JP2009135145A - 支持装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の負圧状態を維持しつつ支持対象物を円滑に駆動可能に支持する。
【解決手段】シリンダ61とピストン71とを有するピストン装置PTによって、大気よりも低い第1の圧力に設定された第1空間5に配された支持対象物PLを支持する。ピストンと支持対象物に接続され、シリンダに設けられた第1空間に開口した空隙64を介してシリンダに対して軸方向に移動自在に設けられたロッド72と、第1の圧力よりも高く、且つ大気よりも低い第2の圧力に設定され、シリンダを収容する第2空間15と、空隙とロッドとの間に形成され、気体吹出し部82を有する気体軸受75と、気体吹出し部が設けられた位置よりも第1空間に近い位置で空隙から気体を吸引する吸引装置83と、一端が空隙から気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、他端が第2空間に開口する吸気路86とを有する。
【選択図】図6
【解決手段】シリンダ61とピストン71とを有するピストン装置PTによって、大気よりも低い第1の圧力に設定された第1空間5に配された支持対象物PLを支持する。ピストンと支持対象物に接続され、シリンダに設けられた第1空間に開口した空隙64を介してシリンダに対して軸方向に移動自在に設けられたロッド72と、第1の圧力よりも高く、且つ大気よりも低い第2の圧力に設定され、シリンダを収容する第2空間15と、空隙とロッドとの間に形成され、気体吹出し部82を有する気体軸受75と、気体吹出し部が設けられた位置よりも第1空間に近い位置で空隙から気体を吸引する吸引装置83と、一端が空隙から気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、他端が第2空間に開口する吸気路86とを有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、支持装置及び露光装置に関するものである。
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して基板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写する投影露光装置が使用されている。従来は、投影露光装置として、ステップ・アンド・リピート方式(一括露光型)の投影露光装置(ステッパー)が多用されていたが、最近ではレチクルとウエハとを、投影光学系に対して同期走査して露光を行うステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)も注目されている。
従来の露光装置では、パターン原版であるレチクルとそのパターンが転写されるウエハとをそれぞれ支持搬送するレチクルステージ、及びウエハステージの駆動部が、投影光学系を支持する構造体に固定されており、また、投影光学系も重心付近がその構造体に固定されていた。また、ウエハステージを高精度に位置決めするために、ウエハステージの位置をレーザ干渉計により計測しており、ウエハステージには、レーザ干渉計用の移動鏡が取り付けられていた。
上記の如く従来の露光装置では、ウエハステージ等の駆動部と投影光学系とが同一の構造体に固定されていたため、ステージの駆動反力により生じる振動が構造体に伝達し、更に投影光学系にも振動が伝達していた。そして、全ての機械構造物は所定の周波数の振動に対して機械共振するため、このような振動がその構造体に伝達すると、構造体の変形や共振現象が引き起こされ、転写パターン像の位置ずれやコントラストの低下が生じるという不都合があった。
そこで、特許文献1には、除振装置を介して投影光学系をフレームに吊り下げ支持することにより、比較的簡単な機構で投影光学系に伝わる振動を抑える技術が開示されている。
国際公開第06/038952号パンフレット
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
除振装置として、例えばシリンダとピストンとを有するピストン装置を用い、ピストンで投影光学系を支持する場合、シリンダに対してピストンを非接触で円滑に駆動するために、シリンダがピストンとの間に形成する空隙に加圧されたエアを供給するとともに、供給したエアを吸引することで構成したエアベアリングを使用することが考えられる。
除振装置として、例えばシリンダとピストンとを有するピストン装置を用い、ピストンで投影光学系を支持する場合、シリンダに対してピストンを非接触で円滑に駆動するために、シリンダがピストンとの間に形成する空隙に加圧されたエアを供給するとともに、供給したエアを吸引することで構成したエアベアリングを使用することが考えられる。
ところが、上記ピストン装置を真空室で使用する場合、エアベアリング用に供給したエアが吸引しきれずに真空室に漏れ出し、真空室の真空度を十分に維持できなくなるという可能性がある。
この問題は、投影光学系を支持する場合に限られず、他の構成部材を支持する場合にも同様に生じる可能性がある。
この問題は、投影光学系を支持する場合に限られず、他の構成部材を支持する場合にも同様に生じる可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、所定の負圧状態を維持しつつ支持対象物を円滑に駆動可能に支持できる支持装置及び露光装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の支持装置は、シリンダ(61)とピストン(71)とを有するピストン装置(PT)によって、大気よりも低い第1の圧力に設定された第1空間(5)に配された支持対象物(PL)を支持する支持装置(60)であって、ピストンと支持対象物に接続され、シリンダに設けられた第1空間に開口した空隙(64)を介してシリンダに対して軸方向に移動自在に設けられたロッド(72)と、第1の圧力よりも高く、且つ大気よりも低い第2の圧力に設定され、シリンダを収容する第2空間(15)と、空隙とロッドとの間に形成され、気体吹出し部(82)を有する気体軸受(75)と、気体吹出し部が設けられた位置よりも第1空間に近い位置で空隙から気体を吸引する吸引装置(83)と、一端が空隙から気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、他端が第2空間に開口する吸気路(86)と、を有することを特徴とするものである。
