JP2009127031A - 接着剤組成物ならびにそれを用いたカバーレイフィルムおよび接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐マイグレーション性、難燃性、密着性、耐熱性に優れる硬化物を与える接着剤組成物、ならびにその組成物を用いたカバーレイフィルムおよび接着シートを提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂 100質量部、(B)溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体 5〜50質量部、(C)高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴム 5〜50質量部、(D)硬化剤 1〜20質量部、および(E)無機充填剤 10〜180質量部、を含有してなる接着剤組成物;電気絶縁性フィルムと、該電気絶縁性フィルムの少なくとも片面に設けられた上記組成物からなる層とを有するカバーレイフィルム;離型基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた上記組成物からなる層とを有する接着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化させて得られる硬化物が耐マイグレーション性、難燃性、密着性および耐熱性に優れる接着剤組成物、ならびに該組成物を用いたカバーレイフィルムおよび接着シートに関する。
近年、エレクトロニクス分野の発展が目覚ましく、特に通信用・民生用の電子機器の小型化、軽量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求がますます高度なものとなっている。このような要求に対して、フレキシブル印刷配線板は可撓性を有し、繰り返し屈曲に耐えるため、狭い空間に立体的に高密度で実装することができるので、電子機器への配線、ケーブル、コネクター機能等を付与した複合部品として、その用途が拡大しつつある。
フレキシブル印刷配線板とは、フレキシブル印刷配線用基板に常法により回路を作製し、使用目的によってはこの回路を保護するような形でカバーレイフィルムを貼り合わせたものである。近年、電子機器の小型化、軽量化、回路の高密度化等が進み、フレキシブル印刷配線板を4層以上重ねた、多層フレキシブル印刷配線板の需要が高まっている。この多層フレキシブル印刷配線板は、接着シートを用いて、片面銅箔もしくは両面銅箔フレキシブル印刷配線板を2枚以上積層することで、多層構造を得るものである。これらフレキシブル印刷配線板に要求される特性としては、接着の耐久性、耐熱性、屈曲性、耐折性、耐マイグレーション性、難燃性等が挙げられる。
フレキシブル印刷配線板に使用されるカバーレイフィルムとは、電気絶縁性の基材フィルムの少なくとも片面に半硬化状態の接着剤を塗布してなり、通常その接着剤塗布層には保護用の離型シートが貼り合わされている。離型シートは使用に際しては剥離され、露出した接着剤層を貼り付けて、フレキシブル印刷配線板の(1)回路保護、(2)屈曲性の向上等を目的として使用されている。カバーレイフィルムに要求される特性としては、密着性、耐熱性、電気特性、保存性、加工性、ハンドリング性等が挙げられる。
フレキシブル印刷配線板に使用される接着シートとは、離型基材の片面に半硬化状態の接着剤層を備えたものである。接着シートはカバーレイフィルムを圧着して作製した複数のフレキシブル印刷配線板を貼り合わせて多層フレキシブル印刷配線板を製造する場合や、フレキシブル印刷配線板と補強板とを貼り合わせる場合等の接着材料として使用される。さらに、従来、カバーレイフィルムが用いられてきた銅配線の絶縁材料としての利用や、一対のフレキシブル印刷配線板の銅配線面同士を貼り合わせる層間絶縁材としての利用も検討されている。
従来、フレキシブル印刷配線板用接着剤としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と、可とう性成分として、カルボン酸を有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRと称する)とを併用したものが、上述の諸特性のバランスに優れるため多用されてきた。しかしながら、一般的にNBRは乳化重合法で合成されるため、イオン性不純物を多く含み、耐マイグレーション性が劣る場合がある。例えば、可とう性成分としてNBRを用いる従来技術として、エポキシ樹脂、フェノール変性キシレン樹脂硬化剤およびNBRゴムを主成分とする樹脂組成物(特許文献1)が提案されているが、NBRがイオン性不純物を多く含むため、基板の耐マイグレーション性が不十分である。
また、イオン性不純物が少ない可とう性成分として、エチレン−アクリルゴムを用いる従来技術として、エポキシ樹脂、NBR、エチレン-アクリルゴム、硬化剤等よりなる接着剤組成物(特許文献2、3)が提案されている。しかしながら、イオン性不純物の少ないエチレン−アクリルゴムを使用するにもかかわらず、イオン性不純物を多く含むNBRを併用するため、得られる接着剤組成物の硬化物は耐マイグレーション性が不十分である。
