JP2009092741A - 画像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常の定型サイズでの生産性、省エネ性に優れ、定型サイズ位置外へのトンボの印字等が必要とされる場合でも、装置を大型化することなく、加熱不良を防止することができる、誘導加熱方式の画像加熱装置を提供する。
【解決手段】磁束を発生する励磁コイル32を有する磁場発生手段31と、前記磁束の作用により電磁誘導発熱する導電部材を有し、記録材13上の画像tをニップ部Nにて加熱するための加熱部材23と、を有する画像加熱装置であって、加熱部材23の、磁場発生手段による有効加熱領域幅の両端外側領域部を加熱するための補助加熱手段25と、制御手段100と、を有し、制御手段は、磁場発生手段31だけで加熱部材23を加熱する第1の制御モードと、磁場発生手段31及び補助加熱手段25とで加熱部材を加熱する第2の制御モードを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式等を採用した画像形成装置に用いられる、記録材上の画像を加熱する、電磁(磁気)誘導加熱方式の画像加熱装置に関する。また、この画像加熱装置を像加熱手段として備えた画像形成装置に関する。
この画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。また、インクジェット方式などの染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすための装置を挙げることができる。
記録材上の未定着画像を定着する定着装置としては、従来から熱ローラ方式やフィルム加熱方式等の接触加熱方式の装置が広く用いられている。このような装置は、加熱部材の加熱源としてハロゲンランプや発熱抵抗体を用い、これに電流を流して発熱させ、その熱を伝熱部材としてのローラやフィルム等を介し、被加熱材としての記録材に与えて未定着画像の加熱定着を行っている。
また、電磁誘導加熱方式の定着装置も知られている。この装置は、磁場発生手段により磁束を発生させて、定着部材(加熱部材)としての定着ローラに作用させる。即ち、定着ローラ対して渦電流を発生させジュール熱によって発熱させる。このように渦電流の発生で直接定着ローラを加熱することで、ハロゲンランプを用いた熱ローラよりも消費エネルギーの効率アップが達成できる。
また、定着部材は定着ローラの他、無端状の定着ベルトが一般に用いられており、該無端状ベルトには複数の支持ローラやガイドによって張架されたタイプ(特許文献1)と、内部に押圧部材を有し無張架の状態で周回駆動されるタイプ(特許文献2)とがある。
定着ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基層とし、加熱ローラに比べ熱容量が小さいため、加熱ローラより短時間でウォーミングアップを行なうことができる。
特開2006−259330号公報 特開2002−148983号公報
近年、印字できる許容用紙幅(記録材幅:記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法)が大きくなって、従来のA3用紙より一回り大きい用紙に印字を行なう場合などもある。その場合、オフィス向けプリンタなどでは、装置の小型化が重要である反面、最大通紙幅での画像を保障するために、装置が大型化してしまう。特に、特許文献1や2における磁場発生手段としての電磁誘導コイルは、定着ベルトの加熱領域幅に比べ、コイル幅が大きくなるので画像形成装置が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上述した従来の問題点にかんがみて提案されたものである。その目的とするところは、通常の定型サイズでの生産性、省エネ性に優れ、定型サイズ位置外へのトンボの印字等が必要とされる場合でも、装置を大型化することなく、加熱不良を防止することができる、誘導加熱方式の画像加熱装置を提供することにある。また、この画像加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
ここで、トンボの印字のトンボとは、裁断の際の位置の目安とされるものであり、用紙の四隅に十文字が表され、或いは各辺中央部の付近に所定長の線分が表されるものである。
上記目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、磁束を発生する励磁コイルを有する磁場発生手段と、前記磁束の作用により電磁誘導発熱する導電部材を有し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための加熱部材と、を有する画像加熱装置であって、前記加熱部材の、前記磁場発生手段による有効加熱領域幅の両端外側領域部を加熱するための補助加熱手段と、制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記磁場発生手段だけで前記加熱部材を加熱する第1の制御モードと、前記磁場発生手段及び前記補助加熱手段とで前記加熱部材を加熱する第2の制御モードを有することを特徴とする。
本発明によれば、通常の定型サイズでの生産性、省エネ性に優れ、定型サイズ位置外へのトンボの印字等が必要とされる場合でも、装置を大型化することなく、加熱不良を防止することができる、誘導加熱方式の画像加熱装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。また、図面に描いた構成部材や構成部分の長さ・幅・厚み等の相互寸法比率各種記録材サイズの相互寸法比率は、記載した実寸の比率に対応しているものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
本実施例の画像形成装置は、記録材上に未定着画像を形成する作像手段と、記録材上の未定着画像を定着させる像加熱手段としての電磁誘導加熱方式の定着装置を有する画像形成装置である。そして、通常の定型サイズの記録材での生産性、省エネ性に優れ、定型サイズ記録材位置外へのトンボの印字等が必要とされる場合でも、装置を大型化することなく、画像不良を防止することができる定着装置を有する画像形成装置である。
図1は本実施例の画像形成装置の概略図である。この画像形成装置は、ホストコンピュータ等の外部装置200から画像形成装置の制御回路部100へ入力する電気的画像情報に対応した画像を記録材に形成して出力する、電子写真方式のフルカラーレーザプリンタである。制御回路部100は画像形成装置の動作を統括的に制御する電気回路であり、画像形成動作開始信号が入力すると画像形成動作シーケンス制御を開始する。本実施形態では、A4サイズ(210mm×297mm)の記録材を横方向の通紙(横送り)で毎分40枚プリントすることが可能な画像形成装置である。
