JP2011040540A - 基板処理装置のメンテナンス方法、基板処理装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板処理装置を構成する構成部品を容易に取り出すことができる基板処理装置のメンテナンス方法、基板処理装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】支持部64を、床部11の第1開口部40を介して下側の領域13から上側の領域12に移動させる。そして、支持部64に、露光装置14のうち上側の領域12に設置される投影光学系22を支持させる。投影光学系22を支持する支持部64を重力方向に沿って下方に移動させる。すると、投影光学系22は、支持部64によって、上側の領域12から第1開口部40を介して下側の領域13に移動する。
【選択図】図8
【解決手段】支持部64を、床部11の第1開口部40を介して下側の領域13から上側の領域12に移動させる。そして、支持部64に、露光装置14のうち上側の領域12に設置される投影光学系22を支持させる。投影光学系22を支持する支持部64を重力方向に沿って下方に移動させる。すると、投影光学系22は、支持部64によって、上側の領域12から第1開口部40を介して下側の領域13に移動する。
【選択図】図8
Description
本発明は、基板処理装置を構成する複数の構成部品のうち、特定の構成部品を取り外すための基板処理装置のメンテナンス方法、複数の構成部品のうち、取り外し可能な構成部品を備える基板処理装置、及び該基板処理装置を用いるデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、ウエハ、ガラスプレートなどの基板に特定の処理を施す基板処理装置の一種として、基板に所定のパターンを形成するための露光装置が広く知られている。こうした露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクルなどのマスクを露光光で照明する照明光学系と、マスクを照明した露光光によって該マスクのパターンの像を感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレートなどの基板に投影する投影光学系とを備えている。
ところで、照明光学系及び投影光学系は、露光光の光路に沿って配置される複数の光学部材をそれぞれ備えている。各光学系を構成する各光学部材には、炭素を主成分とするカーボンコンタミ(即ち、カーボンコンタミネーションの略であり、炭素を主成分とする汚れ)などの異物が付着する可能性がある。こうした異物が光学部材に付着すると、光学系の光学特性が微妙に変化し、基板に形成されるパターンに歪みなどが発生するおそれがある。そのため、投影光学系を定期的又は不定期で露光装置から取り外し、投影光学系のメンテナンス又は交換を行なう必要がある。そこで、投影光学系を取り外し可能な露光装置として、例えば特許文献1に記載の露光装置が従来から提案されている。
すなわち、上記露光装置は、該露光装置が設置される床部に配置されるベース部材と、該ベース部材上にスライド可能な状態で配置されるフレーム機構と、該フレーム機構に支持される投影光学系とを備えている。フレーム機構は、投影光学系を、ウエハを保持するウエハステージの直上位置で、マスクのパターン像を基板に投影する動作位置と、該動作位置の側方に設定される退避位置との二位置間でスライドさせることができるように構成されている。そして、投影光学系を露光装置から取り外す場合、フレーム機構によって投影光学系を動作位置から退避位置にスライドさせた後、投影光学系が露光装置から取り外される。したがって、上記露光装置では、投影光学系を、照明光学系やウエハステージなどの他の構成部品に接触させることなく露光装置から取り外すことが可能であった。
ところで、マイクロデバイスを製造する製造現場には、露光装置を含む多数の製造装置が設置されている。そして、投影光学系を動作位置から退避位置にスライドさせ、その後投影光学系を露光装置から取り外す場合、退避位置にスライドされた投影光学系を上方につり上げるためのクレーンを用意する必要性があった。そのため、製造現場には、他の製造装置との間に比較的広い予備スペースを設ける必要があった。さらに、多数の製造装置が設置される製造現場にクレーンを運び込む際には、該クレーンが製造装置などに接触しないように注意を払う必要がある。そのため、露光装置からの投影光学系の取り外しには、多大なる時間と労力がかかる問題があった。
こうした問題は、投影光学系に限らず、照明光学系などの他の構成部品を露光装置から取り外す際にも起こり得る問題であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板処理装置を構成する複数の構成部品のうち、特定の構成部品を容易に取り出すことができる基板処理装置のメンテナンス方法、基板処理装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板処理装置を構成する複数の構成部品のうち、特定の構成部品を容易に取り出すことができる基板処理装置のメンテナンス方法、基板処理装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の基板処理装置のメンテナンス方法は、基板処理装置(14)を構成し且つ床部(11)の上側に配置される複数の構成部品(20,21,22,23)のうち、特定の構成部品(20、21、22、23)を前記基板処理装置(14)から取り外すための基板処理装置のメンテナンス方法であって、前記床部(11)に形成された第1開口部(40)を塞ぐ床用蓋部材(41)を、前記床部(11)の下側から取り外し、前記床部(11)の上側の領域(12)と前記床部(11)の下側の領域(13)とを前記第1開口部(40)を介して連通させる連通ステップ(S12)と、前記第1開口部(40)を介して前記下側の領域(13)から前記上側の領域(12)に支持部(64)を移動させ、該支持部(64)によって前記特定の構成部品(20、21、22、23)を支持する支持ステップ(S13)と、前記特定の構成部品(20、21、22、23)を支持する前記支持部(64)を前記上側の領域(12)から前記第1開口部(40)を介して前記下側の領域(13)に移動させる移動ステップ(S15)と、を有することを要旨とする。