本発明の支持装置は、シリンダ(61)とピストン(71)とを有するピストン装置(PT)によって、大気よりも低い第1の圧力に設定された第1空間(5)に配された支持対象物(PL)を支持する支持装置(60)であって、ピストンと支持対象物に接続され、シリンダに設けられた第1空間に開口した空隙(64)を介してシリンダに対して軸方向に移動自在に設けられたロッド(72)と、第1の圧力よりも高く、且つ大気よりも低い第2の圧力に設定され、シリンダを収容する第2空間(15)と、空隙とロッドとの間に形成され、気体吹出し部(82)を有する気体軸受(75)と、気体吹出し部が設けられた位置よりも第1空間に近い位置で空隙から気体を吸引する吸引装置(83)と、一端が空隙から気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、他端が第2空間に開口する吸気路(86)と、を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の支持装置では、気体吹出し部(82)から吹き出された気体により、シリンダ(61)の空隙(64)とロッド(72)との間に気体軸受(75)を形成することにより、ロッドを介してピストン及び支持対象物を軸方向に円滑に移動させることが可能になる。
また、気体吹出し部(82)から吹き出された気体は、吸引装置(83)により空隙(64)から吸引されて排気されるが、吸引しきれなかった気体は、空隙を介して第1空間(5)に向かうが、気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、大気圧よりも低い気圧に設定された第2空間に開口する吸気路(86)から吸気される。
そのため、本発明では、空隙から第1空間に気体が漏れ出すことを抑制しつつ、ピストン及びロッドを軸方向に移動自在とすることが可能になる。
また、気体吹出し部(82)から吹き出された気体は、吸引装置(83)により空隙(64)から吸引されて排気されるが、吸引しきれなかった気体は、空隙を介して第1空間(5)に向かうが、気体を吸引する位置よりも第1空間に近い位置で空隙に開口し、大気圧よりも低い気圧に設定された第2空間に開口する吸気路(86)から吸気される。
そのため、本発明では、空隙から第1空間に気体が漏れ出すことを抑制しつつ、ピストン及びロッドを軸方向に移動自在とすることが可能になる。
また、本発明の露光装置は、先に記載の支持装置を備えることを特徴とするものである。
従って、本発明の露光装置では、第1空間に気体が漏れ出すことを抑制しつつ、ピストン及びロッドを軸方向に移動自在として、露光装置構成部材を支持することが可能になる。
従って、本発明の露光装置では、第1空間に気体が漏れ出すことを抑制しつつ、ピストン及びロッドを軸方向に移動自在として、露光装置構成部材を支持することが可能になる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明では、第1空間の圧力を維持しつつ支持対象物を円滑に駆動可能に支持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
まず、本実施形態に係る露光装置EXの概略について説明する。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、露光光ELを発生する光源装置3と、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、露光光ELを発生する光源装置3と、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
本実施形態において、マスクMは、EUV光を反射可能な多層膜を有する反射型マスクである。露光装置EXは、多層膜でパターンが形成されたマスクMの表面(反射面)を露光光EL(EUV光)で照明し、そのマスクMで反射した露光光ELで感光性を有する基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、露光光ELが進行する第1空間5を所定状態の環境に設定可能なチャンバ装置6を備えている。チャンバ装置6は、露光光ELが進行する第1空間5を形成する第1部材7と、第1空間5の環境を調整する第1調整装置8とを備える。
本実施形態において、第1調整装置8は、真空システムを含み、第1空間5を真空状態に調整する。制御装置4は、第1調整装置8を用いて、露光光ELが進行する第1空間5をほぼ真空状態に調整する。一例として、本実施形態においては、第1空間5の圧力は、1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
本実施形態において、第1調整装置8は、真空システムを含み、第1空間5を真空状態に調整する。制御装置4は、第1調整装置8を用いて、露光光ELが進行する第1空間5をほぼ真空状態に調整する。一例として、本実施形態においては、第1空間5の圧力は、1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
光源装置3から射出された露光光ELは、第1空間5を進行する。本実施形態においては、第1空間5に、照明光学系ILの少なくとも一部、及び投影光学系PLが配置される。光源装置3から射出された露光光ELは、第1空間5に配置されている照明光学系IL及び投影光学系PLを通る。また、本実施形態においては、第1空間5に基板ステージ2が配置される。
