JP2009097474A - 触媒劣化診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料に含まれる硫黄の影響を抑制してより精度の高い触媒の劣化検出が可能な触媒劣化診断装置を提供する。
【解決手段】触媒上流空燃比のアクティブ制御時の触媒の酸素吸蔵容量を計測し、計測した酸素吸蔵容量に基づいて触媒劣化診断をする触媒劣化診断装置であって、計測した酸素吸蔵容量が非正常値の場合には、触媒温度が所定温度以上で、かつ、触媒上流空燃比をアクティブ制御する際の中心空燃比をリッチ側に寄せた条件下で再計測した酸素吸蔵容量に基づいて触媒劣化診断をする。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒劣化診断装置に関する。
例えば、車両用の内燃機関において、その排気系には排気ガスを浄化するための触媒が設置されている。この触媒の中には酸素吸蔵能(O2ストレージ能)を有するものがあり、これは、触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ)よりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、触媒流入排気ガスの空燃比がストイキよりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出する。例えばガソリンエンジンでは触媒に流入する排気ガスがストイキ近傍となるよう空燃比制御が行われるが、酸素吸蔵能を有する三元触媒を使用すると、運転条件により実際の空燃比がストイキから多少振れてしまっても、三元触媒による酸素の吸蔵・放出作用により、そのような空燃比ずれを吸収することができる。
触媒が劣化すると触媒の浄化効率が低下する。触媒の劣化度と酸素吸蔵能の低下度との間にはともに貴金属を介する反応であるため相関関係がある。よって、酸素吸蔵能が低下したことを検出することで触媒が劣化したことを検出することができる。一般的には、触媒に流入する排気ガスの空燃比を強制的にリッチ及びリーンに切り替えるアクティブ空燃比制御を行い、このアクティブ空燃比制御の実行に伴って触媒の酸素吸蔵容量を計測し、計測した酸素吸蔵容量に基づいて触媒の劣化を診断するいわゆるCmax法が採用される。
酸素吸蔵容量の計測においては、例えば、特許文献1等に開示されているように、硫黄濃度が高い燃料の場合、硫黄被毒により、計測される酸素吸蔵容量が低下することが知られている。
特開2006−291773号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、燃料に含まれる硫黄の影響を抑制してより精度の高い触媒の劣化検出が可能な触媒劣化診断装置を提供することにある。
本発明に係る触媒劣化診断装置は、内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する内燃機関の触媒劣化診断装置であって、触媒上流空燃比をアクティブ制御する空燃比制御手段と、触媒上流空燃比のアクティブ制御時の触媒の酸素吸蔵容量を計測する吸蔵容量計測手段と、前記吸蔵容量計測手段の計測した酸素吸蔵容量に基づいて、触媒劣化診断をする劣化診断手段と、を有し、前記劣化診断手段は、前記吸蔵容量計測手段の計測した酸素吸蔵容量が非正常値の場合には、触媒温度が所定温度以上で、かつ、触媒上流空燃比をアクティブ制御する際の中心空燃比をリッチ側に寄せた条件下で再計測した酸素吸蔵容量に基づいて触媒劣化診断をする、ことを特徴とする。
上記構成において、計測された酸素吸蔵容量の変化量に基づいて、計測した酸素吸蔵容量が正常値か非正常値かを判断する判断手段を有する、構成を採用できる。
上記構成において、計測された酸素吸蔵容量と初期基準値との比較に基づいて、計測した酸素吸蔵容量が正常値か非正常値かを判断する判断手段を有する、構成を採用できる。
上記構成において、前記酸素吸蔵容量を再計測する際に、触媒温度が所定温度よりも低い場合には、触媒温度が所定温度以上となるように触媒を昇温させる昇温手段を有する、構成を採用できる。
本発明によれば、燃料に含まれる硫黄の影響を抑制してより精度の高い触媒の劣化検出が可能となる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両に搭載された多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設される。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁Viの開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストン4で圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には、O2ストレージ機能(酸素吸蔵能)を有する三元触媒からなる触媒11が取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。触媒11の上流側と下流側とにそれぞれ、排気中の酸素濃度に基づいて排気空燃比を検出する空燃比センサ、即ち触媒前センサ17及び触媒後センサ18が設置されている。触媒前センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、排気空燃比に比例した値の信号を出力する。他方、触媒後センサ18は所謂O2センサからなり、理論空燃比を境に出力値が急変する特性を持つ。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロット
ル開度等を制御する。
触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比A/Fが理論空燃比(ストイキ、例えば、A/Fs=14.6)近傍のときにNOx ,HCおよびCOを同時に浄化する。そしてこれに対応して、ECU20は、内燃機関の通常運転時、触媒11に流入する排気ガスの空燃比即ち触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比に一致するように空燃比を制御する。具体的にはECU20は、理論空燃比に等しい目標空燃比A/Ftを設定すると共に、触媒前センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量をフィードバック制御する。これにより触媒11に流入する排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍に保たれ、触媒11において最大の浄化性能が発揮されるようになる。
ここで、触媒11についてより詳細に説明する。図2に示すように、触媒11においては、図示しない担体基材の表面上にコート材31が被覆され、このコート材31に微粒子状の触媒成分32が多数分散配置された状態で保持され、触媒11内部で露出されている。触媒成分32は主にPt,Pd等の貴金属からなり、NOx ,HCおよびCOといった排ガス成分を反応させる際の活性点となる。他方、コート材31は、排気ガスと触媒成分32との界面における反応を促進させる助触媒の役割を担うと共に、雰囲気ガスの空燃比に応じて酸素を吸収放出可能な酸素吸蔵成分を含む。酸素吸蔵成分は例えば酸化セリウムCeO2やジルコニアからなる。例えば、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリッチであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分に吸蔵さ
れていた酸素が放出され、この結果、放出された酸素によりHCおよびCOといった未燃成分が酸化され、浄化される。逆に、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリーンであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分が雰囲気ガスから酸素を吸収し、この結果NOxが還元浄化される。
このような酸素吸放出作用により、通常の空燃比制御の際に触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比に対し多少ばらついたとしても、NOx、HCおよびCOといった三つの排気ガス成分を同時浄化することができる。よって通常の空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffrを敢えて理論空燃比を中心に微小振動させ、酸素の吸放出を繰り返させることにより排ガス浄化を行うことも可能である。
ところで、新品状態の触媒11では前述したように細かい粒子状の触媒成分32が多数均等に分散配置されており、排気ガスと触媒成分32との接触確率が高い状態に維持されている。しかしながら、触媒11が劣化してくると、一部の触媒成分32に消失が見られるほか、触媒成分32同士が排気熱で焼き固まって焼結状態になるものがある(図の破線参照)。こうなると排気ガスと触媒成分32との接触確率の低下を引き起こし、浄化率を落としめる原因となる。そしてこのほかに、触媒成分32の周囲に存在するコート材31の量、即ち酸素吸蔵成分の量が減少し、酸素吸蔵能自体が低下する。
このように、触媒11の劣化度と触媒11の持つ酸素吸蔵能の低下度とは相関関係にある。そこで本実施形態では、触媒11の酸素吸蔵能を検出することにより触媒11の劣化度を検出することとしている。ここで、触媒11の酸素吸蔵能は、現状の触媒11が吸蔵し得る最大酸素量である酸素吸蔵容量(OSC;O2 Strage Capacity、単位はg)の大きさによって表される。
以下、本実施形態における触媒劣化診断について説明する。
本実施形態の触媒劣化診断は前述のCmax法によるものを基本とする。そして触媒11の劣化診断に際しては、ECU20によりアクティブ空燃比制御が実行される。アクティブ空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffrは、所定の中心空燃比A/Fcを境にリッチ側及びリーン側に強制的に(アクティブに)交互に切り替えられる。なおリッチ側に変化されたときの空燃比をリッチ空燃比A/Fr、リーン側に変化されたときの空燃比をリーン空燃比A/Flと称す。このアクティブ空燃比制御によって触媒前空燃比A/Ffrがリッチ側又はリーン側に変化されているときに触媒の酸素吸蔵容量OSCが計測される。
