JP2009144054A - 重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の銅化合物とクメンヒドロペルオキシドとN-アセチルチオ尿素との組み合わせを用いた組成物よりも更に保存安定性が良く、適切な硬化時間を有する重合性組成物を提供する。
【解決手段】 過酸化物としてtert-ブチルヒドロペルオキシド、還元性物質としてチオ尿素誘導体、促進剤としてバナジウム化合物とする重合性組成物とする。チオ尿素誘導体が、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素から選ばれる1種または2種以上、バナジウム化合物が、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネートから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 過酸化物としてtert-ブチルヒドロペルオキシド、還元性物質としてチオ尿素誘導体、促進剤としてバナジウム化合物とする重合性組成物とする。チオ尿素誘導体が、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素から選ばれる1種または2種以上、バナジウム化合物が、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネートから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は特に歯牙治療に用いる重合性組成物に関する。
本発明は、2種または3種以上の液やペーストを混和して重合する重合性組成物に関する。より詳細には、重合前のペーストを冷蔵することなく長期間保存した場合でもゲル化せず、硬化時間も保存によって遅延したり早まったりすることがない重合性組成物に関する。この重合性組成物は、各種工業用接着剤や成型用樹脂として使用することができ、特に好適な用途の一つは歯科用途である。
ラジカル重合性を有するメタクリレートやアクリレート等のモノマー,オリゴマー,プレポリマーを含有する重合性組成物を常温で重合させる手段としては、化学重合触媒として有機過酸化物−芳香族第3級アミンを組み合わせて使用する手段が古くから用いられている。この手段においては、ペースト状組成物に配合する有機過酸化物と芳香族第3級アミンの量を加減すると共に重合禁止材を併用することにより重合硬化時間を調整したり重合前の組成物の保存安定性を高めている。しかしながら、芳香族第3級アミンにより重合後の硬化体が時間と共に変色してしまうという問題があった。更に、有機過酸化物は不安定な物質であり、有機過酸化物をペースト状組成物に多量に配合すると長期保存した場合に重合前にペースト状組成物自体がゲル化してしまい易く、反対に保存安定性を長期間確保するために重合禁止材をペースト状組成物に多量に配合すると重合硬化時間が著しく長くなってしまうという問題があった。そのため、従来の重合性組成物では冷蔵で保存して有機化酸化物の反応を遅らせる等の対策をとらねばならなかった。
−SO2−基を少なくとも1個含有する有機芳香族化合物と過酸化物と芳香族第3級アミンを組み合わせて使用する組成物もあるが、有機過酸化物−芳香族第3級アミンを用いるので硬化体の変色と保存安定性の低さの問題は解決できない。
また、トリアルキルボランの酸化を用いた重合手段も知られているが、トリアルキルボランは芳香族第3級アミンよりも酸化され易いため、ラジカル重合性を有する(メタ)アクリレートを含有する重合性組成物中に予め配合できないことが欠点である。そのため、(メタ)アクリレートとは別の容器にトリアルキルボランを保存しておき、使用時に重合性組成物へ添加して使用しなければならず操作が煩雑であった。
本件出願人はピリミジントリオン誘導体−有機ハロゲン化合物−有機金属化合物の3元系触媒を含む重合性組成物を開発し当該組成物を出願した(特許文献1参照。)。この組成物はアミンを含有しないことから硬化体の着色が無く酸性条件下でも使用することができるという特徴がある。しかしながらこの系はピリミジントリオン誘導体の保存安定性に問題があった。
その他にも、クメンヒドロペルオキシドとチオ尿素誘導体との組み合わせも開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この系は、従来の系と比較して熱安定性が高い特徴がある。しかしながらこの系を使用した組成物は、クメンヒドロペルオキシドとチオ尿素誘導体の硬化反応が遅いという問題があり、それらの配合濃度を十分としても特に接着剤としての用途には適していない。
その改良として、銅化合物の存在下でのレドックス反応として、クメンヒドロペルオキシドとN-アセチルチオ尿素との組み合わせもある(例えば、特許文献3参照。)。この系は、熱に対する安定性が比較的高く芳香族第3級アミンを含まないので硬化後に経時的な変色が見られることはない。そして、組成物に接着性を付与させるために従来から配合されている酸基を有する(メタ)アクリレートの酸による影響を受けることがないことも特徴であり、組成物の保存安定性が良い。しかし特に歯科用材料では、歯科用補綴物を歯牙へ接着させる場合、術者が望む時間で適切に硬化する特性や硬化時間が製品によって一定であることが要求されているが、これらの系では未だその要求されている硬化時間の安定性を満たすことができない。
