JP2009287729A - ダンパ装置 - Google Patents

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Shinichiro Suenaga
真一郎 末永
Hiromichi Kimura
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Abstract

【課題】ダンパ装置において、回転部材の回転状態に拘らず適正なヒステリシストルクを設定して回転変動を効果的に抑制可能とする。
【解決手段】相対回転可能なハブプレート101とガイドプレート107,108との間にスプリング114a,114b,114c,114dを介装すると共に、摩擦材131を介装して構成し、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子132を設け、この遠心子132に、回転数の増加に伴って摩擦材131による摩擦力を小さくする第1作用面132aと、回転数が予め設定された回転数を超えると摩擦材131による摩擦力を大きくする第2作用面132bとを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦材を介して互いに相対回転する第1回転部材及び第2回転部材を備え、例えば、エンジンの回転変動を吸収するときにヒステリシストルクを設定するダンパ装置に関するものである。
一般的なハイブリッド車両では、運転状態に応じてエンジン及び電気モータの駆動と停止を制御することにより、電気モータのトルクだけで車輪を駆動したり、エンジンと電気モータの両者のトルクにより車輪を駆動するようにしており、電気モータはバッテリに蓄積された電力により駆動することができ、このバッテリのエネルギが低下したときには、エンジンを駆動してバッテリの充電を行うようにしている。
このハイブリッド車両の駆動装置は、エンジンと、ダンパ装置を介して伝達されるエンジン出力を第1モータジェネレータ(発電機)及び駆動輪側に機械的に分配する遊星歯車機構と、駆動輪側に回転力を加える第2モータジェネレータ(電気モータ)とを有している。そして、このエンジン、ダンパ装置、遊星歯車機構、第1モータジェネレータが同一軸線上において軸方向に並んで配設されていると共に、第2モータジェネレータはダンパ装置及び遊星歯車機構の外周側に同心に配設されている。
上述したハイブリッド車両の駆動装置におけるダンパ装置は、エンジンの回転変動を吸収するものであり、スプリングを介して互いに相対回転する2つの回転部材から構成されている。また、このダンパ装置にて、2つの回転部材との間には、両回転部材が相対回転するとき、ヒステリシストルクを発生させる摩擦材が設けられている。
例えば、下記特許文献1に記載されたダンパーディスクでは、ハブとサイドプレートとの間に摩擦材を挟持すると共に、サイドプレートと一体的に回転する遠心子を径方向に移動可能に支持し、リターンばねにより中心側に付勢支持し、回転速度の増加により遠心子を外側に移動して摩擦材の摩擦力を小さく変化させることで、ヒステリシストルクを減少させるようにしている。
特開昭61−002920号公報
ダンパ装置にて、ヒステリシストルクは、2つの回転部材の回転トルクの大きさ、即ち、2つの回転部材の捩じり角度により変動するものであり、この回転トルクは、回転数により変動するものである。そのため、上述した従来のダンパーディスクでは、回転速度の増加により遠心子を外方へ移動し、ガイド面により摩擦材の摩擦力を減少させることで、ヒステリシストルクを減少させるようにしている。
ところが、回転部材の回転数が増加すると、回転トルクが減少するものの、この回転トルクは所定の回転数を超えると増加する。そのため、回転速度の増加に伴って摩擦材の摩擦力を減少させると、高回転時に、摩擦材の摩擦力が減少してヒステリシストルクが不足し、捩じり振動を十分に抑制することが困難となる。
本発明は、このような問題を解決するものであって、回転部材の回転状態に拘らず適正なヒステリシストルクを設定して回転変動を効果的に抑制可能とするダンパ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決してその目的を達成するために、本発明のダンパ装置は、同心の回転軸心を有して互いに相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に挟持される摩擦材とを備えるダンパ装置において、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子が設けられ、該遠心子は、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転数の増加に伴って前記摩擦材による摩擦力を小さくする第1作用面と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転数が予め設定された回転数を超えると前記摩擦材による摩擦力を大きくする第2作用面とを有する、ことを特徴とするものである。
本発明のダンパ装置では、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に前記摩擦材と前記遠心子が対向して配設され、前記摩擦材と前記遠心子の前記第1作用面及び前記第2作用面との間に押圧ばねが配設され、前記遠心子は、付勢ばねにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側に付勢支持されることを特徴としている。
本発明のダンパ装置では、前記遠心子の前記第1作用面は、前記摩擦材との距離が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側ほど大きくなるように形成され、前記第2作用面は、前記摩擦材との距離が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側ほど小さくなるように形成されることを特徴としている。
