JP2009069259A - 2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたってキャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合であっても、トナー帯電量が長期にわたって有効に維持できる静電潜像の2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、該トナーの外添剤が、a)帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、b)数平均一次粒子径が80〜500nmの無機粒子であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機やプリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に用いる現像剤と、現像方法及びそれを用いた画像形成方法と画像形成装置に関するものである。
従来より、電子写真方式を用いた画像形成装置において、静電潜像担持体上に形成された静電潜像の現像方式としては、現像剤としてトナーのみを用いる一成分現像方式およびトナーとキャリアを用いる2成分現像方式が知られている。
一成分現像方式では一般的にトナーを、トナー担持体とトナー担持体に押圧された規制板とによって形成される規制部を通過させることでトナーを帯電し、所望のトナー薄層を得ることができる。装置の簡略化、小型化、低コスト化の面で有利であるが、規制部の強いストレスによりトナーの劣化が促進され易く、トナーの電荷受容性が低下しやすい。さらに、トナー規制部材やトナー担持体表面がトナーや外添剤により汚染されることでトナーへの電荷付与性も低下して、かぶり等の問題を引き起こすため、結果として現像装置の寿命を短くしてしまう。
これに対し、2成分現像方式ではトナーをキャリアとの混合による摩擦帯電で帯電するため、ストレスが小さく、トナーの劣化に対して有利である。さらにトナーへの電荷付与部材であるキャリアも、その表面積が大きいため、トナーや外添剤による汚染に対しても強く、長寿命化に有利である。
しかしながら、2成分現像剤を用いた場合においても、トナーや外添剤によってキャリア表面の汚染が生じることには変わりなく、長期に亘る使用によりトナー帯電量の低下を引き起こし、かぶりやトナー飛散などの問題が生じ、その寿命は決して十分とは言えず、より長寿命化が望まれている。
そこで、一成分現像と2成分現像を複合させた、いわゆるハイブリット現像方式と言われる現像方式も開発された。これは、表面にトナーおよびキャリアからなる2成分現像剤層を担持させた現像剤担持体より、トナーのみをトナー担持体に移行させ、このトナーのみを担持したトナー担持体を、静電潜像を担持した静電潜像担持体(通常は感光体)面に対向させ、現像を行う方法である。
しかしながら、ハイブリッド現像システムでは、現像特性を安定化させる上で現像剤担持体からトナー担持体へトナーを搬送する際のトナーの帯電制御が重要となり、長期使用や環境変動によらず安定した帯電性付与ができる技術が必要となる。このため、ハイブリッド現像システムでの帯電性能改善対策として、特許文献1のように、一次粒子径が10〜25nmの疎水性シリカ微粒子と、一次粒子径が80nm以上の粒子である外添剤を含有させたトナーを用いる発明が開示されているが、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合など、現像剤が繰り返し循環して使用される場合においては、トナーに強いストレスがかかる為、トナーの帯電性を長期にわたって維持することが困難であった。
特開2006−98955号公報
本発明は、長期にわたってキャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合であっても、トナー帯電量が長期にわたって有効に維持できる静電潜像の2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置現像剤を提供することである。
本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成される。
(1)
現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、該トナーの外添剤が、
a)帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、b)数平均一次粒子径が80〜500nmの無機粒子であることを特徴とする画像形成方法。
(2)
現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法に用いる2成分現像剤において、該トナーの外添剤が、
a)帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、b)数平均一次粒子径が80〜500nmの無機粒子であることを特徴とする2成分現像剤。
(3)
前記無機粒子が、チタン酸化合物であることを特徴とする(2)に記載の2成分現像剤。
(4)
前記無機粒子が、シリコーンオイル処理している無機粒子であることを特徴とする(2)又は(3)記載の2成分現像剤。
(5)
前記無機粒子の添加量がトナーに対し、0.1〜10.0質量%であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1項記載の2成分現像剤。
(6)
前記2成分現像剤が、一次数平均粒子径が5〜30nmの無機微粒子を外添されていることを特徴とする(2)〜(5)のいずれか1項記載の2成分現像剤。
(7)
(1)記載の画像形成方法を用いて画像形成することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、長期にわたってキャリアの劣化を抑制し、画像面積率が比較的小さい画像の形成を連続して行う場合であっても、トナー帯電量が長期にわたって有効に維持できる静電潜像の2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来る。
本発明の目的が、本発明の構成により達成される理由については、下記の如く考えられる。
トナーとキャリアの摩擦により、トナーが帯電されるとき、キャリア表面の特にトナーとは逆極性に帯電し易い荷電点とトナーが摩擦することにより、トナーは有効に帯電される。しかし、この荷電点にはトナー片や外添剤が静電的に付着しやすく、いわゆるトナースペントを起こしやすい。長期に亘り使用されたキャリアは、荷電点がスペントされることにより、帯電能低下が発生する。すなわち、キャリアの極性と逆極性となるトナーおよび外添剤が徐々に付着してしまって、キャリア表面が覆われてしまうため、キャリアの帯電性が悪くなり、トナーの帯電量が低下してしまい、その結果、画像濃度が低下していくのである。