特許第2650158号公報 特許第3620453号公報 特開2003−277711号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、耐マイグレーション性、難燃性、密着性、耐熱性に優れる硬化物を与える接着剤組成物、ならびにその組成物を用いたカバーレイフィルムおよび接着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を行った結果、可とう性成分として、従来多用されていた乳化重合法により合成されたNBRの代わりに、イオン性不純物が非常に少ない溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体と高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴムとを含有してなる接着剤組成物が、耐マイグレーション性、難燃性、密着性、耐熱性に優れる硬化物を与えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は第一に、
(A)エポキシ樹脂 100質量部、
(B)溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体 5〜50質量部、
(C)高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴム 5〜50質量部、
(D)硬化剤 1〜20質量部、および
(E)無機充填剤 10〜180質量部
を含有してなる接着剤組成物を提供する。
本発明は第二に、電気絶縁性フィルムと、該電気絶縁性フィルムの少なくとも片面に設けられた上記組成物からなる層とを有するカバーレイフィルムを提供する。
本発明は第三に、離型基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた上記組成物からなる層とを有する接着シートを提供する。
本発明の組成物は、硬化させて得られる硬化物が難燃性、密着性、耐熱性に優れ、従来よりもさらに耐マイグレーション性に優れる。したがって、この組成物を用いて作製したカバーレイフィルムや接着シートも、耐マイグレーション性、難燃性、密着性、耐熱性に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<接着剤組成物>
まず、本発明の接着剤組成物の構成成分について詳細に説明する。
〔(A)エポキシ樹脂〕
(A)成分であるエポキシ樹脂は特に限定されず、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。(A)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(A)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、それらを水素添化したもの、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。また、得られる硬化物への難燃性付与のために、前述のエポキシ樹脂を臭素等によりハロゲン化したものを用いることが有効である。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびこれらを臭素化したものが好ましい。(A)成分のうち、非臭素化エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、商品名で、エピコート517、828、1001(以上、ジャパンエポキシレジン製)、エピクロン830S(大日本インキ化学工業製)、EOCN103S(日本化薬製)等が挙げられる。臭素化エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、商品名で、エピコート5046、5048、5050(以上、ジャパンエポキシレジン製)、BREN−S(日本化薬製)等が挙げられる。
また、反応性リン化合物を用いてリン原子を結合させたリン含有エポキシ樹脂は、特に、ハロゲンを含まない難燃性接着剤組成物を構成する場合に、有効に用いられる。具体的には、例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド(三光(株)製、商品名:HCA)、または、この化合物のリン原子に結合している活性水素原子をヒドロキノンで置換した化合物(三光(株)製、商品名:HCA−HQ)を、上述したエポキシ樹脂と反応させることにより得られた化合物が用いられる。リン含有エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、商品名で、FX305(東都化成(株)製、リン含有率:3質量%)、エピクロンEXA9710(大日本インキ化学工業(株)製、リン含有率:3質量%)等が挙げられる。