本発明のダンパ装置では、前記第1作用面及び前記第2作用面は、前記遠心子が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の径方向外側に移動するにしたがって前記摩擦材による摩擦力の変化量が小さくなるように形成されることを特徴としている。
本発明のダンパ装置では、第1回転部材または第2回転部材と前記摩擦材または前記遠心子との間に、前記第1回転部材と前記第2回転部材との相対回転に応じて前記摩擦材による摩擦力を変動させるトルクカム部材が設けられることを特徴としている。
本発明のダンパ装置によれば、第1回転部材と第2回転部材との間に摩擦材を挟持すると共に、回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子を設け、この遠心子に、回転数の増加に伴って摩擦材による摩擦力を小さくする第1作用面と、回転数が予め設定された回転数を超えると摩擦材による摩擦力を大きくする第2作用面とを設けている。従って、第1回転部材と第2回転部材の回転数が増加すると、まず、第1作用面により摩擦材による摩擦力が小さくなり、続いて、予め設定された回転数を超えると、第2作用面により摩擦材による摩擦力が大きくなる。そのため、回転部材の回転状態に拘らず適正なヒステリシストルクを設定し、回転変動を効果的に抑制することができる。
以下に、本発明に係るダンパ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係るダンパ装置のヒステリシス機構を表す断面図、図2は、ヒステリシス機構における遠心子を表す断面図、図3は、実施例1のダンパ装置の正面図、図4は、実施例1のダンパ装置を表す図3のIV−IV断面図、図5は、捩れ角とエンジントルクに対するヒステリシス領域を表すグラフ、図6は、エンジン回転数に対するエンジントルク変動振幅を表すグラフ、図7は、実施例1のダンパ装置が適用されたハイブリッド車両の駆動装置を表す概略構成図である。
本実施例のダンパ装置が適用された車両は、ハイブリッド車両であって、動力源として、エンジンと電気モータと発電機が搭載されており、このエンジンと電気モータと発電機は、動力分配統合機構により接続され、エンジンの出力を発電機と駆動輪とに振り分けると共に、電気モータからの出力を駆動輪に伝達したり、減速機を介してドライブシャフトから駆動輪に伝達される駆動力に関する変速機として機能する。
即ち、図7に示すように、本実施例のハイブリッド車両11は、エンジン12と、エンジン12の出力軸としてのクランクシャフト13の回転変動を吸収するダンパ装置14と、クランクシャフト13にこのダンパ装置14を介して接続された3軸式の動力分配統合機構15と、動力分配統合機構15に接続された発電可能なモータ(MG1)16と、動力分配統合機構15に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸17に取り付けられた減速ギヤ18と、この減速ギヤ18に接続されたモータ(MG2)19と、動力出力装置全体
をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)20とを有している。
エンジン12は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、このエンジン12の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)21により燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御指令を受けている。エンジンECU21は、ハイブリッドECU20と通信可能であり、ハイブリッドECU20からの制御信号によりエンジン12を運転制御すると共に必要に応じてエンジン12の運転状態に関するデータをハイブリッドECU20に出力する。
動力分配統合機構15は、外歯歯車のサンギヤ22と、このサンギヤ22と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ23と、サンギヤ22に噛合すると共にリングギヤ23に噛合する複数のピニオンギヤ24と、複数のピニオンギヤ24を自転、且つ、公転自在に保持するキャリア25とを有し、サンギヤ22とリングギヤ23とキャリア25とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構15にて、キャリア25にはエンジン12のクランクシャフト13が、サンギヤ22にはモータ16が、リングギヤ23にはリングギヤ軸17を介して減速ギヤ18がそれぞれ連結されている。そして、モータ16が発電機として機能するときにはキャリア25から入力されるエンジン12からの動力をサンギヤ22側とリングギヤ23側にそのギヤ比に応じて分配し、モータ16が電動機として機能するときにはキャリア25から入力されるエンジン12からの動力とサンギヤ22から入力されるモータ16からの動力を統合してリングギヤ23側に出力する。リングギヤ23に出力された動力は、リングギヤ軸17からギヤ機構26及びデファレンシャルギヤ27を介して、最終的には車両の駆動輪28に出力される。
モータ16及びモータ19は、いずれも発電機として駆動することができると共に、電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ29,30を介してバッテリ31と電力のやりとりを行う。インバータ29,30とバッテリ31とを接続する電力ライン32は、各インバータ29,30が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータ16,19いずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。従って、バッテリ31は、モータ16,19のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータ16,19により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ31は充放電されない。
