JP2005279949A - リング状ゴム製品の射出成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規なOリング等の精密ゴム製品を不良率少なく射出成形をする方法を提供すること。
【解決手段】 Oリング等のリング状ゴム製品を射出成形する方法。射出ポット(射出バレル)14内のゴム成形材料を溶融化させたもの(以下「溶融材料」)を射出ノズル16から金型32内へ射出する。その際、ゲート46での材料流れを、可動型(下型)38側に形成した平板状堰49で製品キャビティ48の両側部に分流させる。そして、該ゲートの製品キャビティと接続される所定幅の薄肉オリフィス50aで剪断摩擦熱を付与して、流動性を向上させながら製品キャビティ48に材料注入(充填)を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、リング状ゴム製品の射出成形方法に関し、特に、Oリング、ピストンシール、ピストンカップ、Vパッキン、更には、オイルシール等の精密ゴム部品の製造に好適な発明である。
ここでは、リング状ゴム製品としてOリングを射出成形する場合を例に採り説明する。
精密ゴム製品であるOリングは、コンプレッション(圧縮成形)が、一般的であった。それは、下記のような理由による。
精密ゴム製品を射出成形により、十分な精度及び融合部強度を有するリング状ゴム製品を得ようとすると、製品キャビティ内へ流動性の良好な状態で注入(射出)し、且つ、可及的に流動中にスコーチ(早期加硫)が発生しないようにする必要がある。
しかし、流動性の良好な状態で注入するため材料射出温度を相対的に高温とすると、製品キャビティゲートにゴム材料(溶融)が到達する前にスコーチが発生しやすい。また、流動性が低いと、キャビティ内の流動速度が遅く、融合する前にスコーチ(早期加硫)が発生して融合ライン(ウェルドマーク)が発生し易い(十分な融合強度を得難い。)。
そこで、融合強度を得るために、相対的に高圧(高速)で射出成形をする必要がある。
しかし、高圧で射出成形しようとすると、高温にして相対的に粘度を低下させる必要がある。射出温度を高温にした状態で製品キャビティ内に射出すると、成形材料がキャビティ内でスコーチにより材料流動抵抗が増大して、融合部接合・強度不良、さらには充填不良(ショートショット)等が発生しやすい。すなわち、成形品不良が多量に発生する。
しかし、圧縮成形は、射出成形に比して、加硫時間(型締め時間)を長く取る必要があり、生産性が低い。
例えば、成形材料:NBRゴム配合物、金型温度:170℃とした場合、一般的な型締め時間は、圧縮成形:4〜6min、射出成形:2分前後である。
また、圧縮成形においては、全周にしかも射出成形に比してバリ長が長いバリ(例えば、30〜50mm内径において内外にそれぞれ5mm以上)が発生する。そして、そのバリ取り(手むしり)は、バリ跡の突出長(f)を0.10mm以下(JIS B 2401付表1〜3参照)にする必要があり、バリ取り工数が嵩んだ。
このため、新規なOリング等の精密ゴム製品を不良率少なく射出成形をする方法の確立が要請されている。
本発明の発明性に影響を与えるのもではないが、射出成形によりOリング等の精密ゴム製品を製造する下記構成の射出成形用金型に係る技術が特許文献1等において提案されている。この発明は、本発明のような通常の練ゴムを成形材料とするのと異なり、液状ふっ素ゴム組成物等の液状ゴム組成物を成形材料とすることを前提としている。
「成形材料供給ゲートから供給された成形材料が少なくとも二手に分岐して流動した後、合流し、この合流点で前記成形材料が融合するキャビティを有する射出成形用金型において、前記キャビティに連絡する少なくとも2個のエアーベントゲートを、これらのエアーベントゲートを前記合流点に設けた場合に形成される成形材料の融合面よりも融合面積が増大するように、前記合流点とずらして配置したことを特徴とする射出成形用金型。」
特開2003−145588号公報