本実施形態において、第1部材7は、第1開口9と、第1開口9の周囲に設けられた第1面11とを有する。第1開口9は、第1空間5を進行した露光光ELが入射可能な位置に形成されている。本実施形態においては、第1開口9は、照明光学系ILから射出された露光光ELが入射可能な位置に形成されている。
マスクステージ1は、第1開口9を覆うように配置される。マスクステージ1は、第1面11と対向する第2面12を有し、第1面11にガイドされつつ第1開口9との間で相対運動が可能である。本実施形態において、第1部材7の第1面11とマスクステージ1の第2面12との間にガスシール機構10が形成される。本実施形態においては、第1面11と第2面12との間に所定のギャップG1が形成される。ギャップG1は、所定量(例えば0.1〜1μm程度)に調整されており、ギャップG1を介して第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。本実施形態においては、第1開口9がマスクステージ1によって覆われ、第1部材7の第1面11とマスクステージ1の第2面12との間にガスシール機構10が形成されることによって、第1空間5は、ほぼ密閉された状態となる。これにより、チャンバ装置6は、第1空間5を所定状態(真空状態)に制御可能である。
マスクステージ1は、第1開口9を介して、マスクMのパターン面(−Z側の面)が第1空間5に配置されるように、マスクMを保持する。本実施形態においては、マスクステージ1は、第1空間5の+Z側に配置され、マスクMの反射面が−Z側(第1空間5側)を向くように、マスクMを保持する。また、本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。照明光学系ILから射出された露光光ELは、マスクステージ1に保持されているマスクMの反射面に照射される。
本実施形態において、マスクステージ1は、第1開口9より大きく、第2面12が形成された第1ステージ13と、第1開口9より小さく、マスクMを保持しながら第1ステージ13に対して移動可能な第2ステージ14とを含む。第1ステージ13は、第1開口9を覆うように配置され、その第1ステージ13の第2面12と第1部材7の第1面11との間にガスシール機構10が形成される。第1ステージ13は、第1面11にガイドされつつ、第1開口9に対して移動可能である。第2ステージ14は、第1ステージ13の−Z側(第1空間5側)に配置されている。第2ステージ14に保持されたマスクMは、第1開口9を介して第1空間5に配置される。第2ステージ14は、マスクMを保持した状態で、第1ステージ13に対して移動可能である。
また、本実施形態においては、チャンバ装置6は、第1部材7の外面との間で、マスクステージ1を収容する第2空間15を形成する第2部材16と、第2空間15の環境を調整する第2調整装置17とを備えている。本実施形態において、第1空間5及び第2空間15の外側は、大気空間であり、第1空間5及び第2空間15の外側の空間の圧力は、大気圧である。第2調整装置17は、第2空間15を、第1空間5の圧力よりも高く、大気圧よりも低い圧力に調整する。一例として、本実施形態においては、第2空間15の圧力は、1×10−1〔Pa〕程度に調整される。
すなわち、本実施形態において、マスクステージ1の少なくとも一部は第2空間15に配置され、マスクステージ1に保持されたマスクMは、第1空間5に配置される。
図2は、マスクステージ1の動作の一例を説明するための模式図である。本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、マスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、基板Pの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pのショット領域を投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板Pのショット領域のY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを基板Pに照射して、その基板Pを露光する。
図2に示すように、マスクステージ1は、第1開口9を介して、マスクMが第1空間5に配置されるようにマスクMを保持しながら移動可能である。本実施形態において、第1ステージ13は、第1面11にガイドされつつ、少なくともY軸方向に移動可能となっている。
第1ステージ13は、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、マスクMのパターン形成領域全体が照明光学系ILの照明領域を通過するように、Y軸方向(走査方向)に、比較的大きなストロークを有している。第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第1ステージ13に支持されている第2ステージ14も、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。したがって、第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第2ステージ14に保持されているマスクMも、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。第2ステージ14は、第1ステージ13に対して、微かに移動可能である。
基板Pを露光するとき、制御装置4は、マスクステージ1を制御して、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光開始位置(走査開始位置)に移動する。図2(A)には、マスクMが露光開始位置に配置されている状態が示されている。そして、制御装置4は、照明光学系ILより露光光ELを射出しながら、マスクステージ1をY軸方向(ここでは−Y方向)に移動して、図2(A)に示す状態から、図2(B)に示す状態に遷移させる。図2(B)には、マスクMが露光終了位置(走査終了位置)に配置されている状態が示されている。
