JP2009140674A - ガスエンジン用スパークプラグ - Google Patents

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Yasushi Sakakura
靖 坂倉
Kaori Kishimoto
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Abstract

【課題】接地電極における局所的な消耗を防止することで、火花放電間隙の急速な増大を抑制し、長寿命化を図る。
【解決手段】スパークプラグ1は、軸線C1方向に延びる中心電極5を備える。中心電極5の先端部では、Niを主成分とするNi合金からなる外層5Bが細径化されて形成された円柱状のNi合金部31に対して、Irを主成分とするIr合金からなる円環状の貴金属合金部32が嵌合される。貴金属合金部32は、中心電極5の側面部において、レーザー溶接によって接合される。中心電極5の先端面の外径をD、Ni合金部31(露出面37)の外径をd、接地電極27のうち、中心電極5先端面と対向する面の接地電極27の長手方向に直交する向きに沿った長さをDgとしたとき、Dg≧4D/3、及び、D/2>d>D/4を満たすように構成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ガスエンジンに使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関用スパークプラグは、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。スパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端面に設けられ、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。混合気への着火は、火花放電間隙において火花放電が生じることによって行われる。
スパークプラグは、基本的には火花放電間隙における火花放電が不能となった時点をもって寿命と判断される。より具体的な一例を示すと、スパークプラグは、長期使用に伴い電極が消耗して火花放電間隙の距離が広がり、それに伴って火花放電に必要な電圧(要求電圧)も徐々に上昇する。最終的にその要求電圧が、スパークプラグに接続される電源の能力を超えて高くなると火花放電が不能となり、燃焼室内の混合気に着火することができなくなる。従って、スパークプラグの長寿命化を図るには、電極消耗を抑制することが重要となってくる。
近年、コージェネレーションシステムやヒートポンプの普及に伴い、ガスエンジン用スパークプラグの需要が伸びている。当該スパークプラグの使用条件は、とりわけ厳しいものである。例えば、コージェネレーションシステムは、工業用の電力源及び熱源として活用される場合が多く、ガスエンジンは連続運転される。また、システム停止が前提となるスパークプラグの交換は、可及的に行いたくないという要望もある。そのため、エンジンは長期間にわたって不休稼動となり、1000〜2000時間もの間、連続運転されることがある。また、工業用大型ガスエンジンに用いられる場合においては、高出力を実現するべく、高圧縮比・高過給であり、加えて異常燃焼(ノッキング)抑制のために点火時期を遅角化する傾向にある為、点火時における筒内圧力は上昇し、要求電圧が更に上昇する。
ガスエンジン用スパークプラグは、上記のような過酷な条件での長時間連続使用に耐える電極寿命が求められるにも関わらず、寿命改善の具体的対策を講ずることが、ガソリンエンジン用スパークプラグよりもはるかに難しい。具体的には、ガスエンジンにおいては、液化石油ガス(LPG)や圧縮天然ガス(CNG)など、常圧で室温以下の沸点を有する気体燃料が使用され、当該気体燃料を使用する混合気はガソリンを使用する混合気と比較して絶縁破壊電圧が高い。それ故、ガスエンジン用スパークプラグにおいては、要求電圧の低下を目的として火花放電間隙が比較的小さく設定される。当然、正常な火花放電に支障が生じるようになる火花放電間隙も小さいので、寿命にいたるまでに消耗される火花放電の方向に沿う電極の消耗代を増やして寿命を延ばすことの効果も小さい。また、気体燃料を使用するガスエンジンでは、ガソリンエンジンほどの冷却効果は期待できず、電極温度が上昇しやすく、消耗も進行しやすい。つまり、ガスエンジン用スパークプラグは、電極消耗が進行しやすい上に、火花放電の方向に沿う電極の消耗代の増加による寿命向上の効果も小さい。