特にハイブリッド現像システムにおいて、現像特性の安定化を図る上で帯電の安定性を確保する必要があるが、画像面積率が小さい画像形成を連続して行うと現像剤が繰り返し循環して使用されることになり、トナーがストレスを受け続ける為、トナー表面の外添剤がトナーに埋没したり、キャリア等に移行していくことになる。さらに強いストレスによりトナー表面の一部が剥離され、このトナー片や外添剤がキャリア表面の荷電点に静電的に付着することによりキャリアの荷電付与能力が低下する為、帯電性を長期にわたって維持することが困難であった。
また、現像剤の長寿命化やクリーニング性を向上させる目的でトナーの流動性を付与する為の5〜30nmのシリカ等の微粒子に加えて50nm以上の比較的粒径の大きな外添剤を併用することが知られている。しかしながら、このような大径の粒子を併用しても特にハイブリッド現像方式において画像面積率が小さい画像形成を連続して行った場合においては、上述した通りのキャリア表面上のスペントを抑制する効果はあるものの格段な効果とは言えず、印字枚数が多くなるとキャリアの帯電付与性が低下し、トナーの帯電量が不十分となり、所望の画像濃度が確保できなくなる。
本発明は、ハイブリッド現像システムにおいて使用するトナーに、キャリアに対するトナーの帯電極性に対して逆極性に帯電され、かつ一次数平均粒径が80〜500nmである粒子を添加するというである。これにより、画像面積率が小さい画像を連続して印字した場合においても、キャリアの帯電機能が維持され長期に亘って安定した高画質な画像を得るものである。このために、上記したキャリア表面上の荷電点にキャリアの極性と逆極性のトナー片や外添剤がスペントし荷電機能を失った部分に、さらにトナーの極性とは逆極性である80〜500nmの大径無機粒子を静電的に付着させ、これによりキャリア表面をキャリア本来の極性に戻し、キャリアの帯電性を維持させて、トナーの安定した帯電を可能にしたものである。
ここで重要な点は、トナーと逆極性の大径無機粒子の粒子径である。画像面積率が小さい画像形成を連続して行うとトナー表面がストレスを受けることになる。この場合、平均一次粒子径が80nmより小さい場合には、通常よく用いている小粒径の外添剤と同様に、トナーに付着・固定化される粒子が増え、該粒子がトナーと逆極性であるが故に固定化されてトナー自身が帯電できなくなったり、逆極性に帯電することによりトナーの飛散・こぼれやかぶり等を引き起こす。一方、粒径が500nmより大きいと、トナー表面から遊離してキャリアに静電的に付着しにくくなる。このため、本発明の目的とするキャリア表面の荷電点として働かせることができず、トナー荷電付与機能の再活性化ができなくなってしまう。それ故、本発明において大径無機粒子の効果を発現させる為には、一次数平均粒径が80〜500nmであることと併せて50nm以下の小径成分が少なく、かつ、500nm以上の大径成分が少ないシャープな粒径分布を有するものが好ましい。
通常の2成分現像においては、キャリアに対するトナーの帯電極性に対して逆極性に帯電されてなる無機微粒子をトナーに添加することにより、擬似キャリア的な働きによりトナーの帯電性向上を図ったり、感光体上の非画像部に逆帯電の無機粒子を現像させることにより、クリーニング性向上や感光体の汚染防止を図ったりすることも知られている。しかし、このような目的に対しては、粒径分布がシャープでなくとも効果が期待でき、粒径分布の点については言及されていない。これに対し、ハイブリッド現像システムにおける本発明の効果においては、同様にトナーと逆極性の大径無機粒子を含有させても適切な粒径範囲のものでなければその効力が得られない。即ち、画像面積率が小さい画像形成を連続して印字した場合でもキャリアの帯電機能が維持され、長期に亘って安定した高画質な画像を得ることはできない。
〔トナーの帯電極性と逆極に帯電する無機粒子〕
本発明に使用されるトナーの帯電極性と逆極に帯電する無機粒子とは、現像剤中のトナーの帯電極性と、極性の異なる逆極に帯電する無機粒子のことである。すなわち、キャリアに対してトナーを構成する着色粒子(外添処理前のトナー粒子)の帯電性と比べて低帯電あるいは逆極に帯電する無機粒子が使用できる。特に本発明で使用できる無機粒子は、例えば負帯電性トナーの場合は、下記の条件でブローオフ帯電量が、正帯電してなるものが好適に使用できる。無機微粒子のブローオフ帯電量の測定は、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用い、鉄粉キャリア(Z−150/250)(パウダーテック社製)に対してサンプル濃度0.2質量%、混合はターブラーミキサーで1分間混合した際の帯電量である。なお、装置条件はSUS400mesh、ブロー圧力1kgf/cm2(但し、1kgfは9.8N)、60秒値である。
例えば、負帯電性のトナーの場合には、具体的には、チタン酸化合物、酸化マグネシウム、アルミナ(Al23)、アミノシランカップリング剤等で正帯電処理されたシリカ粒子が挙げられ、中でもチタン酸化合物が好ましい。
チタン酸化合物の例としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウムなどを挙げることができる。
チタン酸化合物が好ましい理由としては、誘電率が150F/m以上であるため、トナーに対する帯電性として過剰帯電を抑制し、かつ帯電立ち上がりを良好にするためである。また、重金属レスの観点からチタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウムが好ましく、特に帯電レベルの観点からは、チタン酸カルシウムが好ましい。
無機粒子の平均一次粒子径は80nm〜500nmであり、好ましくは100nm〜400nmであり、好ましくは一次粒子径の四分偏差を該平均一次粒子径で割った値(sd値)が250nm以下、好ましくは200以下の物性を有するものがよい。また、BET比表面積は、5〜20(m2/g)、好ましくは10〜18(m2/g)、更に好ましくは10〜16(m2/g)である。平均一次粒子径が80nm〜500nmの範囲を外れると、キャリア表面の付着物への付着性が低下し、トナーの帯電性が維持できなくなってしまうからである。
本発明の無機粒子の粒子径及び粒度分布は、種々の方法で測定できるが、本発明においては以下の方法で測定したものである。
まず、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真から等価円直径により測定される個数基準における100個の粒子の平均粒子径であり、四分偏差は透過型電子顕微鏡写真から等価円直径により測定される個数基準の75%粒子径と25%粒子径の差の1/2で表される。
また、平均粒子径は、Honeywell製Microtrac HRA9320−X100型を用いて測定した体積分布から求めた質量基準の50%粒子径で、四分偏差は体積分布から求めた質量基準の75%粒子径と25%粒子径の差の1/2で表される。測定方法は、前記装置に体積分布を出力するインターフェースとパーソナルコンピュータを接続し、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液50〜100ml中に測定試料を10〜30mg加え、超音波分散器で1〜3分の分散処理を行い、前記Microtrac HRAにより試料の体積分布を求めることができる。
