JP2009115111A - トルク変動吸収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦材を廃止してリミッタトルクを安定させることができるとともに、トルク変動を吸収することができるトルク変動吸収装置を提供すること。
【解決手段】クランクシャフト39に設けられ、円周方向に沿って凹部83および凸部84が連続して形成された第1のプレート81と、第1のプレート81に対向するようにしてインプットシャフト46に設けられ、第1のプレート81に対向する対向面82aで球体85および球体90を回転自在に保持する第2のプレート82と、第1のプレート81と第2のプレート82とが近接するように第2のプレート82を第1のプレート81に付勢する圧縮バネ87とを備え、凸部84を、第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって上方に傾斜する第1の傾斜面84aと第1の傾斜面84aの頂点から第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって下方に傾斜する第2の傾斜面84bとを有する山状に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トルク変動吸収装置に関し、特に、第1の軸部材と第2の軸部材の間でトルク変動を吸収するとともに、過大なトルクが伝達されるのを防止することができるトルク変動吸収装置に関する。
一般に、トルクを単独で出力可能な内燃機関とモータジェネレータを備えたハイブリッド車両にあっては、内燃機関の動力をクランクシャフトからインプットシャフトを介してモータジェネレータと駆動輪に伝達するとともに、エンジンの始動時にモータジェネレータの駆動力をエンジンに伝達するようになっており、エンジンとモータジェネレータの間で動力の遣り取りを行うようになっている。
このため、内燃機関のクランクシャフトとモータジェネレータのインプットシャフトとの間には、内燃機関からモータジェネレータや駆動輪に伝達されるトルク変動を吸収するダンパ機構およびモータジェネレータからエンジンに伝達される過大なトルクを吸収するトルクリミッタを備えたトルク変動吸収装置が設けられている。
従来のこの種のトルク変動吸収装置としては、図12に示すようなものが知られている。図12において、トルク変動吸収装置1は、図示しないエンジンのクランクシャフト2と、図示しない動力分配機構のインプットシャフト3の間に配設されており、トルク変動吸収装置1は、クランクシャフト2に固定されるフライホイール4とインプットシャフト3との間にエンジンの駆動トルクを吸収してインプットシャフト3にトルクを伝達するダンパ機構5を備えている。
ダンパ機構5は、外周側に延在するディスク5a、5bと、フランジ6aを有するハブ6と、ハブ6とフランジ6aの円周方向間に配設されるトーションスプリング7と、ダンパ機構5とフライホイール4との間のトルク変動が所定値に達するとフライホイール4からハブ6への動力の伝達を制限するトルクリミッタ8とを備えている。
ダンパ機構5は、トルクリミッタ8を介してフライホイール4に係合しているとともに、ハブ6の内周部は、インプットシャフト3とスプライン結合しており、ダンパ機構5は、ディスク5a、5bとフランジ6aとの間に発生するのトルクの変動を吸収する。
また、トルクリミッタ8は、連結プレート5cを介してディスク5bの外周に固定される摩擦材8aと、摩擦材8aをフライホイール4に向けて付勢する付勢部材8bと、付勢部材8bと摩擦材8aの間に配されるリミッタプレート8cとを備えている。
また、ディスク5a、5bとハブ6のフランジ6aの間にヒステリシス機構9が介装されており、このヒステリシス機構9は、フランジ6aとディスク5a、5bとが相対回転するときに摩擦によって相対回転を妨げる向きに作用するヒステリシストルクを発生するようになっている。
このような構成を有するトルク変動吸収装置にあっては、エンジンの動力がクランクシャフト2からフライホイール4に伝達された後、フライホイール4の外周側でトルクリミッタ8を介して動力がディスク5a、5bに伝達される。
ディスク5a、5bに伝達された動力によりディスク5a、5bが回転するとダンパ機構5を介してフランジ6aに動力が伝達される。このとき、トーションスプリング7の許容範囲内のトルクの変動はトーションスプリング7によるトルクの吸収特性に従って吸収され、フランジ6aを通ってインプットシャフト3に伝達される。
動力伝達中に、慣性の大きなエンジンとモータジェネレータの間のクランクシャフト2とインプットシャフト3の間にねじり振動が起こる等して、ディスク5a、5bとハブ6とが相対回転して更なるトルクの変動が発生し、摩擦材8aとフライホイール4との間の摩擦係合による許容係合範囲を越えた場合には、トルクリミッタ8が作動して摩擦材8aがハブ6と一体となった状態でフライホイール4に対して相対回転する。このため、エンジンから動力分配装置を介してモータジェネレータや駆動輪側に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。
また、エンジンの始動時にモータジェネレータの動力が動力分配装置を介してインプットシャフト3からクランクシャフト2に伝達されるときに、この動力伝達中にディスク5a、5bとハブ6とが相対回転してインプットシャフト3からクランクシャフト2に過大なトルクが入力したときに、摩擦材8aとフライホイール4との間の摩擦係合による許容係合範囲を越えた場合にも、トルクリミッタ8が作動して摩擦材8aがハブ6と一体となった状態でフライホイール4に対して相対回転することにより、モータジェネレータからエンジンに過大なトルクが伝達されるのを防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、このような従来のトルク変動吸収装置にあっては、トルクリミッタ8が、ディスク5bの外周に固定される摩擦材8aと、摩擦材8aをフライホイール4に向けて付勢する付勢部材8bと、付勢部材8bと摩擦材8aの間に配されるリミッタプレート8cとから構成されているため、リミッタトルクが摩擦材8aの摩擦係数に左右されてしまい、リミッタトルクの値にばらつきが発生してしまうおそれがあった。
