JP2009123881A - ウェハーの保護層用樹脂組成物及びダイシング方法 - Google Patents

ウェハーの保護層用樹脂組成物及びダイシング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アライメントマーク認識性に優れるとともに、ダイシング時には優れた密着性を有し、且つ、ダイシング後は容易に剥離できる保護層を形成可能なウェハーの保護層形成用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ウェハーのダイシングの際に、上記ウェハーの回路形成面を保護するための保護層用樹脂組成物であって、(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂と、(B)分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、膜厚80μmで形成した樹脂組成物層の500〜650nmの波長域における最小光透過率が70%以上である、ウェハーの保護層用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウェハーの保護層用樹脂組成物及びそれを用いたダイシング方法に関する。
各種電子部品の小型化、軽量化及び高集積化に伴い、それに用いられる半導体部品も小型化が進んでいる。半導体装置等の電子部品は、半導体部品集合体をダイシングテープに貼り付けてダイシングし、半導体チップに個片化して回路基板等に接続し、封止材料を充填して電子部品としている。
ダイシング工程では、ダイシングブレードと呼ばれる薄型砥石でウェハーに研削溝を入れてウェハーをカットするダイシング装置が用いられている。ダイシングブレードは、例えば微細なダイヤモンド砥粒をNiで電着したもので、厚さ30μm程度の極薄のものが用いられる。
このダイシングブレードを30000〜60000rpmで高速回転させてウェハーに切込みを入れ、ウェハーを完全切断(フルカット)する。このとき、ウェハーの裏面に貼り付けられたダイシングテープは、表面から110μm程度しか切り込まれていないので、ウェハーは個々のチップに切断されてはいるものの、個々のチップがバラバラにはならず、チップ同士の配列が崩れていないので全体としてウェハー状態が保たれることとなる。
しかし、このダイシングブレードによる研削加工の場合、研削水を供給しながら研削溝を形成するため、ウェハー表面に微細な研削屑等(以下、「コンタミネーション」という)が付着するという問題がある。このコンタミネーションは、ダイシング後の洗浄工程でも完全には取り除くことが困難である。
ところが最近、配線の細密化の理由から、このウェハーの回路形成面の汚染を極度に嫌う製品や、ウェハー表面に微細な配線があり研削屑衝突によるダメージを防ぐ必要のある製品が要求されている。しかしながら、従来通りのウェハーのダイシング方法では、このような製品の要求を満足することができないという問題が生じてきた。
この課題を解決するため、ウェハーの回路形成面側に保護シートを貼付した後、ウェハーの裏面にダイシングテープを貼付し、ウェハーの回路形成面側から保護シートごとウェハーをダイシングし、次いで切断された保護シートを自己剥離させるダイシング方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−175148号公報
しかしながら、上記特許文献1には保護シートに関する詳細な記述はなく、保護シートに適した材料の開発が望まれている。
すなわち、保護シートに適した材料とは、透明性が低くダイシング時やフリップチップ実装時にアライメントマーク認識性が妨げられると、視認精度を得るために特殊な装置を用いなければならないという問題が生じるため、アライメントマーク認識性に優れること、及び、ダイシング時には優れた密着性を有し、且つ、ダイシング後は容易に剥離できることが要求される。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、アライメントマーク認識性に優れるとともに、ダイシング時には優れた密着性を有し、且つ、ダイシング後は容易に剥離できる保護層を形成可能なウェハーの保護層形成用樹脂組成物、及び、それを用いたダイシング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ダイシング後に個片化されたチップから容易に保護層を剥離するためには、保護層用材料に感光性樹脂組成物を用いることが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ウェハーのダイシングの際に、上記ウェハーの回路形成面を保護するための保護層用樹脂組成物であって、(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂と、(B)分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、膜厚80μmで形成した樹脂組成物層の500〜650nmの波長域における最小光透過率が70%以上である、ウェハーの保護層用樹脂組成物を提供する。
かかる樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、アライメントマーク認識性に優れるとともに、ダイシング時には優れた密着性を得ることができ、且つ、ダイシング後は保護層を光硬化させることで容易に剥離することが可能である。
また、本発明のウェハーの保護層用樹脂組成物において、上記(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有する樹脂であることが好ましい。
Figure 2009123881