〔チタン酸化合物の製造方法〕
本発明のチタン酸化合物粒子は代表的には、常圧加熱反応法により、ペロブスカイト型チタン酸化合物を製造する方法において、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、またチタン成分と反応させる化合物としては、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ナトリウム等があり、これらの化合物源として水溶性酸性化合物を用い、その混合液に50℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させる方法で製造される。
前記酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いることが好ましい。具体的には硫酸法で得られた、SO3含有量が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を塩酸でpHを0.8〜1.5に調整して解膠したものを用いることで、分布良好なチタン酸化合物粒子が得られるので好ましい。
また前記チタン化合物と反応させる化合物源としては、硝酸化合物、塩化化合物、炭酸化合物等を使用することができる。アルカリ水溶液としては、苛性アルカリが使用できるが水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
前記製造方法において、得られるチタン酸化合物粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、反応時における酸化チタン源と反応させる化合物源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度、添加速度などが挙げられ、目的の粒子径及び粒度分布のものを得るため適宜調整すればよい。
なお、反応過程に於ける炭酸化合物の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応する等炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
反応時における酸化チタン源と反応させる化合物源の混合割合は、XO/TiO2のモル比で、0.9〜1.4、好ましくは0.95〜1.15、さらに好ましくは1.0〜1.15がよい。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、高いほど結晶性の良好なものが得られるが、実用的には50℃〜101℃の範囲が適切である。
アルカリ水溶液の添加速度は得られる粉末の粒子径に最も影響し、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸化合物粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸化合物粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込原料に対し0.001〜1.0当量/h、好ましくは0.005〜0.5当量/hであり、得ようとする粒子径に応じて適宜調整する。アルカリ水溶液の添加速度は目的に応じて途中で変更することもできる。
本発明のチタン酸化合物粒子は、従来、外添剤として使用されているシリカや酸化チタンと同じように、帯電調整や環境安定性の改良のため、SiO2、Al23等の無機酸化物や疎水化処理としてはシラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系等の各種のカップリング剤およびシリコーンオイル、ステアリン酸処理等が用いられる。シラン系ではクロロシラン、アルキルシラン、アルコキシシラン、シラザン等を挙げることができる。疎水化処理には、疎水化剤単独かまたはテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンあるいはアセトン等の溶剤を用いて混合希釈し、外添処理剤粉末をブレンダー等で強制的に撹拌しつつカップリング剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え充分混合することにより得られる乾式法に加えてチタン酸化合物を有機溶剤に溶かした疎水化処理剤溶液に浸漬し、乾燥させ解砕するというような湿式による処理法等もある。また、これら処理を併用しても良い。
しかし、均一処理ならびに安全性・コストの観点からは、この80〜500nmの一次粒子径を持つチタン酸化合物粒子は、水系中で疎水化剤を処理したものが一段と環境変動にたいしての帯電安定性が良好であるので好ましい。この中でも特にシリコーンオイル処理したものが現像剤の外添剤として好適に使用できる。これは、従来より外添剤として使用されているシリカ等と比較して、該チタン酸化合物は反応性が低く、所望の疎水化度を得る上でカップリング剤での処理よりもシリコーンオイル処理が有利となるためであろう。さらに水系エマルションの処理が均一な表面処理を得る上で優れており好ましい。ここで水系エマルションとして好適に使用できる例としては、ジメチルポリシロキサン系エマルション(東レ・ダウコーニングシリコーン社製:SM7036EX,SM7060EX,SM8706EX等)、アミノ変性シリコーンエマルション(東レ・ダウコーニングシリコーン社製:SM8704,SM8709,BY22−819等)、カルボキシ変性シリコーンエマルション(東レ・ダウコーニングシリコーン社製:BY22−840等)、フェニルメチルシリコーンエマルション(東レ・ダウコーニングシリコーン社製:SM8627EX等)等々が挙げられる。
また本発明のチタン酸化合物粒子においては、結晶性の向上のため、300〜1200℃の温度で焼成すれば、結晶性が更に向上し、環境安定性がより改良される。
疎水化剤の使用量は、外添剤の種類等により調整する必要があるが、外添剤に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%使用するとよい。0.1質量%より少ないと疎水化の効果が減少し、5質量%より多いと外添剤同士の凝集物が多く生じて現像剤の流動性改善等の外添剤本来の効果が阻害されることがある。
〔本発明に係わるトナー〕
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、前述の「帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、数平均一次粒子径が80〜500nmである無機粒子」を外添してなるものであり、トナーを構成する着色粒子(外添処理前のトナー粒子)の作製方法については特に限定されるものではない。
先ず、本発明に係るトナーの大きさについて説明する。
本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50)が3.0μm以上8.0μm以下であるものが好ましく、この様な小径の部類に属するトナーは、近年着目されているデジタル技術に対応した高精細なドット画像の再現に最適なものである。特に、近年ではオンデマンド印刷と呼ばれる軽印刷の分野にも電子写真方式の画像形成装置が使用され、版を起こす手間をかけずにトナー画像によるプリント物の作成が進められている。