モータ16,19は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)33により駆動制御されている。モータECU33には、モータ16,19を駆動制御するために必要な信号、例えば、モータ16,19の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ34,35からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータ16,19に印加される相電流などが入力されており、モータECU33からは、インバータ29,30へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU33は、ハイブリッドECU20と通信しており、ハイブリッドECU20からの制御信号によってモータ16,19を駆動制御すると共に必要に応じてモータ16,19の運転状態に関するデータをハイブリッドECU20に出力する。
バッテリ31は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)36によって管理されている。バッテリECU36には、バッテリ31を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ31の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ31の出力端子に接続された電力ライン32に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ31に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ31の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU20に出力する。なお、バッテリECU36では、バッテリ31を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
また、車両には、駆動輪28に対応して油圧ブレーキ装置37が設けられている。この油圧ブレーキ装置37には、油圧制御装置38から調圧された制動油圧が供給されるようになっており、この油圧制御装置38は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)39によって管理されている。ブレーキECU39には、油圧制御装置38を管理するのに必要な後述する信号が入力され。即ち、ブレーキECU39は、ハイブリッドECU20と通信しており、ハイブリッドECU20からの制御信号によって油圧制御装置38を駆動制御すると共に必要に応じて油圧制御装置38の運転状態に関するデータをハイブリッドECU20に出力する。
ハイブリッドECU20は、CPU41を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU41の他に処理プログラムを記憶するROM42と、データを一時的に記憶するRAM43と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを有している。ハイブリッドECU20には、イグニッションスイッチ44からのイグニッション信号、シフトレバー45の操作位置を検出するシフトポジションセンサ46からのシフトポジション信号、アクセルペダル47の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ48からのアクセル開度、ブレーキペダル49の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ50からのペダルストローク、車速センサ51からの車速V、ステアリングホイール近傍に設けられたオートクルーズスイッチ52からの定速走行用のセット信号やキャンセル信号などが入力ポートを介して入力されている。
また、ハイブリッドECU20は、前述したように、エンジンECU21、モータECU33、バッテリECU36、ブレーキECU39と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU21、モータECU33、バッテリECU36、ブレーキECU39と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
このように構成された本実施例のハイブリッド車両11は、運転者によるアクセルペダル47の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸17に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求駆動力がリングギヤ軸17に出力されるように、エンジン12とモータ16とモータ19が駆動制御される。
エンジン12とモータ16とモータ19の駆動制御としては、要求駆動力に見合う駆動力がエンジン12から出力されるようにエンジン12を駆動制御すると共に、エンジン12から出力される駆動力の全てが動力分配統合機構15とモータ16とモータ19とによってトルク変換されてリングギヤ軸17に出力されるように、モータ16及びモータ19を駆動制御するトルク変換運転モード、要求駆動力とバッテリ31の充放電に必要な電力との和に見合う駆動力がエンジン12から出力されるようにエンジン12を駆動制御すると共に、バッテリ31の充放電を伴ってエンジン12から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構15とモータ16とモータ19とによるトルク変換を伴って要求駆動力がリングギヤ軸17に出力されるようモータ16及びモータ19を駆動制御する充放電運転モード、エンジン12の駆動を停止してモータ19からの要求駆動力に見合う駆動力をリングギヤ軸17に出力するよう駆動制御するモータ運転モードなどがある。