本発明は、上記にかんがみて、上記特許文献等に記載されていない、新規なOリング等の精密ゴム製品を不良率少なく射出成形をする方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意開発に努力をする過程で、製品キャビティのゲート部形状を工夫することにより、上記課題を解決できることを見出し、下記構成の本発明に想到した。
リング状ゴム製品を射出成形する方法であって、
射出ポット(チャンバー)内の成形材料(ゴム配合物)を溶融化させたもの(以下「溶融材料」)を射出ノズルから金型内へ射出し、ゲートでの材料流れを製品キャビティの両側部に分流させ、さらに、該ゲートの製品キャビティと接続される所定幅の薄肉オリフィスで剪断摩擦熱を付与して製品キャビティに材料注入を行うことを特徴とする。
ゲートで材料流れをリング状の製品キャビティの両側部に分流させることにより、融合部(ゲート部反対側位置)までの到達時間が短くなり、製品キャビティ内でスコーチが発生し難い。また、ゲートの製品キャビティと接続される所定幅の薄肉オリフィスで剪断摩擦熱を付与するため、製品キャビティ内へ流入する材料粘度が低下して流動性が向上する。これらが相乗して、寸法精度に優れたリング状ゴム製品を得やすくなるとともに、融合部(ウェルドライン)強度が確保し易くなり、さらには、外周バリレスの製品を得ることができる。
従って、圧縮成形でリング状ゴム製品を製造する場合に比して、格段に生産性が向上する。
上記において、溶融材料の金型内への射出を、射出ノズルを先端に備え、先端部側に溶融材料投入口を供えた射出ポットと、前記射出ポット内に摺動可能なプランジャーとを備えた射出機と、前記溶融材料投入口と先端吐出口が連通される可塑化押出機を備えたプリプラタイプの射出成形機を用い、且つ、前記射出ポット内の横断面における前記溶融材料の温度分布及び/又は粘度分布を可及的に均一化させた状態で前記金型内への射出を行うことが望ましい。上記構成とすることにより、金型内に低粘度化させた均一なゴム材料の射出が可能となり、上記作用・効果がより確実となる。
前記射出ポットは、前記射出ノズルと連続する先端部が前記プランジャーの先端形状に対応する形状を備えたプランジャー嵌合部とし、射出ノズル及び射出ポットのプランジャー嵌合部の各内面に断熱被覆層を形成したものとすることが望ましい。射出ポット内の溶融化ゴムの射出ポット壁面からの放熱が遮断されるため、上記溶融化ゴムのポット内における温度及び/又は粘度が安定化を容易に達成することができる。
薄肉オリフィスの寸法仕様は、通常、その高さ(型締め時隙間)を約0.05〜0.1mmとするとともに、同ランド長さ(幅)を0.02〜0.05mmとする。
成形材料として、NBRゴム配合物からなる製品に適用することが望ましい。NBRゴム配合物は、粘度が相対的に高く、また、Oリング等の精密ゴム製品に適用される材料であるためである。
そして、本発明の製造方法に適用するゴム射出成形用金型の構成は、下記の如くになる。
リング状ゴム製品を成形するためのゴム射出成形用金型であって、
固定型及び可動型とを備えてなり、型締め状態において、
ファンゲートを備え、該ファンゲートの製品キャビティ側で中央部に材料流れ方向を製品キャビティの左右両側へガイドする平板状堰を備えて、該平板状堰の両側に製品キャビティとの接続部が所定幅の薄肉オリフィスを型締め時形成可能に金型分割面の少なくとも一方が扁平凹面とされていることを特徴とする。
そして、上記金型において、薄肉オリフィスの高さ(型締め時隙間)を約0.05〜0.1mmとするとともに、同ランド長さ(幅)を約0.02〜0.05mmとする。
そして、本発明に係る射出成形用金型は、例えば、Oリング等の成形用とする場合は、製品キャビティを円環状であり、手むしり溝がオリフィス部製品キャビティにおける外周面にのみ形成されている構成とする。
また、本発明に係るゴム射出成形用金型は、製品キャビティに型締め時連通可能な減圧吸引路を備えていることが望ましい。射出成形方法において、製品キャビティにゴム材料を注入するに先立ち吸引減圧することが可能となるためである。
