JP2009117768A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体記憶装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強誘電体キャパシタ特性を従来に比して改善した半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体基板1上に形成されたMISFET3と、MISFET3を形成した半導体基板1上に形成される第1の層間絶縁膜20と、MISFET3の一方のソース/ドレイン領域10B上にコンタクトプラグ26Bを介して接続される下部電極33、PZTの組成式を有する強誘電体膜34および上部電極35を含む強誘電体キャパシタ30と、を備え、強誘電体膜34の下部電極33から所定の厚さの範囲には、PZTのPbの位置の一部をBa,Sr,Ca,Laからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換し、PZTのZrとTiの位置の一部をCo,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換したPZT膜からなる欠陥抑制領域71が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体記憶装置およびその製造方法に関し、特に強誘電体膜を用いたキャパシタを備える半導体記憶装置およびその製造方法に関するものである。
近年、低消費電力化、高集積化、高速動作、高エンデュランス、不揮発性、ランダムアクセス可能などの利点から、強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory:以下、FeRAMという)の開発が進められている。このFeRAMの構造として、1つの電界効果型トランジスタ(以下、FETという)と、一対の電極間に強誘電体膜が形成された1つの強誘電体キャパシタと、を備え、FETのソース領域またはドレイン領域と強誘電体キャパシタの一方の電極とが電気的に接続されるものが知られている。
強誘電体キャパシタのリーク特性やC−V特性、分極特性(分極量、飽和特性など)、インプリント特性(一方向に分極を向け保持した場合にその方向へ分極が向き易くなる現象)、疲労特性(分極反転による分極量の劣化挙動)、リテンション特性(保持された分極量の劣化挙動)などのキャパシタ特性は、電極の材料とその結晶構造に密接に関連するので、その材料の選択は重要である。強誘電体膜として、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(PZT)、Bi4Ti312(BIT)、SrBi2Ta29(SBT)などのペロブスカイト構造を基本とした結晶構造を有し、残留分極を有する材料が使用される場合には、下部電極としてIr,IrO2,Ptなどが使用され、上部電極としてPt,Ir,IrO2,Ru,RuO2,SrRuO3(SRO),LaNiO3(LNO),(La,Sr)CoO3(LSCO)などの貴金属、貴金属酸化物、ペロブスカイト構造に代表される導電性複合酸化物などが使用される。
近年のキャパシタセル面積の微細化に伴って、FeRAM用キャパシタ構造として、基板上に形成されたFETの拡散領域が、その上部に層間絶縁膜を介して形成された強誘電体キャパシタの下部電極と、導電性プラグで直接に接続される構造であるCOP(Capacitor On Plug)構造が採用されるようになってきている(たとえば、特許文献1参照)。このような構造では、下部電極上に強誘電体膜を形成する際に、強誘電体膜を結晶化するために600℃以上に加熱されるので、強誘電体膜中の酸素が下部電極を通して導電性プラグへと拡散してしまう。そのため、導電性プラグ上に、酸素バリア性のあるバリア膜と、酸素耐性の高い金属の積層構造からなる下部電極構造が形成される。
また、キャパシタセル面積の微細化は、強誘電体キャパシタへのプロセスダメージを大きくするという問題点がある。このプロセスダメージとは、キャパシタ加工用マスク形成CVD(Chemical Vapor Deposition)処理、キャパシタRIE(Reactive Ion Etching)加工処理、層間絶縁膜形成CVD処理などの工程によって形成される水素などが強誘電体膜内部または強誘電体膜と電極との界面部分にトラップされたり、強誘電体膜構造中の酸素が欠損したり、ハロゲン系ガスが侵入したりすることなどによって、強誘電体膜内に固定電荷を形成し、強誘電体の分極反転を阻害することをいう。特に強誘電体キャパシタサイズが小さくなると、強誘電体キャパシタ周辺部からこれらのプロセスダメージを受ける割合が大きくなり、分極量の劣化を引き起こす。さらに、強誘電体キャパシタの疲労劣化、リテンション劣化、インプリント劣化なども引き起こすことになる。
そこで、従来では、上部電極にIrOxなどの膜を用いて水素バリア性を持たせたり、Al23やSiNなどの水素バリア膜で強誘電体キャパシタ周辺部を覆ったりして、このようなプロセスダメージを抑制していた(たとえば、特許文献2参照)。
このように従来のCOP構造のFeRAMでは、プロセスダメージの影響を抑制する構造としたので、上部電極と強誘電体界面付近で、欠陥の密度を下げることができるようになってきた。しかし、上部電極だけでなく下部電極と強誘電体膜との界面付近の欠陥も、強誘電体キャパシタの分極特性、疲労特性、リテンション特性、インプリント特性などの強誘電体キャパシタ特性に大きく影響を与える。そのため、なるべく欠陥密度の少ない下部電極と強誘電体膜との界面を形成することが重要である。
このような下部電極と強誘電体膜との界面に存在する欠陥として、陽イオン欠損、酸素欠損、水素結合、異相、過剰元素などがあり、これらがキャリアのトラップサイトになったり、空間電荷を形成したりして、強誘電体キャパシタの初期特性や信頼性を劣化させてしまうという問題点があった。
また、強誘電体キャパシタの微細化に伴い、強誘電体膜の上下電極や側面、全体への外部構造からのストレスの影響が顕著となり、スイッチングを妨げてしまうという問題点もあった。特に、強誘電体キャパシタ周辺部を覆うAl23やSiNなどの水素バリア膜などからの応力が強くなり、強誘電体キャパシタの電気特性を劣化させてしまっていた。
さらに、従来のFeRAMにおいては、強誘電体膜内の各ドメインにおける外部電界の変化による分極反転のし易さについては考慮されておらず、外部電界の変化に伴ってより容易に分極反転が生じる強誘電体キャパシタの構成が求められていた。
