JP2009126151A - 成形装置のパーティング面の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形型のパーティング面の冷却によるバリ抑制効果を高めることのできるパーティング面の加工方法の提供。
【解決手段】 成形装置1は、成形型2と成形型3とを閉じたときに形成されるキャビティ4の温度を調整する温度調整手段と、少なくともキャビティ4内に材料が供給されている間、成形型2及び成形型3の少なくとも一方のパーティング面を冷却する冷却手段とを備えている。パーティング面の加工時、温度調整手段によりキャビティ面の温度を調整すると共に、冷却手段によりパーティング面の冷却を行い、そのキャビティ面の温度調整及びパーティング面の冷却を維持した状態で、パーティング面の密着が得られるようにパーティング面を加工する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成形装置のパーティング面の加工方法に関する。
成形装置には、特許文献1に示されるように、三次元形状の金型面を温度むらなく迅速に温度調整するべく、金型面となってキャビティを形成する表面材とその表面材の背面を支持する支持材との間に通路を形成し、その通路内に、温度調整用媒体を流す温度調節管を配置すると共に、その温度調節管の周囲において低融点金属を充填したものが提案されている。これによれば、表面材の背面側又は支持材の表面側に溝を形成してそれらを組み付けることにより、表面材の表面から一定の近接距離に通路を形成でき、その通路内に温度調節管を配置できる。しかも、その通路と温度調節間との間に低融点金属が充填されて、その通路内壁と温度調節管との間に空間層をなくすことができ、対流ではなく伝導による熱伝達を行うことができる。これにより、温度調整用媒体を漏洩させることなく、三次元形状の金型面を迅速に温度調整することができる。
一方、成形装置においては、バリ対策が求められており、その一つとして、特許文献2に示されるように、成形型に、パーティング面近傍において冷却通路を形成し、その冷却通路に冷却媒体を流すことによりパーティング面を冷却することが知られている。これによれば、キャビティからパーティング面に漏れ出た溶融樹脂を凝固させて、以後、その凝固樹脂に基づき、溶融樹脂がキャビティからパーティング面に漏れ出ることを抑制でき、バリの発生を抑制できる。
したがって、このような特許文献2に係る成形装置に特許文献1に示す内容を適用すれば、温度調整用媒体を漏洩させることなく、パーティング面を迅速に冷却してバリの発生を抑制できる。
特開2002−172625号公報 特開2005−297386号公報
しかしながら、成形時にパーティング面を冷却すると、パーティング面はその冷却に伴い他の部位よりも収縮する。このため、パーティング面に成形材料が入り込める隙間が生じてしまい、パーティング面の冷却によるバリ抑制効果が小さくなってしまう。
そこで、本発明は、成形型のパーティング面の冷却によるバリ抑制効果を高めることのできるパーティング面の加工方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、第1成形型と第2成形型とを閉じたときに形成されるキャビティ面の温度を調整する温度調整手段と、少なくとも前記キャビティ内に材料が供給されている間、前記第1成形型及び前記第2成形型の少なくとも一方のパーティング面を冷却する冷却手段とを備える成形装置における、パーティング面の加工方法であって、前記温度調整手段により前記キャビティ面の温度を調整すると共に、前記冷却手段により前記パーティング面の冷却を行う温度制御工程と、前記温度制御工程における前記キャビティ面の温度調整及び前記パーティング面の冷却を維持した状態で、前記パーティング面の密着が得られるように前記パーティング面を加工する加工工程とを有することを特徴とするパーティング面の加工方法が提供される。