そこで本発明は、従来の銅化合物とクメンヒドロペルオキシドとN-アセチルチオ尿素との組み合わせを用いた組成物よりも更に保存安定性が良く、保存によって重合硬化時間が製品の設計時よりも遅延したり早まったりすることがない重合性組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、過酸化物としてtert-ブチルヒドロペルオキシド、還元性物質としてチオ尿素誘導体、促進剤としてバナジウム化合物を用いると硬化性に優れ、且つ保存安定性にも優れた重合性組成物を得ることを見出して本発明を完成した。
即ち本発明は、(メタ)アクリレートに過酸化物質としてtert-ブチルヒドロペルオキシドを含む第一成分、(メタ)アクリレートに還元性物質としてチオ尿素誘導体と重合促進剤としてバナジウム化合物とを含む第二成分とからなる重合性組成物である。
そして本願発明の重合性組成物は、フィラー成分を第一成分及び第二成分のどちらか一方、あるいは両方に含んでいても良く、(メタ)アクリレートの一部または全てが酸基を有する(メタ)アクリレートであると、歯牙や、歯科用修復物の材料であるジルコニア及びアルミナ等のセラミックス、または貴金属を含む合金に対しても接着効果を付与することができる。
本発明に係る重合性組成物は、従来の銅化合物とクメンヒドロペルオキシドとN-アセチルチオ尿素との組み合わせを用いた組成物よりも更に保存安定性が良い優れた重合性組成物である。
本発明での(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートの各種のモノマー,オリゴマー,プレポリマーを意味している。本発明で使用する(メタ)アクリレートとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらのモノマーあるいはオリゴマーあるいはプレポリマーが好適に使用できる。また、ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレートとして、ジ−2−(メタ)アクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5−トリス[1,3−ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン、2,2−ビス−4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−フェニルプロパン等があり、その他2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとからなるウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとからなるウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
本発明では酸基を有する(メタ)アクリレートを使用することもできる。tert-ブチルヒドロペルオキシドは、酸基を持たない(メタ)アクリレートに対しても、酸基を持つ(メタ)アクリレートに対しても安定であることが特徴の一つである。酸基を有する(メタ)アクリレートは重合性組成物に歯質や、歯科用修復物の材料であるジルコニア及びアルミナ等のセラミックス、また貴金属を含む合金への接着性を付与する効果がある。酸基を有する(メタ)アクリレートはリン酸基またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、1分子中にリン酸基またはカルボキシル基を1個または複数個有する(メタ)アクリレートを使用できる。リン酸基はカルボキシル基よりも強い酸性を示すことから、歯面のスメアー層の溶解や歯質脱灰の効果が高く、特にエナメル質に対して高い接着性の向上効果を発揮する。リン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−ジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルプロパン−2−フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ヘプチル]ハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。中でも10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートが接着性及び(メタ)アクリレート自体の安定性の点から特に好ましい。これらのリン酸基を有する(メタ)アクリレートは、単独あるいは2種以上を混合して用いても良い。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸無水物、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸無水物、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシピロメリット酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などが挙げられる。中でも4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸,4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸無水物が接着性の点から特に好ましい。