[式(1)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するX及びmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
上記(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂を用いることにより、可とう性に優れた保護層を形成することができ、ダイシング時により優れた密着性を得ることができるとともに、ウェハーのチッピングの発生をより十分に抑制することができる。
本発明はまた、ウェハーのダイシング方法において、上記ウェハーの回路形成面側に上記本発明のウェハーの保護層用樹脂組成物からなる保護層を形成する保護層形成工程と、上記ウェハーの上記回路形成面とは反対側の面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼り付け工程と、上記ウェハーの上記回路形成面側から上記保護層ごと上記ウェハーをダイシングするダイシング工程と、切断された上記保護層に活性光線を照射して光硬化させ、上記ウェハーから光硬化後の上記保護層を剥離する剥離工程と、を有するダイシング方法を提供する。
かかるダイシング方法によれば、上記本発明の保護層用樹脂組成物を用いてウェハーの回路形成面に保護層を形成しているため、優れたアライメントマーク認識性が得られるとともに、保護層の密着性に優れ、ダイシング時のウェハーのチッピングの発生を十分に抑制することができる。また、ダイシング後は保護層を光硬化させることでウェハーから容易に剥離することができる。
また、本発明のダイシング方法の上記剥離工程において、上記保護層の剥離は、上記保護層に粘着テープを貼り付け、上記ウェハーから光硬化後の上記保護層を上記粘着テープとともに剥離することにより行うことが好ましい。これにより、ウェハーからの保護層の剥離を容易に且つ効率的に行うことができる。
本発明によれば、アライメントマーク認識性に優れるとともに、ダイシング時には優れた密着性を有し、且つ、ダイシング後は容易に剥離できる保護層を形成可能なウェハーの保護層形成用樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記本発明の保護層形成用樹脂組成物を用いることにより、優れたアライメントマーク認識性が得られるとともに、保護層の密着性に優れ、ダイシング時のウェハーのチッピングの発生を十分に抑制することができ、また、ダイシング後は保護層をウェハーから容易に剥離することができるダイシング方法を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明のウェハーの保護層用樹脂組成物は、(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂(以下、場合により「(A)成分」という)と、(B)分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」という)と、(C)光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という)と、を含むものであり、膜厚80μmの樹脂組成物層を形成した場合に、その樹脂組成物層の500〜650nmの波長域における最小光透過率が70%以上となるものである。以下、各成分について詳細に説明する。
((A)成分:分子内にウレタン結合を有する樹脂)
(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂としては、ウェハーとの密着性に優れることから、例えば、ポリウレタン樹脂、ウレタン骨格を有するポリイミド樹脂、ウレタン骨格を有するポリアミドイミド樹脂、及び、ウレタン骨格を有するポリアミド樹脂等のウレタン骨格並びにアミド結合若しくはイミド結合を有する樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、(A)成分として使用することができるウレタン結合を有する樹脂は、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等のジオール化合物を、末端にイソシアネート基を有する化合物と反応させることで得られる。
特に、(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂は、ダイシング時にブレードへの樹脂の付着を低減するよう靭性付与及び低弾性率化を両立する観点から、ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン骨格を含むことが好ましい。
ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂は、例えば、下記一般式(2);
Figure 2009123881


[式(2)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、mは1〜20の整数を示す。]
で表されるカーボネートジオール類と、下記一般式(3);
OCN−X−NCO (3)
[式(3)中、Xは二価の有機基を示す。]
で表されるジイソシアネート類とを反応させることにより得られる。こうして得られるポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 2009123881