そこで、スパークプラグの中心電極径を大きくし、火花放電間隙を形成する電極対向面積を増加させることにより消耗しうる電極の体積を増加して寿命向上を図ることが行われる。しかし、ガスエンジン用スパークプラグの場合、火花放電間隙が前述のように狭く設定されるため、火花放電間隙の電極対向面積を過度に大きく設定しすぎると、点火性に悪影響が生じ、却って性能を低下させるおそれがある。従って、中心電極径を増大させて寿命向上を図る方法には限界がある。
一方で、過酷な条件下で連続使用を行っても火花放電間隙の拡大が急速に進行しないよう、中心電極と接地電極との、火花放電間隙を挟んで対向する部位に、白金(Pt)等の貴金属を主成分とする貴金属チップを設けることが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平9−92432号公報
ところで、火花放電間隙においては、中心電極先端部の中央部分よりもむしろ、電界強度の高い中心電極先端部のエッジ部分と接地電極との間で火花放電が起こりやすい。ここで、前述のようにガスエンジン用スパークプラグは火花放電間隙が比較的小さく設定されているため、接地電極のうち前記中心電極のエッジ部分と対向する部分において集中して火花放電が起こりやすい。このため、上記技術を用いたとしても、当該エッジ部分と対向する部分において接地電極が局所的に消耗してしまい、火花放電間隙の局所的な拡大を招いてしまうおそれがある。その結果、エッジの無い中心電極先端部の中央部分と当該中央部分と対向する接地電極の平面状の部分との間隙は対向距離が短いにも拘わらず、火花放電が正常に行われなくなるという懸念を孕んでしまう。つまり、中心電極径を増大させ、また貴金属チップを設けて寿命向上を実現しようとするも、その効果が十分に得られないという状況が生じる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、中心電極に対向する接地電極のうち火花放電が発生する部位を効果的に利用することで接地電極の局所的な消耗を抑制して長寿命化を図ることができるガスエンジン用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のガスエンジン用スパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔に挿設される円柱状の中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の先端部分に前記中心電極の先端部に位置する先端向き端面と対向するとともに、当該先端向き端面よりも大きい面積の平面を備え、前記主体金具の先端に設けられた接地電極と
を備えるガスエンジン用スパークプラグであって、
前記中心電極の先端向き端面は、ニッケルを主成分とする合金からなるニッケル合金部を露出させてなる第1露出面と、イリジウムを主成分とする貴金属合金からなる貴金属合金部を露出させてなる第2露出面とからなることを特徴とする。
ここで、「主成分」とあるのは、材料中、最も質量比の高い成分を指すものである。尚、接地電極のうち、中心電極と対向する面に貴金属合金よりなる貴金属チップを設けることとしてもよい(当該貴金属チップは、接地電極の一部を構成するものである)。この場合、前記火花放電間隙は、当該貴金属チップの先端部及び中心電極の先端部間において形成されることとなる。
上記構成1によれば、中心電極の先端面において、Ni合金部及び貴金属合金部が露出した状態とされている。ここで、スパークプラグの使用初期段階においては、Ir合金と比較して、仕事関数が低いNi合金からなるNi合金部と、接地電極との間において火花放電が生じやすい。このため、接地電極のうち、特にNi合金部と対向する部分において電極が消耗していくこととなる。Ni合金はIr合金と比較して耐火花消耗性が悪いので、ある程度の期間にわたってスパークプラグを使用していくと、Ni合金部の消耗が進行し、結果として、貴金属合金部がNi合金部よりも飛び出した状態となる。すると、電界強度が比較的高い貴金属合金部のエッジ部分と接地電極との間で火花放電が生じやすくなり、その結果、接地電極のうち、特に貴金属合金部のエッジ部分と対向する部分において電極が消耗していくこととなる。
以上のように、中心電極のうちで火花放電が生じる部位が変化しうる構成とすることで、接地電極の一部に対して火花放電が集中してしまうことを防止することができ、接地電極の局所的な消耗を抑制することができる。ひいては、接地電極のうち、中心電極との間で火花放電を生じて消耗することが予想される領域(以下、「電極消耗代」という)をほぼ均等に消耗させることができ、長寿命化を図ることができる。
尚、火花放電間隙や中心電極の外径については、特に限定されるものではないが、火花放電間隙が比較的狭く(例えば、0.2mm〜0.5mm)設定されたスパークプラグや、中心電極径が比較的大きく(例えば、1mm〜2.5mm)設定されたスパークプラグにおいて、本構成1による作用効果がより有意に奏される。