したがって、この様な分野向けに上述の外添剤を外添してなる小径トナーを用いることにより、厳しい画像形成環境下でも写真画像や印刷画像に勝るとも劣らない高精細なドット画像よりなるプリント物の作成が可能になる。そして、微細ドット画像を忠実に再現する視点では、製造工程において粒子の形状や大きさを制御しながら作製が可能な重合法により形成される着色粒子からなるトナーが好ましい。
前述の体積基準メディアン径(D50)は、たとえば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子は、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるものである。本発明に係るトナーは、体積基準におけるメディアン径(D50)を前述の範囲にすることで、微小ドット画像の忠実な再現を可能にする。小径トナーは、その製造工程で粒径や形状を制御する操作を加えて粒子形成が可能な重合法で作製することが好ましい。その中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め120nm前後の樹脂微粒子を形成しておき、この樹脂微粒子を凝集させる工程を経て前述の粒径を有する着色粒子を形成する乳化会合法は有効な作製方法の1つであるといえる。
以下に、本発明に係るトナーの作製方法の一例である乳化会合法によるトナー作製を説明する。乳化会合法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)樹脂微粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は樹脂微粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより100nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。なお、樹脂微粒子中にワックスを含有させたものを形成することも可能である。この場合、ワックスを重合性単量体に溶解あるいは分散させておき、これを水系媒体中で重合させると、ワックスを含有してなる樹脂微粒子が形成される。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂微粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集させ、凝集させたこれらの粒子を融着させ、これらの粒子を凝集してなる着色粒子を作製する工程で、いわゆる「樹脂微粒子を凝集させる工程」に該当する工程である。
この工程では、樹脂微粒子と着色剤粒子とが存在している水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に樹脂微粒子同士の融着を行う。
そして、凝集を進行させて粒子の大きさが目標になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成する工程である。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのトナーケーキと呼ばれるケーキ状集合体となった着色粒子より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタプレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥された着色粒子に前述した「帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、数平均一次粒子径が80〜500nmである無機粒子」を添加しトナーを作製する工程である。添加量はトナーに対し0.1〜10.0質量%がよい。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。前述の無機粒子の他に、一次数平均粒子径が5〜30nmのシリカ等の無機微粒子外添剤(以下、小径外添剤と呼ぶ)を含有させてもよい。
小径外添剤としては、粒子径が5〜30nmの範囲であれば流動性を十分に付与させることが出来るため、特に限定されるものではないが、具体的にはシリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物が挙げられ、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。小径外添剤の添加量としては、0.1〜2.0部が好ましい。
以上の工程を経て、本発明に係るトナーを作製することが可能である。
次に、本発明に係るトナーを構成する樹脂、着色剤、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に係る樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることも可能である。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
本発明に係るトナーは、二成分系現像剤として使用するものである。
本発明に係るトナーは、磁性粒子であるキャリアと混合して二成分系現像剤として使用する。キャリアとしては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
〔本発明に係わる画像形成方法、画像形成装置〕
次に、本発明に係わる画像形成方法は、現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法である。
この方法を具体的に説明するために、本発明に係わる画像形成方法における現像方法の代表的な構成例の主要部を図1に示す。
この画像形成装置は、電子写真方式により静電潜像担持体(感光体)1に形成されたトナー像を用紙等の転写媒体Pに転写して画像形成を行うプリンタである。この画像形成装置は画像を担持するための静電潜像担持体1を有しており、静電潜像担持体1の周辺には、静電潜像担持体1を帯電するための帯電手段としての帯電部材3、静電潜像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置2b、静電潜像担持体1上のトナー像を転写するための転写ローラ4、及び静電潜像担持体1上の残留トナー除去用のクリーニングブレード5が、静電潜像担持体1の回転方向Aに沿って順に配置されている。
トナー担持体25は、現像剤担持体11と静電潜像担持体1との間に設けられ、トナー分離手段であるバイアス電圧が印加されることにより、現像剤中のトナーを電気的にトナー担持体表面に分離・担持させるようになっている。トナー担持体25によって分離・担持されたトナーは、当該トナー担持体25によって搬送され、現像領域6において静電潜像担持体1上の静電潜像を現像する。