触媒11の劣化診断は、内燃機関1の定常運転時で且つ触媒11が活性温度域にあるときに実行される。触媒11の温度(触媒床温)の計測については、温度センサを用いて直接検出してもよいが、本実施形態の場合内燃機関の運転状態から推定することとしている。例えばECU20は、エアフローメータ5によって検出される吸入空気量Gaと、クランク角センサ14の出力に基づいて検出される機関回転速度Ne(rpm)とに基づいて、予め実験等を通じて設定されたマップ又は関数を利用し、触媒11の温度を推定する。
図3(A),(B)にはそれぞれ、アクティブ空燃比制御実行時における触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力が実線で示されている。また、図3(A)には、ECU20内部で発生される目標空燃比A/Ftが破線で示されている。触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力値はそれぞれ触媒前空燃比A/Ffr及び触媒後空燃比A/Frrの値に対応する。
図3(A)に示されるように、目標空燃比A/Ftは、中心空燃比A/Fcを中心として、そこからリッチ側に所定の振幅(リッチ振幅Ar、Ar>0)だけ離れた空燃比(リッチ空燃比A/Fr)と、そこからリーン側に所定の振幅(リーン振幅Al、Al>0)だけ離れた空燃比(リーン空燃比A/Fl)とに強制的に、且つ交互に切り替えられる。そしてこの目標空燃比A/Ftの切り替えに追従して、実際値としての触媒前空燃比A/Ffrも、目標空燃比A/Ftに対し僅かな時間遅れを伴って切り替わる。このことから目標空燃比A/Ftと触媒前空燃比A/Ffrとは時間遅れがあること以外等価であることが理解されよう。
図示例においてリッチ振幅Arとリーン振幅Alとは等しい。例えば中心空燃比A/Fc=14.6、リッチ空燃比A/Fr=14.1、リーン空燃比A/Fl=15.1、リッチ振幅Ar=リーン振幅Al=0.5である。通常の空燃比制御の場合に比べ、アクティブ空燃比制御の場合は空燃比の振り幅が大きく、即ちリッチ振幅Arとリーン振幅Alとの値は大きい。
目標空燃比A/Ftがリッチとリーンとで切り替えられるタイミングは、触媒後センサ18の出力に基づいて決定される。具体的には、図3(B)に図示したように、触媒後空燃比A/Frrがリッチ側からリーン側に変化し、触媒後センサ18の出力がリーン判定値VLと等しくなる時点(t1,t3等)で、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。触媒後空燃比A/Frrがリーン側からリッチ側に変化し、触媒後センサ18の出力がリッチ判定値VRとなる時点(t2等)で目標空燃比A/Ftはリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。尚、VR>VLであり、例えばVR=0.59(V)、VL=0.21(V)である。
このような空燃比変化を行うアクティブ空燃比制御を実行しつつ、次のようにして触媒11の酸素吸蔵容量OSCが計測され、触媒11の劣化が判定される。
図3に示す時刻t1より前では目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸収し続けているが、一杯に酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリーン側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリーン判定値VLに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。このように目標空燃比A/Ftは触媒後センサ18の出力をトリガにして反転される。
そして、今度は触媒11にリッチガスが流入されることとなる。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素が放出され続ける。触媒11から酸素が放出され続けると、やがて触媒11からは全ての吸蔵酸素が放出され尽くし、その時点でそれ以上酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリッチ側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ判定値VRに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
酸素吸蔵容量OSCが大きいほど、酸素を吸収或いは放出し続けることのできる時間が長くなる。つまり、触媒が劣化していない場合は目標空燃比A/Ftの反転周期(例えばt1からt2までの時間)が長くなり、触媒の劣化が進むほど目標空燃比A/Ftの反転周期は短くなる。