上記方法によれば、温度調整手段によるキャビティ面の温度調整と、冷却手段によるパーティング面の冷却とを行っている、実際の成型時と同じ温度環境の状態で、パーティング面を加工するため、成形時に密着度の高いパーティング面が得られ、パーティング面の冷却によるバリ抑制効果を高めることができる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記加工工程では、前記パーティング面の加工を行った後、前記温度制御工程における前記キャビティ面の温度調整及び前記パーティング面の冷却を維持した状態で、前記パーティング面の型合わせ検査を行い、前記パーティング面の密着状態が不良の場合、再度、前記パーティング面の加工を行うことが好ましい。
上記の方法によれば、キャビティ面の温度調整とパーティング面の冷却とを行った状態で、パーティング面の加工、型合わせ検査を繰り返し、良好なパーティング面の密着状態を得ることができる。
本発明によれば、成形型のパーティング面の冷却によるバリ抑制効果を高めることのできるパーティング面の加工方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る成形装置を示す全体図、図2及び図3はそれぞれ、本実施形態に係る成形装置の型開き状態及び型閉じ状態を示す図である。
図1〜3において、符号1は実施形態に係る成形装置であり、成形装置1は、固定型(第1,第2成形型の一方)2と、固定型2に対して接近、離間動可能な可動型(第1,第2成形型の他方)3とを備えている。固定型2と可動型3とは、その固定型2の型合わせ面であるパーティング面2aとその可動型3の型合わせ面であるパーティング面3aとが型開き状態から当接して型閉じ状態になったときに、その両者2,3間においてキャビティ4を形成するように構成されており、そのキャビティ4は、所定の成形品形状に対応した形状に設定されている。
図1〜図3においては、理解を容易にするために、キャビティ4、そのキャビティ4を構成する各型(固定型2、可動型3)におけるキャビティ凹所4aの形状を簡単化したものが示されているが、例えば、成形品として車両のバンパの成形品を成形する場合には、固定型2の内面は図4に示す通りとなり、可動型3の内面は図5に示す通りとなる。図4において、符号5はスライドコア、ハッチングで示される部分6は、固定型2におけるキャビティ4外周縁側のパーティング面2aを示し、図5において、ハッチングで示される部分7は、固定型2に対応する可動型3におけるキャビティ4外周縁側のパーティング面3aを示している。
固定型2には、図1〜図3に示すように、その外側面からキャビティ4内に臨む樹脂流通路8が形成されている。この樹脂流通路8には、固定型2の外面において射出成形機9が接続されており、この射出成形機9により材料としての溶融樹脂がキャビティ4内に供給されることになっている。また、固定型2及び可動型3には、キャビティ4の背面側を通るようにして循環通路10がそれぞれ形成され、その循環通路10に対して温度調整媒体(温調水)を流す温度調整装置としての金型温調機11が接続ホース12(図2,図3参照)を介して接続されており、その温度調整媒体によりキャビティ4内の温度状態が調整されることになっている。図1において固定型2及び可動型3の循環通路10に対する矢印は、温度調整媒体の流れの状態を示す。この温度調整媒体としては、射出成形時のキャビティ4の内壁面が例えば約40℃となるように、常に例えば約25〜30℃の温調水が供給される。なお、図1においては、図2,図3の場合と異なり、循環通路10と金型温調機11との接続関係が簡略して示されている。
固定型2のパーティング面2a及び可動型3のパーティング面3aには、図2,図3,図6,図7に示すように、溝13が外部に対して開口するようにそれぞれ形成されている。この両溝13は、互いに対応して形成されており、固定型2と可動型3とが型閉じ状態になったときには、両溝13の開口は合わさることになっている。溝13は、キャビティ4の外周縁部近傍にそれぞれ配置されており、そのキャビティ4の外周縁からの距離は、後述のバリ発生抑制処理がキャビティ4での本来の樹脂成形にできるだけ影響を与えない限りできるだけ近くなるように設定されている。具体的には、キャビティ4の外周縁から一定距離L(例えば0.5〜1.0cm程度)に設定されている。この溝13は、図1〜図3,図6,図7においては、簡単化のため、キャビティ4の周縁部の一部のみに配置されているが、実際には、複数の溝13の各一部が、キャビティ4の略全周を囲むように形成されている。これについては、後述する。