Y・M・C・Kは図面上左から右に一列に配置した第1乃至第4の4つのトナー像形成部であり、それぞれ、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の色トナー像を形成する電子写真プロセス機構である。
各トナー像形成部には、それぞれ、像担持体としての感光ドラム2Y・2M・2C・2Kが設置されている。各感光ドラムの周囲には、帯電ローラ3Y・3M・3C・3K、現像装置4Y・4M・4C・4K、1次転写ローラ5Y・5M・5C・5Kが設置されている。また、各トナー像形成部の帯電ローラと現像装置間の上方には露光装置(レーザ光走査露光装置)6Y・6M・6C・6Kが設置されている。
感光ドラム2Y・2M・2C・2Kは、本例ではOPC感光層を有した負帯電性の有機感光ドラムであり、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)にそれぞれ所定の速度で回転駆動される。
帯電ローラ3Y・3M・3C・3Kは、それぞれの感光ドラムに所定の圧接力で接触し、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラムの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
露光装置6Y・6M・6C・6Kは、外部装置200から制御回路部100に入力する画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、対応する感光ドラム2Y・2M・2C・2Kの均一帯電処理面を走査露光する。これにより、各感光ドラムの表面に、露光した画像情報に応じた静電潜像が形成される。
現像装置4Y・4M・4C・4Kは、本例では2成分現像方式であり、それぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナーが収納されている。各現像装置は、現像バイアス電源(不図示)から現像ローラに印加される、感光ドラムの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスによって感光ドラム上に形成された静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像をトナー像として反転現像する。
1次転写ローラ5Y・5M・5C・5Kは、中間転写体としての中間転写ベルト1を介して各感光ドラム2Y・2M・2C・2Kの表面に所定の押圧力で接触している。中間転写ベルト1は、駆動ローラ8と、2次転写対向ローラ7と、従動ローラ9との間に張架されており、駆動ローラ8の回転駆動によって、感光ドラム2Y・2M・2C・2Kの回転に同期して矢印方向(時計方向)に回転駆動される。
各トナー像形成部において、感光ドラムと中間転写ベルトとの当接部が1次転写部であり、1次転写ローラに対して1次転写バイアス電源(不図示)からトナーとは逆極性の1次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、各感光ドラム2Y・2M・2C・2Kの表面に形成されるトナー像が、回転駆動されて移動する中間転写ベルト1上に順次に所定に重ね合わせられて1次転写される。すなわち、中間転写ベルト1上には、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色トナー像の重畳からなる多色画像のトナー像が形成される。
2次転写対向ローラ7には中間転写ベルト1を介して2次転写ローラ10を圧接させてある。中間転写ベルト1と2次転写ローラ10との当接部が2次転写部である。2次転写ローラ10には2次転写バイアス電源(不図示)からトナーとは逆極性の2次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。そして、給紙部から2次転写部に所定の制御タイミングで搬送された記録材13に対して、中間転写ベルト1上の多色画像のトナー像が一括して2次転写される。
2次転写部を出た記録材13は中間転写ベルト1面から分離されて、加熱装置としての定着装置12へ導入され、定着ニップ部で多色画像のトナー像の加熱加圧定着を受ける。そして、記録材13は多色画像形成物(フルカラー画像形成物)として外部に排出される。また、記録材分離後の中間転写ベルト1面はクリーナ11により清掃される。
14はカセット給紙部、15は手差し給紙部(マルチ・パーパス・トレイ)である。所定の制御タイミングで給紙ローラ16又は17が駆動されることで、カセット給紙部14又は手差し給紙部15から記録材13が1枚分離給紙され、シートパス18で2次転写部に向けて搬送される。そして、レジストローラ19により、所定の制御タイミングで2次転写部に給送される。すなわち、中間転写ベルト1上の多色画像のトナー像の先端が2次転写部に移動されるタイミングに合わせて、記録材13が2次転写部に導入される。
本例の画像形成装置においては、記録材13の通紙基準は、カセット給紙部14からの給紙・搬送も、手差し給紙部15からの給紙・搬送も記録材幅中心の中央基準である。
(2)定着装置12
図2は定着装置12の要部の正面模型図、図3は同じく縦断正面模型図、図4は同じく拡大横断面模型図である。
この定着装置12は、磁束を発生する励磁コイルを有する磁場発生手段と、前記磁束の作用により電磁誘導発熱する導電部材を有し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための加熱部材と、を有する電磁誘導加熱方式の画像加熱装置である。
21は定着ベルトアセンブリ、22は加圧部材としての弾性加圧ローラである。この定着ベルトアセンブリ21と加圧ローラ22とを上下に並行に配列して、加圧ローラ22の弾性に抗して圧接させて、定着ベルトアセンブリ21側の加熱部材(定着部材)としての定着ベルト23と加圧ローラ22との間に定着ニップ部Nを形成させている。
定着ベルトアセンブリ21において、定着ベルト23は、円筒状(エンドレスベルト状、スリーブ状)で、可撓性を有する、少なくとも導電部材(導電層)を有する電磁誘導発熱性のベルト(加熱回転体)である。24は横断面略半円弧状樋型で、耐熱性、剛性を有する定着ベルトガイド部材(以下、ガイド部材と記す)である。25は補助加熱手段としての面状発熱体であり、ガイド部材24の外面に、該部材の長手に沿って設けた溝部に嵌め入れて固定されている。定着ベルト23は、面状発熱体25を取り付けたガイド部材24に対してルーズに外嵌させてある。26は横断面下向きコ字型の剛性加圧ステイ(以下、ステイと記す)であり、ガイド部材24の内側に挿通されている。27はステイ26の一方側の端部と他方側の端部にそれぞれ嵌着された端部ホルダ、27aはこの端部ホルダ27と一体のフランジ部(鍔座部)である。