本発明の基板処理装置のメンテナンス方法は、基板処理装置(14)を構成し且つ床部(11)の上側に配置される複数の構成部品(20,21,22,23)のうち、特定の構成部品(20、21、22、23)を前記基板処理装置(14)から取り外すための基板処理装置のメンテナンス方法であって、前記床部(11)に形成された第1開口部(40)を塞ぐ床用蓋部材(41)を、前記床部(11)の下側から取り外し、前記床部(11)の上側の領域(12)と前記床部(11)の下側の領域(13)とを前記第1開口部(40)を介して連通させる連通ステップ(S12)と、前記第1開口部(40)を介して前記下側の領域(13)から前記上側の領域(12)に支持部(64)を移動させ、該支持部(64)によって前記特定の構成部品(20、21、22、23)を支持する支持ステップ(S13)と、前記特定の構成部品(20、21、22、23)を支持する前記支持部(64)を前記上側の領域(12)から前記第1開口部(40)を介して前記下側の領域(13)に移動させる移動ステップ(S15)と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、床用蓋部材(41)が床部(11)の下側から取り外された後、支持部(64)を下側の領域(13)から上側の領域(12)に第1開口部(40)を介して移動させ、特定の構成部品(20、21、22、23)を支持部(64)で支持させる。そして、この状態で支持部(64)を、第1開口部(40)を介して上側の領域(12)から下側の領域(13)に移動させることにより、基板処理装置(14)から特定の構成部品(20、21、22、23)が取り外される。
本発明の基板処理装置は、複数の構成部品(20,21,22,23)を有する処理装置本体(19)と、床部(11)の上側の領域(12)に設置され、且つ前記処理装置本体(19)を収容するチャンバ(16)とを備えた基板処理装置(14)であって、前記床部(16)には、前記複数の構成部品(20,21,22,23)のうち特定の構成部品(20、21、22、23)が重力方向に沿って通過可能な第1開口部(40)が形成されており、前記チャンバ(16)は、前記床部(11)の前記第1開口部(40)に対応する位置に形成された第2開口部(42)を塞ぐチャンバ用蓋部材(43)を有し、前記第2開口部(42)は、前記特定の構成部品(20、21、22、23)が重力方向に沿って通過可能に形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、チャンバ(16)からチャンバ用蓋部材(43)を取り外すことにより、チャンバ(16)内は、床部(11)の下側の領域と連通状態になる。そして、チャンバ(16)内の特定の構成部品(20、21、22、23)を、第1開口部(40)及び第2開口部(42)を介して床部(11)よりも下側の領域に移動させることが可能になる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、基板処理装置を構成する複数の構成部品のうち、特定の構成部品を容易に取り出すことができる。
以下に、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図9に基づき説明する。なお、本実施形態では、投影光学系の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向をY軸方向とし、その走査方向に直交する非走査方向をX軸方向として説明する。また、X軸、Y軸、Z軸の周りの回転方向をθx方向、θy方向、θz方向ともいう。
図1に示すように、床部11によって重力方向(図1における上下方向)における上側の領域12と下側の領域13に区画される製造現場には、基板処理装置の一例として露光装置14が設けられている。この露光装置14は、下側の領域13に配置される図示しない光源装置を備え、この光源装置は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を射出する。本実施形態における露光装置14は、EUV光を露光光ELとして用いるEUV露光装置である。こうした露光装置14は、床部11上に複数(図1では2つのみ図示)の支持部材15を介して設置され、且つ内部が大気よりも低圧の真空雰囲気に設定されるチャンバ16を備えている。このチャンバ16の側壁(図1では左側壁の上方)には、チャンバ16内を真空排気する真空排気装置17が設けられている。また、チャンバ16の側壁(図1では右側壁の上方)には、チャンバ16内に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給するためのガス供給装置18が設けられている。
また、チャンバ16内には、露光装置本体19が収容されている。この露光装置本体19は、図示しない光源装置からチャンバ16内に導かれた露光光ELで所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを照明する照明光学系20と、パターンの形成されたパターン形成面Raが−Z方向側(図1では下側)に位置するようにレチクルRを保持するレチクルステージ21とを備えている。また、露光装置本体19は、レチクルRを介した露光光ELでレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを照射する投影光学系22と、感光性材料の塗布面Waが+Z方向側(図1では上側)に位置するようにウエハWを保持するウエハステージ23とをさらに備えている。なお、本実施形態の光源装置としては、レーザ励起プラズマ光源が用いられており、該光源装置は、波長が5〜20nm(例えば13.5nm)となるEUV光を露光光ELとして射出する。また、光源装置は、投影光学系22の直下位置とは異なる位置に配置されている。
また、チャンバ16内には、その底部16aから+Z方向側に延びる複数(図1では2つのみ図示)のコラム24が設けられており、該各コラム24は、投影光学系22を包囲するように周方向に沿って等間隔にそれぞれ配置されている。また、各コラム24の+Z方向側の端部(図1では上端)は、投影光学系22よりも+Z方向側にそれぞれ位置している。また、各コラム24のZ軸方向における中途部位(より詳しくはZ軸方向における中央よりも−Z方向側)には、投影光学系22を保持するための保持部材25が第1ボルト26によってそれぞれ固定されている。なお、各保持部材25は、第1ボルト26を外すことによりコラム24からそれぞれ取り外し可能である。
さらに、チャンバ16内における投影光学系22よりも+Z方向側には、レチクルステージ21を支持するための支持プレート27が設けられている。この支持プレート27は、防振部28を介して各コラム24に支持されている。
照明光学系20は、チャンバ16の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される筐体29を備えており、該筐体29は、図示しない支持部材によって支持されている。こうした筐体29内には、筐体29内に入射された露光光ELを反射可能な複数の図示しない反射ミラーが設けられている。そして、各反射ミラーによって順に反射された露光光ELは、後述する鏡筒33内に設置された折り返し用の反射ミラー30に入射し、該反射ミラー30で反射した露光光ELは、投影光学系22の+Z方向側に位置する支持プレート27の開口27aを通過してレチクルステージ21に保持されるレチクルRに照射する。なお、照明光学系20を構成する各反射ミラー(折り返し用の反射ミラー30も含む。)の反射面には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜である反射層がそれぞれ形成されている。