各溝13には、図1〜図3,図6,図7に示すように、温度調節管14がそれぞれ圧入されている。この温度調節管14は、バリの発生の抑制、固定型2及び可動型3の結露の発生防止を目的として、温度調整用媒体である加熱媒体又は冷却媒体を適宜、流し、その温度調整用媒体により固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aの温度調整を行うことになっている。この温度調節管14としては、本実施形態においては、銅製(熱伝導率:約400W/m・K)の温度調節管が用いられており、この銅製の温度調節管14を用いることにより、延性、展性等を利用した圧入作業の容易性、溝13内壁に対する密着性、さらには、高い熱伝導率が確保されている。
また、各温度調節管14は、図1〜図3、図6、図7に示すように、各溝13に対応して、キャビティ4の外周縁部近傍の一部分に位置することになっているが、これは、理解を容易にするべく簡単化して図示したためであり、実際には、バンパを成形する場合の固定型2及び可動型3を示す図4、図5に示すように、各型2,3毎に、複数の温度調節管14が用意され、その各温度調節管14の一部が、協働してキャビティ4の外周縁部を略全周に亘って囲んでいる。これに伴い、溝13も、これら各温度調節管14の配置、圧入を可能とすべく、それに即した状態で各型2,3に形成されている。図4,図5において、各温度調節管14に対する矢印は、その各温度調節管14での温度調整用媒体の流れを示す。
固定型2及び可動型3の各温度調節管14は、図2,図3,図6,図7に示すように、溝13開口を介して外部に露出されている。各温度調節管14は、その露出面がパーティング面と略面一ないしは若干、溝13内方に引っ込むように配置されており、その固定型2及び可動型3の両温度調節管14の露出面は、極めて近接した状態(当接状態を含む)で対向することになっている。また、温度調節管14と溝13底部との間に、温度調節管14、溝13の表面粗さ、加工ばらつき等に基づき、閉じられた空間15が形成されるが、その空間15には接着剤16が充填されている。この接着剤16には、空間15の空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を示すものが用いられており、本実施形態においては、その接着剤16は、銀を主要成分とした含む接着剤とされている。このような銀を主要成分とした接着剤16には、組成として、銀:約65重量%、残り:窒化ボロン、樹脂、硬化剤としたものがあり、その熱伝導率は、7.5W/m・Kである。なお、この接着剤16の充填は、温度調節管14を溝13内に圧入する前に、その溝13内に接着剤16を入れておいたり、温度調節管14の外周面に接着剤16を付着させておくことにより、行われる。また、接着剤16は、キャビティ4側のパーティング面2a,3aの冷却効果をより高めるために、図6,図7に示すように、温度調節管14上のキャビティ側の溝13内空間に充填されている。
固定型2の温度調節管14の一端部及び可動型3の温度調節管14の一端部に、図1に示すように、媒体供給管17を介して加熱媒体供給源18及び冷却媒体供給源19が接続されていると共に、固定型2の温度調節管14の他端部及び可動型3の温度調節管14の他端部に、図1に示すように、媒体還流管20を介して加熱媒体供給源18及び冷却媒体供給源19が接続されている。
加熱媒体供給源18は、温度調整用媒体を送り出すポンプ、その温度調整用媒体を加熱する加熱源等、温度調整用媒体(加熱媒体)を送り出す一連の要素を含んでおり、その加熱媒体供給源18の供給口側と媒体供給管17との間には電磁弁からなる開閉弁18aがそれぞれ介装されていると共に、加熱媒体供給源18の還流口側と媒体還流管20との間には電磁弁からなる開閉弁18bがそれぞれ介装されている。
