JP2004140271A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光精度を維持しつつ、高スループットな露光を実現する。
【解決手段】主制御装置の指示の下、気体供給装置105及び流量制御弁117等が制御され、レチクルRを保持して加減速動作を行うレチクルステージRSTとの位置関係を維持すべき特定物体(レチクル等)が摩擦力を利用して固定される固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度が40%未満に設定される。これにより、湿度設定を行なわない場合と比べ、摩擦力が向上するので、特定物体(レチクル等)の固定力が向上する。従って、特定物体のレチクルステージとの位置関係を維持した状態でレチクルステージRSTの最大加速度及び最大速度のいずれをも向上させることができるので、露光精度を維持した状態で、露光時間の短縮による高スループットな露光を実現することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)等の静止型露光装置が主として用いられていた。
【0003】
しかるに、近時における半導体素子の高集積化やウエハ、マスクあるいはレチクル(以下、「レチクル」と総称する)の大型化に伴い、ステッパに比べてより大きな面積を一度に露光することが可能で、かつ投影光学系の結像特性が良好な部分のみを用いることから高精度な露光が可能なステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などの走査型露光装置が、その後開発され、今やこの走査型露光装置が主流となりつつある。この走査型露光装置は、投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対走査するので、平均化効果があり、ディストーションや焦点深度の向上が期待できる等のメリットもある。
【0004】
この種の走査型露光装置における処理効率(スループット)は、レチクルステージ及びウエハステージの走査速度に依存する。すなわち、この処理効率を向上させるためには、ステージの速度及び加速度をより大きくして、走査露光に要する時間を短縮することが効果的である。
【0005】
現状のスキャニング・ステッパでは、このレチクルを保持する機構として、真空吸引力を利用してレチクルステージ上でレチクルを吸着保持する真空チャック機構(以下、適宜「真空チャック」と呼ぶ)が採用されている。
【0006】
また、ウエハステージ上でウエハを保持するウエハホルダを保持する機構としても、真空吸着力を利用した真空チャックが採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
レチクルを吸着保持して移動するレチクルステージの加速度については、レチクルステージを加速してもレチクルがずれないような加速度、すなわちレチクルステージの加速によりレチクルにかかる力よりも、レチクルを保持する保持力を大きく維持することが可能な加速度に設定されていた。従って、レチクルの保持力を高めることができれば、レチクルステージの加速度及び速度の向上につながり、これにより露光装置のスループットの向上を図ることが可能となる。
【0008】
また、ウエハを保持するウエハステージにおいても、ウエハを真空吸着又は静電吸着により吸着保持するウエハホルダをウエハステージ上で真空吸着しているので、この場合においても、ウエハステージの加速度は、ウエハステージの加速によりウエハホルダにかかる力よりも、ウエハステージによるウエハホルダの保持力を大きく維持することが可能な加速度に設定される。
【0009】
その他、ステージ上又はその他の加速駆動される部分では、面接触により固定されている部分の固定力(保持力)を高めることが加速度向上には不可欠である。
【0010】
本発明は係る事情の下になされたもので、その第1の目的は、露光精度を維持しつつ、高スループットな露光を実現可能な露光装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、デバイスの生産性を向上することが可能なデバイス製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者は、摩擦力による特定物体の固定力を向上するため、特定物体の固定力(摩擦力)は、その垂直抗力(押し付け力)×摩擦係数で表され、摩擦力(摩擦係数)は、材料、表面粗さ及び湿度に依存していることに着目した。そして、発明者による鋭意研究の結果、上記固定力に影響を及ぼす要素のうち、湿度の調整ができれば効果的な固定力の向上の実現が可能であることが見出された。
【0013】
本発明は、上記発明者の新規知見に基づきなされたものであり、以下の構成を採用する。
【0014】
請求項1に記載の発明は、マスク(R)に形成されたパターンを物体(W)上に転写する露光装置であって、前記マスク及び前記物体のいずれかを保持して加減速動作を行う移動体(RST,WST)と;前記移動体との位置関係を維持すべき特定物体(R,28,16X,16Y)が摩擦力を利用して前記移動体に固定される固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度を40%程度未満に設定する湿度設定装置(90,105,117)と;を備える露光装置である。
【0015】
これによれば、湿度設定装置は、マスク及び物体のいずれかを保持して加減速動作を行う移動体との位置関係を維持すべき特定物体が摩擦力を利用して固定される固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度を40%未満に設定する。従って湿度設定を行なわない場合と比べ、摩擦力が向上し、特定物体の固定力が向上することとなる。これにより、特定物体の移動体との位置関係を維持した状態で移動体の最大加速度及び最大速度のいずれをも向上させることができるので、露光精度を維持した状態で、露光時間の短縮による高スループットな露光を実現することが可能となる。
【0016】
この場合において、請求項2に記載の露光装置の如く、前記湿度設定装置は、前記所定空間の湿度を30%程度以下に設定することとしても良い。かかる場合には、固定部の外縁部が湿度30%の空間に接することとなり、少なくともその部分について、湿度を60%程度とした場合に比べて1.5〜2倍程度の摩擦力(固定力)を有することとなる。
【0017】
上記請求項1及び2に記載の各露光装置において、請求項3に記載の露光装置の如く、前記湿度設定装置は、前記所定空間内に低湿度の気体を供給する供給機構(105)を含むこととすることができる。
【0018】
この場合において、請求項4に記載の露光装置の如く、前記供給機構は、前記固定部近傍に前記気体を噴出することとすることができる。
【0019】
上記請求項3及び4に記載の各露光装置において、請求項5に記載の露光装置の如く、前記湿度設定装置は、前記供給機構から前記所定空間内に供給される前記気体の流量を調整する調整機構(117)を更に含むこととすることができる。
【0020】
上記請求項3〜5に記載の各露光装置において、請求項6に記載の露光装置の如く、前記低湿度の気体は、ドライエア及び不活性ガスの少なくとも一方であることとすることができる。
【0021】
上記請求項1〜6に記載の各露光装置において、請求項7に記載の露光装置の如く、前記移動体は前記マスクを保持するマスクステージ(RST)であり、前記特定物体は前記マスクステージに固定されたマスク(R)であることとすることができる。
【0022】