レチクルステージ21は、投影光学系22の物体面側(図1では、投影光学系22の上側)に配置されると共に、支持プレート27に移動可能な状態で支持されている。こうしたレチクルステージ21は、レチクルRを静電吸着するための第1静電吸着保持装置31を備えており、該第1静電吸着保持装置31は、誘電性材料から構成され且つ吸着面32aを有する基体32と、該基体32内に配置される図示しない複数の電極部とを備えている。そして、図示しない電圧印加部から電圧が各電極部にそれぞれ印加された場合、基体32から発生されるクーロン力により、吸着面32aにレチクルRが静電吸着される。
また、レチクルステージ21は、図示しないレチクルステージ駆動部の駆動によって、Y軸方向(図1における左右方向)に移動可能である。すなわち、レチクルステージ駆動部は、第1静電吸着保持装置31に保持されるレチクルRをY軸方向に所定ストロークで移動させる。また、レチクルステージ駆動部は、レチクルRをX軸方向(図1において紙面と直交する方向)及びθz方向にも移動させることが可能である。なお、レチクルRには、パターン形成面Raに露光光ELが照射された場合に、X軸方向に延びる略円弧状の照明領域が形成される。
投影光学系22は、露光光ELでレチクルRのパターン形成面Raを照明することにより形成されたパターンの像を所定の縮小倍率(例えば1/4倍)に縮小させる光学系であって、その光軸(図示略)に平行なZ軸方向と重力方向とが一致するように配置されている。こうした投影光学系22は、チャンバ16の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される鏡筒33を備えている。この鏡筒33のZ軸方向における中途位置(図1では、上下方向における中央よりも下側)には、円環状をなすフランジ部34が設けられている。そして、鏡筒33は、そのフランジ部34が保持部材25に保持されることにより各コラム24に支持されている。
また、鏡筒33内には、複数(一例としては6つであって、図1では1つのみ図示)の反射ミラー35が収容されている。そして、物体面側であるレチクルR側から導かれた露光光ELは、各反射ミラー35に順に反射され、ウエハステージ23に保持されるウエハWに導かれる。なお、各反射ミラー35の反射面には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜である反射層がそれぞれ形成されている。
ウエハステージ23は、Z軸方向(即ち、重力方向)においてチャンバ16の底部16aと投影光学系22との間に配置されている。ウエハステージ23は、ウエハWを静電吸着するための第2静電吸着保持装置36を備え、該第2静電吸着保持装置36は、誘電性材料から構成され且つ吸着面37aを有する基体37、該基体37内に配置される図示しない複数の電極部とを備えている。そして、図示しない電圧印加部から電圧が各電極部にそれぞれ印加された場合、基体37から発生されるクーロン力により、吸着面37aにウエハWが静電吸着される。また、ウエハステージ23には、第2静電吸着保持装置36を保持する図示しないウエハホルダと、該ウエハホルダのZ軸方向における位置及びX軸周り、Y軸周りの傾斜角を調整する図示しないZレベリング機構とが組み込まれている。
こうしたウエハステージ23は、図示しないウエハステージ駆動部によって、Y軸方向に移動可能である。すなわち、ウエハステージ駆動部は、第2静電吸着保持装置36に保持されるウエハWをY軸方向に所定ストロークで移動させる。また、ウエハステージ駆動部は、第2静電吸着保持装置36に保持されるウエハWをX軸方向及びZ軸方向にも移動可能に構成されている。
そして、ウエハW上の一つのショット領域にレチクルRのパターンを形成する場合、照明光学系20によって照明領域をレチクルRに形成した状態で、レチクルステージ駆動部の駆動によって、レチクルRをY軸方向(例えば、+Y方向側から−Y方向側)に所定ストローク毎に移動させるとともに、ウエハステージ駆動部の駆動によって、ウエハWをレチクルRのY軸方向に沿った移動に対して投影光学系22の縮小倍率に応じた速度比で−Y方向側から+Y方向側(図1では左側から右側)に同期して移動させる。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
なお、本実施形態においてチャンバ16が設置される床部11には、図1及び図2に示すように、投影光学系22がZ軸方向(床部11の床面と直交する方向)に沿って通過できる程度の開口面積を有する第1開口部40が形成されている。この第1開口部40は、その内部に床用蓋部材41が取り付けられることにより閉塞される。すなわち、第1開口部40が非閉塞状態である場合、床部11によって区画される各領域12,13は、第1開口部40を介して互いに連通する。
また、チャンバ16の底部16aにおいて第1開口部40と対応する位置には、投影光学系22がZ軸方向(チャンバ16の底部16aの底面と直交する方向)に沿って通過できる程度の開口面積を有する第2開口部42が形成されており、該第2開口部42は、その内部にチャンバ用蓋部材43が取り付けられることにより閉塞される。すなわち、チャンバ16内は、第1開口部40及び第2開口部42が共に非閉塞状態である場合、各開口部40,42を介して下側の領域13と連通する。
さらに、チャンバ16の+Y方向側の側壁(図1では右側壁)16bには、ウエハステージ23が通過できる程度の開口面積を有する第3開口部44が形成されており、該第3開口部44は、第3開口部用蓋部材45によって閉塞されている。また、チャンバ16の−Y方向側の側壁(図1では左側壁)16cには、該−Y方向側の側壁16cに接近した位置に配置されるコラム24に支持される保持部材25を取り出すことができる程度の開口面積を有する第4開口部46が形成されており、該第4開口部46は、第4開口部用蓋部材47によって閉塞されている。
そして、チャンバ16の各開口部42,44,46が各蓋部材43,45,47でそれぞれ閉塞された状態で真空排気装置17が作動することにより、チャンバ16内が高真空度に維持される。一方、各開口部42,44,46のうち少なくとも一つが開口された場合、ガス供給装置18の作動によってチャンバ16内の圧力が外部よりも高圧になるように、ガス供給装置18からガスが供給され、チャンバ16内に外部から空気などが流入することが回避することができる。