本発明に係る重合性組成物に用いる重合反応はtert-ブチルヒドロペルオキシドとチオ尿素誘導体の酸化還元反応を利用する。本願の第一成分には(メタ)アクリレートに過酸化物質としてtert-ブチルヒドロペルオキシドを配合する。第二成分には還元性物質としてチオ尿素誘導体と更に重合促進剤としてバナジウム化合物を配合する。
tert-ブチルヒドロペルオキシドは第一成分中に0.1〜10重量%配合されることが好ましく、0.1重量%未満ではレドックス重合開始剤としての機能が不足する傾向があり、10重量%を超えて配合すると第一成分中の(メタ)アクリレートが重合し易くなってしまう傾向があり組成物の保存安定性が低下してしまう。
チオ尿素誘導体はレドックス重合の還元性物質であり(メタ)アクリレート中で安定な物質である。チオ尿素誘導体は第二成分中に0.1〜10重量%含有されていることが好ましく、0.1重量%未満では重合触媒としての能力が不十分であり、10重量%を超えると(メタ)アクリレートに溶解しない場合が多い。チオ尿素誘導体としては、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素等が使用でき、特にN-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素が好ましい。
バナジウム化合物はレドックス重合の重合促進剤であり、(メタ)アクリレート中で安定な物質である。バナジウム化合物は第二成分中に0.001〜1重量%配合されていることが好ましい。0.001重量%未満であると重合促進剤としての効果が不足する傾向にあり、1重量%より多いと第二成分が濃緑色に着色したように見えたり、保管中に(メタ)アクリレートを重合させてしまう虞があるので好ましくない。バナジウム化合物としては、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が使用でき、特にバナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
本発明に係る重合性組成物は、各成分に更にフィラー成分を配合しても良い。フィラー成分は組成物の強度を高める。例えば歯科用の接着性組成物として利用する場合、必要であれば成分をペースト状にして操作性を高める効果がある。フィラーとしては無水ケイ酸,バリウムガラス,アルミナガラス,カリウムガラス,フルオロアルミノシリケートガラス等のガラス類、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ヒュームドシリカ,ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、石英等の粉末がある。これらのフィラーは(メタ)アクリレートと結合させるために、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン等のシランカップリング剤で表面処理されていても良い。また、前記のフィラーを予めモノマーやオリゴマーと混合して硬化させた後、粉砕して作製した有機無機複合フィラーも使用することができる。これらのフィラーは単独または2種以上を混合して使用することができる。中でも、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウムは、長期間保存した場合でも重合前の重合性組成物がゲル化するのを防止する効果がある。なお、本発明に使用する第一成分と第二成分は各成分でそれぞれ異なるフィラーを用いても良いのは勿論である。
本発明に係る重合性組成物の第一成分と第二成分の混合割合は、重量で10:1〜1:10であることが好ましい。この範囲外では各重合触媒のバランスがとり難くなり重合に問題が生じる可能性がある。本発明に係る重合性組成物の混合は、術者がヘラと練和紙を用いて手動で混合しても良いし、ミキシングチップによるオートミキシングシステムを用いても良い。
なお、本発明に係る重合性組成物には必要に応じて通常用いられる光重合触媒,抗菌剤,顔料等を適宜配合することもできるのは勿論である。また、フルオロアルミノシリケートガラスのような酸反応性フィラーと酸基を有する(メタ)アクリレートや、更に、酸基を有する(メタ)アクリレートの資質に対する反応性を高めるために水を配合することもできる。
表2〜5に示した配合(重量%)によって第一成分及び第二成分を作製し、保存安定性の試験を実施した。
表2〜5中の略語はそれぞれ以下の通りである。
Bis-GMA:2,2-ビス-4-(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-フェニルプロパン