この場合において、請求項8に記載の露光装置の如く、前記マスクステージの前記固定部には、前記マスクステージとの接触部を取り囲む凸部(49)が設けられ、前記所定空間は、前記凸部によってほぼ囲まれた空間を含むこととすることができる。
【0023】
上記請求項7に記載の露光装置において、請求項9に記載の露光装置の如く、前記マスクステージ全体を取り囲む第1チャンバ(15)を更に備え、前記所定空間は、前記第1チャンバ内の空間であることとすることができる。
【0024】
上記請求項1〜6に記載の各露光装置において、請求項10に記載の露光装置の如く、前記移動体は前記物体を保持する物体ステージ(WST)であり、前記特定物体は、前記物体ステージに固定され、前記物体を保持する保持装置(28)であることとすることができる。
【0025】
この場合において、請求項11に記載の露光装置の如く、前記移動体の前記固定部は、前記保持装置の異なる3点に接触することとすることができる。
【0026】
上記請求項10及び11に記載の各露光装置において、請求項12に記載の露光装置の如く、前記物体ステージ及び前記保持装置の一方に、前記保持装置と前記固定部との接触部を取り囲む凸部が形成され、前記所定空間は、前記凸部によってほぼ囲まれた空間であることとすることができる。
【0027】
上記請求項10〜12に記載の各露光装置において、請求項13に記載の露光装置の如く、前記物体ステージ全体を取り囲む第2チャンバを更に備え、前記所定空間は、前記第2チャンバ内の空間を含むこととすることができる。
【0028】
上記請求項1〜6に記載の各露光装置において、請求項14に記載の露光装置の如く、前記移動体は、搬送対象物を保持して搬送する搬送アームであり、前記特定物体は、前記マスク、物体及び該物体を保持する保持装置のいずれかであることとすることができる。
【0029】
上記請求項1〜14に記載の各露光装置において、請求項15に記載の露光装置の如く、前記特定物体は、真空吸着により前記移動体に固定されていることとすることができる。
【0030】
上記請求項1〜6に記載の各露光装置において、請求項16に記載の露光装置の如く、前記移動体は前記マスクを保持するマスクステージ及び前記物体を保持する物体ステージのいずれかであり、前記特定物体は、前記移動体に固定され、該移動体の位置計測に用いられる反射面を有する反射部材(16X,16Y)であることとすることができる。
【0031】
この場合において、請求項17に記載の露光装置の如く、前記特定物体は、前記移動体の前記固定部にねじ止めされていることとすることができる。
【0032】
上記請求項1〜17に記載の各露光装置において、請求項18に記載の露光装置の如く、前記所定空間内に、静電気を発生しやすい静電気発生部材が配置される場合には、該静電気発生部材は導電性部材により被覆されていることとすることができる。
【0033】
上記請求項1〜17に記載の各露光装置において、請求項19に記載の露光装置の如く、前記所定空間外に静電気を発生する静電気発生部材(例えば、電気基板、ケーブル、チューブ、あるいは摺動部など)が配置されることとすることができる。
【0034】
この場合において、請求項20に記載の露光装置の如く、前記湿度設定装置は、前記静電気発生部材が配置される空間と前記所定空間とでそれぞれ独立に湿度を設定可能であることとすることができる。なお、例えば仕切り板または筐体などを用いて、所定空間と静電気発生部材とを機械的に分離することが好ましい。
【0035】
請求項21に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程では、請求項1〜20のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。
【0036】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6(C)に基づいて説明する。
【0037】
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわち、いわゆるスキャニング・ステッパである。
【0038】
この露光装置100は、露光用照明光(以下、「照明光」と略述する)ILによりマスク(特定物体)としてのレチクルR上のスリット状(X軸方向に細長い長方形状又は円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する照明系IOP、レチクルRをY軸方向に所定のストロークで駆動するとともに、X軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動するマスクステージ(移動体)としてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光ILをウエハW上に投射する投影光学系PL、物体としてのウエハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動する物体ステージ(移動体)としてのウエハステージWST、レチクルステージRST、ウエハステージWST及び投影光学系PL等が搭載された本体コラム50、及びこれらの制御系等を備えている。
【0039】
前記照明系IOPは、例えば、特開平9−320956号公報、特開平4−196513号公報などに開示されるように、光源ユニット、照度均一化光学系(オプティカルインテグレータを含む)、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系等(いずれも不図示)から構成され、照度分布のほぼ均一な照明光ILを射出する。そして、この照明光ILがレチクルR上の矩形(あるいは円弧状)の照明領域IARを均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、例えば、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線)や、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、Fレーザ光などの遠紫外域又は真空紫外域の光が用いられる。
【0040】
前記本体コラム50は、クリーンルームの床面FDに植設された複数本、例えば3本の支持柱21及びこれら支持柱21上にそれぞれ搭載された防振機構31によって支持されたウエハステージ架台40と、該ウエハステージ架台40上に搭載されたレチクルステージ架台42とを備えている。
【0041】
前記ウエハステージ架台40は、前記投影光学系PLを保持する鏡筒定盤32と、該鏡筒定盤32の下面に固定され、下方に延びる複数本、例えば3本の吊り下げ脚部14と、これら吊り下げ脚部14によってほぼ水平に吊り下げ支持されたウエハステージ定盤23とから構成されている。
【0042】
前記鏡筒定盤32には、その中央に平面視(上方から見て)円形の段付き開口が形成され、該段付き開口を介して投影光学系PLが上方から挿入されている。この投影光学系PLの鏡筒部にはその高さ方向ほぼ中央位置にフランジFLGが設けられ、該フランジFLGを介して投影光学系PLが鏡筒定盤32に固定されている。
【0043】
前記レチクルステージ架台42は、ウエハステージ架台40の上面に植設された複数本、例えば3本の脚部22と、これらの脚部22によって水平に支持され、中央部に矩形状の開口63(図2参照)が設けられた天板18とによって構成されている。
【0044】
前記本体コラム50を構成するレチクルステージ架台42の天板18上には、レチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRST上には、真空チャック33を介してレチクルRが吸着固定されている。なお、真空チャック33については、後に詳述する。
【0045】