特開2003−258201号公報 特開2003−174146号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、強誘電体キャパシタ特性を従来に比して改善した半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板上に形成された電界効果型トランジスタと、前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(以下、PZTという)の組成式を有する強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、を備える半導体記憶装置において、前記強誘電体膜の前記下部電極から所定の厚さの範囲には、前記PZTのPb,Zr,Tiの少なくとも1種の元素の一部を、Ba,Sr,Ca,La,Co,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換したPZT膜からなる欠陥抑制領域が形成されることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、基板上に形成された電界効果型トランジスタと、前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、ペロブスカイト型の結晶構造を基本構造とする強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、を備える半導体記憶装置において、前記下部電極は、IrにRu,Ti,Pd,Ptからなる群から選択される少なくとも1種の元素をドープした材料からなることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
さらに、本発明の一態様によれば、基板上に形成された電界効果型トランジスタと、前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタの上部および側面を水素に対するバリア性を有する被膜で被覆する水素バリア膜と、を備える半導体記憶装置において、前記強誘電体膜は、該強誘電体膜を構成する結晶の粒界に絶縁性粒界析出物を有することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、基板上に形成された電界効果型トランジスタと、前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、を備える半導体記憶装置において、前記強誘電体膜は、強誘電体膜と同じ元素からなり、組成の異なる固溶体からなる異組成領域を一部に有することを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、基板上に電界効果型トランジスタを形成し、前記電界効果型トランジスタを覆う層間絶縁膜を形成し、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域に連通するコンタクトホールを前記層間絶縁膜に形成して、前記コンタクトホールにコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグが形成された前記層間絶縁膜上に導電性材料からなる下部電極を形成する工程と、前記下部電極上に、Ba,Sr,Ca,La,Co,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む置換元素膜を5nm以下の厚さで形成する工程と、前記置換元素膜上にPb(Zrx,Ti1-x)O3(以下、PZTという)の組成式を有する強誘電体膜を形成する工程と、熱処理を行って、前記PZTの構成元素を前記置換元素膜中の金属元素で置換した欠陥抑制領域を、前記強誘電体膜の前記下部電極との界面近傍に形成する工程と、前記強誘電体膜上に上部電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、強誘電体キャパシタ特性を従来に比して改善することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる半導体記憶装置およびその製造方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる半導体記憶装置の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。さらに、実施の形態中に示した層の厚さは一例であり、これに限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。P型シリコン基板などの半導体基板1の上面内には、シリコン酸化膜などからなる素子分離絶縁膜2が形成されている。素子分離絶縁膜2によって規定される素子形成領域内には、金属/絶縁体/半導体接合を持つMIS(Metal Insulator Semiconductor)型電界効果型トランジスタ(以下、MISFETという)3が形成されている。MISFET3は、ゲート絶縁膜4、ワード線となるゲート電極5およびゲートキャップ膜6が積層したゲート積層膜7とこのゲート積層膜7の線幅方向両側側面に形成されるゲート側壁膜8とからなるゲート構造9と、ゲート構造9の下方のチャネル領域を挟んで対を成すソース/ドレイン領域10A,10Bと、を有している。たとえば、ゲート絶縁膜4としては、シリコン酸化膜を用いることができ、ゲート電極5としては、多結晶シリコン膜5AとWSi2膜5Bとが積層されたポリサイド構造を用いることができ、ゲートキャップ膜6とゲート側壁膜8としては、シリコン窒化膜を用いることができる。
このようにMISFET3が形成された半導体基板1上には、その表面が平坦化された厚さ1,050〜1,350nmの第1の層間絶縁膜20が形成される。ここでは、第1の層間絶縁膜20は、下側からシリコン酸化膜21と、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の3層の積層膜22とが順に積層された構造からなる。この第1の層間絶縁膜20のソース/ドレイン領域10A,10Bに対応する位置に厚さ方向に貫通して形成されたコンタクトホール23A,23B内には、コンタクトプラグ26A,26Bを構成する金属の第1の層間絶縁膜20への拡散を防止する厚さ5〜10nmの拡散防止膜24A,24Bと、プラグ25A,25Bとが形成される。ただし、一方のソース/ドレイン領域10Bは、第1の層間絶縁膜20全体を貫通するようにコンタクトプラグ26Bが形成されているが、他方のソース/ドレイン領域10Aは最下層のシリコン酸化膜21のみを貫通するようにコンタクトプラグ26Aが形成される。ここで、拡散防止膜24A,24Bとしては、TiN膜などを用いることができ、プラグ25A,25BとしてWやドープされた多結晶シリコンなどを用いることができる。
また、4層構造の第1の層間絶縁膜20全体を貫通するコンタクトプラグ26Bの上面を含む周辺領域には、接着膜31およびキャパシタバリア膜32が順に形成され、さらにその上部に下部電極33、強誘電体膜34および上部電極35が順に積層された強誘電体キャパシタ30が形成される。
接着膜31は、第1の層間絶縁膜20とキャパシタバリア膜32との間の接着性を高める膜であり、厚さ約30nmのTiAlなどの導電性を有する膜によって構成される。また、キャパシタバリア膜32は、強誘電体キャパシタ30とコンタクトプラグ26Bとの間に形成され、強誘電体膜34からコンタクトプラグ26Bへの酸素の拡散を抑えるとともに水素に対するバリア性を具備する、厚さ約5nmの導電性を有する膜によって構成される。このような材料として、たとえばTiAlN、TaSiN,TiN,TiSiNなどを挙げることができる。さらに、下部電極33は、酸化耐性の高い導電性を有する厚さ約100nmの膜によって構成され、Ir,Pt、IrOxなどを用いることができる。
