JP2009148060A - モールドコイルの製造方法、モールドコイル用金型装置及びモールドコイル - Google Patents

モールドコイルの製造方法、モールドコイル用金型装置及びモールドコイル Download PDF

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剛 有吉
Masayoshi Hirota
将義 廣田
Shinichi Iizuka
慎一 飯塚
Yasushi Nomura
康 野村
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Abstract

【課題】加工が容易であるとともに、占積率及び放熱性の高いモールドコイルを提供する。
【解決手段】コイル軸方向に隣接する巻線間に所定の隙間を開けた状態で金型内30にコイル1aを位置決めするコイル位置決め工程と、上記コイルを位置決めした金型内にモールド樹脂を注入するモールド樹脂注入工程と、上記モールド樹脂注入工程直後又はモールド樹脂注入工程の途中において、上記コイルを少なくとも軸方向に圧縮して、上記巻線をコイル軸方向に近接させるコイル整形工程と、上記モールド樹脂によってモールドされたコイル成形体を上記金型から取り出す離型工程とを含んで構成される。
【選択図】図7

Description

本願発明は、モールドコイルの製造方法及びモールドコイルに関する。詳しくは、占積率を向上させることができるとともに、放熱性を高めたモールドコイルの製造方法に関する。
たとえば、ハイブリッド自動車や電気自動車では、駆動のために電動機が用いられる。この駆動用電動機は、高出力・高効率のみならず、小型軽量化が求められ、このため、種々の改良、開発が行われている。
電動機においては、磁性材料から形成されたステータのコアに、導体からなる巻線を巻き回してコイルが形成されるが、高い出力でより小型化を実現するために、上記巻線の占積率を極限まで向上させることが求められる。また、磁力を高めて大きな出力を得るためには、上記巻線には大きな電流が流す必要がある。上記占積率を高めるとともに大電流を流すために、長方形断面を有する平角巻線を、その短辺をコイルの軸方向に向けて巻き回して構成されるエッジワイズコイルが採用されることが多い。一方、小型軽量化及び製造工程等における経済性等を向上させるため、コイルを樹脂モールドしたモールドコイルが採用されることも多い。電動機に上記エッジワイズコイルやモールドコイルを採用することにより、環状配置されるステータのティース部に上記コイルを挿入するだけで、環状ステータを構成することが可能となる。
ところが、上記エッジワイズコイルは、巻線の断面が長方形状をしているため導体幅が広く、しかも、短辺がコイルの軸に向けて巻き回されるため大きな渦電流が発生しやすい。このため、損失が大きいという問題がある。また、コイルを成形する際、曲げ方向の導体幅が広いため、曲げ加工が難しいという問題もある。上記エッジワイズコイルの不都合を回避するため、導体幅の小さい銅線を複数本電気的に巻き回し、これらを並列接続することにより渦電流の低減を図り、また、加工を容易に行うことができるコイルが提案されている。
特開2007−195333号 実開平6−29117
上記特許文献2に記載されているコイルは、絶縁層で被覆された細線の導体を一平面内で平行に接合した多本平行線がその幅方向に巻き回されて構成されている。
上記特許文献2に記載されているコイルは、曲げ加工を容易に行うことができる一方、保形性が低いため変形しやすい。このため、ステータ等に組み付け加工等する場合に注意が必要である。
また、多数の巻線が積層して巻き回されているため、各巻線間に隙間が生じやすい。したがって、占積率が低下するとともに、放熱性が低下することも考えられる。
通常、コイルを樹脂モールドすることにより保形性は高まるが、各巻線間にモールド樹脂を隙間無く充填するのは困難である。特に、モールド樹脂の熱伝導性を高めるため、アルミナフィラー等の粉体が添加されることが多いため、樹脂の流動性が低下しやすい。このため、複数本の巻線が半径方向に配置されたコイルの場合、内部の巻線間の隙間に、モールド樹脂を充填するのは非常に困難であり、占積率が低下するばかりでなく、コイル内部に空気層が生じて放熱性が低下するといった問題も生じやすい。