レチクルステージRSTは、図2に示されるように、天板18上を一対のリニアモータ25A、25Bにより、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に、所定ストローク範囲で駆動可能となっている。
【0046】
これを更に詳述すると、レチクルステージRSTのX軸方向一側及び他側の側面には、前記一対のリニアモータ25A、25Bの可動子19A、19Bがそれぞれ突設されており、これらの可動子19A、19Bに対向して該一対の可動子19A、19Bのそれぞれとともに前記リニアモータ25A、25Bをそれぞれ構成する固定子(リニアガイド)29A、29Bが走査方向であるY軸方向にそれぞれ延設されている。
【0047】
レチクルステージRSTの上面の−X側端部には、平面ミラーから成るレチクルX移動鏡27Xが固定され、該移動鏡27Xに対してレチクルX干渉計30Xからの測長ビームが垂直に照射されている。また、レチクルステージRSTの上面の−Y側端部には、1対のレトロリフレクタ27Y、27Yが固定されており、この1対のレトロリフレクタ27Y、27Yに一対のダブルパス干渉計を含むレチクルY干渉計30Yの各測長軸の測長ビームがそれぞれ垂直に照射されている。
【0048】
このレチクルX干渉計30XによってレチクルステージRSTのX軸方向の位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出され、レチクルY干渉計30Yによって、レチクルステージRSTにθz回転が存在しても、それぞれの測長ビームの投射位置のY軸方向位置を例えば0.5〜1nm程度の分解能で精度良く検出することができる。また、レチクルY干渉計30Yの各測長軸の計測値の差に基づいてレチクルステージRSTにθz回転(ヨーイング)も計測することができる。このようにレチクル移動鏡は、X移動鏡27X、レトロリフレクタ27Y、27Yが設けられ、これに対応してレチクルレーザ干渉計もレチクルX干渉計30X、レチクルY干渉計30Yが設けられているが、図1では、これらが代表的にレチクル移動鏡27、レチクルレーザ干渉計30として図示されている。なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(X移動鏡27X、レトロリフレクタ27Y,27Yの反射面に相当)を形成しても良い。なお、レチクルステージRSTとしては少なくとも3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)にレチクルを微動可能なアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータなど)をレチクルとともにY軸方向に一次元駆動する粗動ステージを採用しても良い。
【0049】
上記のレチクルレーザ干渉計30(干渉計30X、30Y)によって計測されるレチクルステージRSTの位置情報(又は速度情報)、すなわちレチクルRの位置情報(又は速度情報)は、図1に示されるステージ制御系38及びこれを介して主制御装置90に供給される。ステージ制御系38は、基本的にはレチクルレーザ干渉計30から出力される位置情報(又は速度情報)が主制御装置90からの指令値と一致するようにリニアモータ25A、25Bを制御している。
【0050】
レチクルステージRSTのほぼ中央には、図2に示されるように、矩形の開口61が形成されている。この開口61の近傍には、例えばセラミックスから成る3つの真空チャック33a〜33cが設けられている。レチクルRは、その下面のクロムメッキが塗布された3箇所にて、真空チャック33a〜33cにより保持されるようになっている。
【0051】
前記真空チャック33a〜33cは、レチクルステージRSTを斜視図にて示す図3、及び真空チャック33a部分を断面して概略的に示す図4から分かるように、直方体状(ブロック状)の形状を有し、その上面部には、所定深さの凹部が形成されている。そして、この凹部の内部底面には、図4に示されるように、ステージの側面から連通して形成された給気管路の一端である排気口233aが形成されている。
【0052】
排気口233aは、図4に示されるようにレチクルステージRST内部に形成された排気管路46を介して、レチクルステージRSTの外周面に接続された排気機構101(図3参照)を構成する排気管47と連通状態とされている。
【0053】
前記排気機構101は、排気管47と、該排気管47に電磁弁(電磁バルブ)113を介して接続された真空ポンプ103とを備えている。
【0054】
また、図示は省略されているが、排気管47の一部には排気管47の内部の気圧を計測するための気圧計が接続されている。この気圧計による計測値は図1の主制御装置90に供給され、主制御装置90は、気圧計による計測値とレチクルのロード、アンロードの制御情報とに基づいて、真空吸着の開始及び終了を制御、すなわち電磁弁113の開閉動作と、真空ポンプのオン・オフ動作とを制御するようになっている。
【0055】
レチクルステージRST上面の真空チャック33aの近傍には、図4に示されるように、2つの給気口41a,41bが形成されている。この給気口41a,41bは、レチクルステージRST内部に形成された給気管路44を介して、レチクルステージRSTの外周面に接続された気体供給機構107(図3参照)を構成する給気管45と連通状態とされている。
【0056】
前記気体供給機構107は、給気管45と、該給気管45に調整機構としての流量制御弁117を介して接続された気体供給装置105とを備えている。
【0057】
前記気体供給機構107は、湿度が低く設定された気体(例えばドライエアや希ガス)を真空チャック33a近傍に供給し、図1の主制御装置90は、装置立ち上げ時等に、予め計測しメモリ等に記憶された、気体の流量と真空チャック33a近傍の湿度との関係に基づいて、電磁弁117の開閉と、気体供給装置105の動作とを制御し、気体の真空チャック近傍に対する流量を調整することにより、真空チャック33a近傍の湿度を例えば40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定する。
【0058】
なお、その他の真空チャック33b,33cも同様に構成され、真空チャック33b,33c近傍の湿度も、真空チャック33aと同様の方法で、例えば40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定されている。
【0059】
図1に戻り、前記投影光学系PLとしては、ここでは両側テレセントリックな縮小系であり、光軸AX方向(Z軸方向)に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。この投影光学系PLの投影倍率βは、例えば1/4、1/5あるいは1/6である。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチクルRの照明領域IAR内の回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な露光領域IAに形成される。
【0060】
前記ウエハステージWSTは、不図示のリニアモータ等によってXY面内で自在に駆動されるXYステージ114、該XYステージ114上に搭載されたウエハテーブルWTB等を備えている。このウエハテーブルWTB上には、ほぼ円形のウエハホルダ28が載置されており、ウエハホルダ28によってウエハWが真空吸着によって保持されている。
【0061】
