JP5183366B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式などによって画像形成を行う複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される画像加熱定着装置として用いて好適な電磁(磁気)誘導加熱方式の画像加熱装置に関する。
画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着或いは仮定着する定着装置、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置を挙げることができる。また、インクジェット方式などの、染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすため画像加熱装置等を挙げることができる。
記録材上の未定着画像を加熱定着する定着装置としては、従来から熱ローラ方式やベルト(フィルム)加熱方式等の接触加熱方式の装置が広く用いられている。このような装置は、加熱部材の加熱源としてハロゲンランプや発熱抵抗体を用い、これに電流を流して発熱させ、その熱を伝熱部材としてのローラやベルト(フィルム)等を介し、被加熱材としての記録材に与えて未定着画像の加熱定着を行っている。
また、電磁誘導加熱方式の定着装置も知られている。この装置は、磁場発生手段により磁束を発生させて、加熱部材(定着部材)としての定着ローラの金属基材に作用させる。即ち、定着ローラの金属基材に渦電流を発生させジュール熱によって発熱させる。このように渦電流の発生で定着ローラの金属基材を直接加熱することで、ハロゲンランプを用いた熱ローラよりも消費エネルギーの効率アップが達成できる。
また、電磁誘導加熱される定着部材は、定着ローラの他、低熱容量の無端状の定着ベルト(加熱ベルト)が一般に用いられており、内部に押圧部材を有し、定着ベルトを無張架の状態で周回駆動するタイプがすでに提案されている(特許文献1)。低熱容量の定着ベルトを電磁誘導加熱する方式では、定着ベルトを局所的に直接加熱することができるため、短時間で所定の温度まで加熱できる。また、特許文献1には、定着ベルトの内部に第2の磁性体を近接させることで、磁束の漏れを防ぎ、効率よく定着ベルトを加熱できることが記載されている。
一方で、局所的かつ急峻な温度変化がおこるため、定着ベルトの温度を正確に検知、制御する必要がある。そこで、特許文献2のような定着装置が提案されている。この特許文献2によれば、定着ベルトの内部に配した磁性体とコイルの磁性体を対向して千鳥状に配することで、定着ベルトの温度を正確に検知し、定着ベルトを均一に加熱できるとしている。
特開2002−148983号公報 特開2006−267332号公報
しかしながら、上述のような定着装置では次のような問題点がある。即ち、特許文献2に記載されている定着装置では、磁性体が間隔をもって配置されている。そのため、磁性体を内部に全面配置した場合に比べ磁気結合が弱まり、より大きな容量の電源が必要となってしまう。
また、定着ベルト内に配置され加圧ローラ方向に加圧する加圧対向部材は、長手で均一な定着性、光沢性を得るために、充分な剛性が必要になる。そのため、加圧対向部材は、金属で構成されることが多い。しかし、定着ベルト内で加圧対向部材が部分的にコアで覆われていないと、加圧対向部材に流れる渦電流により反磁場が発生し、定着ベルト上の磁場を弱め発熱量を低下させてしまい、温度ムラが発生する。
一方で、温度検知素子の信号線を定着ベルト内面に近接させて配置すると、コイルによる誘導電流によりノイズや昇温が発生し、正確な測定ができなくなってしまう。また、定着ベルト内面との摺擦や信号線の耐熱性が問題になる。
本発明は、加熱ベルトを用いた電磁誘導加熱方式の画像加熱装置についての上述した従来の問題点に鑑みて提案されたものである。その目的は、加熱ベルトの内面に磁性体を近接させ設けて磁気結合を強くした場合においても、温度検知素子の信号線のノイズ等を防ぎ、加熱ベルトを効率よく加熱し、加熱ベルトの表面温度を精度よく制御することができる画像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、導電層を有し回転可能な加熱ベルトと、前記加熱ベルトの外周面と圧接し回転可能な加圧部材と、前記加熱ベルトの内部にあって前記加熱ベルトを前記加圧部材の方向に向かって押圧する金属ステイと、前記金属ステイの加熱ベルト内周面側を覆い、前記加熱ベルトの内面に近接して配置された内部磁性部材と、前記加熱ベルトの外側に配設されていて前記加熱ベルトの前記導電層に誘導電流を発生させるコイルと磁性体コアを有する加熱手段であって、前記コイルは前記磁性体コアの一部を巻きつけるように構成された加熱手段と、前記加熱ベルトの温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検出値に基づき前記加熱ベルトの温度制御を行う温度制御手段と、を有し、前記加熱ベルトと前記加圧部材とのニップ部で画像を担持した記録材を加熱する画像加熱装置において、前記温度検知素子は前記加熱ベルトの内面に当接されており、前記温度検知素子の信号線は、前記内部磁性部材及び前記金属ステイとに対して、前記磁性体コアの前記コイルが巻きつけられた一部との対向位置において設けられた開口部を通して前記金属ステイの内側に配線され、前記金属ステイ)の端部から引き出されていることを特徴とする。