図5は本例における定着ベルト23の層構成模型図である。この定着ベルト23は、円筒状の基体層23aと、基体層23aの内周面に設けた内面コート層23bと、基体層23aの外周面に順次に積層して設けた弾性層23cと離型層23dの複合層構成の部材であり、全体に可撓性を有している。
基体層23aは導電部材(導電層)であり、後述する磁場発生手段の磁束の作用により誘導電流(渦電流)を発生してジュール熱により発熱する電磁誘導発熱層である。本例では、この基体層23aとして内径30mm程度で、厚さが30μm程度の円筒状のニッケル電鋳ベルトを用いた。基体層23aとしては、磁場発生手段の磁束によって加熱される構成であればよい。ニッケル電鋳ベルトであれば、厚さが20〜100μm程度であればよい。また、基体層23aとしては、厚さが90μm程度のポリイミドに、銅、銀などの金属薄膜を多層積層した形態のものを用いてもよい。
内面コート層23bとしては、定着ベルト内包物との摺動摩擦を低下させるために、ポリイミドを20μm設けた。その他、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂層を10〜50μm設けても良い。更に、この層にベルト内面の表面粗さをあらして定着ベルト内包物との摺動摩擦を更に低下させるために微粒子を分散させたものを用いても良い。
弾性層23cとしては、厚さ300μm程度のシリコーンゴムを用いた。また、離型層23dとしては、厚さ30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)やPTFEコーティング加工層を用いた。或いはPFAチューブを用いることもできる。
加圧ローラ22は、芯金22aと、その外回りにローラ状に一体に形成した弾性層22bと、その弾性層の外周面を被覆させた離型層22cを有する、外径30mm程度のソフトローラである。芯金22aは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材やアルミ材を用いた、肉厚2mm程度の円筒状の金属パイプである。弾性層22bは、厚さ3mmのシリコーンゴム層である。離型層22cは、厚さ50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブである。
加圧ローラ22は、芯金22aの一方側の端部と他方側の端部を、それぞれ、定着装置フレームの一方側の側板28Lと他方側の側板28Rとの間に軸受部材29を介して回転自由保持させて配設されている。また、芯金22aの一方側の端部には駆動ギアGを同心一体に取り付けられている。
定着ベルトアセンブリ21は、加圧ローラ22の上側において、面状発熱体25側を下向きにして並行に配列されている。定着ベルトアセンブリ21の一方側の端部ホルダ27と他方側の端部ホルダ27は、それぞれ、定着装置フレームの一方側の側板28Lと他方側の側板28Rに設けられた、縦方向のガイドスリット30に係合している。そして、一方側の端部ホルダ27の上面と他方側の端部ホルダ27の上面を、それぞれ、加圧機構(不図示)により所定の押圧力Fで下方に押圧付勢させている。この押圧付勢により、ステイ26に下方への加圧力が作用してガイド部材24に保持させた面状発熱体25の下面が定着ベルト23を介して加圧ローラ22の上面に弾性層22bの弾性に抗して圧接される。これにより、定着ベルト23と加圧ローラ22との間に、加熱定着に必要な、記録材搬送方向aにおいて所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
加圧ローラ22は、駆動ギアGが駆動機構Mから駆動力を受けることにより、図4において記録材搬送方向である矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動により、加圧ローラ22の外面と定着ベルト23の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で定着ベルト23に回転力が作用する。これにより、定着ベルト23がガイド部材24の外回りを定着ベルト内面が面状発熱体25の下向き面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に従動回転する。ガイド部材24は面状発熱体25を支持するとともに、回転する定着ベルト23の内面を長手方向全域にわたってガイドする機能を持つ。また、回転する定着ベルト23のガイド部材長手方向に沿う寄り移動は、定着ベルトアセンブリ21の一方側の端部ホルダ27に設けたフランジ部27aの内面、又は他方側の端部ホルダ27に設けたフランジ部27aの内面により規制される。
31は定着ベルト23の導電部材である基体層23aに誘導電流を発生させることで電磁誘導発熱させる磁場発生手段としての電磁誘導加熱コイルユニット(以下、コイルユニットと記す)である。このコイルユニット31は、定着ベルトアセンブリ21の上側において定着ベルト23の外面に所定の隙間をあけて対面させて配設されている。
コイルユニット31は、励磁回路(外部電源)51から電流を供給し、定着ベルト23(基体層23a)に誘導電流を発生させるための励磁コイル(以下、コイルと記す)32を有する。本例においては、コイル32には、約25kHzの高周波電圧が励磁回路51から供給される。また、コイルユニット31は、コイル32から発生する磁束を集中させるための磁性コア33と、定着ベルト23とコイル32が直接接触するのを防ぐためのコイルカバー34を有している。コイル32は銅線を横長・扁平のシート状渦巻きコイルに巻回したものである。銅線はリッツ線であり、被覆には耐熱温度の高いものを使用することが望ましい。本例では被覆にポリイミドを使用しており耐熱温度は230℃である。磁性コア33としては、透磁率が大きく自己損失の小さい材料が良く、例えばフェライト、パーマロイ、センダスト等が適している。
コイルユニット31は、横断面において、円筒状の定着ベルト23の外周面に対応させて湾曲させてある。そして、定着ベルト23の外周面との間に所定の隙間をあけて対面させた状態にして、ブラケット35により定着装置フレームの側板28L・28Rに固定して支持させてある。