本実施形態においては、第1部材7の第1面11と第1ステージ13の第2面12との間にガスシール機構10が形成されており、第1部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。また、後述するように、本実施形態においては、第1面11と第2面12とのギャップG1を調整するギャップ調整機構が設けられており、第1部材7に対して第1ステージ13を移動している状態においても、第1面11と第2面12とのギャップG1は所定量に維持される。これにより、第1部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。
次に、図1を参照しながら、上述した各要素のそれぞれについて説明する。
本実施形態において、第1部材7は、第1面11が形成されたガイド部材18と、ガイド部材18の少なくとも一部と対向するチャンバ部材19とを含む。ガイド部材18は、マスクステージ1の移動をガイドする。マスクステージ1は、ガイド部材18の第1面11にガイドされつつ、第1開口9に対して移動する。
本実施形態において、第1部材7は、第1面11が形成されたガイド部材18と、ガイド部材18の少なくとも一部と対向するチャンバ部材19とを含む。ガイド部材18は、マスクステージ1の移動をガイドする。マスクステージ1は、ガイド部材18の第1面11にガイドされつつ、第1開口9に対して移動する。
また、チャンバ装置6は、ガイド部材18とチャンバ部材19とを接続するベローズ部材20を有する。べロース部材20は、可撓性を有し、弾性変形可能である。本実施形態において、ベローズ部材20は、金属製である。一例として、本実施形態のベローズ部材20は、ステンレス製である。ステンレスは、脱ガス(アウトガス)が少ない。そのため、ベローズ部材20が第1空間5に与える影響を抑制することができる。
本実施形態においては、第1部材7は、ガイド部材18、チャンバ部材19、及びベローズ部材20を含む。ガイド部材18、チャンバ部材19、ベローズ部材20、及びマスクステージ1によって、ほぼ密閉された第1空間5が形成される。
本実施形態において、露光装置EXは、ベース部材21と、ベース部材21上に第1防振システム22を介して支持された第1支持部材23とを備えている。チャンバ部材19は、第1支持部材23に支持されている。また、ベース部材21上には、第1フレーム部材24が配置されている。第1フレーム部材24は、支柱部25と、支柱部25の上端に接続された支持部26とを含む。支持部26上には、ガイド部材18の下面を支持する第2支持部材27が接続されている。チャンバ部材19と第2支持部材27とは離れている。また、チャンバ部材19と第1フレーム部材24とは離れており、チャンバ部材19と第1フレーム部材24との間に、ベローズ部材等の可撓性(弾性)を有するシール機構が配置される。チャンバ部材19は、第2支持部材27に支持されたガイド部材18の下面18Bと対向する上面19Aを有する。ベローズ部材20は、ガイド部材18の下面18Bとチャンバ部材19の上面19Aとを接続するように配置されている。
光源装置3は、露光光ELを発生する。本実施形態の光源装置3は、例えばキセノン(Xe)等のターゲット材料にレーザー光を照射して、そのターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるレーザ生成プラズマ光源装置、所謂LPP(Laser Produced Prasma)方式の光源装置である。なお、光源装置3としては、所定ガス中で放電を発生させて、その所定ガスをプラズマ化し、EUV光を発生させる放電生成プラズマ光源装置、所謂DPP(Discharge Produced Prasma)方式の光源装置であってもよい。光源装置3で発生したEUV光(露光光EL)は、照明光学系ILに入射する。
照明光学系ILは、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する。照明光学系ILは、複数の光学素子を含み、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
マスクステージ1の第1ステージ13は、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ1の第2ステージ14は、マスクM保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。本実施形態においては、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及びマスクMの反射面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられており、制御装置4は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置を制御する。
マスクステージ1の第1ステージ13及び第2ステージ14は、金属製である。一例として、本実施形態の第1ステージ13及び第2ステージ14は、脱ガス(アウトガス)が少ないステンレス製である。
投影光学系PLは、複数の光学素子を含み、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒28に保持されている。鏡筒28は、フランジ29を有する。そして、投影光学系PLは、このフランジ29において、支持装置60により支持対象物として、例えば光軸を中心とする3ヶ所で吊り下げ支持されている。この支持装置60の詳細については、後述する。