また、油圧制御装置38による油圧ブレーキ装置37の作動制御としては、要求制動力に見合う制動力が油圧ブレーキ装置37から出力されるように油圧制御装置38を作動制御する。即ち、ブレーキペダル49のペダルストロークに応じてドライバの要求制動力を検出し、この要求制動力に対してモータ19による回生ブレーキを実行し、要求制動力から回生制動力を減算した要求油圧制動力に基づいて油圧制御装置38を制御し、油圧ブレーキ装置37を作動する。
ここで、上述したハイブリッド車両の駆動装置におけるダンパ装置14について詳細に説明する。
本実施例のダンパ装置14において、図3及び図4に示すように、第2回転部材を構成するハブプレート101は、円盤形状をなし、中心部のハブ部102にスプライン孔103が形成されると共に、ハブ部102の外周にフランジ部104が一体に形成されている。そして、ハブプレート101は、このフランジ部104に周方向に均等間隔で4つの第1窓部105a,105b,105c,105dが周方向に沿って形成されると共に、外周部に切欠部(図示略)が形成されている。なお、ハブプレート101のスプライン孔103には、出力軸106のスプライン部106aが嵌合し、この出力軸106は、図7に示す動力分配統合機構15のキャリア25に連結されている。
第1回転部材を構成する一対のガイドプレート107,108は、円盤形状をなし、中心部に嵌合孔109,110が形成されている。このガイドプレート107,108は、ハブプレート101のハブ部102に、各嵌合孔109,110がその両側から嵌合し、ガイドプレート107,108が連結ピン111により一体に連結されている。
また、ガイドプレート107,108には、ハブプレート101の第1窓部105a,105b,105c,105dに対応して、周方向に均等間隔で4つの第2窓部112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113dが周方向に沿ってそれぞれ形成されている。なお、このガイドプレート107の第2窓部112a,112b,112c,112dと、ガイドプレート108の第2窓部113a,113b,113c,113dは、同形状をなしている。
ハブプレート101の第1窓部105a,105b,105c,105dと、各ガイドプレート107,108の第2窓部112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113dは、その周方向における位置がほぼ同位置となっており、この第1窓部105a,105b,105c,105d及び第2窓部112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113d内にスプリング(圧縮コイルスプリング)114a,114b,114c,114dが配設されている。即ち、ハブプレート101の第1窓部105a,105b,105c,105dにおける周方向の一方側の端面に第1シート部115a,115b,115c,115dが装着されている。また、ガイドプレート107,108の第2窓部112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113dにおける周方向の他方側の端面に第2シート部116a,116b,116c,116dが装着されている。各スプリング114a,114b,114c,114dは、一端部が第1シート部115a,115b,115c,115dに着座し、他端部が第2シート部116a,116b,116c,116dに着座している。
従って、ハブプレート101とガイドプレート107,108とは、スプリング114a,114b,114c,114dの付勢力により、第1窓部105a,105b,105c,105dと第2窓部112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113dとが一致する位置に付勢支持され、この位置に位置決めされている。
ハブプレート101のフランジ部104とガイドプレート107,108との間には、ワッシャプレート117,118が挟持されると共に、ガイドプレート107とワッシャプレート117との間には、後述するヒステリシス機構119が配設されている。
フライホイール120は、円盤形状をなし、中心部にクランクシャフト13の端部が嵌合し、複数の締結ボルト121により連結されている。ガイドプレート107,108は、外周部がフライホイール120の外周部に密着した状態で、連結ピン122により一体に連結されている。
このように構成されることから、ハブプレート101とガイドプレート107,108とフライホイール120は、同心の回転軸心を有することとなり、ハブプレート101とガイドプレート107,108は、スプリング114a,114b,114c,114dを介して所定の回転位置に位置決めされており、スプリング114a,114b,114c,114dの付勢力に抗して互いに相対回転可能となっている。
ところで、ハブプレート101とガイドプレート107,108とが、スプリング114a,114b,114c,114dの付勢力に抗して相対回転するとき、ハブプレート101とガイドプレート107,108との間で伝達されるトルクの変動分が吸収される。上述したヒステリシス機構119は、ハブプレート101とガイドプレート107,108とが相対回転するとき、摩擦力を付与することで所定のヒステリシストルクを設定し、回転振動を減衰させるものである。
図5に表すグラフは、ハブプレート101とガイドプレート107,108との捩れ角と、エンジントルクの変動に対するヒステリシス領域を表すものである。所定のエンジントルク変動振幅Fに対して捩れ角領域θ1であるとき、ヒステリシスH1が設定され、このヒステリシスH1のときの振動減衰エネルギは、その面積によって決まる。この場合、エンジントルク変動振幅Fに対して捩れ角領域θ2としたとき、ヒステリシスH2が設定され、このヒステリシスH2のときの振動減衰エネルギ、つまり、その面積が変わる。