トナー担持体25は電源(不図示)に接続され、所定のトナー分離のためのバイアス電圧が印加され、これによって、現像剤中のトナーが電気的にトナー担持体25表面に分離・担持される。
尚、静電潜像担持体1は、帯電部材3で帯電された後に、図中のE点の位置でレーザ発光器などを備えた露光装置30により露光されて、その表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像をトナー担持体上のトナーが現像する。転写ローラ4は、この静電潜像担持体1上のトナー像を転写媒体Pに転写した後、図中の矢印C方向に排出する。クリーニングブレード5は、転写後の静電潜像担持体1上の残留トナーを、その機械的な力で除去する。画像形成装置に用いられる静電潜像担持体1、帯電部材3、露光装置30、転写ローラ4、クリーニングブレード5等は、周知の電子写真方式の技術を任意に使用してよい。
例えば、帯電手段として図中、帯電ローラが示されているが、静電潜像担持体1と非接触の帯電装置であってもよい。また例えば、クリーニングブレードはなくてもよい。
トナー担持体25に印加されるトナー分離バイアスはトナーの帯電極性によって異なる。トナーが負に帯電されるときは、現像剤担持体に印加される電圧の平均値よりも高い平均値となる電圧であり、トナーが正に帯電されるときは、現像剤担持体に印加される電圧の平均値よりも低い平均値となる電圧である。トナーが正または負のいずれの極性に帯電されるときであっても、トナー担持体に印加される平均電圧と現像剤担持体に印加される平均電圧との差は20〜500V、特に50〜300Vであることが好ましい。電位差が小さすぎると、トナー担持体上のトナー量が少なく十分な画像濃度が得られない。一方、電位差が大きすぎると、トナー供給過多となり、無駄なトナー消費が増加する恐れがある。
現像装置2bにおいては、さらに、トナー担持体と現像剤担持体との間に交流電界が形成されることが好ましい。交流電界が形成されることで、トナーが往復振動するため、トナーと逆極性粒子を有効に分離することができる。その際、2.5×106V/m以上の電界が形成されることが好ましい。2.5×106V/m以上の電界が形成されることで、電界によってもトナーから逆極性粒子を分離することが可能となり、より一層、トナーの分離性を向上させることが可能となる。
本明細書中、トナー担持体と現像剤担持体との間で形成される電界をトナー分離電界という。そのようなトナー分離電界は通常、トナー担持体または現像剤担持体の一方、または両方に交流電圧を印加することで得られる。特に静電潜像をトナーで現像するためにトナー担持体に交流電圧が印加される場合、トナー担持体に印加される交流電圧を利用して、トナー分離電界を形成することが望ましい。このときトナー分離電界は絶対値の最大値が上記範囲内であればよい。
例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体には直流電圧と交流電圧が印加され、トナー担持体には直流電圧のみが印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値よりも低い直流電圧のみが印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体には直流電圧と交流電圧が印加され、トナー担持体には直流電圧のみが印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値よりも高い直流電圧のみが印加される。これらのとき、トナー分離電界の絶対値の最大値は、現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)とトナー担持体に印加される電圧(直流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値であり、当該値が上記範囲にあることが望ましい。
また例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体には直流電圧のみが印加され、トナー担持体には交流電界と直流電圧が印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される直流電圧よりも低い平均電圧となるよう交流電界を重畳した直流電圧が印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体には直流電圧のみが印加され、トナー担持体には交流電界と直流電圧が印加されるとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される直流電圧よりも高い平均電圧となるよう交流電界を重畳した直流電圧が印加される。これらのとき、トナー分離電界の絶対値の最大値は、現像剤担持体に印加される電圧(直流)とトナー担持体に印加される電圧(直流+交流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値であり、当該値が上記範囲にあることが望ましい。
また例えば、トナーの帯電極性が正であり、現像剤担持体およびトナー担持体の双方に交流電圧が重畳された直流電圧を印加するとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値より平均電圧が小さい電圧(直流+交流)が印加される。また例えば、トナーの帯電極性が負であり、現像剤担持体およびトナー担持体の双方に交流電圧が重畳された直流電圧を印加するとき、トナー担持体には現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)の平均値より平均電圧が大きい電圧(直流+交流)が印加される。これらのとき、それぞれに印加される交流電圧成分の振幅や位相、周波数、デューティー比等の相違によって生じる、現像剤担持体に印加される電圧(直流+交流)とトナー担持体に印加される電圧(直流+交流)との電位差の最大値を、トナー担持体と現像剤担持体との最近接部ギャップで除した値が、トナー分離電界の絶対値の最大値となり、当該値が上記範囲とすることが望ましい。
トナー担持体25によってトナーが分離された現像剤担持体11上の残りの現像剤、すなわちキャリアおよび逆極性粒子は、そのまま当該現像剤担持体11によって搬送され現像剤槽16に回収される。この実施形態において、トナーの分離後、逆極性粒子はそのまま現像剤担持体11によって現像剤槽内へ回収されるため、逆極性粒子回収部材で捕集した逆極性粒子を非画像形成時に現像剤槽に戻す工程を省略することが可能となる。
トナー担持体25は上記電圧を印加可能な限りいかなる材料からなっていてよく、例えば、表面処理を施したアルミローラが挙げられる。そのほかアルミ等の導電性基体上に、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コートやシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングを施したものを用いてもよい。コーティング材料としては、これに限定されるものではない。さらに上記コーティングのバルクもしくは表面に導電剤が添加されていてもよい。導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等が挙げられるが、これに制約されない。イオン導電剤として、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これにこだわらない。さらに、アルミ等の金属材料からなる導電性ローラであっても構わない。