冷却媒体供給源19は、温度調整用媒体を送り出すポンプ、その温度調整用媒体を冷却する冷却源等、温度調整用媒体(冷却媒体)を送り出す一連の要素を含んでおり、冷却媒体供給源19の供給口側と媒体供給管17との間には電磁弁からなる開閉弁19aがそれぞれ介装されていると共に、冷却媒体供給源19の還流口側と媒体還流管20との間には電磁弁からなる開閉弁19bがそれぞれ介装されている。
媒体供給管17及び媒体還流管20としては、本実施形態においては断熱ホースが用いられている。断熱ホースの可撓性、屈曲性等に基づき、固定型2に対する可動型3の接近、離間動を可能にするためである。
加熱媒体供給源18及び冷却媒体供給源19において用いる温度調整用媒体としては、低温から高温までの広い範囲で使用できる媒体、例えばフッ素系流体(例えばパーフルオロポリエーテル(PFPE))が好ましい。また、このフッ素系流体は、銅製温度調節管14を腐食させることがないため有利である。
図1において、符号Uは、制御装置を示す。制御装置Uは、主として、固定型2及び可動型3に対する温度調整用媒体の制御を目的とするもので、型閉じ工程開始からの成形品の取り出し工程までの間、経過時間に基づき所定の制御を行うことになっている。このため、制御装置Uには、型閉じ工程開始を検出するスイッチSWからの開始信号が入力される一方、その制御装置Uからは、加熱媒体供給源18、開閉弁18a,18b、冷却媒体供給源19、開閉弁19a,19bに制御信号が出力されることになっている。
次に、制御装置Uによる制御内容を、成形装置1による成形工程と共に具体的に説明する。
成形装置1においては、図8に示すように、型閉じ、射出、保圧、冷却、型開き、成形品取出しの各工程が順次、行われるが、制御装置Uは、型開き状態から型閉じ工程への移行が開始されると、センサSWからの検出信号に基づき、開閉弁18a,18bを閉じる等して、加熱媒体供給源18から加熱媒体が供給されることを停止する一方、開閉弁19a,19bを開弁して、冷却媒体供給源19から固定型2の温度調節管14及び可動型3の温度調節管14に冷却媒体(フッ素系流体)を供給し、その冷却媒体により固定型2のパーティング面2a及び可動型3のパーティング面3aを冷却する。この冷却は、射出工程を経て保圧工程の初期段階まで行われ、固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aの温度は、図8に示すように、次第に下げられて例えば25℃以下の温度(具体的には例えば23〜24℃)に下げられる。
これにより、キャビティ4から固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aに漏洩しようとする溶融樹脂21が積極的に凝固され、以後、その凝固物によりキャビティ4内の溶融樹脂21の漏洩が阻止されて、両パーティング面2a,3aに溶融樹脂の凝固物であるバリが生じることが抑制される。特に、保圧工程においては、溶融樹脂の凝縮に伴って溶融樹脂が加圧補給され、それに基づき両パーティング面2a,3aへと溶融樹脂が漏洩し易くなるが(図8中のバリ発生タイミング領域参照)、この両パーティング面2a,3aの積極的な冷却によりその溶融樹脂の漏洩を防止できることになる。このとき、各温度調節管14が溝13内壁に圧入されて強固に密着されていること、各温度調節管14と溝13底部との間の閉じられた空間15に銀を主要成分とした接着剤16が充填され、高い熱伝導率の下での伝導をもって各パーティング面2a,3aの熱を奪うことができることにより、両パーティング面2a,3a間を漏洩しようとする溶融樹脂に対する冷却効果(凝固)を高めることができる。
保圧工程を経てキャビティ4に対する冷却工程が開始されると、制御装置Uは、開閉弁19a,19bを閉じて冷却媒体の供給を停止する一方、開閉弁18a,18bを開弁して加熱媒体(フッ素系流体)を固定型2の温度調節管14及び可動型3の温度調節管14に供給し、固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aの加熱を開始する。この加熱は、型開き工程前まで例えば約40℃の加熱媒体が供給され、固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aの温度は、例えば25℃を超える温度(具体的には例えば26〜27℃)とされる。これにより、固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aに対する上記冷却の場合と同様、高い熱伝達性をもって固定型2及び可動型3のパーティング面2a,3aが加熱され、型開き時に、固定型2及び可動型3に結露が生じることが防止される。