コイルユニット31のコイル32には励磁回路51から交流電流(高周波電流)が流される。これによりコイルユニット31に生じる交番磁界(磁束)により、回転する定着ベルト23が電磁誘導で発熱して昇温していく。この定着ベルト23の表面温度が、定着ベルト23の幅方向(回転軸線方向)中央部の外面又は内面に接触或いは非接触で設けた温度検出手段としての第1の温度センサ(例えばサーミスタ)TS1により検出される。そして、この温度センサTS1の検出温度に関する電気的情報が制御回路部100へ入力する。制御回路部100はこの温度センサTS1からの温度に関する電気的情報が所定のほぼ一定値に維持されるように励磁回路51からコイルユニット31のコイル32に対する供給電力を制御する。これにより、定着ベルト23の表面温度が所定の目標温度(定着温度)に温調制御される。本実施例では定着温度180℃で温調制御される。
補助加熱手段としての面状発熱体25は、後述するように、定着ベルト23の、コイルユニット31による有効加熱領域幅の両端部外側領域を加熱する手段である。より具体的には、コイルユニット31のコイル32のコイル巻き返し部R・Rでの定着ベルト温度ダレをカバーするように定着ベルト23を加熱する加熱手段である。
図6は、本実施例における面状発熱体25の構成模型図であり、(a)は表面側の平面模型図、(b)は表面保護層を除去した状態の表面側の平面模型図、(c)は裏面側の平面模型図である。ここで、面状発熱体25について、表面側とは定着ベルト23に接触する側であり、裏面側とは定着ベルト23に接触側とは反対面側である。
25aは、SiC、AlN、Al等のセラミックス系の絶縁基板(耐熱性・良熱伝導性・電気絶縁性のヒータ基板)であり、記録材搬送方向aに交差(直交)する方向を長手とする横長の薄板部材である。この基板25aの表面側には、長手方向一端部側から他端部側に、第1給電電極部25b、第1導電路25c、第1抵抗発熱体部25d、第2導電路25e、第2抵抗発熱体部25f、第3導電路25g、第2給電電極部25h、が一連に形成されている。第1給電電極部25bと第1抵抗発熱体部25dは第1導電路25cを介して電気的に導通している。第1抵抗発熱体部25dと第2抵抗発熱体部25fは第2導電路25eを介して電気的に導通している。第2抵抗発熱体部25fと第2給電電極部25hは第3導電路25eを介して電気的に導通している。第1抵抗発熱体部25dと第2給電電極部25hは、通電により発熱する部分であり、銀パラジウム(Ag/Pd)などの抵抗発熱材料を用いたペースト印刷等で形成されている。第1給電電極部25b、第1導電路25c、第2導電路25e、第3導電路25g、第2給電電極部25hは通電により実質的に発熱を生じない部分であり、Agなどの低抵抗材料を用いたペースト印刷等で形成されている。
第1導電路25c、第1抵抗発熱体部25d、第2導電路25e、第2抵抗発熱体部25f、第3導電路25gの部分を被わせて、保護層(摺動層)25iが形成されている。この保護層25iは、ガラス・フッ素系樹脂などの耐熱材料を用いたペースト印刷等で形成されている。
基板25aの裏面側の第1抵抗発熱体部25dの位置に対応する部分には、温度検出手段としての第2の温度センサ(例えばサーミスタ)TS2が、接触或いは非接触で配設されている。
上記の面状発熱体25は、ガイド部材24の下面に長手に沿って設けた溝部に、表面側を露呈させて嵌め込んで保持させてある。定着ベルト23は、その内面が面状発熱体25の保護層25iの面に接触して摺動移動する。
その面状発熱体25の一端部側と他端部側には、それぞれ、第1と第2の給電用コネクタ52Lと52Rが装着される。これにより、第1給電電極部25bと第2給電電極部25hがそれぞれ第1と第2の給電用コネクタ52Lと52Rを介して通電回路(外部電源)52と電気的に導通化される。
そして、通電回路52から第1と第2の給電用コネクタ52Lと52Rを介して第1給電電極部25bと第2給電電極部25hとの間に給電されることで、第1抵抗発熱体部25dと第2抵抗発熱体部25fとが発熱する。これにより、第1抵抗発熱体部25dと第2抵抗発熱体部25fの位置に対応する面状発熱体部分が昇温する。
面状発熱体25は第1抵抗発熱体部25dと第2抵抗発熱体部25fの発熱により、コイルユニット31の幅方向両端部の巻き返し部R・Rに対応する定着ベルト部分の温度ダレ領域部分を加熱するように構成されている。
本実施例においては、第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fは、同じ長さ、同じ発熱量に設定されており、第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fの位置に対応する面状発熱体部分は同じように昇温する。本実施例においては、第1抵抗発熱体部25dの位置に対応する面状発熱体部分の昇温が第2の温度センサTS2により検出される。そして、この温度センサTS2の検出温度に関する電気的情報が制御回路部100へ入力する。制御回路部100はこの温度センサTS2からの温度に関する電気的情報が所定のほぼ一定値に維持されるように通電回路52から面状発熱体25に対する供給電力を制御する。これにより、面状発熱体25の第1抵抗発熱体部25dと第2抵抗発熱体部25fの位置に対応する部分の温度が所定の定着温度(画像加熱時の目標温度)に温調制御される。本実施例では定着温度180℃で温調制御される。
図7の(a)の(b)は、コイルユニット31による定着ベルト23の幅方向(回転軸線方向)の発熱分布を示したものである。また、図7の(c)と(d)は、面状発熱体25の定着ベルト幅方向の発熱分布を示したものである。
(a)に示すように、コイルユニット31は、コイル32に流れる電流が、対向する加熱部材である定着ベルト23に効率的に誘導電流を引き起こすようにコイル32が平板状に巻かれている。このコイル32の幅方向両端部のコイル巻き返し部R・Rとの間に対応する定着ベルト部分が、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1である。
コイル32の巻き返し部R・Rにそれぞれ対応する定着ベルト部分では、巻き返し部R・R間に対応する定着ベルト部分と比較して、発熱量が少なくなる。このようにコイル32の巻き返し部R・Rによる影響や、定着ベルト端部からの放熱により、コイルユニット31による定着ベルト幅方向の発熱分布は、(b)のように、定着ベルト両端部側で低くなってしまっている(温度ダレ領域部分)。
補助加熱手段としての面状発熱体25は、第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fの発熱により、(c)と(d)のように、定着ベルト23の、コイルユニット31が加熱する有効加熱領域幅W1の両端外側領域を加熱するように構成されている。この有効加熱領域幅W1の両端外側領域は、それぞれ、コイル32の幅方向両端部の巻き返し部R・Rに対応する定着ベルト部分の温度ダレ領域部分に対応する領域である。即ち、(d)のように、面状発熱体25の発熱分布は、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1の両端外側領域で高くなっている。このように面状発熱体25の接触により加熱される定着ベルト23の、前記両端外側領域の幅をそれぞれW2とする。
