ光ディスク100のトラックが内周側から螺旋状に順次形成されることに対応し得るようになされている。
トラッキング光ビームLKは、目標マーク層YGに既に形成されている記録マークRMに反射されることにより、トラッキング反射光ビームLKRとなる。
光ディスク装置10は、トラッキング反射光ビームLKRを受光し、その受光結果を基にプッシュプル法に従い対物レンズ18を光ディスク100の内周側又は外周側へ向かうトラッキング方向へ位置制御する。これにより光ディスク装置10は、トラッキング光ビームLKを目標トラックTGよりも2トラック分内周側の参照トラックTEに合焦させる。
このように光ディスク装置10は、サーボ反射光ビームLSRを基にフォーカス制御を行いサーボ光ビームLSを基準層104に合焦させると共に、トラッキング反射光ビームLKRを基にトラッキング制御を行いトラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させるよう、対物レンズ18の位置制御を行うようになされている。
これにより光ディスク装置10は、情報光ビームLMの焦点FMとトラッキング光ビームLKの焦点FKとの位置関係により、目標マーク層YGにおいて参照トラックTEよりも2トラック外周側の目標トラックTGに情報光ビームLMを合焦させることができる。
この場合、光ディスク装置10は、情報光ビームLMとトラッキング光ビームLKとの光路がそれぞれ高精度に調整されていることにより、情報光ビームLMの焦点FMを、トラッキング光ビームLKの焦点FKと同一のマーク層Yにおける当該焦点FKの2トラック分外周側の位置に精度良く合わせることができる。
このとき光ディスク100の目標マーク層YGでは、図7に示すように、トラッキング光ビームLKによるビームスポットPKが参照トラックTE上に形成され、情報光ビームLMによるビームスポットPMが目標トラックTG上に形成される。
すなわち光ディスク装置10は、既存のトラックを参照して情報光ビームLMの焦点FMをトラッキング制御するため、既存のトラックと焦点FMとの間を常に一定間隔に保つことができる。
このため光ディスク装置10は、誤って既存のトラックに上書きする危険性を格段に低減することができ、仮に光ディスク100に傾きや反りが生じていたとしても、トラック同士の間隔をほぼ一定に保ちながら新たなトラックを記録することができる。
光ディスク装置10は、目標マーク層YGの最内周トラックを目標トラックTGとする場合等、トラッキング光ビームLKを当該目標マーク層YGの既存のトラックに合焦し得ない場合がある。
このような場合、光ディスク装置10は、サーボ反射光ビームLSRの受光結果を基に、対物レンズ18のフォーカス制御に加えてトラッキング制御をも行うようになされている。
これにより光ディスク装置10は、仮に参照トラックTEを基準とした対物レンズ18のトラッキング制御を行い得なかったとしても、次善の策として、基準層104に予め形成された高精度なトラックを基準として当該対物レンズ18のトラッキング制御を行い得るようになされている。
因みに光ディスク装置10は、例えば目標マーク層YGの記録マークRMを読み出して情報を再生する場合、当該目標マーク層YGに記録マークRMを形成する場合(すなわち情報を記録する場合)と同様、サーボ光ビームLSを基準層104に合焦させると共にトラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させることにより、情報光ビームLMを目標トラックTGに合焦させるようになされている。
このように第1の実施の形態による光ディスク装置10は、対物レンズ18の位置制御を行いサーボ光ビームLSを基準層104に合焦させると共に目標トラックTGよりも2周分内周側の参照トラックTEにトラッキング光ビームLKを合焦させることにより、情報光ビームLMを既存のトラックから一定間隔離れた位置に合焦させ得るようになされている。
(1−2)光ディスク装置の構成
次に、具体的な光ディスク装置10及び光ピックアップ17の構成について説明する。
(1−2−1)光ディスク装置の構成
図8に示すように、光ディスク装置10は、制御部11を中心に構成されている。制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
制御部11は、光ディスク100に情報を記録する場合、駆動制御部12を介してスピンドルモータ15を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。
また制御部11は、駆動制御部12を介してスレッドモータ16を駆動させることにより、光ピックアップ17を移動軸G1及びG2に沿ってトラッキング方向、すなわち光ディスク100の半径方向(内周側又は外周側へ向かう方向)へ大きく移動させるようになされている。
光ピックアップ17は、対物レンズ18等の複数の光学部品が取り付けられており、制御部11の制御に基づいて光ディスク100へ情報光ビームLM、サーボ光ビームLS及びトラッキング光ビームLKを照射し、サーボ光ビームLS及びトラッキング光ビームLKがそれぞれ反射されてなるサーボ反射光ビームLSR及びトラッキング反射光ビームLKRを検出するようになされている。
光ピックアップ17は、サーボ反射光ビームLSR及びトラッキング反射光ビームLKRの検出結果に基づいた複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部13へ供給する。信号処理部13は、供給された検出信号を用いた所定の演算処理を行うことにより、フォーカスエラー信号SFE及びトラッキングエラー信号STEをそれぞれ生成し、これらを駆動制御部12へ供給する。
駆動制御部12は、供給されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を基に、対物レンズ18を駆動するための駆動信号を生成し、これを光ピックアップ17の2軸アクチュエータ19へ供給する。
光ピックアップ17の2軸アクチュエータ19は、この駆動信号に基づいて対物レンズ18のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、当該対物レンズ18により集光されるサーボ光ビームLSを基準層104に合焦させると共に、トラッキング光ビームLKの焦点FKを目標マーク層YGの参照トラックTEに追従させる。
このとき制御部11は、外部から供給される情報に基づき、情報光ビームLMの強度を信号処理部13によって変調することにより目標マーク層YGの目標トラックTGに記録マークRMを形成し、当該情報を記録し得るようになされている。
また光ピックアップ17は、光ディスク100から情報を再生する場合、記録時と同様にサーボ光ビームLSの焦点FSを基準層104に合焦させると共に、比較的弱い一定強度の情報光ビームLMを目標マーク層YGの目標トラックTGへ照射し、記録マークRMが形成されている箇所において当該情報光ビームLMが反射されてなる情報反射光ビームLMRを検出する。
光ピックアップ17は、情報反射光ビームLMRの検出結果に基づいた検出信号を生成し、これを信号処理部13へ供給する。信号処理部13は、検出信号に対し所定の演算処理、復調処理及び復号化処理等を施すことにより、目標マーク層YGの目標トラックTGに記録マークRMとして記録されている情報を再生し得るようになされている。
(1−3)光ピックアップの構成
次に、光ピックアップ17の構成について説明する。この光ピックアップ17は、図9に示すように、多数の光学部品の組み合わせにより構成されており、主に対物レンズ18のサーボ制御を行うサーボ光学系30と、主に情報の再生又は記録を行う情報光学系50を構成しており、さらに光ビーム光路を形成する光路形成部70を構成している。
光路形成部70は、レーザダイオード31から出射された光ビームL0を偏光ビームスプリッタ及びホログラムによりサーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKに分離し、それぞれの光軸や発散角を調整した上で、対物レンズ18へ入射させるようになされている。
(1−3−1)サーボ光学系の構成
図10に示すように、サーボ光学系30は、主にサーボ光ビームLSを対物レンズ18により集光し、これを光ディスク100の基準層104(図6)へ照射するようになされている。
すなわちサーボ光学系30は、レーザダイオード31から波長約405[nm]の青色レーザ光でなる光ビームLAを出射させ、コリメータレンズ32へ入射させる。実際上レーザダイオード31は、制御部11(図8)の制御に基づき発散光でなる所定光量の光ビームLAを出射する。コリメータレンズ32は、光ビームLAを発散光から平行光に変換し、1/2波長板33へ入射させる。
光ビームLAは、1/2波長板33によって偏光方向が所定角度回転されることにより、例えばP偏光成分が約80%、S偏光成分が約20%となされ、グレーティング34へ入射される。
グレーティング34は、光ビームLAを回折させることにより、0次光ビームLA0及び1次光ビームLA1に分光し、それぞれを偏光ビームスプリッタ35へ入射させる。
なお光ピックアップ17内では、実際には0次光ビームLA0及び1次光ビームLA1が互いの光軸を僅かに離隔させた状態で進行するが、いずれもほぼ同様の光路を進行する。このため図10等においては、説明の都合上、0次光ビームLA0の光路のみを示し、1次光ビームLA1の詳細な光路については省略している。
偏光ビームスプリッタ35は、入射される光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過する反射透過面35Sを有している。例えば反射透過面35Sは、P偏光の光ビームをほぼ全て透過し、S偏光の光ビームをほぼ全て反射するようになされている。
実際上偏光ビームスプリッタ35は、0次光ビームLA0及び1次光ビームLA1のうちS偏光成分を反射し偏光ビームスプリッタ36へ入射させる。このとき0次光ビームLA0のS偏光成分はサーボ光ビームLSとなる。
また偏光ビームスプリッタ35は、0次光ビームLA0及び1次光ビームLA1のうちP偏光成分をそれぞれ透過して液晶パネル52へ入射させる。このとき0次光ビームLA0のP偏光成分は情報光ビームLMとなり、1次光ビームLA1のP偏光成分はトラッキング光ビームLKとなる。
偏光ビームスプリッタ36は、偏光ビームスプリッタ35の反射透過面35Sと同様の反射透過面36を有しており、当該反射透過面36SによりS偏光でなるサーボ光ビームLSを反射し、当該サーボ光ビームLSを1/4波長板37へ入射させる。
1/4波長板37は、S偏光でなるサーボ光ビームLSを例えば左円偏光に変換し、無偏光ビームスプリッタ38へ入射させる。無偏光ビームスプリッタ38は、例えば光ビームを約50%の割合で透過及び反射させるようになされており、これによりサーボ光ビームLSを反射して対物レンズ18へ入射させる。
対物レンズ18は、サーボ光ビームLSを集光し、光ディスク100の基準層104へ向けて照射する。このときサーボ光ビームLSは、図6に示したように、基板102及び記録層101を透過し基準層104において反射され、サーボ反射光ビームLSRとなる。
この後サーボ反射光ビームLSRは、記録層101及び基板102を順次透過し、対物レンズ18によって平行光に変換された後、無偏光ビームスプリッタ38へ入射される。無偏光ビームスプリッタ38は、反射透過面38Sによりサーボ反射光ビームLSRを約50%の割合で反射し、これを1/4波長板37へ入射させる。
1/4波長板37は、右円偏光でなるサーボ反射光ビームLSRをP偏光に変換し、偏光ビームスプリッタ36へ入射させる。偏光ビームスプリッタ36は、P偏光でなるサーボ反射光ビームLSRを透過させ、集光レンズ41へ入射する。
集光レンズ41は、サーボ反射光ビームLSRを収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上で当該サーボ反射光ビームLSRをフォトディテクタ43へ照射する。
ここでサーボ光学系30では、対物レンズ18によりサーボ光ビームLSが集光され光ディスク100の基準層104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ41によりサーボ反射光ビームLSRが集光されフォトディテクタ43に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置や光学特性等が調整されている。
フォトディテクタ43は、図11(A)に示すように、サーボ反射光ビームLSRが照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域43A、43B、43C及び43Dを有している。因みに矢印a1により示される方向(図中の縦方向)は、サーボ光ビームLSが基準層104(図6)に照射されるときの、トラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ43は、検出領域43A、43B、43C及び43Dによりサーボ反射光ビームLSRの一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U1A、U1B、U1C及びU1Dをそれぞれ生成して、これらを信号処理部13(図8)へ送出する。
信号処理部13は、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされており、次に示す(1)式に従ってフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部12へ供給する。
Figure 2009151900
このフォーカスエラー信号SFE1は、サーボ光ビームLSのサーボ光焦点FSと光ディスク100の基準層104とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