即ち、捩れ角θは、エンジントルク変動振幅をF、ヒステリシスをH、ばね定数をkとすると、下記数式により設定される。
θ=(F−H)/k
また、振動減衰エネルギEは、下記数式により設定される。
E=H×θ=H×(F−H)/k=−(1/k)×(H−F/2)+F/(4×k)
即ち、H=F/2のときに、振動減衰エネルギが最大となる。
一方で、図6に示すように、エンジン回転数に応じてエンジントルク変動振幅Fが変動(F1,F2)する。そのため、エンジン回転数に応じて変動するエンジントルク変動振幅Fに対して、振動減衰エネルギが最大となるようにヒステリシスHを設定することが望ましい。この場合、エンジン回転数の増加に伴ってエンジントルク変動振幅Fが減少するが、所定のエンジン回転数N(例えば、4000rpm)を超えると、エンジン回転数の増加に伴ってエンジントルク変動振幅Fが増加する傾向にある。
そこで、本実施例では、図1に示すように、第1回転部材としてのガイドプレート107と第2回転部材としてのハブプレート101との間に摩擦材131及びヒステリシス機構119を挟持するように配置している。そして、ヒステリシス機構119として、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、各プレート107,101の回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子132を設け、この遠心子132に、回転数の増加に伴って摩擦材131による摩擦力を小さくする第1作用面132aと、回転数が予め設定された回転数を超えると摩擦材131による摩擦力を大きくする第2作用面132bとを設けている。
即ち、ハブプレート101における一方の面側には、ハブ部102からフランジ部104にかけて密着するワッシャプレート117が配置され、ハブプレート101における他方の面側には、ハブ部102からフランジ部104にかけて密着するワッシャプレート118が配置されている。このワッシャプレート117,118は、リング形状をなすと共に断面がL字形状をなし、ハブプレート101のハブ部102に嵌合し、このワッシャプレート117,118の外周側にガイドプレート107,108の嵌合孔109,110が嵌合している。
一方のワッシャプレート117の平面部に密着するように、リング形状をなす摩擦材131が配置されている。ガイドプレート107の平面部に密着するように、遠心子132が配置されている。この遠心子132は、周方向に沿って所定間隔をあけて複数配置されており、ガイドプレート107に対して周方向には一体回転する一方、径方向には相対移動するように、例えば、ガイドプレート107に設けられたレールや溝などのガイド(図示略)に支持されている。そして、この遠心子132は、ガイドプレート107における折曲して形成された支持面107aとの間に設けられた付勢ばね133によりガイドプレート107の中心側に付勢支持されている。
この場合、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、摩擦材131と遠心子132が対向して配設されることとなり、この摩擦材131と遠心子132の各作用面132a,132bとの間に皿ばね(押圧ばね)134が配設されている。
上述した遠心子132にて、図1及び図2に示すように、第1作用面132aは、摩擦材131との距離がガイドプレート107及びハブプレート101の中心側ほど大きくなるように形成され、第2作用面132bは、摩擦材131との距離がガイドプレート107及びハブプレート101の中心側ほど小さくなるように形成されている。また、第1作用面132a及び第2作用面132bは、遠心子132がガイドプレート107及びハブプレート101の径方向外側に移動するにしたがって、摩擦材13による摩擦力の変化量が小さくなるように、2次曲線で形成される傾斜面となっている。
この場合、皿ばね134は、遠心子132の第1作用面132aまたは第2作用面132bに接触しており、遠心子132が移動することで、各作用面132a,132bが皿ばね134を押圧することとなる。この場合、第1作用面132aが凹んだ2次曲線で形成され、第2作用面132bが突出した2次曲線で形成されることから、エンジン回転数変化に対してヒステリシストルクが大きくなりすぎないものとしている。第1作用面132aと第2作用面132bとの切替え点は、エンジントルク変動が最小となるエンジン回転数での遠心力と、付勢ばね133の付勢力とが釣り合う点としている。
従って、図3及び図4に示すように、クランクシャフト13が、図3にて時計回り方向に正回転すると、その回転トルクは、フライホイール120からガイドプレート107,108に伝達され、この伝達されたトルクは、スプリング114a,114b,114c,114dを介してハブプレート101に伝達され、出力軸106に出力される。
このとき、クランクシャフト13から入力されるトルクが変動すると、トルクがガイドプレート107,108からスプリング114a,114b,114c,114dを介してハブプレート101に伝達されるとき、この変動トルクによりスプリング114a,114b,114c,114dが伸縮し、ハブプレート101に対してガイドプレート107,108が相対回転することで、伝達されるトルクの変動分が吸収される。
また、このとき、図1に示すように、遠心子132は、第1作用面132aが皿ばね134に接触しており、その遠心力により付勢ばね133の付勢力に抗して、ガイドプレート107における径方向の外側(図1にて、上方側)に移動する。すると、遠心子132の第1作用面132aと摩擦材131との距離が大きくなり、遠心子132の第1作用面132aが皿ばね134を押圧する押圧力が減少し、摩擦材131の摩擦力が減少、即ち、ガイドプレート107とハブプレート101とのヒステリシストルクが減少する。