前記XYステージ114は走査方向(Y軸方向)の移動のみならずウエハW上の複数のショット領域を前記レチクル上の照明領域IARと共役な露光領域IAに位置させることができるように、走査方向に垂直な非走査方向(X軸方向)にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域を走査(スキャン)露光する動作と、次のショット領域の露光のための走査開始位置まで移動するステッピング動作とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作を行なう。
【0062】
前記ウエハテーブルWTBは、XYステージ114上にXY方向に位置決めされ、かつ不図示の駆動系によりZ軸方向の移動及びXY平面に対する傾斜駆動が可能な構成となっている。これによってウエハテーブルWTB上に保持されたウエハWの面位置(Z軸方向位置及びXY平面に対する傾斜)が所望の状態に設定されるようになっている。なお、ウエハステージWSTとしては、ウエハテーブルWTBがX軸方向、Y軸方向、及びθz方向を加えた6自由度方向に微動可能である微動ステージを採用することとしても良い。
【0063】
前記ウエハホルダ28は、ウエハステージWSTを構成するウエハテーブルWTBを取り出して分解斜視図にて示す図5から分かるように、ウエハテーブルWTB上に形成された円形の段部41内に設けられた3つの真空チャック133a〜133cにより、真空吸着された状態でウエハテーブルWTB上にて保持される。これら真空チャック133a〜133cは、レチクルステージRST上の真空チャック33a〜33cと同様の構成となっており、真空チャック133a〜133cに不図示の排気管路等を介して接続された不図示の真空ポンプにより、ウエハテーブルWTB上にウエハホルダ28が真空吸着される。
【0064】
また、これら真空チャック133a〜133c近傍には、レチクルステージRSTの真空チャック33a〜33cと同様に、低湿度のガスを真空チャック133a〜133c近傍に供給するための開口(一例として、真空チャック33aについて図5に示される開口141a,141b)が例えば2つずつ形成されている。これら開口からは、ウエハテーブルWTB内に形成された通気管路及び気体供給装置(いずれも不図示)を介して、真空チャック133a〜133c近傍の湿度を例えば40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定する。
【0065】
この場合においても、主制御装置90は、予め計測された湿度が低く設定された気体(例えばドライエアや希ガス)の流量と真空チャック近傍の湿度との関係に基づいて気体供給装置から供給される気体の流量を制御する。
【0066】
図5に示されるように、ウエハテーブルWTBのX軸方向の一側の端部には、X位置計測用のX移動鏡16XがY軸方向に延設され、Y軸方向の一側の端部には、Y位置計測用のY移動鏡16YがX方向に延設されている。また、X移動鏡に対向してX位置計測用のウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)が設けられ、また、Y移動鏡に対向してY位置計測用のウエハ干渉計が設けられており、ウエハ干渉計それぞれからの測長ビームが対向する移動鏡に向かって照射されている。このように、ウエハ移動鏡としては、X移動鏡と、Y移動鏡とが設けられ、これに対応してレーザ干渉計もX位置計測用、Y位置計測用のものが設けられているが、図1では、これらが代表的に移動鏡16、ウエハ干渉計20として示されている。
【0067】
上述したウエハ干渉計20によって、ウエハステージWSTのX、Y、θz方向の位置が所定の基準位置、例えば投影光学系PLの側面を基準として例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時計測される。そして、ウエハ干渉計20からのウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステージ制御系38及びこれを介して主制御装置90に送られ,ステージ制御系38では主制御装置90からの指示に応じてウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハ駆動部(図示省略)を介してウエハステージWSTを駆動する。
【0068】
次に、ウエハテーブルWTBの側面に設けられた、前記移動鏡16X,16Yの構成等について図6(A)〜図6(C)に基づいて説明する。
【0069】
図6(A)には、一方の移動鏡16Yの具体的な構成が示されている。この図6(A)から分かるように、移動鏡16Yは、ウエハテーブルWTBの−Y側端部の下側から−Y方向に突出した状態となるように、ウエハテーブルWTBの下面に対してねじ止め等により固定された座板56Y上に載置されている。この座板56Yの上面は、所定の平坦度を満足するように加工されている。
【0070】
移動鏡16Yは、概略直方体状の形状を有し、その−Y側の面16Ymが鏡面加工され、前述したウエハ干渉計20からのレーザ光が反射されるようになっている。なお、以下の説明においては、この−Y側面16Ymを適宜「鏡面16Ym」と呼ぶものとする。
【0071】
鏡面16Ymの反対側の面(+Y側の面)には、そのX軸方向両端部近傍の位置に、+Y方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した凸部16Ya,16Ybが移動鏡16Yの上端部から下端部にかけて形成されている。
【0072】
更に、移動鏡16Yの下面には、上記凸部16Ya、16Ybと同一のX方向位置に、−Z方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した状態で、凸部16Yc,16Ydが移動鏡16Yの+Y端部から−Y端部にかけて形成されている。
【0073】
ここで、ウエハテーブルWTBの−Y側面と移動鏡16Yとは、凸部16Ya、16Yb部分のみが接触するようになっている。また、同様に、座板56Yの上面と移動鏡16Yとは、凸部16Yc、16Yd部分のみが接触するようになっている。すなわち、移動鏡16Yにおいては、凸部16Ya,16Yb以外の+Y側面部分はウエハテーブルWTBに対して数μm(例えば、7μm)程度のクリアランスを有し、凸部16Yc,16Yd以外の下面部分は座板56Yに対して数μm程度のクリアランスを有することになる。
【0074】
更に、移動鏡16Yには、図6(A)に示されるように、鏡面16Ymにおける凸部16Yc,16Ydの近傍に、移動鏡16YをウエハテーブルWTBに対して固定するためのねじ止め部16Ye,16Yfが形成されている。
【0075】
図6(B)には、上記ねじ止め部16Ye,16Yfのうちの一方のねじ止め部16Ye近傍を拡大して−Y方向から+Y方向に見た図が示され、図6(C)には、図6(B)の状態からねじ72を外した状態の図6(B)におけるA−A線断面図が示されている。
【0076】
これらの図から分かるように、ねじ止め部16Yeは、鏡面16YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部62aと、該矩形状溝部62aの内部の底面から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔62bとにより形成されている。
【0077】
なお、他方のねじ止め部16Yfも上記ねじ止め部16Yeと同様の構成となっている。すなわち、ねじ止め部16Yfは、鏡面16YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部と、矩形状溝部の内部から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔とにより形成されている。
【0078】