本発明によれば、温度検知素子の信号線のノイズ等を防ぎ、加熱ベルトを効率よく加熱し、加熱ベルトの表面温度を精度よく均一に制御することができる画像加熱装置を提供するができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
[実施例]
(1)画像形成装置例
図11は本実施例の画像形成装置の概略構成模型図である。本実施例の画像形成装置は、記録材上に未定着画像を形成する作像手段と、記録材上の未定着画像を定着させる定着装置としての電磁誘導加熱方式の画像加熱装置を有する画像形成装置である。この画像形成装置は、ホストコンピュータ等の外部装置200から画像形成装置の制御回路部100(制御手段:CPU)へ入力する電気的画像情報に対応した画像を記録材に形成して出力する、電子写真方式のフルカラーレーザプリンタである。制御回路部100は画像形成装置の動作を統括的に制御する電気回路であり、画像形成動作開始信号が入力すると画像形成動作シーケンス制御を開始する。本実施例の画像形成装置のプロセススピードは180mm/secであり、A4サイズ(210mm×297mm)の記録材を横方向の通紙(横送り)で毎分40枚プリントすることが可能な画像形成装置である。
Y・M・C・Kは図面上左から右に一列に配置した第1乃至第4の4つのトナー像形成部(画像形成部)であり、それぞれ、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(K)の4色の色トナー像を形成する電子写真プロセス機構である。
各トナー像形成部には、それぞれ、像担持体としての感光ドラム2(Y・M・C・K)が設置されている。各感光ドラムの周囲には、帯電ローラ3(Y・M・C・K)、現像装置4(Y・M・C・K)、1次転写ローラ5(Y・M・C・K)が設置されている。また、各トナー像形成部の帯電ローラと現像装置間の上方には露光装置(レーザ光走査露光装置)6(Y・M・C・K)が設置されている。
感光ドラム2は、本実施例ではOPC感光層を有した負帯電性の有機感光ドラムであり、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)にそれぞれ所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ3は、感光ドラムに所定の圧接力で接触し、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラムの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。露光装置6は、外部装置200から制御回路部100に入力する画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、対応する感光ドラム2の均一帯電処理面を走査露光する。これにより、各感光ドラムの表面に、露光した画像情報に応じた静電潜像が形成される。各現像装置4(Y・M・C・K)は、本実施例では2成分現像方式であり、それぞれY色・C色・M色・K色の色トナーが収納されている。各現像装置は、現像バイアス電源(不図示)から現像ローラに印加される、感光ドラムの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスによって感光ドラム上に形成された静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像をトナー像として反転現像する。1次転写ローラ5は、中間転写体としての中間転写ベルト1を介して各感光ドラムの表面に所定の押圧力で接触している。中間転写ベルト1は、駆動ローラ8と、2次転写対向ローラ7と、従動ローラ9との間に張架されており、駆動ローラ8の回転駆動によって、感光ドラム2の回転に同期して矢印方向(時計方向)に回転駆動される。
各トナー像形成部において、感光ドラムと中間転写ベルトとの当接部が1次転写部であり、1次転写ローラに対して1次転写バイアス電源(不図示)からトナーとは逆極性の1次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、各感光ドラム2の表面に形成されるトナー像が、回転駆動されて移動する中間転写ベルト1上に順次に所定に重ね合わせられて1次転写される。すなわち、中間転写ベルト1上には、Y色・C色・M色・K色の各色トナー像の重畳からなる多色画像のトナー像が形成される。
2次転写対向ローラ7には中間転写ベルト1を介して2次転写ローラ10を圧接させてある。中間転写ベルト1と2次転写ローラ10との当接部が2次転写部である。2次転写ローラ10には2次転写バイアス電源(不図示)からトナーとは逆極性の2次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。そして、給紙部から2次転写部に所定の制御タイミングで搬送された記録材13に対して、中間転写ベルト1上の多色画像のトナー像が一括して2次転写される。