基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。また、本実施形態においては、基板ステージ2は、基板Pの表面が+Z方向を向くように、基板Pを保持する。投影光学系PLから射出された露光光ELは、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つ方向に移動可能である。本実施形態においては、基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及び基板Pの表面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられており、制御装置4は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置を制御する。
図3は、マスクステージ1の近傍を示すXZ平面と平行な断面図、図4は、図3の一部を拡大した図、図5は、マスクステージ1の近傍を示す斜視図である。
図3、図4、及び図5において、露光装置EXは、第1ステージ13をY軸方向に移動するための第1ステージ駆動装置32を備えている。第1ステージ駆動装置32は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、第1ステージ駆動装置32は、第1ステージ13のX軸方向両側に設けられた可動子32Aと、可動子32Aに対応して設けられた固定子32Bとを有する。制御装置4は、第1ステージ駆動装置32を用いて、第1ステージ13をY軸方向に移動可能である。
本実施形態において、固定子32Bは、ガイド部材18上に配置されている。固定子32Bとガイド部材18との間には、ガスベアリングが配置されており、固定子32Bは、ガイド部材18に対して非接触で支持されている。このため、運動量保存の法則により、第1ステージ13の+Y方向(−Y方向)の移動に応じて、固定子32Bが−Y方向(+Y方向)に移動する。この固定子32Bの移動により、第1ステージ13の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を抑制することができる。すなわち、本実施形態において、固定子32Bは、所謂カウンタマスとして機能する。
また、露光装置EXは、第1ステージ13に対して第2ステージ14を移動するための第2ステージ駆動装置33を備えている。第2ステージ駆動装置33は、例えばボイスコイルモータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、第2ステージ駆動装置33は、第2ステージ14に設けられた可動子33Aと、可動子33Aに対応して設けられた固定子33Bとを有する。固定子33Bは、第1ステージ13の下面に接続されている。制御装置4は、第2ステージ駆動装置33を用いて、第1ステージ13に対して第2ステージ14をX軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向に移動可能である。
また、本実施形態においては、第1ステージ13と第2ステージ14との間に、第2ステージ14のZ軸方向に作用する自重をキャンセルする自重キャンセル機構34が配置されている。自重キャンセル機構34は、例えばベローズ部材を含む。
また、露光装置EXは、ガイド部材18の第1面11と、第1ステージ13の第2面12とのギャップG1を調整するギャップ調整機構35を備えている。本実施形態において、ギャップ調整機構35は、電磁力で、第1面11と第2面12とのギャップG1を調整する。
本実施形態において、ガイド部材18上には、固定部材36が配置されている。固定部材36は、第2面12(下面)と反対側の第1ステージ13の上面37と対向する下面38を有する。ギャップ調整機構35は、固定部材36の下面38に配置された電磁石ユニット39を含む。ギャップ調整機構35は、電磁石ユニット39に供給する電力(電流)を調整することによって、固定部材36の下面38と第1ステージ13の上面37との間に発生する力(吸引力)を調整可能である。ギャップ調整機構35は、固定部材36の下面38と第1ステージ13の上面37との間に発生する力を調整することによって、第1面11と第2面12とのギャップG1を調整することができる。
なお、本実施形態において、第1面11と第2面12との間に、差動排気型のガスベアリングを配置することができる。これにより、ギャップ調整機構35が必要とする力を弱くすることができる。
なお、X軸とほぼ直交する第1ステージ13の内側面40と、その内側面40と対向するガイド部材18の外側面41との間のギャップを調整する調整機構を設けることができる。例えば、外側面41に電磁石ユニットを配置して、その電磁石ユニットに供給する電力を調整することによって、第1ステージ13の内側面40とガイド部材18の外側面41との間に発生する力を調整して、内側面40と外側面41との間のギャップを調整することができる。これにより、第1ステージ13のX軸方向の位置を調整することができる。なお、内側面40と外側面41とのギャップを調整するために、内側面40と外側面41との間に、差動排気型のエアベアリングを配置してもよい。
また、第1ステージ13の+X側に配置されている可動子32A及び固定子32Bによる駆動量と、第1ステージ13の−X側に配置されている可動子32A及び固定子32Bによる駆動量とを異ならせることによって、第1ステージ13のθZ方向の位置を調整することができる。また、第1ステージ13の下面と第2ステージ14の上面との間に、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを配置して、第1ステージ13に対して第2ステージ14をZ軸、θX、及びθY方向に移動可能である。
図3及び図5に示すように、第2部材16は、チャンバ部材19の上面に接続され、第2開口42を有する本体部材43と、本体部材43に対して着脱可能であり、第2開口42を覆う蓋部材44とを含む。本体部材43と蓋部材44とが接続されることによって、ほぼ密閉された第2空間15が形成される。また、本体部材43から蓋部材44を外すことによって、第2空間15が開放される。
