JP2009103781A - 静電潜像を現像する画像形成方法 - Google Patents

静電潜像を現像する画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温低湿環境から高温高湿環境において長期間に亘って現像を行っても、キャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合でも高画質画像が得られ、トナー帯電量が長期に亘って安定に維持できる画像形成方法を提供する。
【解決手段】現像剤担持体と、トナー担持体と、静電潜像担持体とを備え、外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該現像剤担持体の表面に保持させ、トナー担持体にトナーのみを付着させ、該付着させたトナーを静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、該トナーの外添剤が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ蛍光X線測定における全金属元素量に対する該金属元素の割合がそれぞれ1〜99質量%の複合酸化物粒子である画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像を現像する画像形成方法に関するものである。
静電潜像現像方式の画像形成装置において、感光体ドラムなど像担持体の上に静電潜像を現像する方法として、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる2成分現像剤を使用する2成分現像方式や、トナーのみの1成分現像剤を使用する1成分現像方式が採用されてきた。
1成分現像方式では一般的にトナーを、トナー担持体とトナー担持体に押圧された規制板とによって形成される規制部を通過させることでトナーを帯電し、所望のトナー薄層を得ることができるため、装置の簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である。一方で、規制部の強いストレスによりトナーの劣化が促進され易く、トナーの電荷受容性が低下しやすい。さらに、トナー規制部材やトナー担持体表面がトナーや外添剤により汚染されることでトナーヘの電荷付与性も低下して、かぶり等の問題を引き起こすため、結果として現像装置の寿命が短くなってしまう。
これに対し2成分現像方式では、トナーをキャリアとの混合による摩擦帯電で帯電するため、ストレスが小さく、トナーの劣化に対して有利である。さらにトナーへの電荷付与部材であるキャリアも、その表面積が大きいため、トナーや外添剤による汚染に対しても相対的に強く、長寿命化に有利なはずである。しかし、汚染された場合にはその悪影響が大きく、キャリア表面はトナーや外添剤による汚染が進み易いため決して問題が生じないわけではない。
そこで、一成分現像と2成分現像を複合させた、いわゆるハイブリット現像方式と言われる現像方式も開発された。これは、表面にトナーおよびキャリアからなる2成分現像剤層を担持させた現像剤担持体より、トナーのみをトナー担持体に移行させ、このトナーのみを担持したトナー担持体を、静電潜像を担持した静電潜像担持体(通常は感光体)面に対向させ、現像を行う方法である(特許文献1)。
しかしながら、ハイブリット現像方式では、現像剤担持体からトナー担持体へのトナー移行量を一定にする必要があり、現像後はトナー担持体上のトナーを確実に静電潜像担持体へ移行させる必要がある。これを静電的に行うためにはトナーの帯電安定性が極めて重要である。例えば、高温高湿環境と低温低湿環境でトナーの帯電量が変動すると、トナー担持体へのトナー移行量が変動し、現像後のトナー担持体から現像剤担持体への完全なトナー移行も行うことができず、画像濃度の変動や低下をきたすことになる。
上記課題を解決する有効な対策として外添剤の適正添加が考えられるが(特許文献2)、現在までに検討されている外添剤は、シリカ粒子については帯電量(q/m)の環境変動が大きく、低温低湿環境ではトナー帯電量は高くなりトナー層担持体へのトナー移行量が減少し、高温高湿環境ではその逆と成りやすい。また、酸化チタン粒子の外添剤は環境変動によるトナー帯電量の変動は少ないが、トナーの緩みかさ密度と固めかさ密度の差が大きくなることより、特に添加量が多い場合においては流動性の制御が難しく、しかもトナー層担持体等へのフィルミングを起こす傾向がある。さらに、アルミナ粒子はフィルミング防止には有効で、長期使用時の画像濃度安定化には有効であるが、粒子自身が正帯電性を帯びやすく負帯電性トナーに対して使用する場合には低帯電や逆帯電のトナーが増えやすく、非画像部のカブリ特性が悪化しやすくなる。さらに2成分現像剤支持手段やトナー層担持体の研磨効果が大きく、これらを傷つけやすい。そのため現像後の画像には白ポチ、黒ポチ等の画像故障を生じやすいものであった。
一方、現像剤或いはトナーの外添剤として、複合酸化物粒子を用いることは検討された例はあり、目的により有効であるとの技術公開は成されている(例えば、特許文献3、特許文献4或いは特許文献5等)。しかしながら、本発明の様ないわゆるハイブリッド現像方式における問題を、解決する為に有効であるとの記載はなく、その様な検討がなされるべきとの示唆もなかったのが現状である。
特開昭61−105573号公報 特開2006−98955号公報 特開2005−84295号公報 特開2006−250990号公報 特開2002−258520号公報
本発明者が検討したところによると、上記の外添剤を組み合わせても、それぞれの外添剤の持つ特性を生かし問題点を克服する組合せが得られないことが判明した。例えば、シリカ粒子とチタン粒子を外添剤として併用しても、帯電量の環境差による変動に対してはある程度有効であるが、その代わりにフィルミング防止等の問題は解決されず残ってしまうことになる。
ハイブリッド現像方式において、現像剤担持体からトナー担持体へのトナーの供給は、形成画像の印字率の多少にかかわらず、常時、かつ、トナー担持体の周表面全体にわたって実行されており、さらに、現像処理によって消費されずに、トナー担持体上に残留したトナーは、通常、逆バイアス電圧を印加するといった電気的方法によって除去されている。この様な工程は従来の1成分現像、2成分現像方式にはなく、余り大きな問題とならなかった。しかし、ハイブリット現像方式を実用化する中で顕在化してきたものと思われる。
特に画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合には、これらの現象が顕著にあらわれる。
本発明の目的は、低温低湿(LL)環境から高温高湿(HH)環境において長期間に亘って現像を行っても、キャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合であっても、トナー帯電量が長期に亘って安定に維持できる、静電潜像を現像する画像形成方法を提供することである。
即ち、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成されることがわかった。
(1)
現像剤担持体と、トナー担持体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該現像剤担持体の表面に保持させ、保持された2成分現像剤よりトナー担持体にトナーのみを付着させ、該付着させたトナーを静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、
該トナーの外添剤が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ蛍光X線測定における全金属元素量に対する該金属元素の割合がそれぞれ1〜99質量%の複合酸化物粒子であることを特徴とする画像形成方法。
(2)
前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、ケイ素とチタンの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ、1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(3)
前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、ケイ素とアルミニウムの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ、1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(4)
前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、該複合酸化物粒子の内部のシリカ存在比に対して表面層のシリカ存在比が高いことを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(5)
前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、蛍光X線測定における全金属元素量に対して1質量%以上20質量%以下の割合のケイ素と、チタンの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であることを特徴とする(2)に記載の画像形成方法。