また、トルクリミッタ8は、摩擦材8aとフライホイール4との間の摩擦係合による許容係合範囲を越えた場合にのみ作動するため、摩擦材8aに錆び等が発生すると摩擦材8aがフライホイール4に固着し易い。このため、リミッタ機能を発揮し難くなるおそれがある。
このようにトルクリミッタの摩擦係数に影響されるのを防止することができるとともに、リミッタ機能を発揮できなくなるのを防止することができるものとして、図13、図14に示すようなものが知られている。
図13、図14において、トルクリミッタ10は、ボス11およびフランジ12を備えており、これらボス11およびフランジ12が互いに同軸で対向されて相対回転可能に配置されている。
ボス11は、中心部に中空穴13が設けられるディスク状に形成されており、ボス11の外周には鍔部14が突設されている。また、フランジ12はリング状に形成されており、フランジ12の内周部が鍔部14の中央部に形成された嵌合部分15の外周部に相対回転自在に嵌合されている。
また、フランジ12には、その肉厚方向に貫通される複数の収納穴16が円周方向に不規則な間隔で形成されており、それぞれの収納穴16に球体17が収容されている。また、ボス11の鍔部14には、収納穴16の位置に一致させて球体17の一側部分を係脱可能に係合する係合凹部18が形成されており、収納穴16に収容された球体17が係合凹部18に係合しているときに、ボス11からフランジ12にトルクが伝達されるようになっている。
具体的には、トルク伝達状態で球体17がボス11の係合凹部18に強固に嵌合保持されるように、ボス11の係合凹部18が球体17の外形形状に沿って形成されるとともに、フランジ12の収納穴16の内面が球体17の外面に対して摺接状態で密接するように形成されている。
球体17は、コイルスプリング19によって係合凹部18に係合する方向に付勢されており、コイルスプリング19は、図13に示すように所定トルク未満で球体17が係合凹部18に係合する状態を保持し、所定トルク以上で、図14に示すように球体17が係合凹部18から離脱することを許容するようになっている(例えば、特許文献2参照)。
このようなトルクリミッタにあっては、鍔部14の収納穴16に球体17が収容されているため、動力伝達中には球体17を常時回転させることができ、球体17がフランジ12やボス11に固着するのを防止することができる。このため、リミッタ機能を発揮することができるとともに、従来の摩擦材を廃止したので、摩擦材の摩擦係数の影響を受けるのを防止することができる。
特開2003−194095号公報 特開平11−93970号公報
しかしながら、このような従来のトルク変動吸収装置にあっては、所定トルク未満では、コイルスプリング19の付勢力によって球体17の係合状態を保持し、所定トルク以上で、球体17が係合凹部18から離脱することを許容するように構成を有しているだけであるため、トルクリミッタとしての機能しか有しておらず、トルク変動を吸収することができないという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、摩擦材を廃止してリミッタトルクを安定させることができるとともに、トルク変動を吸収することができるトルク変動吸収装置を提供することを目的とする。
本発明に係るトルク変動吸収装置は、上記課題を解決するため、(1)第1の軸部材および第2の軸部材のいずれか一方に設けられ、円周方向に沿って凹凸が連続して形成された第1のプレートと、前記第1のプレートに対向するようにして前記第1の軸部材および前記第2の軸部材のいずれか他方に設けられ、前記第1のプレートに対向する対向面で球体を回転自在に保持する第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートとが近接するように前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの少なくとも一方を前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの少なくとも他方に付勢する付勢部材とを備え、前記凸部は、前記球体が前記第1のプレートの円周方向に沿って移動するのを許容する案内面を有し、前記第2のプレートの球体が前記第1のプレートの凸部に係合しながら前記第1のプレートと前記第2のプレートが一体的に回転することにより、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材の間で動力を伝達するものから構成されている。
この構成により、第1の軸部材および第2の軸部材の間のトルク変動が発生したときには、第2のプレートの球体が回転しながら凸部の案内面に沿って移動するため、トルク変動を吸収することができる。
また、第1の軸部材および第2の軸部材の間に過大なトルクが入力した場合には、第2のプレートの球体が凸部を乗り越えるようにして第2のプレートと第1のプレートが相対回転するため、第1の軸部材および第2の軸部材の相互に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。
また、第1のプレートの凸部が前記第2のプレートの球体に係合しながら第1のプレートと第2のプレートとが一体的に回転することにより、第1の軸部材と第2の軸部材との間で動力を伝達するので、動力伝達中には、球体を常に回転状態することができる。このため、球体が第1のプレートや第2のプレートに固着するのを防止することができ、トルクリミッタとしての機能が損なわれるのを防止することができる。
また、凸部と球体の回転を利用して第1のプレートと第2のプレートの間で動力の伝達を行うことができるので、従来の摩擦材を廃止することができ、摩擦材の摩擦係数に影響されるのを防止することができる。
上記(1)のトルク変動吸収装置において、(2)前記凸部が、前記第1のプレートの円周方向の一方側に向かって上方に傾斜する第1の傾斜面と前記第1の傾斜面の頂点から前記第1のプレートの円周方向の一方側に向かって下方に傾斜する第2の傾斜面とを有する山状に形成され、前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面が前記案内面を構成するものから構成されている。