なお、下部電極33としてPtを用いる場合には、強誘電体膜34として用いるPZTとの界面で、分極反転の繰り返しによって分極量が低下する疲労劣化が発生することを抑制するために、図示しないSRO膜をPt上に形成することもある。特に、PZT膜をスパッタで形成する場合には、界面欠陥が多くなるので、SRO膜を導入することが望ましい。また、上部電極35側にSRO膜を形成する場合には、強誘電体キャパシタ30の構造の対称性の面から下部電極33の種類にかかわらず下部電極33と強誘電体膜34との間にSRO膜を形成する場合もある。さらに、キャパシタバリア膜32は、強誘電体膜34を低温で成長する場合には、設けなくてもよい。
強誘電体膜34は、ペロブスカイト構造を基本とした結晶構造を有するPZT,BIT,SBTなどの強誘電体材料からなる厚さ約100nmの薄膜が用いられる。また、上部電極35としては、強誘電体キャパシタ特性を著しく劣化させたり、強誘電体キャパシタ30の信頼性を著しく低下させたりしないような厚さ100nm以下の膜が用いられる。このような材料として、Ir,IrOx,Pt,Ru,RuOx、またはIr,Pt,RuとIrOx,RuOxなどの貴金属酸化物、SRO,LNO,LSCOなどの導電性酸化物との積層構造などを例示することができる。
そして、第1の層間絶縁膜20上の強誘電体キャパシタ30の表面および側面を覆うように、Al23,SiNなどからなる厚さ約50nmの水素バリア膜40が形成され、さらに水素バリア膜40上には、厚さ100〜200nmのシリコン酸化物などからなる第2の層間絶縁膜41が形成される。なお、第2の層間絶縁膜41を介して上層配線が形成され、下層の配線や上部電極35との間でビアホール42を介して電気的な接続が行われるが、本第1の実施の形態では、強誘電体キャパシタ30について特徴を有するものであるので、その他の部分についての説明は省略する。
ここで、強誘電体膜34の下部電極33側の界面付近には、強誘電体膜34の他の部分に比して酸素欠損を抑えるためのドーパントが導入された欠陥抑制領域71が設けられている。たとえば、ペロブスカイト構造からなる強誘電体膜34の組成式をABO3としたときに、欠陥抑制領域71は、元素Aが抜けるとそれに伴ってOも抜けやすくなる場合に、元素Aに比べて揮発し難い別の元素Xで、元素Aを置換したり、元素Aが抜けても電気的な力によってOが抜け難いように元素Bの価数よりも大きな価数を有する元素Yで、元素Bを置換したりすることによって構成される。
また、酸素欠損を抑えるほかに、欠陥抑制領域71の格子定数を、下部電極33の格子定数にマッチングさせることによって、強誘電体膜34の下部電極33に対するストレス緩和効果が生じ、下部電極33と強誘電体膜34との界面付近に生じる格子欠陥などの欠陥の発生を抑制することもできる。この場合、欠陥抑制領域71の下部電極33との格子定数のミスマッチは、3%以下であることが望ましい。3%よりも格子定数のミスマッチが大きいと、欠陥抑制領域71の結晶欠陥の密度は、従来のものと同等となってしまうからである。
より具体的な例を挙げて説明すると、強誘電体膜34がPZTで構成されている場合に、ペロブスカイト構造中のAサイトを占めるPb2+は揮発し易く、それに応じてO2-も抜けてしまう。そこで、Aサイトの一部を固体中から揮発し難いLa3+やNb5+で置換することで、O2-も抜け難くなり、酸素欠損が生じ難くなる。また、Bサイトを占めるZr4+,Ti4+の一部をMnで置換することによって、AサイトのPb2+が抜けた状態となっていても、Bサイトを占めるMnイオンのプラスの電荷によって、O2-が引き止められ、抜け難くなり、それによっても酸素欠損が生じ難くなる。つまり、強誘電体膜34がPZTの場合には、下部電極33側界面付近にLaやNb,Mnなどの元素を添加した欠陥抑制領域71が設けられる。
また、PZTの格子定数を下部電極33にマッチングさせるようにするためには、PZTのAサイトの一部を、Ba,Sr,Ca,Laなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換し、および/またはBサイトの一部をCo,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換すればよい。
この欠陥抑制領域71の厚さは、5〜20nmであることが望ましい。5nm未満の場合には、効果的に酸素欠損の発生を抑えることができず、また、20nmより厚いと、強誘電体膜34の強誘電体特性が落ちてしまうからである。
このように、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近に、酸素欠損を抑制するために強誘電体膜34の構成元素を置換するための元素および/または下部電極33との格子定数のミスマッチを低減させるための元素をドープして、厚さ5〜20nmの欠陥抑制領域71を設けることで、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近での酸素欠損や格子欠陥などの欠陥の発生を低下させることが可能となる。
つぎに、このような半導体記憶装置の製造方法について説明する。図2−1〜図2−4は、この発明の第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、強誘電体膜34としてPZTを用いる場合について説明する。まず、P型シリコン基板などの半導体基板1の表面に、STI(Shallow Trench Isolation)法などによって所定のパターンの素子分離絶縁膜2を形成する。その後、半導体基板1上の素子分離絶縁膜2で囲まれる領域上にMISFET3を、下記のように形成する(図2−1(a))。
たとえば、半導体基板1上にシリコン酸化膜などのゲート絶縁膜4、砒素をドープしたn型多結晶シリコン膜5A、WSix膜5B、および窒化シリコン膜などのゲートキャップ膜6を順に積層させて形成した後、通常のリソグラフィ法とRIE(Reactive Ion Etching)法によって、所定の形状に加工して、ゲート絶縁膜4とゲート電極5とゲートキャップ膜6からなるゲート積層膜7を形成する。ついで、このゲート積層膜7をマスクとしてイオン注入を行い、熱処理を行って、所定の導電型のソース/ドレイン領域10A,10Bをゲート積層膜7の線幅方向両側の半導体基板1表面に形成する。その後、シリコン窒化膜などの絶縁膜を、半導体基板1上に形成し、RIE法を用いた異方性エッチングによって、半導体基板1表面に堆積した絶縁膜を除去し、ゲート積層膜7の線幅方向側面にのみ絶縁膜を残すように加工して、ゲート側壁膜8を形成する。これによって、半導体基板1上にゲート絶縁膜4、ゲート電極5、ゲートキャップ膜6およびゲート側壁膜8からなるゲート構造9が形成される。そして、素子分離絶縁膜2で囲まれる所定の領域にMISFET3が形成される。
ついで、MISFET3が形成された半導体基板1上の全面にCVD法によって厚さ600〜700nmのシリコン酸化膜21を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法によって、その上面を平坦化する。その後、MISFET3の一方のソース/ドレイン領域10Aに連通するコンタクトホール23Aをシリコン酸化膜21に形成し、スパッタ法やCVD法などによって厚さ5〜10nmの薄いTi膜をコンタクトホール23Aの内壁と側面に形成する。そして、フォーミングガス中で熱処理を行うことによってコンタクトホール23Aの内壁と底面を被覆するように拡散防止膜24AとなるTiN膜を形成する。続いて、CVD法によってW膜をシリコン酸化膜21上に形成した後、CMP法によってコンタクトホール23A外の領域からWを除去し、コンタクトホール23A内にWを埋め込んで、プラグ25Aを形成する。これによって、コンタクトホール23A内には、拡散防止膜24Aとプラグ25Aとからなるコンタクトプラグ26Aが形成される。