〔(B)溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体〕
(B)成分は溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体である。溶液重合の方法は特に限定されず、例えば、公知の方法を用いることができる。(B)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(B)成分としては、例えば、ハードセグメントとなるスチレン重合体ブロックとソフトセグメントとなるジエン重合体ブロックまたはジエン重合体ブロックに含まれる不飽和結合の少なくとも一部を水素添加したブロックとを含む共重合体を用いることができる。ジエン共重合体ブロックとしては、例えば、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、ブタジエン・イソプレン共重合体ブロック等が挙げられる。(B)成分の具体例としては、スチレン重合体ブロックとブタジエン重合体ブロックとを含むブロック共重合体、スチレン重合体ブロックとイソプレン重合体ブロックとを含むブロック共重合体、スチレン重合体ブロックとブタジエン・イソプレン共重合体ブロックとを含むブロック共重合体、およびこれらのブロック共重合体に含まれる不飽和結合の少なくとも一部を水素添加したブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体を挙げることができる。これらのブロック共重合体は、ハードセグメントであるスチレン重合体ブロックが(A)成分との相溶性に優れ、ソフトセグメントであるジエン重合体ブロックが優れた可とう性を示すため、本発明の接着剤組成物の硬化物に耐熱性、密着性、強靭性を与える。(B)成分のスチレン系ブロック共重合体として、両端にスチレン重合体ブロックを有し、その間に他のブロック、例えば、ジエン共重合体ブロックまたはジエン共重合体ブロックに含まれる不飽和結合の少なくとも一部を水素添加したブロックを有するトリブロック共重合体は、より好適に用いることができる。
また、(B)成分は、エポキシ樹脂との反応を考慮して、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基を含有することがより望ましい。官能基がカルボキシル基である場合、カルボキシル基含有スチレン系ブロック共重合体中におけるカルボキシル基の割合(即ち、カルボキシル基含有スチレン系ブロック共重合体を構成する全単量体単位に対する、該カルボキシル基を有する単量体単位の割合)は、特に限定されないが、好ましくは1〜10モル%、特に好ましくは2〜6モル%である。この割合が1〜10モル%の範囲を満たすと、得られる組成物の流動性をコントロールできるため良好な硬化性が得られる。
(B)成分のより具体的な例としては、商品名で、セプトン1001、2004、2007、2104、4055、HG252、8004(以上、クラレ製)、タフテックH1041、H1052、H1221、H1043、M1911、M1913、M1943(以上、旭化成ケミカルズ製)、Nipol NS310S(日本ゼオン製)等が挙げられる。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、5〜50質量部であり、好ましくは5〜45質量部である。(B)成分が5〜50質量部の範囲を満たすと、得られるカバーレイフィルムおよび接着シートは、耐熱性、密着性により優れたものとなる。
〔(C)高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴム〕
(C)成分は高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴムである。高圧ラジカル重合の方法は特に限定されず、例えば、公知の方法を用いることができる。(C)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(C)成分としては、例えば、エチレン単量体単位とアクリル酸エステル単量体単位および/またはメタクリル酸エステル単量体単位とを含むエチレン−アクリルゴムを用いることができる。アクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、アクリル酸メチル単量体単位、アクリル酸エチル単量体単位、アクリル酸ブチル単量体単位等が挙げられる。メタクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸メチル単量体単位、メタクリル酸エチル単量体単位、メタクリル酸ブチル単量体単位等が挙げられる。