移動鏡16Yは、図6(C)においてねじ止め部16Yeにて代表的に示されるように、ねじ止め部16Ye(及び16Yf)に形成された丸孔62b及び、ウエハテーブルWTBの−Y側面に形成されたねじ穴80を介してねじ72により、ウエハテーブルWTBに対してねじ止めされている。
【0079】
移動鏡16Yとして上述したような所定位置に凸部を有する形状を採用したのは、ウエハステージWSTの駆動に伴う振動が移動鏡16Yに伝達しても、移動鏡16Yとその固定面との間の気体が振動により隙間内で移動する、あるいは隙間から抜け出そうとするため、その気体の粘性によって振動を減衰させることができるからである。
【0080】
また、ウエハテーブルWTBの移動鏡16Yの近傍には、図6(C)に示されるように、移動鏡16(凸部16Ya)とウエハテーブルWTBとの接触部近傍を低湿度とするための給気機構109(ただし、図6(C)では給気管路111のみ図示されている)が設けられている。これを更に詳述すると、ウエハテーブルWTB内部には、給気管路111が形成されており、該給気管路111及び給気管路に一端部が接続された給気管(不図示)及び該給気管の他端部に接続された気体供給装置(不図示)を介して接触部近傍に低湿度ガス(例えばドライエアや希ガス)が供給され、接触部近傍の湿度が例えば40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定される。この場合においても、主制御装置90は、予め計測された低湿度ガスの流量と真空チャック近傍の湿度との関係に基づいて気体供給装置から供給される低湿度ガスの流量を制御する。
【0081】
なお、凸部16Yb近傍についても同様に気体供給機構が設けられている。また、凸部16Yc,16Yd近傍にも、気体供給機構を設けることとしても良い。
【0082】
なお、他方の移動鏡16Xについても、移動鏡16Yと同様の構成となっている。
【0083】
すなわち、移動鏡16Xは、図6(A),(B)に示されるように、ウエハテーブルWTBの下面の+X端部近傍に固定された座板56X上に載置されており、移動鏡16Xには移動鏡16Yと同様に、−X側及び−Z側の面に2つの凸部が形成されている。そして、ウエハテーブルWTBの+X側面及び座板56Xの上面と各凸部が接触するようになっている。
【0084】
そして、移動鏡16Xの+X側の面(鏡面)からその裏面にかけて形成された不図示のねじ止め部を介して、ウエハテーブルWTBに固定されている。
【0085】
この場合においても、移動鏡16XとウエハテーブルWTBとの間、及び移動鏡16Xと座板56Xとの間には凸部を除いて、数μm(例えば、7μm)程度の間隔が設けられている。
【0086】
この移動鏡16Xについても、上述した一方の移動鏡16Yと同様に気体供給機構が設けられている。
【0087】
次に、上述のようにして構成された露光装置100による露光動作の流れについて図1を参照しつつ、簡単に説明する。
【0088】
まず、主制御装置90の管理の下、不図示のレチクルローダ、ウエハローダによって、レチクルロード、ウエハロードが行なわれ、また、レチクルアライメント系、ウエハステージWST上の基準マーク板、オフアクシス・アライメント検出系(いずれも図示省略)等を用いて、レチクルアライメント、アライメント検出系のベースライン計測(アライメント検出系の検出中心と投影光学系PLの光軸との間の距離の計測)等の準備作業が所定の手順で行なわれる。
【0089】
その後、主制御装置90により、不図示のアライメント検出系を用いて例えば特開昭61−44429号公報などに開示されるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントが実行される。このようなアライメントの終了後、以下のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0090】
この露光動作にあたって、主制御装置90からのアライメント結果に基づく指示に応じて、ステージ制御系38がウエハ干渉計20の計測値をモニタしつつウエハWのファーストショット領域(第1番目のショット領域)の露光のための走査開始位置にウエハステージWSTを移動する。そして、ステージ制御系38では、リニアモータ25A、25B及びウエハ駆動系を介してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
【0091】
ステージ制御系38では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率βに応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。
【0092】
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が紫外パルス光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファーストショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介してファーストショット領域に縮小転写される。
【0093】
このようにして、ファーストショット領域の走査露光が終了すると、主制御装置90からの指示に応じ、ステージ制御系38により、ウエハステージWSTがX軸方向にステップ移動され、セカンドショット領域(第2番目のショット領域)の露光のための走査開始位置に移動される。
【0094】
そして、主制御装置90の管理の下、セカンドショット領域に対して上記と同様の走査露光が行われる。
【0095】
このようにして、ウエハW上のショット領域の走査露光と次ショット領域露光のためのステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチクルRの回路パターンが順次転写される。
【0096】
上述したウエハW上のショット領域の走査露光中における加速度は、レチクルステージRST及びウエハステージWSTに固定されている、あるいはレチクルステージRST及びウエハステージWSTが保持している特定物体(例えばレチクルR、ウエハホルダ28、移動鏡16X,16Yなど)がレチクルステージRST及びウエハステージWSTの移動に伴ってずれないような加速度に設定されている。
【0097】
発明者は、摩擦力による特定物体の固定力を向上するため、特定物体の固定力(摩擦力)は、その垂直抗力(押し付け力)×摩擦係数で表され、摩擦力(摩擦係数)は、材料、表面粗さ及び湿度に依存していることに着目した。
【0098】
そして、上述したレチクルステージRSTの真空チャック近傍、ウエハステージWSTのウエハホルダ28を保持する真空チャック近傍、及びウエハステージWSTの移動鏡16X,16Yの固定部近傍に局所的に湿度を40%程度未満、望ましくは30%程度以下に低下させることが可能な機構を設ける構成を採用した。
【0099】
これにより、特定物体の固定力が向上するので、特定物体のずれの発生を抑制しつつ、走査露光時におけるレチクルステージRST及びウエハステージWSTの加速度及び速度のいずれをも向上させることが可能である。これにより、露光精度を維持した状態でスループットの向上を図ることが可能となる。
【0100】
これまでの説明から明らかなように、主制御装置90、流量制御弁117及び気体供給装置105により、本発明の湿度設定装置が構成されている。
【0101】