本実施形態において、第1ステージ13、第1ステージ駆動装置32、及びギャップ調整機構35等が、第2空間15に配置されている。また、図5に示すように、第1ステージ駆動装置32、第2ステージ駆動装置33、及びギャップ調整機構35等に動力(電力等)を供給するためのケーブル45も、第2空間15に配置されている。本実施形態において、ケーブル45は、所謂ケーブルベアに支持されている。これにより、例えば作業者は、本体部材43から蓋部材44を外すことによって、第2空間15に配置されている各機器、部材等に容易にアクセス可能である。
また、本実施形態においては、本体部材43は、第1フランジ43Fを有し、蓋部材44は、第1フランジ43Fと対向可能な第2フランジ44Fを有する。第1フランジ43Fと第2フランジ44Fとを、例えばボルト等によって接続することによって、本体部材43と蓋部材44とが接続され、密閉された第2空間15が形成される。本実施形態において、本体部材43の第1フランジ43Fは、XY平面に対して傾斜しているので、作業者は、第2空間15に配置されている各機器、部材等に対して容易にアクセス可能である。また、第1フランジ43FをXY平面に対して傾斜させておくことで、第2空間15に配置されている各機器、部材等を取り出す際、あるいは第2空間15に各機器、部材等を取り付ける際の作業を円滑に実行可能である。
なお、図5に示すように、第1ステージ13の上面には複数の切り欠きが形成され、リブ46が形成されている。これにより、強度を維持したまま第1ステージ13の軽量化が実現されている。
続いて、支持装置60について説明する。
図6は、支持装置60の概略構成を示す断面図である。
支持装置60は、吊り下げ部材(支持部材)30を介して投影光学系PLを吊り下げ支持するピストン装置PTを有している。吊り下げ部材30は、支持方向であるZ方向については投影光学系PLを拘束し、Z方向とは異なる方向(X方向、Y方向、θZ方向)については非拘束で支持するものであり、例えばワイヤー等が用いられる。
図6は、支持装置60の概略構成を示す断面図である。
支持装置60は、吊り下げ部材(支持部材)30を介して投影光学系PLを吊り下げ支持するピストン装置PTを有している。吊り下げ部材30は、支持方向であるZ方向については投影光学系PLを拘束し、Z方向とは異なる方向(X方向、Y方向、θZ方向)については非拘束で支持するものであり、例えばワイヤー等が用いられる。
ピストン装置PTは、シリンダ61と、シリンダ61に対してZ方向に移動するピストン71とを有している。ピストン71には、当該ピストン71よりも小径で下端に吊り下げ部材30が設けられたZ方向に延びるロッド72が一体的に接続されている。ロッド72の下端は、第1空間に臨んで設けられている。
シリンダ61は、チャンバ部材19に設けられて第1空間5と第2空間15とを区画するベローズ部材62(図3及び図6参照)をZ方向に貫通して設けられており、底部は第1空間5に収容され、頂部は第2空間15に収容されている。シリンダ61には、第2空間15に開口し、ピストン71が移動するZ方向に延在する孔部63と、Z方向に延びて第1空間5及び孔部63に開口・連通する空隙64とが設けられている。この空隙64には、ロッド72が軸方向に移動自在に設けられている。また、ピストン71と孔部63の底面63Aとの間に空気室73が形成される。
シリンダ61には、空気室73に一端が開口する貫通孔67が形成されている。貫通孔67の他端は、補助容積となる圧空室68に接続されている。そのため、空気室73は、圧空室68の気圧と同等に調整され、ピストン71は、空気室73の気圧に応じた力で、ロッド72及び吊り下げ部材30を介して投影光学系PLを吊り下げ支持する。換言すると、圧空室68の気圧を調整することにより、ピストン71の位置、すなわち投影光学系PLの位置を調整することができ、入力する外乱を相殺するように圧空室68の気圧を調整することで、投影光学系PLに伝わる振動を抑制することができる。
また、孔部63とピストン71との間には、孔部63に対するピストン71の移動を非接触で支持するための空気軸受74が設けられる。同様に、空隙64とロッド72との間には、空隙64に対するロッド72の移動を非接触で支持するための空気軸受75が設けられる。
空気軸受74は、空気供給装置76により供給される高圧の空気を吹き出す空気吹出し部(気体吹出し部)77を有している。シリンダ61における空気吹出し部77よりも第2空間15側には、孔部63とピストン71との間の空気を吸引する吸引装置78が設けられている。この吸引装置78は、空気吹出し部77よりも第2空間15に近い位置で孔部63に開口して設けられた吸引口79と、吸引口79を介して空気を吸引する負圧吸引源80とを備えている。
そして、空気吹出し部77からピストン71に向けて高圧の空気を吹き出すとともに、当該空気を吸引口79を介して吸引することにより、第2空間15の真空度(圧力)に与える影響が小さい空気軸受74が形成され、ピストン71はシリンダ61に対して例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して軸方向に移動自在に支持される。
同様に、空気軸受75は、空気供給装置81により供給される高圧の空気を吹き出す空気吹出し部(気体吹出し部)82を有している。シリンダ61における空気吹出し部82よりも第1空間5側には、空隙64とロッド72との間の空気を吸引する吸引装置83が設けられている。この吸引装置83は、空気吹出し部82よりも第1空間5に近い位置で空隙64に開口して設けられた吸引口84と、吸引口84を介して空気を吸引する負圧吸引源85とを備えている。
なお、空気供給装置76、81は共用とする構成としてもよく、また負圧吸引源80、85についても共用としてもよい。
なお、空気供給装置76、81は共用とする構成としてもよく、また負圧吸引源80、85についても共用としてもよい。