(C)成分は、エポキシ樹脂との反応を考慮して、カルボキシル基等の官能基を含有することがより望ましい。官能基がカルボキシル基である場合、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム中におけるカルボキシル基の割合(即ち、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを構成する全単量体単位に対する、該カルボキシル基を有する単量体単位の割合)は、特に限定されないが、好ましくは1〜10モル%、特に好ましくは2〜6モル%である。この割合が1〜10モル%の範囲を満たすと、得られる組成物の流動性をコントロールできるため良好な硬化性が得られる。カルボキシル基を有する単量体単位としては、例えば、アクリル酸単量体単位、メタクリル酸単量体単位、マレイン酸単量体単位等が挙げられる。
(C)成分の具体的な例としては、商品名で、ベイマックG(三井デュポンポリケミカル製、−COOH基含有)等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、5〜50質量部であり、好ましくは5〜45質量部である。(C)成分が5〜50質量部の範囲を満たすと、得られるカバーレイフィルムおよび接着シートは、耐熱性、密着性により優れたものとなる。
〔(D)硬化剤〕
(D)成分である硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常使用されるものであれば特に限定されないが、得られる硬化物の難燃性を向上させる観点から、分子骨格内に芳香族環を有する硬化剤がより好ましい。(D)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の硬化剤としては、例えば、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、三フッ化ホウ素アミン錯塩、フェノール樹脂等が挙げられる。ポリアミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン系硬化剤;イソホロンジアミン等の脂環式アミン系硬化剤;ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン系硬化剤;ジシアンジアミド等が挙げられるが、前述の通り、芳香族アミン系硬化剤が特に好ましい。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、ピロメリト酸無水物、トリメリト酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。中でも、得られる組成物をカバーレイフィルムに用いる場合には適度な反応性が求められることから、芳香族ポリアミン系硬化剤、フェノール樹脂が好ましい。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、1〜20質量部であり、好ましくは3〜15質量部である。該配合量が1質量部未満の場合、得られる組成物の硬化が不十分となり、得られる硬化物は耐熱性や密着性に劣る。また、該配合量が20質量部を超える場合、得られる硬化物は、架橋度が上がりすぎて、密着性に劣るものとなる。
〔(E)無機充填剤〕
(E)成分である無機充填剤は、得られる硬化物の耐熱性と難燃性を向上させるものである。(E)成分としては、従来、カバーレイフィルム等に使用されている無機充填剤であれば特に限定されない。(E)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(E)成分の無機充填剤は難燃助剤としても作用する点から、(E)成分としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、硼酸亜鉛、酸化モリブデン等の金属酸化物が挙げられ、中でも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、10〜180質量部、好ましくは20〜160質量部である。該配合量が10質量部未満の場合、得られる組成物の耐熱性や難燃性が不十分となる。また、該配合量が180質量部を超える場合、得られる硬化物は密着性に劣るものとなる。
〔その他の任意成分〕
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外にも、その他の任意成分を添加してもよい。
・硬化促進剤
硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂と(D)硬化剤との反応の促進に用いられるものであれば特に限定されない。硬化促進剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、これらの化合物のエチルイソシアネート化合物、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート等のトリオルガノホスフィン類;四級ホスホニウム塩;トリエチレンアンモニウム・トリフェニルボレート等の第三級アミン、そのテトラフェニルホウ素酸塩、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化錫、ホウフッ化ニッケル等のホウフッ化物;オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩等が挙げられる。