ついで、コンタクトプラグ26Aが形成されたシリコン酸化膜21上の全面にCVD法によって厚さ200〜300nmのシリコン酸化膜、厚さ約50nmのシリコン窒化膜および厚さ200〜300nmのシリコン酸化膜からなる積層膜22を堆積し、その上面をCMP法によって平坦化する。以上のシリコン酸化膜21、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜22によって第1の層間絶縁膜20が形成される。ついで、MISFET3の他方のソース/ドレイン領域10Bに連通するコンタクトホール23Bを第1の層間絶縁膜20に形成する。その後、上記で形成したコンタクトプラグ26Aと同様の方法で拡散防止膜24BとなるTiN膜を形成し、プラグ25BとなるWをコンタクトホール23B内に埋め込み、後の工程で形成する強誘電体キャパシタ30に接続するコンタクトプラグ26Bを形成する(図2−1(b))。
ついで、コンタクトプラグ26Bを形成した第1の層間絶縁膜20上に、スパッタ法によって厚さ約30nmのTiAlなどからなる接着膜31、厚さ約5nmのTiAlNなどからなるキャパシタバリア膜32を順に形成する。TiAl膜は、TiAl金属ターゲットを用いて成膜することができ、TiAlN膜は、TiAl金属ターゲットを用いてArにN2を添加したガス雰囲気中での反応性スパッタ法によって成膜することができる。なお、TiAlN膜は、高温成膜または熱処理によって結晶性を改善し、ストレスを緩和させてもよい。その後、キャパシタバリア膜32上にスパッタ法で厚さ約100nmのIrなどからなる下部電極33を形成する。Irを用いる場合には、ヒロック形成を防止するために、300℃以上の高温でスパッタ成膜することが望ましい(図2−1(c))。
このようにして形成した下部電極33上に、PZTのAサイトを置換可能なBa,Sr,Ca,Laなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素、および/またはPZTのBサイトを置換可能なCo,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む置換元素膜51を5nm以下の厚さで連続的な膜となるように形成する(図2−2(a))。ただし、このとき、PZTの構成元素を置換する元素は、PZTのキャパシタ特性を大きく劣化させない元素であることが望ましい。また、置換元素膜51としては、上記した金属膜であってもよいし、上記した金属を酸化させた酸化膜であってもよい。ここでは、置換元素膜51は金属膜である場合を示す。なお、この置換元素膜51を5nmよりも厚く形成する場合には、後に形成されるPZT膜との間の拡散後に、その金属酸化物(NbOやMnO、BaOなど)が強誘電体膜34中にできてしまい、強誘電体キャパシタ特性が劣化してしまうために、置換元素膜51の厚さは5nm以下であることが望ましい。
その後、この置換元素膜51上にMOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法を用いて厚さ95〜100nmのPZT膜34を形成する(図2−2(b))。MOCVD法で形成した膜は、膜内部の欠陥が少なく、電極界面の欠陥も少ないことから、良好な分極特性を有するとともに、疲労特性、インプリント特性、リテンション特性などに対する信頼性もよいので、成膜にMOCVD法を用いることが望ましい。また、MOCVD法は、電極構造に対してステップカバレッジが良好であること、組成制御性に優れること、均一な高品質膜が大面積で得られること、成膜速度が速いこと、強誘電体膜(PZT膜)34の薄膜化が可能なこと(低電圧動作が可能なこと)などの利点を有することからも、強誘電体膜(PZT膜)34の形成には望ましい。さらに、下部電極33のIr上ではPZT膜34の結晶性を上げることも可能であり、組成の制御も容易となる。PZT膜34を形成する場合には、ソースとして液体原料が用いられるのが一般的であるが、たとえば、THF(Tetrahydrofuran)を溶媒として、Pb(dpm)2/THF、Ti(iPr)2(dpm)2/THF、Zr(iPr)2(dpm)2/THFをソース原料として用いて、成膜温度を600℃以上で、酸素を反応ガスとして成膜を行う。
PZT膜34を成膜した後、400〜600℃の温度で熱処理を行う(図2−3(a))。この熱処理を行う時間は、下部電極33からの厚さが5〜20nmで欠陥抑制領域71が形成される程度の時間であるとする。これによって、PZT膜34からカーボンなどの不純物が除去されるとともに、PZT膜34と置換元素膜51との間で拡散を生じさせて、欠陥を補償する欠陥抑制領域71が形成される。すなわち、PZT膜34の下部電極33界面から厚さ5〜20nmの範囲では、PZTは置換可能な元素によって、各元素または一部の元素が一部置換され、組成式が(Pb,X)(Zr,Ti,Y)O3のペロブスカイト構造を有する欠陥抑制領域71が形成される。ただし、ここで、X=Ba,Sr,Ca,La,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Y=Co,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、(Xの濃度)=(Yの濃度)=0ではないものとする。このような構造によって、本第1の実施の形態では、下部電極33との界面付近の酸素欠損や格子欠陥などの欠陥密度が、従来のものに比して低く抑えられる。
ついで、PZT膜34上にスパッタ法などの成膜法によって厚さ100nm以下のPtなどからなる上部電極35を形成した後、上部電極35上にレジスト、またはSi酸化膜からなるハードマスクによって構成される所定の形状のマスク材61を形成する(図2−3(b))。その後、マスク材61をマスクとするエッチングにより、パターニングを行って強誘電体キャパシタ30を形成する(図2−4)。具体的には、強誘電体キャパシタ加工パターンに形成されたマスク材61で、RIE法によって強誘電体キャパシタ30の加工を行う。FeRAM用キャパシタでは、PZT,SBTなどの強誘電体膜34に加えて、結晶性酸化物の成膜に耐え得る貴金属電極を加工する必要があるので、場合によっては200℃以上の高温でハロゲン系ガスのエッチングガスを用いてRIE加工を行う。このとき、マスク材61を用いて上部電極35、PZT膜34、下部電極33の順にエッチングが行われ、さらに、第1の実施の形態で用いるキャパシタバリア膜32、接着膜31を順にエッチングする。このキャパシタバリア膜32と接着膜31のエッチングに用いられるエッチングガスは、N2,O2,Co,Cl2,CF4などである。この工程で加工形成された強誘電体キャパシタ30はコンタクトプラグ26Bとの接続部の周囲にAl23などの水素バリア層を介した構造を有することになる。その後、マスク材61を除去する。