そして、空気吹出し部82からロッド72に向けて高圧の空気を吹き出すとともに、当該空気を吸引口84を介して吸引することにより、第2空間15の真空度(圧力)に与える影響が小さい空気軸受75が形成され、ロッド72はシリンダ61に対して例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して軸方向に移動自在に支持される。
また、シリンダ61における吸引口84よりも第1空間5に近い位置には、吸気路86が設けられている。吸気路86は、吸引口84により空隙64から空気を吸引する位置よりも第1空間5に近い位置で空隙64に一端が開口し、他端が第2空間15に開口して設けられている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
第1空間5が、第1調整装置8によって、真空状態に調整される。また、第2空間15が、第2調整装置17によって、第1空間5の圧力より高く、かつ大気圧よりも低い圧力に調整される。第1面11と第2面12とのギャップG1は、ギャップ調整機構35によって所定量に調整されており、第1面11と第2面12との間に形成されたガスシール機構10によって、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。これにより、第1空間5の真空状態、環境が維持される。
マスクMがマスクステージ1に保持されるとともに、基板Pが基板ステージ2に保持された後、制御装置4は、基板Pの露光処理を開始する。マスクMを露光光ELで照明するために、制御装置4は、光源装置3の発光動作を開始する。
光源装置3の発光動作により光源装置3から射出された露光光ELは、照明光学系ILに入射する。照明光学系ILに入射した露光光ELは、その照明光学系ILを進行した後、第1開口9に供給される。第1開口9に供給された露光光ELは、第1開口9を介してマスクステージ1に保持されているマスクMに入射する。マスクステージ1に保持されているマスクMは、光源装置3より射出され、照明光学系ILを介した露光光EL(EUV光)で照明される。マスクMの反射面に照射され、その反射面で反射した露光光ELは、第1空間5に配置されている投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、その投影光学系PLを進行した後、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
制御装置4は、マスクMのY軸方向への移動と同期して、基板PをY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
上記の露光処理においては、圧空室68の気圧を調整することにより、ピストン71の位置、すなわち投影光学系PLの位置を調整することができ、入力する外乱を相殺するように圧空室68の気圧を調整することで、投影光学系PLに伝わる振動を抑制することができるが、このとき、ピストン71は、空気吹出し部77から吹き出された空気で形成された空気軸受74で支持されることで、シリンダ61に対して非接触で円滑に移動可能である。
同様に、ロッド72は、空気吹出し部82から吹き出された空気で形成された空気軸受75で支持されることで、シリンダ61(空隙64)に対して非接触で円滑に移動可能である。ここで、空気吹出し部82から空隙64に吹き出された空気は、負圧吸引源85の駆動により吸引口84から吸引されるため、空隙64の下端(−Z側端部)から第1空間5に漏れだして、第1空間5の真空状態(負圧状態)に悪影響を及ぼすことが回避される。また、空隙64に吹き出されたものの、吸引口84から吸引しきれなかった空気については、吸気路86から吸気されて第2空間15に排気される。
ここで、吸引口84から吸引しきれなかった空気が流動する行き先は、吸引口84と吸気路86との間の空隙64から吸気路86に至るコンダクタンス(流動抵抗)及び当該空隙64と吸気路86(すなわち第2空間15)との間の圧力差(気圧差)、吸気路86よりも−Z側に位置する空隙64から第1空間5に至るコンダクタンス及び当該空隙64と第1空間5との間の圧力差(気圧差)に依存する。第1空間5と第2空間15の気圧は、基本的にほぼ一定に保たれているため、吸引口84から吸引しきれなかった空気は流動抵抗が小さい方に流れることになる。
そのため、本実施形態では、吸気路86に至る空気の流動抵抗が第1空間5に至る流動抵抗よりも十分に小さくなるように、吸気路86を形成している。具体的には、吸気路86が空隙64に臨む面積(吸気路86が複数設けられている場合には総面積)は、空隙64が第1空間5に臨む面積(リング状の面積)の100倍以上に設定されている。この面積比が小さい場合には、上記第1空間5、第2空間15の気圧変動や、空気吹出し部82から吹き出される空気の圧力変動等に起因して、一部の空気が第1空間5に流動し、装置に影響する可能性があるが、面積比を大きくすることで、円滑、且つ確実に吸気路86に流動させることができる。本実施形態では、前記面積比を100以上として装置への影響がないように設定したが、第1空間5に流動する空気の量がより多くてもよい場合には前記面積比を適宜設定することができる。
以上のように、本実施の形態では、吸引口84により空隙64の空気を吸引する位置よりも第1空間5に近い位置に吸気路86が設けられているため、空気が第1空間5に流入して真空状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。特に、本実施形態では、吸気路86が第2空間15に開口しているため、別途、負圧吸引機構を設ける必要がなく、簡便に空隙64の空気を吸気することが可能になり、装置の小型化、低価格化に寄与できる。
加えて、本実施形態では、吸気路86の空隙64に臨む面積を、空隙64が第1空間5に臨む面積の100倍以上としているため、より確実に吸気路86に空気を導入することが可能になり、第1空間5の真空状態を安定して保持することができる。