・リン系難燃剤
リン系難燃剤はハロゲンを使用せずに難燃性を得る場合に有用である。本発明組成物をハロゲンを含まない難燃性の組成物として得るためには、(A)成分としてハロゲンを含まないリン含有エポキシ樹脂を使用し、ならびに/または、(A)成分としてハロゲンおよびリンを含まない非ハロゲン系エポキシ樹脂とその他の任意成分としてリン系難燃剤とを組み合わせて使用してもよい。
リン系難燃剤の例としてはホスファゼン化合物、リン酸エステルアミド化合物等が挙げられる。ホスファゼン化合物やリン酸エステルアミド化合物は、分子内にリン原子と窒素原子を含有しているため、特に高い難燃性が得られる。一般的には、リン系難燃剤としてリン酸エステルが使用される場合もあるが、リン酸エステルは耐加水分解性に劣り、得られる硬化物の耐マイグレーション性を悪化させるため、本発明では望ましくない。
リン系難燃剤のリン含有率が高いほど、少ない添加量のリン系難燃剤で難燃性が得られるので望ましい。具体的なリン含有率としては、例えば、8.0質量%以上、より好ましくは9.0質量%以上、特に好ましくは10.0質量%以上である。リン含有率が8.0質量%未満の場合、得られる硬化物に難燃性を付与するにはリン系難燃剤の添加量が増すため、該硬化物の接着力や耐熱性が低下するので好ましくない。
・有機溶剤
上記の(A)〜(E)成分および必要に応じて添加されるその他の任意成分は、無溶剤でカバーレイフィルムの製造に用いてもよいが、有機溶剤に分散し、本発明組成物を分散液として調製して用いてもよい。有機溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエンであり、特に好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、トルエンである。これらの有機溶剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記組成物分散液中の有機樹脂成分および無機固形成分の合計濃度は、通常10〜45質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。この濃度が10〜45質量%の範囲を満足すると、該分散液は電気絶縁性フィルム等の基材への塗布性が良好であることから作業性に優れ、塗工時にムラが生じることがなく塗工性に優れ、かつ環境面、経済性等にも優れたものとなる。
なお、「有機樹脂成分」とは、本発明の接着剤組成物を硬化させたときに得られる硬化物を構成する不揮発性有機成分であり、具体的には主として(A)〜(D)成分であり、場合によって加えられるその他の任意成分のうちの不揮発性有機成分をも含み、該接着剤組成物が有機溶剤を含む場合には、通常、有機溶剤は有機樹脂成分に含まれない。また、「無機固形成分」とは、本発明の接着剤組成物に含まれる(E)成分であり、場合によって加えられるその他の任意成分のうちの不揮発性無機成分をも含む。
本発明組成物中の有機樹脂成分、無機固形成分および有機溶剤は、ポットミル、ボールミル、ホモジナイザー、スーパーミル等を用いて混合すればよい。
<カバーレイフィルム>
〔構成〕
上記組成物は、カバーレイフィルムの製造に用いることができる。具体的には、例えば、電気絶縁性フィルムと、該電気絶縁性フィルムの少なくとも片面に設けられた上記組成物からなる層(以下、「組成物層」という場合がある。)とを有するカバーレイフィルムが挙げられる。該カバーレイフィルムには、前記組成物層を保護するために、該層上に任意部材として離型基材からなる保護層を設けることができる。上記組成物層の厚さは、乾燥状態で、好ましくは5〜50μmであり、より好ましくは5〜45μmである。
・電気絶縁性フィルム
前記電気絶縁性フィルムとしては、通常、カバーレイフィルムに用いられるものであれば特に限定されない。電気絶縁性フィルムの具体例としては、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム;ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等からなる基材にマトリックスになるエポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含浸して、フィルムまたはシート状にしたもの等が挙げられる。得られるカバーレイフィルムの耐熱性、寸法安定性、機械特性等の点から、特に好ましくは低温プラズマ処理されたポリイミドフィルムやコロナ処理されたアラミドフィルムが好適に利用できる。
電気絶縁性フィルムの厚さは、使用目的により適切な厚さとすればよいが、好ましくは3〜75μm、より好ましくは5〜50μmである。電気絶縁性フィルムとしてポリイミドフィルムを使用する場合、このポリイミドフィルムの厚さは、好ましくは9〜50μm、より好ましくは10〜25μmである。また、電気絶縁性フィルムとしてアラミドフィルムを使用する場合、このアラミドフィルムの厚さは、好ましくは3〜9μm、より好ましくは4〜6μmである。