この構成により、第1の軸部材および第2の軸部材の間のトルク変動が発生したときには、第2のプレートの球体が回転しながら凸部の第1の傾斜面または第2の傾斜面に沿って移動するため、トルク変動を吸収することができる。
また、第1の軸部材および第2の軸部材の間に過大なトルクが入力した場合には、第2のプレートの球体が凸部の第1の傾斜面または第2の傾斜面を乗り越えて第2の傾斜面または第1の傾斜面に移動するように第2のプレートと第1のプレートが相対回転するため、第1の軸部材および第2の軸部材の相互に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。その後、球体が第1の傾斜面または第2の傾斜面に係合しながら第1のプレートと第2のプレートとが一体的に回転することにより、第1の軸部材と第2の軸部材との間で動力を伝達することができる。
上記(1)のトルク変動吸収装置において、(3)前記凹部が、前記球体の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する半球状の溝から構成されるとともに、前記凸部の外周面が曲面状の前記溝の内周面から構成され、前記凸部の外周面が前記案内面を構成する。
この構成により、第1の軸部材および第2の軸部材の間のトルク変動が発生したときには、第2のプレートの球体が回転しながら凸部の曲面に沿って移動するため、トルク変動を吸収することができる。
また、第1の軸部材および第2の軸部材の間に過大なトルクが入力した場合には、第2のプレートの球体が凸部の曲面を乗り越えて第2のプレートと第1のプレートが相対回転するため、第1の軸部材および第2の軸部材の相互に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。その後、球体が抜け出た溝の回転方向下流側に位置する溝の曲面に球体が係合しながら、第1のプレートと第2のプレートとが一体的に回転することにより、第1の軸部材と第2の軸部材との間で動力を伝達することができる。
上記(1)ないし(4)のいずれかのトルク変動吸収装置において、前記第2のプレートが、前記球体を回転自在に保持する嵌合溝を有し、前記嵌合溝と前記球体の間に摩擦部材を介装したものから構成されている。
この構成により、嵌合溝と球体の間に摩擦部材を介装して球体の転がり摩擦係数を設定するとともに、第1のプレートおよび第2のプレートを少なくとも一方を第1のプレートおよび第2のプレートの少なくとも他方に付勢する付勢部材の付勢力を設定することにより、第1のプレートと第2のプレートとが相対回転するときに摩擦によって相対回転を妨げる向きに作用するヒステリシストルクを、簡素、かつ安価な構成によって発生させることができる。
本発明によれば、摩擦材を廃止してリミッタトルクを安定させることができるとともに、トルク変動を吸収することができるトルク変動吸収装置を提供することができる。
以下、本発明に係るトルク変動吸収装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、本発明をハイブリッド車両に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。
図1において、ハイブリッド車両31は、内燃機関としてのエンジン32を含んで構成され、エンジン32からの動力を出力部としてのドライブシャフト33を介して駆動輪34L、34Rに伝達する動力伝達装置35と、ハイブリッド車両31全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット100とを含んで構成されている。
動力伝達装置35は、第1のモータジェネレータMG1と、第2のモータジェネレータMG2と、第2のモータジェネレータMG2のロータシャフト56に接続される減速機37と、減速機37、エンジン32および第1のモータジェネレータMG1の間で動力分配を行う動力分配機構38とを備えている。
ここで、減速機37は、第2のモータジェネレータMG2から動力分配機構38への減速比が、例えば、2倍以上に設定されている。
エンジン32は、ガソリンまたは軽油等の炭化水素系の燃料により動力を出力するエンジンであり、エンジン32の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)101によって燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御等の運転制御が行われるようになっている。
動力分配機構38は、エンジン32のクランクシャフト39に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸40に結合されたサンギヤ41と、減速機37のリングギヤと共通のリングギヤ42と、サンギヤ41とリングギヤ42の間に配置され、サンギヤ41の外周を自転しながら公転する複数のピニオンギヤ43と、クランクシャフト39の端部にトルク変動吸収装置44を介して結合されたインプットシャフト46と、各ピニオンギヤ43の回転軸を支持するキャリア45とを備えており、サンギヤ41、リングギヤ42およびキャリア45を回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構を構成している。
この動力分配機構38は、第1のモータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、キャリア45から入力されるエンジン32からの動力をサンギヤ41側とリングギヤ42側にそのギヤ比に応じて分配し、第1のモータジェネレータMG1が電動機として機能するときには、キャリア45から入力されるエンジン32からの動力とサンギヤ41から入力される第1のモータジェネレータMG1からの動力を統合してリングギヤ42側に出力するようになっている。