構成2.本構成のガスエンジン用スパークプラグは、上記構成1において、前記第1露出面は、前記ニッケル合金部であって外径を自身の後端側部位よりも小径にしてなる小径部位の先端面としてなり、
前記第2露出面は、前記小径部位の周囲を取り巻く円環形状の前記貴金属合金部であって、当該貴金属合金部の先端面としてなることを特徴とする。
上記構成2によれば、中心電極の先端向き端面を、その内側の領域がNi合金部からなりその外側を取り巻く環状の領域が貴金属合金部からなる構成としている。このため、所定期間使用後のNi合金部の消耗時には、中心電極先端部において円環状の貴金属合金部の先端面とNi合金部の先端面とが非同一平面として露出する状態となる。すなわち、中心電極の先端部に、電界強度が比較的高く、火花放電が生じやすい部位である貴金属合金部の外周エッジ部分と内周エッジ部分とを露出させることができる。これにより、中心電極のエッジ部分(外周エッジ部分)だけでなく、中心電極の内側のエッジ部分(内周エッジ部分)においても火花放電を生じやすくすることでき、接地電極の電極消耗代をより均等に消耗させることができる。その結果、一層の長寿命化を図ることができる。
構成3.本構成のガスエンジン用スパークプラグは、上記構成1又は2において、前記貴金属合金部は、前記中心電極の側面部において、レーザー溶接によって接合されていることを特徴とする。
Ni合金及び貴金属合金を接合するにあたっては、抵抗溶接によって両者を接合することが考えられる。ところが、抵抗溶接によってNi合金とIr合金とを接合することは、比較的困難である。また、Ni合金及び貴金属合金を抵抗溶接したとしても、両合金成分が溶融して形成された、いわゆる「ダレ」が中心電極の先端面に形成されてしまうおそれがある。ここで、このような「ダレ」が形成された中心電極を用いると、使用に伴う衝撃等で中心電極から「ダレ」が剥離してしまい、当該剥離した「ダレ」が中心電極及び接地電極間を連結する「ブリッジ」形成の要因となってしまうおそれがある。このような「ブリッジ」が生じてしまうと、当該「ブリッジ」が両電極間の通電経路となってしまい、火花放電を発生させることができなくなってしまう。特に、ガスエンジン用スパークプラグにおいては、一般的に火花放電間隙が比較的狭められた構成となっているため、「ブリッジ」の発生が一層懸念される。
この点、上記構成3によれば、貴金属合金部は、中心電極の側面部において、レーザー溶接によって接合されている。このため、Ni合金部及び貴金属合金部をより確実に接合することができる。また、中心電極の先端面における「ダレ」の形成を防止することができるため、「ブリッジ」の形成を未然に防止することができる。これにより、更なる長寿命化を図ることができる。
構成4.本構成のガスエンジン用スパークプラグは、上記構成2又は3において、前記中心電極の先端部の外径をD、
前記第1露出面の外径をd、
前記接地電極のうち、前記中心電極の先端面と対向する平面の前記接地電極の長手方向と直交する向きに沿った長さをDgとしたとき、次の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
Dg≧4D/3…(1)
D/2>d>D/4…(2)
上記構成4によれば、中心電極の先端部の外径D、第1露出面の外径d、及び、接地電極のうち、中心電極に対向する面の接地電極の長手方向と直交する向きに沿った長さDgはそれぞれ上記式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。
ここで、上記式(1)を満たすことによって、接地電極のうち、中心電極の先端部との対向面の面積を十分に大きなものとすることができる。その結果、接地電極の電極消耗代を十分に確保でき、この点において長寿命化に寄与しうる。
さらに、上記式(2)を満たすことによって、貴金属合金部の内周エッジ部分と外周エッジ部分とが近づき過ぎてしまうこと、及び、内周エッジ部分の内径が中心電極の先端部の外径Dに対して小さくなり過ぎてしまうことを同時に防止することができる。これにより、貴金属合金部の内周エッジ部分及び外周エッジ部分、すなわち、火花放電がより生じやすい部分を接地電極に対してバランスよく配置させることができ、接地電極のより一層均等な消耗を図ることができる。
以上のように、上記式(1)及び式(2)を満たすことによって、十分に増大された接地電極の電極消耗代をより一層均等に消耗させることができるため、より一層の長寿命化を図ることができる。
尚、Dg<4D/3とした場合には、接地電極の電極消耗代の減少を招いてしまうため、十分な長寿命化を図ることができないおそれがある。