2次転写部を出た記録材13は中間転写ベルト1面から分離されて、定着装置12へ導入され、定着ニップ部で多色画像のトナー像の加熱加圧定着を受ける。そして、記録材13は多色画像形成物(フルカラー画像形成物)として外部に排出される。また、記録材分離後の中間転写ベルト1面はクリーナ11により清掃される。
14はカセット給紙部、15は手差し給紙部(マルチ・パーパス・トレイ)である。所定の制御タイミングで給紙ローラ16又は17が駆動されることで、カセット給紙部14又は手差し給紙部15から記録材13が1枚分離給紙され、シートパス18で2次転写部に向けて搬送される。そして、レジストローラ19により、所定の制御タイミングで2次転写部に給送される。すなわち、中間転写ベルト1上の多色画像のトナー像の先端が2次転写部に移動されるタイミングに合わせて、記録材13が2次転写部に導入される。
本実施例の画像形成装置においては、記録材13の通紙基準は、カセット給紙部14からの給紙・搬送も、手差し給紙部15からの給紙・搬送も記録材幅中心の中央基準である。
(2)定着装置12
図1は定着装置12の要部の正面模型図、図2は同じく縦断正面模型図、図3は図1の(3)−(3)線に沿う拡大横断面模型図である。
以下の説明において、定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左又は右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向又は定着ベルトの回転方向(加熱ベルト回転方向)に関して上流側と下流側である。また、定着装置又はこれを構成している部材の長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向又は定着ベルトの回転軸線方向(加熱ベルト回転軸線方向)に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。また、記録材の通紙幅とは、記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
この定着装置12は、定着装置枠体(シャーシー、フレーム)の左右の側板50L・50R間に、ベルトユニット21と、回転可能な加圧部材としての弾性を有する加圧ローラ22と、加熱手段としてのコイルユニット(磁場発生手段)31が配設されている。本実施例において記録材Pの通紙は所謂中央基準搬送であり、Oはその中央基準線(仮想線)である。Wは装置に通紙使用される最大用紙幅の記録材Pの通紙幅(最大通紙幅)である。
a:ベルトユニット21
ベルトユニット21は、導電層を有し回転可能な加熱ベルト(誘導発熱体:磁束により発熱する回転可能な発熱部材)としての円筒状(エンドレスベルト状、スリーブ状)で可撓性を有する定着ベルト23を有する。また、定着ベルト23の内側に配設された、加圧パッド24と、押圧部材としての加圧ステイ(金属ステイ)25と、内部磁性部材としての内部コア26と、を有する。加圧ステイ25は定着ベルト23の内部にあって定着ベルト23を加圧ローラ22の方向に向かって押圧する金部材である。また、加圧ステイ25の左右両端部に装着された端部ホルダ27L・27Rを有する。また、温度検知素子28及び保安素子29を有する。加圧パッド24は加圧ステイ25の下側に位置し、内部コア26は加圧ステイ25の上側に位置している。加圧パッド24と加圧ステイ25の長手寸法は定着ベルト23の長手寸法よりも長くて、それぞれ、左右両端部が定着ベルト23の左右両端部から外方に突出している。本実施例においては加圧パッド24および加圧ステイ25の長さは360mmとしている。そして、加圧ステイ25の左右両端部に対してそれぞれ端部ホルダ27L・27Rが装着されている。図4は、上記の、加圧パッド24と、加圧ステイ25と、内部コア26と、端部ホルダ27L・27Rと、温度検知素子28及び保安素子29の分解斜視図である。
図5は本実施例における定着ベルト23の層構成模型図である。この定着ベルト23は、円筒状の基体層23aと、基体層23aの内周面に設けた内面コート層23bと、基体層23aの外周面に順次に積層して設けた弾性層23cと離型層23dの複合層構成の部材であり、全体に可撓性を有している。
基体層23aは導電層(導電部材)であり、コイルユニット31の磁束の作用により誘導電流(渦電流)を発生してジュール熱により発熱する電磁誘導発熱層である。本実施例では、この基体層23aとして内径30mm程度で、厚さが30μm程度の円筒状のニッケル電鋳ベルトを用いた。基体層23aとしては、コイルユニット31の磁束によって加熱される構成であればよい。ニッケル電鋳ベルトであれば、厚さが20〜100μm程度であればよい。また、基体層23aとしては、厚さが90μm程度のポリイミドに、銅、銀などの金属薄膜を多層積層した形態のものを用いてもよい。内面コート層23bとしては、定着ベルト内包物との摺動摩擦を低下させるために、ポリイミドを20μm設けた。その他、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂層を10〜50μm設けても良い。更に、この層にベルト内面の表面粗さをあらして定着ベルト内包物との摺動摩擦を更に低下させるために微粒子を分散させたものを用いても良い。弾性層23cとしては、厚さ300μm程度のシリコーンゴムを用いた。また、離型層23dとしては、厚さ30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)やPTFEコーティング加工層を用いた。或いはPFAチューブを用いることもできる。