[式(1)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するX及びmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
上記一般式(1)及び(3)中のXで示される二価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、及び、未置換若しくはメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されているフェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、より好ましくは1〜18である。また、上記Xで示される二価の有機基としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイル基等が好ましいものとして挙げられる。
上記一般式(2)で示されるカーボネートジオール類としては、例えば、α,ω−ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−ペンタメチレンカーボネート)ジオール等が挙げられ、市販されているものとしては、ダイセル化学(株)製のPLACCEL CD−205,205PL,205HL,210,210PL,210HL,220,220PL,220HL(商品名)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、カーボネートジオール以外のジオール化合物を併用することもできる。カーボネートジオール以外のジオール化合物としては、例えば、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類、シリコーンジオール類等が挙げられる。
また、上記式(3)で示されるジイソシアネート類としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジエチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジメトキシジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート化合物及びこれらの水添物;ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート;ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート;トリレン−2,6−ジイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート;p−キシリレンジイソシアネート;ナフタレン−2,6−ジイソシアネート;4,4’−〔2,2ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート類のように、式(3)中のXが芳香族環を有する基である芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、式(3)で示されるジイソシアネート類としては、本発明の目的の範囲内で、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート、あるいは三官能以上のポリイソシアネートを使用することができる。
また、上記式(3)で示されるジイソシアネート類は、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、ヒドロキシアクリレート、メタノールを代表とするアルコール、フェノール、オキシム等が挙げられるが、特に制限はない。
上記式(2)で示されるカーボネートジオール類と上記式(3)で示されるジイソシアネート類との配合割合は、生成する樹脂の末端を水酸基にするかイソシアネート基にするかで適宜調整される。なお、ポリウレタン樹脂の高機能化のために種々の骨格を導入し易くできる観点から、水酸基数とイソシアネート基数との比率(イソシアネート基数/水酸基数)が1.01以上となるように調整することが好ましい。このような比率にすることにより、樹脂の末端がイソシシアネート基である下記一般式(4)のようなポリウレタン樹脂(a−1)の比率を高めることができ、種々の骨格を導入し易くすることができる。
Figure 2009123881


[式(4)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
上記式(2)で示されるカーボネートジオール類と、上記式(3)で示されるジイソシアネート類との反応は、無溶媒あるいは有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、80〜180℃とすることがより好ましい。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件等により適宜選択することができる。例えば、1〜5L(リットル)のフラスコスケールでは、反応時間は2〜5時間とすることができる。
このようにして得られる上記一般式(4)で表される化合物(a−1)の数平均分子量は、500〜50,000であることが好ましく、1,000〜40,000であることがより好ましく、1,500〜20,000であることが特に好ましい。数平均分子量が500未満であると、形成される半導体チップの反り性が悪化する傾向があり、50,000を超えると、有機溶媒への溶解性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。また、本発明の数平均分子量及び分散度は、以下のように定義される。
(a)数平均分子量(M);
=Σ(N)/ΣN=Σ(X
[X=分子量Mの分子のモル分率=N/ΣN
(b)重量平均分子量;
=Σ(N )/Σ(N)=Σ(W
[W=分子量Mの分子の重量分率=N/Σ(N)]
(c)分子量分布(分散度);
分散度=M/M
上記ポリカーボネート骨格を有するポリウレタンは、上記一般式(4)のポリウレタン(a−1)を用い、イソシアネート基と反応可能な化合物を用いて、種々の骨格を導入することができる。
イソシアネート基と反応可能な化合物としては、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体、酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸、水酸基を有する化合物並びにカルボキシル基を有する化合物等が挙げられる。
上記酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(5)又は(6)で表される化合物を使用することが好ましい。
Figure 2009123881


Figure 2009123881


[式(5)及び(6)中、R’は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Yは、−CH−、−CO−、−SO−、又は−O−を示す。]
上記酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸としては、コスト面等から、トリメリット酸無水物が特に好ましい。
また、上記酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸についても特に限定されないが、例えば、下記一般式(7)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2009123881