以下、本発明に係る最良の形態の一つについて説明する。
本実施形態に使用するゴム射出成形機12に組み込んだゴム射出成形用金型14の部分断面図を図1に示す。ここでは、縦型射出成形機で多数個採り金型を例に採り説明するが、横型射出成形機又は一個採り金型の場合でも同様である。但し材料流れにおける重力の作用を考慮すると、たて(竪)型射出成形機が望ましく、生産性の見地から、多数個採りが望ましい。
本実施形態で使用するゴム射出成形機は、プリプラタイプで、例えば、特開2003−11189号公報に記載のものを好適に使用可能である。
基本的には、射出機12と可塑化押出機24とを備えている。
そして、射出機12は、射出ノズル16を先端に装着し先端部側に溶融材料投入口20を備えた射出ポット18と、射出ポット18内に摺動可能なプランジャー22とを備えている。
可塑化押出機24は、押出バレル25と、押出バレル25内に混練押出スクリュウー26とを備えている。その押出バレル25の先端吐出口27は射出ポット18の溶融材料投入口20と連通路28を介して連通している。
なお、先端吐出口27には、射出ポット18内に投入された溶融材料が逆流しないように逆止弁30が組み込まれている。
そして、本実施形態では、射出ポット18が、先端に装着される射出ノズル16と連続する先端部が、プランジャー22の先端形状に対応する嵌合形状とされたプランジャー嵌合部22aとされている。そして、射出ノズル16とプランジャー嵌合部22aの各内面に断熱被覆層(図示せず)が形成されている。さらに、プランジャー嵌合部22aの先端部側には、温度センサ19を設けて温調ヒータ31に信号を送り、制御することも可能となっている。
ここで、プランジャー先端部22a及び射出ポット18のプランジャー嵌合部18aの各形状は、図例のごとく、縦断面テーパ状とすることが望ましい。このテーパ角度は、通常、30〜60°の範囲で成形材料特性に応じて適宜選定する。
また、断熱被覆層は、通常、セラミック溶射被覆層で形成する。例えば、アルミナ/チタニアを50/50として80μmの総厚み(アンダーコート、トップコート)で表面研磨したものとする(同段落0033参照)。
なお、可塑化押出機24及び射出バレル14の各外周には、それぞれ温調手段31が装着されている。温調手段31は、図例では、熱媒体(オイル又は過熱蒸気)であるが、抵抗加熱、誘導加熱等であってもよい。
そして、本実施形態におけるゴム射出成形用金型32の詳細を図2〜3に示すとともに、該金型で成形したOリングの平面断面図を図4に示す。本金型は、リング状ゴム製品(Oリング)32を成形するためのものである。本発明が適用できるOリング(成形品)34の大きさは、通常、内径:10〜500mmφ、太さ:5〜150mmφとするが(JIS B 2401付表参照)、内径30〜200mmφ、太さ:2〜10mmφのものに適用することが本発明の効果が顕著となる。
本金型32は、基本的には、固定型(図例では上型)36及び可動型(図例では下型)38とからなる。ここでは、固定型36と可動型38とで、溶融材料の流路(スプルー42、ランナー44、ゲート46)及び製品キャビティ(製品賦形部)48を型閉時に形成するように孔及び窪みが形成されている。また、図示しないが、固定型及び可動型には、熱媒体流路を備え、型加硫可能となっている。以下の説明は、特に断らない限り、型締め時を基準に説明をする。
そして、ゲート46がファンゲート(末広がり形状)であり、該ファンゲート46の製品キャビティ側で中央部に材料流れ方向を製品キャビティ48の左右両側へガイドする平板状堰(図例では三日月形)49を備えて、該平板状堰49の両側に形成される分岐流入路50、50の製品キャビティ流入口50a、50aが、スリット状の薄肉オリフィスとされている。即ち、図例では、製品キャビティ流入口50a、50a部位において、金型分割面の両面が扁平凹面とされて、製品キャビティ流入口50a、50aが薄肉オリフィスとされている。