そこで、このことを利用して酸素吸蔵容量OSCが以下のようにして計測される。図4に示すように、時刻t1で目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられた直後、僅かに遅れて実際値としての触媒前空燃比A/Ffrがリッチ空燃比A/Frに切り替わる。そして触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t11から、次に目標空燃比A/Ftが反転する時点t2まで、次式(1)により、所定の微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSC(酸素吸蔵容量の瞬時値)が算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが時刻t11から時刻t2まで積算される。こうしてこの酸素放出サイクルにおける酸素吸蔵容量即ち放出酸素量が計測される。
Figure 2009097474
ここで、Qは燃料噴射量であり、空燃比差ΔA/Fに燃料噴射量Qを乗じるとストイキに対し不足又は過剰分の空気量を算出できる。Kは空気に含まれる酸素割合(約0.23)を表す定数である。
基本的には、この1回で計測された酸素吸蔵容量OSCを用い、これを所定の劣化判定値OSCsと比較し、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCsを超えていれば正常、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCs以下ならば劣化、というように触媒の劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では精度を向上させるため、目標空燃比A/Ftがリーン側となっている酸素吸蔵サイクルでも同様に酸素吸蔵容量(この場合酸素吸蔵量)を計測し、これら酸素吸蔵容量の平均値を1吸放出サイクルに係る1単位の酸素吸蔵容量として計測している。そしてさらに、吸放出サイクルを複数回繰り返し、複数単位の酸素吸蔵容量の値を得、その平均値を最終的な酸素吸蔵容量計測値とし、劣化判定値と比較して、最終的な劣化判定を行っている。なお触媒が劣化と判定されたときにはその事実をユー
ザ(ドライバ)に告知するため、図示しない警告装置(チェックランプ等)を作動させるのが好ましい。
酸素吸蔵サイクルにおける酸素吸蔵容量(酸素吸蔵量)の計測については、図4に示すように、時刻t2で目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられた後、触媒前空燃比A/Ffrが中心空燃比A/Fcに達した時点t21から、次に目標空燃比A/Ftがリッチ側に反転する時点t3まで、前式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが積算される。こうしてこの酸素吸収サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC即ち吸蔵酸素量(図4のOSC2)が計測される。前回サイクルの酸素吸蔵容量OSC1と今回サイクルの酸素吸蔵容量OSC2とはほぼ等しい値となるはずである。
次に、ECU20による触媒11の劣化検出処理の一例について図5に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図5に示す処理は、例えば、所定時間毎に繰り返し実行される。
先ず、酸素吸蔵容量Cmaxを計測する(ステップS1)。酸素吸蔵容量Cmaxの計測は、上述した通りである。
次いで、前回計測した酸素吸蔵容量Cmaxと今回計測した酸素吸蔵容量Cmaxとの差から変動量ΔCmaxを算出する(ステップS2)。
次いで、変動量ΔCmaxと所定のしきい値Cとを比較する(ステップS3)。ステップS3は、触媒11が硫黄被毒しているかを判定するためのステップである。
ここで、触媒11が硫黄被毒すると、例えば、図6に示すように、計測した酸素吸蔵容量Cmaxが低下することが知られている。このため、ステップS3において、変動量ΔCmaxがしきい値Cよりも大きい場合(非正常値の場合)には、触媒11が硫黄被毒していると判断する。
触媒11が硫黄被毒していないと判断した場合には、ステップS1で取得した酸素吸蔵容量Cmaxに基づいて上述した触媒の劣化診断を実行する(ステップS7)。
ステップS3において、触媒11が硫黄被毒していると判断した場合には、触媒11の温度が所定温度Tcndよりも高いかを判断する(ステップS4)。
ここで、硫黄による酸素吸蔵容量Cmaxの低下量は、触媒11の温度(床温)の条件により異なり、例えば、図7に示すように、触媒11の温度(床温)が高いほうが硫黄(S)の影響が小さい。このため、触媒11が硫黄被毒の影響を受けにくい温度である所定温度Tcndよりも高いかを判断する。
触媒11の温度が所定温度Tcndよりも低い場合には、例えば、点火時期を遅角して触媒11の温度を上昇させる(ステップS5)。