また信号処理部13は、いわゆるプッシュプル法によるトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(2)式に従ってトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部12へ供給する。
Figure 2009151900
このトラッキングエラー信号STE1は、サーボ光焦点FSと光ディスク100の基準層104における基準とするトラック(以下これを基準トラックTSと呼ぶ)とのずれ量を表すことになる。
さらに信号処理部13は、次に示す(3)式に従い基準トラックTSの再生RF信号SRFSを生成する。
Figure 2009151900
信号処理部13は、基準トラックTSの再生RF信号SRFSに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、情報と共に記録されているアドレス情報を読み出し、当該アドレス情報を基準トラックアドレス情報ASとして駆動制御部12へ供給する。
駆動制御部12は、フォーカスエラー信号SFE1を基にフォーカス駆動信号SFD1を生成し、当該フォーカス駆動信号SFD1を2軸アクチュエータ19へ供給することにより、サーボ光ビームLSが光ディスク100の基準層104に合焦するよう、対物レンズ18のフォーカス制御を行う。
また駆動制御部12は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング駆動信号STD1を生成し、当該トラッキング駆動信号STD1を2軸アクチュエータ19へ供給することにより、サーボ光ビームLSが光ディスク100の基準層104における基準トラックTSに合焦するよう、対物レンズ18のトラッキング制御を行う。
さらに駆動制御部12は、基準トラックアドレス情報ASを基に、サーボ光ビームLSが現在合焦しているトラックが正しい基準トラックTSであるか否かを判別すると共に、正しい基準トラックTSでなかった場合には当該正しい基準トラックTSに合焦させるよう、対物レンズ18の比較的大まかなトラッキング制御を行う。
因みに駆動制御部12は、トラッキング方向については、最初に対物レンズ18のおおよその位置を定める際にサーボ光ビームLSに基づいたトラッキング制御を行うようになされている。
このようにサーボ光学系30は、サーボ光ビームLSを光ディスク100の基準層104に照射し、その反射光であるサーボ反射光ビームLSRの受光結果を信号処理部13へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部12は、当該サーボ光ビームLSを当該基準層104の目標トラックTGに合焦させるよう、対物レンズ18のフォーカス制御を行うようになされている。
(1−3−2)情報光ビームの光路
一方、情報光学系50は、図9と対応する図12に示すように、主に情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKを対物レンズ18により集光し、これらを光ディスク100の目標マーク層YG(図6)へ照射するようになされている。
実際上、情報光学系50は、偏光ビームスプリッタ35から出射される情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ液晶パネル52へ入射させる。
なお図12では、説明の都合上、情報光ビームLMの光路のみを示し、トラッキング光ビームLKの詳細な光路については省略している。
液晶パネル52は、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの球面収差等を補正し、それぞれ1/4波長板53へ入射させる。1/4波長板53は、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKそれぞれをP偏光から例えば右円偏光に変換してリレーレンズ54へ入射させる。
リレーレンズ54は、可動レンズ55により情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ固定レンズ56により再度収束光に変換し、ミラー57へ入射させる。
ここで可動レンズ55は、図示しないアクチュエータにより情報光ビームLMの光軸方向に移動されるようになされている。実際上、リレーレンズ54は、制御部11(図8)の制御に基づき当該アクチュエータによって可動レンズ55を移動させることにより、固定レンズ56から出射される情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの収束状態をそれぞれ変化させ得るようになされている。
ミラー57は、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKを反射すると共に、円偏光でなる情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの偏光方向を反転させ、無偏光ビームスプリッタ38へ入射させる。
無偏光ビームスプリッタ38は、反射透過面38Sにより情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの約50%をそれぞれ透過させ、これらを対物レンズ18へ入射させる。
対物レンズ18は、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ集光する。ここで情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの焦点FM及びFKとサーボ光ビームLSの焦点FSとのフォーカス方向に関する距離は、当該情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKがリレーレンズ54から出射されるときの発散角に応じて定まることになる。
実際上、リレーレンズ54は、焦点FM及びFKと焦点FSとのフォーカス方向に関する距離を、基準層104と目標マーク層YGとの距離に一致させるよう、可動レンズ55の位置が制御されるようになされている。
また対物レンズ18は、上述したサーボ光学系30により、サーボ光ビームLSが基準層104に合焦するようフォーカス制御されている。
このため対物レンズ18は、図6に示したように、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをいずれも目標マーク層YGに合焦させる。
このとき対物レンズ18は、上述したように、トラッキング方向に関して粗く位置制御されているため、トラッキング光ビームLKを既存の参照トラックTE付近に照射する。トラッキング光ビームLKは、参照トラックTEにおいて反射されることによりトラッキング反射光ビームLKRとなり、元のトラッキング光ビームLKの光路を反対方向へ進行する。
すなわちトラッキング反射光ビームLKRは、対物レンズ18により発散角が変換され、無偏光ビームスプリッタ38を約50%の割合で透過し、ミラー57により反射され、リレーレンズ54により平行光に変換され、1/4波長板53及び液晶パネル52を順次透過し、S偏光の直線偏光として偏光ビームスプリッタ35へ入射される。
偏光ビームスプリッタ35は、S偏光でなるトラッキング反射光ビームLKRを反射透過面35Sによって反射し、集光レンズ58へ入射させる。集光レンズ58は、トラッキング反射光ビームLKRを集光し、ピンホール板59を介してフォトディテクタ60へ照射させる。
ここで図13に示すように、ピンホール板59は、集光レンズ58(図12)により集光されるトラッキング反射光ビームLKRの焦点を孔部59H2内に位置させるよう配置されているため、当該トラッキング反射光ビームLKRをそのまま通過させることになる。
一方、ピンホール板59は、例えば光ディスク100における基板102の表面や、目標マーク位置とは異なる位置に存在する記録マークRM、基準層104などから反射されるような焦点の異なる光(以下、これを迷光LNと呼ぶ)をほぼ遮断することになる。
フォトディテクタ60は、図11(B)に示すように、トラッキング反射光ビームLKRを受光するための受光領域60KA及び60KBが設けられている。受光領域60KA及び60KBは、トラッキング光ビームLKが目標マーク層YG(図6)に照射されるときにおけるトラックの走行方向と対応する矢印a2方向に沿って、2分割されたような形状となっている。
フォトディテクタ60は、検出領域60KA及び60KBによりトラッキング反射光ビームLKRの一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U2A及びU2Bをそれぞれ生成して、これらを信号処理部13(図8)へ送出する。
信号処理部13は、いわゆる1ビームプッシュプル法によるトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(4)式に従ってトラッキングエラー信号STE2を算出し、これを駆動制御部12へ供給する。
Figure 2009151900
このトラッキングエラー信号STE1は、トラッキング光ビームLKの焦点LKと光ディスク100の目標マーク層YGにおける参照トラックTEとのトラッキング方向に関するずれ量を表すことになる。
また信号処理部13は、次に示す(5)式に従い、参照トラックTEの再生RF信号SRFEを生成する。
Figure 2009151900
信号処理部13は、参照トラックTEの再生RF信号SRFEに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、情報と共に記録されているアドレス情報を読み出し、当該アドレス情報を参照トラックアドレス情報AEとして駆動制御部12へ供給する。
まず駆動制御部12は、参照トラックアドレス情報AEを基に、トラッキング光ビームLKが現在合焦しているトラックが正しい参照トラックTEであるか否かを判別すると共に、正しい参照トラックTEでなかった場合には当該参照トラックに合焦させるよう、対物レンズ18の比較的大まかなトラッキング制御を行う。
次に駆動制御部12は、トラッキングエラー信号STE2を基にトラッキング駆動信号STD2を生成し、当該トラッキング駆動信号STD2を2軸アクチュエータ19へ供給することにより、トラッキング光ビームLKが光ディスク100の目標マーク層YGにおける参照トラックTEに合焦するよう、対物レンズ18の細かなトラッキング制御を行う。
かくして光ピックアップ17は、サーボ光ビームLSを用いた対物レンズ18のフォーカス制御及びトラッキング光ビームLKを用いた対物レンズ18のトラッキング制御を行うことにより、当該トラッキング光ビームLKを目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させる。
一方、情報光ビームLMは、光路形成部70を介して対物レンズ18へ入射される。これにより情報光ビームLMの焦点FMは、上述したように、トラッキング光ビームLKの焦点FKからちょうど2トラック分外周側に位置することになる。
すなわち情報光ビームLMの焦点FMは、目標マーク層YGにおける参照トラックTEからちょうど2トラック分外周側となる位置に合焦される。このとき目標マーク層YGには、図7に示したようなビームスポットPK及びPMが形成される。
このため光ピックアップ17は、光ディスク100に情報を記録する場合、既存のトラックから一定の間隔を高精度に保ちながら、新たなトラックとして記録マークRMを記録することができる。
実際上、信号処理部13は、記録すべき情報に対し符号化及び変調等の処理を行うことにより符号「0」及び「1」の組み合わせでなる2値の記録データを生成する。さらに信号処理部13は、例えば当該記録データの符号「1」に対応して記録マークRMを形成する一方、符号「0」に対応して当該記録マークRMを形成しないよう、情報光ビームLM(すなわち光ビームLA)を出射制御するようになされている。
ところで光ピックアップ17では、光ディスク100から情報を再生する際、目標トラックTGに記録マークRMが形成されていたときに、情報光ビームLMが当該記録マークRMにより反射され、情報反射光ビームLMRとなる。
この情報反射光ビームLMRは、トラッキング反射光ビームLKRとほぼ同様の光路を辿り、集光レンズ58(図12)により集光されピンホール板59の孔部59H1(図13)を通過しフォトディテクタ60に照射される。
フォトディテクタ60は、検出領域60Mにより情報反射光ビームLMRを検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U3を生成して、これを信号処理部13(図8)へ送出する。
信号処理部13は、検出信号U3を基に、記録マークRMが形成されているか否かを検出し、例えば記録マークRMが形成されていれば符号「1」に、当該記録マークRMが形成されていなければ符号「0」に割り当てることにより再生RF信号を生成する。信号処理部13は、当該再生RF信号に所定の復調処理及び復号化処理等を施すことにより、記録されている情報を再生することができる。
このように光ピックアップ17は、サーボ光ビームLSを用いた対物レンズ18のフォーカス制御及びトラッキング光ビームLKを用いた対物レンズ18のトラッキング制御を行い、当該トラッキング光ビームLKを目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させることにより、情報光ビームLMを当該目標マーク層YGにおける当該参照トラックTEよりも2トラック分外周側の位置に合焦させるようになされている。
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置10の光ピックアップ17は、光路形成部70のグレーティング34により光ビームLAを回折させて0次光ビームLA0及び1次光ビームLA1に分光し、さらに偏光ビームスプリッタ35の反射透過面35SによってそれぞれP偏光成分及びS偏光成分に分離することにより、サーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKを生成し、それぞれ対物レンズ18へ入射させる。