[式(7)中、Yは、下記式(8);
Figure 2009123881


で示される複数の基から選ばれる一種を示す。]
また、これらの他に必要に応じて、酸成分として、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)等を併用することができる。この場合、分子鎖中にアミド結合も形成されることとなる。
上記ポリカーボネート骨格を有するポリウレタンに、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体、又は、酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸を反応させる場合、上記イソシアネート化合物として、上記一般式(4)で表される化合物(a−1)以外の化合物(以下、「化合物(a−2)」という)を使用することもできる。化合物(a−2)としては、化合物(a−1)以外のイソシアネート化合物であれば、特に限定されず、例えば、上記一般式(3)で示されるジイソシアネート類、三価以上のポリイソシアネート類等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。化合物(a−2)のイソシアネート化合物の数平均分子量の好ましい範囲は、上記の化合物(a−1)と同様である。
特に、ダイシング時にブレードへの樹脂の付着を低減するよう膜の靭性付与と低弾性率化を両立する為には、化合物(a−1)と化合物(a−2)とを併用することが好ましい。なお、化合物(a−1)又は化合物(a−2)をそれぞれ単独で用いる場合は、密着性、回路追従性、低反り性の点から、化合物(a−1)を使用することが好ましい。
化合物(a−2)としては、その総量の50〜100質量%が芳香族ポリイソシアネートであることが好ましく、溶解性、機械特性、コスト面等のバランスを考慮すれば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
化合物(a−1)と化合物(a−2)とを併用する場合、化合物(a−1)/化合物(a−2)の当量比で0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。当量比がこの範囲にあると、良好なウェハーとの密着性、回路追従性、低反り性を得ることができる。
また、酸無水物基を有する三価のポリカルボン酸若しくはその誘導体、及び/又は、酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸の配合割合は、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の総数に対する、カルボキシル基と酸無水物基の総数の比(カルボキシル基と酸無水物基の総数/イソシアネート基の総数)が、0.6〜1.4となるようにすることが好ましく、0.7〜1.3となるようにすることがより好ましく、0.8〜1.2となるようにすることが特に好ましい。この比が0.6未満又は1.4を超えると、ポリイミド結合を含む樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向があり、目的とする特性が得られない可能性がある。
なお、上記一般式(5)で示される化合物と、上記一般式(4)で示されるポリウレタン樹脂(a−1)とを用いた場合、下記一般式(9);
Figure 2009123881


[式中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含むアミドイミド結合を有するポリウレタン樹脂を得ることができる。
また、上記一般式(6)で示される化合物と、上記一般式(4)で示されるポリウレタン樹脂(a−1)とを用いた場合、下記一般式(10);
Figure 2009123881


[式中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、Yは、−CH−、−CO−、−SO−、又は−O−を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含むアミドイミド結合を有するポリウレタン樹脂を得ることができる。
また、上記一般式(7)で示される化合物と、上記一般式(4)で示されるポリウレタン樹脂(a−1)を用いた場合、下記一般式(11);
Figure 2009123881