(6)
前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、蛍光X線測定における全金属元素量に対して1質量%以上20質量%以下の割合のケイ素と、アルミニウムの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であることを特徴とする(3)に記載の画像形成方法。
(7)
前記トナーが乳化重合会合法により作製されたトナーであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載の画像形成方法。
(8)
前記トナーは、体積基準メディアン径(D50)が3.0μm以上8.0μm以下であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項記載の画像形成方法。
本発明により、低温低湿(LL)環境から高温高湿(HH)環境において長期間に亘って現像を行っても、キャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合であっても、トナー帯電量が長期に亘って安定に維持できる、静電潜像を現像する画像形成方法を提供することである。
本発明は、上述したハイブリッド現像方式に特有となる問題を解決するために検討を行い、本発明に係る複合酸化物を含有するトナーを用いることにより、画像形成を行う環境の影響に左右されずに一定レベルの帯電性能が得られ、その結果、安定した画像形成がいつでも行えることが可能となったものである。すなわち、過剰帯電が発生し易いとされる低温低湿環境下で画像形成を行っても良好なトナー画像が得られ、画像形成を行う上で厳しい環境とされる高温高湿環境下でも良好なトナー画像が得られるようになったものである。
従来、チタン酸化物やアルミニウム酸化物を外添処理してなるトナーは、帯電の立ち上がり性能や低温低湿環境下での過剰帯電の抑制効果は認められたものの、高温高湿下においてリークし易く帯電性の維持が困難であった。
また、チタン酸化物やアルミニウム酸化物は、2成分現像剤におけるキャリアや現像剤担持体ならびに1成分現像剤におけるトナー担持体やトナー層規制部材等にフィルミングしたり固着するといった機能部材への汚染が発生し易い傾向にあった。
これらの課題に対して、トナーの外添剤として、チタン酸化物やアルミニウム酸化物にシリカを併用することが多く提案されており、改善の効果は多少は認められるものの、所望とする改善レベルには至っていないのが現状であった。特に、外添剤の併用系においては、2成分現像剤としての最適条件と1成分現像剤としての最適条件が異なる場合が多く、本発明で提案するハイブリッド現像方式においては両方の特性を満足させることが必要となる為、さらに外添剤の設計が困難となっていたのである。
また、チタン酸化物やアルミニウム酸化物を外添処理した場合においては、概してトナーの粉体特性が機械的な攪拌やシェーキングを行った時には非常に優れた流動化特性を示す一方で、静置保管によりトナー粒子がパッキングと呼ばれるトナー粒子同士の圧密状態を形成しやすく流動特性が大きく低下する傾向がある。このような特性は、環境の変動と合わせて実際のマシンに入れて使用する上で大きな問題となる。すなわちパッキングが発生すると、トナーの流動性がなくなり、ボトルに収納されたトナーが出てこなくなったり、トナー収納部と現像装置とを一体にしたいわゆるトナーカートリッジではトルクアップの原因となり、所定条件下での画像形成に支障を来すことになる。この様に、チタン酸化物やアルミニウム酸化物粒子を外添処理したトナーでは、流動特性の劣化が懸念され、長期間静置保管する様なことがあっても安定した流動特性が得られる様にするための対応が求められていた。チタン酸化物やアルミニウム酸化物粒子よりなる外添剤を用いたトナーを静置保管するとパッキングが発生し易くなる原因としては、おそらく、チタン酸化物やアルミニウム酸化物のもつ静電緩和性に起因するものと推測される。すなわち、チタン酸化物やアルミニウム酸化物はその電気抵抗が低いので、付着しているトナーの電荷まで逃がしてしまう性質を有すると考えられる。そして、酸化チタンより電荷の失われたトナーは、粒子間で作用する静電反発力が弱まってしまい、その結果、トナー粒子間の空隙がなくなって圧密状態を形成し、トナーの流動性が喪失してパッキングを発生するものと推測される。この様に、チタン酸化物やアルミニウム酸化物の低抵抗性により、トナーの帯電性が緩和される結果、摩擦等による帯電を起こす機会の少ない静置保管環境では、パッキングが発生するものと推測される。
本発明に係るトナーは、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子を用いることにより、上記問題を解決することが出来たものである。
以下、本発明の複合酸化物粒子の作用について説明する。
本発明の複合酸化物は、チタンおよび/またはアルミニウムの酸化物の持つ低抵抗粒子の特性により、トナー粒子から電荷の授受を効率的に行うことが出来るため、キャリアとの摩擦帯電において電荷の授受を素早く行うこととなり、トナーの帯電立ち上がり性能に優れる。
また、低抵抗粒子の特性により、適度に電荷をリークさせる作用が働くことより、特に過剰な帯電が生じ易い低温低湿環境においても過剰帯電を抑制する効果がある。
一方、本発明の複合酸化物は、チタンおよび/またはアルミニウム酸化物と比較すると高抵抗となるケイ素酸化物も含有するため、高抵抗粒子の特性となる高温高湿環境における過剰電荷のリークを抑え、帯電量の低下を抑制し、帯電保持能を有することが出来る。特にこのような特性は、本発明の粒子においてシリカが内部と比較して表面層に多く存在させることにより効果的に発現可能となる。
すなわち、複合酸化物粒子中に、低抵抗粒子の特性と、高抵抗粒子の特性を併せ持つことになるため、お互いの問題点を抑制した効果が発揮できるのである。
本複合酸化物は、上記併用した場合と比較しても顕著な改善効果が認められる。すなわち帯電付与部材がキャリアである2成分現像剤においても、また、帯電付与部材がトナー担持体や規制部材である1成分現像剤のいずれにおいても帯電性の向上に効果的に働くとともにこれらに機能部材を汚染することも抑制可能となる。特に本発明の粒子においてシリカが内部と比較して表面層に多く存在させることにより、所望の各種特性がそれぞれにおいて損なわれることなく顕著な効果が発現可能となる。
また、負帯電性トナーに適用する場合においては、材料自身の持つ帯電性が正極性に帯電し易いアルミニウム酸化物系と比べ、チタン酸化物系とシリカを用いた場合の方が、低帯電や逆帯電のトナーが発生し難く、より好ましい効果が得られる。
次に、ハイブリッド現像剤用トナーとして要求される特性としては、2成分現像剤用トナーとしてキャリアとの優れた混合性を示し、かつ、1成分現像剤としての優れた流動特性を合わせ持たせることが重要となる。
本発明における複合酸化物を外添剤として使用した場合においては、トナーの流動性を付与しにくいチタンおよび/またはアルミニウム酸化物が存在していても、複合酸化物表面にケイ素を含む酸化物が存在するため、シリカを外添剤として使用した場合と同様の優れた流動特性を得ることが可能となり、チタン酸化物、アルミニウム酸化物で問題となる静置保管によるパッキング性についても改善することができる。
しかしながら、シリカは水との親和力の高い官能基が多いため、その流動性の良さも環境が変わると悪化してしまう現象があるのが問題となっていた。
本発明における複合酸化物粒子は、同一粒子内にチタン、アルミニウムを含む酸化物を有することにより、このシリカの環境変動に対する流動特性の変化も抑制する効果が認められるのである。このような特性においても、本発明の粒子においてシリカが内部と比較して表面層に多く存在させることでシリカの持つ優れた流動特性を有効に発現させることが可能となるためより好ましい。
なお、上記各種特性を得るためには、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物の複合酸化物からなり、ケイ素、チタン、アルミニウムの各金属元素の割合がそれぞれ1〜99質量%であることが必要となる。
(複合酸化物粒子)
本発明に使用される複合酸化物粒子は、少なくともケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の中、少なくとも2種の原子を含有し、かつ各原子の含有量が1〜99質量%である酸化物粒子(以下、本発明の複合酸化物粒子と呼ぶ)である。
含有量が1質量%未満または99質量%を超える場合は、上記に示してなる複合酸化物としての特性が効果的に発現せずそれぞれの単独粒子と大差のない特性となる。
複合酸化物粒子中、ケイ素原子の含有量としては、1〜20質量%の範囲が好ましい。
本発明の複合酸化物粒子を構成する分子は、1分子中にケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子のうち少なくとも2種の原子を併せ持つ共晶タイプの酸化物や、ケイ素原子の酸化物とチタン原子の酸化物とアルミニウム原子の酸化物のうち、少なくとも2種の酸化物の混晶タイプの酸化物や非晶質の複合酸化物も有効に使用できる。中でも、チタン原子もしくはアルミニウム原子の酸化物を核として、その表面にケイ素原子の酸化物が存在する構成が本発明の課題を解消する効果が得やすい傾向があり好ましい。