光ディスク装置10は、サーボ光ビームLSを光ディスク100の基準層104に合焦させるよう対物レンズ18をフォーカス制御すると共に、トラッキング光ビームLKを光ディスク100の目標マーク層YGにおける参照トラックTEに合焦させるよう当該対物レンズ18をトラッキング制御する。
このとき光ディスク装置10は、光ピックアップ17における光路形成部70の光学設計等により、対物レンズ18により集光される情報光ビームLMの焦点FMを、トラッキング方向に関しトラッキング光ビームLKの焦点FKからちょうど2トラック分だけ外周側に位置させる。
従って光ディスク装置10は、トラッキング光ビームLKを目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう対物レンズ18の位置制御を行うことにより、情報光ビームLMの焦点FMを当該参照トラックTEからちょうど2トラック分外周側に合焦させることができる。
この場合光ディスク装置10は、光ピックアップ17における光路形成部70の光学設計等により、トラッキング方向に関しトラッキング光ビームLKの焦点FKと情報光ビームLMの焦点FMとの間隔をちょうど2トラック分に固定することができる。
このため光ディスク装置10は、例えばサーボ光ビームLSを基準層104の基準トラックTSに合焦させるようトラッキング制御を行う場合と比較し、特に既存のトラックに続けて新たな記録マークRMを記録する場合に、既存のトラックと新たなトラックとのトラック間隔を高い精度で一定に保つことができる。
すなわち光ディスク装置10は、仮に光ディスク100が傾きや反り等を有しており、図3に示したように、円筒CYLの中心軸XCが光軸XLに対し傾いているような場合であっても、トラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させることにより、情報光ビームLMを目標トラックTGに合焦させることができる。
また光ディスク装置10は、図3(C)に示したように、光ディスク100の収縮等により基準層104から各マーク層Yまでの間隔が変化していた場合であっても、トラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させることにより、既存のトラックとの連続性を保ちながら記録マークRMの記録や再生を行うことができる。
さらに光ディスク装置10は、仮にトラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させ得なかった場合には、サーボ反射光ビームLSRの受光結果を基に、サーボ光ビームLSを基準層104の基準トラックTSに合焦させるため、精度を多少低下させる可能性はあるものの、対物レンズ18のトラッキング制御を行い得なくなることは無い。
以上の構成によれば、光ディスク装置10は、光ピックアップ17の光路形成部70においてサーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKの光路をそれぞれ適切に調整した上で、対物レンズ18によりサーボ光ビームLS、情報光ビームLM及びトラッキング光ビームLKをそれぞれ集光する。さらに光ピックアップ17は、サーボ光ビームLSを基準層104に合焦させるよう対物レンズ18のフォーカス制御を行うと共に、トラッキング光ビームLKを目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう当該対物レンズ18のトラッキング制御を行うことにより、当該対物レンズ18により集光する情報光ビームLMの焦点FMを目標マーク層YGの目標トラックTGに合わせることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)焦点位置制御の基本原理
次に、第2の実施の形態による焦点位置制御の基本原理について説明する。第2の実施の形態では、光ディスク100の記録層101に対応する光ディスク200の記録層201にホログラムでなる記録マークRMを形成するようになされている。
すなわち光ディスク装置110は、図6と対応する図14(A)に示すように、光ディスク200に情報を記録する際、第1面200A側から対物レンズ121により情報光ビームLM1を集光すると共に、当該情報光ビームLM1と同一の焦点FMに他面200B側から対物レンズ122により情報光ビームLM2を集光する。この場合、情報光ビームLM1及びLM2は、同一の光源から出射され互いに過干渉性を有するレーザ光でなる。
これにより光ディスク200には、記録層201内の焦点FMの位置にホログラムでなる記録マークRMが形成される。
因みに光ディスク装置110は、光ディスク200から情報を再生する際、例えば第1面200A側から情報光ビームLM1を集光する。ここで焦点FMに記録マークRM、すなわちホログラムが形成されている場合、当該記録マークRMから再生光ビームLM3が出射される。
また光ディスク200には、基準層104と対応する基準層204が設けられている。基準層204は、基準層104と同様にトラックが形成されると共に、光ビームの波長に応じて反射率が異なる波長選択性を有している。基準層204は、例えば波長約405[nm]の光ビームを高い透過率で透過すると共に、波長約660[nm]の光ビームを高い反射率で反射するようになされている。
光ディスク200は、光ディスク装置110により、波長約405[nm]でなる情報光ビームLM1及びLM2が照射されると共に、波長約660[nm]でなるサーボ光ビームLSが照射されることを想定している。
光ディスク装置110は、第1の実施の形態と同様、サーボ光ビームLSが基準層204により反射されてなるサーボ反射光ビームLSRを受光し、その受光結果を基に対物レンズ121をフォーカス方向へ位置制御することにより、サーボ光ビームLSの焦点FSを基準層204に合わせるようになされている。
さらに第2の実施の形態による光ディスク装置110は、第1の実施の形態において1本であったトラッキング光ビームLKに代えて、3本のトラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3を用い、3スポット法によりトラッキング制御を行うようになされている。
すなわち第2の実施の形態による光ディスク装置110は、図14(A)に示したように、サーボ光ビームLS、情報光ビームLMに加えて3本のトラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3を対物レンズ121により集光する。
トラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3は、いずれも目標トラックTGと同一の目標マーク層YGに合焦されるようになされている。さらにトラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3によるビームスポットPK1、PK2及びPK3は、それぞれトラッキング方向に関し互いに3/4トラックずつ離隔するようになされている。
すなわち目標マーク層YGには、図15に示すように、トラッキング光ビームLK2によるビームスポットPK2が目標トラックTGよりも2トラック分内周側の参照トラックTE上に形成される。また当該参照トラックTEの3/4トラック外周側及び3/4トラック内周側には、それぞれトラッキング光ビームLK1及びLK3によるビームスポットPK1及びPK3が形成される。
さらに情報光ビームLM1のビームスポットPMは、参照トラックTEから2トラック分外周側の目標トラックTG上に形成される。
すなわち第2の実施の形態では、一般的な3スポット法と同様に、参照トラックTE及びその3/4トラック外周側及び3/4トラック内周側にトラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3の焦点PK1、PK2及びPK3を形成するようになされている。
トラッキング光ビームLK1、LK2及びLK3は、いずれも目標マーク層YGに既に形成されている記録マークRMに反射されることにより、それぞれトラッキング反射光ビームLKR1、LKR2及びLKR3となる。
光ディスク装置110は、トラッキング反射光ビームLKR1、LKR2及びLKR3を受光し、その受光結果を基に3スポット法に従い対物レンズ121をトラッキング方向に位置制御する。これにより光ディスク装置110は、トラッキング光ビームLK2を目標トラックTGよりも2トラック分内周側の参照トラックTEに合焦させる。
このように光ディスク装置110は、サーボ反射光ビームLSRを基にフォーカス制御を行いサーボ光ビームLSを基準層204に合焦させると共に、トラッキング反射光ビームLKR2を基にトラッキング制御を行いトラッキング光ビームLK2を参照トラックTEに合焦させるよう、対物レンズ121の位置制御を行うようになされている。
これにより光ディスク装置110は、情報光ビームLMの焦点FMとトラッキング光ビームLK1〜LK3の焦点FK1〜FK3との位置関係により、目標マーク層YGにおいて参照トラックTEよりも2トラック外周側の目標トラックTGに情報光ビームLM1を合焦させることができる。
因みに光ディスク110は、対物レンズ122について、情報光ビームLM2の焦点FM2が情報光ビームLM1の焦点FM1と一致するよう位置制御するようになされている(詳しくは後述する)。
なお第2の実施の形態では、上述した点以外の基本原理については第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
(2−2)リードインの構成
さらに第2の実施の形態では、図14(A)に示したように、光ディスク200の各マーク層Yにおける内周側の部分(以下、これをリードインエリアと呼ぶ)に、リードインマークIMがあらかじめ形成されるようになされている。
このリードインマークIMは、最内周から数トラックにわたって形成されており、各マーク層Yのデータエリアに初めて記録マークRMを記録する際、当該リードインマークIMの終端部分に続けて当該記録マークRMを記録するためのものである。
実際上、各マーク層YのリードインマークIMは、例えば工場出荷前等に、専用の記録装置等により、理想的な層間隔rを設けながら形成されるようになされている。
このため光ディスク装置110は、光ディスク200に情報を記録する際、リードインマークIMの終端部分に続けて記録マークRMを形成することにより、各マーク層Y同士の間隔や基準層204から各マーク層Yまでの間隔を理想的な層間隔rに保ち得るようになされている。
またリードインエリアには、図16にフォーマットを示すように、TOC(Table Of Contents)等の情報が格納されるようになされている。このTOCには、例えば各マーク層Yに記録されているデータのアドレス情報や、実際に情報が記録されている末尾のアドレス情報等が格納されるようになされている。
実際上光ディスク200は、マーク層Yごとに情報の記録が行われるようになされており、一連の記録(追記)が行われる度にリードインにTOCが追記される。この場合、最後に記録されたTOCが有効なものとして扱われるようになされている。
因みに光ディスク200では、リードイン1が最初にTOCを記録するための導入部分として利用され、リードイン2が最初にデータエリアにデータを記録するための導入部分として利用されるようになされている。
また光ディスク200は、記録層201における基準層204に最も近い第1のマーク層Y1から順次データを記録するようになされている。このため光ディスク200の第1のマーク層Y1におけるリードインエリアには、当該光ディスク200にデータを追記する際の記録開始点を表すマーク層番号及びアドレス情報等がTOCに格納されるようになされている。
ところで光ディスク装置110は、図3(A)に示したように光ディスク200が反りや傾きを有する場合、理想的な目標位置と実際の情報光ビームLM1の焦点FMとの間に、例えば距離dy1でなるずれを生じてしまうことになる。また、サーボ光ビームLSの光軸XLが仮想的な円筒CYLの中心軸XCに対し傾いた場合にも、同様のずれが生じると考えられる。
また光ディスク装置110は、図3(B)に示したように、例えばサーボ光ビームLSの光軸XLと仮想的な円筒CYLの中心軸XCとが一致しない場合、当該光軸XLと当該光軸XCとの間に距離dy2でなるずれを生じる可能性がある。
さらに光ディスク装置110は、図14(B)に示すように、例えばスピンドルモータ115(図17)の回転中心軸XTと光ディスク200の中心軸XDとの間に距離dy3でなるずれを生じる可能性がある。
そこで光ディスク200は、光ディスク装置110の組立精度等により想定され得る最大の距離dy1、dy2及びdy3をそれぞれ最大距離dy1max、dy2max及びdy3maxとしたとき、リードインエリアのトラッキング方向に関する幅Wの条件を、次に示す(6)式のように定めている。
Figure 2009151900
これにより光ディスク装置110は、サーボ光ビームLSをリードインエリアに合焦させた際における、情報光ビームLMをリードインエリアの幅Wから外してしまいリードインマークIMに合焦し得なくなる危険性を予め排除することができる。
(2−3)光ディスク装置及び光ピックアップの構成
第2の実施の形態による光ディスク装置110は、図8と対応する図17に示すように、第1の実施の形態による光ディスク装置10と比較して制御部11、駆動制御部12、信号処理部13及び光ピックアップ17に代えて制御部111、駆動制御部112、信号処理部113及び光ピックアップ117がそれぞれ設けられている点が異なっているものの、他の点についてはほぼ同様に構成されている。
光ピックアップ117は、図18に示すように多数の光学部品が設けられており、大きく分けて第1面サーボ光学系130、第1面情報光学系150及び第2面情報光学系170により構成されている。
