JP2009127038A - 樹脂組成物およびその製造方法、並びに、その用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】体積抵抗率の再現性が良好で、各種成形法の成形条件が変化しても導電性の変化が小さい樹脂組成物などを提供する。
【解決手段】平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維と、樹脂とが配合され、前記炭素繊維の配合割合Xが1〜20質量%であり、非導電性繊維の配合割合YがX<Yの関係を満たす樹脂組成物などである。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびその製造方法、並びに、その用途に関する。
106〜1012Ωcmの体積固有抵抗を持つ樹脂は、金属と絶縁体との中間の体積固有抵抗を有するため、一般に半導電性樹脂と呼ばれている。半導電性樹脂は、帯電防止性、塵埃吸着防止性などの機能を生かして、静電気の制御が要求される分野、例えば、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置における帯電ロール、帯電ベルト、除電ベルト;半導体部品を搬送する容器などの帯電部材用樹脂材料;として使用されている。しかし、近年では複写機の転写効率を高め、より鮮明な画像を得るため、あるいは精密部品に帯電した静電気をゆるやかに除電するために、半導電性領域の中でも1010〜1012Ωcmのように抵抗を非常に狭い範囲で制御することが求められている。
通常、電気絶縁性である樹脂に導電性を付与するためには、(1)界面活性剤を添加したり、(2)分子内に導電性ユニットを含有する親水性高分子とアロイ化したり、(3)金属や炭素材料などの導電性材料を混合したりする方法がある。
(1)界面活性剤を用いる方法は、低分子量の界面活性剤が樹脂表面にブリードアウトし、雰囲気中の水分を吸着することで導電性を発現するものである。しかし、このときに得られる体積固有抵抗は109〜1012Ωcm程度であり、さらに表面を洗浄するとブリードアウトした界面活性剤が洗い流され、導電性が低下してしまう問題点を有している。
(2)親水性高分子とのアロイ化に関しては、イオンの移動が電気伝導を支配しているため、得られる体積固有抵抗は109〜1012Ωcmが限界である。また、ポリマーアロイでは、成形条件により分散相の大きさや形状が容易に変化してしまうため、イオンの導電経路を安定的に形成することが難しくなってしまう。その結果、抵抗を精密に制御することができない問題がある。
(3)導電性材料を混合する方法に関しては、樹脂に導電性材料を添加していくと、ある添加量で三次元的に導電性のネットワークが形成され、抵抗が1016から100Ωcmに急激に低下するパーコレーション現象が観察される。従って、106〜1012Ωcmの範囲に抵抗を制御することは一般的には困難とされている。このような中で、マトリックス熱可塑性樹脂と平均径200nm以下の微細炭素繊維とマトリックス以外の熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーとを配してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、前述の(2)および(3)の手法を組み合わせた、マトリックス樹脂に炭素繊維と高分子型帯電防止剤とを配合してなる樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2参照)
さらに、カーボンブラック及び/又は炭素繊維を含有する表面抵抗値が106Ω以下の導電性熱可塑性樹脂(A)と、当該(A)と相溶性のあるカーボンブラック及び/又は炭素繊維を含有する表面抵抗値が1012Ω以上の導電性熱可塑性樹脂(B)とを混合してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
一方、合成樹脂に、炭素前駆体粒子と炭素繊維とを含む樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。
特開2003−261688号公報 特開2003−313428号公報 特開2001−247772号公報 特開2002−121402号公報 特開2002−80720号公報 特開平9−87418号公報
特許文献1に記載の方法は、非相溶性の樹脂を用いることでマトリックス樹脂(海)中に分散相樹脂の島構造を形成し、この分散相樹脂により微細炭素繊維同士の接触を分断し、半導電性を得るというものである。この方法は、先の親水性高分子とのアロイ化と同様に、成形条件により分散相の大きさや形状を制御することが難しいため、安定的に半導電性を得ることができない。
特許文献2に記載の方法も同様に、成形条件により海島構造を安定的に制御することが困難であるため半導電性を得ることが難しい。
特許文献3に記載の方法は、単に2種類の導電性樹脂を混ぜるだけであるが、混ぜるときの混練強度により2種類の樹脂の分散・分配状態が大きく変化し、特に混練ムラが生じた場合には106〜1012Ωの幅広い抵抗になってしまう。
特許文献4〜6に記載の方法では、炭素前駆体粒子と炭素繊維との合計量が30質量%以上でなければ所望の抵抗が得られず、また、混練や成形時の剪断力により導電調整材として用いられている剛直な炭素繊維が折れてしまい、抵抗値が大きく変動してしまう問題があった。
以上から、本発明は、体積抵抗率の再現性が良好で、各種成形法の成形条件が変化しても導電性の変化が小さい樹脂組成物およびその製造方法、並びに、その用途を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討をしたところ、本発明者は、下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1) 平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維と、樹脂とが配合され、前記炭素繊維の配合割合Xが1〜20質量%であり、
前記非導電性繊維の配合割合YがX<Yの関係を満たす樹脂組成物。