本願発明は、上記問題を解決するために案出されたものであって、加工が容易であるとともに、占積率及び放熱性の高いモールドコイルを提供することを課題とする。
本願発明は、コイル軸方向に隣接する巻線間に所定の隙間を開けた状態で金型内にコイルを位置決めするコイル位置決め工程と、上記コイルを位置決めした金型内にモールド樹脂を注入するモールド樹脂注入工程と、上記モールド樹脂注入工程直後又はモールド樹脂注入工程の途中において、上記コイルを少なくとも軸方向に圧縮して、上記巻線をコイル軸方向に近接させるコイル整形工程と、上記モールド樹脂によってモールドされたコイル成形体を上記金型から取り出す離型工程とを含んで構成される。
本願発明が適用できるコイルの種類、目的は特に限定されることはない。電動機のみならず、変圧器等、種々の機器に用いられるコイルに適用することができる。また、モールド可能な形態であれば、コイル形態も特に限定されることはない。円筒状のコイルのみならず、円錐台形等種々の形態のコイルに適用することができる。
本願発明では、コイルを巻線間に所定の隙間を開けた状態に位置決めする。すなわち、コイルを軸方向に拡開した状態で位置決めする。上記隙間は、コイルの寸法形状や、採用するモールド樹脂の流動性に応じて設定することができる。たとえば、上記隙間を、0.3〜1mmに設定することができる。
上記隙間を開けた状態で金型内に位置決めした後に、成形材料であるモールド樹脂が金型内に注入される。上記モールド樹脂として種々の樹脂材料を採用することができる。たとえば、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性のあるモールド樹脂を採用するのが好ましい。また、放熱性を高めるために、上記樹脂に熱伝導性のあるフィラー、たとえばアルミナ粉等が混入される。
成形方法は特に限定されることはない。たとえば、一般的な射出成形を利用することができる。また、熱硬化性樹脂等の成形に利用される圧縮成形用金型等を用いて成形することができる。なお、熱可塑瀬樹脂を利用した射出成形法においては、樹脂の流動性を高めるための加熱装置のある金型装置を採用するのが好ましい。
コイルの巻線間に隙間を開けた状態で樹脂を充填することにより、上記隙間に樹脂を行き渡らせることができる。一方、そのまま硬化してしまうと占積率が低下する。本願発明では、モールド樹脂が硬化する前に、すなわち、上記モールド樹脂注入工程直後、又は上記形成材料注入工程の途中で、上記コイル整形工程が行われる。
上記コイル整形工程は、上記コイルを少なくとも軸方向に圧縮して、コイル位置決め工程において拡開させられた上記巻線を近接させることにより行われる。すなわち、上記巻線間に充填されたモールド樹脂を押し出すようにして、巻線が圧縮近接させられることによりコイル整形工程が行われる。
上記コイル整形工程の形態は特に限定されることはない。たとえば、コイルの軸方向に位置する金型面をコイル軸に向けて変位させることにより行うことができる。また、請求項3に記載した発明のように、上記コイル整形工程を、金型内周部から金型内に延出して、上記巻線の所定位置に作用させられる押圧部材によって行うことができる。たとえば、金型内面に押圧部材としてのピンを出没可能に保持し、このピンを上記コイルの所定部位に作用させることにより、上記コイル整形工程を行うことができる。
上記押圧部材の形態も特に限定されることはなく、コイル巻線の少なくとも一部に当接させられて、巻線を所定位置に保持あるいは位置決めできるものであればよい。なお、上記押圧部材は、種々の手法を用いて金型内に出没可能に設けることができる。たとえば、油圧、空気圧、あるいはバネ力等によって出没させることができる。
本願の請求項2に記載した発明は、コイル軸に対して直角方向の力を作用させて、各巻線を所定のモールド位置に位置決めすることにより上記コイル整形工程を行うものである。