加圧パッド24は、台座24aと、弾性層24bと、パットカバー24cと、の複合層構成の部材である。パットカバー24c側が定着ベルト23の内面に対面している。本実施例では、鉄製の台座24aに、弾性層24bとしてのシリコーンゴムが厚さ3tで成形されている。パッドカバー24cは、定着ベルト23の内面との摺動性を良くするために、ポリイミド製の基材にPTFEコーティングしたものを用いた。さらに摺動性をよくするために、パッドカバー24cにシリコンオイルやグリスなどを塗布してもよい。
加圧ステイ25は、横断面下向きU字型の剛性部材であり、内部コア26の支持及び加圧パッド24の加圧を担っている。内部コア26と定着ベルト23とのギャップの維持や、加圧パッド24の加圧に対する強度を考え、鉄やSUSなどの金属製であることがのぞましい。
内部コア26は、金属製の加圧ステイ(金属ステイ)25の定着ベルト内周面側(加熱ベルト内周面側)を覆い、定着ベルト23の内面に近接して配置された磁性部材である。即ち、加圧ステイ25の表面(加熱ベルト内周面側)を覆うように構成した横断面下向きU字型の部材である。内部コア26は、コイルユニット31の磁束(誘導磁界)が金属製の加圧ステイ25に作用して加圧ステイ25に誘導電流が発生するのを防ぐため、定着ベルト23と加圧ステイ25の間にある。そして、内部コア26は、加圧ステイ25の表面を覆うように、定着ベルト23の内面に近接させて配置されている。内部コア26としては、透磁率が大きく自己損失の小さい材料が良く、例えばフェライト、パーマロイ、センダスト等が適している。
b:加圧ローラ22
本実施例の回転可能な加圧部材としての加圧ローラ22は、外径30mm程度のソフトローラとして構成されている。より具体的には、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材やアルミ材を用いた肉厚2mm程度の円筒状の金属パイプを芯金22aとし、該芯金22aの外周面に厚さ3mmのシリコーンゴム層22bを設けている。さらに該シリコーンゴム層22bの外側に、厚さ50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを用いた離型層22cを設けている。
加圧ローラ22は、芯金22aの左右の端部を、それぞれ、定着装置枠体の左右の側板50L・50R間に、軸受部材51L・51Rを介して回転自由保持させて配設されている。また、芯金22aの一方側(左側)の端部には駆動ギアGが同心一体に取り付けられている。
ベルトユニット21は、この加圧ローラ22の上側において、加圧パッド24側を下向きにして並行に配列されている。左側の端部ホルダ27Lと右側の端部ホルダ27Rは、それぞれ、定着装置枠体の左側の側板50Lと右側の側板50Rに設けられた、縦方向のガイドスリット52L・52Rに係合している。そして、左側の端部ホルダ27Lの上面と右側の端部ホルダ27Rの上面が、それぞれ、加圧機構(不図示)により所定の加圧力Fで下方に押圧付勢されている。本実施例では総圧約400Nの加圧力で押圧付勢されている。この押圧付勢によりステイ25に下方への加圧力が作用して加圧パッド24の下面が定着ベルト23を挟んで加圧ローラ22の上面に弾性層22bの弾性に抗して圧接される。これにより、定着ベルト23と加圧ローラ22との間に、加熱定着に必要な、記録材搬送方向aにおいて所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
c:コイルユニット31
磁場発生手段としてのコイルユニット31は、定着ベルト23の外側に配設されていて定着ベルト23の導電層23aに誘導電流を発生させるコイル32と磁性体コア33を有する加熱手段である。コイル32は磁性体コア33の一部33aを巻きつけるように構成されている。より具体的には、コイルユニット31は、横断面において、円筒状の定着ベルト23の外周面に対応させて湾曲させてある。そして、ベルトユニット21の上側(加圧ローラ22側とは反対側)において、長手方向をベルトユニット21の長手方向に並行にして、かつ定着ベルト23の外面との間に所定の隙間をあけて対面させた状態にして配設されている。即ち、コイルユニット31は、左右のブラケット53L・53Rを介して定着装置枠体の左右の側板50L・50R間に固定して支持されている。