(2) 体積固有抵抗が、1×100〜1×1012Ωcmの範囲である(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 配合前の前記炭素繊維が、平均繊維径5〜500nm、アスペクト比40以上、および体積固有抵抗が10-2Ωcm以下である(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 配合前の前記非導電性繊維が、平均繊維径500nm以上の無機繊維または有機繊維である(1)〜(3)のいずれか1に記載の樹脂組成物。
(5) 配合前の前記樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリベンズイミダゾールの少なくとも1種の熱可塑性樹脂である(1)〜(4)のいずれか1に記載の樹脂組成物。
(6) 配合前の前記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、アリルエステル樹脂の少なくとも1種の熱硬化性樹脂である(1)〜(4)のいずれか1に記載の樹脂組成物。
(7) 樹脂に、平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維とを導入して溶融混練する溶融混錬工程を含み、
前記溶融混練する際に、前記樹脂からなる溶融樹脂中に、前記炭素繊維および前記非導電性繊維を導入する樹脂組成物の製造方法。
(8) 樹脂に、平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維とを導入して溶融混練する溶融混錬工程を含み、溶融混錬前の前記樹脂が体積平均粒径200μm以下のポリマー粒子であり、前記溶融混錬が、前記ポリマー粒子と前記炭素繊維とを乾式混合し、溶融混錬を行った後、前記非導電性繊維を溶融樹脂中に導入する樹脂組成物の製造方法。
(9) (1)〜(6)のいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなり、ランダムに選択した4点の各位置における体積固有抵抗のバラツキが10X±1Ωcm(0≦X≦12)である成形体。
(10) 前記成形体が、射出成形体、圧縮成形体、または押出成形体である(9)に記載の成形体。
(11) 射出スピードを変化しても、射出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の射出成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
(12) 冷却条件が変化しても、圧縮成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の圧縮成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
(13) 押出スピードが変化しても、押出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の押出成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
(14) (11)〜(13)のいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて成形された成形体。
(15) (1)〜(6)および(11)〜(13)のいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなる搬送用部品。
(16) クリーンルーム内で使用される(15)に記載の搬送用部品。
(17) (1)〜(6)および(11)〜(13)のいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなる耐熱摺動部材。
(18) (10)、(13)、(14)のいずれか1に記載の圧縮成形体または押出成形体を切削加工してなり、ベアリング、ギアおよび製造機械部品のいずれかに適用することができる耐熱摺動部材。
(19) (1)〜(18)のいずれか1に記載の樹脂組成物および各種成形体を用いた、ICテストソケット、スピンチャック、複写機に使用される各種ロール、シームレスベルト、帯電防止繊維、静電塗装用部材、燃料チューブ、燃料周辺部材、薬液チューブ、ICトレイ、またはキャリアテープ。
本発明によれば、体積抵抗率の再現性が良好で、各種成形法の成形条件が変化しても導電性の変化が小さい樹脂組成物およびその製造方法、並びに、その用途を提供することができる。
[1.樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、炭素繊維と、非導電性繊維と、樹脂とが配合されてなる。以下、各成分について説明する。
(炭素繊維)
本発明に係る炭素繊維は、その平均繊維径が5〜500nmとなっている。平均繊維径が5nm未満では、表面エネルギーが指数関数的に大きくなり、繊維同士の凝集力が急激に増大する。このような微細黒鉛化繊維を樹脂に単純に混練した場合、十分に分散することができず、樹脂中に凝集体が点在し、効率的に導電ネットワークを形成することができなくなり、導電性の再現性が得られなくなってしまう。また、抵抗の均一性および安定性が低下してしまう。
一方、平均繊維径が500nmを超えると、所望の導電性を得るためにより多くの炭素繊維を配合することが必要となり、導電性の安定化が著しく低下してしまう。平均繊維径は、30〜200nmであることが好ましい。
なお、平均繊維径は、例えば、下記のようにして求めることができる。すなわち、まず、炭素繊維を走査型電子顕微鏡の100〜3万倍像で観察する。観察した写真を画像解析装置(ニレコ社製LUZEX−AP)に取り込み、炭素繊維300個分の繊維径を計測し、数平均繊維径として求める。
また、炭素繊維の配合割合Xは、1〜20質量%となっている。配合割合が1質量%未満では、所望の導電性が発現しない。20質量%を超えると、成形時の流動性が低下してしまう。配合割合は2〜18質量%であることが好ましい。
また、本発明で使用する炭素繊維のアスペクト比は、40以上であることが好ましく、60〜500であることがより好ましく、80〜300であることがさらに好ましい。アスペクト比を40以上とすることで、炭素繊維の添加量を減少させることができる。当該炭素繊維体積固有抵抗は10-2Ωcm以下であることが好ましい。10-2Ωcm以下であることで、高導電性組成物を作製することができる。