一方、第1のモータジェネレータMG1は、回転磁界を形成するステータ48と、ステータ48の内部に配置され、複数個の永久磁石が埋め込まれているロータ49とを備えており、ステータ48は、ステータコアおよびステータコアに巻回される三相コイルを備えている。
ロータ49は、動力分配機構38のサンギヤ41と一体的に回転するサンギヤ軸40に結合されており、ステータ48のステータコアは、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、後述するケースの内周部に固定されている。
このように構成される第1のモータジェネレータMG1は、ロータ49に埋め込まれた永久磁石による磁界と三相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータ49を回転駆動する電動機として動作する。また、第1のモータジェネレータMG1は、永久磁石による磁界とロータ49の回転との相互作用により三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
また、第2のモータジェネレータMG2は、回転磁界を形成するステータ52と、ステータ52の内部に配置され、複数個の永久磁石が埋め込まれたロータ53とを備えており、ステータ52は、ステータコアおよびステータコアに巻回される三相コイルとを備えている。
ロータ53のロータシャフト56は、減速機37のサンギヤ57にスプライン嵌合されており、ステータ52のステータコアは、例えば、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、ケースの内周部に固定されている。
第2のモータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界とロータ53の回転との相互作用によって三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作するようになっており、第2のモータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界と三相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータ53を回転駆動する電動機として動作する。
リングギヤ42の外周部にはカウンタドライブギヤ72が一体的に設けられており、このカウンタドライブギヤ72は、リングギヤ42と一体的に回転するようになっている。
また、カウンタドライブギヤ72は、アイドルドライブギヤ73に噛合しており、このアイドルドライブギヤ73は、アイドルドリブンギヤ74を介してカウンタドリブンギヤ75に連結されている。
このカウンタドリブンギヤ75は、ファイナルギヤ76を介してデファレンシャルギヤ77に連結されており、デファレンシャルギヤ77は、ドライブシャフト33を介して駆動輪34L、34Rに駆動トルクを伝達する。
また、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2は、インバータ61およびインバータ62を介してバッテリ63の間で電力の遣り取りを行うようになっている。
インバータ61およびインバータ62とバッテリ63とを接続する電力ライン64は、インバータ61およびインバータ62が共用する正極母線および負極母線として構成されており、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2のいずれか一方で発電される電力を第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2のいずれか他方のモータジェネレータで消費することができるようになっている。
したがって、バッテリ63は、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ63は充放電されない。
また、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)102により駆動制御されるようになっている。
モータECU102には、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2を駆動制御するために必要な信号、例えば、第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ111および回転位置検出センサ112からの信号や図示しない電流センサにより検出される第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU102からは、インバータ61およびインバータ62へのスイッチング制御信号が出力されている。
モータECU102は、ハイブリッド用電子制御ユニット100と通信するようになっており、ハイブリッド用電子制御ユニット100からの制御信号によって第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2を駆動制御するとともに、必要に応じて第1のモータジェネレータMG1および第2のモータジェネレータMG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット100に出力する。
バッテリ63は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)103によって管理されており、バッテリECU103には、バッテリ63を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ63の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、 バッテリ63の出力端子に接続された電力ライン64に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、 バッテリ63に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度等が入力されており、必要に応じてバッテリ63の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット100に出力する。