巻線の保形性が低い場合、コイル位置決め工程において、コイル半径方向の巻線列が乱れたり、モールド樹脂を充填する際に巻線の一部が流動圧によって変位する恐れがある。また、コイルの軸方向に押圧力を作用させる場合に、金型内で硬度が上がった樹脂が横方向に流動し、これにより、巻線が軸直角方向に変位することも考えられる。特に、円錐台形状や角錐台形状のコイルを採用する場合、上記コイル整形工程を行って、各巻線を軸直角方向位置に精度高く位置決めすることにより巻線を、成形体の所定位置に精度高くモールドすることが可能となる。
特に、請求項4に記載した発明のように、複数本の巻線を半径方向に積層した状態で巻き回すことにより形成されたコイルを採用する場合、巻線自体が変形しやすい。したがって、コイル半径方向の位置決めを行うことにより、巻線の変位を抑制してコイルを精度高く樹脂モールドすることが可能となり、占積率及び放熱性の高いモールドコイルを形成することができる。
上記コイルの両端子部は、電気的に接続する必要があるため、コイル両端子部をモールドから延出あるいは露出させる必要がある。延出あるいは露出させる手法として、種々の手法を採用することができる。たとえば、充填樹脂に触れることないように、金型内で型部材に挟持させたり、成形後に取り外されるキャップ等を嵌めておく手法を採用できる。
また、請求項5に記載した発明のように、コイルの両端子部を金型から露出させた状態で金型に位置決めして、上記モールド樹脂注入工程及びコイル整形工程を行うこともできる。コイルの端子部は後に電気的接続がなされるものであるため、モールド樹脂から隔離した状態で各工程を行うのが望ましい。
上記コイル端子部を金型から露出させる手法も特に限定されることはない。たとえば、金型のパ−ティングラインを上記端子部近傍に設け、端子部を露出させることができるとともに、成形空間内の注入モールド樹脂がもれ出ない溝等を設けることができる。
請求項6に記載した発明は、コイルを樹脂モールドするコイルモールド用金型装置であって、モールド樹脂注入直後又はモールド樹脂注入工程の途中において、巻線を整形する整形手段を備えるものである。
上記整形手段は特に限定されることはない。たとえば、モールド樹脂注入工程直後、あるいはモールド樹脂注入工程と同時に金型の一部を変位させる装置を設けることにより構成することができる。また、金型内に出没する押圧手段を設けて構成することができる。
上記整形手段の形態、機構も特に限定されることはない。たとえば、請求項7に記載した発明のように、上記整形手段を、巻線をコイル軸方向に押圧する軸方向押圧手段を備えて構成することができる。また、請求項8に記載した発明のように、上記整形手段を、巻線をコイル軸直角方向に押圧あるいは保持して、各巻線を所定位置に位置決めする径方向押圧手段を備えて構成することができる。
上記押圧手段の構成も特に限定されることはなく、たとえば、請求項9に記載した発明のように、金型内部に出没可能に保持される押圧部材を設けて構成することができる。
請求項10に記載した発明は、樹脂によってモールドされたコイルであって、上記コイルは、コイルの半径方向に積層した状態で巻き回された複数本の巻線を備え、上記各巻線が近接状態でモールドされているととともに、これら巻線間に樹脂が充填されているものである。
従来のモールドコイルは、単一の巻線を巻き回したものが多く、各巻線間への樹脂の充填は問題とならなかった。一方、複数の巻線を巻き回し、あるいは組み合わせて構成されるコイルにおいては、コイル内部の巻線間にモールド樹脂を充填するのは困難であり、コイルの熱伝導性等を高めることができなかった。特に、電動機用の大電流を流すステータ等に用いられるコイルでは、高い放熱性が要求されるため、複数の細い巻線を組み合わせたモールドコイルを採用するのは困難であった。本願発明では、上記製造方法によって、コイル内部の巻線間にも樹脂を充填することが可能となり、これまでにない性能のコイルを構成することが可能となった。