コイルユニット31は、励磁回路(外部電源部)101(図7)から電流を供給し、定着ベルト23の基体層(導電層)23aに誘導電流を発生させるためのコイル(励磁コイル)32を有する。本実施例においては、コイル32には、約25kHzの高周波電圧が励磁回路101から供給される。また、コイルユニット31は、コイル32から発生する磁束を集中させるための磁性体コア33と、定着ベルト23とコイル32が直接接触するのを防ぐためのコイルカバー34を有している。コイル32は、リッツ線をポリイミドで被覆したものを複数本束ね、図6のように、磁性体コア33の中央のコア33a(コイル32の中心部の磁性体コア)に複数回巻きつけるようにして、横長・扁平のシート状渦巻きコイルに巻回したものである。磁性体コア33は、コイル32により発生した磁束が定着ベルト23の導電層である基体層23a以外に実質的に漏れないように、コイル32の定着ベルト23側とは反対側を覆っている。磁性体コア33としては、透磁率が大きく自己損失の小さい材料が良く、例えばフェライト、パーマロイ、センダスト等が適している。
d:定着動作
制御回路部100(図7)は、画像形成開始信号に基づいて、少なくとも画像形成実行時には、定着駆動装置Mをオンすると共に、励磁回路101をオンする。定着駆動装置Mのオンにより加圧ローラ22の駆動ギアGに駆動力が伝達されて加圧ローラ22が図3において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転により、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ22の表面と定着ベルト23の表面との摩擦力で定着ベルト23に回転力が作用する。定着ベルト23はその内面が定着ニップ部Nにおいて加圧パッド24の下面に密着して摺動しながら加圧パッド24・加圧ステイ25・内部コア26の外回りを矢印の時計方向に加圧ローラ2の回転速度とほぼ同じ速度で従動回転する。本実施例においては、定着ベルト23は表面回転速度180mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズ40枚定着することが可能である。加圧パッド24は回転する定着ベルト23のガイド部材の役目もしている。また、回転する定着ベルト23の加圧パッド長手方向に沿う左方又は右方への寄り移動は、左側の端部ホルダ27Lに設けたフランジ部27L−aの内面、又は右側の端部ホルダ27Rに設けたフランジ部27R−aの内面により規制される。
また、励磁回路101がオンにされることで、コイルユニット31のコイル32に高周波電流が印加されて、コイル32によって発生した磁界により定着ベルト23の基体層23aが誘導発熱する。この基体層23aの発熱により、回転する定着ベルト23が昇温する。制御回路部100の温度制御機能部(温度制御手段)は、定着ベルト23の所定の目標温度(定着温度)でほぼ一定になるように温度制御を行う。即ち、定着ベルト23の温度を検知する温度検知素子(以下、温度センサと記す)28の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル23に入力する電力を制御して、定着ベルト23の温度制御を行う。温度センサ28は例えばサーミスタである。本実施例においては定着ベルト23の温度が180℃でほぼ一定になるように温度制御する。即ち、温度検知素子28は通紙域になる定着ベルト部分の温度を検知する。その検知温度情報が制御回路部100にフィードバックされる。制御回路部100はこの温度センサ28から入力する検知温度が所定の目標温度に維持されるように励磁回路101からコイル32に入力する電力を制御している。定着ベルト4の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル32への通電が遮断される。
内部コア26は、コイルユニット31の磁束が金属製の加圧ステイ25に作用して誘導電流が発生するのを防ぐため、定着ベルト23と加圧ステイ25の間にあり、加圧ステイ25の表面を覆うように、定着ベルト23の内面に近接させて配置されている。このとき、定着ベルト23の内面と内部コア26とのギャップは、0.5〜3mm程度がよい。0.5mm以下であると、定着ベルト23と内部コア26が接触し、トルクの増加や、定着ベルト23の部分的な温度低下による光沢ムラなどが発生してしまう。また、3mm以上であると、コイル32と内部コア26の磁気結合が弱まり、定着ベルト23を貫く磁束密度が弱くなる。その結果、定着ベルト23を発熱させるための電源容量が必要以上に大きくなってしまう。
上記のようにして、加圧ローラ22が駆動され、また、定着ベルト23が所定の定着温度に立ち上がって温調される。そして、この状態において、定着ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト4側に向けてガイド部材20で案内されて導入される。記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着ベルト23の外周面に密着し、定着ベルト23と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、記録材Pに定着ベルト23の熱が付与され、また定着ニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pは定着ベルト4の外周面から分離されて定着装置外へ搬送される。