本実施例では、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1を297mm、面状発熱体25の第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fによる定着ベルト23の加熱領域幅W2・W2をそれぞれ16.6mmに設定している。
補助加熱手段としては、コイル32の巻き返し部R・Rでの定着ベルト23の温度ダレをカバーし、定着ベルト幅方向のスペースを必要としない上記のような面状発熱体25や実施例3のようなハロゲンヒータなどがのぞましい。
本実施例の画像形成装置において、被加熱材である各種幅サイズの記録材13の通紙は、いずれも記録材幅中心の中央基準搬送である。図2・図3において、Sはその中央基準線(仮想線)である。図2と図7において、Wtは最大画像保障幅、Wpは装置に通紙される記録材の最大通紙可能幅、W22は加圧ローラ幅(長さ)、W23は定着ベルト幅である。W1<Wt≦(W1+W2+W2)≦Wp≦W22≦W23の関係となるように構成されている。
ここで、最大画像保障幅とは、画像保障領域のことで、製品ごとに開示されている。この領域外は、通紙可能であるが、画像欠陥等が発生する恐れがある領域である。
本実施例の定着装置18は、定着ベルト23の表面回転速度が180mm/secであり、フルカラーの画像を1分間にA4サイズ(210mm×297mm:横送り)で、40枚定着処理できる。
図8は定着ベルト23の加熱制御のフローチャートである。本実施例において、制御回路部(制御手段)100は、コイルユニット(磁場発生手段)31だけで定着ベルト23を加熱する第1の制御モードと、コイルユニット31及び面発熱体(補助加熱手段)25とで定着ベルト23を加熱する第2の制御モードを有する。
より具体的に説明すると、制御回路部100は、定着装置12の起動(加圧ローラ22の回転駆動開始)と同時に、コイルユニット31のコイル32に対して励磁回路51から1000Wの電力を入力する(ステップS1:コイルユニット31−ON)。これにより、定着ベルト23が電磁誘導加熱されて昇温する。第1の温度センサTS1による定着ベルト温度検出情報が第1の温度センサTS1から制御回路部100に入力する。制御回路部100は、第1の温度センサTS1が定着目標温度である180℃以上を検出した後は、検出値に基づいて0〜1000Wの間で励磁回路51からコイル32への入力電力を調節する。即ち、定着ベルト23の加熱領域幅W1における温度を目標温度180℃で一定になるよう温調制御する(ステップS2)。定着ベルト23は、コイルユニット31の誘導加熱による直接加熱により、定着装置18の起動開始から約30秒という短時間で目標温度に達する。このように、制御回路部100は、定着装置の起動中は、コイルユニット(磁場発生手段)31のみで定着ベルト23を加熱する。
一方、制御回路部100には、外部装置200から、通紙使用する記録材の幅サイズ情報Aが入力する。或いは、カセット給紙部14又は手差し給紙部15から給紙された記録材13の幅サイズが記録材サイズ検出手段20(図1)により検出されて、その検出された幅サイズ情報Aが制御回路部100に入力する。
制御回路部100は、入力した記録材の幅サイズ情報Aから、通紙される記録材13の幅サイズが、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1以下であるか、有効加熱領域幅W1よりも大きいか、を判断する(ステップS3)。ここで、有効加熱領域幅W1以下の幅の記録材を定型サイズ記録材(通常サイズ記録材)、有効加熱領域幅W1よりも大きい幅の記録材を大サイズ記録材と記す。
制御回路部100は、通紙される記録材13が定型サイズ記録材の場合には、面発熱体25への通電はせずに、コイルユニット31だけに電力供給して定着ベルト23を目標温度180℃に温調制御しつつ、プリントを実行する(ステップS4)。定着装置12へ搬送された記録材13は進入ガイド12a(図4)にガイドされて定着ニップ部Nに導入され、定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程で、記録材13上の未定着トナー像tが定着ベルト23の熱と、定着ニップ部Nの圧力で、加熱・加圧されて固着像として定着される。
また、制御回路部100は、通紙される記録材13が大サイズ記録材の場合には、コイルユニット31に入力する最大電力を800Wに減らして定着ベルト23を目標温度180℃に温調制御する。また、制御回路部100は、補助加熱手段である面状発熱体25に対して通電回路52から200Wの電力が電力を入力する(ステップS5:面発熱体25−ON)。これにより、面発熱体25の第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fに対応する部分が同じように昇温する。制御回路部100は、第2の温度センサTS2が定着目標温度である180℃以上を検出した後は、通電回路52から面状発熱体25に対する入力電力を0〜200Wの間で調節して目標温度180℃で一定になるよう温調制御する(ステップS6)。これにより、定着ベルト23は、コイルユニット31による有効加熱領域幅W1に加えて、面状発熱体25の第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fの発熱により加熱領域幅W2・W2の部分が加熱される。即ち、面状発熱体25は、定着ベルト23の、コイルユニット31による有効加熱領域幅W1の両端外側領域(温度ダレ領域部分)を加熱する。制御回路部100は、この定着ベルト加熱状態において、大サイズ記録材を用いたプリントを実行する(ステップS4)。
例えば、100V・15Aの商用電源を用いた場合、画像形成装置において、定着装置12で使用が許される電力は1000W程度である。そこで、効率よく定着するためには、本実施例のように、通紙される記録材が定型サイズ記録材の場合は、発熱効率の高い誘導加熱の利点を最大限に活かし、コイルユニット31に最大1000W投入して定着ベルト23を加熱する。また、通紙頻度の少ない大サイズ記録材に対しては、コイルユニット31に入力する最大電力を800Wに減らし、面状発熱体25に余りの200Wを投入するとよい。