次に、各開口部40,42,44,46に対する各蓋部材41,43,45,47の取り付け構造について、図1及び図2に基づき説明する。
図2に示すように、床部11の第1開口部40は、投影光学系22のフランジ部34の直径よりも大きな直径を有する第1小径部40aと、該第1小径部40aの−Z方向側(床部11の底面と反対側、すなわち床部11の下側の領域13側)に位置し且つ第1小径部40aよりも大きな直径を有する第1大径部40bとから構成されている。こうした第1開口部40に取付可能な床用蓋部材41は、第1開口部40の第1小径部40aに挿入可能な床用小径蓋部41aと、該床用小径蓋部41aの−Z方向側(床部11の下側の領域13側)に位置し且つ第1大径部40bに挿入可能な床用大径蓋部41bとを備えている。すなわち、第1開口部40を閉塞する床用蓋部材41は、床部11から下側の領域13側に取り外し可能であって、上側の領域12側への取り外しは不能である。また、床用蓋部材41の床用大径蓋部41bにおいて床用小径蓋部41aの外周縁よりも径方向外側には、周方向に沿って等間隔に配置される複数(図2では1つのみ図示)のボルト孔50が形成されると共に、床部11の下側の領域側の面において各ボルト孔50に対応する各位置には、ボルト穴51がそれぞれ形成されている。そして、各ボルト孔50を貫通した各第2ボルト52の先端が各ボルト穴51に螺入されることにより、床用蓋部材41は、床部11に固定される。さらに、床用蓋部材41において後述する各第3ボルト57と対応する各位置には、貫通孔53がそれぞれ形成されている。
図2に示すように、床部11の第1開口部40は、投影光学系22のフランジ部34の直径よりも大きな直径を有する第1小径部40aと、該第1小径部40aの−Z方向側(床部11の底面と反対側、すなわち床部11の下側の領域13側)に位置し且つ第1小径部40aよりも大きな直径を有する第1大径部40bとから構成されている。こうした第1開口部40に取付可能な床用蓋部材41は、第1開口部40の第1小径部40aに挿入可能な床用小径蓋部41aと、該床用小径蓋部41aの−Z方向側(床部11の下側の領域13側)に位置し且つ第1大径部40bに挿入可能な床用大径蓋部41bとを備えている。すなわち、第1開口部40を閉塞する床用蓋部材41は、床部11から下側の領域13側に取り外し可能であって、上側の領域12側への取り外しは不能である。また、床用蓋部材41の床用大径蓋部41bにおいて床用小径蓋部41aの外周縁よりも径方向外側には、周方向に沿って等間隔に配置される複数(図2では1つのみ図示)のボルト孔50が形成されると共に、床部11の下側の領域側の面において各ボルト孔50に対応する各位置には、ボルト穴51がそれぞれ形成されている。そして、各ボルト孔50を貫通した各第2ボルト52の先端が各ボルト穴51に螺入されることにより、床用蓋部材41は、床部11に固定される。さらに、床用蓋部材41において後述する各第3ボルト57と対応する各位置には、貫通孔53がそれぞれ形成されている。
チャンバ16の底部16aの第2開口部42は、投影光学系22のフランジ部34の直径よりも大きく且つ第1開口部40の第1小径部40aの直径よりも小さい直径を有する第2小径部42aと、該第2小径部42aよりも大きく且つ第1開口部40の第1小径部40aの直径よりも小さい直径を有する第2大径部42bとから構成されている。この第2大径部42bは、第2小径部42aの−Z方向側(床部11側)に位置している。こうした第2開口部42に挿入可能なチャンバ用蓋部材43は、第2開口部42の第2小径部42aに取付可能なチャンバ用小径蓋部43aと、該チャンバ用小径蓋部43aの−Z方向側(床部11側)に位置し且つ第2大径部42bに取付可能なチャンバ用大径蓋部43bとから構成されている。すなわち、チャンバ用蓋部材43は、床用蓋部材41と同様に、チャンバ16の底部16aから下側の領域13側に取り外し可能であって、上側の領域12側への取り外しは不能である。また、チャンバ用蓋部材43は、床部11の第1開口部40をZ軸方向に沿って通過可能である。
また、第2開口部42内にチャンバ用蓋部材43を取り付ける場合、底部16aとチャンバ用大径蓋部43bの径方向外側部位との間には、チャンバ16内の気密保護を図るために、リング状をなす合成ゴム性の封止部材54が配置される。また、チャンバ用蓋部材43のチャンバ用大径蓋部43bにおいて封止部材54の配置位置よりも径方向外側には、周方向に沿って等間隔に配置される複数(図2では1つのみ図示)のボルト孔55が形成されると共に、チャンバ16の底部16aにおいて各ボルト孔55に対応する各位置には、ボルト穴56がそれぞれ形成されている。そして、各ボルト孔55を貫通した各第3ボルト57の先端が各ボルト穴56に螺入されることにより、床用蓋部材41は、床部11に固定される。このとき、封止部材54がチャンバ16の底部16aとチャンバ用蓋部材43とによってZ軸方向に押圧されることにより、チャンバ16内の気密が図られる。
図1に示すように、チャンバ16の+Y方向側の側壁16bに形成された第3開口部44は、該第3開口部44の開口面積よりも大きな面積を有する第3開口部用蓋部材45が+Y方向側の側壁16bに固定されることにより閉塞されている。なお、第3開口部用蓋部材45と+Y方向側の側壁16bとの間には、チャンバ16内の気密保護を図るために、リング状をなす合成ゴム性の封止部材(図示略)が配置される。同様に、チャンバ16の−Y方向側の側壁16cに形成された第4開口部46は、該第4開口部46の開口面積よりも大きな面積を有する第4開口部用蓋部材47が−Y方向側の側壁16cに固定されることにより閉塞されている。なお、第4開口部用蓋部材47と−Y方向側の側壁16cとの間には、チャンバ16内の気密保護を図るために、リング状をなす合成ゴム性の封止部材(図示略)が配置される。
次に、下側の領域13に配置される装置について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、下側の領域13には、投影光学系22をチャンバ16外に取り外す際に用いられる取外し装置60が設けられている。この取外し装置60は、基部61と、下側の領域13の床部13Aに沿って基部61を移動させるための複数の車輪62とを備えている。こうした取外し装置60の基部61上には、Z軸方向に沿って伸縮自在な伸縮機構63と、該伸縮機構63の+Z方向側端部に支持され且つ投影光学系22を支持するための支持部64とが設けられている。伸縮機構63は、支持部64によって支持される投影光学系22の重量に耐えることができる程度の剛性を有すると共に、図示しない駆動源からの駆動力に基づき伸縮するように構成されている。