e:温度センサ28
温度センサ28は、精度のよい温度制御を行うため、画像形成域内に対応する定着ベルト部分の温度を検知するように配置されることが望ましい。定着ベルト23の外面に温度センサ28を当接すると、定着ベルト28に傷を発生させるおそれがある。また、定着ベルト23の外側から非接触温度センサを設ける方法も考えられるが、定着ベルト23の発熱量が高い、コイル32と定着ベルト23の隙間にサーモパイル等の応答性が高い非接触センサを配置するのは、耐熱性の点で難しい。
そこで、本実施例では、定着ベルト23の長手方向中央部の位置において、接触式の温度検知素子としての温度センサ28の温度検知部を定着ベルト23の内面に接触させて設けている。この温度センサ28の検知温度値に基づいて制御回路部100の温度制御機能部により励磁回路部101を制御して定着ベルト23を目標温度である180℃に温度制御する。
定着ベルト23の内部に温度センサ28を配置する場合、コイル32によるノイズや信号線28aの耐熱性、定着ベルト23の内面との摺擦を防がねばならない。信号線28aは温度センサ28と制御回路部100を電気的に連絡する電線である。そのために、加圧ステイ25の内部に温度センサ28の信号線28aを配線して、加圧ステイ25の定着ベルト回転軸線方向(加熱ベルト回転軸線方向)の端部から外側に引き出す必要がある。そのため、定着ベルト23の内面に近接している内部コア26及び加圧ステイ25の一部に開口部26a・25aを具備させて、温度センサ28の信号線28aを加圧ステイ25内に取り込む必要がある。
本実施例では、温度センサ28は定着ベルト23の内面に当接されている。そして、温度センサ28の信号線28aは、内部コア26及び加圧ステイ25とに設けた開口部26a・25aを通して加圧ステイ25の内側に配線され、加圧ステイ25の端部から引き出されている。開口部26a・25aは、磁性体コア33のコイル32が巻きつけられた一部(コイル32の中心部の磁性体コア)33aとの対向位置に設けられている。即ち、加圧ステイ25の長手方向中央部の上面に開口部25aを具備させてある。また、内部コア26の長手方向中央部の上面にも上記の開口部25aに対応位置させて開口部26aを具備させてある。開口部26a・25aは、コイル32の中心部の磁性体コア33aとの対向位置において設けられている。加圧ステイ25の内面には、板バネ41の基部をモールドした絶縁座部40を固定してある。板バネ41は、加圧ステイ25の上記開口部25aと内部コア26の上記開口部26aを通して内部コア26の外側に延出させている。そして、この板バネ41は、内部コア26の開口部付近で、開口部26aよりも定着ベルト回転方向下流側に折り曲げられて、先端部に温度センサ28を取り付けて支持させてある。温度センサ28は定着ベルト23の長手方向のほぼ中央部の位置において、上記板バネ41の弾性により定着ベルト23の内面に対して弾性的に当接している。板バネ41は、温度センサ28の電極を兼ねても兼ねなくてもよいが、信号線を別に設ける場合には、定着ベルト23との摺擦を防ぐため、板バネ41の内側に耐熱性テープ等で固定するほうがよい。温度センサ28と制御回路部100を電気的に連絡する信号線28aは絶縁座部40から加圧ステイ25の内部を這いまわして、定着ベルト23の回転軸線方向の一端部(左端部)から外側に引き出されている。
温度センサ28は定着ベルト23の内側のコイル32による発熱量が最も高い領域に接触させて、その部分の温度を検出する。即ち、温度センサ28は定着ベルト23の内面において定着ベルト周方向(加熱ベルト周方向)に関して発熱量がもっとも高い部分に当接している。本実施例では、温度センサ28は、内部コア26の開口部26aよりも定着ベルト回転方向の下流側において発熱量が一番高い位置で定着ベルト内面に当接するように、板バネ41によって加圧されている。内部コア26の開口部26aよりも定着ベルト回転方向上流側において温度センサ28を定着ベルト内面に板バネで当接させると、定着ベルト23のばたつきなどにより安定した当接圧が保てないおそれがあるため、下流側に設ける方が望ましい。
図8にコイル32との対向部(展開図)における定着ベルト23の発熱量分布を示した。2箇所に発熱量の多い部分H・Hが存在する。すなわち、定着ベルト23の発熱量が最も高い位置は、図3・図8で2つに分割して図示してあるコイル32の定着ベルト回転方向それぞれの中央部である。温度センサ28は定着ベルト23の内面のコイル32による発熱量が最も高い位置に接触配置されている。