又、金属酸化物の内、負帯電性トナーに対しては、少なくとも2種の原子の組み合わせとしては、ケイ素原子とチタン原子の組み合わせによる複合酸化物が各種環境下や耐久時において所望とする安定した帯電が得易いとの点において好ましい。一方、正帯電性トナーにおいては、少なくとも2種の原子の組み合わせとしては、ケイ素原子とアルミニウム原子の組み合わせによる複合酸化物が各種環境下や耐久時において所望とする安定した帯電が得易いとの点において好ましい。特にその両方において、シリカが内部と比較して表面層に多く存在させることが優れた流動特性と帯電の安定性の両方の特性を得る上でより好ましい形態となる。
また、チタン原子とケイ素原子を含有する酸化物粒子においては、ケイ素原子の割合が1〜20質量%であるものが好ましい。その理由は、チタン元素を含有することにより得られる静電緩和特性を有効に発現させる為には元素比率を高く設定することが好ましく特に80質量%で顕著な効果が得られる。一方、ケイ素原子を含有する効果である、高温高湿環境における過剰なリークの防止や上記所望の流動特性を確保する上においては、比較的元素比が低くなっても十分な効果が期待でき、具体的には、1〜20%の範囲で調整することが望ましい。なお、より好ましい複合酸化物としては、シリカ元素を複合酸化物粒子の最表面近傍に偏在させ、かつ、シリカ元素の含有率を小さくすることが本発明の目的を達成する上で望ましい。
また、負帯電性トナーに対しては、シリカとチタン酸化物を必須成分とする複合酸化物が好ましく、正帯電性トナーに対してはシリカとアルミニウムを必須成分とする複合酸化物が好ましい。
また、酸化物粒子中のチタン原子とケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量は、たとえば、蛍光X線分析装置により測定することが可能である。
蛍光X線分析装置(XRF)は、試料に連続X線を照射して、試料を構成する元素に固有の特性X線(蛍光X線)を発生させる。そして、発生した蛍光X線を分光結晶により分光(波長分散型)することによりスペクトルを生成させ、得られたスペクトルを測定し、その強度から構成元素を定量分析するものである。
蛍光X線分析法では、チタン原子とケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量が既知の酸化物粒子を用いて蛍光X線分析装置で検量線をそれぞれ作成しておき、この検量線を用いて酸化物粒子中のチタン原子とケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量を求めるものである。蛍光X線分析装置には、たとえば、XRF−1800(島津製作所社製)や、ZSX−100E((株)RIGAKU社製)等が挙げられる。
蛍光X線分析装置によるケイ素原子とチタン原子(アルミニウム原子も同様)の定量は、たとえば、以下の手順により実施することが可能である。
(1)先ず、検量線作成用の試料を作製する。スチレンパウダー100質量部に既知量の二酸化ケイ素を添加して、二酸化ケイ素用の測定用ペレットを作製する。同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化チタンを添加し、酸化チタン用の測定用ペレットを作製する。同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加し、酸化アルミニウム用の測定用ペレットを作製する。
(2)作製したペレットをそれぞれ蛍光X線分析装置にて測定し、スチレンパウダー中の二酸化ケイ素あるいは酸化チタンについて、各試料より得られるピーク強度より検量線を作成する。
(3)次に、本発明に使用されるケイ素原子とチタン原子を含有する酸化物粒子を蛍光X線分析装置で測定し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、ケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の含有量を定量する。
上記蛍光X線分析では、X線としてロジウム(Rh)のKα線を使用し、たとえば、管電圧が20kV、管電流が100mAの出力条件の下で定量する。また、分光結晶はケイ素原子用及びチタン原子用の公知の分光結晶を用いることが可能である。
さらに、スペクトルを検出する検出器としては、公知のシンチレーションカウンタやプロポーションカウンタが使用可能である。
図1に、蛍光X線の発生原理と分析装置の概要を示す。
本発明の複合酸化物粒子は、個数基準による平均1次粒径が20nm以上200nm以下のものが好ましく、特に、30nm以上110nmが好ましい。これは、トナーとしての有効な流動特性を確保するためには、該複合酸化物の一次粒径が200nm以下であることが好ましく、さらには、110nm以下で以下であることがより好ましい。一方、一次粒径が小さくなると粒子の表面積が大きくなることより各種環境における水分の影響を受け易くなったり、また、耐久時の現像器内でのストレスにより、トナー表面に埋没し易くなる為、複合酸化物の効果が有効に発現できなくなる。これらの観点より、本発明に有効な一次粒径は、20nm以上でありさらに好ましくは30nm以上となる。本粒径範囲の複合酸化物を使用することにより、本来の機能を最大限に引き出すことが可能となる。なお、本発明においては、所望とする帯電特性や流動特性を得る目的で粒径や元素比率等が異なる2種以上の複合酸化物を併用しても良い。また、従来より使用されてなる外添剤粒子を併用しても良い。また、本発明の複合酸化物粒子の粒径は、たとえば、複合酸化物粒子の作製方法や原料比率により制御が可能である。
複合酸化物粒子の個数基準による平均1次粒径は、たとえば、電子顕微鏡写真より算出することが可能である。具体的には、以下の手順で算出することが可能である。
(1)走査電子顕微鏡にて倍率3万倍のトナーの写真撮影を行い、この写真画像をスキャナにて取り込む。
(2)画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ社製)」にて、写真画像上のトナー表面に存在する複合酸化物粒子について2値化処理し、1万個について水平フェレ径を算出し、その平均1次粒径とする。
なお、上記の様にトナーの写真撮影を行い、トナー表面に存在する酸化物粒子を利用する方法の他に、酸化物粒子を直接走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その写真画像から同様の手順で平均1次粒径を算出することも可能である。
また、チタン原子とケイ素原子を含有する複合酸化物粒子の粒径は、たとえば、複合酸化物粒子の作製方法や原料比率により制御が可能である。
なお、近年、高画質化を達成するためにトナーの小粒径化が進んでいるが、トナーの粒径を小さくしていくと所望とする帯電特性ならびに流動特性の確保が困難となるが、本発明で提案してなる複合酸化物は、3.0〜8.0μmの小粒径トナーに対しても顕著な効果を得ることが可能となる。
さらにトナーの粒径を小さくかつ粒径分布をシャープにする上で乳化重合会合法により製造することが好ましいが、これら水媒体中での造粒工程を経て製造されることより水分を吸着しやすく、環境変動による帯電性の変化が大きくなる傾向が認められる。本発明で提案してなる複合酸化物は、上述の通り、環境変化に対しての安定性が格段に向上できることより、水媒体中で造粒してなる懸濁重合トナーや乳化重合会合法で製造してなるトナーに対しても特性が損なわれることなく顕著な効果が認められる。
以上のことより現像剤担持体と、トナー担持体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該現像剤担持体の表面に保持させ、保持された2成分現像剤をトナー担持体にトナーのみを付着させ、該付着させたトナーを静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、該トナーの外添剤が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の複合酸化物からなり、かつ蛍光X線測定における全金属元素量に対する該金属元素の割合がそれぞれ1〜99質量%の複合酸化物粒子を使用することにより、環境の影響に左右されずに帯電の立ち上がり特性と帯電保持特性に優れ、安定した画像形成を行うことが可能となった。
本発明に用いられる外部添加剤は、気相法で製造されたものが好ましい。
酸化物粒子中のチタン原子とケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量は、たとえば、酸化物粒子の作製工程において使用される原料化合物の割合を制御することにより設定が可能である。原料化合物の割合を制御する方法は、たとえば、後述する四塩化ケイ素と四塩化チタンを用いて火炎中で製造してなる気相法の場合、四塩化ケイ素蒸気と四塩化チタン蒸気の割合を制御することで実現される。
たとえば、ケイ素原子:チタン原子=1:9の酸化物粒子を作製する場合、四塩化ケイ素蒸気の使用量:四塩化チタンの使用量=1:9とすることで上記比率を有する酸化物粒子を作製することが可能である。
本発明においてなる複合酸化物の製造方法については特に制限されない。例えば、熱分解法(pyrogenic process)、ゾル−ゲル法、プラズマ法、沈殿法、水熱法又は鉱山法(mining process; bergmaennische Verfahren)又は上記方法の組合せによる製造方法が使用できる。