上述したように、制御回路部100は、第1の制御モードにおいては、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅内(W1内)の温度を所定の目標温度に温調制御する。また、第2の制御モードにおいては、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅内の温度を所定の目標温度に温調制御すると共に、面発熱体25により加熱される前記両端外側領域部W2・W2の温度を所定の目標温度に温調制御する。
また、制御回路部100は、装置に通紙される記録材の幅サイズ情報Aにより、上記の第1の制御モード又は第2の制御モードを選択して実行する。
また、制御回路部100は、装置に通紙される記録材の幅がコイルユニット31による有効加熱領域幅以下(W以下)であるときは前記第1の制御モードを実行する。また、装置に通紙される記録材の幅がコイルユニット31による有効加熱領域幅W1よりも大きいときは前記第2の制御モードを実行する。
本実施例の定着装置12に、大サイズ記録材として、330mm幅の、未定着トナー像を形成した記録材13を通紙した。即ち、上記のように、定着ベルト23をコイルユニット31と面状発熱体25の両方で加熱して大サイズ記録材の画像定着を行った。その結果、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1の両端外側領域でも定着ベルト温度は端部からの放熱等により175℃になっており、十分な定着強度を示した。面状発熱体25の上面のサーミスタTS2で180℃に制御されているため、伝熱により定着ベルト23の表面の温度は175℃に低下する。
比較のため、コイルユニット31には電力を投入するが、面状発熱体25には電力を投入せずに、大サイズ記録材の画像定着を行った。その結果、電源投入直後の定着ベルト23の温度が145℃と、誘導加熱方式と比較して35℃も低くなってしまい定着強度が不足してしまう結果となった。145℃の部分は、定着ベルト領域W2・W2である。誘導加熱方式とは、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1部分のことである。よって、180℃−145℃で、差は35℃である。
大サイズ記録材の画像定着のために、コイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅W1を最大画像保障幅Wtと等しく構成した場合、コイル43の巻き返し部分R・Rのために装置が大型化してしまう。また、装置の大型化を防ぐために、コイル32のかわりに、面状発熱体やハロゲンヒータなどを用いると、装置の立ち上げ性や生産性を低下させてしまう。
そこで、上記の本実施例の定着装置12のように構成することにより、定型サイズ記録材の場合は、定着ベルト23の加熱にコイルユニット31を用いることで、高効率で急速立ち上げが出来、かつ定着中の電力が少なくて済む。大サイズ記録材に対しては、更に、補助加熱手段としての、端部に発熱分布を有した面状発熱体25をコイルユニット31に加えて用いることで、装置を大型化することなく、大サイズ記録材に対応できる。
本実施例では、定着ベルト23の外側にコイルユニット31を配置したが、定着ベルト23の内部に該コイルユニット31を配置してもよい。
本実施例では、W1<Wt≦(W2+W1+W2)≦Wpの関係にあるように構成されている。前述のように、W1はコイルユニット31による定着ベルト23の有効加熱領域幅である。W2・W2は、それぞれ、面状発熱体25の第1と第2の抵抗発熱体部25dと25fの発熱による定着ベルト23の加熱領域幅である。Wtは画像形成装置の最大画像保障幅をWt、Wpは最大通紙可能幅である。
具体的には、本実施例では、W1=297mm、W2=16.5mm(W2+W2=33mm)、Wt=329mm、Wp=330.2mmとした。
ここで、本実施例では、コイルユニット31による定着ベルト23の加熱領域幅W1は、定型サイズ記録材のA4幅(横送り)に合わせて設計されている。これは、高効率なコイルユニット31により、オフィスでの使用頻度の高い定型サイズ記録材の出力時に高い生産性と電源ONからの早い立ち上がり性を得るためである。オフィスでの使用頻度の少ないノビなどの、定型サイズ記録材よりも幅が大きい大サイズ記録材を出力する場合には、コイルユニット31に加えて、補助加熱手段としての面状発熱体25も使用する。これにより、面状発熱体25がコイルユニット31による定着ベルト23の発熱分布外をカバーすることにより、最大画像保障幅Wtを定型サイズ記録材よりも大きくすることが可能である。
ノビなどの、定型サイズ記録材よりも幅が大きい大サイズ記録材を出力するために、コイルユニット31による加熱領域幅W1を最大画像保障幅Wtと等しく構成すると、コイルユニット31のコイル巻き返し部分R・Rのために、装置が大型化してしまう。また、装置の大型化を防ぐために、コイルユニット31のかわりに、面状発熱体やハロゲンヒータなどを用いると、装置の立ち上げ性や生産性を低下させてしまう。
そこで、コイルユニット31に、補助加熱手段としての面状発熱体25を組み合わせて、オフィスでの使用頻度の少ないノビなどの定型サイズよりも幅が大きい大サイズ記録材を出力する場合にのみ面状発熱体25を加えて使用する。これにより、補助加熱手段としての面状発熱体25によりコイルユニット31による定着ベルト23の加熱領域幅W1外をカバーすることで、最大画像保障幅Wtを定型サイズ記録材よりも大きくすることが可能である。
その結果、オフィスでの使用頻度の高い定型サイズ記録材は高効率で急速立ち上げが可能で、かつ定着中の電力が少なくて済む。そして、装置を大型化することなくオフィスでの使用頻度の低い定型サイズ記録材よりも幅が大きい大サイズ記録材に対応できる定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
[実施例2]
図9は本実施例における定着装置12Aの横断面模型図である。この定着装置12Aは定着ベルト61と加圧ベルト62を上下に圧接させて、記録材搬送方向aにおいて幅の広い定着ニップ部Na+Nbを形成させたベルトタイプの加熱装置である。定着ニップ部Naは補助ニップ部、定着ニップ部Nbは主ニップ部である。
定着ベルト61は並行2本の定着ローラ63と加熱ローラ64との間に懸回張設されている可撓性エンドレスベルトでる。加圧ベルト62も並行2本のバックアップローラ66とテンションローラ67との間に懸回張設されている可撓性エンドレスベルトである。定着ローラ63とバックアップローラ66とが、該両ローラ間に定着ベルト61と加圧ベルト62を挟んで所定の押圧力で圧接されている。また、加熱ローラ64とテンションローラ67とが、該両ローラ間に定着ベルト61と加圧ベルト62を挟んで所定の押圧力で圧接されている。これにより、定着ベルト61の下向き側ベルト面部分と加圧ベルト62の上向き側ベルト面部分との間に、記録材搬送方向aにおいて幅の広い定着ニップ部Na+Nbが形成されている。