ついで、400〜600℃の温度で酸素を含む雰囲気下で熱処理を行い、加工時に生じたダメージを回復させる。その後、図1に示されるように、エッチング加工した強誘電体キャパシタ30全体を囲むように厚さ約50nmの水素バリア膜40を形成し、さらにこの水素バリア膜40上に厚さ約100〜200nmのシリコン酸化膜からなる第2の層間絶縁膜41を形成し、隣接する図示しない強誘電体キャパシタ30の上部電極35間を接続するためのビアホール42を形成する。そして、ビアホール42中に、配線が形成され、半導体記憶装置が得られる。
なお、上述した説明では、図2−2(b)で下部電極33上に置換可能な元素を含む置換元素膜51を5nmまでの厚さで堆積し、その上にPZT膜34を形成した後に、両者を拡散させる場合を示したが、PZT膜34の下部電極33界面付近に酸素欠損などの欠陥を防ぐ組成の欠陥抑制領域71を形成することができるものであれば、どのような方法を用いてもよい。
図3は、この発明の第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の他の例を示す断面図である。ここでは、図2−1(c)までに示したように、下部電極33を形成した後、下部電極33の表面付近に、後に構成するPZT膜を構成する元素と置換可能な元素をイオン注入によって打ち込み、置換可能元素注入領域52を形成する(図3(a))。このとき、イオン注入する元素は、後に形成するPZT膜を構成する元素と置換可能な元素であり、上述したように、PZTのAサイトの一部を、Ba,Sr,Ca,La,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素、および/またはBサイトの一部をCo,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbなどの金属からなる群から選択される少なくとも1種の元素であればよい。また、イオン注入する量は、後の熱処理でPZT膜の下部電極33との界面から5〜20nmの厚さの範囲で、置換可能な元素の濃度が10〜20at%となるように選択される。
ついで、下部電極33上にMOCVD法でPZT膜34を形成する(図3(b))。そして、上述した図2−3(a)と同様に、下部電極33の置換可能元素注入領域52中に注入された元素がPZT膜34の下部電極33側界面付近に拡散するように熱処理を行い、PZT膜34の下部に欠陥抑制領域71を形成する。その後は、上記の図2−3(b)以降に示した処理を行う。以上のような方法によっても、欠陥抑制領域71を有する強誘電体キャパシタ30を得ることができる。
また、上述した説明では、強誘電体膜34の下部電極33界面付近にドーパントを導入することによって、酸素欠損や格子欠陥などの欠陥を生じにくくして、強誘電体膜34の下部電極33界面付近の欠陥密度を低減させるようにしたが、下部電極33にドーパントを導入して、下部電極33の格子定数を強誘電体膜34の格子定数に近づけるようにしてもよい。下部電極33の格子定数を強誘電体膜34の格子定数に近づけることによって、たとえ成膜される強誘電体膜34が多結晶膜であったとしても、下地である下部電極33の結晶構造からの影響を受けて成長するので、強誘電体膜34の下部電極33界面付近の結晶欠陥の密度を低減することが可能となる。この場合、下部電極33としては、Irを用いることができるが、このIrにRu,Ti,Pd,Ptなどの金属をドープすることによって、Irの格子定数をPZT膜などの強誘電体膜34の格子定数に近づけることが可能となる。また、Irにこれらの金属を固溶させることで、界面応力を抑制することも可能となる。
なお、上述した説明では、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近に欠陥抑制領域71を設ける場合を示したが、強誘電体膜34の上部電極35との界面付近にも欠陥抑制領域を設けるようにしてもよい。
本第1の実施の形態によれば、FeRAMや混載メモリにおけるキャパシタ構造において、強誘電体膜34の下部電極33界面付近に、ドーパントを導入することで、強誘電体膜34の下部電極33界面付近の酸素欠損や格子欠陥などの欠陥密度を従来に比して減らすことができる。その結果、強誘電体膜34中での強誘電体の分極反転を阻害する空間電荷などのチャージの発生を抑制し、強誘電体キャパシタ特性を向上させることができるという効果を有する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、強誘電体膜の下部電極との界面付近にドーパントを導入して、強誘電体膜の組成とは異なる組成の欠陥抑制領域を形成する場合について述べたが、この第2の実施の形態では、強誘電体膜の下部電極との界面付近の固溶体組成を変化させる場合について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。この図4では、強誘電体キャパシタ30の強誘電体膜と上下電極の部分以外は、第1の実施の形態の図1の構造と同様であるので、その図示を省略し、下部電極33、上部電極35と、これらの電極に挟まれた強誘電体膜34の構造のみを示している。
この第2の実施の形態の半導体記憶装置では、第1の実施の形態における強誘電体膜34が、下部電極33上に下部電極33を構成する材料の格子定数に近い格子定数を有する組成の下部強誘電体膜34Aと、下部強誘電体膜34A上に下部強誘電体膜34Aよりも強誘電体キャパシタ特性のよい組成を有する上部強誘電体膜34Bと、によって構成される。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
下部強誘電体膜34Aの下部電極33との格子定数のミスマッチは、3%以下であることが望ましい。3%よりも格子定数のミスマッチが大きいと、下部強誘電体膜34Aの結晶欠陥の密度は、従来のものと同等となってしまうからである。また、下部強誘電体膜34Aの格子定数の下部電極33とのマッチングを高めるために、結晶構造における各結晶軸方向における格子定数の差が少ない方が望ましい。そのため、たとえば菱面体晶系や立方晶系を有することが望ましい。また、他の結晶系であっても、各結晶軸の長さが互いに近い値を有するものであってもよい。
この下部強誘電体膜34Aの厚さは、強誘電体膜34の全体の厚さに対して5〜20%であることが望ましい。これは、全体の5〜20%の厚さがあれば、下部電極33に対してマッチング性のよい強誘電体膜34が形成され、下部電極33との界面付近の欠陥の発生を抑えることが可能となるからである。また、5〜20%の厚さであれば、強誘電体膜34全体の強誘電体キャパシタ特性を大幅に劣化させることはないからである。なお、この下部強誘電体膜34Aは、特許請求の範囲における異組成領域に対応している。
たとえば、下部電極33としてIrを用い、強誘電体膜34としてPZTを用いる場合には、下部強誘電体膜34Aは、モルフォトロピック境界層近傍または菱面体晶となるTi/Zr<55/45となる組成のPZTが使用され、上部強誘電体膜34Bは、Ti/Zr≧55/45となる組成の正方晶のPZTが使用される。つまり、下部強誘電体膜34Aは、Zrが多い(Tiが少ない)組成のPZT膜であり、上部強誘電体膜34BはZrが少ない(Tiが多い)組成のPZT膜となる。このように、下部強誘電体膜34Aを菱面体晶のPZT膜とすることで、下部電極33であるIrの格子定数との整合性を高くすることができる。その結果、下部強誘電体膜34Aの下部電極33に対する格子不整合の場合に比して、強誘電体膜での欠陥の発生を抑えることができる。