触媒11の温度が所定温度Tcndよりも高い場合には、触媒11の上流の空燃比A/Fをアクティブ制御する際の目標空燃比A/Ftを、その中心空燃比A/Fcを、例えば、図8に示すように、リッチ側に寄せて新たな中心空燃比A/Fc’をもつ目標空燃比A/Ft’とし、酸素吸蔵容量Cmaxを再計測する(ステップS6)。
ここで、中心空燃比A/Fcをリッチ側に寄せて中心空燃比A/Fc’とするのは、例えば、図9に示すように、中心空燃比がリッチ側にあると、酸素吸蔵容量Cmaxに対する硫黄の影響が小さいからである。これは、中心空燃比をリッチ側に寄せると、触媒11が酸素を放出する際にリッチ成分が増し、反応を促進させることができるからである。
ステップS6において酸素吸蔵容量Cmaxが再計測されると、再計測された酸素吸蔵容量Cmaxに基づいて上述した触媒の劣化診断を実行する(ステップS7)。これにより、硫黄による影響を可能な限り排除した触媒11の劣化診断が可能になる。
次に、ECU20による触媒11の劣化検出処理の他の例について図10に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図10に示す処理は、例えば、所定時間毎に繰り返し実行される。
図10に示す処理において、図5に示した処理と異なる点は、ステップS12のみである。
ステップS12は、初期基準値Cmax_INITと最新の酸素吸蔵容量Cmaxとの差分ΔCmaxを算出する。初期基準値Cmax_INITは、通常燃料による新しい触媒の酸素吸蔵容量Cmaxの学習値であり、予め算出された学習値がECU20に保持されている。
このように、初期基準値Cmax_INITと最新の酸素吸蔵容量Cmaxとの差分ΔCmaxを算出し、この差分ΔCmaxに基づいて硫黄被毒の有無を判断することにより、途中からではなく、エンジンの使用当初から硫黄を含む粗悪燃料の検出を確実に行うことができる。
上記実施形態では、ECU20により本発明の各手段を実現した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、本発明の各手段を複数のECUにより実現することも可能である。
本発明の一実施形態の構成を示す概略図である。 触媒の構成を示す概略断面図である。 アクティブ空燃比制御を説明するためのタイムチャートである。 図3と同様のタイムチャートであり、酸素吸蔵容量の計測方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る触媒劣化検出処理の手順を示すフローチャートである。 酸素吸蔵容量に対する硫黄被毒の影響を示す図である。 触媒温度と硫黄被毒との関係を示すグラフである。 触媒上流空燃比をアクティブ制御する際に中心空燃比をリッチ側に寄せる処理を説明するための図である。 中心空燃比と硫黄被毒との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る触媒劣化検出処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…内燃機関
6…排気管
11…触媒
12…インジェクタ
14…クランク角センサ
15…アクセル開度センサ
17…触媒前センサ
18…触媒後センサ
20…電子制御ユニット(ECU)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する内燃機関の触媒劣化診断装置であって、
    触媒上流空燃比をアクティブ制御する空燃比制御手段と、
    触媒上流空燃比のアクティブ制御時の触媒の酸素吸蔵容量を計測する吸蔵容量計測手段と、
    前記吸蔵容量計測手段の計測した酸素吸蔵容量に基づいて、触媒劣化診断をする劣化診断手段と、を有し、
    前記劣化診断手段は、前記吸蔵容量計測手段の計測した酸素吸蔵容量が非正常値の場合には、触媒温度が所定温度以上で、かつ、触媒上流空燃比をアクティブ制御する際の中心空燃比をリッチ側に寄せた条件下で再計測した酸素吸蔵容量に基づいて触媒劣化診断をする、
    ことを特徴とする触媒劣化診断装置。
  2. 計測された酸素吸蔵容量の変化量に基づいて、計測した酸素吸蔵容量が正常値か非正常値かを判断する判断手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化診断装置。
  3. 計測された酸素吸蔵容量と初期基準値との比較に基づいて、計測した酸素吸蔵容量が正常値か非正常値かを判断する判断手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化診断装置。
  4. 前記酸素吸蔵容量を再計測する際に、触媒温度が所定温度よりも低い場合には、触媒温度が所定温度以上となるように触媒を昇温させる昇温手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化診断装置。
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