図1に示す現像装置2bにおいて詳しくは、現像剤槽16内の現像剤24は、バケットローラ17の回転により混合撹拌され、摩擦帯電した後、バケットローラ17によって汲み上げられて現像剤担持体11表面のスリーブローラ12へと供給される。この現像剤24は、現像剤担持体(現像ローラ)11内部の磁石ローラ13の磁力によってスリーブローラ12の表面側に保持され、スリーブローラ12と共に回転移動して、現像ローラ11に対向して設けられた規制部材15で通過量を規制される。その後、トナー担持体25との対向部において、前記のように、現像剤に含まれるトナーのみがトナー担持体25に分離・担持される。分離されたトナーは静電潜像担持体1と対向する現像領域6へと搬送される。現像領域6では、静電潜像担持体1上の静電潜像と現像バイアスの印加されたトナー担持体25との間に形成された電界がトナーに与える力により、トナー担持体25上のトナーが静電潜像担持体1上の静電潜像側へと移動して、静電潜像が顕像へと現像される。現像方式は反転現像方式であってもよいし、または正規現像方式であってもよい。現像領域6を通過したトナー担持体上のトナー層は、トナー担持体と現像剤担持体との対向部における磁気ブラシによるトナー供給・回収を経て、現像領域に搬送される。一方、トナーが分離されて現像剤担持体11上に残った現像剤は、そのまま現像剤槽16に向けて搬送され、バケットローラ17に対向して設けられた磁石ローラ同極部N3,N2の反発磁界によって現像剤担持体11上から剥離され、現像剤槽16内へと回収される。補給部7に設けられた不図示の補給制御部は、現像剤24中のトナー濃度が画像濃度確保のための最低トナー濃度以下になったことを検出すると、トナー補給ローラ19の駆動手段に駆動開始信号を送り、補給トナー23が現像剤槽16内へ供給される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔外添剤の作製〕
外添剤1
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、4モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、6モル/L塩酸によりpH5.5まで中和し濾過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.25モル/Lのスラリーとした後、6モル/L塩酸を加えpH1.2とし解膠処理を行った。この解膠含水酸化チタンをTiO2として0.156モルを採取し、3Lの反応容器に投入し、該解膠含水酸化チタンスラリーにCaO/TiO2モル比で1.15の炭酸カルシウム水溶液を添加した後、TiO2濃度0.156モル/Lに調整し、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。次に、この反応容器に窒素を流しながら、さらに撹拌混合しつつメタチタン酸と炭酸カルシウムの混合溶液を90℃に加温した後、2.5モル/L水酸化ナトリウム水溶液143mlを24時間かけて添加し、その後、90℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5Lの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行い、得られたケーキを110℃の大気中で8時間乾燥した。乾燥したチタン酸カルシウム化合物を930℃にて脱水焼成した後、該チタン酸カルシウムを水スラリーとし、サンドグラインダで湿式粉砕した後、6モル/L塩酸を添加しpHを2.0に調整し、過剰のカルシウムを除去した後、シリコーンオイルのエマルション(ジメチルポリシロキサン系エマルション;東レ・ダウコーニングシリコーン社製:SM7036EX)をチタン酸化合物の固形分100部に対してシリコーンオイルエマルションの固形分として0.7部添加し、30分間撹拌保持することにより、チタン酸カルシウム粒子の疎水化処理を行った。引き続き、4モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6.5まで中和し、濾過、水洗した後150℃で乾燥し、さらに機械式粉砕機にて微粉砕を行い、疎水性チタン酸カルシウム粒子の外添剤1を得た。最終合成物を電子顕微鏡で観察すると32nm〜132nmの粒子であり、X線回折では炭酸カルシウムのピークは検出されず、チタン酸カルシウム単一相であった。電子顕微鏡写真を用いて個数基準で算出した平均一次粒子径は82nm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は39nmであった。また四分偏差を平均二次粒子径で割った値(sd値)は、110nmであった。[sd(nm)=(d75%−d25%)/2]
なお、最終化合物のBET比表面積は、16.3(m2/g)であった。
外添剤2〜4
チタン酸カルシウムの外添剤1と同様にして解膠条件と最終の機械式粉砕時の条件を変更することにより、表1記載通りの物性を有する疎水性チタン酸カルシウム粒子の外添剤2〜4を得た。どれも最終合成物を電子顕微鏡でX線回折では炭酸カルシウムのピークは検出されず、チタン酸カルシウム単一相であった。
外添剤5(シランカップリング処理)
チタン酸カルシウムの外添剤1と同様の方法で疎水化処理の工程のみ湿式法ではなく、以下の乾式法にて処理を行い、チタン酸カルシウム粒子の外添剤5を得た。
乾式法でi−ブチルトリメトキシシランを5質量%表面処理した後、120℃の温度にて1時間の乾燥を行った後、チタン酸カルシウムの外添剤1と同様の方法で微粉砕を行った。
外添剤6〜8
チタン酸カルシウムの外添剤1と同様にして炭酸カルシウムの原料をそれぞれ炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムに変える以外は同様の方法で、表1記載の通りの物性を有する疎水性チタン酸ストロンチウム、疎水性チタン酸マグネシウム、疎水性チタン酸バリウム粒子の外添剤6〜8を得た。どれも最終合成物を電子顕微鏡でX線回折ではそれぞれチタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウムの単一相であった。
外添剤9(シリカ粒子)
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えたガラス製反応器にメタノール623.7gと、水41.4gと、28質量%アンモニア水49.8gとを入れて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)および5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加し始め、テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後も、さらに0.5時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ粒子のメタノール−水分散液を得た。