本願発明では、モールド樹脂充填工程直後又はモールド樹脂充填工程中に、整形手段によってコイルの巻線に力を作用させる。上記整形手段は、樹脂が注入される成形空間内に延出して、巻線の所定部位を押圧するように構成されている。このため、請求項11に記載した発明のように、外周の被覆層表面から、内部にモールドされたコイルの所定部位表面にいたる整形凹部が形成される。
上記整形凹部は、コイルを整形した結果として形成されるものであるが、上記凹部から、コイルの巻線位置を目視で確認することが可能となる。この結果、樹脂モールド内部のコイルの状態を容易に判断することが可能となり、整形不良等のコイルを判別して製品の信頼性を向上させることが可能となる。
本願発明によって、曲げ加工等が容易であるとともに、占積率及び放熱性の高いモールドコイルを提供することができる。
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1は、本願発明に係るモールドコイルの一例を示す全体斜視図である。また、図2は、樹脂にモールドされたコイル1aの全体斜視図である。本実施形態は、本願発明を電動機の分割ステータ用コイルに適用したものである。
本実施形態に係るモールドコイル1は、内側に図示しないコアのティース部を挿入する貫通孔12が形成された角錐台形状に形成されている。上記モールドコイル1の一方のコイルエンド側の上縁部と下縁部から、上記コイル1aの端子部21、22が露出して延出させられている。
図2に上記コイル1aの全体斜視図を示す。本実施形態に係る上記コイル1aは、方形状の巻線2,3,4,5を各々巻き回して形成される4つの略矩形状の筒状コイル部材6,7,8,9を入れ子状に組み付けて形成されている。上記各巻線2,3,4,5として、図3に示すように、略長方形状の断面を備える銅線が採用されているとともに、各巻線には、図示しない絶縁被覆が施されている。
本実施形態では、積層される各筒状コイル部材6,7,8,9のテーパ状の各コイルサイド側内周面と、これに挿入される筒状コイル部材の外周面とが対接させられて組み付けられる。しかも、本実施形態では、上記各筒状コイル部材6,7,8,9が、全体として矩形筒状に形成されている。このため、各筒状コイル部材6,7,8,9を、精度高く位置決めして、かつ、容易に組み付けることができる。
また、上記コイル1aは、環状に配置されてステータを構成する分割ステータのコイルに本願を適用したものであり、図3に示す上記モールドコイル1の周方向外周面15及び周方向内周面16のテーパ角度は、上記分割ステータの分割数に対応する角度に設定されている。このため、上記分割ステータを環状に組み付けた場合、隣接する各分割ステータ間の隙間を最小限に抑えることが可能となり、ステータの性能を高めることができる。なお、上記テーパ角度は、上記分割ステータの分割数に対応して設定すればよく、本実施形態では、約10°(両側テーパの合計20°)に設定されている。
上記コイル1aは、径方向に配置される4つの筒状コイル部材6,7,8,9のコイルエンド側のヨーク側から延出する端子部2a,3a,4a,5aと、ティース部側に延出する端子部2b,3b,4b,5bとを、各々短絡させることにより、上記径方向に配置された4つの筒状コイル部材6,7,8,9を並列接続している。これにより、断面長方形状の太線平角コイルをエッジワイズ巻きしたと同様の機能を発揮するように構成している。
上記構成を採用することにより、従来の長方形断面の太線平角コイルをエッジワイズ巻きした場合に問題であった渦電流の発生を抑制することが可能となり、コイルの性能を向上させることができる。しかも、上記各巻線2,3,4,5に長方形断面の銅線を採用するとともに、これら巻線2,3,4,5が隙間なく対接するように構成しているため、コイルの占積率が低下することもない。
一方、上記コイル1aを、従来の手法で樹脂モールドする場合、内部のコイル部材の周囲まで、モールド樹脂を充填するのは困難である。
本願発明に係るモールドコイルの製造方法によって、上記のように構成されたコイルの内側に配列されるコイル部材の各巻線間に、モールド樹脂をすきまなく充填することが可能となった。