特に好ましい複合酸化物の製造方法は、原子の存在部位を調整できるという点において、熱分解法(気相法、火炎加水分解法)と呼ばれる方法である。
熱分解法においては、複合酸化物の原料を蒸気(ガス)または粉体(粒子)でバーナーに供給し、火炎中で酸化させ複合酸化物製造する。
複合酸化物の原料が蒸気(ガス)の場合には、例えば、四塩化ケイ素ガスと四塩化チタンガスとを不活性ガス、例えば窒素と共に燃焼バーナーの混合室に導入し、水素、乾燥空気および/または酸素と混合して所定比率の混合ガスとし、この混合ガスを反応室で1000℃〜3000℃の温度で燃焼させてシリカ・チタニア複合酸化物粒子を生成させ、冷却後、固体複合酸化物から、ガス状の反応生成物を分離除去し、かつ場合により湿潤空気中で付着している塩化水素を除去してフィルターで捕集する。(図2)
このような製造方法においては、燃焼バーナーに導入する四塩化ケイ素ガスと四塩化チタンガスの流量比率と共に、各原料ガスの導入のタイミング、燃焼時間や温度、燃焼雰囲気、およびその他の燃焼条件によって影響を受けるので、本発明においては、シリカが複合酸化物粒子の内部と比較して表面層に多く存在させる為にこれら条件を複合的に調整することが好ましい。
シリカが内部と比較して表面層に多く存在させるようにするには、気相法においては、例えば、火炎中に導入するケイ素酸化物の原料のタイミングを遅らせたり、ケイ素酸化物の原料濃度を反応の後半で高くすることにより得られる。
具体的には、金属酸化物粒子として比較的電気抵抗が低いチタン酸化物、アルミニウム酸化物或いはそれらの複合酸化物の原料を先行導入し、結晶が成長し始めた後に、金属酸化物粒子として比較的電気抵抗が高いケイ素酸化物の原料を火炎中に遅らせて導入する、あるいは、結晶が成長し始めた後にケイ素酸化物の原料濃度を上げて製造することが安定性に優れ好ましい。
次に、複合酸化物の原料が粉体である場合は、例えば、金属酸化物粒子として比較的電気抵抗が低いチタン酸化物、アルミニウム酸化物を少なくとも含んでなる粒子(A)と金属酸化物粒子として比較的電気抵抗が高いケイ素酸化物粒子(B)を高温火炎中に導入し、粒子(A)の表面を粉体(B)で修飾する方法が挙げられる。ここで粒子(A)中にケイ素酸化物成分が含まれていても良い。
好ましくは、粒子(A)の粒径を、粒子(B)の粒径より大きくすることで、粒子(A)周囲に粉体(B)が付着・癒合する。
粉体(B)は熱により粒子(A)表面に接着・融合して、粒子(A)表面上に粉体(B)の原型を観察できないまでに融合していることが好ましい。この場合においても、粒子(A)と粉体(B)とを同時に火炎中に導入することで、粒子(B)により粒子(A)表面が改質されていると考えられる。
複合酸化物の原料が粉体である場合の製造装置としては、例えば図3に記載の製造装置が挙げられる。
図3において、210は粒子(A)、220は粒子(A)のタンク、230は粒子(A)の定量供給ポンプ、250は粒子(A)の導入管、211は粒子(B)、221は粒子(B)のタンク、231は粒子(B)の定量供給ポンプ、251は粒子(B)の導入管、261は酸素・水蒸気混合ガスの導入管、262は酸素・水蒸気混合ガス、263は酸素・水蒸気混合ガスタンク、260はメインバーナー、270は燃焼炉(反応管)、280は燃焼火炎、290は煙道、300はサイクロン、320はバグフィルター、310、330は回収器310、340は、排風機を示す。
図3において、粒子(B)210と粒子(A)211は粒子(B)と粒子(A)のタンクから定量供給ポンプで原料導入管を通して先端に噴霧ノズルが取り付けられたメインバーナー260に導かれる。粒子(B)と粒子(A)は酸素・水蒸気の混合ガス251とともに燃焼炉270の内部に噴霧され、補助火炎により着火し、燃焼火炎280が形成される。燃焼により生成した外部添加剤は排ガスと共に煙道290で冷却され、サイクロン300及びバグフィルター320で分離され、回収器310、330に捕集される。排ガスは排風機340により排気される。
複合酸化物粒子表面のシリカ存在比は、電子分光法(ESCA)で測定される表面層(3〜5nm)のシリカ存在比と蛍光X線測定において分析されてなる全金属元素量に対するシリカ存在比との比較で確認できる。本発明においては、粒子全体のシリカ存在量に対して表面層の存在比が高い複合酸化物粒子が好適に使用できることを見出した。
次に、本発明に使用可能な複合酸化物粒子のBET比表面積について説明する。本発明に使用可能なケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物粒子は、BET比表面積の値が20m2/g以上60m2/g以下となるものが好ましい。BET比表面積が上記範囲にあることで、前記複合酸化物粒子のトナーへの埋没やトナー表面からの離脱が起こることがなく、複合酸化物粒子が外添剤として安定して作用する環境が形成される。
なお、BET比表面積とは、ガス吸着法により粒子の比表面積を算出する測定方法である。ガス吸着法による粒子の比表面積算出は、窒素ガスの様な吸着占有面積が分かっているガス分子を粒子に吸着させ、その吸着量から粒子の比表面積を算出する。BET比表面積は、固体表面に直接吸着したガス分子の量(単分子層吸着量)を正確に算出するためのもので、下記に示すBETの式と呼ばれる数式を用いて算出される。
下記式に示す様に、BETの式は一定温度で吸着平衡状態にある時の吸着平衡圧Pとその圧力における吸着量Vの関係を示すもので以下の様に表される。
式1:
P/V(Po−P)=(1/VmC)+((C−1)/VmC)(P/Po)
ただし、Po:飽和蒸気圧
Vm:単分子層吸着量、気体分子が固体表面で単分子層を形成した時の
吸着量
C :吸着熱などに関するパラメータ(>0)
そして、上式より単分子吸着量Vmを算出し、これにガス分子1個の占める断面積を掛けることにより、粒子の表面積を求めることができる。
本発明におけるBET比表面積は、自動比表面積測定装置「GEMINI 2360(島津・マイクロメリティックス社製)」を用い、下記の測定法により算出した値である。
先ず、ケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物2g程度をストレートサンプルセルに充填し、前処理として窒素ガス(純度99.999%)にて2時間セル内を置換する。置換後、測定装置本体にて前処理した複合酸化物に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させて、多点法(7点法)により算出する。
次に、本発明に使用可能な少なくともケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の中、少なくとも2種の原子を含有し、かつ各原子が1質量%〜99質量%である複合酸化物粒子のかさ密度は、たとえば、市販の川北式かさ密度測定機などにより測定が可能である。市販の川北式かさ密度測定機としては、たとえば、IH−2000型(セイシン企業社製)等が挙げられ、実際のかさ密度測定は、以下の様な手順で行われる。
先ず、所定大きさのメッシュを有するふるい上に複合酸化物粒子を載せ、任意の振動強度にて30秒間試料を落下させる。その後、振動を停止し30秒静置した後、すり切りを行うことにより、かさ密度(複合酸化物粒子質量/容積)を算出する。
なお、本発明に使用可能な少なくともケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の中、少なくとも2種の原子を含有し、かつ各原子が1質量%〜99質量%である複合酸化物粒子のトナーへの添加量は、着色粒子100質量部に対し、0.1質量%乃至2.0質量%が好ましく、0.3質量%乃至1.0質量%がより好ましい。
なお、本発明における外添剤用の複合酸化物粒子の疎水化度は30%以上であることが好ましい。
作製した複合酸化物粒子の疎水化度は、以下の方法により測定が可能である。200mlビーカーに水50mlを投入し、さらに、0.2gの複合酸化物粒子を添加する。マグネットスターラで撹拌しながら、滴下時に先端が水に浸漬されたビュレットからメタノールを添加する。メタノールの添加により、当初浮かんでいた複合酸化物粒子が徐々に沈み始めていき、完全に沈んだときのメタノールの滴下量を読み、下記式より算出する。
疎水化度(%)=〔(滴下メタノールのml数)/(50+滴下メタノールのml数)〕×100
また、上記疎水化処理を行う際に使用される疎水化剤としては、ヘキサメチルシラザンに代表されるシランカップリング剤の他に、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の表面処理剤として使用可能なものが挙げられる。さらには、フッ素系シランカップリング剤やフッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等も使用可能である。疎水化剤は、エタノール等の溶剤に溶解されて使用することが好ましい。
上記のような疎水化剤で本発明においてなる複合酸化物や各種無機微粒子を処理するには、そのような表面処理剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンあるいはアセトンエタノール、塩化水素飽和エタノール等の溶剤を用いて混合希釈し、無機微粉末をブレンダー等で強制的に撹拌しつつ表面処理剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え充分混合する。その際、ニーダーコーター、スプレードライヤー、カーマルプロセッサー、流動床等の装置が使用できる。