この後、固定型2と可動型3との型開きを行う型開き工程を経て、取出し工程において、成形品が成形型から取り出され、一つの成形品の成形を終える。
したがって、本実施形態においては、各温度調節管14から固定型2及び可動型3の両パーティング面2a,3aへの熱伝導性を高めることにより、特に保圧工程において、両パーティング面2a,3a間に漏洩し易い溶融樹脂21を即座に凝固させて、以後の溶融樹脂21の漏洩を防止し、バリの発生を抑制できる。また、キャビティ4の冷却工程において、同様の高い熱伝達性をもって各温度調節管14からの熱により両パーティング面2a,3aを加熱することができ、型開き時に固定型2及び可動型3に結露が生じることを防止できる。
しかも、各温度調節管13の取付け作業が、各溝13内に温度調節管13を圧入するだけの作業となるため、取付け作業を容易にすることができる。
その反面、上述のような構成を採用した成形装置においては、特有の問題が生じる。すなわち、保圧工程においてはパーティング面2a,3aが積極的に冷却されるためパーティング面2a,3aは他の部位より低温となるため、これらのパーティング面2a,3aは他の部位よりも収縮量が大きくなる。具体的には、図9に示すように、冷却時のパーティング面2a,3aはそれぞれ、理想面2a’,3a’に対して収縮を起こし、型合わせをしたとき、パーティング面2aとパーティング面3aとの間に溶融樹脂が入り込める隙間が生じてしまう。この不良現象によって、パーティング面の冷却によるバリ削減効果が小さくなってしまう。
この問題を解決するために、本実施形態においては、本成形装置の製作時又は修理時に、以下の工程によるパーティング面2a,3aの加工を行う。
(1)まず、本成形装置1の実際の射出成型時と同様の温度制御を行う。すなわち、金型温調機11によりキャビティ4の温度調整を行う。具体的には、上述したように、射出成形時のキャビティ4の内壁面が例えば約40℃となるように、例えば約25〜30℃の温調水を供給する。そして、金型温調機11が温調水を供給している間、制御装置Uは冷却媒体供給源19から固定型2の温度調節管14及び可動型3の温度調節管14に冷却媒体を供給し、その冷却媒体によりパーティング面2a,3aを冷却する。以後この温度状態を維持する。上記したとおり、この状態では、パーティング面2a,3aはそれぞれ、理想面2a’,3a’に対して収縮を起こすことになる。
(2)図10に示すように、パーティング面2a及び3aに、溶接材20を肉盛りする。この溶接材20としては例えば、Fe(鉄)を主成分とし、例えば、Mn(マンガン)、Si(ケイ素)、C(炭素)、Mo(モリブデン)を含有する材料を用いるとよい。
(3)図11に示すように、グラインダ21を用いて理想面2a’、3a’に対して凸となった部分を切削する。
(4)図12に示すように、例えば固定型2のパーティング面2aの全面に光明丹を塗布し、図13に示すように、固定型2のパーティング面2aと可動型3のパーティング面3aとを当接して型閉じ状態にする。
(5)その後、図14に示すように、型開き状態とし、可動型3のパーティング面3aへの光明丹の転写状態を確認する。光明丹が濃く転写されている部分ではパーティング面が理想面に対して浮いて(凸出して)おり、逆に、光明丹が薄く転写されているか全く転写されていない部分では、パーティング面が理想面に対して凹んでいると判断できる。このように、光明丹によって不良箇所を容易に目視することができる。
(6)図15に示すように、光明丹が強く転写されている部分、すなわちパーティング面が理想面に対して浮いている部分は、グラインダ21を用いて切削し、面直しを行う。また、光明丹が薄く転写されているか全く転写されていない部分には、再度、溶接材を肉盛りし、切削、面直しを行う。