このメタノール−水分散液に室温でヘキサメチルジシラザンを添加し、さらに疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン484、2g(3モル)に加えてアミノシランカップリング剤(信越化学工業社製:KBM−502:N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン619.2g(3モル)を加えて疎水化処理を施し、シリカ粒子1を得た。60℃に加熱し、3時間反応させ、親水性球状シリカ粒子をトリメチルシリル化した。その後、分散液中の溶媒を減圧下で留去して1次粒子の平均粒子径が100nmの疎水性シリカ粒子の外添剤9を得た。
外添剤10(シリカ粒子)
数平均粒子径20nmのシリカ粒子1000gに、疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン547.4g(3.39モル)を加えて外添剤9と同様にして、疎水化処理を行い外添剤10を得た。
外添剤11
i−ブチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒子径が250nmの酸化チタン粒子を用いた。
外添剤12
i−ブチルトリメトキシシランで表面処理された数平均一次粒子径が80nmの樹脂粒子を用いた。
外添剤13
数平均一次粒子径が54nmのチタン酸ストロンチウム粒子をシリコーンオイルで表面処理した数平均一次粒子径が54nmのチタン酸ストロンチウム粒子を用いた。
外添剤14
数平均一次粒子径が550nmのチタン酸ストロンチウム粒子をシリコーンオイルで表面処理した数平均一次粒子径が550nmのチタン酸ストロンチウム粒子を用いた。
Figure 2009069259
〔トナーの作製〕
以下の手順に基づき、非磁性の「トナー1〜13」を作製した。
2−1.樹脂粒子分散液(1HML)の作製
(1)樹脂粒子分散液(1H)の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、ラウリル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3010質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製した。この界面活性剤溶液を、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しつつ、80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記に示す化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 77.8質量部
n−ブチルアクリレート 17.7質量部
アクリル酸 2.52質量部
前記単量体混合液を滴下してなる反応系を75℃の下で2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1H)」とする。
(2)樹脂粒子分散液(1HM)の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記化合物を含有してなる単量体混合液を調製した。
スチレン 104.1質量部
n−ブチルアクリレート 28.4質量部
アクリル酸 3.49質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
さらに、前記単量体混合液に、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98.0質量部
を添加し、90℃に加温して溶解させた。
一方、ラウリル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2700質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製し、これを98℃に加熱した。この界面活性剤溶液中に、前述の「樹脂粒子分散液(1H)」を固形分換算で28質量部添加した後、前述したペンタエリスリトールテトラベヘネートを含有した単量体混合液を添加した。
そして、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、8時間かけて混合分散を行って、乳化粒子(油滴)を含有してなる乳化分散液を調製した。
次いで、この乳化分散液に、重合開始剤(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750質量部とを添加した。その後、この系を98℃に昇温し、12時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、複合樹脂からなる樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HM)」とする。
(3)樹脂粒子分散液(1HML)の作製
前記「樹脂粒子分散液(1HM)」を80℃に調整し、これに、下記化合物を含有してなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 298質量部
n−ブチルアクリレート 93.6質量部
アクリル酸 10.3質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
滴下終了後、重合開始剤(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃まで冷却して、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液(1HML)」とする。
(4)着色剤分散液1の調製
ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に投入し、これを撹拌、溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を調製した。この界面活性剤溶液を撹拌しながら、下記着色剤を徐々に添加した。
C.I.Pigment Blue15:3 400.0質量部
上記着色剤を添加後、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用い、着色剤の粒子径が200nm以下になるまで分散処理を行って、着色剤分散液の調製を行った。得られた着色剤分散液を着色剤分散液1とする。
(5)着色粒子1Cの作製
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に以下のものを投入して撹拌処理した。
樹脂粒子分散液(1HML) 200質量部(固形分換算)
イオン交換水 3000質量部