次に得られた混合物をバット等に移してオーブンに入れ加熱し乾燥させる。その後再びミキサー・ジェットミル等にて充分に解砕する。また、必要に応じて分級する事が望ましい。このような方法において各々の表面処理剤は同時に用いて処理しても別々に処理してもよい。
このような乾式法の他に無機微粉末をカップリング剤の有機溶剤溶液に浸漬し、乾燥させたり、または無機微粉末を水中に分散してスラリー状にしたうえで表面処理剤の水溶液を滴下し、その後無機微粉末を沈降させて加熱乾燥して解砕する、というような湿式による処理法もある。加熱時の温度は100℃以上が好ましい。100℃未満であると無機微粉末と表面処理剤との縮合反応が完結しにくくなる。
(その他の外添剤)
また、本発明に使用可能な複合酸化物粒子とともに、たとえば、以下に示してなる外添剤を併用しても良い。
併用可能な外添剤粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、気相法によるシリカやゾルゲル法によるシリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等の各種酸化物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を、単独あるいは、組み合わせて用いることができる。
また、これらの微粒子は、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス等の従来から使用されている疎水化剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤またはフッ素系シリコンオイル、さらにアミノ基/第4級アンモニウム塩含有カップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤で公知の方法により表面処理されていることが好ましい。
なお、トナー耐久時の帯電性や流動性の安定化の観点からは粒径の異なる2種類以上の外添剤を使用することが好ましく、適宜、本発明で示してなる複合酸化物と合わせて、使用することができる。例えば、必要粒径領域で分布を有する外添剤を使用することも好ましく、例えば、比較的粒径の小さな粒子(例えば、BET比表面積130m2/g以上の外添剤)を添加することによりトナーの流動性を向上させ(ゆるみ見掛け比重等の物性制御)、また比較的粒径の大きな粒子(例えば、BET比表面積が130m2/g未満の外添剤)等を添加することにより耐久時の安定化を図ることが望ましい。
これら外添剤の添加量としてはトナー粒子100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.4〜4質量部が適当である。当該添加量が0.1質量部より少ないと所望の帯電特性や流動特性が確保し辛くなり、また、転写性能や耐久性が確保できなくなる。5質量部を越えると外添剤がトナー表面上で保持しきれなくなり、トナー粒子から遊離した材料が帯電不良等の副作用を引き起こす。なお、外添剤の使用量は上記に示してなる複合酸化物とその他外添剤の合計添加量が上記範囲内になるよう添加すればよい。
また、クリーニング性の向上を図るためにチタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の上記流動化剤、および/または以下のクリーニング助剤を使用することが可能である。
クリーニング助剤としては、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることができる。
(トナー)
本発明に係るトナーについて説明する。先ず、本発明に係るトナーの大きさについて説明する。
本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50)が3.0μm以上8.0μm以下であるものが好ましく、この様な小径の部類に属するトナーは、近年着目されているデジタル技術に対応した高精細なドット画像の再現に最適なものである。特に、近年ではオンデマンド印刷と呼ばれる軽印刷の分野にも電子写真方式の画像形成装置が使用され、版を起こす手間をかけずにトナー画像によるプリント物の作成が進められている。
したがって、この様な分野向けに上述の外添剤を外添してなる小径トナーを用いることにより、厳しい画像形成環境下でも写真画像や印刷画像に勝るとも劣らない高精細なドット画像よりなるプリント物の作製が可能になる。そして、微細ドット画像を忠実に再現する視点では、製造工程において粒子の形状や大きさを制御しながら作製が可能な重合法により形成される着色粒子からなるトナーが好ましい。
前述の体積基準メディアン径(D50)は、たとえば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、トナーを構成する着色粒子(外添処理前の粒子)の作製方法については特に限定されるものではない。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子は、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるものである。本発明に係るトナーは、体積基準におけるメディアン径(D50)を前述の範囲にすることで、微小ドット画像の忠実な再現を可能にする。小径トナーは、その製造工程で粒径や形状を制御する操作を加えて粒子形成が可能な重合法で作製することが好ましい。その中でも、乳化重合法により予め120nm前後の樹脂微粒子を形成しておき、この樹脂微粒子を凝集させる工程を経て前述の粒径を有する着色粒子を形成する乳化重合会合法トナーが好ましい。特に有効なトナーの作製方法は乳化重合会合法であるといえる。
以下に、本発明に係るトナー作製方法の一例である乳化会合法によるトナー作製を説明する。乳化会合法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)樹脂微粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は樹脂微粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより100nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。なお、樹脂微粒子中にワックスを含有させたものを形成することも可能である。この場合、ワックスを重合性単量体に溶解あるいは分散させておき、これを水系媒体中で重合させると、ワックスを含有してなる樹脂微粒子が形成される。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂微粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集させ、凝集させたこれらの粒子を融着させ、これらの粒子を凝集してなる着色粒子を作製する工程で、いわゆる「樹脂微粒子を凝集させる工程」に該当する工程である。
この工程では、樹脂微粒子と着色剤粒子とが存在している水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に樹脂微粒子同士の融着を行う。
そして、凝集を進行させて粒子の大きさが目標になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成する工程である。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのトナーケーキと呼ばれるケーキ状集合体となった着色粒子より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタプレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥された着色粒子に前述した「トナーが少なくともケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の中、少なくとも2種の原子を含有し、かつ各原子が1質量%以上である複合酸化物粒子」を添加しトナーを作製する工程である。添加量はトナーに対し0.1〜10.0質量%がよい。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。
尚、この他に一次数平均粒子径が5〜30nmの通常用いられる外添剤を含有させることができる。その代表的なものはシリカ等の無機微粒子外添剤である。しかし、この他に例えばチタン酸化合物粒子を併用してもよい。
以上の工程を経て、本発明に係るトナーを作製することが可能である。
次に、本発明に係るトナーを構成する樹脂、着色剤、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に係る樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることも可能である。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
〔キャリア〕
本発明に係るトナーは、二成分系現像剤として使用するものである。