(7)光明丹を一度拭き取り、再び固定型2のパーティング面2aの全面に光明丹を塗布し、固定型2のパーティング面2aと可動型3のパーティング面3aとを当接して型閉じ状態にする。
(8)以降、型閉じ時に固定型2のパーティング面2aと可動型3のパーティング面3aとが全面で密着し、光明丹がパーティング面3aの全域に亘って均一に転写されるようになるまで、上記(5)、(6)の工程を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態におけるパーティング面の加工方法は、実際の射出成形時に制御される温度環境において行われるため、その実際の射出成型時に生じうるパーティング面の収縮現象を考慮してパーティング面を平滑化することができる。これにより、特に保圧工程においてパーティング面を積極的に冷却することによりパーティング面に漏洩し易い溶融樹脂を即座に凝固させ、以後の溶融樹脂の漏洩を防止し、もってバリの発生を抑制するようにした成型装置において、そのバリ発生の抑制効果をより確実にすることができる。
なお、上述の実施形態においては、射出成形を前提に説明したが、本件発明を鋳造金型に適用可能であることは言うまでもない。
実施形態に係る成形装置を示す全体図。 実施形態に係る成形装置の型開き状態を説明する説明図。 実施形態に係る成形装置の型閉じ状態を説明する説明図。 バンパの成形を行う固定型内面において、キャビティ周縁部のパーティング面の位置を示す説明図。 バンパの成形を行う可動型内面において、キャビティ周縁部のパーティング面の位置を示す説明図。 型開き時におけるパーティング面の状態を説明する説明図。 型閉じ時におけるパーティング面の状態を説明する説明図。 製造工程及び各製造工程におけるパーティング面の温度状態を説明する説明図。 パーティング面の収縮現象を説明する図。 パーティング面への溶接材の肉盛り工程を説明する図。 パーティング面上の溶接材の凸部の切削工程を説明する図。 パーティング面への光明丹の塗布工程を説明する図。 光明丹が塗布されたパーティング面の型閉じ工程を説明する図。 図11の型閉じ状態から型開き状態として光明丹の転写状態を確認する工程を説明する図。 光明丹の転写状態に応じた再度の切削、面直し工程を説明する図。
符号の説明
1 成形装置
2 固定型(第1,第2成形型の一方)
2a パーティング面(合わせ面)
3 可動型(第1,第2成形型の他方)
3a パーティング面(合わせ面)
4 キャビティ
13 溝
14 温度調節管
16 接着剤
21 溶融樹脂

Claims (3)

  1. 第1成形型と第2成形型とを閉じたときに形成されるキャビティ面の温度を調整する温度調整手段と、少なくとも前記キャビティ内に材料が供給されている間、前記第1成形型及び前記第2成形型の少なくとも一方のパーティング面を冷却する冷却手段とを備える成形装置における、パーティング面の加工方法であって、
    前記温度調整手段により前記キャビティ面の温度を調整すると共に、前記冷却手段により前記パーティング面の冷却を行う温度制御工程と、
    前記温度制御工程における前記キャビティ面の温度調整及び前記パーティング面の冷却を維持した状態で、前記パーティング面の密着が得られるように前記パーティング面を加工する加工工程と、
    を有することを特徴とするパーティング面の加工方法。
  2. 前記加工工程では、前記パーティング面の加工を行った後、前記温度制御工程における前記キャビティ面の温度調整及び前記パーティング面の冷却を維持した状態で、前記パーティング面の型合わせ検査を行い、前記パーティング面の密着状態が不良の場合、再度、前記パーティング面の加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のパーティング面の加工方法。
  3. 前記材料は溶融樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパーティング面の加工方法。
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