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置によると、気体供給機構105は、レチクルRを保持して加減速動作を行うレチクルステージRST及びウエハWを保持して加減速動作を行うウエハステージとの位置関係を維持すべき特定物体(レチクルR、ウエハホルダ28、移動鏡16X,16Y)が摩擦力を利用して固定される固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度を40%程度未満、より好ましくは30%程度未満に設定する。従って、湿度設定を行なわない場合と比べ、摩擦力が向上し、特定物体の固定力が向上することとなる。これにより、特定物体のステージRST,WSTとの位置関係を維持した状態でステージRST,WSTの速度を向上させることができるので、露光精度を維持した状態で、高スループットな露光を実現することが可能となる。
【0102】
特に、固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度を30%程度以下に設定することにより、少なくとも固定部の外周部については、湿度を60%とした場合に比べて1.5〜2倍程度の摩擦力(固定力)を達成することが可能である。
【0103】
なお、上記実施形態では、気体供給機構105は、固定部近傍の空間を含む所定空間内に低湿度の気体を供給するものとして説明したが、これに限られるものではなく、湿度が0であるドライエアや不活性ガス等を前記所定空間内に供給することとしても勿論良い。
【0104】
また、移動鏡16X,16Yの固定もねじ止めに限らず、その他の固定方法によりウエハテーブルWTBに対して固定することとしても良い。
【0105】
更に、ウエハテーブルWTBに固定される移動鏡16X,16Yに限らず、レチクルステージRST上に固定されている移動鏡27X、レトロリフレクタ27Y,27Yの近傍を低湿度に設定するような構成を採用することもできる。
【0106】
なお、図7に示されるように、レチクルステージRSTの真空チャック33a近傍に環状の凸部49を設けることとしても良い。これにより、低湿度な空間がほぼ仕切られた状態となるので、効率良く低湿度な空間を維持することが可能となっている。なお、その他の真空チャック33b、33c近傍についても同様の構成を採用することができる。
【0107】
もちろん、このような環状の凸部は、その他の固定部分(例えばウエハホルダを保持する真空チャック機構133a〜133c、移動鏡16X,16Y)近傍にも設けても良く、これにより、低湿度な空間を効率良く維持することが可能である。また、上述のように、レチクルステージRST上に固定されている移動鏡27X及びレトロリフレクタ27Y,27Y近傍を低湿度な空間とする場合にも、同様に環状の凸部を設けることとしても良い。
【0108】
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTを構成するウエハテーブルWTBに移動鏡16X,16Yを設け、ウエハテーブルWTBとの間の固定部近傍を低湿度空間に設定するものとしたが、これに限らず、例えば、ウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡16X,16Yの反射面に相当)を形成することとしても良い。
【0109】
また、上記実施形態では、レチクルステージRSTの真空チャック、ウエハホルダ28を保持する真空チャック、及びウエハステージWSTの移動鏡16の固定部でそれぞれ局所的に湿度を40%程度未満、好ましくは30%程度以下とするものとしたが、これらのうち1つまたは2つのみで湿度管理を行うのみでも良い。
【0110】
更に、上記実施形態の露光装置はウエハホルダ28に保持されるウエハWを交換するウエハローダ(ウエハ交換ロボット)を備えるとともに、ウエハステージWST上で上下動(Z軸方向に移動)する1本または複数本(例えば3本)の可動ピンを用いて、ウエハローダの搬送アームとウエハホルダ28との間でウエハの受け渡しを行っている。このとき、ウエハは可動ピンにより真空吸着されるので、上記実施形態と同様に可動ピン近傍で局所的に湿度を40%程度未満、好ましくは30%程度以下として可動ピンの高速化を図るようにしても良い。
【0111】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について、図8に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし、若しくは省略するものとする。
【0112】
この露光装置100’は、上述した第1の実施形態の露光装置100と異なり、本体コラム50に、レチクルステージRSTの周辺を取り囲む状態で、第1チャンバとしてのレチクルステージチャンバ15が設けられている点に特徴を有している。
【0113】
すなわち、前記本体コラム50を構成するレチクルステージ架台42’は、ウエハステージ架台40の上面に植設された複数、例えば3本の脚部22と、これらの脚部22によって水平に支持され、中央部に矩形状の開口(不図示)が設けられた天板18とによって構成され、前記天板18は、照明系IOPを構成する照明系ハウジングと隙間無く接合された隔壁51とともに、レチクルステージチャンバ15を構成しており、その内部空間が外部から隔離されている。このレチクルステージチャンバ15の隔壁51は、ステンレス(SUS)等の脱ガスの少ない材料にて形成されている。
【0114】
レチクルステージチャンバ15の隔壁51の天井部には、矩形の開口が形成されており、この開口部に照明系ハウジングの内部空間と、レチクルRが配置されるレチクルステージチャンバ15の内部空間とを分離する状態で透過窓(窓ガラス)17が配置されている。この透過窓17は、照明系IOPからレチクルRに照射される照明光ILの光路上に配置されるため、照明光ILに対して透過性の高い材料によって形成されている。また、前記天板18に形成された不図示の開口には、レチクルステージチャンバ15の内部空間と外部とを分離する状態で不図示の透過窓(窓ガラス)が配置されている。
【0115】
また、レチクルステージチャンバ15の隔壁51には、図8に示されるように給気配管58及び排気配管59が設けられている。給気配管58は、レチクルステージチャンバ15内部の湿度を40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に調整を行う湿度調整装置60の一端に接続されており、排気配管59は、該湿度調整装置60の他端に接続されている。なお、図8においては、湿度調整装置は、作図の便宜上から他の部分に比べてかなり小さく示されている。
【0116】
この湿度調整装置60は、例えば、給気配管58及び排気配管59にそれぞれ一端と他端が接続された空気経路と、この空気経路の途中に設けられた冷却器、前記レチクルステージチャンバ15内部の気体を排気配管59を介して冷却器に送り込み、冷却器を経由した空気を給気配管58を介して再びレチクルステージチャンバ15内部に排出するポンプ、前記ポンプにより冷却器に送り込まれる空気の流量を制御する流量制御弁、及び前記流量制御弁及びポンプを制御するコントローラ(いずれも図示省略)によって構成することができる。前記冷却器としては、一定温度(レチクルステージチャンバ15等を含む露光装置本体が収納された不図示のエンバイロンメンタル・チャンバ内の温度、圧力(例えば大気圧)条件下における露点以下の温度)に冷却された所定長さの管などを用いることができる。この冷却器によると、ポンプにより送り込まれた空気を露点以下に冷却し、水蒸気を結露させることで、湿度を低下させることができる。湿度調整装置60を構成する不図示のコントローラでは、主制御装置90からの指令値に応じて、流量制御弁及びポンプを制御することにより、レチクルステージチャンバ15の内部が所定の湿度に保たれるように湿度の調整を行う(これについては、更に後述する)。なお、レチクルステージチャンバ15内部は、湿度調整装置60によって湿度のみならず、温度、圧力も所定値に維持されるようになっている。勿論、この温度、圧力等の制御は、湿度調整装置以外の装置によって行っても良い。