本発明に係るトナーは、磁性粒子であるキャリアと混合して二成分系現像剤として使用する。キャリアとしては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用した粒子である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。
又、上記粒子は、通常はその表面を樹脂でコーティングした樹脂被覆キャリアとして用いられることが多く、上記キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましい。更に好ましいのは25〜80μmのものである。
〔本発明に係わる画像形成方法、画像形成装置〕
次に、本発明に係わる画像形成方法は、現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法である。
この方法を具体的に説明するために、本発明に係わる画像形成方法における現像方法の代表的な構成例の主要部を図4に示す。
この画像形成装置は、電子写真方式により静電潜像担持体(感光体)1に形成されたトナー像を用紙等の転写媒体Pに転写して画像形成を行うプリンタである。この画像形成装置は画像を担持するための静電潜像担持体1を有しており、静電潜像担持体1の周辺には、静電潜像担持体1を帯電するための帯電手段としての帯電部材3、静電潜像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置2b、静電潜像担持体1上のトナー像を転写するための転写ローラ4、及び静電潜像担持体1上の残留トナー除去用のクリーニングブレード5が、静電潜像担持体1の回転方向Aに沿って順に配置されている。
トナー担持体25は、現像剤担持体11と静電潜像担持体1との間に設けられ、トナー分離手段であるバイアス電圧が印加されることにより、現像剤中のトナーを電気的にトナー担持体表面に分離・担持させるようになっている。トナー担持体25によって分離・担持されたトナーは、当該トナー担持体25によって搬送され、現像領域6において静電潜像担持体1上の静電潜像を現像する。
トナー担持体25は電源(不図示)に接続され、所定のトナー分離のためのバイアス電圧が印加され、これによって、現像剤中のトナーが電気的にトナー担持体25表面に分離・担持される。
尚、静電潜像担持体1は、帯電部材3で帯電された後に、図中のE点の位置でレーザ発光器などを備えた露光装置30により露光されて、その表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像をトナー担持体上のトナーが現像する。転写ローラ4は、この静電潜像担持体1上のトナー像を転写媒体Pに転写した後、図中の矢印C方向に排出する。クリーニングブレード5は、転写後の静電潜像担持体1上の残留トナーを、その機械的な力で除去する。画像形成装置に用いられる静電潜像担持体1、帯電部材3、露光装置30、転写ローラ4、クリーニングブレード5等は、周知の電子写真方式の技術を任意に使用してよい。
例えば、帯電手段として図中、帯電ローラが示されているが、静電潜像担持体1と非接触の帯電装置であってもよい。また例えば、クリーニングブレードはなくてもよい。
トナー担持体25に印加されるトナー分離バイアスはトナーの帯電極性によって異なる。トナーが負に帯電されるときは、現像剤担持体に印加される電圧の平均値よりも高い平均値となる電圧であり、トナーが正に帯電されるときは、現像剤担持体に印加される電圧の平均値よりも低い平均値となる電圧である。トナーが正または負のいずれの極性に帯電されるときであっても、トナー担持体に印加される平均電圧と現像剤担持体に印加される平均電圧との差は20〜500V、特に50〜300Vであることが好ましい。電位差が小さすぎると、トナー担持体上のトナー量が少なく十分な画像濃度が得られない。一方、電位差が大きすぎると、トナー供給過多となり、無駄なトナー消費が増加する恐れがある。
現像装置2bにおいては、さらに、トナー担持体と現像剤担持体との間に交流電界が形成されることが好ましい。交流電界が形成されることで、トナーが往復振動するため、トナーと逆極性粒子を有効に分離することができる。その際、2.5×106V/m以上の電界が形成されることが好ましい。2.5×106V/m以上の電界が形成されることで、電界によってもトナーから逆極性粒子を分離することが可能となり、より一層、トナーの分離性を向上させることが可能となる。
本明細書中、トナー担持体と現像剤担持体との間で形成される電界をトナー分離電界という。そのようなトナー分離電界は通常、トナー担持体または現像剤担持体の一方、または両方に交流電圧を印加することで得られる。特に静電潜像をトナーで現像するためにトナー担持体に交流電圧が印加される場合、トナー担持体に印加される交流電圧を利用して、トナー分離電界を形成することが望ましい。このときトナー分離電界は絶対値の最大値が上記範囲内であればよい。
例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体には直流電圧と交流電圧が印加され、トナー担持体には直流電圧のみが印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値よりも低い直流電圧のみが印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体には直流電圧と交流電圧が印加され、トナー担持体には直流電圧のみが印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値よりも高い直流電圧のみが印加される。これらのとき、トナー分離電界の絶対値の最大値は、現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)とトナー担持体に印加される電圧(直流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値であり、当該値が上記範囲にあることが望ましい。
また例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体には直流電圧のみが印加され、トナー担持体には交流電界と直流電圧が印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される直流電圧よりも低い平均電圧となるよう交流電界を重畳した直流電圧が印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体には直流電圧のみが印加され、トナー担持体には交流電界と直流電圧が印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される直流電圧よりも高い平均電圧となるよう交流電界を重畳した直流電圧が印加される。これらのとき、トナー分離電界の絶対値の最大値は、現像剤担持体に印加される電圧(直流)とトナー担持体に印加される電圧(直流+交流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値であり、当該値が上記範囲にあることが望ましい。
また例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体およびトナー担持体の双方に交流電圧が重畳された直流電圧を印加するとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値より平均電圧が小さい電圧(直流+交流)が印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体およびトナー担持体の双方に交流電圧が重畳された直流電圧を印加するとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値より平均電圧が大きい電圧(直流+交流)が印加される。これらのとき、それぞれに印加される交流電圧成分の振幅や位相、周波数、デューティー比等の相違によって生じる、現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)とトナー担持体に印加される電圧(直流+交流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値が、トナー分離電界の絶対値の最大値となり、当該値が上記範囲とすることが望ましい。
トナー担持体25によってトナーが分離された現像剤担持体11上の残りの現像剤、すなわちキャリアおよび逆極性粒子は、そのまま当該現像剤担持体11によって搬送され現像剤槽16に回収される。この実施形態において、トナーの分離後、逆極性粒子はそのまま現像剤担持体11によって現像剤槽内へ回収されるため、逆極性粒子回収部材で捕集した逆極性粒子を非画像形成時に現像剤槽に戻す工程を省略することが可能となる。
トナー担持体25は上記電圧を印加可能な限りいかなる材料からなっていてよく、例えば、表面処理を施したアルミローラが挙げられる。そのほかアルミ等の導電性基体上に、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コートやシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングを施したものを用いてもよい。コーティング材料としては、これに限定されるものではない。さらに上記コーティングのバルクもしくは表面に導電剤が添加されていてもよい。導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等が挙げられるが、これに制約されない。イオン導電剤として、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これにこだわらない。さらに、アルミ等の金属材料からなる導電性ローラであっても構わない。