そして、エンジン回転数の増加に伴ってガイドプレート107,108の回転数が増加し、エンジン回転数が予め設定された所定のエンジン回転数N(例えば、4000rpm)を超えると、遠心子132は、その遠心力により付勢ばね133の付勢力に抗して、ガイドプレート107における径方向の外側(図1にて、上方側)に更に移動する。すると、遠心子132は、第2作用面132bが皿ばね134と接触するようになり、遠心子132の第2作用面132bと摩擦材134との距離が小さくなり、遠心子132の第2作用面132bが皿ばね131を押圧する押圧力が増加し、摩擦材131の摩擦力が増加、即ち、ガイドプレート107とハブプレート101とのヒステリシストルクが増加する。
この遠心子132が径方向における外側に移動するとき、第1作用面132aと摩擦材131との距離が大きくなるが、この第1作用面132aが2次曲線の凹んだ傾斜面であることから、遠心子132が移動する初期は、摩擦材131の摩擦力、即ち、ヒステリシストルクが大きく減少し、移動する終期は、摩擦材131の摩擦力、即ち、ヒステリシストルクが小さく減少する。同様に、遠心子132が径方向における外側に更に移動するとき、第2作用面132bと摩擦材131との距離が小さくなるが、この第2作用面132bが2次曲線の突出した傾斜面であることから、遠心子132が移動する初期は、摩擦材131の摩擦力、即ち、ヒステリシストルクが大きく増加し、移動する終期は、摩擦材131の摩擦力、即ち、ヒステリシストルクが小さく増加する。
なお、上述の説明では、クランクシャフト13が、図3にて時計回り方向に正回転するときの作用について説明したが、反時計回り方向に逆回転する場合であっても同様である。
このように実施例1のダンパ装置にあっては、相対回転可能なハブプレート101とガイドプレート107,108との間にスプリング114a,114b,114c,114dを介装すると共に、摩擦材131を介装して構成し、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子132を設け、この遠心子132に、回転数の増加に伴って摩擦材131による摩擦力を小さくする第1作用面132aと、回転数が予め設定された回転数を超えると摩擦材131による摩擦力を大きくする第2作用面132bとを設けている。
従って、エンジン回転数が増加すると、まず、遠心子132がその遠心力により径方向における外側に移動し、第1作用面132aにより摩擦材131による摩擦力が小さくなり、続いて、予め設定されたエンジン回転数を超えると、第2作用面132bにより摩擦材131による摩擦力が大きくなる。そのため、エンジン回転数に拘らず、ガイドプレート107とハブプレート101との間に適正なヒステリシストルクを設定することができ、エンジンの回転変動を効果的に抑制することができる。その結果、全てのエンジン回転数領域における静粛性能を向上することができると共に、エンジン起動時のショックを低減することができ、また、アイドル回転数の低下やエンジン低回転域で最適燃費線を適用することができ、燃費を向上することができる。更に、静粛性能を向上することで、遮音材などを削減することで、低コスト化を可能とすることができる。
また、本実施例のダンパ装置では、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、摩擦材131と遠心子132を対向して配設し、摩擦材131と遠心子132の第1作用面132a及び第2作用面132bとの間に皿ばね134を配設し、遠心子132を付勢ばね133により中心側に付勢支持している。従って、簡単な構成で容易に遠心力により遠心子132を径方向における外側に移動することができ、構造の簡素化を可能とすることができる。
また、本実施例のダンパ装置では、第1作用面132aを、摩擦材131との距離がガイドプレート107及びハブプレート101の中心側ほど大きくなるように形成し、第2作用面132bを、摩擦材131との距離がガイドプレート107及びハブプレート101の中心側ほど小さくなるように形成している。従って、エンジン回転数の増加に伴ってエンジントルク回転変動振幅が変動し、このエンジントルク回転変動振幅が変動することで最適なヒステリシストルクも変動するが、遠心子132に上述した第1作用面132aと第2作用面132bを設けることで、常時最適なヒステリシストルクを設定することができる。
また、本実施例のダンパ装置では、第1作用面132a及び第2作用面132bを、遠心子132がガイドプレート107及びハブプレート101の径方向外側に移動するにしたがって、摩擦材132による摩擦力の変化量が小さくなるように、2次曲線で形成している。従って、変動する最適なヒステリシストルクを容易に設定することができる。
図8は、本発明の実施例2に係るダンパ装置のヒステリシス機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例のダンパ装置において、図8に示すように、第2回転部材を構成するハブプレート101のハブ部102に第1回転部材を構成する一対のガイドプレート107,108の嵌合孔109,110がワッシャプレート117,118を介してその両側から嵌合している。そして、ガイドプレート107とワッシャプレート117との間には、ヒステリシス機構119が配設されている。
このヒステリシス機構119において、ハブプレート101における一方の面側にワッシャプレート117が配置されている。ハブプレート101(ワッシャプレート117)とガイドプレート107との間には、スライドプレート141が配置されている。このスライドプレート141は、リング形状をなすと共に、断面がL字形状をなし、内周部がワッシャプレート117に支持され、外周部がガイドプレート107の支持面107aに支持されることで、軸方向及び周方向に移動可能となっている。