着色剤分散液1 33質量部
反応容器内の温度を30℃に調整後、上記反応溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。添加終了後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて90℃まで昇温させ、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3」で観察した。
体積基準メディアン径が6.5μmになった時に、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して凝集を停止させた。
さらに、液温を90℃±2℃にし、6時間加熱撹拌を継続して、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した着色粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返して(1回に使用するイオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥処理し着色粒子1Cを作製した。得られた着色粒子の軟化点を前述の「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用いて測定したところ、110℃であった。
(6)トナー1〜13の作製
着色粒子1Cに、表2に示す様に「外添剤1〜14」とを組み合わせて外添処理を行い、トナーを作製した。なお、外添処理は、着色粒子100質量部に対し、下記量の外添剤を添加した。
表1に示す外添剤を表2に示す量(単位;質量部)添加後、ヘンシェルミキサー「FM10B(三井三池化工機社製)」を用いて周速30m/秒にて10分間混合し、トナーを作製した。
Figure 2009069259
この時用いた上記外添剤以外に下記の外添剤を添加した。
HMDS処理#200シリカ(0.5質量部) 極性:負,12nm
HMDS処理#90シリカ(0.5質量部) 極性:負,21nm
20nmチタニア(0.5質量部) 極性:負,20nm
(7)現像剤1〜13の作製
上記トナーの各々に対して樹脂を被覆した体積平均メディアン径(D50)60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%の「現像剤1〜13」を調製した。
〔評価実験〕
評価機として複写機bizhub C350(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の現像器を図1に示した構造を有する現像器の改良した画像形成装置を使用して、シアントナー画像面積率1%の画像チャートを用いて、10万枚の耐久評価を行った。
(トナー帯電量変動)
実写試験終了前後の現像剤を用いて、トナーの帯電量を図2に示す装置を用いて測定を行った。
トナー帯電量の測定は、計量した現像剤を導電性スリーブ31の表面全体に均一になるように載せると共に、この導電性スリーブ31内に設けられたマグネットロール32の回転数を1000rpmにセットした。そして、バイアス電源33よりバイアス電圧をトナーの帯電電位と逆の極性に2kV印加し、15秒間上記導電性スリーブ31を回転させ、この導電性スリーブ31を停止させた時点での円筒電極34における電位Vmを読みとると共に、円筒電極34に付着したトナーの質量を精密天秤で秤量して、トナーの帯電量を求めた。
帯電量の変動を下記の基準により評価した。
◎:5(−μC/g)以下
○:5(−μC/g)を超えるが10(−μC/g)以下
△:10(−μC/g)を超えるが18(−μC/g)以下
×:18(−μC/g)を超える
(画像濃度)
実写試験前後に、シアンベタ画像を出力し、画像濃度を測定した。白紙に対する出力画像の相対反射濃度を5ヶ所について測定し、その平均値を求めた。なお、濃度測定には反射濃度計RD−917(マクベス社製)を使用した。
◎:平均値が1.4以上、かつA4紙上の5点バラツキが0.1以下
○:平均値が1.3以上1.4未満で、かつA4紙上の5点バラツキが0.2以下
△:平均値が1.2以上1.3未満で、かつA4紙上の5点バラツキが0.3以下
×:上記以外
結果は、下記表3に示す。
Figure 2009069259
本発明内の実施例1〜9は何れの特性も優れているが、本発明外の比較例1〜4は、少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
本発明の一実施形態による画像形成装置の主要部を示す概略構成図。 トナーの帯電量測定装置の概要構成図。
符号の説明
1 静電潜像担持体
2b 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 現像領域
7 補給部
11 現像剤担持体
12 スリーブローラ
13 磁石ローラ
15 規制部材
16 現像剤槽
17 バケットローラ
18 ケーシング
19 トナー補給ローラ
21 ホッパ
23 補給トナー
24 現像剤
25 トナー担持体。

Claims (7)

  1. 現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法において、該トナーの外添剤が、
    a)帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、b)数平均一次粒子径が80〜500nmの無機粒子であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 現像剤担時体と、トナー担時体と、静電潜像担持体とを備え、少なくとも結着樹脂と着色剤と外添剤を含むトナーとキャリアからなる2成分現像剤を該磁気ローラの表面に保持させ、保持された2成分現像剤と該現像ローラとを接触させて、現像ローラに該トナーを静電付着させ、付着したトナーを該静電潜像担持体に移行させて、静電潜像をトナー像として顕像化させるように構成された画像形成方法に用いる2成分現像剤において、該トナーの外添剤が、
    a)帯電極性がトナーと逆極であり、且つ、b)数平均一次粒子径が80〜500nmの無機粒子であることを特徴とする2成分現像剤。
  3. 前記無機粒子が、チタン酸化合物であることを特徴とする請求項2に記載の2成分現像剤。
  4. 前記無機粒子が、シリコーンオイル処理している無機粒子であることを特徴とする請求項2又は3記載の2成分現像剤。
  5. 前記無機粒子の添加量がトナーに対し、0.1〜10.0質量%であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の2成分現像剤。
  6. 前記2成分現像剤が、一次数平均粒子径が5〜30nmの無機微粒子を外添されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の2成分現像剤。
  7. 請求項1記載の画像形成方法を用いて画像形成することを特徴とする画像形成装置。
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