加熱ローラ64の定着ベルト掛け回し部分には、磁場発生手段としての電磁誘導加熱コイルユニット(コイルユニット)31が定着ベルト61の外面に所定の隙間(ギャップ)をあけて対面させて配設されている。このコイルユニット31は、実施例1、2の定着装置12におけるコイルユニット31と同様の構成であるから、再度の説明は省略する。
本実施例の定着装置12Aにおいては、加熱ローラ64が、コイルユニット31磁束の作用により電磁誘導発熱する導電部材を有し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための加熱部材である。コイルユニット31により、誘導発熱体としての加熱ローラ64が誘導電流により加熱される。また、加熱ローラ64の内空中央部(加熱ローラの回転軸線部分)には、補助加熱手段としてハロゲンヒータ25Aが挿入されて配設されている。ハロゲンヒータ25Aは加熱ローラ64を輻射加熱により加熱する。ハロゲンヒータ25Aは実施例1の面状発熱体25と同様に動作し、入力する電力は最大200Wである。
定着ベルト61は、基体として、内径50mm程度で、厚さが70μm程度のポリイミドベルトを用いている。そして、この基体の外側(外周面)に、弾性層として、厚さ300μm程度のシリコーンゴムを被覆している。さらに、この弾性層の外側(外周面)に、離型層として、厚さ30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)やPTFEコーティング加工を施し、或いはPFAチューブを被覆している。
加圧ベルト62は、基体として、内径50mm程度で、厚さが90μm程度のポリイミド等の耐熱性樹脂ベルトを用いている。そして、この基体の外側(外周面)に、離型層として、厚さ30μm程度のPFAやPTFEコーティング加工を施し、或いはPFAチューブを被覆している。
定着ローラ63は、STKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材を用いた、肉厚2mm程度の円筒状の金属パイプ63aと、該金属パイプの外周面に設けた、厚さ1mm程度のシリコーンゴム層63bとを有する、外径20mm程度のソフトローラである。
加熱ローラ64は、鉄製の肉厚2mm程度の円筒状金属パイプ(導電層)64aと、この金属パイプ64aの外周面に形成した厚さ20μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)コーティング層64bとを有する、外径20mm程度のローラ部材である。加熱ローラ64は、外部に設けたコイルユニット3によって電磁誘導加熱される構成であればよく、導電層としての円筒状金属パイプ64aの肉厚としては、0.1〜5mm程度であればよい。
バックアップローラ66は、定着ローラ63と同じ構成のものを用いた。66aは金属パイプ、66bはシリコーンゴム層である。
テンションローラ67は、STKM等のスチール材を用いた、肉厚1mm程度の円筒状の金属パイプ67aと、該金属パイプの外周面に形成した、厚さ20μm程度のPFAコーティング67bとを有する、外径20mm程度のローラ部材である。
定着ローラ62を駆動ローラにして、この定着ローラ62が駆動機構Mにより矢印の時計方向に回転駆動される。この定着ローラ62の回転駆動により、定着ベルト61及び加熱ローラ64が矢印の時計方向に従動回転する。また定着ベルト61の回転に従動して、加圧ベルト62及びバックアップローラ66とテンションローラ67が矢印の反時計方向に回転する。定着ローラ62及びバックアップローラ66を駆動ローラにする、或いはバックアップローラ66のみを駆動ローラにして、定着ベルト61及び加圧ベルト62を回転させる構成にすることもできる。
コイルユニット31による加熱ローラ幅方向(回転軸線方向)の発熱分布は、実施例1における、コイルユニット31による定着ベルト23の幅方向(回転軸線方向)の発熱分布と同様である。
補助加熱手段としてのハロゲンランプ25Aは、実施例1における面発熱体25と同様に、コイルユニット31のコイル巻き返し部R・Rに対応する加熱ローラ部分の温度ダレ領域部分を加熱するように構成されている。このハロゲンランプ25Aの加熱ローラ幅方向(回転軸線方向)の発熱分布は、実施例1における面発熱体25の定着ベルト幅方向の発熱分布と同様である。
加熱ローラ64が、コイルユニット31により、又はコイルユニット31とハロゲンランプ25Aとにより加熱される。そしてで、この加熱ローラ64により定着ベルト61が加熱される。
制御回路部100は、定着装置12Aの起動(定着ローラ63の回転駆動開始)と同時に、コイルユニット31のコイル32に対して励磁回路51から最大1000Wの電力を入力する。これにより、加熱ローラ64が電磁誘導加熱されて昇温する。加熱ローラ64のコイルユニット31による有効加熱領域幅W1内の温度を検出する第1の温度センサTS1による温度検出情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100は、第1の温度センサTS1が定着目標温度である180℃以上を検出した後は、検出値に基づいて0〜1000Wの間で励磁回路51からコイル32への入力電力を調節する。即ち、実施例1の定着ベルトの場合と同様に、加熱ローラ64の有効加熱領域幅W1における温度を目標温度180℃で一定になるよう温調制御する。
また、制御回路部100は、入力した記録材の幅サイズ情報Aから、通紙される記録材13の幅サイズが、コイルユニット31による加熱ローラ64の有効加熱領域幅W1以下であるか、有効加熱領域幅W1よりも大きいか、を判断する。前者は記録材13が定型サイズ記録材の場合であり、後者は記録材13が大サイズ記録材の場合である。
制御回路部100は、通紙される記録材13が定型サイズ記録材の場合には、ハロゲンランプ25Aへの通電はせずに、コイルユニット31だけに電力供給して加熱ローラ64の有効加熱領域幅W1部分を目標温度180℃に温調制御しつつ、プリントを実行する。定着装置12Aへ搬送された記録材13は進入ガイド12aにガイドされて定着ニップ部Na・Nbに導入され、定着ニップ部Na+Nbを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程で、記録材13上の未定着トナー像tが、加熱ローラ64で加熱された定着ベルト61の熱と、定着ニップ部Na+Nbの圧力で、加熱・加圧されて固着像として定着される。