[式中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、Yは、上記式(8)で示される複数の基から選ばれる基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
で示される繰り返し単位を含むイミド結合を有するポリウレタン樹脂を得ることができる。
本発明において、(A)成分として使用される「ウレタン結合を有する樹脂」の製造方法における酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体、並びに酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸から選ばれる1種以上の化合物と、イソシアネート化合物又はアミン化合物との反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことができる。
上記非含窒素系極性溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどの含硫黄系溶媒;γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記溶媒の中でも、生成する樹脂を溶解可能な溶剤を選択して使用するのが好ましい。また、合成後、そのまま感光性樹脂組成物の溶媒として好適なものを使用することが好ましい。上記溶媒の中でも、高揮発性であり、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。
また、溶媒の使用量は、生成するウレタン結合を有する樹脂の0.8〜5.0倍(質量比)とすることが好ましい。この量が0.8倍未満では、合成時の粘度が高くなりすぎて、攪拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。
反応温度は、80〜210℃とすることが好ましく、100〜190℃とすることがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。この温度が80℃未満では反応時間が長くなり過ぎる傾向があり、210℃を超えると反応中に三次元化反応が生じてゲル化が起こり易くなる傾向がある。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。
また、必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、亜鉛、チタニウム、コバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行ってもよい。
また、合成終了後に、樹脂末端のイソシアネート基をアルコール類、ラクタム類、オキシム類、カルボン酸類、酸無水物類のブロック剤でブロックすることもできる。
このようにして得られたウレタン結合を有する樹脂の数平均分子量は、10,000〜100,000であることが好ましく、20,000〜80,000であることがより好ましく、30,000〜70,000であることが特に好ましい。数平均分子量が10,000未満であると、ダイシング時に保護層が剥離しやすくなる傾向があり、数平均分子量が100,000を超えると、非含窒素系極性溶媒に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい傾向がある。また、数平均分子量が100,000を超えると、作業性に劣る傾向がある。
本発明の樹脂組成物で用いる(A)成分の樹脂としては、数平均分子量が異なる2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。このとき、混合する2種以上の樹脂は全て、GPC法で測定した数平均分子量が上記の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が異なる樹脂を2種以上混合する際の混合比は特に制限されない。また、樹脂溶液の濃度も制限なく選択できる。
本発明の樹脂組成物における(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の固形分全量を基準として、30〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく、60〜80質量%であることが特に好ましい。この含有量が30質量%未満であると、ダイシング時にブレードの目詰まりが起きやすい傾向があり、90質量%を超えると、ダイシング時に保護層が剥離しやすい傾向がある。
((B)成分:分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物)
分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。このうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートプロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CHCHO−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CHCH(CH)O−)のブロック構造を有することを意味する。
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。上記のα,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の固形分全量を基準として、10〜70質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。この含有量が10質量%未満であると、ダイシング時に保護層が剥離しやすい傾向があり、70質量%を超えると、ダイシング時にブレードの目詰まりが起きやすい傾向がある。
((C)成分:光重合開始剤)
(C)成分である光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の固形分全量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることが特に好ましい。この含有量が0.1質量部未満であると、光硬化が不十分で保護層が剥離しにくい傾向があり、10質量部を超えると、ウェハー表面を汚染しやすい傾向がある。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、カップリング剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、熱架橋剤などを含有させることができる。
上述した保護層用樹脂組成物は、当該樹脂組成物を用いて膜厚80μmの樹脂組成物層を形成した場合の500〜650nmの波長域における最小光透過率が70%以上であることが必要であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。この最小光透過率が70%未満であると、十分なアライメントマーク認識性が得られない。また、樹脂組成物中の各成分の相溶性が不十分となり、ウェハー上に保護層を形成した場合の十分な密着性が得られない恐れがある。
なお、上記樹脂組成物層は、後述する光硬化前の保護層に相当するものであり、例えば、保護層用樹脂組成物の溶液を基材上に塗布し、乾燥して溶媒を除去することで得ることができる。また、光透過率は、例えば分光光度計を用いて測定することができる。
(ウェハーのダイシング方法)
本発明のウェハーのダイシング方法は、ウェハーの回路形成面側に上記本発明のウェハーの保護層用樹脂組成物からなる保護層を形成する保護層形成工程と、ウェハーの回路形成面とは反対側の面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼り付け工程と、ウェハーの回路形成面側から保護層ごとウェハーをダイシングするダイシング工程と、切断された保護層に活性光線を照射して光硬化させ、ウェハーから光硬化後の保護層を剥離する剥離工程と、を有する方法である。
ここで、図1(a)〜(d)は本発明のダイシング方法を示す一連の工程図である。図1(a)に示すように、まずウェハー1の回路形成面側に上記本発明のウェハーの保護層用樹脂組成物からなる保護層2を形成する(保護層形成工程)。
保護層形成工程において、保護層2は、上記本発明の保護層用樹脂組成物を、回路形成されたウェハー1上に所望の厚さに塗布、滴下または貼り付けることにより形成可能である。これらの塗布、滴下、貼り付けの方法や条件は特に限定されない。
塗布又は滴下により保護層2を形成する場合、例えば、上述した保護層用樹脂組成物に溶媒を加えて液状とし、それをウェハー1の回路形成面上に塗布又は滴下し、乾燥して溶媒を除去することで保護層2を形成することができる。
上記溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどの含硫黄系溶媒;γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、貼り付けにより保護層2を形成する場合には、予め上記本発明の保護層用樹脂組成物をフィルム状に形成し、フィルムマウンター等を用いてウェハー1に貼り付けることができる。
保護層2の厚さは、密着性や反り防止の観点から、20〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましく、40〜100μmであることが特に好ましい。
なお、必要に応じて、ウェハー1の回路形成面とは反対側の面に対し、平滑性と薄層化の理由からバックグラインドを行ってもよい。バックグラインドの研磨装置としては、研磨ステージを有するものであれば特に制限は無く、例えば、ディスコ社製の商品名「DFG−8540」など公知の装置を用いることができる。また、研磨条件としても特に限定は無い。
また、本発明のダイシング方法が適用可能なウェハーとしては特には限定されないが、例えば、シリコンウェハー、GaAsウェハーなどの半導体基板が挙げられる。また、ウェハーの厚さについても特には限定されないが、例えば、200μm〜1000μmのものが用いられる。さらに、ウェハーの表面にはバンプが形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。バンプが形成されている場合、その高さについては特に限定されないが、例えば、10〜200μmである。上記のようにバックグラインドした半導体電子部品集合体(ウェハー)の厚さとしても特には限定されないが、例えば、50〜600μmである。
上記保護層形成工程によりウェハー1の回路形成面上に保護層2を形成した後、図1(a)に示すように、ウェハー1の回路形成面とは反対側の面にダイシングシート(ダイシングテープ)3を貼り付ける(ダイシングシート貼り付け工程)。ダイシングシート3の貼り付けは、公知の方法により行うことができる。