なお、当該アスペクト比は、平均繊維長/平均繊維径で求めることができる。平均繊維長は、例えば、下記のようにして求めることができる。すなわち、まず、炭素繊維を走査型電子顕微鏡の100〜3000倍像で連続的にパノラマ状に観察する。観察した写真を画像解析装置に取り込み、炭素繊維300個分の繊維長を計測し、数平均繊維長として求めることができる。
このような炭素繊維の好ましい材料としては、微細黒鉛化繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。二次凝集体、さらに二次凝集体同士が集まった高次の凝集体の形成のし難さを考慮すると、微細黒鉛化繊維が好ましい。
微細黒鉛化繊維は、静電気的な弱い力により凝集粒子を形成しているが、これは混練時の剪断力で容易に解きほぐすことができ、樹脂中に一本一本均一に再現性よく分散させることができる利点を有している。そのため、半導電性領域で抵抗を制御する良好な導電性フィラーであるということができる。
なお、混練時における凝集体の分散、すなわち凝集体粒径を精密に制御できる場合には、カーボンナノチューブも有効な材料である。
以下に微細黒鉛化繊維の形態について述べる。
まず、微細黒鉛質繊維の平均繊維径は、既述の通り、5〜500nmとする。微細黒鉛質繊維の場合、特に500nm以下とする理由は、化学的気相成長法における微細炭素質繊維(反応直後で黒鉛化処理する前の生成物)の成長機構にある。一般に、数ナノメートルの触媒微粒子に熱分解したカーボンが溶解・析出することで、第一段階として繊維が長さ方向に成長する(ホローチューブの成長)。この長さ方向の成長は反応のごく初期段階に終了するといわれている。続いて、このホローチューブの外壁に熱分解したカーボンが析出、堆積することで繊維の径方向が成長する。つまり、この化学的気相成長法では反応初期に繊維の長さがほぼ決定し、反応時間で径の太さを決定しているのである。そのため、繊維の径が太くなるに従い、自ずと微細炭素質繊維のアスペクト比が小さくなってしまうためである。
導電性向上の観点から、微細黒鉛質繊維のX線回折法による平均面間隔d002は、d0020.336〜0.343nmであることが好ましく、d0020.337〜0.341nmであることがより好ましく、d0020.338〜0.340nmであることがさらに好ましい。
一方、平均面間隔d002が0.3453nmを超えるものは、結晶が十分発達していないため、結晶化した微細黒鉛質繊維に比べて単繊維の抵抗率が10倍以上大きい。したがって、樹脂と混合した際、微細炭素質繊維/樹脂/微細炭素質繊維間の電子の移動が困難となり、導電性の安定化が低下してしまう場合がある。
微細黒鉛質繊維の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法が適用可能であるが、例えば、金属触媒の存在下、炭素源(炭化水素化合物等)を熱分解することにより製造することができる。
微細黒鉛質繊維の原料となる炭素源は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。金属触媒は、周期律表第4〜10の元素から選ばれた1つ以上を採用可能である。金属触媒として有機金属化合物も採用可能であり、好ましい有機金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等が挙げられる。
熱分解反応雰囲気下で、金属触媒粒子表面に吸着した水素などのガスを効率的に除去し、触媒活性を高めるために、硫黄、チオフェンなどの硫黄化合物を助触媒として用いることができる。
水素などの還元性ガスをキャリアガスに用い、上記炭素源と金属触媒を500〜1300℃に加熱した反応炉へ供給し、熱分解反応させて微細黒鉛質繊維を得ることも可能であるし、金属触媒を担体に担持して炭素源を供給することで微細黒鉛質繊維を得ることも可能である。
原料の形態としては、芳香族炭化水素に有機遷移金属化合物および硫黄化合物を溶解させたものや、500℃以下で気化させたものを用いることができる。しかし、液体原料の場合、反応管壁において原料の気化・分解が起き、反応管内に局所的に原料濃度分布が生じるため、生成した気相法炭素繊維同士が凝集する傾向を示す。したがって、原料の形態としては、反応管中における原料濃度を一定化した気化原料が好ましい。
硫黄化合物を助触媒として用いる場合には、金属触媒と硫黄化合物助触媒比(硫黄/(金属+硫黄))としては10〜35質量%が好ましい。10質量%以上の場合、触媒に吸着した水素を十分に除去することが可能となり、触媒への炭素源供給が阻害されたり、繊維以外の炭素粒子が発生することを防ぐことができる。また、35質量%以下の場合、触媒活性の高まりすぎが防がれ、繊維の分岐が増大したり、放射状に繊維が生成したりする等、繊維同士の相互作用の増加を防いで、強固な凝集粒子の形成を防止することができる。
反応管中の原料供給量とキャリアガス流量の比は、1g/リットル以下が好ましく、0.5g/リットルがより好ましくは、さらに0.2g/リットルが好ましい。気相中の原料濃度を1g/リットル以下とすると、生成した気相法炭素繊維表面に触媒粒子の不均一な核が発生したり、微細炭素質繊維表面からさらに微細炭素質繊維が生成したり、樹氷状の微細炭素質繊維が形成されたりといったことが防がれ、分散性を良好なものとすることができる。
反応で生成した微細黒鉛質繊維表面に付着したタールなどの有機物を除去するために不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理することが好ましい。微細黒鉛質繊維の導電率を向上させるために、さらに不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、結晶を発達させることも可能であるが、黒鉛層の乱れがほとんどない場合には、熱処理せずに生成したままの繊維を採用することも可能である。
結晶を発達させる場合に使用する熱処理炉は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上の所望する温度に保持できる炉であればよく、通常の、アチソン炉、抵抗炉、高周波炉他の何れの装置でもよい。また、場合によっては、粉体または成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。