図1に示すように、下側の領域13には、投影光学系22をチャンバ16外に取り外す際に用いられる取外し装置60が設けられている。この取外し装置60は、基部61と、下側の領域13の床部13Aに沿って基部61を移動させるための複数の車輪62とを備えている。こうした取外し装置60の基部61上には、Z軸方向に沿って伸縮自在な伸縮機構63と、該伸縮機構63の+Z方向側端部に支持され且つ投影光学系22を支持するための支持部64とが設けられている。伸縮機構63は、支持部64によって支持される投影光学系22の重量に耐えることができる程度の剛性を有すると共に、図示しない駆動源からの駆動力に基づき伸縮するように構成されている。
支持部64は、有底略円筒形状をなすように形成されている。こうした支持部64の円筒部64aの厚み寸法H1は、鏡筒33の外周部と該外周部に対向する保持部材25の内側の面との間の間隔寸法H2よりも僅かに小さい。また、支持部64の円筒部64aのZ軸方向における長さL1は、鏡筒33の−Z方向側の端部からフランジ部34までの長さL2よりも僅かに長い。
ここで、本実施形態の露光装置14で露光処理を行ない続けると、投影光学系22を構成する各反射ミラー35に炭素を主成分とする異物(所謂カーボンコンタミネーション)や酸化膜などが付着することがある。この場合、各反射ミラー35の反射率の低下や光学特性の変化などが発生するため、露光装置14のメンテナンスの一環として、定期的又は不定期で投影光学系22のメンテナンス又は交換を行なう必要がある。投影光学系22のメンテナンス又は交換を行なうためには、投影光学系22をチャンバ16外に取り外す必要がある。
そこで次に、本実施形態における露光装置14のメンテナンス方法(具体的には、投影光学系22の取外し方法)について、図3に示すフローチャート及び図4〜図9に示す作用図に基づき説明する。
さて、投影光学系22をチャンバ16外に取り外す場合、ステップS10において、真空排気装置17の作動が停止されると共に、ガス供給装置18の作動が開始される。すなわち、チャンバ16内の圧力は、ガス供給装置18からの窒素ガスの供給によって、チャンバ16外の圧力(即ち、大気圧)よりも高圧に調整される。続いて、ステップS11において、図4に示すように、チャンバ16の側壁16b,16cに固定される第3開口部用蓋部材45及び第4開口部用蓋部材47がチャンバ16からそれぞれ取り外される。このとき、チャンバ16内は、第3開口部44及び第4開口部46を介して外部と連通状態になる。しかし、チャンバ16内は外部よりも高圧であるため、チャンバ16内には、外部からの大気(及び該大気に含まれる埃などの異物)が開口状態の各開口部44,46を介してほとんど流入しない。そして、ウエハステージ23は、図5に示すように、開口状態になった第3開口部44を介してチャンバ16外に退避される。なお、図面上では省略されているが、ウエハステージ23には、ウエハWを冷却するために冷媒を供給する冷媒用配管や各種電気配線が接続されている。そのため、ウエハステージ23をチャンバ16外に退避させる際には、チャンバ16内でウエハステージ23から冷媒用配管や各種電気配線を取り外し、その後、第3開口部44を介してウエハステージ23を外部に退避させることが望ましい。
図3に戻り、ステップS12において、床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43が床部11及びチャンバ16の底部16aからそれぞれ取り外される。具体的には、まず始めに、取外し装置60が床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43の直下位置に配置され、取外し装置60の支持部64は、伸縮機構63の伸張作動によって+Z方向側に移動して床用蓋部材41を支持する。この状態で、床部11に床用蓋部材41を固定するための各第2ボルト52がそれぞれ取り外され、その後、床用蓋部材41は、床部11の第1開口部40から脱される。こうした床用蓋部材41を支持する支持部64は、伸縮機構63の収縮作動によって−Z方向側に移動する。そして、取外し装置60は、床用蓋部材41を側方に置いた後、再びチャンバ用蓋部材43の直下位置に配置される。
続いて、取外し装置60の支持部64は、伸縮機構63の伸張作動によって+Z方向側に移動してチャンバ用蓋部材43を支持する。この状態で、チャンバ16の底部16aにチャンバ用蓋部材43を固定するための各第3ボルト57がそれぞれ取り外され、その後、チャンバ用蓋部材43は、チャンバ16の底部16aの第2開口部42から脱される。こうしたチャンバ用蓋部材43を支持する支持部64は、伸縮機構63の収縮作動によって−Z方向側に移動する。そして、取外し装置60は、チャンバ用蓋部材43を側方に置いた後、再び投影光学系22の直下位置に配置される。その結果、図6に示すように、チャンバ16内は、第1開口部40及び第2開口部42を介して下側の領域13と連通状態になる。
図3に戻り、ステップS13において、取外し装置60の支持部64は、伸縮機構63の伸張作動によって+Z方向側に移動して投影光学系22(より詳しくは、鏡筒33のフランジ部34)を支持する。このとき、支持部64の円筒部64aは、図7に示すように、径方向において鏡筒33の側壁と各保持部材25との間に配置される。また、鏡筒33の−Z方向側端部は、支持部64の底面に当接することはない。なお、投影光学系22には、各反射ミラー35などを冷却するために冷媒を供給する冷媒用配管や各種電気配線が接続されている。そのため、投影光学系22が各保持部材25で支持されている間に、投影光学系22から冷媒用配管や各種電気配線を取り外すことが望ましい。
図3に戻り、ステップS14において、各保持部材25は、各第1ボルト26が各コラム24からそれぞれ取り外されることにより該各コラム24からそれぞれ取り外される。こうした各保持部材25は、チャンバ16の側壁16b,16cの各開口部44,46を介してチャンバ16外にそれぞれ退避される。すると、図8に示すように、投影光学系22は、取外し装置60の支持部64によって支持された状態になる。
図3に戻り、ステップS15において、投影光学系22を支持する支持部64は、伸縮機構63の収縮作動によって−Z方向側に移動する。すなわち、図9に示すように、投影光学系22は、取外し装置60によって、チャンバ16内から下側の領域13に退避される。こうしてチャンバ16外に取り外された投影光学系22は、必要に応じて各種メンテナンスが行なわれる。例えば、反射ミラー35に付着した異物の除去や反射ミラー35の交換が行なわれる。
次に、チャンバ16内への投影光学系22の設置方法について簡単に説明する。