・離型基材
離型基材は、上記組成物層を被覆する保護層として働く。該離型基材は、上記組成物層の形態を損なうことなく該層から剥離できるものであれば特に限定されないが、その例としては、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリメチルペンテン(TPX)フィルム、離型処理を施したポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム;PEフィルム、PPフィルム等のポリオレフィンフィルム、TPXフィルム、離型処理を施したポリエステルフィルム等を紙材料の片面または両面にコートした離型紙等が挙げられる。
〔製造方法〕
以下、本発明のカバーレイフィルムの製造方法を説明する。
予め所要成分と有機溶剤とを混合することにより調製した本発明組成物の分散液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する。分散液が塗布された電気絶縁性フィルムをインラインドライヤに通し、80〜160℃で2〜10分間かけて有機溶剤を除去することにより乾燥させ、半硬化状態とする。カバーレイフィルムが離型基材からなる保護層を有する場合には、次いで、この半硬化状態の上記組成物層を、ロールラミネータを用いて、該層の保護層として機能する離型基材と圧着、積層する。このようにしてカバーレイフィルムが得られる。カバーレイフィルムが離型基材を有する場合、該離型基材は使用に際して剥離される。なお、「半硬化状態」とは、組成物が乾燥した状態で、その一部において硬化反応が進行している状態を意味する。
<接着シート>
〔構成〕
上記組成物は、接着シートの製造に用いることができる。具体的には、例えば、前記組成物層と、該組成物層を被覆し保護層として機能する離型基材とを有する接着シートが挙げられる。該離型基材は、上記カバーレイフィルムの項で説明したものを用いることができる。上記組成物層の厚さは、乾燥状態で、好ましくは5〜50μmであり、より好ましくは5〜45μmである。
〔製造方法〕
以下、本発明の接着シートの製造方法について説明する。
予め所要成分と有機溶剤とを混合することにより調製した本発明組成物の分散液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、離型基材に塗布する。分散液が塗布された離型基材をインラインドライヤに通し、80〜160℃で2〜10分間かけて有機溶剤を除去することにより乾燥させ、半硬化状態とする。次いで、必要に応じ、この半硬化状態の上記組成物層をロールラミネータを用いて別の離型基材と圧着し、積層する。こうして接着シートが得られる。
以下、実施例を用いて本発明についてより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。実施例で用いた(A)〜(E)成分およびその他の任意成分は、具体的には下記のとおりである。なお、表中の配合比を示す数値の単位は「質量部」である。
<接着剤組成物の成分>
・(A)エポキシ樹脂
(1)EK(エピコート)1001(商品名)(ジャパンエポキシレジン製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量450〜500)
(2)EK(エピコート)5046(商品名)(ジャパンエポキシレジン製、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量455〜495、臭素含有率20〜22質量%)
(3)EK(エピコート)5050(商品名)(ジャパンエポキシレジン製、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量380〜410、臭素含有率47〜51質量%)
(4)EPICLON EXA−9710(商品名)(大日本インキ化学工業製、リン含有エポキシ樹脂、エポキシ当量475、リン含有率3.0質量%)
・(B)溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体
(1)タフテック M1913(商品名)(旭化成ケミカルズ製、無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン含有率30質量%、酸価10mg CHONa/g)
(2)SEPTON 2104(商品名)(クラレ製、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン含有率65質量%)
(3)Nipol NS310S(商品名)(日本ゼオン製、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン含有率22質量%)
・(C)高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴム
(1)ベイマックG(商品名)(三井デュポンポリケミカル製、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム)
・(D)硬化剤
(1)4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS、芳香族ジアミン系硬化剤)
・(E)無機充填剤
(1)水酸化アルミニウム
・硬化促進剤(任意成分)
(1)2E4MZ(商品名)(四国化成工業製、イミダゾール系硬化促進剤)
・リン系難燃剤(任意成分)
(1)SP−703(商品名)(四国化成工業製、リン酸エステルアミド系難燃剤、リン含有率:10質量%)
・可とう性樹脂成分(比較用の成分)
(1)ニポール1072(商品名)(日本ゼオン製、カルボキシル基含有NBR)
<カバーレイフィルムの特性>
〔実施例1〕
・接着剤組成物の調製
接着剤組成物の成分を表1の実施例1の欄に示す割合で混合し、得られた混合物に、メチルエチルケトン/トルエンの質量比1/1混合溶剤を添加することにより、有機固形成分および無機固形成分の合計濃度が35質量%の分散液を調製した。
・カバーレイフィルムの作製
アプリケータで上記分散液を乾燥後の厚さが25μmとなるようにポリイミドフィルムA(商品名:アピカルNPI、カネカ製、厚さ:12.5μm)表面に塗布し、それを120℃で10分間、送風オーブン内で乾燥させることにより組成物を半硬化状態としてカバーレイフィルムを作製した。
〔実施例2〜7〕
接着剤組成物の成分を表1の実施例2〜7の各欄に示す割合で混合した以外は実施例1と同様にしてカバーレイフィルムを作製した。
〔比較例1〜9〕
接着剤組成物の成分を表1の比較例1〜9の各欄に示す割合で混合した以外は実施例1と同様にしてカバーレイフィルムを作製した。
これらのカバーレイフィルムの特性を下記測定方法1に従って測定した。それらの結果を表2に示す。
〔測定方法1〕
1−1.剥離強度(密着性)
JIS C6471に準拠して、圧延銅箔(日鉱マテリアルズ製、厚さ:18μm)の光沢面とカバーレイフィルムの組成物層とをプレス装置(温度:160℃、圧力:3MPa、時間:60分)を用いて貼り合わせることによりプレスサンプルを作製した。得られたプレスサンプルを幅1cm、長さ15cmの大きさに切断して試験片とした。その試験片の電気絶縁性フィルム面を固定し、25℃の条件下で銅箔を該電気絶縁性フィルム面に対して90度の方向に50mm/分の速度で引き剥がすのに要する力の最低値を測定し、剥離強度として示した。
1−2.半田耐熱性(常態・吸湿)
常態下:JIS C6471に準拠して、前記剥離強度の項で作製したプレスサンプルを25mm角に切断することにより試験片を作製し、その試験片を300℃の半田浴上に30秒間浮かべた。その試験片に膨れ、剥がれ、変色のいずれも生じない場合を「良」と評価し○で示し、該試験片に膨れ、剥がれ、および変色の少なくとも一つが生じた場合を「不良」と評価し×で示した。
吸湿下:前記常態下での半田耐熱性測定用のものと同様にして作製した試験片を40℃、相対湿度90%の雰囲気下で24時間放置した後、その試験片を260℃の半田浴上に30秒間浮かべた。その試験片に膨れ、剥がれ、変色のいずれも生じない場合を「良」と評価し○で示し、該試験片に膨れ、剥がれ、および変色の少なくとも一つが生じた場合を「不良」と評価し×で示した。
1−3.難燃性
ポリイミドフィルムA(アピカルNPI、カネカ製、厚さ:12.5μm)とカバーレイフィルムの組成物層とをプレス装置(温度:160℃、圧力:3MPa、時間:60分)を用いて貼り合わせることによりプレスサンプルを作製した。UL94VTM−0難燃性規格に準拠して、得られたプレスサンプルのサンプルの難燃性を測定した。UL94VTM−0規格を満足する難燃性を示した場合を「良」と評価し○で示し、該サンプルがUL94VTM−0規格を満足しなかった場合を「不良」と評価し×で示した。
1−4.耐マイグレーション性
電解銅箔(三井金属製、厚さ:12μm)の処理面とカバーレイフィルムの組成物層とをプレス装置(温度:160℃、圧力:3MPa、時間:60分)を用いて貼り合わせることによりプレスサンプルを作製した。そのプレスサンプルの銅箔をエッチング処理し、一対の櫛型電極からなる、100μmピッチ(ライン幅/スペース幅=50μm/50μm)の櫛型回路を作製した。この櫛型回路が作製された面に対し、別のカバーレイフィルムの組成物層をプレス装置(温度:160℃、圧力:3MPa、時間:60分)にて貼り合わせ、耐マイグレーション性測定用サンプルを作製した。
温度85℃、相対湿度85%の条件下で、この測定用サンプルの2つの櫛型電極の各々の端部にマイグレーションテスター(IMV社製、商品名:MIG−87)を用いて50Vの直流電圧を印加して、耐マイグレーション性を評価した。電圧印加後、1,000時間以内に導体間で短絡(抵抗値の低下)が発生した場合、もしくは1,000時間経過後デンドライトの成長が認められた場合を「不良」と評価し×で示し、1,000時間経過後も抵抗値を維持し、かつデンドライトを生じなかった場合を「良」と評価し○で示した。
Figure 2009127031