【0117】
その他の構成は、上記第1の実施形態におけるレチクルステージの真空チャック近傍の空間の湿度を調整する気体供給機構が設けられていない点を除いて、同様となっている。
【0118】
以上説明したように、本第2の実施形態の露光装置100’によると、レチクルステージRSTがチャンバ15により覆われ、該チャンバ15内全体の湿度が40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定されているので、上記第1の実施形態と同様に、レチクルR(特定物体)のレチクルステージRSTに対する固定力が向上し、レチクルステージRSTの加速度及び速度のいずれをも向上することが可能となる。これにより、露光精度を維持しつつ、スループットの向上を図ることが可能である。
【0119】
なお、図9に示されるように、鏡筒定盤32の下面に第2チャンバとしてのウエハチャンバ315を吊り下げた状態で設け、このウエハチャンバ315内にウエハステージWSTを収容する構成としても良い。この場合、ウエハチャンバ315内の空間をレチクルステージチャンバ15と同様にして、低湿度な空間(湿度40%程度未満、より好ましくは30%程度以下)に設定することで、ウエハステージWSTに設けられる特定物体(ウエハホルダや移動鏡)の固定力が向上するので、ウエハステージWSTの加速度及び速度のいずれをも向上させることが可能となる。
【0120】
また、上記第2の実施形態とは逆に、レチクルステージRST側では第1実施形態と同様、局所的な低湿度空間を形成するような構成を採用することとし、ウエハステージWST側では、ウエハステージWST全体を覆う状態でチャンバを設けることとしても良い。更に、レチクルステージRST及びウエハステージWSTの少なくとも一方に、チャンバと局所的な低湿度空間を形成するような構成とを併用する構成を採用しても良い。
【0121】
なお、上記第2の実施形態では、レチクルステージ周辺雰囲気の湿度調整のために、レチクルステージの周囲をチャンバ15で囲み、その内部の空気の湿度を湿度調整装置60により調整したが、これに限らず、半導体工場内に低湿度な気体の供給源を設け、この供給源から複数台の露光装置のエンバイロンメンタル・チャンバ内に配管系を介して低湿度な気体を供給することにより、湿度を40%程度未満、より好ましくは30%程度以下に設定することとしても良い。また、エンバイロンメンタル・チャンバ内の温度などを所定値に維持するために空調用の気体が供給されているが、その気体を供給する空調機などでその湿度を調整するだけでも良い。
【0122】
なお、上記各実施形態において、低湿度に設定される空間内に、静電気を発生しやすい静電気発生部材が配置される場合には、該静電気発生部材は導電性部材により被覆することが望ましい。これにより、低湿度に設定しても静電気の発生が極力抑えられ、静電気により、露光装置各部に与えられる影響を極力抑えることが可能となる。
【0123】
また、上記各実施形態において、低湿度に設定される空間外に静電気発生部材(例えば、電気基板、ケーブル、チューブ、あるいは摺動部など)を配置し、これにより露光装置に対する静電気の影響を抑えるようにしても良い。この場合、湿度設定装置は、静電気発生部材が配置される空間と低湿度に設定される空間とでそれぞれ独立に湿度を設定可能であることが好ましい。更に、例えば仕切り板または筐体などを用いて、低湿度に設定される空間と静電気発生部材とを機械的に分離することが好ましい。
【0124】
また、ウエハステージ上にて保持されるウエハを交換するウエハローダ(ウエハ交換ロボット)のウエハを真空吸着にて保持する部分近傍に上記第1の実施形態と同様の気体供給機構を設けることとしても良いし、あるいは、ウエハローダの移動範囲を含む空間をチャンバにて覆い、その内部を低湿度な空間に設定することとしても良い。これにより、ウエハを保持したウエハローダの移動速度を向上させることができるので、露光工程全体のスループットを向上することができる。
【0125】
また、ウエハローダに限らず、レチクルの交換に用いられるレチクルローダ(レチクル交換ロボット)のレチクルを真空吸着にて保持する部分近傍に上記第1の実施形態と同様の気体供給機構を設けることとしても良いし、あるいはレチクルローダの移動範囲を含む空間をチャンバにて覆い、その内部を低湿度な空間に設定することとしても良い。この場合においても、レチクルローダの移動速度を向上させることができ、これにより露光工程全体のスループットを向上させることができる。
【0126】
なお、上記各実施形態ではレチクルホルダが3箇所でレチクルを真空吸着するものとしたが、レチクルホルダの構成は上記各実施形態に限られるものではなく任意で良い。更には、レチクルステージRSTにおいて、走査方向(Y軸方向)に離れた2箇所にレチクルホルダをそれぞれ設けることとしても良い。また、ウエハホルダ28を保持する真空チャックの構成も上記各実施形態に限られるものではなく任意で良い。更には、それぞれに独立に駆動可能な2つのウエハステージを備えるダブルウエハステージ方式を採用することとしても良い。
【0127】
また、上記各実施形態の露光装置では、レチクルステージRSTやウエハステージWSTの移動時に生じる反力(振動)を、例えばカウンタマスの移動で相殺する、運動量保存則を利用したカウンタマス方式、あるいは鏡筒定盤32を支持する支持柱21とは別設されるフレーム(リアクション・バー)を介して床などに逃がすリアクションフレーム方式などが採用される。更に、上記各実施形態の露光装置は吊り下げ脚部14によってウエハステージ定盤23を鏡筒定盤32で支持するものとしたが、例えば鏡筒定盤32が載置される防振機構31とは別の防振機構を用いて床面FD上でウエハステージ定盤23を支持しても良いし、鏡筒定盤32を支持する支持柱21を床面FDに設置する代わりに、例えば床面FDに設けたベースプレート又はキャスタフレームなどに支持柱21を設置しても良い。要は、本発明が適用される露光装置のボディ構造は上記各実施形態に限られるものではなく、任意で構わない。
【0128】
なお、上記各実施形態では、本発明がスキャニング・ステッパに適用された場合について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式のステッパ等の静止露光型の露光装置にも適用できる。
【0129】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0130】
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0131】
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0132】
図10には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図10に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0133】
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0134】
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0135】