基本的には、図3に示すステップS10〜S15の各処理を反対側から順に実行する。すなわち、メンテナンス済み又は新しい投影光学系22は、取外し装置60によって下側の領域13から+Z方向側に移動し、チャンバ16内の予め設定された所定位置まで移動する。そして、各コラム24には、第1ボルト26によって保持部材25を固定させる。その後、取外し装置60の伸縮機構63の収縮作動によって−Z方向側に移動することによって、フランジ部34が保持部材25に載置される。すなわち、各コラム24は、各保持部材25がフランジ部34を保持することにより投影光学系22をそれぞれ支持する。そして、取外し装置60の支持部64は、伸縮機構63の収縮作動によって下側の領域13まで移動する。なお、この状態で、投影光学系22に対して冷媒用配管や各種電気配線を取り付けることが望ましい。
基本的には、図3に示すステップS10〜S15の各処理を反対側から順に実行する。すなわち、メンテナンス済み又は新しい投影光学系22は、取外し装置60によって下側の領域13から+Z方向側に移動し、チャンバ16内の予め設定された所定位置まで移動する。そして、各コラム24には、第1ボルト26によって保持部材25を固定させる。その後、取外し装置60の伸縮機構63の収縮作動によって−Z方向側に移動することによって、フランジ部34が保持部材25に載置される。すなわち、各コラム24は、各保持部材25がフランジ部34を保持することにより投影光学系22をそれぞれ支持する。そして、取外し装置60の支持部64は、伸縮機構63の収縮作動によって下側の領域13まで移動する。なお、この状態で、投影光学系22に対して冷媒用配管や各種電気配線を取り付けることが望ましい。
そして、チャンバ16の底部16aにチャンバ用蓋部材43を取り付けることにより、第2開口部42が閉塞される。続いて、床部11に床用蓋部材41を取り付けることにより、第1開口部40が閉塞される。この状態で、ウエハステージ23が、チャンバ16内における投影光学系22の直下位置である設定位置に設置され、その後、ウエハステージ23には、冷媒用配管や各種電気配線が取り付けられる。そして、チャンバ16の側壁16b,16cに第3開口部用蓋部材45及び第4開口部用蓋部材47を取り付けることにより、第3開口部44及び第4開口部46がそれぞれ閉塞され、チャンバ16内が密閉される。
その後、ガス供給装置18からの窒素ガスの供給を停止させ、真空排気装置17を作動させると、チャンバ16内の真空度が次第に高くなる。そして、チャンバ16内の真空度が所定の真空度以上になると、チャンバ16内での露光処理が実行可能になる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43が床部11及びチャンバ16の底部16aの下側からそれぞれ取り外された後、支持部64を下側の領域13側から上側の領域12側に第1開口部40及び第2開口部42を介して移動させ、投影光学系22を支持部64で支持させる。そして、この状態で支持部64を、第1開口部40及び第2開口部42を介して上側の領域12から下側の領域13に移動させることにより、露光装置14から投影光学系22が取り外される。そのため、投影光学系22を側方から取り出す従来の場合に比して、床部11上に設置される他の製造装置との間隔を広くする必要がない。したがって、床部11上において他の製造装置との間に広い予備スペースを確保できない製造現場であっても、露光装置14を構成する投影光学系22を容易に取り出すことができる。
(1)床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43が床部11及びチャンバ16の底部16aの下側からそれぞれ取り外された後、支持部64を下側の領域13側から上側の領域12側に第1開口部40及び第2開口部42を介して移動させ、投影光学系22を支持部64で支持させる。そして、この状態で支持部64を、第1開口部40及び第2開口部42を介して上側の領域12から下側の領域13に移動させることにより、露光装置14から投影光学系22が取り外される。そのため、投影光学系22を側方から取り出す従来の場合に比して、床部11上に設置される他の製造装置との間隔を広くする必要がない。したがって、床部11上において他の製造装置との間に広い予備スペースを確保できない製造現場であっても、露光装置14を構成する投影光学系22を容易に取り出すことができる。
(2)一般に、露光装置本体19は、上層フロアに設置され、光源装置は、下層フロアに設置される。露光装置本体19が設置される上層フロアには他の製造装置が複数設置されるのに対し、下層フロアには、上層フロアに比して製造装置などの他の装置の設置数が少ない。すなわち、下層フロアには、上層フロアよりも未使用のスペースが多い。そこで、本実施形態では、下層フロアに投影光学系22の取り出し専用の専用スペースを予め用意し、上層フロアから床部11の第1開口部40を介して下層フロアの専用スペースに投影光学系22を退避させる。そのため、投影光学系22の取り出し時に他の製造装置と接触する可能性を低減できる。したがって、従来の場合に比して、投影光学系22の取り出しにかかる労力と時間を低減することができる。
(3)また、本実施形態の露光装置14は、内部が真空雰囲気に設定されたチャンバ16内で露光処理を行なう装置である。そのため、チャンバ16の周辺や側壁には、複数の真空排気装置(真空ポンプなど)、冷媒が流動する冷媒用配管及び各種電気配線などが設けられている。投影光学系22を側方から取り出す従来の露光装置では、チャンバの側壁に投影光学系を取り出すための大きな開口部を設け、その周辺には、真空排気装置、冷媒用配管及び各種電気配線を設置しないようにする必要がある。この場合、真空排気装置、冷媒用配管及び各種電気配線のレイアウトや大きさなどに制限が加わり、チャンバ内の真空排気効率や光学部材などの冷却効率に影響を与える可能性がある。この点、本実施形態では、真空排気装置、冷媒用配管及び各種電気配線が設置されないチャンバ16の底部16aに第1開口部40を設けることになるため、真空排気装置、冷媒用配管及び各種電気配線のレイアウトや大きさの自由度が増すことになる。したがって、真空排気装置、冷媒用配管及び各種電気配線を効率良く配置でき、チャンバ内の真空排気効率や光学部材などの冷却効率を適切に設定できる。
(4)チャンバ16の底部16aと投影光学系22との間に設置されるウエハステージ23は、投影光学系22をチャンバ16内から取り出す前に、チャンバ16外に退避される。そのため、ウエハステージ23によって邪魔されることなく、投影光学系22を第1開口部40及び第2開口部42を介して下側の領域13側に取り出すことができる。したがって、投影光学系22をチャンバ16外に取り外す際に、投影光学系22とウエハステージ23とが接触することを回避できる。
(5)投影光学系22を保持する各保持部材25は、フランジ部34が支持部64によって支持されてから各コラム24からそれぞれ取り外される。そのため、各保持部材25の各コラム24からの取り外しに伴う振動が投影光学系22に伝わることを抑制できる。