(2−3−1)第1面サーボ光学系の構成
第1面サーボ光学系130は、光ディスク200の第1面200Aに対してサーボ光ビームLSを照射し、当該光ディスク100により当該サーボ光ビームLSが反射されてなるサーボ反射光ビームLSRを受光するようになされている。
図19において第1面サーボ光学系130のレーザダイオード131は、波長約660[nm]の赤色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード131は、制御部111(図17)の制御に基づいて発散光でなる所定光量のサーボ光ビームLSを発射し、コリメータレンズ132へ入射させる。コリメータレンズ132は、サーボ光ビームLSを発散光から平行光に変換しスリット133を介して無偏光ビームスプリッタ134へ入射させる。
無偏光ビームスプリッタ134は、サーボ光ビームLSを反射透過面134Aにおいて約50%の割合で透過し、補正レンズ135へ入射させる。補正レンズ135及び136は、サーボ光ビームLSを一度発散させてから収束させ、ダイクロイックプリズム137へ入射させる。
ダイクロイックプリズム137の反射透過面137Sは、光ビームの波長により透過率及び反射率が異なる波長選択性を有しており、赤色光ビームをほぼ100%の割合で透過し、青色光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。このためダイクロイックプリズム137は、当該反射透過面137Sにおいてサーボ光ビームLSを透過し、対物レンズ121へ入射させる。
対物レンズ121は、サーボ光ビームLSを集光し、光ディスク200の第1面200Aへ向けて照射する。このときサーボ光ビームLSは、図14に示したように、基板202を透過し基準層204において反射され、サーボ光ビームLSと反対方向へ向かうサーボ反射光ビームLSRとなる。
この後、サーボ反射光ビームLSRは、対物レンズ121、ダイクロイックプリズム137、補正レンズ136及び135を順次透過して平行光にされた後、無偏光ビームスプリッタ134へ入射される。
無偏光ビームスプリッタ134は、サーボ反射光ビームLSRを約50%の割合で反射することによりミラー140へ照射し、当該ミラー140により当該サーボ反射光ビームLSRを再度反射させた後、集光レンズ141へ入射させる。
集光レンズ141は、サーボ反射光ビームLSRを収束させ、シリンドリカルレンズ142により非点収差を持たせた上で当該サーボ反射光ビームLSRをフォトディテクタ143へ照射する。
因みに第1面サーボ光学系130(図19)では、対物レンズ121によりサーボ光ビームLSが集光され光ディスク200の基準層204へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ141によりサーボ反射光ビームLSRが集光されフォトディテクタ143に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ143は、図20(A)に示すように、サーボ反射光ビームLSRが照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域143A、143B、143C及び143Dを有している。因みに矢印a3により示される方向(図中の縦方向)は、サーボ光ビームLSが基準層204(図14)に照射されるときの、トラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ143は、検出領域143A、143B、143C及び143Dによりサーボ反射光ビームLSRの一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U4A、U4B、U4C及びU4D(以下、これらをまとめてU4A〜U4Dと呼ぶ)をそれぞれ生成して、これらを信号処理部113(図17)へ送出する。
ここで光ピックアップ117は、対物レンズ121について、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部113は、次に示す(7)式に従って検出信号U4A〜U4Dを基にフォーカスエラー信号SFE4を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
このフォーカスエラー信号SFE4は、サーボ光ビームLSの焦点FSと光ディスク200の基準層204とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
駆動制御部112は、フォーカスエラー信号SFE4を基にフォーカス駆動信号SFD4を生成し、これを2軸アクチュエータ123へ供給する。これに応じて2軸アクチュエータ123は、フォーカス駆動信号SFD4に従い対物レンズ121をフォーカス方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSが光ディスク200の基準層204に合焦するよう、対物レンズ121のフォーカス制御を行う。
また光ピックアップ117は、対物レンズ121について、いわゆるプッシュプル法によるトラッキング制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部113は、次に示す(8)式に従って検出信号U4A〜U4Dを基にトラッキングエラー信号STE4を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
駆動制御部112は、トラッキングエラー信号STE4を基にトラッキング駆動信号STD4を生成し、2軸アクチュエータ123へ供給する。これに応じて2軸アクチュエータ123は、トラッキング駆動信号STD4に従い対物レンズ121をトラッキング方向へ駆動する。
因みに駆動制御部112は、第1の実施の形態と同様、トラッキング方向については、最初に対物レンズ121のおおよその位置を定める際にトラッキングエラー信号STE4を用いたトラッキング制御を行うようになされている。
かくして光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSが光ディスク200の基準層204における基準トラックTSに合焦するよう、対物レンズ121のトラッキング制御を行う。
(2−3−2)第1面情報光学系の構成
第1面情報光学系150は、光ディスク200の第1面200Aに対して情報光ビームLM1を照射するようになされており、また当該光ディスク200から入射される情報光ビームLM3を受光するようになされている。
図21において第1面情報光学系150のレーザダイオード151は、波長約405[nm]の青色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード151は、制御部111(図17)の制御に基づいて発散光でなる光ビームLBを射出し、コリメータレンズ152へ入射させる。コリメータレンズ152は、光ビームLBを発散光から平行光に変換し、1/2波長板153へ入射させる。
このとき青色光ビームLBは、1/2波長板153により偏光方向が所定角度回転され、アナモプリズム154により強度分布が成形された後、偏光ビームスプリッタ155へ入射される。
偏光ビームスプリッタ155は、反射透過面155Sにおいて、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面155Sは、P偏光の光ビームを約50%の割合で反射すると共に残りの50%を透過し、S偏光の光ビームを約100%の割合で透過するようになされている。
実際上、偏光ビームスプリッタ155は、P偏光でなる光ビームLBを反射透過面155Sにより約50%の割合で反射し、1/4波長板156へ入射させると共に、残りの50%を透過し、シャッタ171へ入射させる。以下では、反射透過面155Sにより反射された光ビームを光ビームLB1、反射透過面155Sを透過した光ビームを情報光ビームLM2と呼ぶ。
1/4波長板156は、光ビームLB1を直線偏光から円偏光に変換して可動ミラー57へ照射し、また当該可動ミラー157により反射され光ビームLB1を円偏光から直線偏光に変換し、再度偏光ビームスプリッタ155へ入射させる。
このとき光ビームLB1は、例えば1/4波長板156によりP偏光から左円偏光に変換され、可動ミラー157により反射された際に左円偏光から右円偏光に変換された後、再度1/4波長板156により右円偏光からS偏光に変換される。
この場合、光ピックアップ117は、情報光ビームLM1を偏光ビームスプリッタ155から可動ミラー157までの間で往復させることにより、光ビームLB1及び情報光ビームLM2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑えるようになされている。因みに可動ミラー157の位置は、制御部111により制御される。
偏光ビームスプリッタ155は、1/4波長板156から入射された光ビームLB1の偏光方向(S偏光)に応じて、反射透過面155Sにより当該光ビームLB1をそのまま透過させ、グレーティング158へ入射させる。
この結果、第1面情報光学系150は、偏光ビームスプリッタ155、1/4波長板156及び可動ミラー157により、光ビームLB1の光路長を引き延ばすことになる。
グレーティング158は、グレーティング34(図9)と類似した構成を有しており、光ビームLB1を回折させることにより、0次の回折光でなる情報光ビームLM1、1次の回折光でなるトラッキング光ビームLK1、2次の回折光でなるトラッキング光ビームLK2及び3次の回折光でなるトラッキング光ビームLK3に分光し、それぞれを偏光ビームスプリッタ159へ入射させる。
なお光ピックアップ117内では、実際には情報光ビームLM1、トラッキング光ビームLK1、トラッキング光ビームLK2及びトラッキング光ビームLK3が互いの光軸を僅かに離隔させた状態で進行するが、いずれもほぼ同様の光路を進行する。
このため図18等においては、説明の都合上、情報光ビームLM1の光路のみを示し、トラッキング光ビームLK1、トラッキング光ビームLK2及びトラッキング光ビームLK3(以下、これらをまとめてトラッキング光ビームLK1〜LK3と呼ぶ)の詳細な光路については省略している。
偏光ビームスプリッタ159の反射透過面159Sは、例えばP偏光の光ビームを約100%の割合で反射し、S偏光の光ビームを約100%の割合で透過するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ159は、反射透過面159Sにおいて情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をそのまま透過させ、1/4波長板160により直線偏光(S偏光)から円偏光(右円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ161へ入射させる。
リレーレンズ161は、リレーレンズ54(図9)と同様に構成されており、可動レンズ162により情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をそれぞれ平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をそれぞれ固定レンズ163により再度収束光に変換し、ダイクロイックプリズム137へ入射させる。
ダイクロイックプリズム137は、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3の波長に応じて、反射透過面137Sにより当該情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3を反射し、これらを対物レンズ121へ入射させる。
対物レンズ121は、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をそれぞれ集光し、光ディスク200の第1面200Aへ照射する。
ここで、情報光ビームLM1の焦点FM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3の焦点FK1〜FK3とサーボ光ビームLSの焦点FSとのフォーカス方向に関する距離は、当該情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3がリレーレンズ163から出射されるときの発散角に応じて定まることになる。
実際上、リレーレンズ161は、第1の実施の形態におけるリレーレンズ54と同様、焦点FM1及びFK1〜FK3と焦点FSとのフォーカス方向に関する距離を、基準層204と目標マーク層YGとの距離に一致させるよう、アクチュエータ162Aによって可動レンズ162の位置が調整されるようになされている。
また対物レンズ121は、上述したサーボ光学系30により、サーボ光ビームLSが基準層204に合焦するようフォーカス制御されている。
このため対物レンズ121は、図14に示したように、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をいずれも記録層201内の目標マーク層YGに合焦させる。
このとき対物レンズ121は、上述したように、トラッキング方向に関して粗く位置制御されているため、トラッキング光ビームLK2を既存の参照トラックTE付近に照射する。またトラッキング光ビームLK1及びLK3は、当該トラッキング光ビームLK2から3/4トラックずつ外周側及び内周側にそれぞれ離隔した位置に合焦される。
このときトラッキング光ビームLK1〜LK3は、参照トラックTE及び当該参照トラックTEに隣接する他のトラック等において反射されることにより、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3となり、元のトラッキング光ビームLK1〜LK3の光路を反対方向へ進行する。
すなわちトラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3は、対物レンズ121によりある程度収束された後、ダイクロイックプリズム137により反射され、リレーレンズ161へ入射される。
続いて情報光ビームLM2は、リレーレンズ161の固定レンズ163及び可動レンズ162によって平行光に変換され、さらに1/4波長板160により円偏光(左円偏光)から直線偏光(P偏光)に変換された上で、偏光ビームスプリッタ159へ入射される。
偏光ビームスプリッタ159は、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3の偏光方向に応じて当該トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3を反射し、集光レンズ164へ入射させる。集光レンズ164は、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3を集光し、フォトディテクタ165へ照射させる。
ここで第1面情報光学系150は、対物レンズ121によりトラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3が集光され光ディスク200の目標マーク層YGへ集光されるときの合焦状態が、集光レンズ164によりトラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3が集光されフォトディテクタ165に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各部品の光学的位置や光学特性等が調整されている。
フォトディテクタ165は、図22に示すように、光ビームが照射される面に4群の検出領域群を有しており、各検出領域群はさらに複数の検出領域に分割されている。
実際上フォトディテクタ165は、検出領域165KA及び165KBによりトラッキング反射光ビームLKR1を受光し、検出領域165KC及び165KDによりトラッキング反射光ビームLKR2を受光し、検出領域165KE及び165KFによりトラッキング反射光ビームLKR3を受光するようになされている。
検出領域165KA、165KB、165KC、165KD、165KE及び165KFは、それぞれ光ビームの光量を検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U5A、U5B、U5C、U5D、U5E及びU5Fをそれぞれ生成し、これらを信号処理部113(図17)へ供給する。
信号処理部113は、いわゆる3スポット法によるトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(9)式に従ってトラッキングエラー信号STE5を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
このトラッキングエラー信号STE5は、トラッキング光ビームLK2の焦点FK2と光ディスク200の目標マーク層YGにおける参照トラックTEとのトラッキング方向に関するずれ量を表すことになる。
さらに信号処理部113は、次に示す(10)式に従い参照トラックTEの再生RF信号SRFEを生成する。
Figure 2009151900
信号処理部113は、参照トラックTEの再生RF信号SRFEに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、情報と共に記録されているアドレス情報を読み出し、当該アドレス情報を参照トラックアドレス情報AEとして駆動制御部112へ供給する。
まず駆動制御部112は、参照トラックアドレス情報AEを基に、トラッキング光ビームLK2が現在合焦しているトラックが正しい参照トラックTEであるか否かを判別すると共に、正しい参照トラックTEでなかった場合には当該参照トラックに合焦させるよう、対物レンズ121の比較的大まかなトラッキング制御を行う。
次に駆動制御部112は、トラッキングエラー信号STE5を基にトラッキング駆動信号STD5を生成し、当該トラッキング駆動信号STD5を2軸アクチュエータ123へ供給することにより、トラッキング光ビームLK2が目標マーク層YGにおける正しい参照トラックTEに合焦するよう、対物レンズ121の細かなトラッキング制御を行う。
かくして光ピックアップ117は、第1の実施の形態における光ピックアップ17と同様、サーボ光ビームLSを用いた対物レンズ121のフォーカス制御及びトラッキング光ビームLK1〜LK3を用いた対物レンズ121のトラッキング制御を行うことにより、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させる。
一方、情報光ビームLM1は、図23に示す光路形成部190を介して対物レンズ121へ入射されることにより、上述したように、その焦点FM1がトラッキング光ビームLK2の焦点FK2からちょうど2トラック分外周側に位置することになる。
すなわち情報光ビームLM1の焦点FM1は、目標マーク層YGにおける参照トラックTEからちょうど2トラック分外周側となる位置に合焦される。このとき目標マーク層YGには、図15に示したようなビームスポットPK1〜PK3及びPMが形成される。
一方、光ディスク200は、記録層201の目標位置PGに記録マークRMが記録されていた場合、上述したように、情報光ビームLM1の焦点FM1が当該記録マークRMに合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該記録マークRMから情報光ビームLM3を発生することになる。
この情報光ビームLM3は、第1面情報光学系150内においてトラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3と同様の光路を経ることにより、最終的にフォトディテクタ165へ照射される。
ここで第1面情報光学系150内の各光学部品は、上述したように、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3がフォトディテクタ165に合焦するよう配置されている。このため情報光ビームLM3は、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3と同様にフォトディテクタ165に合焦する。
フォトディテクタ165は、格子状に4分割された受光領域165MA、165MB、165MC及び165MDにより情報光ビームLM3の光量をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U6A、U6B、U6C及びU6Dを生成し、これを信号処理部113(図17)へ供給する。
信号処理部113は、検出信号U6A、U6B、U6C及びU6Dを加算することにより再生RF信号を生成した上で、当該再生RF信号に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより光ディスク200の目標トラックTGに記録されている情報を再生するようになされている。
このように第1面情報光学系150は、トラッキング光ビームLK1〜LK3及び情報光ビームLMを対物レンズ121により集光して光ディスク200の第1面200Aへ照射すると共に、トラッキング反射光ビームLKR1〜LKR3及び情報光ビームLM3を受光し、その受光結果を信号処理部113へ供給するようになされている。
(2−3−3)第2面情報光学系の構成
第2面情報光学系170(図19)は、光ディスク200の第2面200Bに対して情報光ビームLM2を照射するようになされており、また第1面情報光学系150から照射され光ディスク200を透過した情報光ビームLM1を受光するようになされている。
図18と対応する図24において、第1面情報光学系150の偏光ビームスプリッタ155は、上述したように、反射透過面155SにおいてP偏光でなる青色光ビームLBを約50%の割合で透過し、これを情報光ビームLM2としてシャッタ171へ入射させる。
シャッタ171は、制御部111(図17)の制御に基づいて情報光ビームLM2を遮断又は透過するようになされており、当該情報光ビームLM2を透過した場合、偏光ビームスプリッタ172へ入射させる。
因みにシャッタ171としては、例えば情報光ビームLM2を遮断する遮断板を機械的に動かすことにより情報光ビームLM2を遮断又は透過する機械式シャッタや、液晶パネルに印加する電圧を変化させることにより当該情報光ビームLM2を遮断又は透過する液晶シャッタ等を用いることができる。
偏光ビームスプリッタ172の反射透過面172Sは、例えばP偏光の光ビームを約100%の割合で透過し、S偏光の光ビームを約100%の割合で反射するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ172は、P偏光でなる情報光ビームLM2をそのまま透過させ、ミラー173により反射させた後、1/4波長板174により直線偏光(P偏光)から円偏光(左円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ175へ入射させる。
リレーレンズ175は、リレーレンズ161と同様に構成されており、可動レンズ162及び固定レンズ163とそれぞれ対応する可動レンズ176及び固定レンズ177を有している。
リレーレンズ175は、可動レンズ176により情報光ビームLM2を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該情報光ビームLM2を固定レンズ177により再度収束光に変換し、ガルバノミラー178へ入射させる。
またリレーレンズ175は、リレーレンズ161と同様、制御部111(図17)の制御に基づきアクチュエータ176Aによって可動レンズ176を移動させることにより、固定レンズ177から出射される情報光ビームLM2の収束状態を変化させ得るようになされている。
ガルバノミラー178は、情報光ビームLM2を反射し、対物レンズ122へ入射させる。因みに情報光ビームLM2は、反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
またガルバノミラー178は、リニアモータやピエゾ素子等によって反射面178Aの角度を変化し得るようになされており、制御部111(図17)の制御に従い反射面178Aの角度を調整することにより、情報光ビームLM2の進行方向を調整し得るようになされている。
対物レンズ122は、2軸アクチュエータ124と一体に構成されており、当該2軸アクチュエータ124により、対物レンズ121と同様、光ディスク200への近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向と、光ディスク200の内周側方向又は外周側方向であるトラッキング方向との2軸方向へ駆動され得るようになされている。
この対物レンズ122は、情報光ビームLM2を集光し、光ディスク200の第2面200Bへ照射する。対物レンズ122は、対物レンズ121と同様の光学特性を有しており、当該情報光ビームLM2に関して、リレーレンズ175との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
このとき情報光ビームLM2は、図14に示したように、基板203を透過して記録層201内に合焦する。ここで当該情報光ビームLM2の焦点位置は、リレーレンズ175の固定レンズ177から出射される際の収束状態により定められる。
実際上、第2面情報光学系170は、制御部111(図17)によってリレーレンズ161における可動レンズ162の位置と共にリレーレンズ175における可動レンズ176の位置が制御されることにより、光ディスク200の記録層201内における情報光ビームLM2の焦点位置を調整するようになされている。
このとき光ディスク装置110では、制御部111(図17)により、光ディスク200に面ブレ等が発生していないと仮定したときの(すなわち理想的な状態の)記録層201内における、対物レンズ121が基準位置にあるときの情報光ビームLM1の焦点FM1に対して、対物レンズ122が基準位置にあるときの情報光ビームLM2の焦点FM2を合わせるようになされている。
ところで、第1面情報光学系150(図20)の対物レンズ121により集光された情報光ビームLM1は、光ディスク200の記録層201内で焦点FM1に収束した後に発散光となり、当該記録層201及び基板203を透過し、第2面200Bから出射されて、対物レンズ122へ入射される。
このとき第2面情報光学系170では、情報光ビームLM1が対物レンズ122によりある程度収束された後、ガルバノミラー178により反射されて、リレーレンズ175へ入射される。因みに情報光ビームLM1は、反射面178Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
続いて情報光ビームLM1は、リレーレンズ175の固定レンズ177及び可動レンズ176によって平行光に変換され、さらに1/4波長板174により円偏光(右円偏光)から直線偏光(S偏光)に変換された後、ミラー173により反射されてから、偏光ビームスプリッタ172へ入射される。
偏光ビームスプリッタ172は、情報光ビームLM1の偏光方向に応じて当該情報光ビームLM1を反射し、集光レンズ180へ入射させる。集光レンズ180は、情報光ビームLM1を収束させ、シリンドリカルレンズ181により非点収差を持たせた上で当該情報光ビームLM1をフォトディテクタ182へ照射する。
因みに第2面情報光学系170は、記録層201内における情報光ビームLM1の焦点FM1に対する情報光ビームLM2の焦点FM2のずれ量が、集光レンズ80により情報光ビームLM1が集光されフォトディテクタ182へ照射されるときの照射状態に反映されるよう、各部品の光学特性や光学的位置等が調整されている。