熱処理する場合の雰囲気は非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ、短い方が好ましい。長時間加熱を続けると、焼結し固まってくるので、製品収率も悪化する。従って、成形体等の中心部の温度が目標温度に達した後、その温度に10分〜1時間保持すれば十分である。
微細黒鉛質繊維の結晶をさらに発達させ、導電性を向上させるために、不活性雰囲気下で2000〜3500℃で加熱する黒鉛化処理を行う際に、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、元素状ホウ素、ホウ酸(H3BO3)、ホウ酸塩等のホウ素化合物を混合してもよい。
ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するため一概に規定できないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合には、微細黒鉛質繊維に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
ホウ素化合物との熱処理により、微細黒鉛質繊維中の黒鉛の結晶性が向上し、導電性がより向上する。微細黒鉛質繊維の結晶内あるいは結晶表面に含まれるホウ素量としては0.01〜5質量%がよい。微細黒鉛質繊維の導電性や樹脂との親和性を改善するには、より好ましくは0.1質量%以上のホウ素が必要である。また、グラフェンシートに置換し得るホウ素量は3質量%程度であり、それ以上特に5質量%以上のホウ素はホウ素炭化物やホウ素酸化物として存在し、導電性の低下の要因となりうるので好ましくない。
また、微細黒鉛質繊維と樹脂との親和性を向上させるために微細黒鉛質繊維を酸化処理して表面にフェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基を導入することもできる。さらに、シラン系あるいはチタネート系、アルミニウム系、リン酸エステル系のカップリング剤等により、表面処理を施してもよい。
(非導電性繊維)
本発明に係る非導電性繊維は、その平均繊維径が500nm以上となっている。平均繊維径が500nm未満では、非導電性繊維の微細分散性が高くなり、炭素繊維の導電性ネットワークを破壊してしまう。平均繊維径は、1μm以上であることが好ましい。なお、平均繊維径は、既述の方法で求めることができる。
非導電性繊維の配合割合YがX<Yの関係を満たすことを必須とし、XとYとの差をなるべく大きくすることがより好ましい。X<Yの関係を満たすことで、非導電性繊維のネットワークが形成され、かつ、その中で炭素繊維が分散されやすくなると考えられる。その結果、種々の成形品を成形する場合でも、所望の体積抵抗率の良好な再現性が得られる。YとXとの差(Y−X)は、5質量%以上であることが好ましく、10%質量以上であることがより好ましい。
非導電性繊維としては、無機繊維または有機繊維であることが好ましく、例えば、ガラス繊維、ウィスカー、無機系繊維、鉱石系繊維等が挙げられる。ウィスカーとしては、窒化珪素ウィスカー、三窒化珪素ウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、炭化珪素ウィスカー、ボロンウィスカー等が挙げられる。無機系繊維としては、ロックウール、ジルコニア、アルミナシリカ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、炭化珪素、アルミナ、シリカ、高炉スラグ等の各種ファイバーが挙げられる。鉱石系繊維としては、アスベスト等が挙げられる。これらの中でも、ガラス繊維やチタン酸カリウムが好ましい。
また、有機繊維としては、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維等の合成樹脂繊維;セルロース繊維等の半合成繊維;天然繊維;等が挙げられる。
(樹脂)
樹脂としては、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー;ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン66といった脂肪族ポリアミドや芳香族系ポリアミド;AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート;液晶ポリエステルといった液晶ポリマー;ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド(特に、熱可塑性ポリイミド)、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリベンズイミダゾール、フッ素樹脂からなる群より選ぶことができる。
なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリベンズイミダゾールの少なくとも1種が好ましい。
また、耐熱性、耐薬品性の観点では、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーが好ましいといえる。力学強度の観点では、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートが好ましいといえる。低吸水、低アウトガスの観点においてはシクロオレフィンポリマーが好ましいといえる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、アリルエステル樹脂といった熱硬化性樹脂を配合してもよい。この場合、熱硬化性樹脂の配合などとしては、既述の熱可塑性樹脂と同じとすることが好ましい。
[2.樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は、既述の樹脂に、平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維とを導入して溶融混練する溶融混錬工程を含む。
炭素繊維、非導電性繊維、樹脂などの詳細については、既述の通りである。溶融混錬の態様としては、下記いずれかの態様とする。