また、本実施例においては、加圧ステイ25の内面には、第2の板バネ43の基部をモールドした絶縁座部42を固定してある。この第2の板バネ42も、加圧ステイ25の上記開口部25aと内部コア26の上記開口部26aを通して内部コア26の外側に延出させている。そして、この板バネ42は、内部コア26の開口部付近で、開口部26aよりも定着ベルト回転方向上流側に折り曲げられて、先端部に保安素子(温度ヒューズ)29を取り付けて支持させてある。保安素子29は定着ベルト23の長手方向のほぼ中央部の位置において、上記板バネ43の弾性により定着ベルト23の内面に対して弾性的に当接している。板バネ43は、保安素子29の電極を兼ねても兼ねなくてもよいが、リード線29aを別に設ける場合には、定着ベルト23との摺擦を防ぐため、板バネ42の内側に耐熱性テープ等で固定するほうがよい。保安素子29はリード線29aを介して励磁回路101に直列に接続されている。リード線29aは絶縁座部42から加圧ステイ25の内部を這いまわして、温度センサ28の信号線28aと同様に定着ベルト23の回転軸線方向の一端部(左端部)から外側に引き出されている。保安素子29も定着ベルト23の内側のコイル32による発熱量が最も高い領域に接触させて、その部分の温度を検出する。本実施例では、保安素子29は、図3・図8のように、内部コア26の開口部26aよりも定着ベルト回転方向上流側の発熱量が一番高い位置で定着ベルト内面に当接するように、板バネ43によって加圧されている。
保安素子29は、定着装置12が何らかの原因で熱暴走して定着ベルト23の温度が許容温度以上に過熱状態になったときオフ動作して、励磁回路101からコイル32への電力供給を素早く遮断するものである。画像形成ジョブ実行中であれば、ジョブの中断も連動して行われる。その結果、定着装置(定着ベルト)が破損に至ってしまうのを防止することができる。その際、画像形成装置、特に定着装置が異常状態である旨を、画像形成装置に設けられた液晶表示部からなる操作部102(図7)に表示させて操作者に対し修復を促すため制御回路部100が信号を出力する。
内部コア26に設けられた開口部26aと加圧ステイ25に設けられた開口部25aの大きさは同等である。若しくは内部コア26に設けられた開口部26aは加圧ステイ25に設けられた開口部25aよりも大きさが小さい。即ち、加圧ステイ25及び内部コア26の開口部25aと26aは、コイル32により金属製の加圧ステイ25に誘導電流を発生させないように、開口部26aの開口幅の方が開口部25a開口幅よりも狭く構成されることが望ましい。これは、定着ベルト23内の金属製の加圧ステイ25に誘導電流が発生すると、加圧ステイ25に磁場を妨げる方向に電流が流れ、その反磁場が定着ベルト23の発熱量を低下させてしまうからである。また、加圧ステイ25の開口部25aの開口幅として、加圧ステイ25の長手方向長さ360mmのうち、長手方向に80mm以上の開口幅を設けると、加圧ステイ25の撓み強度が不足する。そのため、定着ニップ部N内の加圧力が不均一になり光沢ムラなどの画像不良が発生するおそれがある。この点から、加圧ステイ25の開口部25aの長手開口幅は、加圧ステイ25の長手方向長さの20%以下に抑えることが望ましい。即ち、加圧ステイ25に設けられた開口部25aの加圧ステイ長手方向(金属ステイ長手方向)における開口幅は、加圧ステイ25の長さの20%以下である。内部コア26は、図4の分割線aで示すように、複数のコアを張り合わせるようにして、加圧ステイ25の外側を覆っている。内部コア26の開口部26aは、部分的に複数コアの間隔を大きくすることで形成する。
次に、温度センサ28の配置と、温度センサ28の信号線28aの配線ために内部コア26及び加圧ステイ25の一部に開口部26a・25aを具備させたときの定着ベルト断面の発熱分布について詳述する。
図9・図10は、定着装置横断面における、コイル32と、定着ベルト23と、内部コア26と、加圧ステイ25と、の展開模式図と、定着ベルト23の周方向の発熱量分布図である。部分Aは、巻きまわされたコイル32の横断面における内幅部分(コイル中心部の磁性体コア33a部分)に対応している部分である。部分Bは、巻きまわされたコイル32の横断面における内幅部分よりも定着ベルト回転方向の上流側と下流側の各コイル部分の幅方向中央部に対応している部分である。
図9の(a)は、内部コア26及び加圧ステイ25に開口部26a・25aを具備させていない場合である。このとき、定着ベルト23の周方向の発熱量分布は、部分B・Bでの発熱が高くなり、部分Aでの発熱が低くなる。これは、コイル32が定着ベルト23の面方向に作る磁場が、部分Bでは、巻きまわされたコイルが同方向に流れる電流により、磁場を強め合って発熱量を高くしているからである。部分Aでは、巻きまわされたコイル32の横断面における内幅部分よりも定着ベルト回転方向上流側と下流側の各コイル部分の間で、互いに逆方向に流れる電流よって、定着ベルト23の面方向の磁場を弱めて発熱量を低下させている。
このことから、温度センサ28の温度検知に基いて定着ベルト23の温度を正確に制御するためには、定着ベルト23の発熱量の低い部分Aではなく、発熱量の高い部分Bに温度センサ28の検出部を設ける必要がある。
また、図9の(a)の場合の定着ベルト23の発熱効率は、0.96であった。ベルト発熱効率は、インピーダンスアナライザ(横河ヒューレットパッカード社製4194A)で測定したコイル単体での抵抗Rc(Ω)と定着ベルトを対向させた状態での抵抗Rc+b(Ω)から、ベルト発熱効率=1−(Rc/Rc+b)で、算出している。この式の意味するところは、全体(コイル+定着ベルト)の発熱に対する定着ベルトの発熱比率を意味している。たとえば、コイルと定着ベルトの距離が離れ、磁気結合が弱くなったときなどは、定着ベルトに流れる電流が減る。その結果、コイル自身で循環する電流が多くなり、コイルで発熱する比率が多くなってしまう。このように、発熱効率を比較することで、定着ベルトを効率よく加熱できているかどうか判断することができるのである。