図例では、平板状堰50の形状は三日月状であるが、三角形状(二点鎖線)、台形状等で、分岐流入路を形成できれば任意である。
該薄肉オリフィス50aの高さ(型締め時隙間)及び同ランド長さは、材料特性及びOリングの大きさにより異なる。例えば、中高ニトリルタイプのNBRゴム配合物を使用して、内径:30〜200mm、太さ:2〜10mmのOリングを成形する場合、下記の如くに設定する。
オリフィス高さh:通常、0.05〜0.1mm(望ましくは、0.06〜0.08mm)
同ランド長さ(幅):0.02〜0.05mm(望ましくは、0.02〜0.03mm)
また、上記板状堰48部位における金型分割面(PL)隙間(型締め時)は、溶融材料が流入せず、かつ、型締め時型かじりが発生しないものとする。上記材料特性及びOリングの大きさにより異なるが、上記設定のOリングを成形する場合、通常、0〜0.03mmとする。
また、本金型においては、ゲート除去作業性の見地から、手むしり溝52がキャビティ48におけるゲート46接続部の外周面にのみ形成されている。
さらに、本実施形態では、本金型は、製品キャビティ48への溶融材料の流入特性を向上させるために、型締め時連通可能な減圧吸引路53を備えている。この減圧吸引路53は、減圧吸引パイプ53aと減圧アキューム53bとからなる。
さらに、減圧吸引を確実にするために、型閉じ時、製品キャビティのOリング外周に減圧吸引のための隙間の確保を確実とするための付勢手段が介在している。具体的には、固定型(上型)36と可動型(下型)38との間で、複数対のばね座突部36a及びばね座凹部38aを形成し、該突部36a、凹部38aの間に凹部圧縮コイルばね(付勢手段)51を介在させる。当然、圧縮コイルばね51は、型締めの荷重で、容易に圧縮されるばね定数を有するものである。なお、54は、密閉性確保のためのOリングである。
次に、上記射出成形機及び成形用金型を用いてOリングを製造する場合について説明をする。
なお、金型32、38は、上下熱盤37、39で加熱されるようになっている。
先ず、成形用ゴム材料(例えばリボン状の)を、可塑化押出機(スクリュープリプラタイプ)24の材料投入口に投入し、温調ヒータ31で加熱しながらスクリュー混練して、可塑化(溶融化)させる。該溶融化材料を、可塑化押出機24の先端吐出口26から連通路28を介して射出機(プランジャタイプ)12の射出ポット18に投入する。
そして、射出ポット(射出チャンバー)18の先端部に所定量以上の溶融材料が充填(貯留)されたなら、プランジャー22を作動させて、射出ノズル16から溶融材料を金型32内へ射出する。
このとき、プリプラ射出成形機であるため、可塑化押出機24における混練により発生する剪断発熱の影響を、射出ポット18の溶融材料が受けず、且つ、射出ポット18の先端部18a及び射出ノズル16の内面は断熱被覆層により、外部熱影響を受け難い。したがって、溶融材料の温度分布及び/又は粘度分布を可及的に均一化させた状態で金型内へ射出可能となる。
ここでの溶融材料温度及び射出圧は、材料特性及びOリングの大きさ並びに金型温度(型加硫温度)により異なる。材料及びOリングの大きさが、前述の設定で型加硫温度160〜180℃の場合、例えば、溶融材料温度(射出チャンバー温度):約85〜120℃(望ましくは約90〜110℃)、射出圧:150〜180MPa(望ましくは160〜170Mpa)とする。
射出ポット温度(溶融材料温度)が低過ぎては、射出時において、所定の流動性(ムーニー粘度)を得難く、逆に、高すぎては、ムーニー時間が短くなり、チャンバー内又は金型内においてスコーチが発生するおそれがある。
より具体的には、射出材料温度は、ムーニースコーチ試験(JIS K 6300)において、最低ムーニー粘度(Vm)約45以下、望ましくは約30前後を示し、且つ、ムーニースコーチ時間(ts:最低ムーニー粘度から5M上昇するまでの加熱開始からの時間)20min以上、望ましくは、30min以上を示すような温度とする。そのような温度は、上記各温度となる。