第1の態様は、溶融混練する際に、樹脂からなる溶融樹脂中に、炭素繊維および非導電性繊維を導入する態様である。炭素繊維および非導電性繊維の導入順序や、導入間隔などは特に限定されるものではない。
第2の態様は、溶融混錬前の樹脂として、体積平均粒径200μm以下のポリマー粒子を使用し、当該ポリマー粒子と炭素繊維とを乾式混合し、これらの溶融混錬を行った後、非導電性繊維を溶融樹脂中に導入する態様である。
体積平均粒径200μm以下のポリマー粒子を使用することで、固体ポリマー塊と炭素繊維のせん断力による破断を抑えることができる。また、上記のようなプロセスにより、繊維破断を抑えるとともに繊維の分散を良好にすることができる。
第1の態様および第2の態様に共通する好ましい条件を以下に説明する。
まず、炭素繊維および非導電性繊維と樹脂と混練する際、特に炭素繊維に微細黒鉛質繊維を用いる場合は、微細黒鉛質繊維の破断を極力抑えることが好ましい。具体的には、微細黒鉛質繊維の破断率を20%以下に抑えることが好ましく、15%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。微細黒鉛質繊維の破断を極力抑えた混練を行うには、例えば、以下のような手法を用いることができる。
一般に、樹脂に無機フィラーを溶融混練する場合、凝集した無機フィラーに高せん断力を加え、無機フィラーを破壊し、微細化して、溶融した樹脂中へ無機フィラーを均一に分散させる。高せん断力を発生させる混練機としては、石臼機構を利用したものや、同方向2軸押出機でスクリューエレメント中に高せん断力のかかるニーディングディスクを導入したものが数多く使用されている。しかし、このような混練機を使用すると、混練工程中に微細黒鉛質繊維が破断してしまう。また、せん断力の弱い単軸押出機の場合は、繊維の破断は抑えられるが、繊維の分散が均一にならない。したがって、繊維の破断を抑えながら、均一な分散を図るためには、ニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機でせん断力を低減させたり、加圧ニーダーのような、高せん断力がかからなくて、時間を掛けて分散が達成させたりできるものや、単軸押出機において特殊なミキシングエレメントを使用することが望ましい。
また、微細黒鉛質繊維を混練機に投入する方法としては、溶融した樹脂に導入する方法が好ましい。例えば、微細黒鉛質繊維と樹脂を同方向二軸押出機で混練する場合、混練機上流のホッパーに樹脂ペレットを投入する。樹脂ペレットをヒータの加熱とスクリューの剪断発熱により溶融し、微細黒鉛質繊維を混練機の中流より溶融した樹脂にサイドフィードし、混練を行う方法が好ましい。ホッパーから微細黒鉛質繊維と樹脂ペレットを同時に押出機へ投入すると、ペレットが溶融するまでの間に微細黒鉛質繊維のペレットによる粉砕が進行するため好ましくない。
本発明で使用する微細黒鉛質繊維は、嵩比重が0.01〜0.1g/cm3程度で空気を巻き込みやすいため、通常の単軸押出機や同方向2軸押出機では脱気が難しく、樹脂への充填が難しい。このような場合、充填性が良好で、かつ、繊維の破断を極力抑える混練機としてバッチ式の加圧ニーダーを用いることができる。バッチ式加圧ニーダーで混練したものは、固化する前に単軸押出機に投入して、ペレット化することもできる。
以上のようにして作製された本発明の樹脂組成物は、体積固有抵抗が、1×100〜1×1012Ωcmであることが好ましい。そして、当該樹脂組成物は、種々の成形体とする場合に、半導電性領域内(106〜1012Ωcm)で体積抵抗率を所望の値に制御することが可能であり、体積抵抗率の再現性が良好なものとすることができる。
また、このような樹脂組成物によれば、射出スピードを変化しても、射出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の射出成形体;冷却条件が変化しても、圧縮成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の圧縮成形体;押出スピードが変化しても、押出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の押出成形体が作製可能である。
ここで、「射出スピードが変化しても」とは、例えば、金型内での射出スピードが線速度で20〜100mm/secに変化しても、さらに好ましくは10〜500mm/secに変化しても体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内となることを意味する。
「冷却条件が変化しても」とは、例えば、冷却が自然放冷であっても、冷却プレスであっても、具体的には冷却速度が500℃/sec〜50℃/minに変化しても、体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内となることを意味する。
「押出スピードが変化しても」とは、例えば、押出スピードが1m/h〜50m/hに変化しても、体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内となることを意味する。
[3.成形体]
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を用いて成形されてなる。そして、ランダムに選択した4点の各位置における体積固有抵抗のバラツキが10X±1Ωcm(0≦X≦12)となっている。当該バラツキが10X±1Ωcmとなっていることで、成形体中に帯電による電位のバラツキがなく(バラツキがある場合はスパークしやすい)、過電流の道を生じにくい。そのため、半導体チップなどを保存できる。
本発明の成形体の形態としては、その成形法により、射出成形体、圧縮成形体、押出成形体、シート成形体、フィルム成形体、キャスト成形体、繊維状成形体などが挙げられる。本発明の特性をより有効に利用することを考慮すると、射出成形体、圧縮成形体、押出成形体であることが好ましい。これらいずれの場合も、ランダムに選択した4点の各位置における体積固有抵抗のバラツキは、既述のように10X±2Ωcm(0≦X≦12)であることが好ましい。なお、本発明の特性を有効に利用すると、製造現場での成形条件の変化においても導電性のバラツキが少ない。