ワッシャプレート117の平面部に密着するように、摩擦材131が配置される一方、スライドプレート141の平面部に密着するように、遠心子132が配置されている。この遠心子132は、周方向に沿って所定間隔をあけて複数配置されており、スライドプレート141に対して周方向には一体回転する一方、径方向には相対移動するように、例えば、スライドプレート141に設けられたレールや溝などのガイド(図示略)に支持されている。そして、この遠心子132は、スライドプレート141における折曲して形成されたフランジ部141aとの間に設けられた付勢ばね133によりガイドプレート107の中心側に付勢支持されている。
この場合、ガイドプレート107とハブプレート101との間に、摩擦材131と遠心子132が対向して配設されることとなり、この摩擦材131と遠心子132の各作用面132a,132bとの間に皿ばね(押圧ばね)134が配設されている。なお、この遠心子132は、上述した実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、ガイドプレート107の平面部には、第1カム部材142が固定される一方、スライドプレート141の平面部には、第2カム部材143が固定されている。各カム部材142,143は、周方向に沿って所定間隔をあけて複数配置されており、ガイドプレート107とスライドプレート141との間で対向するように位置している。そして、各カム部材142,143の対向面には、それぞれ凹部142a,143aが形成されており、この凹部142a,143aにボール144が介装されている。なお、本発明におけるハブプレート101とガイドプレート107との相対回転に応じて摩擦材131による摩擦力を変動させるトルクカム部材は、この第1カム部材142、第2カム部材143、ボール144により構成されている。
従って、エンジン回転トルクがガイドプレート107,108に入力されると、この伝達されたトルクは、スプリング(図示略)を介してハブプレート101に伝達されて出力される。このとき、エンジントルクが変動すると、トルクがガイドプレート107,108からスプリングを介してハブプレート101に伝達されるとき、この変動トルクによりスプリングが伸縮し、ハブプレート101に対してガイドプレート107,108が相対回転することで、伝達されるトルクの変動分が吸収される。
また、このとき、遠心子132は、第1作用面132aが皿ばね134に接触しており、その遠心力により付勢ばね133の付勢力に抗して、ガイドプレート107における径方向の外側(図8にて、上方側)に移動する。すると、遠心子132の第1作用面132aと摩擦材131との距離が大きくなり、遠心子132の第1作用面132aが皿ばね134を押圧する押圧力が減少し、摩擦材131の摩擦力が減少、即ち、ガイドプレート107とハブプレート101とのヒステリシストルクが減少する。
そして、エンジン回転数の増加に伴ってガイドプレート107,108の回転数が増加し、エンジン回転数が予め設定された所定のエンジン回転数N(例えば、4000rpm)を超えると、遠心子132は、その遠心力により付勢ばね133の付勢力に抗して、ガイドプレート107における径方向の外側(図8にて、上方側)に更に移動する。すると、遠心子132は、第2作用面132bが皿ばね134と接触するようになり、遠心子132の第2作用面132bと摩擦材131との距離が小さくなり、遠心子132の第2作用面132bが皿ばね134を押圧する押圧力が増加し、摩擦材131の摩擦力が増加、即ち、ガイドプレート107とハブプレート101とのヒステリシストルクが増加する。
また、小さなエンジントルクが入力されるとき、ボール144は、第1カム部材142及び第2カム部材143の各凹部142a,143aに収容されており、第1カム部材142と第2カム部材143における周方向における相対変位はほとんどない。そのため、摩擦材131とスライドプレート141との距離が大きく確保されることとなり、ヒステリシストルクが小さなものとなる。一方、大きなエンジントルクが入力されると、ガイドプレート107とスライドプレート141との間、つまり、第1カム部材142と第2カム部材143との間で周方向における相対変位が発生する。すると、第1カム部材142と第2カム部材143が周方向に相対変位し、ボール144が各凹部142a,143aの中心位置からずれることで、第1カム部材142と第2カム部材143とを離間させる。そのため、第2カム部材143がスライドプレート141を摩擦材131側に移動し、摩擦材131とスライドプレート141との距離が小さくなり、ヒステリシストルクが大きなものとなる。
このように実施例2のダンパ装置にあっては、ハブプレート101とガイドプレート107との間にスライドプレート141を設け、ハブプレート101とスライドプレート141との間にヒステリシス機構119を配設し、遠心子132に回転数の増加に伴って摩擦材131による摩擦力を小さくする第1作用面132aと、回転数が予め設定された回転数を超えると摩擦材131による摩擦力を大きくする第2作用面132bを設ける一方、ガイドプレート107とスライドプレート141との間に第1カム部材142、第2カム部材143、ボール144からなるトルクカム部材を配設している。
従って、エンジン回転数が増加すると、遠心子132がその遠心力により径方向における外側に移動し、第1作用面132aにより摩擦材131による摩擦力が小さくなり、予め設定されたエンジン回転数を超えると、第2作用面132bにより摩擦材131による摩擦力が大きくなる。そのため、エンジン回転数に拘らず、ガイドプレート107とハブプレート101との間に適正なヒステリシストルクを設定することができ、エンジンの回転変動を効果的に抑制することができる。また、エンジントルクが大きくなると、第1カム部材142と第2カム部材143とが周方向に相対変位し、ボール144が各凹部142a,143aからずれることで、第2カム部材143がスライドプレート141を押圧して移動する。そのため、摩擦材131とスライドプレート141との距離が小さくなり、ヒステリシストルクを大きく設定することができ、エンジントルクに拘らず、ガイドプレート107とハブプレート101との間に適正なヒステリシストルクを設定することができ、エンジンの回転変動を効果的に抑制することができる。