次に、図1(b)に示すように、ダイシングブレード10によりウェハーの回路形成面側から保護層2ごとウェハー1をダイシングする(ダイシング工程)。ダイシングは、公知の切断装置を用いて行うことができる。このとき、ウェハー1のダイシングは、例えば、ダイシングシート3を介してウェハー1を環状のフレームにマウントした状態で行われる。
次に、ダイシングにより得られた保護層2付きウェハー1(半導体チップ)に対し、図1(c)に示すように保護層2に紫外線等の活性光線の照射等を行い、光硬化により保護層2の粘着性を低下させた後、図1(d)に示すようにウェハー1から光硬化後の保護層22を剥離する(剥離工程)。
ここで、活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
ウェハー1から保護層22を剥離する方法としては特に制限されないが、好ましくは、保護層22に粘着テープを貼り付け、ウェハー1から保護層22を粘着テープとともに剥離する方法を用いる。これにより、保護層22を効率的に且つ確実に剥離することができる。また、粘着テープが活性光線を透過するものであれば、粘着テープを保護層2に貼り付けてから活性光線の照射を行ってもよい。
保護層22を剥離後、ウェハー1(半導体チップ)は、通常の条件で配線基板等に実装することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<(A)成分の作製>
攪拌機、油分分離機付冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットルの四つ口フラスコに、γ−ブチロラクトン565.84g、1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、商品名「プラクセルCD−220」)695.04g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート105.0g、トルエンジイソシアネート83.52gを仕込み、150℃まで昇温し、150℃で4時間反応させた。
次に、上記反応物に、無水トリメリット酸124.8gを加え、70℃で3時間反応させた。次いで再び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート75.0g、トルエンジイソシアネート34.8gを加え、120℃で1時間及び180℃で3時間反応させた。反応後、メチルエチルケトンを563.9g加えて冷却し、さらにアクリル酸2−ヒドロキシエチル46.4gを加え、120℃で3時間反応させることで、数平均分子量45,000の樹脂(ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂:(A)成分)を得た。なお、数平均分子量は、反応時間毎に反応溶液を少量採取し、ガードナー製の気泡粘度計による粘度変化率を観察することで調整した。得られた樹脂をメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分50質量%のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<(B−1)成分の作製>
ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「PCDL T−6001」)100g、m−キシリレンジイソシアネート38.6g、シクロヘキサノン70.0gを反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃〜100℃に加熱して、1時間反応させた。次いで、アクリル酸2−ヒドロキシエチル23.8gを加え、赤外分光分析でイソシアネートの吸収が消失するまで反応を行い、数平均分子量2,000のポリウレタンアクリレート溶液((B−1)成分)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製>
上記(A)ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液12.6g(固形分:6.3g)及び上記(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)1.0g、並びに、光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−907」)及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)をそれぞれ0.1gずつ加え、さらに全体の固形分が50質量%になるようにメチルエチルケトンを加えて40℃で1時間撹拌し、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[実施例2]
<(B−2)成分の作製>
ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「PCDL T−6001」)100g、イソホロンジイソシアネート44.4g、シクロヘキサノン70.0gを反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃〜100℃に加熱して、2時間反応させた。次いで、アクリル酸2−ヒドロキシエチル23.2gを加え、赤外分光分析でイソシアネートの吸収が消失するまで反応を行い、ポリウレタンアクリレート溶液((B−2)成分)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製>
(B)成分として(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)に代えて(B−2)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[実施例3]
<(B−3)成分の作製>
ポリエステルポリオール(日立化成ポリマー社製、商品名「テスラック2506−63」)155g、1,5−ナフタレンジイソシアネート2.66gを反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃〜100℃に加熱して、1時間反応させた。次いで、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.5gを加え、赤外分光分析でイソシアネートの吸収が消失するまで反応を行い、ポリウレタンアクリレート溶液((B−3)成分)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製>
(B)成分として(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)に代えて(B−3)ポリウレタンアクリレート溶液4.2g(固形分:2.7g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[実施例4]
<(B−4)成分の作製>
ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「PCDL T−6001」)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート43.2g、シクロヘキサノン72.0gを反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃〜100℃に加熱して、1時間反応させた。次いで、アクリル酸2−ヒドロキシエチル24.3gを加え、赤外分光分析でイソシアネートの吸収が消失するまで反応を行い、ポリウレタンアクリレート溶液((B−4)成分)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製>
(B)成分として(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7)に代えて(B−4)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[実施例5]
<(B−5)成分の作製>
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成社製、商品名「YDF−8170C」)150g、アクリル酸67.8g、メチルハイドロキノン0.07g、トリフェニルホスフィン1.5g、シクロヘキサノン145gを反応容器に仕込み、撹拌しながら100℃〜105℃に加熱して、20時間反応を行い、エポキシアクリレート溶液((B−5)成分)を得た。
<感光性樹脂組成物の作製>
(B)成分として(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)に代えて(B−5)エポキシアクリレート溶液4.5g(固形分:2.7g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[比較例1]
アクリル樹脂溶液(日立化成工業社製、商品名「KS−8000A」、固形分濃度14質量%)を保護層用樹脂として用意した。
[比較例2]
代替(A)成分としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS樹脂、クレイトンポリマージャパン社製、商品名「DKX408CP」)9gをシクロヘキサノン13.5gに溶解し(固形分:40質量%)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)1g、並びに、光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−907」)及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)をそれぞれ0.1gずつ加え、40℃で1時間撹拌し、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
[比較例3]
感圧型ダイシングテープ(日立化成工業社製、商品名「HAE−1503H」、厚さ80μm)を保護層用テープとして用意した。
[比較例4]
代替(A)成分としてアクリル樹脂(日立化成工業社製、商品名「KS−8000A」)に、(B−1)ポリウレタンアクリレート溶液3.9g(固形分:2.7g)、並びにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)1.0g、並びに、光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−907」)及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)をそれぞれ0.1gずつ加え、40℃で1時間撹拌し、保護層用感光性樹脂組成物溶液を得た。
なお、実施例1〜5並びに比較例2及び4の感光性樹脂組成物溶液の各成分の配合比をまとめて表1に示す。
Figure 2009123881