また、D/2≦dとした場合には、貴金属合金部の外周エッジ部分(中心電極の外周部分)及び内周エッジ部分が比較的近づいた状態で配置されることとなってしまう。このため、接地電極のうち、中心電極先端部の外周部分と対向する部位及びその近傍において局所的に電極が消耗してしまうおそれがある。
一方で、d≦D/4とした場合には、内周エッジ部分の内径が比較的小さくなってしまうため、接地電極のうち、中心電極先端部の中央部分と対向する部位及びその近傍において局所的に電極が消耗してしまうおそれがある。
尚、接地電極の消耗をより均等なものとするという観点からは、上記式(2)について、0.45D>d>0.3Dを満たすように構成することが好ましく、0.4D>d>0.3Dを満たすように構成することがより好ましい。さらに、D/3=dを満たすように構成することが最も好ましい。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、ガスエンジン用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」と称す)1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線C1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線C1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。
中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、脚長部13の大部分は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、ニッケル(Ni)系合金で構成された接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその後端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端部と対向するように配置されている。当該接地電極27と中心電極5の先端部との間には、火花放電間隙30が形成される。
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、前記中心電極5の先端部は、軸線C1を中心軸とするとともに、前記外層5Bが細径化されて形成された円柱状のNi合金部31と、イリジウム(Ir)を主成分とする貴金属合金から形成され、円環状をなす貴金属合金部32とから構成されている。より詳しくは、Ni合金部31の外周に対して、貴金属合金部32が嵌合された状態で構成されている。これにより、前記中心電極5の先端面36は、その中央部分がNi合金部31の露出面37としてなる一方で、その外周側は貴金属合金部32の露出面38としてなる構成をなす。なお、先端面36、露出面37及び露出面38は、本発明における先端向き端面、第1露出面及び第2露出面をそれぞれ意味するものである。
また、貴金属合金部32は、中心電極5とその側面部において、中心電極5(5B)と貴金属合金部32を構成する金属材とが相互に溶融されて形成された溶融部33によって接合されている。当該溶融部33は、レーザー溶接によって形成されるとともに、前記軸線C1方向から見て円環状をなしている。特に図2においては、貴金属合金部32の内周側のNi合金部31の円柱形状の部分にはレーザー溶接が達しず、つまりレーザー溶接により形成される溶融部33とNi合金部31の円柱形状の領域とは離間している。尚、貴金属合金部32の軸線C1方向に沿った長さ(高さ)は比較的大きなもの(例えば、0.8mm〜1.2mm)とされているため、十分なボリュームを有する溶融部33を形成することができ、ひいては十分な接合強度を確保できるようになっている。
加えて、図3に示すように、中心電極5の先端部(貴金属合金部32)の外径をD、Ni合金部31(露出面37)の外径をd、接地電極27のうち、前記中心電極5の先端面と対向する面について、当該対向面の接地電極27の長手方向に直交する向きに沿った長さ(接地電極27の幅)をDgとしたとき、Dg≧4D/3、及び、D/2>d>D/4を満たすように構成されている(図示の例では、Dg=4D/3、かつ、D/3=dを満たすように構成されている)。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金(例えばインコネル系合金等)からなる長棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅合金からなる内層5Aが設けられる。