また、本実施形態では、支持方向であるZ方向にのみ拘束する吊り下げ部材30により投影光学系PLを吊り下げ支持しているため、投影光学系PLにZ方向以外の力が加わって歪み、投影特性に悪影響を及ぼすことを抑制でき、投影特性に優れた高品質の露光装置EXを得ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、気体軸受として空気を用いた空気軸受を例示したが、これに限定されるものではなく、他の気体(例えば窒素やアルゴン等)を用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、吊り下げ部材30としてワイヤー等を用いるものとして説明したが、これに限られず、例えばリング状の部材が複数連なった鎖状のものを用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、吊り下げ部材30としてワイヤー等を用いるものとして説明したが、これに限られず、例えばリング状の部材が複数連なった鎖状のものを用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、支持対象物として露光装置EXにおける投影光学系PLを支持する構成について説明したが、この他にも例えば、計測光を照射することによりレンズ計測等を行うフィゾー型干渉計等を吊り下げ支持する際に用いてもよい。
この場合、干渉計を真空環境下に設置することができるため、空気揺らぎ等の計測誤差要因を排除することが可能になり、より高精度の計測を実施できる。
この場合、干渉計を真空環境下に設置することができるため、空気揺らぎ等の計測誤差要因を排除することが可能になり、より高精度の計測を実施できる。
なお、上記各実施形態の基板(物体)としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、本発明は、基板ステージ(ウエハステージ)が複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本発明の実施形態による露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図7は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図8は、半導体デバイスの場合におけるステップS13の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
また、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99/34255号、WO99/50712号、WO99/66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等に開示されている。
EX…露光装置、 P…基板、 PL…投影光学系(支持対象物)、 PT…ピストン装置、 1…マスクステージ、 5…第1空間、 15…第2空間、 30…吊り下げ部材(支持部材)、 60…支持装置、 61…シリンダ、 64…空隙、 71…ピストン、 72…ロッド、 75…空気軸受(気体軸受)、 77、82…空気吹出し部(気体吹出し部)、 83…吸引装置、 84…吸引口、 86…吸気路
Claims (8)
- シリンダとピストンとを有するピストン装置によって、大気よりも低い第1の圧力に設定された第1空間に配された支持対象物を支持する支持装置であって、
前記ピストンと前記支持対象物に接続され、前記シリンダに設けられた前記第1空間に開口した空隙を介して前記シリンダに対して軸方向に移動自在に設けられたロッドと、
前記第1の圧力よりも高く、且つ大気よりも低い第2の圧力に設定され、前記シリンダを収容する第2空間と、
前記空隙と前記ロッドとの間に形成され、気体吹出し部を有する気体軸受と、
前記気体吹出し部が設けられた位置よりも前記第1空間に近い位置で前記空隙から前記気体を吸引する吸引装置と、
一端が前記空隙から前記気体を吸引する位置よりも前記第1空間に近い位置で前記空隙に開口し、他端が前記第2空間に開口する吸気路と、
を有する支持装置。 - 前記吸気路が前記空隙に臨む面積は、前記空隙が前記第1空間に臨む面積の100倍以上である請求項1記載の支持装置。
- 前記支持対象物を支持方向については拘束し、前記支持方向と異なる方向については非拘束とする支持部材を介して支持する請求項1または2記載の支持装置。
- 前記支持対象物を吊り下げ支持する請求項1から3のいずれか一項に記載の支持装置。
- 前記支持対象物は、計測光を照射して位置に関する情報を計測する干渉計である請求項1から4のいずれか一項に記載の支持装置。
- 前記支持対象物は、入射したパターンの像を投影する投影光学系である請求項1から4のいずれか一項に記載の支持装置。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の支持装置を備える露光装置。
- パターン面が形成されたマスクを保持するマスクステージを有し、該マスクステージは、前記パターン面が前記第1空間に収容されるように前記マスクを保持し、前記第1空間に面する部分と前記第2空間に面する部分とを有している請求項7記載の露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007307820A JP2009135145A (ja) | 2007-11-28 | 2007-11-28 | 支持装置及び露光装置 |
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Family Applications (1)
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2007
- 2007-11-28 JP JP2007307820A patent/JP2009135145A/ja active Pending
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