フォトディテクタ182は、図20(B)に示すように、フォトディテクタ143と同様、情報光ビームLM1が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域182A、182B、182C及び182Dを有している。因みに矢印a5により示される方向(図中の縦方向)は、光ディスク200に情報光ビームLM1が照射されるときの、基準層204(図17)におけるトラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ182は、検出領域182A、182B、182C及び182Dにより情報光ビームLM1の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U7A、U7B、U7C及びU7D(以下、これらをまとめてU7A〜U7Dと呼ぶ)をそれぞれ生成して、これらを信号処理部113(図17)へ送出する。
ここで光ピックアップ117は、対物レンズ122について、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部113は、次に示す(11)式に従って検出信号U7A〜U7Dを基にフォーカスエラー信号SFE7を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
このフォーカスエラー信号SFE7は、情報光ビームLM1の焦点FM1と情報光ビームLM2の焦点FM2とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
駆動制御部112は、フォーカスエラー信号SFE7を基にフォーカス駆動信号SFD7を生成し、これを2軸アクチュエータ124へ供給する。これに応じて2軸アクチュエータ124は、フォーカス駆動信号SFD7に従い対物レンズ122をフォーカス方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ117は、情報光ビームLM1の焦点FM1に対する情報光ビームLM2の焦点FM2のフォーカス方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ122をフォーカス制御する。
また光ピックアップ117は、対物レンズ122について、プッシュプル信号を用いたトラッキング制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部113は、次に示す(12)式に従って検出信号U7A〜U7Dを基にトラッキングエラー信号STE7を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
このトラッキングエラー信号STE7は、情報光ビームLM1の焦点FM1と情報光ビームLM2の焦点FM2とのトラッキング方向に関するずれ量を表すことになる。
駆動制御部112は、トラッキングエラー信号STE7を基にトラッキング駆動信号STD7を生成し、これを2軸アクチュエータ124へ供給する。これに応じて2軸アクチュエータ124は、トラッキング駆動信号STD7に従い対物レンズ122をトラッキング方向に駆動する。
かくして光ピックアップ117は、情報光ビームLM1の焦点FM1に対する情報光ビームLM2の焦点FM2のトラッキング方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ122をトラッキング制御する。
さらに光ピックアップ117は、ガルバノミラー178の反射面178Aの角度を変化させることにより、情報光ビームLM2の焦点FM2をタンジェンシャル方向(すなわちトラックの接線方向)に関して移動させるタンジェンシャル制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部113は、次に示す(13)式に従って検出信号U7A〜U7Dを基にタンジェンシャルエラー信号SNE7を算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
Figure 2009151900
このタンジェンシャルエラー信号SNE7は、いわゆるプッシュプル信号となっており、情報光ビームLM1の焦点FM1と情報光ビームLM2の焦点FM2とのタンジェンシャル方向に関するずれ量を表すことになる。
駆動制御部112は、タンジェンシャルエラー信号SNE7を基にタンジェンシャル駆動信号SND7を生成し、これをガルバノミラー178へ供給する。
ガルバノミラー178は、タンジェンシャル駆動信号SND7に従い反射面178Aの角度をタンジェンシャル方向に調整する。
かくして光ピックアップ117は、情報光ビームLM1の焦点FM1に対する情報光ビームLM2の焦点FM2のタンジェンシャル方向に関するずれ量を減少させるよう、ガルバノミラー178をタンジェンシャル制御する。
この結果、光ピックアップ117は、情報光ビームLM2の焦点FM2を情報光ビームLM1の焦点FM1に合わせることができる。
ここで情報光ビームLM1は、光路形成部190を介して対物レンズ121へ入射されることにより、上述したように、その焦点FM1がトラッキング光ビームLK2の焦点FK2からちょうど2トラック分外周側に位置することになる。
すなわち情報光ビームLM1の焦点FM1は、目標マーク層YGにおける参照トラックTEからちょうど2トラック分外周側となる位置に合焦される。このとき目標マーク層YGには、図15に示したようなビームスポットPK1〜PK3及びPMが形成される。
このため光ピックアップ117は、光ディスク200に情報を記録する場合、既存のトラックから一定の間隔を高精度に保ちながら、新たなトラックとしてホログラムでなる記録マークRMを記録することができる。
このように第2の実施の形態による光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSを用いた対物レンズ121のフォーカス制御及びトラッキング光ビームLK1〜LK3を用いた対物レンズ121のトラッキング制御を行い、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させることにより、情報光ビームLM1を当該目標マーク層YGにおける当該参照トラックTEよりも2トラック分外周側の位置に合焦させるようになされている。
(2−4)情報記録処理
ところで光ディスク装置110は、上述したように、光ディスク200のリードインエリア(図16)に格納されるTOCを利用することにより、マーク層Yごとのアドレス管理を行うようになされている。
すなわち光ディスク装置110は、光ディスク200に情報を記録する際、リードインエリアに記録されているTOC等の情報を参照することにより記録を開始すべきアドレスを認識するようになされている。
また光ディスク装置110は、光ディスク200のデータエリア(図16)にデータを記録した後、当該リードインエリアに新たなTOCを追記するようになされている。
さらに光ディスク装置110は、リードインマークIMを利用してリレーレンズ161の可動レンズ162及びリレーレンズ175の可動レンズ176の位置を微調整するようにもなされている。
ここでは、光ディスク装置110がTOCを参照しながら情報を記録する際の情報記録処理手順について、図25のフローチャートを用いて説明する。
光ディスク装置110の制御部111は、図示しない外部機器等から光ディスク200に情報を記録する記録指示を取得すると、情報記録処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
ステップSP1において制御部111は、駆動制御部112を介してスレッドモータ116を駆動させることにより、光ピックアップ117を光ディスク200の最内周側へ移動させ、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において制御部111は、サーボ光ビームLSを基準層204に合焦させるよう対物レンズ121のフォーカス制御を行い、次のステップSP3へ移る。
ステップSP3において制御部111は、サーボ光ビームLSを基に対物レンズ121の大まかなトラッキング制御を行うことにより、当該サーボ光ビームLSをリードインエリアにおける中心アドレスに合焦させ、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において制御部111は、1番目のマーク層Y1を目標マーク層YGと設定し、情報光ビームLM1及びLM2をいずれも当該目標マーク層YGにおけるリードインマークIMに合焦させるよう、リレーレンズ161及び175を制御し、次のステップSP5へ移る。
これにより制御部111は、1番目のマーク層Y1におけるリードインマークIMを利用してリレーレンズ161及び175の可動レンズ162及び176の位置をフィードバック制御することができる。
ステップSP5において制御部111は、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう対物レンズ121のトラッキング制御を行い、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において制御部111は、リードイン1(図16)以降に記録されているTOCを再生することにより、データの記録を開始すべき記録開始点のマーク層番号及びアドレス情報等を読み出し、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において制御部111は、ステップSP3と同様、サーボ光ビームLSを基に対物レンズ121の大まかなトラッキング制御を行うことにより、当該サーボ光ビームLSをリードインエリアにおける中心アドレスに合焦させ、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において制御部111は、記録開始点を含むマーク層Yを目標マーク層YGと設定し、情報光ビームLM1及びLM2をいずれも当該目標マーク層YGにおけるリードインマークIMに合焦させるよう、リレーレンズ161及び175を制御し、次のステップSP9へ移る。
これにより制御部111は、記録開始点が含まれる目標マーク層YGのリードインマークIMを利用してリレーレンズ161及び175の可動レンズ162及び176の位置をそれぞれフィードバック制御することができる。
ステップSP9において制御部111は、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの記録開始点よりも2トラック分内周側の参照トラックTEに合焦させるよう対物レンズ121のトラッキング制御を行い、次のステップSP10へ移る。
このとき制御部111は、参照トラックTEにトラッキング光ビームLK2を合焦させることにより、情報光ビームLM1を当該参照トラックTEよりも2トラック分外周側に、すなわち目標トラックTGに合焦させることになる。
また制御部111は、対物レンズ122のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー178のタンジェンシャル制御を行うことにより、情報光ビームLM2の焦点FM2を当該情報光ビームLM1の焦点FM1に追従させることになる。
ステップSP10において制御部111は、記録開始点からデータの記録を開始して、トラックを形成しながら当該データを順次記録し、当該データの記録を終了すると次のステップSP11へ移る。
ステップSP11において制御部111は、データの記録を終了したアドレスを基に、次にデータを記録する際の記録開始点となるマーク層Y及びアドレスを決定し、そのマーク層番号及びアドレス情報を1番目のマーク層Y1におけるリードインエリアに追記する。その後制御部111は、次のステップSP12へ移り一連の情報記録処理手順RT1を終了する。
(2−5)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置110の光ピックアップ117は、光路形成部190における偏光ビームスプリッタ155の反射透過面155SによってP偏光成分の光ビームLB1及びS偏光成分の情報光ビームLM2に分離し、さらにグレーティング158により光ビームLB1を回折させて0次光ビーム、1次光ビーム、2次光ビーム及び3次光ビームに分光することにより、サーボ光ビームLS、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3を生成し、それぞれ対物レンズ121へ入射させる。
光ディスク装置110は、サーボ光ビームLSを光ディスク200の基準層204に合焦させるよう対物レンズ121をフォーカス制御すると共に、トラッキング光ビームLK2を光ディスク200の目標マーク層YGにおける参照トラックTEに合焦させるよう、3スポット法に従い当該対物レンズ121をトラッキング制御する。
このとき光ディスク装置110は、光ピックアップ117における光路形成部190の光学設計等により、対物レンズ121により集光される情報光ビームLM1の焦点FM1を、トラッキング方向に関しトラッキング光ビームLK2の焦点FKからちょうど2トラック分だけ外周側に位置させる。
従って光ディスク装置110は、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう対物レンズ121の位置制御を行うことにより、情報光ビームLM1の焦点FM1を当該参照トラックTEからちょうど2トラック分外周側に合焦させることができる。
この場合光ディスク装置110は、第1の実施の形態と同様、トラッキング方向に関しトラッキング光ビームLK2の焦点FK2と情報光ビームLM1の焦点FM1との間隔をちょうど2トラック分に固定することができるため、既存のトラックと新たなトラックとのトラック間隔を高い精度で一定に保つことができる。