本発明の成形体においては、純水500ml中に、表面積100cm2の成形体を浸漬し、温度23℃にて40kHzの超音波を60秒間印加した際に、成形体表面から脱落する粒径1μm以上の粒子の数が、成形体単位表面積当たり、5,000pcs/cm2以下に抑えることができる。
脱落する粒径1μm以上のパーティクルの数を5,000cps/cm2以下に抑えることにより、良好な耐摺動性と、導電性の安定化を図ることができる。また、本発明の成形体においては、炭素繊維の含有量が極めて少なく、したがって、同一形状を有する成形体及びマトリックス樹脂のみからなる成形品の引張試験において、成形体の引張伸びの保持率が、マトリックス樹脂のみの成形品の引張伸びに対して、50%以上にすることができる。さらに溶融樹脂組成物を成形してなるフィルム成形体又はシート成形体においては、4倍延伸物の体積固有抵抗値の低下が延伸前成形体に対し、1×104Ω・cmオーダー以下にすることができる。
[4.成形体の製造方法]
本発明の成形体の製造方法においては、本発明の樹脂組成物を用いて成形体を作製する工程(成形体作製工程)を含む。当該工程においては、樹脂の劣化を生じない上限の成形温度にして、溶融樹脂の粘度を下げることが好ましい。
成形法としては、従来公知の方法、例えば、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、シート成形法、紡糸法、キャスフィルム成形法などを用いることができる。
特に、射出成形方法としては、一般的な射出成形法の他に、インサート射出成形法による金属部品、その他の部品との一体成形や、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法等の各種成形法を用いることができる。射出成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力によって製品の表面抵抗値が変化するので、適切な条件を設定する必要がある。
[5.本発明の樹脂組成物の用途]
本発明の導電性樹脂組成物の具体的な用途(本発明の成形体の適用例)としては、電気電子分野では、ウエハキャリア、ウエハカセット、トートビン、ウエハボート、ICトレー(例えば、ICチップトレー)、ICチップキャリア、IC搬送チューブ、ICカード、テープ(例えば、キャリアテープ)及びリールパッキング、液晶カセット、各種ケース、保存用トレー、保存用ビン、搬送装置部品、磁気カードリーダー、コネクター、コンピュータスロット、HDキャリア、MRヘッドキャリア、GMRヘッドキャリア、HSAキャリア、HDDのVCM、液晶パネルキャリアなどが挙げられる。
OA機器分野では、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置における帯電ロール、帯電ベルト、除電ベルト、転写ロール、転写ベルト、現像ロールなどの帯電部材;記録装置用転写ドラム、プリント回路基板カセット、ブッシュ、紙及び紙幣搬送部品、紙送りレール、フォントカートリッジ、インクリボンキャニスター、ガイドピン、トレー、ローラー、ギア、スプロケット、コンピュータ用ハウジング、モデムハウジング、モニターハウジング、CD−ROMハウジング、プリンタハウジング、コネクター、コンピュータスロットなどが挙げられる。
通信機分野では、携帯電話部品、ペーガー、各種摺動材などが挙げられる。
自動車分野では、内装材、アンダーフード、電子電気機器ハウジング、ガスタンクキャップ、燃料フィルタ、燃料ラインコネクタ、燃料ラインクリップ、燃料タンク、機器ビージル、ドアハンドル、各種部品などが挙げられる。その他の分野では、電線及び電力ケーブル被覆材、電線支持体、電波吸収体、床材、カーペット、防虫シート、パレット、靴底、テープ、ブラシ、送風ファン、面状発熱体、ポリスイッチなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、当該実施例で用いた原料および試料について説明する。
[微細黒鉛質繊維]
炭素繊維である微細黒鉛質繊維として、下記サンプル1〜5を使用した。
サンプル1 昭和電工(株)社製 カーボンナノファイバー 商品名:VGCF− S、平均繊維径100nm
サンプル2 昭和電工(株)社製 カーボンナノファイバー 商品名:VGNF、 平均繊維径80nm
サンプル3 昭和電工(株)社製 カーボンナノファイバー 商品名:VGCF、 平均繊維径150nm
サンプル4 平均繊維径40nm 気相法炭素繊維
サンプル5 平均繊維径10nm 気相法炭素繊維
(サンプル1のVGCF−Sの作製)
本実施例ではVGCF−Sなどは市販品を使用しているが、これは、例えば下記のようにして作製することができる。
まず、ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させた。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスと共に、1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は10g/min、水素流量は60リットル/minとした。
得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した。1000℃で焼成した微細炭素質繊維80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、高周波加熱炉を用いてアルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化を実施し、VGCF−Sを作製した。
(サンプル4の気相法炭素繊維の作製)
まず、ベンゼンとフェロセンとチオフェンを重量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させた。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスと共に、1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は8g、水素流量は80リットル/minとした。
得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中2800℃で30分黒鉛化し、サンプル4の気相法炭素繊維を作製した。