図11には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図11において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0136】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0137】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0138】
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、高スループットな露光を行うことができる。従って、マイクロデバイスを生産性良く製造することができる。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の露光装置によれば、露光精度を維持しつつ、高スループットな露光を実現できるという効果がある。
【0140】
また、本発明のデバイス製造方法によれば、デバイスの生産性を向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る露光装置を概略的に示す図である。
【図2】レチクルステージ及びその周辺部の平面図である。
【図3】レチクルステージの真空チャック機構及びその近傍を説明するための斜視図である。
【図4】レチクルステージ及び真空チャック機構の断面図である。
【図5】ウエハテーブル及びウエハホルダの構成を示す斜視図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、ウエハテーブルに設けられた移動鏡の構成を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る露光装置の変形例を示す図である。
【図10】本発明に係るデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のステップ204の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
15…チャンバ(第1チャンバ)、16X,16Y…移動鏡(特定物体、反射部材)、28…ウエハホルダ(特定物体、保持装置)、49…環状の凸部(凸部)、90…主制御装置(湿度設定装置の一部)、100…露光装置、105…気体供給機構(湿度設定装置の一部、供給機構)、117…電磁弁(湿度設定装置の一部、調整機構)、R…レチクル(マスク、特定物体)、RST…レチクルステージ(移動体、マスクステージ)、W…ウエハ(物体)、WST…ウエハステージ(移動体、物体ステージ)。

Claims (21)

  1. マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置であって、
    前記マスク及び前記物体のいずれかを保持して加減速動作を行う移動体と;
    前記移動体との位置関係を維持すべき特定物体が摩擦力を利用して前記移動体に固定される固定部近傍の空間を含む所定空間内の湿度を40%程度未満に設定する湿度設定装置と;を備える露光装置。
  2. 前記湿度設定装置は、前記所定空間の湿度を30%程度以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記湿度設定装置は、前記所定空間内に低湿度の気体を供給する供給機構を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記供給機構は、前記固定部近傍に前記気体を噴出することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記湿度設定装置は、前記供給機構から前記所定空間内に供給される前記気体の流量を調整する調整機構を更に含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の露光装置。
  6. 前記低湿度の気体は、ドライエア及び不活性ガスの少なくとも一方であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記移動体は前記マスクを保持するマスクステージであり、前記特定物体は前記マスクステージに固定されたマスクであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記マスクステージの前記固定部には、前記マスクとの接触部を取り囲む凸部が設けられ、前記所定空間は、前記凸部によってほぼ囲まれた空間を含むことを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記マスクステージ全体を取り囲む第1チャンバを更に備え、前記所定空間は、前記第1チャンバ内の空間であることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  10. 前記移動体は前記物体を保持する物体ステージであり、
    前記特定物体は、前記物体ステージに固定され、前記物体を保持する保持装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  11. 前記移動体の前記固定部は、前記保持装置の異なる3点に接触することを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
  12. 前記物体ステージ及び前記保持装置の一方に、前記保持装置と前記固定部との接触部を取り囲む凸部が形成され、
    前記所定空間は、前記凸部によってほぼ囲まれた空間であることを特徴とする請求項10又は11に記載の露光装置。
  13. 前記物体ステージ全体を取り囲む第2チャンバを更に備え、
    前記所定空間は、前記第2チャンバ内の空間を含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 前記移動体は、搬送対象物を保持して搬送する搬送アームであり、
    前記特定物体は、前記マスク、物体及び該物体を保持する保持装置のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  15. 前記特定物体は、真空吸着により前記移動体に固定されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 前記移動体は前記マスクを保持するマスクステージ及び前記物体を保持する物体ステージのいずれかであり、
    前記特定物体は、前記移動体に固定され、該移動体の位置計測に用いられる反射面を有する反射部材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  17. 前記特定物体は、前記移動体の前記固定部にねじ止めされていることを特徴とする請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記所定空間内に、静電気を発生しやすい静電気発生部材が配置される場合には、該静電気発生部材は導電性部材により被覆されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. 前記所定空間外に静電気を発生する静電気発生部材が配置されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の露光装置。
  20. 前記湿度設定装置は、前記静電気発生部材が配置される空間と前記所定空間とでそれぞれ独立に湿度を設定可能であることを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項1〜20のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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