また光ディスク装置110は、各マーク層Yに最初の記録マークRMを形成する場合、光ディスク200に予め形成されたリードインマークIMを参照トラックTEとすることができるので、第1の実施の形態と比較して、マーク層Y同士の間隔や基準層204から各マーク層Yまでの間隔を、理想的な層間隔rに近づけることができる。
このとき光ディスク装置110は、リードインマークIMを利用してリレーレンズ161及び175の可動レンズ162及び176の位置をフィードバック制御することができる。これにより光ディスク装置110は、当該可動レンズ162及び176の位置を単純に設定する場合と比較して、マーク層Y同士の間隔や基準層204から各マーク層Yまでの間隔を、予め高精度に形成されたリードインマークIMに合わせて微調整することができる。
この結果、光ディスク装置110は、仮に光ディスク100が傾きや反り等を有しており、図3に示したように、円筒CYLの中心軸XCが光軸XLに対し傾いているような場合であっても、第1の実施の形態と同様、トラッキング光ビームLKを参照トラックTEに合焦させることにより、情報光ビームLMを目標トラックTGに合焦させることができる。
その他、光ディスク装置110は、第1の実施の形態における光ディスク装置10と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、光ディスク装置110は、光ピックアップ117の光路形成部190においてサーボ光ビームLS、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3の光路をそれぞれ適切に調整した上で、対物レンズ121によりサーボ光ビームLS、情報光ビームLM1及びトラッキング光ビームLK1〜LK3をそれぞれ集光する。さらに光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSを基準層204に合焦させるよう対物レンズ121のフォーカス制御を行うと共に、トラッキング光ビームLK2を目標マーク層YGの参照トラックTEに合焦させるよう当該対物レンズ121のトラッキング制御を行うことにより、当該対物レンズ121により集光する情報光ビームLM1の焦点FMを目標マーク層YGの目標トラックTGに合わせることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、1ビームプッシュプル法によるトラッキング制御を行い、また第2の実施の形態においては、3スポット法によるトラッキング制御を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばDPP(Differential Push Pull)法等といった他の種々の手法によりトラッキング制御を行うようにしても良い。
例えばDPP法の場合、トラッキング光ビームLK1〜LK3によるビームスポットPK1〜PK3(図15)を、トラッキング方向に関し1/2トラックずつ離隔させれば良く、また次の(14)式に従いトラッキングエラー信号を生成すれば良い。ここでkは所定の定数である。
Figure 2009151900
また上述した第1の実施の形態においては、トラッキング方向に関するトラッキングビームLKの焦点FKと情報光ビームLMの焦点FMとの間隔を2トラックとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の任意のトラック数としても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、グレーティング34により光ビームLAから回折された1次光ビームLA1を基にトラッキング光ビームLKを生成し、第2の実施の形態においてはグレーティング158により光ビームLB1から回折された1次〜3次の光ビームをそれぞれトラッキング光ビームLK1〜LK3とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の光学部品を用いて光ビームを分光することによりトラッキング光ビームLKを生成するようにし、或いは専用の光源から当該トラッキング光ビームLKを出射させるようにする等しても良い。
この場合、要は対物レンズ18により集光されたトラッキング光ビームLKの焦点FKを情報光ビームLMの焦点FMと同一のマーク層Yにおける所定トラック数だけ離隔した箇所に合焦させるよう、光路形成部70におけるトラッキング光ビームLKの光路及び情報光ビームLMの光路が形成されていれば良い。
さらには、サーボ光ビームLSについても同様に、偏光ビームスプリッタ35により分光する構成に限らず、他の光学部品を用いて分光し、或いは第2の実施の形態のように他の光源から出射させるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、リレーレンズ54により、フォーカス方向に関するサーボ光ビームLSの焦点FSと情報光ビームLMの焦点FM及びトラッキング光ビームLKの焦点FKとの距離を制御するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の光学部品により制御するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、サーボ光ビームLSを基準層104に合焦させる際、非点収差法に従い対物レンズ18のフォーカス制御を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の手法に従い対物レンズ18のフォーカス制御を行うようにしても良い。この場合、フォトディテクタ43における受光領域の構成及び信号処理部13における演算処理が当該フォーカス制御の手法に対応したものであれば良い。第2の実施の形態におけるサーボ光ビームLS及び情報光ビームLM1についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、第2の実施の形態における光ディスク200にリードインマークIMを予め形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の実施の形態における光ディスク100に当該リードインマークIMを予め形成するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、偏光ビームスプリッタ35、偏光ビームスプリッタ36及び無偏光ビームスプリッタ38の組み合わせを用いて光路形成部70(図9)を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各種ビームスプリッタを適宜組み合わせたものを用いて当該光路形成部70を構成するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ピンホール板59により焦点位置が異なる不要な光ビームを除去した上でフォトディテクタ60により情報反射光ビームLMR及びトラッキング反射光ビームLKRを検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばフォトディテクタ60の検出領域60M並びに受光領域60KA及び60KBを、情報反射光ビームLMR及びトラッキング反射光ビームLKRのビームスポットよりも僅かに大きく形成することにより不要な光ビームを極力検出しないようにする等しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、レーザダイオード31から出射される光ビームの波長を約405[nm]とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の任意の波長であっても良い。この場合、当該波長でなる光ビームにより記録層101内に記録マークRMを形成でき、且つ当該光ビームが当該記録マークRMにより反射された反射光ビームを検出し得れば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、サーボ光ビームLSの波長を約660[nm]とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の任意の波長とし、或いは情報光ビームLM1及びLM2と同一波長としても良い。この場合、基準層204によりサーボ光ビームLSをある程度反射すると共に情報光ビームLM1及びLM2をある程度透過することができれば良い。
或いは、第1の実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、サーボ光ビームLSの波長を情報光ビームLMの波長と相違させるようにしても良い。この場合、光ディスク100の基準層104が当該サーボ光ビームLSをある程度の割合で反射すれば良い。
さらに第1の実施の形態においては対物レンズ18から見て記録層101の奥手側に基準層104を設け、また第2の実施の形態においては対物レンズ121から見て記録層201の手前側に基準層204を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれらに限らず、例えば記録層101の中央付近に基準層104を設けるようにし、或いは基準層104を複数設けるようにする等、種々の位置に任意数の基準層を設けるようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、リードインエリアの幅Wに関する条件を(6)式により定めるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば最大距離dy1max、dy2max及びdy3maxのいずれか1つを省略し、或いはいずれか1つのみにより定めるようにしても良い。また、トラッキング光ビームLK2の焦点FK2をリードインマークIMに合焦させるための他の条件を加えても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、リードインエリアの末尾にリードイン2(図16)を設け、各マーク層Yにおいて当該リードイン2に続けてデータとしての記録マークの記録を開始するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばリードイン2を設けず、TOCの情報のみを基に各マーク層Yにおいて情報の記録を開始するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、リードインエリアにTOCを格納するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該TOCを光ディスク200における他の箇所に記録するようにし、或いはリードインエリアに他の種々の情報を格納するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、リードインエリアを光ディスク200の内周側に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光ディスク200の外周側からデータを記録する場合に、リードインエリアを外周側に設けるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準層104にピット等でなるトラックを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図26に示すように、基準層104に放射状のグルーブを設けるようにしても良い。
この場合、当該グルーブを基に所定のエラー信号を生成することにより、基準トラックTSの線速度を認識することができる。このため、例えば駆動制御部12により、当該線速度を一定に保つようスピンドルモータ15の回転制御を行うようにすることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100の記録層101を樹脂材料に所定の光重合開始剤が混合され硬化されたものとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録層101を光重合型フォトポリマにより構成し、その内部にモノマが均一に分散している構成であっても良い。この場合、記録層101は、光が照射されると照射箇所においてモノマが光重合や光架橋等を生じることによりポリマ化し、これに伴い屈折率が変化する。記録層101は、このように屈折率が変化した箇所が記録マークRMとなる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100に基板102及び103を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録層101の強度が十分である場合などに、当該基板102及び103の一方又は両方を省略しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、対物レンズとしての対物レンズ18と、光路形成部としての光路形成部70と、位置制御部としてのフォトディテクタ43及び60、信号処理部13、駆動制御部12並びに2軸アクチュエータ19とによって光ディスク装置としての光ディスク装置10を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる対物レンズと、光路形成部と、位置制御部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、対物レンズとしての対物レンズ18と、光路形成部としての光路形成部70と、基準反射光受光部としてのフォトディテクタ43と、トラッキング反射光受光部としてのフォトディテクタ60とによって光ピックアップとしての光ピックアップ17を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる対物レンズと、光路形成部と、基準反射光受光部と、トラッキング反射光受光部とによって光ピックアップを構成するようにしても良い。