(6)チャンバ16の各開口部42,44,46の少なくとも一つが開口状態になる際には、チャンバ16内の圧力が外部の圧力よりも高圧に調整される。そのため、投影光学系22をチャンバ16外に取り出す際に、開口状態にある開口部を介して大気が外部からチャンバ16内に流入することを抑制できる。すなわち、メンテナンス時に埃などの異物及び大気に含まれる酸素や水蒸気がチャンバ16内に流入することを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43を、同時に下側の領域13側に取り外してもよい。この場合、各第3ボルト57をそれぞれ取り外し、チャンバ用蓋部材43をチャンバ16の底部16aから脱させる。このとき、チャンバ用蓋部材43は、床用蓋部材41上に載置される。この状態で各第2ボルト52をそれぞれ取り外すことにより、床用蓋部材41とチャンバ用蓋部材43を、同時に下側の領域13側に取り外すことができる。
・実施形態において、床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43を、同時に下側の領域13側に取り外してもよい。この場合、各第3ボルト57をそれぞれ取り外し、チャンバ用蓋部材43をチャンバ16の底部16aから脱させる。このとき、チャンバ用蓋部材43は、床用蓋部材41上に載置される。この状態で各第2ボルト52をそれぞれ取り外すことにより、床用蓋部材41とチャンバ用蓋部材43を、同時に下側の領域13側に取り外すことができる。
・実施形態において、床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43用の取外し装置(以下、蓋用取外し装置という。)を、投影光学系22用の取外し装置60とは別に設けてもよい。この場合、蓋用取外し装置で床用蓋部材41及びチャンバ用蓋部材43を支持させた状態で、投影光学系22の取り外しや取り付けを行なうことができる。そのため、取外し装置60の支持部64に支持させる部材を、必要に応じて取り替える必要性がなくなる。
・実施形態において、ウエハステージ23を、第1開口部40及び第2開口部42を介して下側の領域13側に退避させてもよい。この場合、ウエハステージ23の取り外し時には、該ウエハステージ23をチャンバ用蓋部材43に固定させ、そして、ウエハステージ23をチャンバ用蓋部材43と共に下側の領域13側に退避させることが望ましい。
・実施形態において、第1開口部40を閉塞する床用蓋部材41を、省略してもよい。この場合、床部11は、露光装置14の重量に十分に耐えることができる程度の剛性を有することが望ましい。
・実施形態において、チャンバ16を、肉厚な剛性を有する支持台(例えば、ステンレスなどから構成される支持台)を介して床部11上に配置してもよい。この場合、支持台において第1開口部40及び第2開口部42と対応する位置には、投影光学系22が通過できる程度の開口面積を有する貫通孔を設けることが望ましい。
・上記実施形態では、投影光学系22の取り外し方法に具体化したが、照明光学系20を下側の領域13側に取り出す方法に具体化もよいし、ウエハステージ23を下側の領域13側に取り出す方法に具体化もよい。また、レチクルステージ21を下側の領域13側に取り出す方法に具体化もよい。
・実施形態において、露光光源は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157nm)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(126nm)等を供給可能な光源であってもよい。また、露光光源は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を供給可能な光源であってもよい。
こうしたビームを露光光ELとして用いる場合、露光装置14は、チャンバ16を省略した構成であってもよい。
・実施形態において、露光装置14は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置14は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・実施形態において、露光装置14は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置14は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・実施形態において、投影光学系を交換又はメンテナンスの対象としたが、これに限定されず、ウエハステージや、照明光学系を対象としてもよい。また、基板処理装置として、ウエハWなどの基板に対して露光装置以外の装置、例えば、ウエハに感光性材料を塗布したり、感光性材料に形成されたパターンを現像したりする塗布現像装置や、基板の検査装置などに具体化してもよい。この場合、塗布現像装置、あるいは基板検査装置を構成する複数の構成部品のうち、特定の構成部品(塗布現像装置であれば現像部や塗布部、基板検査装置であれば、検査光学系)に適用することも可能である。
次に、本発明の実施形態の露光装置14によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図10は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図11は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置14)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…床部、12…上側の領域、13…下側の領域、14…基板処理装置としての露光装置、16…チャンバ、16b,16c…側壁、19…処理装置本体としての露光装置本体、20…構成部品及び特定の構成部品としての照明光学系、21…構成部品及び特定の構成部品としてのレチクルステージ、22…構成部品及び特定の構成部品としての投影光学系、23…構成部品、特定の構成部品、第1の構成部品及び保持装置としてのウエハステージ、24…フレーム部材としてのコラム、25…保持部材、29…筐体、33…筐体としての鏡筒、34…フランジ部、35…光学部材としての反射ミラー、40…第1開口部、41…床用蓋部材、42…第2開口部、43…チャンバ用蓋部材、44…第3開口部、45…蓋部としての第3開口部用蓋部材、60…取外し装置、64…支持部、EL…放射ビームとしての露光光、W…被照射体、基板としてのウエハ。
Claims (14)
- 基板処理装置を構成し且つ床部の上側に配置される複数の構成部品のうち、特定の構成部品を前記基板処理装置から取り外すための基板処理装置のメンテナンス方法であって、