なお、バッテリECU103にあっては、バッテリ63を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC(State of charge))も演算している。
一方、ハイブリッド用電子制御ユニット100は、CPU(Central processing unit)100aを中心とするマイクロプロセッサから構成されており、CPU100aの他に処理プログラムを記憶するROM(Read only memory)100bと、データを一時的に記憶するRAM(Random access memory)100cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備えている。
また、ハイブリッド用電子制御ユニット100には、イグニッションスイッチ(IG)113からのイグニッション信号Ig、運転手により踏み込まれるアクセルペダル99の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ115からのアクセル開度信号Acc、車速センサ117からの車速信号Vがそれぞれ入力ポートを介して入力されている。
モータECU102は、ハイブリッド用電子制御ユニット100から入力した制御信号に応じてインバータ61およびインバータ62を駆動制御することにより、第2のモータジェネレータMG2のロータ53を一方向または他方向に回転駆動する。
具体的には、アクセルペダル99が踏み込まれたときに、アクセルペダルポジションセンサ115からのアクセルペダル99の踏み込み量に応じたアクセル開度信号Accが入力されたときに、第2のモータジェネレータMG2による運転領域において、第2のモータジェネレータMG2を一方向に回転駆動して、減速機37を介してドライブシャフト33に動力を伝達する。
また、アクセルペダル99の踏み込みが解除されてアクセルペダルポジションセンサ115からのアクセル開度信号Accが入力されなくなったときには、第2のモータジェネレータMG2を同方向に回転駆動しつつ、負トルクを発生させることにより、エンジンブレーキを発生させるようになっている。
図2〜図4は、トルク変動吸収装置44の概略構成図である。
図2〜図4において、トルク変動吸収装置44は、第1の軸部材としてのクランクシャフト39に接続される第1のプレート81と、第2の軸部材としてのインプットシャフト46に接続される第2のプレート82とを備えている。
なお、本実施の形態の第2のプレート82は、インプットシャフト46にスプライン嵌合されており、第2のプレート82は、インプットシャフト46に対して軸方向移動自在で、かつインプットシャフト46に対して回転不能となっている。また、第1のプレート81はフライホイールとして兼用してもよく、第1のプレート81と別体のフライホイールを第1のプレート81に取付けてもよい。
第1のプレート81には、円周方向に沿って凹部83および凸部84が連続して形成されている。凸部84は、第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって上方に傾斜する案内面としての第1の傾斜面84aを有するとともに、第1の傾斜面84aの頂点から第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって下方に傾斜する案内面としての第2の傾斜面84bとから構成されており、凸部84は、山状に形成されている。
また、図4(b)示すように、第1のプレート81に対向する第2のプレート82の対向面82aには嵌合溝82bが形成されており、この嵌合溝82bには球体85の一部が嵌合され、この球体85は、第2のプレート82に対して回転自在になっている。
また、嵌合溝82bには球体90の一部が嵌合されており、この球体90は、第2のプレート82に対して回転自在になっている。なお、球体85および球体90は、第2のプレート82から落下しないように少なくとも体積の半分以上は嵌合溝82bに嵌合されている。
また、嵌合溝82bと球体85および球体90の間には、図4(b)に示すように摩擦部材としてのゴム等の摩擦シート86が介装されており、摩擦シート86によって球体85および球体90に所定の転がり摩擦係数が付与されている。また、インプットシャフト46にはフランジ部46aが設けられており、このフランジ部46aと第2のプレート82の間には付勢部材としての圧縮バネ87が介装されている。
この圧縮バネ87は、第2のプレート82を第1のプレート81に付勢するようになっており、球体85は、圧縮バネ87によって第1の傾斜面84aに係合するようになっている。また、球体90は、球体85に対して円周方向に半分、すなわち、3個設けられており、圧縮バネ87によって第2の傾斜面84bに係合するようになっている。また、球体90は、球体85に対して等間隔に配置、すなわち、球体85に対して1つおきに配置されている。
また、球体85は、第1の傾斜面84aに沿って第1のプレート81の円周方向に沿って移動することが許容されており、第1の傾斜面84aに沿って回転するようになっている。また、球体90は、第2の傾斜面84bに沿って第1のプレート81の円周方向に沿って移動することが許容されており、第2の傾斜面84bに沿って回転するようになっている。
次に、作用を説明する。
圧縮バネ87によって第2のプレート82が第1のプレート81に付勢されるため、エンジン32の動力がクランクシャフト39から第1のプレート81に伝達されると、球体85が第1の傾斜面84aに係合して第1のプレート81と第2のプレート82が一体回転する。なお、第1のプレート81が時計方向に回転するようにクランクシャフト39が回転することを前提として説明を行う。
このとき、球体85および球体90の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲内のトルクの変動は、図5の矢印Aで示すように、球体85が第1の傾斜面84aに沿って回転するとともに、球体90が第2の傾斜面84bに沿って回転するため、球体85と第1の傾斜面84aおよび球体90と第2の傾斜面84bとによってトルク変動が吸収され、エンジン32の動力がトルク変動吸収装置44からインプットシャフト46に伝達される。