また、制御回路部100は、通紙される記録材13が大サイズ記録材の場合には、コイルユニット31に入力する最大電力を800Wに減らして加熱ローラ64の有効加熱領域幅W1部分を目標温度180℃に温調制御する。また、制御回路部100は、補助加熱手段であるハロゲンランプ25Aに対して通電回路52から200Wの電力が電力を入力する。この通電によるハロゲンランプ両端部側発熱部の発熱により、コイルユニット31のコイル巻き返し部R・Rに対応する加熱ローラ部分(温度ダレ領域部分)が加熱される。ハロゲンヒータ30は実施例1の面状発熱体25と同様に動作し、入力する電力は最大200Wである。
制御回路部100は、ハロゲンランプ25Aで加熱される加熱ローラ部分の温度を検出する第2の温度センサTS2が定着目標温度である180℃以上を検出した後は、ハロゲンランプ25Aに対する入力電力を制御する。即ち、ハロゲンランプ25Aに対する入力電力を0〜200Wの間で調節してハロゲンランプ25Aで加熱される加熱ローラ部分の温度が目標温度180℃で一定になるよう温調制御する。これにより、加熱ローラ64は、コイルユニット31による有効加熱領域幅W1に加えて、ハロゲンランプ25Aの両端部側発熱部の発熱により加熱領域幅W2・W2の部分が加熱される。即ち、ハロゲンランプ25Aは、加熱ローラ64の、コイルユニット31による有効加熱領域幅W1の外側領域(温度ダレ領域部分)を加熱する。制御回路部100は、この加熱ローラ加熱状態において、大サイズ記録材を用いたプリントを実行する。
定着ニップ部は、定着ベルト61と加圧ベルト62の間に形成される補助ニップ部Naと、定着ローラ63とバックアップローラ66との間に形成される主ニップ部Nbとにより構成される。そして、記録材13は進入ガイド板12aを通して定着ニップ部Na+Nbへ進入して挟持搬送され、記録材13上のトナー像tが加圧加熱される。これにより、トナー像tが記録材13上に固定定着させる。
また、定着ベルト61と加圧ベルト62の間に形成される補助ニップ部Naを安定して構成するために、定着ベルト61と加圧ベルト62の内側にそれぞれ対向して補助加圧パッド68・69を設ける構成にしてもよい。
本実施例の定着装置構成は、補助ニップ部Naは、比較的小さなスペースで大きな加熱時間を確保するのに有効であり、より生産性を高められる構成である。
本実施例では、定着ベルト61と加圧ベルト62を定着ローラ63とバックアップローラ66で加圧(押圧)する場合について説明した。変形例として、図10のように、加圧ベルト61の変わりに実施例1で用いた加圧ローラ22にし、加圧(押圧)するような構成でも有効なことは言うまでもない。
実施例1における画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の要部の正面模型図である。 定着装置の要部の縦断正面模型図である。 定着装置の要部の拡大横断面模型図である。 定着ベルトの層構成模型図である。 面発熱体の構成模型図である。 コイルユニットと面発熱体の発熱分布の説明図である。 定着ベルトの加熱制御のフローチャートである。 実施例2における定着装置の要部の拡大横断面模型図である。 変形例の定着装置の要部の拡大横断面模型図である。
符号の説明
12・・定着装置(画像加熱装置)、13・・記録材、21・・定着ベルトアセンブリ、22・・弾性加圧ローラ(加圧部材)、N・・定着ニップ部、23・・導電層を有する定着ベルト(加熱部材)、31・・電磁誘導加熱コイルユニット(磁場発生手段)、25・・面発熱体(補助加熱手段)

Claims (8)

  1. 磁束を発生する励磁コイルを有する磁場発生手段と、
    前記磁束の作用により電磁誘導発熱する導電部材を有し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための加熱部材と、
    を有する画像加熱装置であって、
    前記加熱部材の、前記磁場発生手段による有効加熱領域幅の両端外側領域部を加熱するための補助加熱手段と、
    制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記磁場発生手段だけで前記加熱部材を加熱する第1の制御モードと、前記磁場発生手段及び前記補助加熱手段とで前記加熱部材を加熱する第2の制御モードを有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記補助加熱手段が前記加熱部材に接触して加熱する面状発熱体であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記補助加熱手段が輻射加熱により前記加熱部材を加熱することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  4. 前記有効加熱領域幅をW1、前記補助加熱手段により加熱される前記両端外側領域部の幅をそれぞれW2、最大画像保障幅をWt、装置に通紙される記録材の最大通紙可能幅をWpとしたとき、
    W1<Wt≦(W2+W1+W2)≦Wp
    の関係にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像加熱装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいては、前記磁場発生手段による前記加熱部材の有効加熱領域幅内の温度を所定の目標温度に温調制御し、前記第2の制御モードにおいては、前記磁場発生手段による前記加熱部材の有効加熱領域幅内の温度を所定の目標温度に温調制御すると共に、前記補助加熱手段により加熱される前記両端外側領域部の温度を所定の目標温度に温調制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像加熱装置。
  6. 前記制御手段は、装置に通紙される記録材の幅サイズ情報により、前記第1の制御モード又は前記第2の制御モードを実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像加熱装置。
  7. 前記制御手段は、装置に通紙される記録材の幅が前記磁場発生手段による有効加熱領域幅以下であるときは前記第1の制御モードを実行し、装置に通紙される記録材の幅が前記磁場発生手段による有効加熱領域幅よりも大きいときは前記第2の制御モードを実行することを特徴とする請求項6に記載の画像加熱装置。
  8. 記録材上に未定着画像を形成する作像手段と、記録材上の未定着画像を定着させる像加熱手段と、を有する画像形成装置であって、前記像加熱手段が請求項1乃至7のいずれかに記載の画像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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