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
UDMA:ジ-2-メタアクリロキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート
GDMA:2-ヒドロキシ-1,3-ジメタアクリロキシプロパン
Bis-GMA:2,2-ビス-4-(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-フェニルプロパン
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
UDMA:ジ-2-メタアクリロキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート
GDMA:2-ヒドロキシ-1,3-ジメタアクリロキシプロパン
MDP:10-メタアクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
4META:4-メタアクリロキシエチルトリメリット酸無水物
4META:4-メタアクリロキシエチルトリメリット酸無水物
t−BHP:tert-ブチルヒドロペルオキシド
CHP:クメンヒドロペルオキシド
CHP:クメンヒドロペルオキシド
NATU:N-アセチルチオ尿素
NBTU:N-ベンゾイルチオ尿素
NBTU:N-ベンゾイルチオ尿素
V(acac)2:バナジルアセチルアセトネート
V(acac)3:バナジウムアセチルアセトネート
V(acac)3:バナジウムアセチルアセトネート
Cu(acac)2:銅アセチルアセトネート
SiO2:二酸化ケイ素
アエロジル:ヒュームドシリカ(商品名 R812,日本アエロジル社製)
アエロジル:ヒュームドシリカ(商品名 R812,日本アエロジル社製)
ガラス粉末Iの配合を表1に示す。
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
IA:6-tert-ブチル-2,4-キシレノール
DW:水
IA:6-tert-ブチル-2,4-キシレノール
DW:水
『保存安定性の確認試験』
各実施例及び比較例において、重合性組成物は23℃及び50℃において保管され、それぞれ0(調製時),4,8,12週間後に硬化時間が測定された。23±1℃の恒温室内において、第一成分0.2g、第二成分0.2gを練和紙上に測り採り、スパチュラを用いて15秒間の練和操作を行うことで均一に混合し、この重合性組成物の発熱曲線をISO4029:2000 7.6に準じて測定した。また、硬化時間の読み取り方法はISO4029:2000 7.8に準じた。結果を表2〜5に示す。
各実施例及び比較例において、重合性組成物は23℃及び50℃において保管され、それぞれ0(調製時),4,8,12週間後に硬化時間が測定された。23±1℃の恒温室内において、第一成分0.2g、第二成分0.2gを練和紙上に測り採り、スパチュラを用いて15秒間の練和操作を行うことで均一に混合し、この重合性組成物の発熱曲線をISO4029:2000 7.6に準じて測定した。また、硬化時間の読み取り方法はISO4029:2000 7.8に準じた。結果を表2〜5に示す。
表2〜5から明らかなように、歯科材料に一般的に用いられている(メタ)アクリレートの異なる組成や酸基を有する(メタ)アクリレートの有無に拘わらずtert-ブチルヒドロペルオキシド−チオ尿素誘導体−バナジウム化合物開始剤系の重合組成物は、比較的、硬化遅延の度合いが小さい。具体的には、クメンヒドロペルオキシド−チオ尿素誘導体−銅化合物開始剤系よりも保管開始前の調製時の状態(0週間)で硬化反応が速やかであり、特に実施例4,5に見られるように、比較的少ないtert-ブチルヒドロペルオキシド量でも十分に早い硬化時間が起きている。それに対してクメンヒドロペルオキシド−チオ尿素誘導体−銅化合物開始剤系では硬化反応が起こらない場合も見られ、50℃保管において硬化の遅延が大きく、23℃保管においても遅延している。
Claims (4)
- (メタ)アクリレートに過酸化物質としてtert-ブチルヒドロペルオキシドを含む第一成分、
(メタ)アクリレートに還元性物質としてチオ尿素誘導体及び重合促進剤としてバナジウム化合物とを含む第二成分
とからなる重合性組成物。 - フィラー成分を第一成分及び第二成分のどちらか一方、あるいは両方に含む請求項1に記載の重合性組成物。
- チオ尿素誘導体が、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素から選ばれる1種または2種以上である請求項1または2に記載の重合性組成物。
- バナジウム化合物が、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネートから選ばれる1種または2種以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の重合性組成物。
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