また、動力伝達中に慣性の大きなエンジン32および第1のモータジェネレータMG1に接続されるクランクシャフト39およびインプットシャフト46の間にねじり振動が起こる等して、第1のプレート81と第2のプレート82が相対回転して更なるトルクの変動が発生し、球体85の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲を超えた過大なトルクが発生した場合には、図6の矢印Bで示すように、球体85が第1の傾斜面84aを乗り換えて第1のプレート81が第2のプレート82に対して相対回転することにより、トルクリミッタとして機能する。このため、エンジン32からインプットシャフト46を介して第1のモータジェネレータMG1や駆動輪34L、34R側に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。
このとき、球体85が第2の傾斜面84bを沿ってこの第2の傾斜面84bを有する凸部84に対して、第1のプレート81の回転方向下流側に位置する凸部84の第1の傾斜面84aに球体85が係合して、第1のプレート81および第2のプレート82が一体回転する。なお、図示しないが、球体90も第1の傾斜面84aを乗り換えて第2の傾斜面84b側に位置するため、第1のプレート81が第2のプレート82に対して相対回転するのを許容する。
一方、エンジン32の始動時に第1のモータジェネレータMG1の動力が動力分配機構38を介してインプットシャフト46からクランクシャフト39に伝達されるときに、この動力伝達中に第1のプレート81と第2のプレート82とが相対回転して球体85の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲を超えた過大なトルクが発生した場合には、図6の矢印Bで示すように、球体85が第1の傾斜面84aを乗り換えて第1のプレート81が第2のプレート82に相対回転することにより、トルクリミッタとして機能する。
この場合にも、球体85が第2の傾斜面84bを沿ってこの第2の傾斜面84bを有する凸部84に対して、第1のプレート81の回転方向下流側に位置する凸部84の第1の傾斜面84aに球体85が係合して、第1のプレート81および第2のプレート82が一体回転する。
なお、このときにも図示しないが、球体90が第1の傾斜面84aを乗り換えて第2の傾斜面84b側に位置するため、第1のプレート81が第2のプレート82に対して相対回転するのを許容する。
また、第1のプレート81が反時計方向に回転するときには、球体85および球体90の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲内のトルクの変動は、図5の矢印Aで示すように、球体85が第1の傾斜面84aに沿って回転するとともに、球体90が第2の傾斜面84bに沿って回転するため、球体85と第1の傾斜面84aおよび球体90と第2の傾斜面84bとによってトルク変動が吸収され、エンジン32の動力がトルク変動吸収装置44からインプットシャフト46に伝達される。
このときには、球体85および球体90の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲を超えた過大なトルクが発生した場合には、球体90が第2の傾斜面84bの頂点を乗り越えるようにして第2のプレート82と第1のプレート81が相対回転することにより、トルクリミッタとして機能する。なお、このときには、球体85も第2の傾斜面84bを乗り換えて第1の傾斜面84a側に位置するため、第1のプレート81が第2のプレート82に対して相対回転するのを許容する。
なお、本実施の形態では、球体85に対して球体90の数を半分にしたのは、殆どの運転領域において、第1のプレート85が時計方向に回転することが多いからであり、球体90の数を半分にすることにより、トルク変動吸収装置44の製造コストが増大するのを抑制することができる。
このように本実施の形態では、クランクシャフト39に設けられ、円周方向に沿って凹部83および凸部84が連続して形成された第1のプレート81と、第1のプレート81に対向するようにしてインプットシャフト46に設けられ、第1のプレート81に対向する対向面82aで球体85および球体90を回転自在に保持する第2のプレート82と、第1のプレート81と第2のプレート82とが近接するように第2のプレート82を第1のプレート81に付勢する圧縮バネ87とを備えたトルク変動吸収装置44において、凸部84を、第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって上方に傾斜する第1の傾斜面84aと第1の傾斜面84aの頂点から第1のプレート81の円周方向の一方側に向かって下方に傾斜する第2の傾斜面84bとを有する山状に形成したので、エンジン32のトルク変動が発生したときには、第2のプレート82の球体85および球体90が回転しながら凸部84の第1の傾斜面84aおよび第2の傾斜面84bに沿って移動して、トルク変動を吸収することができる。
また、エンジン32または第1のモータジェネレータMG1から過大なトルクが入力した場合には、第2のプレート82の球体85および球体90が第1の傾斜面84aの頂点を乗り越えるようにして第2のプレート82と第1のプレート81が相対回転するので、エンジン32または第1のモータジェネレータMG1の相互に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。
その後、球体85が第1の傾斜面84aに係合しながら第1のプレート81と第2のプレート82とが一体的に回転することにより、エンジン32および第1のモータジェネレータMG1の間で動力を伝達することができる。
また、第1のプレート81の凸部84が第2のプレート82の球体85に係合しながら、あるいは、凸部84が第2のプレート82の球体90に係合しながら、第1のプレート81と第2のプレート82とが一体的に回転することにより、エンジン32と第1のモータジェネレータMG1との間で動力を伝達するので、動力伝達中には、球体85および球体90が常に回転状態となるため、球体85および球体90が第1のプレート81や第2のプレート82に固着するのを防止することができ、トルクリミッタとしての機能が損なわれるのを防止することができる。