図4に示す現像装置2bにおいて詳しくは、現像剤槽16内の現像剤24は、バケットローラ17の回転により混合撹拌され、摩擦帯電した後、バケットローラ17によって汲み上げられて現像剤担持体11表面のスリーブローラ12へと供給される。この現像剤24は、現像剤担持体(現像ローラ)11内部の磁石ローラ13の磁力によってスリーブローラ12の表面側に保持され、スリーブローラ12と共に回転移動して、現像ローラ11に対向して設けられた規制部材15で通過量を規制される。その後、トナー担持体25との対向部において、前記のように、現像剤に含まれるトナーのみがトナー担持体25に分離・担持される。分離されたトナーは静電潜像担持体1と対向する現像領域6へと搬送される。現像領域6では、静電潜像担持体1上の静電潜像と現像バイアスの印加されたトナー担持体25との間に形成された電界がトナーに与える力により、トナー担持体25上のトナーが静電潜像担持体1上の静電潜像側へと移動して、静電潜像が顕像へと現像される。現像方式は反転現像方式であってもよいし、または正規現像方式であってもよい。現像領域6を通過したトナー担持体上のトナー層は、トナー担持体と現像剤担持体との対向部における磁気ブラシによるトナー供給・回収を経て、現像領域に搬送される。一方、トナーが分離されて現像剤担持体11上に残った現像剤は、そのまま現像剤槽16に向けて搬送され、バケットローラ17に対向して設けられた磁石ローラ同極部N3,N2の反発磁界によって現像剤担持体11上から剥離され、現像剤槽16内へと回収される。補給部7に設けられた不図示の補給制御部は、現像剤24中のトナー濃度が画像濃度確保のための最低トナー濃度以下になったことを検出すると、トナー補給ローラ19の駆動手段に駆動開始信号を送り、補給トナー23が現像剤槽16内へ供給される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
〔外添剤の作製〕
1.外添剤1の作製
前述の手順に基づき、シリカ・チタン酸化物系複合酸化物は、四塩化ケイ素と四塩化チタンとを不活性ガスとともに燃焼バーナーの混合室に導入し、水素および空気と混合して所定比率の混合ガスとし、この混合ガスを反応室で2000℃の温度で燃焼させてシリカ・チタニア複合酸化物粒子を生成させ、冷却後、フィルターで捕集した。なお、四塩化ケイ素蒸気と四塩化チタン蒸気の混合比を表1に示す。
得られた複合酸化物粒子をトルエンに溶解し、これに複合酸化物粒子に対し20%のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を加え、120℃で1時間攪拌して、疎水化処理を行い、その後懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、乾燥させた後、目開き200μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、数平均一次粒子 30nmの外添剤1を得た。
1−1.外添剤2〜13の作製
複合酸化物粒子1の原材料を表1に示す四塩化ケイ素と四塩化チタンと塩化アルミニウムの混合比に調整するほかは同様にして、外添剤2〜11を作製した。
外添剤2〜8、及び12、13は複合酸化物粒子であり、外添剤9〜13は無機粒子である。
上記で得られた外添剤の平均一次粒径、BET比表面積、及び、かさ密度を表1に示す。なお、平均一次粒径は後述するトナーの作製工程により得られたトナーを用い、前述した手順で電子顕微鏡写真撮影を行い、算出したものである。また、BET比表面積とかさ密度は、前述した測定手順に基づいて算出したものである。
Figure 2009103781
1−2.樹脂粒子の作製
メチルメタクリレート100部と蒸留水300部を入れ、重合開始剤として過硫酸カリウムとチオ硫酸ナトリウムからなるレドックス系重合開始剤を5×10-3mol/L、促進剤として硫酸銅を2.5×10-5mol/lになるように添加し、窒素気流下で65℃にて2時間反応させた。次いで、冷却後、限外濾過及び乾燥することによりの数平均一次粒子径80nmのポリメチルメタクリレート(PMMA)の樹脂粒子を得た。
〔トナーの作製〕
以下の手順に基づき、非磁性の「トナー1〜15」を作製した。
2−1.樹脂粒子分散液(1HML)の作製
(1)樹脂粒子分散液(1H)の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、ラウリル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3010質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製した。この界面活性剤溶液を、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しつつ、80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記に示す化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 77.8質量部
n−ブチルアクリレート 17.7質量部
アクリル酸 2.52質量部
前記単量体混合液を滴下してなる反応系を75℃の下で2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1H)」とする。
(2)樹脂粒子分散液(1HM)の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記化合物を含有してなる単量体混合液を調製した。
スチレン 104.1質量部
n−ブチルアクリレート 28.4質量部
アクリル酸 3.49質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
さらに、前記単量体混合液に、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98.0質量部
を添加し、90℃に加温して溶解させた。
一方、ラウリル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2700質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製し、これを98℃に加熱した。この界面活性剤溶液中に、前述の「樹脂粒子分散液(1H)」を固形分換算で28質量部添加した後、前述したペンタエリスリトールテトラベヘネートを含有した単量体混合液を添加した。
そして、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、8時間かけて混合分散を行って、乳化粒子(油滴)を含有してなる乳化分散液を調製した。
次いで、この乳化分散液に、重合開始剤(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750質量部とを添加した。その後、この系を98℃に昇温し、12時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、複合樹脂からなる樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HM)」とする。
(3)樹脂粒子分散液(1HML)の作製
前記「樹脂粒子分散液(1HM)」を80℃に調整し、これに、下記化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 298質量部
n−ブチルアクリレート 93.6質量部
アクリル酸 10.3質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
滴下終了後、重合開始剤(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃まで冷却して、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HML)」とする。
2−2.着色剤分散液1の調製
ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に投入し、これを撹拌、溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を調製した。この界面活性剤溶液を撹拌しながら、下記着色剤を徐々に添加した。
C.I.Pigment Blue15:3 400.0質量部
上記着色剤を添加後、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、着色剤の粒子径が200nm以下になるまで分散処理を行って、着色剤分散液の調製を行った。得られた着色剤分散液を「着色剤分散液1」とする。
2−3.着色粒子1C