つぎに、このような構造を有する半導体記憶装置の製造方法について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態による半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、第1の実施の形態で説明した製造方法とは異なる強誘電体膜34の作製部分のみを説明する。また、第1の実施の形態と同様に、強誘電体膜34としてPZTを用いた場合を例に挙げて説明する。
第1の実施の形態の図2−1に示したように、MISFET3を形成した半導体基板1上に第1の層間絶縁膜20を形成し、第1の層間絶縁膜20にMISFET3のソース/ドレイン領域10A,10Bに連通するコンタクトプラグ26A,26Bを形成する。ついで、第1の層間絶縁膜20上に、TiAlなどからなる接着膜31、TiAlNなどからなるキャパシタバリア膜32、およびIrからなる下部電極33を形成する。その後、下部電極33上にMOCVD法を用いて、600℃以上の温度で下部電極33のIrの格子定数に近い格子定数を有するTi/Zr<55/45の組成範囲のPZT膜を5〜20nmの厚さで下部強誘電体膜34Aとして形成する(図5(a))。
続けて、下部強誘電体膜34A上に、Ti/Zr≧55/45となる正方晶のPZT膜を上部強誘電体膜34Bとして形成する(図5(b))。なお、これらのPZT膜を形成後に、400〜600℃の温度範囲で熱処理を行ってもよい。この熱処理よって、PZT膜からカーボンなどの不純物を除去し、欠陥を補償することができる。以上によって、下部電極33のIrの格子定数とマッチングのよい下部強誘電体膜34Aと、下部強誘電体膜34Aよりも強誘電体キャパシタ特性のよい上部強誘電体膜34Bとからなる強誘電体膜34が形成される。その後は、第1の実施の形態の図2−3(b)以下に示される工程で、半導体記憶装置が製造される。
本第2の実施の形態によれば、下部電極33上にその格子定数に近い格子定数を有する下部強誘電体膜34Aを形成し、その上に下部強誘電体膜34Aよりもキャパシタ特性のよい下部強誘電体膜34Aと同じ元素の固溶体からなる上部強誘電体膜34Bを形成したので、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近での欠陥の発生を抑えることができるという効果を有する。
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかる半導体記憶装置の強誘電体キャパシタ部分の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。この図6でも、強誘電体キャパシタ30の下部電極33、強誘電体膜34および上部電極35の部分以外は、第1の実施の形態の図1の構造と同様であるので、その図示を省略している。
この第3の実施の形態の半導体記憶装置では、強誘電体膜34を構成する結晶粒子72の粒界に、絶縁性粒界析出物73が形成された構成を有する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
図6(a)は、強誘電体膜34を構成する結晶粒子72が膜厚方向に延びる柱状結晶によって構成される場合を示しており、図6(b)は、強誘電体膜34の膜厚以下の大きさを有する結晶粒子72によって強誘電体膜34が構成される場合を示している。どちらの場合にも、結晶粒子72の粒界部分には、アモルファスPZT、パイロクロア、TiOx、AlOxなどの絶縁性粒界析出物73が形成されている。
強誘電体の結晶粒子は、分極の向きが変わるときに、結晶の形も変わるのが一般的である。しかし、強誘電体膜34の結晶粒子72の粒界部分に、本第3の実施の形態に示す絶縁性粒界析出物73がない場合には、強誘電体膜34の結晶粒子72同士がしっかりと固められている状態にあり、外部電界の変化によって分極方向が変わるときに結晶粒子が動くことができない。
これに対して、この第3の実施の形態の図6に示されるように、結晶粒子72の粒界部分に絶縁性粒界析出物73を形成することで、この絶縁性粒界析出物73が分極反転に伴って生じる伸び縮みなどの結晶粒子72の変位を吸収し、その変位を起こり易くする応力緩和層として機能する。なお、このような結晶粒子72の変位を起こり易くするために、絶縁性粒界析出物73は、下部電極33と上部電極35の電極面と平行でない方向粒界部分に形成されることが望ましい。
また、この絶縁性粒界析出物73は、強誘電体キャパシタ30の上面と側面に形成される水素バリア膜40からの応力を緩和する機能も有する。具体的には、水素バリア膜40から強誘電体膜34に応力が加えられるが、強誘電体膜34を構成する結晶粒子72間には絶縁性粒界析出物73が形成されているので、絶縁性粒界析出物73が強誘電体膜34にかかる応力のバッファとして働く。その結果、強誘電体膜34を構成する強誘電体材料の結晶粒子72にかかる応力を緩和する働きを有する。
つぎに、このような構造を有する半導体記憶装置の製造方法について説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、第1の実施の形態と同じ製造工程の説明は省略する。また、第1の実施の形態と同様に、強誘電体膜34としてPZTを用いた場合について説明する。
第1の実施の形態の図2−1に示したように、MISFET3を形成した半導体基板1上に第1の層間絶縁膜20を形成し、第1の層間絶縁膜20にMISFET3のソース/ドレイン領域10A,10Bに連通するコンタクトプラグ26A,26Bを形成した後、第1の層間絶縁膜20上に、TiAlなどからなる接着膜31、TiAlNなどからなるキャパシタバリア膜32、およびIrからなる下部電極33を形成する。
ついで、MOCVD法を用いて、PZTからなる強誘電体膜34を形成する(図7(a))。MOCVD法に用いるPZT用原料には、PbソースとしてPb(dpm)2、ZrソースとしてZr(dpm)4やZr(O−tC494、TiソースとしてTi(O−iC374やTi(O−iC372(dpm)2などがあり、THFと混合することで溶液気化法の原料として使用される。基板温度は原料にもよるが、600℃前後が適当である。成膜時にN2OやO2を酸化剤として同時に供給する。結晶化はIn−situで起こり、下部電極33としてIrを用いた場合には、Ir上にPZT<111>配向結晶膜を得ることができる。
ついで、PZT膜34の上にAl,Ti,TiAl,Bi,Cuなどの金属膜53を50Å以下の厚さで、スパッタ法を用いて成膜する(図7(b))。その後、熱処理を行って、PZT膜34上の金属膜53を、PZT膜34の粒界部分に拡散させ、さらに拡散後に酸素アニールを施して、粒界部に拡散した金属を酸化させて絶縁性粒界析出物73を形成する(図7(c))。これによって、PZT膜34は、図6(a)または図6(b)に示されるように、PZTの結晶粒子72間に絶縁性粒界析出物73が形成された状態となる。その後は、第1の実施の形態の図2−3(b)以下に示される工程で、半導体記憶装置が製造される。