注)表中の値は、各成分の固形分の配合量(g)を示す(メチルエチルケトンは除く)。また、表中の記号「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
(保護層の作製)
実施例1〜5並びに比較例1〜2及び4の保護層用材料は、スピンコーターを用いて直径150mm、厚さ625μmのシリコンウェハー(15μmの金メッキバンプつき)の表面上に塗布し、実施例1〜5は120℃で30分間、比較例1〜2及び4は60℃で30分間乾燥して、80μm厚の保護層を形成した。また、比較例3の保護層用テープは、フィルムマウンターを用いて上記と同様のシリコンウェハーの表面上に貼り付け、保護層を形成した。
(光透過率の測定)
実施例1〜5及び比較例1〜2及び4の保護層用材料は、上記保護層の作製と同様の方法で離型処理PET上に80μm厚の保護層を形成し、離型処理PETを剥離して、厚さ80μmの保護層フィルムを作製した。このフィルムを透過率測定用の試料とした。また、比較例3の保護層用テープは、そのまま透過率測定用の試料とした。これらの試料について、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名「U−3310」)を用いて、500nm、600nm及び650nmにおける光透過率、及び、500〜650nmの波長域における最小光透過率を測定した。その結果を表2に示す。
(アライメントマーク認識性の評価)
上記のようにして保護層を形成したシリコンウェハーの裏面(保護層が形成されている面とは反対側の面)に、ダイシングテープ(日立化成工業社製、商品名「HAE−1503H」)を貼り付け、その状態で切断装置(ディスコ社製、商品名「DFD651」)を用いてダイシングする際、切断装置にてウェハー回路形成面(保護層が形成されている面)のアライメントマークを認識できたものを「A」、アライメントマークを認識できなかったものを「C」として評価した。その結果を表2に示す。
(ダイシング時の密着性の評価)
上記のようにウェハー裏面にダイシングテープ(日立化成工業社製、商品名「HAE−1503H」)に貼り付け、その状態で切断装置(ディスコ社製、商品名「DFD651」)を用いて15.1mm×1.6mmの大きさのチップにダイシングした。その際、ダイシング中に保護層が剥離しなかったものを「A」、保護層が80%以上残存しているものを「B」、保護層が剥離したもの(残存している保護層が80%未満)を「C」とした。その結果を表2に示す。
(ダイシング後の剥離性の評価)
上記のダイシング後、保護層に粘着テープ(日東電工株式会社製、商品名「ポリエステル粘着テープNo.31B」)を貼り付け、保護層に対して紫外線を1000mJ/cm照射し、保護層を光硬化させた。その後、水中に5分間浸漬させた後、粘着テープを剥がした。その際、粘着テープとともに保護層が剥離したものを「A」、保護層が剥離しなかったものを「C」とした。その結果を表2に示す。
(表面チッピング個数の測定)
上記保護層剥離性の評価を行った後、光学顕微鏡で100箇所のチップの角を観察し、チッピングの個数を数えた。その結果を表2に示す。なお、保護層を形成せずに上記シリコンウェハーをダイシングして得られたチップのチッピングの個数は23個であった。
Figure 2009123881