上記モールド樹脂は特に限定されることはなく、種々の樹脂を採用することができる。たとえば、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性のある樹脂材料に、熱伝導性を高めるためのアルミナ粉等を混練したものを採用することができる。また、成形手法も特に限定されることはない。本実施形態は、射出成形法による製造方法に本願発明を適用したものである。なお、モールドコイルを成形する手法は、射出成形に限定されることはなく、種々の手法を採用することができる。
図5に、上記モールドコイル1を製造するための金型装置30の一例の概略構成を示す。
図5に示すように、金型装置30は、下型32と上型31とを備えて構成される。なお、上型31は、型部の形態を理解しやすいように、基板33を透視した状態で表している。
図5及び図6に示すように、上記上型31は、基板33から下方に延出形成されるとともにコイル1aの内周面に対応した内周型部34と、上記コイル1aの一方の端子部21を金型内で保持するための第1の保持機構40の挟圧部41と、排除されたモールド樹脂を収容できるモールド樹脂逃がし機構60の各部61,62,63と、コイル1aの巻線上部を押圧する押圧部23a、24a,25a,26aとを備えて構成されている。
一方、上記下型32は、上記コイル1aの外周形態に対応した外周型部35と、上記コイル1aの一方の端子部21を金型内で収容保持する第1の端子部保持機構40の各部42、43、44、45と、他方の端子部22を金型内で収容保持する第2の端子部保持機構50の端子部挿入溝54及び底面55と、モールド樹脂注入路70及び吐出孔71とを備える。なお、本実施例では、理解を容易にするため、モールド樹脂注入路を下型32の中間部に設けたが、モールド樹脂注入路70及び吐出孔71は、モールド樹脂の充填及び離型が容易な部位に設ければよい。
上記第1の端子保持機構40は、上型31に設けられるとともにコイル1aの端子部21の上面に対接させられる挟圧部41と、下型32に設けられた保持部材収容溝44に、コイルバネ43によって上方に弾力付勢された状態で摺動可能に保持された挟圧部材42とを備えて構成されている。図示はしないが、上記挟圧部材の上面42は、コイル1aの巻線間に所定の隙間が形成される位置に設定される。
上記第2の端子保持機構50は、上型31に設けた保持部材収容溝52に摺動可能に保持された挟圧部材51と、上記下型32に形成され、端子部22及び上記挟圧部材51を上記型部の底部まで導く案内溝54とを備える。上記挟圧部材51は、モールド樹脂注入工程において、上記端子部22を底面55との間で挟圧して位置決め保持できるとともに、モールド樹脂が端子部表面に付着しないように構成されている。
以下、上記金型装置3を用いたモールドコイル1の製造工程を、図7から図10を用いて説明する。
図7に示すように、上記下型32の成形空間35内に、コイル1aが挿入される。上記コイル1aは、一方の端子部21が、上記挟圧部材42の上面45に載置されるとともに、他方の端子部22が上記案内溝54の底面55に位置させられる。なお、この状態ではコイル1aは位置決めされておらず、コイルの各端子部は、上記部位から離間していてもよい。
上記状態で上型31と下型32とを近接させて、図8に示す状態となるまで嵌合させる。この状態で、上記一方の端子部21は、上記挟圧部41と、挟圧部材42の上面45とに挟持されて位置決めされる。また、上記他方の端子部22は、上記案内溝54の底面55と上記挟圧部材51の下面56との間で挟圧されて位置決めされる。上記両端子部21,22の位置決め部位は、上記コイル1aの巻線間に所定の隙間が形成されるように設定されている。これにより、コイル軸方向に隣接する巻線間に所定の隙間を開けた状態で、金型内30内にコイル1aが位置決め保持される。
図9に示すように、上記モールド樹脂注入路70及び吐出孔71から、上記上型31と下型32とによって形成されるとともに、コイル1が位置決めされた成形空間内にモールド樹脂Mが注入される。上記コイル1aの巻線間に隙間を開けた状態でモールド樹脂Mが型内に注入されるため、コイル1aの内部までモールド樹脂を充填することができる。