(サンプル5の気相法炭素繊維の作製)
まず、ベンゼンとフェロセンとチオフェンを重量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させた。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスと共に、1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は5g、水素流量は60リットル/minとした。
得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中2800度で30分黒鉛化し、サンプル5の気相法炭素繊維を作製した。
(平均繊維径が500nmを超える炭素繊維)
また、平均繊維径が500nmを超える炭素繊維として、東邦テナックス社製のカーボンファイバーチョップドストランド(平均繊維径:7000nm 以下、「CF」ともいう)を使用した。
[非導電性繊維など]
非導電性繊維として、GFPC11、GFPC13、GFPPE11、GFPEEK11、GFPET11、ティスモDを使用した。また、非導電性粒子として、マイカ粉を使用した。これらの詳細は下記の通りである。
GFPC11 日東紡社製 PC用チョップドストランドガラス繊維
平均繊維径11μm グレードCS3J455S
GFPC13 日東紡社製 PC用チョップドストランドガラス繊維
平均繊維径13μm グレードCS3PE455S
GFPPE11 日東紡社製 PPE用チョップドストランドガラス繊維
平均繊維径11μm グレードCS3J293S
GFPEEK11 日東紡社製 PEEK用チョップドストランドガラス繊維
平均繊維径11μm グレードCS3J256S
GFPET11 日東紡社製 ポリエステル用チョップドストランドガラス繊維
平均繊維径11μm グレードCS3J941S
ティスモD 大塚化学社製 チタン酸カリウム繊維 平均繊維径0.5μm
マイカ粉 山口雲母工業所社製 グレードCS−325DC
平均粒子径30μm
[熱可塑性樹脂]
PC(H3000) 三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ポリカーボネー ト(以下 PC) 商品名 ユーピロンH3000
ノリルPPO534 サビック社製 変性PPO(変性ポリフェニレンオキサイド ) 商標ノリル グレード ノリルPPO534
PEEK(150PF) ビクトレックス社製 ポリエーテルエーテルケトン(以下
PEEK) 商品名150PF
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂として、アリルエステル樹脂(昭和電工(株)製AA101 粘度630000cps(30℃))を使用した。有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド(日本油脂社製:パークミルD)を使用した。
[実施例1〜11および比較例1〜5]
既述の原料を下記表1〜4に示すようにして、配合および溶融混錬を行い、実施例1〜11および比較例1〜5の樹脂組成物を作製した。これらの樹脂組成物を用いて、各種成形体を作製した。混練および成形の詳細は下記の通りである。
[混練]
熱可塑性樹脂の混練にはベルストフ社製 同方向2軸押出機(ZE40A×40D;スクリュー径43mm、L/D=37)を使用した。ホッパーおよび/またはサイドフィーダーから炭素繊維、非導電性繊維(または非導電性粒子)を投入し、ホッパーから熱可塑性樹脂を投入した。
混練条件は、PEEKの場合、樹脂温度を380℃、スクリュー回転数100rpmで混練を実施した。
PCの場合は、樹脂温度を280℃、スクリュー回転数100rpmで実施した。
ノリルPPO534の場合は、樹脂温度を280℃、スクリュー回転数100rpmで実施した。
熱硬化性樹脂の混練には東洋精機社製ラボプラストミルを使用した。はじめに粉体熱硬化性樹脂プレポリマー(熱硬化性樹脂)をミル内に投入し、ついで炭素繊維および非導電性繊維を投入した。
混練条件は、樹脂温度を80℃とし、ミキサー回転数を80回転、混練時間を10分に設定し実施した。
[成形]
実施例1〜11および比較例1〜5の各種樹脂組成物から、(1)射出成形体、(2)圧縮成形体および(3)押出成形体を下記のようにして製造した。
(1)射出成形体(平板)
クロックナー社製の射出成形機(F−45)を使用して、実施例1〜11および比較例1〜6の各種樹脂組成物から平板(100×100×2mm厚)を成形した。
成形条件は、PEEKの場合は、成形温度400℃、金型温度180℃、射出スピード:低速20mm/sec、高速100mm/secとした。PCの場合は成形温度280℃、金型温度100℃、射出スピード:低速20mm/sec、高速100mm/secとした。
ノリルPPO534の場合は、成形温度280℃、金型温度80℃、射出スピード:低速20mm/sec、高速100mm/secで実施した。
アリルエステル樹脂の場合は、成形温度100℃、金型温度150℃1時間保持、射出スピード:低速20mm/sec、高速100mm/secとした。
(2)圧縮成形体(平板)
圧縮成形は、ニッポーエンジニアリング社製の熱成形機を使用して、成形温度280℃、プレス圧力200kgf/cm2でプレス成形した。成形品形状は、平板(100×100×2mm厚)とした。また、表3,4中の自然放冷とは、高温(成形直後)の成形品を取り出し室温に放置したものであり、冷却プレスとは、高温の成形品を、水で冷却したプレスで挟んで10分間冷却したものである。
(3)押出成形体(丸棒)
押出成形は、ダイス(ダイス直径150mm、押出径10mmφ)を使用し、30mmφ単軸押出機(創研(株)製)を使用した。押出スピードは、低速(1m/h)および高速(50m/h)の2通りとした。成形温度は、PCおよびノリルPPO534の場合は280℃、PEEKの場合は370℃とした。
以上のようにして作製した各種成形体について、下記のようにして、体積固有抵抗値の測定およびそのバラツキを求めた。これらの結果を下記表1〜4に示す。
(1)体積固有抵抗
成形体の体積固有抵抗値の測定は、108Ω・cm以上の成形体は絶縁抵抗計(アドバンテスト社製「高抵抗計R8340」)にて行った。108Ω・cm未満は四探針法(三菱化学社製「Loresta HP MCP−T410」)にて行った。