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に以下のものを投入して撹拌処理した。
「樹脂粒子分散液(1HML)」 200質量部(固形分換算)
イオン交換水 3000質量部
「着色剤分散液1」 33質量部
反応容器内の温度を30℃に調整後、上記反応溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。添加終了後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて90℃まで昇温させ、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3」で観察した。
体積基準メディアン径が6.5μmになった時に、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して凝集を停止させた。
さらに、液温を90℃±2℃にし、6時間加熱撹拌を継続して、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した着色粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返して(1回に使用するイオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥処理し「着色粒子1C」を作製した。得られた着色粒子の軟化点を前述の「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用いて測定したところ、110℃であった。
2−4.トナー1〜15作製
着色粒子1Cに、表2に示す様に「外添剤1〜13」、及び「樹脂粒子」とを組み合わせて外添処理を行い、トナー1〜15を作製した。なお、外添処理は、着色粒子100質量部に対し、下記量の外添剤を添加した。
表1に示す外添剤、及び「樹脂粒子」を表2に示す量(単位;質量部)とBET比表面積が#200のシリカに対してHMDS処理してなる疎水性シリカ0.5質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)により、周速45m/秒にて20分間混合した。その後、90μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。
Figure 2009103781
2−5.現像剤1〜15の作製
上記トナーの各々に対して樹脂を被覆した体積平均メディアン径(D50)60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%の「現像剤1〜15」を調製した。
3.評価実験
評価機として複写機bizhub C350(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の現像機を、図4に示した構成を有する現像装置に改造した画像形成装置を使用して、シアントナー画像面積率1%の画像チャートを用いて、耐久評価を行った。
最初に高温高湿環境(HH環境、30℃、80%RH)下で、次に低温低湿環境(LL環境、10℃、20%RH)下でそれぞれ、連続1500枚のプリント作成を行い、下記に示す評価を行った。
なお、一連のプリント作成には、画素率が6%のオリジナル画像(細線画像、ハーフトーン画像、白地画像、ベタ画像がそれぞれ1/4等分にあるA4サイズのオリジナル画像)を用いた。
(トナー帯電量環境差)
HH環境、LL環境の実写試験終了後の現像剤を用いて、トナーの帯電量を図5に示す装置を用いて測定を行った。
トナー帯電量の測定は、計量した現像剤を導電性スリーブ31の表面全体に均一になるように載せると共に、この導電性スリーブ31内に設けられたマグネットロール32の回転数を1000rpmにセットした。そして、バイアス電源33よりバイアス電圧をトナーの帯電電位と逆の極性に2kV印加し、15秒間上記導電性スリーブ31を回転させ、この導電性スリーブ31を停止させた時点での円筒電極34における電位Vmを読みとると共に、円筒電極34に付着したトナーの質量を精密天秤で秤量して、トナーの帯電量を求めた。
帯電量の環境差を下記の基準により評価した。
◎:5(−μC/g)以下
○:5(−μC/g)を超えるが10(−μC/g)以下
△:10(−μC/g)を超えるが15(−μC/g)以下
×:15(−μC/g)を超える
(画像濃度)
HH環境、LL環境の実写試験終了後に、シアンベタ画像を出力し、画像濃度を測定した。白紙に対する出力画像の相対反射濃度を5ヶ所について測定し、その平均値を求めた。なお、濃度測定には反射濃度計RD−917(マクベス社製)を使用した。
◎:平均値が1.4以上、かつA4紙上の5点バラツキが0.1以下
○:平均値が1.3以上1.4未満で、かつA4紙上の5点バラツキが0.2以下
△:平均値が1.2以上1.3未満で、かつA4紙上の5点バラツキが0.3以下
×:上記以外
結果は、下記表3に示す。
(画像上カブリ)
HH環境、LL環境の実写試験終了後に、シアン/白紙が10/90の画像を出力し、画像上白地部のトナーカブリを肉眼観察と50倍のルーペを用いて評価しランク付けを行った。◎は、ルーペでも白地部にカブリトナーが認められず非常に良好である、○は、ルーペでカブリトナーは認められるが、殆ど問題なきレベル、△は、ルーペでカブリトナーが多数認められるが、肉眼評価では許容できるレベル、×は肉眼評価でも許容できないレベルを示し、ランク△以上で実用上使用可能であるが、○以上が望ましい。
結果は、下記表3に示す。
Figure 2009103781
本発明内の実施例1〜9は何れの特性も優れているが、本発明外の比較例1〜6は、少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
蛍光X線の発生原理と分析装置の原理と構成を説明する概要図。 複合酸化物の原料を蒸気(ガス)または粉体(粒子)でバーナーに供給し複合酸化物を製造する場合の製造概念図。 複合酸化物の原料が粉体である場合の製造概念図。 現像装置の代表的な構成例の主要部を示す図。 トナーの帯電量を測定する装置の概要図。
符号の説明
1 静電潜像担持体
2b 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 現像領域
7 補給部
11 現像剤担持体
12 スリーブローラ
13 磁石ローラ
15 規制部材
16 現像剤槽
17 バケットローラ
18 ケーシング
19 トナー補給ローラ
21 ホッパ
23 補給トナー
24 現像剤
25 トナー担持体

Claims (8)

  1. 現像剤担持体と、トナー担持体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該現像剤担持体の表面に保持させ、保持された2成分現像剤よりトナー担持体にトナーのみを付着させ、該付着させたトナーを静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、
    該トナーの外添剤が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ蛍光X線測定における全金属元素量に対する該金属元素の割合がそれぞれ1〜99質量%の複合酸化物粒子であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、ケイ素とチタンの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ、1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、ケイ素とアルミニウムの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、かつ、1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、少なくともケイ素、チタン、アルミニウムのうち2種以上の金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であり、該複合酸化物粒子の内部のシリカ存在比に対して表面層のシリカ存在比が高いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、蛍光X線測定における全金属元素量に対して1質量%以上20質量%以下の割合のケイ素と、チタンの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナーに外添処理されている複合酸化物粒子が、蛍光X線測定における全金属元素量に対して1質量%以上20質量%以下の割合のケイ素と、アルミニウムの金属元素の酸化物からなる複合酸化物粒子であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーが乳化重合会合法により作製されたトナーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の画像形成方法。
  8. 前記トナーは、体積基準メディアン径(D50)が3.0μm以上8.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の画像形成方法。
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