そして、当該内層5Aを覆う外層5Bの先端部が切削等の加工により細径化され、円柱状のNi合金部31が形成される。次いで、当該Ni合金部31に対し、Irを主成分とするIr合金によって形成され、円環状をなす貴金属合金部32が嵌合される。次に、中心電極5の側面部(外周面)であって、Ni合金部31の付け根部外周の支持部と貴金属合金部32との当接部位に対してレーザービームが照射されることで、溶融部33が形成され、両合金部31,32が接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして、最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端に設けられた貴金属チップ31及び接地電極27の先端部間の前記火花放電間隙30を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
次に、本実施形態における作用効果を確認すべく、耐久性評価試験を行った。耐久性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、図4(a)に示すように、レーザー溶接によって溶融部42を形成することで、中心電極41の先端面に平板上の貴金属チップ43を接合したスパークプラグのサンプル(サンプル1)と、図4(b)に示すように、円柱状のNi合金部51に対して、白金を主成分とする円環状の貴金属合金部52を抵抗溶接により接合したスパークプラグのサンプル(サンプル2)と、円柱状のNi合金部31に対して、Irを主成分とする貴金属合金部32をレーザー溶接によって接合して形成した、本実施形態におけるスパークプラグのサンプル(サンプル3)とを作製し、各サンプルを所定のガスエンジンに取り付けた(サンプル1,2は比較例に相当し、サンプル3は実施例に相当する)。そして、当該ガスエンジンを稼動させ、要求電圧と稼動時間との関係を計測した。耐久性評価試験の結果を図5のグラフに示す。尚、各サンプルの火花放電間隙や電極のサイズ等は同一のものとした。また、サンプル2については、抵抗溶接によって中心電極先端部にダレ53が生じていた。
図5に示すように、サンプル1については、稼働時間の経過に伴い、比較的大きな割合(傾き)で要求電圧が上昇することがわかった。これは、図6(a)に示すように、接地電極44のうち、貴金属チップ43のエッジ部分と対向して火花放電する対向部45〔図6(a)中の散点模様を付した部位〕において接地電極44が局所的に消耗してしまい、火花放電間隙が比較的早く増大してしまったことに起因すると考えられる。
また、サンプル2については、稼動後しばらくして、失火に至ってしまった。これは、図6(b)に示すように、抵抗溶接によって形成されたダレ53が剥離して、接地電極54及びNi合金部51(貴金属合金部52)間を連結する「ブリッジ」となってしまったことによって、火花放電が不能となってしまったことによると考えられる。
一方、サンプル3については、要求電圧の上昇が比較的緩やかなものとなり、サンプル1やサンプル2と比較して、一層の長寿命化が図られることが明らかとなった。これは、図6(c)に示すように、接地電極27に対して、略均等に火花放電を行うことができたため、接地電極27の電極消耗代34〔図6(c)中の散点模様を付した部位〕を略均等に消耗させることができ、火花放電間隙の増大速度を緩慢なものとすることができたことに起因すると考えられる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、接地電極27のうち中心電極5の先端部と対向する面に、特段の部材等は設けられていないが、図7に示すように、接地電極27のうち、中心電極5の先端面と対向する面に貴金属合金(例えば、白金合金やIr合金等)からなる円柱状の貴金属チップ35を設けることとしてもよい。この場合、当該貴金属チップ35の外径がDgとなる。また、接地電極27とは別体としてなる貴金属チップ35でなくとも、接地電極27の一部をせり上げ、中心電極5に向かって突出する突起を形成してもよい。
(b)上記実施形態では、Dg=4D/3となるように中心電極5及び接地電極27のサイズが設定されているが、図8に示すように、Dg>4D/3となるように中心電極5及び接地電極27のサイズを設定することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、円柱状のNi合金部31に対し円環状の貴金属合金部32を嵌合することで、中心電極5の先端面にNi合金部31及び貴金属合金部32を露出させる構成とされているが、必ずしも当該構成にのみ限定されるものではない。すなわち、中心電極5の先端面において、Ni合金部31及び貴金属合金部32を露出させるように構成されていればよい。