なお、金型32の製品キャビティ48内は、予め、型閉じ後、型締め前の状態で、減圧吸引して減圧状態としておく。このときの減圧の程度は、70〜74.5kPa(絶対圧)とする。
そして、型締めされた金型32内へ射出された溶融材料は、スプルー42、ランナー44を介してゲート46に至る。
ここで、ゲート46は、ファンゲートであり、溶融材料は末広がり状に層流的に勢いよく拡散し、平板状堰38で分岐流となり、分岐流入路50から製品キャビティ流入口(薄肉オリフィス)50aを経て製品キャビティ48に流入し、製品キャビティ48を充填する。そして、溶融材料が硬化(加流)後、型開きを行って成形品の離型を行う。
このときの加硫時間は、主として、材料特性、射出ポット温度(溶融材料温度)及び金型温度に依存する。
例えば、Oリング成形用の汎用中高ニトリルゴム配合物を用いて、射出ポット温度(溶融材料温度):90〜110℃、金型温度:165〜170℃とした場合、加硫時間(型締め時間)約15〜90sとする。
そして、上記のような条件で製造したOリングは、後述の実施例で示す如く、外周にほとんどバリが発生せず、しかも、加硫状態(融合ラインが発生せず)も、従来の圧縮成形により製造したものに比して、優るとも劣らなかった。
その理由は、下記の如くであると考えられる。
均質な粘度又は温度分布の溶融材料が、リング状の製品キャビティ内にゲートからリング両側最大膨出部(リング部縦中央線位置)に向かって材料が流れることにより、分流させない場合に比して材料融合までの時間が短くなる。また、溶融材料は、薄肉オリフィス50aで絞られて、剪断作用を受けるため、溶融材料の温度が上昇するとともに流動性が向上(粘度が低下)して、材料融合までの時間がさらに短くなるとともに、ゲートから融合部に至るまでに製品キャビティの賦形面(外周面)側からの熱と相乗してスコーチしながら融合部に至る。
なお、上記においては成形材料として、ニトリルゴム(NBR)配合物を使用する場合を例に採って説明したが、他の、水添NBR、ふっ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)等も使用可能である。
以下、本発明の効果を確認するために、比較例とともに行った実施例について説明をする。
Oリングの寸法仕様は、内径(基準寸法d1):133.5mm、太さ(基準寸法d2):4.5mmとした。
<実施例>
ガスケット射出成形用の汎用中高ニトリルゴム配合物を用いて、射出チャンバー温度(溶融材料温度):105℃、金型温度:170℃として、型締め時間を表1の如く、変動させて試料(Oリング)を射出成形(設定射出圧:170MPa)した。
なお、使用した金型のファンゲート仕様は下記のものとした。
ファンゲート・・・接続部ランナー(矩形断面):4mm幅×1.5mm高さ、ファン部テーパ角度:60°、広幅部全長(材料流れ方向中心軸位置)L:5mm、同全幅W:60mm、
同一般部高さ:0.7mm、製品キャビティ流入口(薄肉オリフィス)高さ:0.08mm、同ランド長さ:0.03mm、
平板状堰(三日月形)・・・製品キャビティ側R:73,25mm、堰頂部R:2,5mm、材料流れ方向長さL2:2,5mm、高さ(厚さ)0,55mm
<従来例>
ガスケット圧縮成形用の汎用中高ニトリルゴム配合物を用いて、金型温度170℃、型締め時間(加硫時間)6minの条件で圧縮成形をした。
<試験方法>
上記で得た成形品(Oリング)を試料(テストピース)として、下記膨潤試験(溶剤:トルエン1級、浸漬時間:24h)を行った。その際、試験前後の重量を計測し、「100×(試験後重量/試験前重量)」を膨潤率(n=3の算術平均値)として求めた。
<試験結果及び考察>
それらの結果を示す表1から、本実施例の射出成形方法で得たOリングは、圧縮成形して得たものに比して、膨潤率において、優るとも劣らず、加硫時間が約25s以上あれば、加硫状態は良好であることが分かる。なお、加硫時間が長くなると、膨潤率が増大している。その理由は、本射出形成法では60sに至る前に程度で加硫が完了するため、それ以上の加硫は逆に、加硫戻りによりゴム性能が劣化することがあるからである。