なお、以上の製造方法は一例であり、他の方法によってPZT膜34の結晶粒界部分に絶縁性粒界析出物73を形成することもできる。たとえば、550℃以下の温度でペロブスカイト相とアモルファス相が混在する状態のPZT膜34を下部電極33上に形成した後に、600℃以上の温度でRTO(Rapid Thermal Oxidation)処理を行う。これによって、ペロブスカイト相が結晶化、結晶成長し、その粒界部に若干のアモルファス相が残される。このようにして、結晶粒界部分にアモルファス相のPZTからなる絶縁性粒界析出物73を形成することも可能である。
以上のようにして製造されたPZT膜の強誘電性を電荷量Q−印加電圧Vのヒステリシス特性にて調べた結果、2.5V印加時に分極量2Pr(残留分極×2)で約49μC/cm2を示し、8インチSiウエハの全面に同程度の分極量と抗電界を持つPZT膜であることが判った。また、抗電圧も0.6V程度と低い値が得られた。キャパシタのサイズで0.5〜50μmであり、いずれも同等の残留分極量、スイッチング電荷量を取得することができた。
また、このPZTキャパシタについて、50μm×50μmの面積に相当するアレイで疲労特性を評価したところ、1×1012サイクルまで分極量の変化がなく、リーク電流も2.5V印加時で1×10-7A/cm2オーダと低い値であった。
なお、強誘電体キャパシタ30の周辺部を覆うAl23、SiNなどの水素バリア膜40による強誘電体膜34へのストレスの影響を緩和するために、強誘電体膜34を構成する結晶粒子72間に絶縁性粒界析出物73を設けるほかに、水素バリア膜40の密度を低減させるようにしてもよい。たとえばスパッタ法にて成膜する場合には酸素リッチなガス条件にしてAlOx中の酸素量を増加させ密度性を低下させることができる。また、ALD(Atomic Layer Deposition)法では低温成膜することで密度を低下させることができる。さらに、CVD法で形成する場合にもSiNではNを過剰に含む状態とすることで応力を変化させることができる。
本第3の実施の形態によれば、強誘電体膜34の粒界に絶縁性粒界析出物73を形成したので、分極反転時に強誘電体膜34を構成する結晶粒子72の変位が起こり易くなり、強誘電体キャパシタ30の疲労特性が改善するという効果を有する。また、強誘電体キャパシタ30の周辺部を覆うAl23やSiNなどの水素バリア膜40などからの応力を緩和させ、強誘電体キャパシタ30の電気特性の劣化を抑えるという効果も有する。さらに、水素バリア膜40の密度を低下させることによっても、水素バリア膜40が強誘電体膜34に与えるストレスの影響を抑えることができるという効果を有する。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態にかかる半導体記憶装置の強誘電体キャパシタ部分の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。この図8でも、強誘電体キャパシタ30の下部電極33、強誘電体膜34および上部電極35の部分以外は、第1の実施の形態の図1の構造と同様であるので、その図示を省略している。
この第4の実施の形態の半導体記憶装置の強誘電体膜34には、下部電極33から厚さ5〜20nmの範囲にドメイン反転し易い組成の強誘電体組成を有する異組成領域74が形成されている。たとえば、強誘電体膜34全体では、同じ元素からなるが、異組成領域74は、その他の領域の組成とは異なる固溶体の強誘電体材料で構成される。
たとえば、下部電極33としてIrを用い、強誘電体膜34としてPZTを用いる場合を例に挙げて説明する。PZTは、Zrが多いほど、ドメインが反転し易くなるという性質を有する。図9は、強誘電体膜における一般的なドメイン反転の様子を模式的に示す図である。図9(a)は、紙面上の下から上に向かう外部電界Eが強誘電体膜100に印加された状態を示している。強誘電体膜100は、複数のドメイン101A〜101Cと呼ばれる領域に区切られている。図9(a)の場合には、各ドメイン101A〜101Cは、印加された外部電界Eの方向に分極pA〜pCが向いている状態にある。
このような状態から、外部電界を紙面上の上から下に向かって反転させて−Eとした場合には、ドメイン101A〜101Cの分極の反転が一気に起こるわけではなく、図9(b)に示されるように、各ドメイン101A〜101Cの中の分極反転し易い反転領域102A〜102Cから反転が起こる。つまり、分極反転し易い反転領域102A〜102Cでは、その他の領域の元の電界Eの方向の分極pA’〜pC’の方向とは反対方向の分極−p’a〜−p’cが生じている。そして、この反転領域102A〜102Cが徐々に成長していき、最終的に図9(c)に示されるように、各ドメイン101A〜101Cの分極の向きが図9(a)に対して反転して、−pa〜−pcとなる。
そこで、強誘電体膜34としてPZT膜を例に挙げると、異組成領域74として、モルフォトロピック境界層近傍または菱面体晶となり、分極反転し易いTi/Zr<55/45となる組成のPZTを使用することができる。そして、異組成領域74以外の強誘電体膜34として、異組成領域74のPZTよりも強誘電体特性のよいTi/Zr≧55/45となる組成の正方晶のPZTが使用される。つまり、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近の異組成領域74では、Zrが多い(Tiが少ない)組成のPZT膜を用い、その上の強誘電体膜34の領域ではZrが少ない(Tiが多い)組成のPZT膜を用いる。
このように下部電極33との界面付近の領域とそれ以外の領域とで組成の異なるPZT膜34を形成することによって、異組成領域74は、Zr比が多いために分極反転し易いので、反転ドメイン核として作用することになる。つまり、外部の電界の向きを変えたときには、分極反転し易い異組成領域74が反転ドメイン核となり、この反転ドメイン核から外部の電界の向きと同じ方向の分極が徐々に成長していくことになる。
なお、図8に示されるような構成を有する半導体記憶装置の製造方法は、第2の実施の形態で説明したものと同様の方法で形成することができるので、ここでは、その説明を省略する。
また、図8の構成において、異組成領域74を構成する強誘電体材料の組成が、分極反転し易い組成であるとともに、第2の実施の形態で示したように、下部電極33を構成する材料の格子定数に近い格子定数を有する組成とすることによって、異組成領域74を反転ドメイン核として作用させることができるとともに、強誘電体膜34の下部電極33との界面付近の欠陥密度を従来のものに比して低減させることができる。
さらに、異組成領域74は、図8に示すような強誘電体膜34の下部に形成されるものに限られる趣旨ではなく、任意の箇所に形成することができる。図10は、本発明の第4の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の他の例を模式的に示す断面図である。この図10の例では、異組成領域74を強誘電体膜34中に分散させている。たとえば、強誘電体膜34がPZTから構成される場合には、異組成領域74として、強誘電体膜34のドメイン反転を容易にするために、ZrリッチなPZTや、第1の実施の形態のようにドーピングされたPZTを強誘電体膜34中に分散させることができる。この場合には、強誘電体膜34(TiリッチなPZT膜)の形成中に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてZrリッチなPZTを局所的に形成させるようにすればよい。