注)表中の記号「−」は、ダイシング中に剥離してしまい評価できなかったことを示す。
(a)〜(d)は本発明のダイシング方法を示す一連の工程図である。
符号の説明
1…ウェハー、2…保護層、3…ダイシングシート、10…ダイシングブレード、22…光硬化後の保護層。

Claims (4)

  1. ウェハーのダイシングの際に、前記ウェハーの回路形成面を保護するための保護層用樹脂組成物であって、
    (A)分子内にウレタン結合を有する樹脂と、(B)分子内に1つ以上の不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、
    膜厚80μmで形成した樹脂組成物層の500〜650nmの波長域における最小光透過率が70%以上である、ウェハーの保護層用樹脂組成物。
  2. 前記(A)分子内にウレタン結合を有する樹脂が、下記一般式(1)で表される構造を有する樹脂である、請求項1記載のウェハーの保護層用樹脂組成物。
    Figure 2009123881


    [式(1)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Xは2価の有機基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。なお、複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するX及びmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  3. ウェハーのダイシング方法において、前記ウェハーの回路形成面側に請求項1又は2記載のウェハーの保護層用樹脂組成物からなる保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記ウェハーの前記回路形成面とは反対側の面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼り付け工程と、
    前記ウェハーの前記回路形成面側から前記保護層ごと前記ウェハーをダイシングするダイシング工程と、
    切断された前記保護層に活性光線を照射して光硬化させ、前記ウェハーから光硬化後の前記保護層を剥離する剥離工程と、
    を有するダイシング方法。
  4. 前記剥離工程において、前記保護層の剥離は、前記保護層に粘着テープを貼り付け、前記ウェハーから光硬化後の前記保護層を前記粘着テープとともに剥離することにより行う、請求項3記載のダイシング方法。
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