前記床部に形成された第1開口部を塞ぐ床用蓋部材を、前記床部の下側から取り外し、前記床部の上側の領域と前記床部の下側の領域とを前記第1開口部を介して連通させる連通ステップと、
前記第1開口部を介して前記下側の領域から前記上側の領域に支持部を移動させ、該支持部によって前記特定の構成部品を支持する支持ステップと、
前記特定の構成部品を支持する前記支持部を、前記上側の領域から前記第1開口部を介して前記下側の領域に移動させる移動ステップと、を有することを特徴とする基板処理装置のメンテナンス方法。 - 前記複数の構成部品のうち前記特定の構成部品とは異なる第1の構成部品は、重力方向において前記特定の構成部品と前記床用蓋部材との間の設置位置に配置されており、
前記第1の構成部品を、前記設置位置から退避させる退避ステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置のメンテナンス方法。 - 前記基板処理装置は、内部が所定雰囲気に設定され且つ前記上側の領域に配置されるチャンバ内で基板の処理を行う装置であって、
前記チャンバの内部雰囲気を外部雰囲気よりも高圧に調整する圧力調整ステップをさらに有し、
前記連通ステップでは、前記圧力調整ステップで前記チャンバの内部雰囲気を外部雰囲気よりも高圧に調整した状態で、前記床用蓋部材、及び前記チャンバの底部において前記第1開口部に対応する位置に形成された第2開口部を塞ぐチャンバ用蓋部材を、前記下側の領域側に取り外すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置のメンテナンス方法。 - 前記基板処理装置は、前記特定の構成部品を保持する保持部材を備えており、
前記支持ステップの実行後、前記保持部材を、前記特定の構成部品から離れた位置に退避させる保持部材退避ステップをさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の基板処理装置のメンテナンス方法。 - 前記特定の構成部品は、少なくとも一つの光学部材を有する光学系であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の基板処理装置のメンテナンス方法。
- 前記第1の構成部品は、放射ビームが照射される被照射体を保持する保持装置であることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置のメンテナンス方法。
- 複数の構成部品を有する処理装置本体と、床部の上側の領域に設置され、且つ前記処理装置本体を収容するチャンバとを備えた基板処理装置であって、
前記床部には、前記複数の構成部品のうち特定の構成部品が重力方向に沿って通過可能な第1開口部が形成されており、
前記チャンバは、前記床部の前記第1開口部に対応する位置に形成された第2開口部を塞ぐチャンバ用蓋部材を有し、
前記第2開口部は、前記特定の構成部品が重力方向に沿って通過可能に形成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 前記床部よりも下側の領域に配置され、前記特定の構成部品を支持する状態で重力方向に沿って移動可能な支持部を有する取外し装置をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
- 前記床部と前記特定の構成部品との間の設置位置には、前記複数の構成部品のうち第1の構成部品が配置されており、
前記チャンバは、その側壁に前記第1の構成部品が通過可能な形状で形成される第3開口部と、該第3開口部を閉塞可能な蓋部と、を有することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。 - 前記床部の第1開口部は、床用蓋部材によって閉塞可能であり、該床用蓋部材は、前記床部から該床部よりも下側の領域側に取り外し可能であることを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の基板処理装置。
- 前記チャンバ内に配置され、前記上側の領域に配置されるフレーム部材と、該フレーム部材に取り外し可能な状態で支持され、前記特定の構成部品を保持する保持部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項7〜請求項10のうち何れか一項に記載の基板処理装置。
- 前記特定の構成部品は、筐体と、該筐体の外周に設けられたフランジ部と、前記筐体内に配置される少なくとも一つの光学部材とを有し、
前記取外し装置の支持部は、前記床部の前記第1開口部及び前記チャンバの前記第2開口部が共に非閉塞状態である場合、前記各開口部を介して前記上側の領域に移動して前記特定の構成部品の前記フランジ部を支持することを特徴とする請求項8〜請求項11のうち何れか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第1の構成部品は、放射ビームが照射される被照射体を保持する保持装置であり、
該保持装置は、前記設置位置から取り外し可能であることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
前記リソグラフィ工程は、請求項7〜請求項13のうち何れか一項に記載の基板処理装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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JP2009185956A JP2011040540A (ja) | 2009-08-10 | 2009-08-10 | 基板処理装置のメンテナンス方法、基板処理装置及びデバイスの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017201403A (ja) * | 2011-09-12 | 2017-11-09 | マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. | リソグラフィシステムのモジュールを垂直方向にリフトするためのアセンブリ及び方法、並びにこのようなアセンブリを有するリソグラフィシステム |
KR102538695B1 (ko) * | 2023-03-14 | 2023-06-01 | 주식회사 시스피아 | 사용 후 배터리의 운송 및 성능 검사를 위한 이동 가능한 챔버 |
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2009
- 2009-08-10 JP JP2009185956A patent/JP2011040540A/ja active Pending
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