また、各実施例の場合、外周に顕現するバリは発生しなかった。
Figure 2005279949
一実施形態に使用するゴム射出成形機に組み込んだゴム射出成形用金型の部分断面図である。 同じくゴム射出成形用金型の溶融材料射出直前における型閉じ時の概略部分断面図である。 同じくゴム射出成形用金型の溶融材料射出完了時における型締め時の概略部分断面図である。 図3の4−4線概略断面図である。
符号の説明
12・・・プランジャ型射出機
14・・・可塑化押出機
16・・・射出ノズル
18・・・射出ポット
22・・・プランジャ
32・・・ゴム射出成形用金型
36・・・固定型(上型)
38・・・可動型(下型)
42・・・スプルー
44・・・ランナー
46・・・ゲート
48・・・製品キャビティ
49・・・平板状堰
50・・・分岐流入路
50a・・・製品キャビティ流入口(薄肉オリフィス)

Claims (10)

  1. リング状ゴム製品を射出成形する方法であって、
    射出ポット内の成形材料(ゴム配合物)を溶融化させたもの(以下「溶融材料」)を射出ノズルから金型内へ射出し、ゲート部での材料流れを製品キャビティの両側部に分流させ、さらに、前記ゲート部の製品キャビティと接続される所定幅の薄肉オリフィスで剪断摩擦熱を付与して製品キャビティに材料注入を行うことを特徴とするリング状ゴム製品の射出成形方法。
  2. 前記溶融材料の金型内への射出を、射出ノズルを先端に備え、先端部側に溶融材料投入口を備えた射出ポットと、前記射出ポット内に摺動可能なプランジャーとを備えた射出機と、前記溶融材料投入口と先端吐出口が連通される可塑化押出機を備えたプリプラタイプの射出成形機を用い、且つ、前記射出ポット内の横断面における前記溶融材料の温度分布及び/又は粘度分布を可及的に均一化させた状態で前記金型内への射出を行うことを特徴とする請求項1記載のリング状ゴム製品の射出成形方法。
  3. 前記射出ポットが、前記射出ノズルと連続する先端部が前記プランジャーの先端形状に対応する形状を備えたプランジャー嵌合部とされ、前記射出ノズル及び前記射出ポットのプランジャー嵌合部の各内面に断熱被覆層が形成されたものであることを特徴とする請求項2記載のリング状ゴム製品の射出成形方法。
  4. 製品キャビティにゴム材料注入に先立ち、前記キャビティ内を吸引減圧することを特徴とする請求項1〜3いずれか一記載のリング状ゴム製品の射出成形方法。
  5. 前記薄肉オリフィスの高さ(型締め時隙間)を約0.05〜0.1mmとするとともに、同ランド長さ(幅)を0.02〜0.05mmとすることを特徴とする請求項1〜4いずれか一記載のリング状ゴム製品の射出成形方法。
  6. 前記成形材料がNBRゴム配合物であることを特徴とする請求項1〜5いずれか一記載のリング状ゴム製品の射出成形方法。
  7. リング状ゴム製品を成形するためのゴム射出成形用金型であって、
    固定型及び可動型とを備えてなり、
    ゲートがファンゲートとされ、該ファンゲートの製品キャビティ側で中央部に材料流れ方向を製品キャビティの左右両側へガイドする平板状堰を備え、該平板状堰の両側に形成される分岐流入路の製品キャビティ流入口が、スリット状の薄肉オリフィスとされていることを特徴とするゴム射出成形用金型。
  8. 前記薄肉オリフィスの高さ(型締め時隙間):0.05〜0.1mm、同ランド長さ(幅):0.02〜0.05mm、であることを特徴とする請求項7記載のゴム射出成形用金型。
  9. 前記製品キャビティが円環状であり、手むしり溝が前記オリフィス部製品キャビティにおける外周面にのみ形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のゴム射出成形用金型。
  10. 前記製品キャビティに型締め時連通可能な減圧吸引路を備えていることを特徴とする請求項7〜9いずれか一記載のゴム射出成形用金型。

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