(2)バラツキ
ランダムに選択した4点の各位置における体積固有抵抗値を、上記(1)の方法で測定し、下記の基準でバラツキを評価した。
○:バラツキが10±1Ω・cm以内
×:バラツキが102Ω・cm以上またはバラツキが10-2Ω・cm以下
上記(1)および(2)の結果を考慮し、抵抗変化を下記のようにして評価した。
○:射出成形での射出スピード、圧縮成形での冷却条件、押出成形での押出スピードを変化させても平均抵抗値が10±2Ωcm以内
×:同上で、各種条件を変化させた場合、平均抵抗値が103Ωcm以上または10-3Ω・cm以下
Figure 2009127038
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Figure 2009127038
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実施例1〜11の各種成形体は、いずれも抵抗変化が少なく、体積抵抗率の再現性が良好であることがいえる。従って、実施例1〜11の樹脂組成物によれば、半導電性領域内で体積抵抗率を所望の値に制御することが可能であることがわかる。また、実施例に係る各種成形体は、いずれも成形品内のバラツキが少なく、成形条件の変化においても抵抗変化が少ない。

Claims (19)

  1. 平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維と、樹脂とが配合され、
    前記炭素繊維の配合割合Xが1〜20質量%であり、
    前記非導電性繊維の配合割合YがX<Yの関係を満たす樹脂組成物。
  2. 体積固有抵抗が、1×100〜1×1012Ωcmの範囲である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 配合前の前記炭素繊維が、平均繊維径5〜500nm、アスペクト比40以上、および体積固有抵抗が10-2Ωcm以下である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 配合前の前記非導電性繊維が、平均繊維径500nm以上の無機繊維または有機繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 配合前の前記樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリベンズイミダゾールの少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 配合前の前記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、アリルエステル樹脂の少なくとも1種の熱硬化性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 樹脂に、平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維とを導入して溶融混練する溶融混錬工程を含み、
    前記溶融混練する際に、前記樹脂からなる溶融樹脂中に、前記炭素繊維および前記非導電性繊維を導入する樹脂組成物の製造方法。
  8. 樹脂に、平均繊維径が5〜500nmの炭素繊維と、平均繊維径が500nm以上の非導電性繊維とを導入して溶融混練する溶融混錬工程を含み、
    溶融混錬前の前記樹脂が体積平均粒径200μm以下のポリマー粒子であり、
    前記溶融混錬が、前記ポリマー粒子と前記炭素繊維とを乾式混合し、溶融混錬を行った後、前記非導電性繊維を溶融樹脂中に導入する樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなり、
    ランダムに選択した4点の各位置における体積固有抵抗のバラツキが10X±1Ωcm(0≦X≦12)である成形体。
  10. 前記成形体が、射出成形体、圧縮成形体、または押出成形体である請求項9に記載の成形体。
  11. 射出スピードを変化しても、射出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の射出成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
  12. 冷却条件が変化しても、圧縮成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の圧縮成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
  13. 押出スピードが変化しても、押出成形体の体積固有抵抗の変化が10X±2Ωcm(0≦X≦12)の範囲内の押出成形体が作製可能である炭素繊維と非導電性繊維と樹脂とが配合された樹脂組成物。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて成形された成形体。
  15. 請求項1〜6および請求項11〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなる搬送用部品。
  16. クリーンルーム内で使用される請求項15に記載の搬送用部品。
  17. 請求項1〜6および請求項11〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて成形されてなる耐熱摺動部材。
  18. 請求項10、13、14のいずれか1項に記載の圧縮成形体または押出成形体を切削加工してなり、ベアリング、ギアおよび製造機械部品のいずれかに適用することができる耐熱摺動部材。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の樹脂組成物および各種成形体を用いた、ICテストソケット、スピンチャック、複写機に使用される各種ロール、シームレスベルト、帯電防止繊維、静電塗装用部材、燃料チューブ、燃料周辺部材、薬液チューブ、ICトレイ、またはキャリアテープ。
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