本発明は、映像や音声、或いはコンピュータ用のデータ等の情報を光ディスクに記録し、また当該光ディスクから当該情報を再生する光ディスク装置でも利用できる。
光ディスクにおける記録層の構成を示す略線的断面図である。 トラックによる仮想的な円筒の形成を示す略線図である。 記録位置のずれ(1)の説明に供する略線図である。 記録位置のずれ(2)の説明に供する略線図である。 光ディスクの外観構成を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態における光ビームの集光を示す略線図である。 第1の実施の形態による目標マーク層への光ビームの照射の様子を示す略線図である。 第1の実施の形態による光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。 サーボ光ビームの光路を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。 情報光ビーム及びトラッキング光ビームの光路を示す略線図である。 ピンホールによる光ビームの選別の説明に供する略線図である。 第2の実施の形態における光ビームの集光を示す略線図である。 第2の実施の形態による目標マーク層への光ビームの照射の様子を示す略線図である。 リードインエリアのフォーマットを示す略線図である。 第2の実施の形態による光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光ビームの光路(1)を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光ビームの光路(2)を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光路形成部の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光ビームの光路(3)を示す略線図である。 情報記録処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態による光ディスクの構成を示す略線的斜視図である。
符号の説明
10、110……光ディスク装置、11、111……制御部、12、112……駆動制御部、13、113……信号処理部、17、117……光ピックアップ、18、121、122……対物レンズ、19、123、124……2軸アクチュエータ、31、131、151……レーザダイオード、34、158……グレーティング、35、155……偏光ビームスプリッタ、70、190……光路形成部、100、200……光ディスク、101、201……記録層、102、103、202、203……基板、104、204……基準層、LM……情報光ビーム、LS……サーボ光ビーム、LLKK1、LK2、LK3……トラッキング光ビーム、FM、FS、FK、FK1、FK2、FK3……焦点、RM……記録マーク、Y……マーク層、YT……目標マーク層、TT……目標トラック、TS……基準トラック、TE……参照トラック。

Claims (14)

  1. 情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し上記情報を記録し又は上記光ディスクから上記情報を再生するための情報光ビームと、上記光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームと、上記光ディスクの半径方向に関する上記情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームとをそれぞれ集光する対物レンズと、
    上記情報光ビームの光軸方向に関し、上記対物レンズにより集光される上記基準光ビームの焦点と上記情報光ビームの焦点及び上記トラッキング光ビームの焦点との距離を、上記情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含む上記マーク層と上記基準層との距離だけ離隔させると共に、上記半径方向に関し、上記情報光ビームの焦点と上記トラッキング光ビームの焦点とを、所定トラック数だけ離隔させるよう、上記対物レンズへ入射される上記基準光ビーム、上記情報光ビーム及び上記トラッキング光ビームの光路を形成する光路形成部と、
    上記基準光ビームを上記基準層に合焦させるよう、上記対物レンズを上記光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御すると共に、上記目標位置を含むマーク層における上記目標トラックから上記所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックに上記トラッキング光ビームを合焦させるよう、上記対物レンズを上記半径方向に位置制御する位置制御部と
    を具えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 上記光路形成部は、
    所定の光源から出射された光ビームを分光することにより上記情報光ビーム及び上記トラッキング光ビームを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 上記光路形成部は、
    上記光ビームをグレーティングにより回折させたときの0次回折光を上記情報光ビームとすると共に1次以上の高次回折光を上記トラッキング光ビームとする
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 上記光ディスクの上記記録層には、
    上記記録マークにより形成されるマーク層が複数積層される際における、上記情報光ビームの光軸方向に関する上記マーク層それぞれの位置を示すリードインマークが予め形成され、
    上記位置制御部は、
    上記リードインマークの近傍を上記目標位置とする場合、上記リードインマークを上記参照トラックとして上記トラッキング光ビームを合焦させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 上記リードインマークは、
    上記マーク層それぞれにおける上記記録マークの記録開始位置を示し、
    上記位置制御部は、
    上記マーク層に最初に上記記録マークを記録する際、上記リードインマークに続けて当該記録マークの記録を開始するよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  6. 上記リードインマークには、
    上記マーク層ごとに記録を開始すべき開始アドレスの情報が格納され、
    上記位置制御部は、
    上記記録マークを記録する際、上記情報光ビームLMを用いて読み出される上記開始アドレスの情報を基に上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  7. 上記光ディスクは、
    内周側から上記記録マークが順次形成され、
    上記光路形成部は、
    上記対物レンズにより集光された上記トラッキング光ビームの焦点を、上記目標位置よりも上記所定トラック数だけ内周側に位置する上記参照トラックに合焦させるよう上記トラッキング光ビームの光路を形成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  8. 上記位置制御部は、
    上記トラッキング光ビームを上記参照トラックに合焦し得なかった場合、上記基準層に形成され上記目標位置と対応する基準トラックに上記基準光ビームを合焦させるよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  9. 上記位置制御部は、
    上記目標位置を含むマーク層に上記記録マークが未だ形成されていない場合、上記基準層に形成され上記目標位置と対応する基準トラックに上記基準光ビームを合焦させるよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  10. 上記光路形成部は、
    少なくとも1本の上記トラッキング光ビームを上記対物レンズへ入射させ、
    上記位置制御部は、
    上記トラッキング光ビームが上記参照トラックにより反射されてなるトラッキング反射光ビームを、上記参照トラックの中心線に相当する分割線により分割された受光領域ごとに受光した受光結果に基づくプッシュプル法により、上記トラッキング光ビームを上記参照トラックに合焦させるよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  11. 上記光路形成部は、
    少なくとも3本の上記トラッキング光ビームを上記対物レンズへ入射させ、
    上記対物レンズは、
    3本の上記トラッキング光ビームを上記半径方向に関し互いに3/4トラック分ずつ離隔するよう集光し、
    上記位置制御部は、
    上記3本のトラッキング光ビームが上記参照トラックによりそれぞれ反射されてなる各トラッキング反射光ビームの受光結果に基づく3スポット法により、3本の上記トラッキング光ビームのうち中央に照射された上記トラッキング光ビームを上記参照トラックに合焦させるよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  12. 上記光路形成部は、
    2本又は3本の上記トラッキング光ビームを上記対物レンズへ入射させ、
    3本の上記トラッキング光ビームを上記半径方向に関し互いに1/2トラック分ずつ離隔するよう集光し、
    上記位置制御部は、
    上記3本のトラッキング光ビームが上記参照トラックによりそれぞれ反射されてなる各トラッキング反射光ビームの受光結果に基づくDPP(Differential Push Pull)法により、3本の上記トラッキング光ビームのうち中央に照射された上記トラッキング光ビームを上記参照トラックに合焦させるよう上記対物レンズを位置制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  13. 情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し上記情報を記録し又は上記光ディスクから上記情報を再生するための情報光ビームと、上記光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームと、上記光ディスクの半径方向に関する上記情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームとを所定の対物レンズへ入射させるよう、当該情報光ビーム、基準光ビーム及びトラッキング光ビームの光路をそれぞれ形成する光路形成ステップと、
    上記対物レンズによって上記情報光ビーム、上記基準光ビーム及び上記トラッキング光ビームを集光することにより、上記情報光ビームの光軸方向に関し、所定の対物レンズにより集光される上記基準光ビームの焦点と上記情報光ビームの焦点及び上記トラッキング光ビームの焦点との距離を、上記情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含む上記マーク層と上記基準層との距離だけ離隔させると共に、上記半径方向に関し、上記情報光ビームの焦点と上記トラッキング光ビームの焦点とを所定トラック数だけ離隔させる集光ステップと、
    上記対物レンズにより集光された上記基準光ビームを上記基準層に合焦させるよう、上記対物レンズを上記光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御すると共に、上記目標位置を含むマーク層における上記目標トラックから上記所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックに上記トラッキング光ビームを合焦させるよう、上記対物レンズを上記半径方向に位置制御する位置制御ステップと
    を具えることを特徴とする位置制御方法。
  14. 情報を表す記録マークにより同心円状又は螺旋状のトラックが形成されたマーク層が1層又は2層以上重ねられる光ディスクに対し上記情報を記録し又は上記光ディスクから上記情報を再生するための情報光ビームと、上記光ディスクに設けられた基準層に照射するための基準光ビームと、上記光ディスクの半径方向に関する上記情報光ビームの照射位置を定めるためのトラッキング光ビームとをそれぞれ集光する対物レンズと、
    上記情報光ビームの光軸方向に関し、上記対物レンズにより集光される上記基準光ビームの焦点と上記情報光ビームの焦点及び上記トラッキング光ビームの焦点との距離を、上記情報光ビームを合焦させるべき目標位置を含む上記マーク層と上記基準層との距離だけ離隔させると共に、上記半径方向に関し、上記情報光ビームの焦点と上記トラッキング光ビームの焦点とを、所定トラック数だけ離隔させるよう、上記対物レンズへ入射される上記基準光ビーム、上記情報光ビーム及び上記トラッキング光ビームの光路を形成する光路形成部と、
    上記基準光ビームが上記基準層により反射されてなる基準反射光ビームを受光することにより、所定の位置制御部に対し、当該基準反射光ビームの受光結果を基に、上記基準光ビームを上記基準層に合焦させるよう、上記対物レンズを上記光ディスクに近接又は離隔させる方向へ位置制御させる基準反射光受光部と、
    上記トラッキング光ビームが上記参照トラックにより反射されてなるトラッキング反射光ビームを受光することにより、上記位置制御部に対し、当該トラッキング反射光ビームの受光結果を基に、上記目標位置を含むマーク層における上記目標トラックから上記所定トラック数だけ離隔した位置に既に形成されている参照トラックに上記トラッキング光ビームを合焦させるよう、上記対物レンズを上記半径方向に位置制御させるトラッキング反射光受光部と
    を具えることを特徴とする光ピックアップ。
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