また、凸部84と球体85および球体90との回転を利用して第1のプレート81と第2のプレート82の間で動力の伝達を行うことができるので、従来の摩擦材を廃止することができ、摩擦材の摩擦係数に影響されるのを防止することができる。
また、第2のプレート82が、球体85および球体90を回転自在に保持する嵌合溝82bを有し、嵌合溝82bと球体85および球体90との間に摩擦シート86を介装したので、摩擦シート86によって球体85および球体90の転がり摩擦係数を設定するとともに、圧縮バネ87の付勢力を設定することにより、第1のプレート81と第2のプレート82とが相対回転するときに摩擦によって相対回転を妨げる向きに作用するヒステリシストルクを、簡素、かつ安価な構成によって発生させることができる。
また、本実施の形態では、凸部84と球体85および球体90との回転を利用してトルク変動を吸収することができるので、従来のようなトーションスプリングを廃止することができ、トルク変動吸収装置44の構成をより簡素化することができる。
なお、本実施の形態では、インプットシャフト46を第1の軸部材としてインプットシャフト46に第1のプレート81を設けてもよく、クランクシャフト39を第2の軸部材としてクランクシャフト39に第2のプレート82を設けてもよい。
(第2の実施の形態)
図7〜図11は、本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には、同一番号を付して説明を省略する。また、ハイブリッド車両の構成については、図1を用いて説明を行う。
図7〜図9において、第1のプレート91の対向面91aには球体85と同数の半球状の溝(凹部)92が形成されており、この溝92は、球体85の曲率半径よりも大きい曲率半径を有し、この溝92に球体85の一部が収納されている。
本実施の形態では、第1のプレート91の円周方向において、溝92を除いた対向面91aが凸部93を構成しており、溝92および凸部93が第1のプレート91の円周方向に沿って連続して形成されている。また、凸部93の外周面93aが曲面状の溝92の内周面から構成されている。すなわち、本実施の形態では、凸部93の外周面93aが曲面状に形成されており、凸部93の外周面93aが案内面を構成している。
次に、作用を説明する。
圧縮バネ87によって第2のプレート82が第1のプレート91に付勢されるため、エンジン32の動力がクランクシャフト39から第1のプレート91に伝達されると、球体85が凸部93の外周面93aに係合して第1のプレート91と第2のプレート82が一体回転する。なお、第1のプレート91が時計方向に回転するようにクランクシャフト39が回転することを前提として説明を行う。
このとき、球体85の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲内のトルクの変動は、図10の矢印Cで示すように、球体85が凸部93の曲面状の外周面93aに沿って回転するため、球体85と凸部93の外周面93aによってトルク変動が吸収され、エンジン32の動力がトルク変動吸収装置44からインプットシャフト46に伝達される。
また、動力伝達中に慣性の大きなエンジン32および第1のモータジェネレータMG1に接続されるクランクシャフト39およびインプットシャフト46の間にねじり振動が起こる等して、第1のプレート91と第2のプレート82が相対回転して更なるトルクの変動が発生し、球体85の転がり摩擦係数と圧縮バネ87の付勢力に応じた許容範囲を超えた過大なトルクが発生した場合には、図11に矢印Dで示すように、球体85が凸部93の外周面93aを乗り換えて対向面91aに乗り上げられるため、第1のプレート81が第2のプレート82に対して相対回転することにより、トルクリミッタとして機能する。このため、エンジン32からインプットシャフト46を介して第1のモータジェネレータMG1や駆動輪34L、34R側に過大なトルクが伝達されるのを防止することができる。
このとき、球体85が凸部93の対向面91aを沿って抜け出る前に収納されていた溝92に対して、第1のプレート81の回転方向下流側に位置する溝92に球体85が収納され、球体85が凸部93の外周面93aに係合することにより、第1のプレート91および第2のプレート82が一体回転する。
また、エンジン32の始動時に第1のモータジェネレータMG1の動力が動力分配機構38を介してインプットシャフト46からクランクシャフト39に伝達されるときのトルクリミッタ機能は上述したものと同様であるため、説明を省略する。
また、第1のプレート91が反時計方向に回転するときには、球体85が凸部93の外周面93aに係合して第1のプレート91および第2のプレート82が一体回転するが、このときには、凸部93の外周面93aに沿って球体85が回転してトルク変動を吸収し、過大なトルクが発生した場合には、球体85が凸部93の外周面93aを乗り越えるようにして第2のプレート82と第1のプレート91が相対回転することにより、トルクリミッタとして機能する。
このように本実施の形態では、第1のプレート91に、球体85の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する半球状の溝92を形成するとともに、凸部93の外周面を曲面状の溝92の内周面から構成したので、第1の実施の形態と同様に摩擦材を廃止して、エンジン32と第1のモータジェネレータMG1との間で動力伝達を行うときのリミッタトルクを安定させることができるとともに、トルク変動を吸収することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第1のプレート91に凹部として溝92を加工するだけでよいため、第1のプレート91の構成を簡素化することができ、第1のプレート91の製造コストが増大するのを防止することができる。