本第4の実施の形態によれば、強誘電体膜34中に分極反転し易い組成を有する異組成領域74を設けたので、外部電界の印加の方向を変えたときに、異組成領域が反転ドメイン核となって作用し、反転ドメインの成長が促進され、半導体記憶装置の強誘電体キャパシタ特性を改善することができるという効果を有する。また、異組成領域74を下部電極33上に設け、異組成領域74の組成を下部電極33の格子定数に近い組成とすることによって、反転ドメイン核として作用させるとともに、下部電極33界面付近の欠陥密度を低減させることができるという効果も有する。
本発明の第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の一例を模式的に示す一部断面図。 第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図(その1)。 第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図(その2)。 第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図(その3)。 第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図(その4)。 第1の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の他の例を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の一例を模式的に示す一部断面図。 第2の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図。 第3の実施の形態にかかる半導体記憶装置の強誘電体キャパシタ部分の構成の一例を模式的に示す一部断面図。 第3の実施の形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図。 第4の実施の形態にかかる半導体記憶装置の強誘電体キャパシタ部分の構成の一例を模式的に示す一部断面図。 強誘電体膜における一般的なドメイン反転の様子を模式的に示す図。 第4の実施の形態にかかる半導体記憶装置の構成の他の例を模式的に示す断面図。
符号の説明
1…半導体基板、3…MIS型電界効果型トランジスタ(MISFET)、20…第1の層間絶縁膜、26A,26B…コンタクトプラグ、30…強誘電体キャパシタ、33…下部電極、34…強誘電体膜、PZT膜、34A,34C…下部強誘電体膜、34B,34D…上部強誘電体膜、35…上部電極、40…水素バリア膜、51…置換元素膜、71…欠陥抑制領域、72…結晶粒子、73…絶縁性粒界析出物、74…異組成領域。

Claims (5)

  1. 基板上に形成された電界効果型トランジスタと、
    前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、
    前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(以下、PZTという)の組成式を有する強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、
    を備える半導体記憶装置において、
    前記強誘電体膜の前記下部電極から所定の厚さの範囲には、前記PZTのPb,Zr,Tiの少なくとも1種の元素の一部を、Ba,Sr,Ca,La,Co,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換したPZT膜からなる欠陥抑制領域が形成されることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 基板上に形成された電界効果型トランジスタと、
    前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、
    前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、ペロブスカイト型の結晶構造を基本構造とする強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、
    を備える半導体記憶装置において、
    前記下部電極は、IrにRu,Ti,Pd,Ptからなる群から選択される少なくとも1種の元素をドープした材料からなることを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 基板上に形成された電界効果型トランジスタと、
    前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、
    前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、
    前記強誘電体キャパシタの上部および側面を水素に対するバリア性を有する被膜で被覆する水素バリア膜と、
    を備える半導体記憶装置において、
    前記強誘電体膜は、該強誘電体膜を構成する結晶の粒界に絶縁性粒界析出物を有することを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 基板上に形成された電界効果型トランジスタと、
    前記電界効果型トランジスタを形成した前記基板上に形成される層間絶縁膜と、
    前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域の一方の領域上にプラグを介して接続される下部電極、強誘電体膜および上部電極を含む強誘電体キャパシタと、
    を備える半導体記憶装置において、
    前記強誘電体膜は、強誘電体膜と同じ元素からなり、組成の異なる固溶体からなる異組成領域を一部に有することを特徴とする半導体記憶装置。
  5. 基板上に電界効果型トランジスタを形成し、前記電界効果型トランジスタを覆う層間絶縁膜を形成し、前記電界効果型トランジスタのソース/ドレイン領域に連通するコンタクトホールを前記層間絶縁膜に形成して、前記コンタクトホールにコンタクトプラグを形成する工程と、
    前記コンタクトプラグが形成された前記層間絶縁膜上に導電性材料からなる下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上に、Ba,Sr,Ca,La,Co,Ni,W,Fe,Hf,Sn,Zn,Ta,Mg,Mn,Nbからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む置換元素膜を5nm以下の厚さで形成する工程と、
    前記置換元素膜上にPb(Zrx,Ti1-x)O3(以下、PZTという)の組成式を有する強誘電体膜を形成する工程と、
    熱処理を行って、前記PZTの構成元素を前記置換元素膜中の金属元素で置換した欠陥抑制領域を、前記強誘電体膜の前記下部電極との界面近傍に形成する工程と、
    前記強誘電体膜上に上部電極を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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