(d)上記実施形態では、接地電極27が単にNi合金によって構成される場合について具体化されているが、当該Ni合金中に銅芯を設けることとしてもよい。このように銅芯を設けることによって、接地電極27の熱引きの向上を図ることができる。また、接地電極27を白金(Pt)合金から構成するとともに、当該Pt合金をNi合金で被覆することとしてもよい。このようPt合金をNi合金で被覆する構成を採用することで、接地電極27の疲労折損や溶損を効果的に防止することができる。勿論、上記構成を組み合わせて、接地電極27を3層構造にすることとしてもよい。
(e)上記実施形態では、主体金具3の先端に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(f)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
(g)上記実施形態では、スパークプラグ1を取り付けるエンジンの構成については特に言及していないが、スパークプラグ1は、副室式の希薄燃焼タイプのガスエンジン等、スパークプラグに対してより大きな負荷が加えられ得るガスエンジンにおいて特に有意に用いられる。
本実施形態におけるスパークプラグを示す一部破断正面図である。 本実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す一部破断正面図である。 本実施形態におけるNi合金部等を示す部分拡大断面図である。 (a),(b)は、耐久性評価試験におけるサンプルの中心電極等を示す部分拡大断面図である。 耐久性評価試験の結果を示すグラフである。 (a)〜(c)は、耐久性評価試験後における各サンプルの接地電極等を示す状態を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における接地電極先端部等を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態におけるNi合金部等を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…ガスエンジン用スパークプラグ、2…絶縁体としての絶縁碍子、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、26…主体金具の先端面、27…接地電極、31…Ni合金部、32…貴金属合金部、36…先端向き端面としての先端面、37…第1露出面としての露出面、38…第2露出面としての露出面、C1…軸線。

Claims (4)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔に挿設される円柱状の中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    自身の先端部分に前記中心電極の先端部に位置する先端向き端面と対向するとともに、当該先端向き端面よりも大きい面積の平面を備え、前記主体金具の先端に設けられた接地電極と
    を備えるガスエンジン用スパークプラグであって、
    前記中心電極の先端向き端面は、ニッケルを主成分とする合金からなるニッケル合金部を露出させてなる第1露出面と、イリジウムを主成分とする貴金属合金からなる貴金属合金部を露出させてなる第2露出面とからなること
    を特徴とするガスエンジン用スパークプラグ。
  2. 前記第1露出面は、前記ニッケル合金部であって外径を自身の後端側部位よりも小径にしてなる小径部位の先端面としてなり、
    前記第2露出面は、前記小径部位の周囲を取り巻く円環形状の前記貴金属合金部であって、当該貴金属合金部の先端面としてなること
    を特徴とする請求項1に記載のガスエンジン用スパークプラグ。
  3. 前記貴金属合金部は、前記中心電極の側面部において、レーザー溶接によって接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスエンジン用スパークプラグ。
  4. 前記中心電極の先端部の外径をD、
    前記第1露出面の外径をd、
    前記接地電極のうち、前記中心電極の先端面と対向する平面の前記接地電極の長手方向と直交する向きに沿った長さをDgとしたとき、次の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項2又は3に記載のガスエンジン用スパークプラグ。
    Dg≧4D/3…(1)
    D/2>d>D/4…(2)
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