なお、上記各実施の形態では、トルク変動吸収装置をハイブリッド車両に適用しているが、これに限定されるものではなく、第1の回転軸と第2の回転軸との間で動力の伝達を行う装置であれば、如何なる装置に適用することも可能である。また、第1の回転軸と第2の回転軸の相互で動力を伝達するものに限定されるものではなく、第1の回転軸および第2の回転軸の一方から第1の回転軸および第2の回転軸の他方に一方的に動力を伝達するものに適用してもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係るトルク変動吸収装置は、摩擦材を廃止してリミッタトルクを安定させることができるとともに、トルク変動を吸収することができるという効果を有し、第1の軸部材と第2の軸部材との間でトルク変動を吸収するとともに、過大なトルクが伝達されるのを防止することができるトルク変動吸収装置等として有用である。
本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、トルク変動吸収装置を備えたハイブリッド車両の概略構成図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、トルク変動吸収装置の概略構成図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、第1のプレートの斜視図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は、第2のプレートの斜視図、(b)は、球体と第2のプレートの要部断面図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、トルク変動を吸収するときの球体の動作を示す図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第1の実施の形態を示す図であり、トルクリミッタとして機能するときの球体の動作を示す図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図であり、トルク変動吸収装置の概略構成図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図であり、第1のプレートの斜視図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図であり、球体と溝の位置関係を示すトルク変動吸収装置の要部断面図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図であり、トルク変動を吸収するときの球体の動作を示す図である。 本発明に係るトルク変動吸収装置の第2の実施の形態を示す図であり、トルクリミッタとして機能するときの球体の動作を示す図である。 従来のトルク変動吸収装置の断面図である。 従来の他のトルク変動吸収装置の断面図であり、球体が係合凹部に係合する状態を示す図である。 従来の他のトルク変動吸収装置の断面図であり、球体が係合凹部に離脱する状態を示す図である。
符号の説明
39 クランクシャフト(第1の軸部材)
46 インプットシャフト(第2の軸部材)
81、91 第1のプレート
82 第2のプレート
82a 対向面
82b 嵌合溝
83 凹部
84 凸部
84a 第1の傾斜面(案内面)
84b 第2の傾斜面(案内面)
85、90 球体
86 摩擦シート(摩擦部材)
87 圧縮バネ(付勢部材)
92 溝(凹部)
93a 外周面(案内面)

Claims (4)

  1. 第1の軸部材および第2の軸部材のいずれか一方に設けられ、円周方向に沿って凹凸が連続して形成された第1のプレートと、前記第1のプレートに対向するようにして前記第1の軸部材および前記第2の軸部材のいずれか他方に設けられ、前記第1のプレートに対向する対向面で球体を回転自在に保持する第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートとが近接するように前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの少なくとも一方を前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの少なくとも他方に付勢する付勢部材とを備え、
    前記凸部は、前記球体が前記第1のプレートの円周方向に沿って移動するのを許容する案内面を有し、
    前記第2のプレートの球体が前記第1のプレートの凸部に係合しながら前記第1のプレートと前記第2のプレートが一体的に回転することにより、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材の間で動力を伝達することを特徴とするトルク変動吸収装置。
  2. 前記凸部が、前記第1のプレートの円周方向の一方側に向かって上方に傾斜する第1の傾斜面と前記第1の傾斜面の頂点から前記第1のプレートの円周方向の一方側に向かって下方に傾斜する第2の傾斜面とを有する山状に形成され、前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面が前記案内面を構成することを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収装置。
  3. 前記凹部が、前記球体の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する半球状の溝から構成されるとともに、前記凸部の外周面が曲面状の前記溝の内周面から構成され、前記凸部の外周面が前記案内面を構成することを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収装置。
  4. 前記第2のプレートが、前記球体を回転自在に保持する嵌合溝を有し、前記嵌合溝と前記球体の間に摩擦部材を介装したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載のトルク変動吸収装置。
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