上記モールド樹脂注入工程を行った直後、すなわち、モールド樹脂Mが硬化する前に、上型31と下型32とが所定量さらに近接させられる。図10に示すように、このとき、図5に示すように、上記上型31に形成した押圧部23a、24a,25a,26aが、上記コイル1aの巻線上部を押圧して、コイル1aを圧縮する。本実施形態では、上記押圧部23a、24a,25a,26aのみならず、上型31の全体を下方へ変位させることにより、コイル1aを圧縮できるよう構成している。
図10示すように、上記第1の端子部保持機構40の上記挟圧部材42は、一方の端子部21を上型31に設けた挟圧部41との間で挟圧保持した状態で下方に変位させられる。これにより、コイル1a全体が圧縮され、各巻線間を上下方向に近接させて、巻線間の隙間を減少させることができる。
上記実施形態では、上記上型31の全体を下方に変位させてコイル1aを軸方向に圧縮するように構成されているため、その分モールド樹脂を成形空間から排除しなければならない。本実施形態では、モールド樹脂逃がし機構60を設けることにより、上記モールド樹脂を型内から逃がすことができるように構成している。
上記モールド樹脂逃がし機構60は、上型31内に設けたモールド樹脂退避孔63に、コイルバネ61を介してピストン63を摺動可能に保持して構成されている。上記ピストン63は、上記コイルバネ61によって、モールド樹脂を注入する圧力では、摺動変位しないように弾力付勢されている。一方、上記上型31の変位によって型内のモールド樹脂に大きな圧力が作用した場合、上記ピストン63が上方に移動させられて、樹脂退避孔63が内周面に形成され、上記上型31の移動によって排除される樹脂が上記樹脂退避孔63に流入する。これにより、コイル1aを成形型30の内部において、軸方向に圧縮することができる。なお、上記樹脂逃がし機構は、射出成形法等の密閉空間に樹脂を高圧で注入する場合に採用されるものであり、解放空間で行われる注型成形法等では不要である。また、上型31全体を変位させることなく、コイル1aに当接させれられるピン等のみ変位させる構成を採用する場合は、樹脂の排除量が多くないかぎり必要ない。上記退避孔に流入した樹脂は、バリを除去するのと同様に離型工程後に切除すればよい。
図11(a)に、モールド樹脂注入工程直後の、上記コイル1aの断面を模式的に示す。この図に示すように、軸方向に隣接する巻線間に隙間が形成されるとともに、この隙間にモールド樹脂が充填されている。この状態で、上記コイル1aをコイル軸方向に圧縮すると、図11(b)に示すように、上下方向の巻線が近接させられ、巻線間の余分な樹脂が排除される。
上記実施形態に係る製造方法によって、コイルの巻線間にモールド樹脂を隙間無く充填して放熱性を高めることができるとともに、巻線を近接させて占積率を高めることが可能となる。
なお、上記の実施形態では、コイルの両端子部21,22を金型30内に保持してモールド樹脂注入工程及びコイル整形工程を行ったが、端子部21,22を金型外に露出させて上記工程を行うこともできる。
また、実施形態では、樹脂逃がし機構60を設けて、金型変位に対応してモールド樹脂を排除できるように構成したが、金型外に排出するように構成することもできる。
さらに、本実施形態では、コイル1aをコイル軸方向に圧縮したが、コイル軸と直交する方向から力を作用させて、コイルの巻線の配列等の乱れ等を矯正して、モールド樹脂を注入することができる。
たとえば、上型31の内周型部34と下型32の外周型部に、コイル位置決め状態でコイル1の内周部及び外周部に当接してコイルの半径方向への変位を規制する凸条を設けることより、コイル1aの形状及び姿勢を型内で保持し、あるいは矯正することが可能となる。これにより、コイル1aの周囲に均等な樹脂被覆層を形成することができる。
また、図12に示すように、上記成形後のコイル成形体16の周囲に上記溝23a,23b,23c,24a,24b,24c,25a,25b,25c,26a,26b,26cが形成される。上記各溝は、内部にモールドされたコイル1aの表面にまで達しているため、コイル1aのモールド状態を目視で検査することが可能となる。