Figure 2009127031
<接着シートの特性>
〔実施例8〕
実施例1と同様にして分散液を調製した。次いで、アプリケータでその分散液を乾燥後の厚さが25μmとなるように離型処理を施したポリエステルフィルム表面に塗布し、それを120℃で10分間、送風オーブン内で乾燥させることにより組成物を半硬化状態として接着シートを作製した。
〔比較例10〕
接着剤組成物の成分を表1の比較例1の欄に示す割合で混合した以外は実施例8と同様にして接着シートを作製した。
これらの接着シートの特性を下記測定方法2に従って測定した。その結果を表3に示す。
〔測定方法2〕
・剥離強度
接着シートのポリエステルフィルムから分離した組成物層を介して、ポリイミドフィルムB(商品名:アピカルAH、カネカ製、厚さ:75μm)とポリイミドフィルムC(商品名:アピカルNPI、カネカ製、厚さ:25μm)とを重ね合わせた後、プレス装置(温度:160℃、圧力:3MPa、時間:60分)を用いて貼り合わせることによりプレスサンプルを作製した。そのサンプルを幅1cm、長さ15cmの大きさに切断して試験片とし、その試験片のポリイミドフィルムB(厚さ:75μm)を固定し、25℃の条件下でポリイミドフィルムC(厚さ:25μm)をポリイミドフィルムBの面に対して180度の方向に50mm/分の速度で引き剥がすのに要する力の最低値を測定し、剥離強度として示した。
Figure 2009127031
<評価>
実施例1〜8で調製した組成物は本発明の要件を満足する。該組成物を用いたカバーレイフィルムおよび接着シートは、剥離強度、半田耐熱性、難燃性および耐マイグレーション性に優れていた。
比較例1で得られたカバーレイフィルムは、(C)成分を全く含まないため、剥離強度および吸湿下の半田耐熱性に劣るものであった。
比較例2で得られたカバーレイフィルムは、(B)成分を全く含まないため、剥離強度および吸湿下の半田耐熱性に劣るものであった。
比較例3で得られたカバーレイフィルムは、(C)成分を全く含まず、かつ、カルボキシル基含有NBRを含むため、耐マイグレーション性に劣るものであった。
比較例4で得られたカバーレイフィルムは、(B)成分を全く含まず、かつ、カルボキシル基含有NBRを含むため、耐マイグレーション性に劣るものであった。
比較例5で得られたカバーレイフィルムは、(B)成分および(C)成分の配合量が本発明の範囲を超えているため、吸湿下の半田耐熱性および難燃性に劣るものであった。
比較例6で得られたカバーレイフィルムは、(D)成分を全く含まないため、吸湿下の半田耐熱性に劣るものであった。
比較例7で得られたカバーレイフィルムは、(D)成分の配合量が本発明の範囲を超えているため、常態下および吸湿下の半田耐熱性および剥離強度に劣るものであった。
比較例8で得られたカバーレイフィルムは、(E)成分を全く含まないため、吸湿下の半田耐熱性に劣るものであった。
比較例9で得られたカバーレイフィルムは、(E)成分の配合量が本発明の範囲を超えているため、剥離強度に劣るものであった。
比較例10で得られた接着シートは、(C)成分を全く含まないため、剥離強度に劣るものであった。
本発明の接着剤組成物を硬化させて得られる硬化物、ならびに該組成物を用いたカバーレイフィルムおよび接着シートはいずれも、剥離強度、半田耐熱性、難燃性、耐マイグレーション性に優れており、絶縁信頼性の高いフレキシブル印刷配線板の製造等への応用が期待される。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂 100質量部、
    (B)溶液重合により合成されたスチレン系ブロック共重合体 5〜50質量部、
    (C)高圧ラジカル重合により合成されたエチレン−アクリルゴム 5〜50質量部、
    (D)硬化剤 1〜20質量部、および
    (E)無機充填剤 10〜180質量部
    を含有してなる接着剤組成物。
  2. 前記(B)成分が、スチレン重合体ブロックとブタジエン重合体ブロックとを含むブロック共重合体、スチレン重合体ブロックとイソプレン重合体ブロックとを含むブロック共重合体、スチレン重合体ブロックとブタジエン・イソプレン共重合体ブロックとを含むブロック共重合体、およびこれらの共重合体に含まれる不飽和結合の少なくとも一部を水素添加したブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体である請求項1に係る組成物。
  3. 電気絶縁性フィルムと、該電気絶縁性フィルムの少なくとも片面に設けられた請求項1または2に記載の組成物からなる層とを有するカバーレイフィルム。
  4. 前記電気絶縁性フィルムがポリイミドフィルムである請求項3に係るカバーレイフィルム。
  5. 離型基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた請求項1または2に記載の組成物からなる層とを有する接着シート。
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