なお、上述した各実施例では、ハブプレート101と一方のガイドプレート107との間にヒステリシス機構119やトルクカム部材を設けたが、ハブプレート101と他方のガイドプレート108との間にヒステリシス機構を設けてもよく、両方に設けてもよい。また、ハブプレート101とガイドプレート107との間にスライドプレート141を設け、ハブプレート101とスライドプレート141との間にヒステリシス機構119を設け、ガイドプレート107とスライドプレート141との間にトルクカム部材を設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、ハブプレート101とスライドプレート141との間にトルクカム部材を設け、ガイドプレート107とスライドプレート141との間にヒステリシス機構119を設けてもよい。
また、上述した実施例2では、本発明におけるトルクカム部材を第1カム部材142と第2カム部材143とボール144により構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、周方向に沿って傾斜する傾斜面を有するカム部材などにより構成してもよい。
また、上述した実施例では、本発明のダンパ装置をハイブリッド車両の駆動装置に適用して説明したが、トルクコンバータのクラッチ装置に適用しても有用である。
以上のように、本発明に係るダンパ装置は、遠心子に回転数の増加に伴って摩擦力を変更する複数の作用面を設けることで、回転部材の回転状態に拘らず適正なヒステリシストルクを設定して回転変動を効果的に抑制可能とするものであり、いずれのダンパ装置に適用して好適である。
本発明の実施例1に係るダンパ装置のヒステリシス機構を表す断面図である。 ヒステリシス機構における遠心子を表す断面図である。 実施例1のダンパ装置の正面図である。 実施例1のダンパ装置を表す図3のIV−IV断面図である。 捩れ角とエンジントルクに対するヒステリシス領域を表すグラフである。 エンジン回転数に対するエンジントルク変動振幅を表すグラフである。 実施例1のダンパ装置が適用されたハイブリッド車両の駆動装置を表す概略構成図である。 本発明の実施例2に係るダンパ装置のヒステリシス機構を表す断面図である。
符号の説明
101 ハブプレート(第2回転部材)
105a,105b,105c,105d 第1窓部
107,108 ガイドプレート(第1回転部材)
112a,112b,112c,112d,113a,113b,113c,113d 第2窓部
114a,114b,114c,114d スプリング
117,118 ワッシャプレート
119 ヒステリシス機構
120 フライホイール
131 摩擦材
132 遠心子
133 付勢ばね
134 皿ばね(押圧ばね)
141 スライドプレート
142 第1カム部材(トルクカム部材)
143 第2カム部材(トルクカム部材)
144 ボール(トルクカム部材)

Claims (5)

  1. 同心の回転軸心を有して互いに相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に挟持される摩擦材とを備えるダンパ装置において、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により径方向外側へ移動する遠心子が設けられ、
    該遠心子は、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転数の増加に伴って前記摩擦材による摩擦力を小さくする第1作用面と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の回転数が予め設定された回転数を超えると前記摩擦材による摩擦力を大きくする第2作用面とを有する、
    ことを特徴とするダンパ装置。
  2. 前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に前記摩擦材と前記遠心子が対向して配設され、前記摩擦材と前記遠心子の前記第1作用面及び前記第2作用面との間に押圧ばねが配設され、前記遠心子は、付勢ばねにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側に付勢支持されることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
  3. 前記遠心子の前記第1作用面は、前記摩擦材との距離が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側ほど大きくなるように形成され、前記第2作用面は、前記摩擦材との距離が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の中心側ほど小さくなるように形成されることを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
  4. 前記第1作用面及び前記第2作用面は、前記遠心子が前記第1回転部材及び前記第2回転部材の径方向外側に移動するにしたがって前記摩擦材による摩擦力の変化量が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のダンパ装置。
  5. 第1回転部材または第2回転部材と前記摩擦材または前記遠心子との間に、前記第1回転部材と前記第2回転部材との相対回転に応じて前記摩擦材による摩擦力を変動させるトルクカム部材が設けられることを特徴とする請求項4に記載のダンパ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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