本願発明は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上記説明した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
産業上の利用性
曲げ加工を容易に行うことができるとともに、占積率及び放熱性の高いモールドコイルを提供できる。
本願発明係る製造方向によって製造されたモールドコイルの全体斜視図である。 図1に示すモールドコイルに埋め込まれたコイルの全体斜視図である。 図1における III−III 線に沿う断面図である。 図1におけるIV−IV線に沿う断面図である。 本願発明に係る製造方法に用いられる金型の構造模式的に示す全体斜視図である。 本願発明に係る金型の構造及び作用を示す断面図である。 本願発明に係る金型の構造及び作用を示す断面図である。 本願発明に係る金型の構造及び作用を示す断面図である。 本願発明に係る金型の構造及び作用を示す断面図である。 本願発明に係る金型の構造及び作用を示す断面図である。 本願発明に係る製造方法途中におけるコイル断面の状態を示す説明図である。 本願発明に係る第2の実施形態に係るモールドコイルの全体斜視図である。
符号の説明
1a コイル
30 金型内

Claims (11)

  1. コイル軸方向に隣接する巻線間に所定の隙間を開けた状態で金型内にコイルを位置決めする、コイル位置決め工程と、
    上記コイルを位置決めした金型内にモールド樹脂を注入するモールド樹脂注入工程と、
    上記モールド樹脂注入工程直後又はモールド樹脂注入工程の途中において、上記コイルを少なくとも軸方向に圧縮して、上記巻線を近接させるコイル整形工程と、
    上記モールド樹脂によってモールドされたコイル成形体を上記金型から取り出す離型工程とを含む、モールドコイルの製造方法。
  2. 上記コイル整形工程は、コイル軸に対して直角方向の力を作用させて、各巻線を所定のモールド位置に位置決めする、請求項1に記載のモールドコイルの製造方法。
  3. 上記コイル整形工程は、金型内周部から金型内に延出して、上記巻線の所定位置に作用させられる押圧部材によって行われる、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のモールドコイルの製造方法。
  4. 上記コイルは、複数本の巻線を半径方向に積層した状態で巻き回すことにより形成されたものである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモールドコイルの製造方法。
  5. 上記コイルは、両端子部を金型から露出させた状態で金型に位置決めされる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモールドコイルの製造方法。
  6. コイルを樹脂モールドするコイルモールド用金型装置であって、
    モールド樹脂注入直後又はモールド樹脂注入工程の途中において、巻線を整形する整形手段を備える、コイルモールド用金型装置。
  7. 上記整形手段は、巻線をコイル軸方向に押圧する軸方向押圧手段を備える、請求項6に記載のコイルモールド用金型装置。
  8. 上記整形手段は、巻線をコイル軸直角方向に押圧あるいは保持して、各巻線を所定位置に位置決めできる径方向押圧手段を備える、請求項6又は請求項7のいずれかに記載のコイルモールド用金型装置。
  9. 上記押圧手段が、金型内部に出没させられる押圧部材である、請求項7又は請求項8のいずれかに記載のモールドコイル用金型装置。
  10. 樹脂によってモールドされたコイルであって、
    上記コイルは、コイルの半径方向に積層した状態で巻き回された複数本の巻線を備え、
    上記各巻線が近接状態でモールドされているととともに、これら巻線間に樹脂が充填されている、モールドコイル。
  11. 外周の被覆層表面から、内部にモールドされたコイルの所定部位表面にいたる整形凹部を備える、モールドコイル。
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