次に、図9の(b)及び図10を用いて、温度センサ28の信号線28aの這いまわしのために、内部コア26及び加圧ステイ25の一部に開口部26a・25aを具備させた場合を説明する。
実施例1:図9の(b)
図9の(b)のように、内部コア26及び加圧ステイ25の開口部26a・25aを部分Aに具備させた場合である。開口部26aと25aの定着ベルト周方向の開口幅はコイル32の横断面における内幅Dと同じ5mm、長手方向の開口幅も5mmとした。
即ち、本実施例1は、コイル32が定着ベルト23の面内の磁場を弱める部分Aに対応する、内部コア26の部分と加圧ステイ25の部分とに開口部26a・25aを具備させたものである。
本実施例1における定着ベルト23の周方向の発熱量分布は、内部コア26及び加圧ステイ25に開口部26a・25aを具備させていない図9の(a)の場合とほぼ同じ発熱分布が得られた。発熱効率も図9の(a)の場合と同じ0.96であった。
比較例1:図10の(a)
図10の(a)のように、内部コア26及び加圧ステイ25の開口部26a・25aを部分Bに具備させた場合である。開口部26aと25aの定着ベルト周方向の開口幅はコイル32の横断面における内幅Dと同じ5mm、長手方向の開口幅も5mmとした。
即ち、この比較例1は、コイル32の電流による周方向の磁界がもっとも強くなる部分Bに対応する、内部コア26の部分と加圧ステイ25の部分とに開口部26a・25aを具備させたものである。
この比較例1における定着ベルト23の周方向の発熱量分布は、開口部26a・25aに対応する部分の発熱量が低下してしまっている。このときの発熱効率は、0.91であった。
比較例2:図10の(b)
図10の(b)のように、内部コア26及び加圧ステイ25の開口部26a・25aを、コイル32の対向域の外側部分Cに具備させた場合である。開口部26aと25aの定着ベルト周方向の開口幅はコイル32の横断面における内幅Dと同じ5mm、長手方向の開口幅も5mmとした。
この比較例2における定着ベルト23の周方向の発熱量分布は、開口部26a・25aに対応する部分の発熱量が低下してしまっている。このときの発熱効率は、0.92であった。
比較例3:図10の(c)
実施例1において、内部コア26及び加圧ステイ25の開口部26a・25aについて、定着ベルト周方向の開口幅をコイル32の内幅D(5mm)よりも広い7mmとし場合である(図10の(c))。
この比較例3のように、内部コア26の開口部26aの定着ベルト周方向の開口幅をコイル32の内幅Dよりも広くしてしまうと、コイル中心部の磁性体コア33aと内部コア26との間隔が広くなる。その結果、磁気結合が弱くなり、結果として、定着ベルト23の発熱量を低下させてしまう。このときの発熱効率は0.93であった。よって、磁気結合が弱くなりすぎないために、開口部26a・25aの開口幅は、コイル32の内幅Dよりも狭いことが望ましい。
以上のように、本実施例では、定着ベルト23の発熱量がもっとも高い場所Bに温度センサ28の温度検知部を配置する。また、コイル23が定着ベルト23の磁場を弱めている領域Aに、内部コア26及び加圧ステイ25の開口部26a・25aの開口幅を定着ベルト周方向でコイル32の内幅Dよりも狭く構成する。そして、加圧ステイ25の内側に温度センサ28の信号線28aを配置した。
このように構成することで、温度センサ28の信号線28aのノイズ、損傷、定着ベルト23の発熱量の低下を防ぎ、定着ベルト23の発熱量のもっとも高い部分で精度よく均一に温度制御することが可能になる。
本実施例では、加圧ステイ25に張り合わされた複数の内部コア26の隙間を開けることにより開口部26aを形成したが、内部コア26に穴を開けることで開口部26aを形成してもよい。
また、本実施例では、温度検知素子としてのサーミスタについての実施例を記載したが、サーモスイッチや温度ヒューズなどに適用してもなんら問題はない。
以上の実施例においては発熱部材としてベルト部材を用いる構成であったが、発熱部材としてより薄膜のフィルム部材を用いる構成であってもベルト部材を用いる構成と同様の効果を得ることができる。
本発明の画像加熱装置は実施例の画像加熱定着装置としてばかりではなく、その他、例えば、画像を担持した記録材を加熱して光沢等の表面性を改質する画像加熱装置、仮定着する画像加熱装置等としても使用できる。また、インクジェット方式の画像形成装置において、インクジェット方式で画像形成された記録材を乾燥させる画像加熱装置としても使用できる。
実施例の定着装置(画像加熱装置)の要部の正面模型図である。 同じく縦断正面模型図である。 図1の(3)−(3)線に沿う拡大横断面模型図である。 ベルトユニットの構成部材の分解斜視図である。 定着ベルトの層構成模型図である。 コイルの平面図である。 制御系統のブロック図である。 定着ベルトのコイルユニットとの対向部(展開図)における発熱量分布図である。 実施例1の発熱分布の説明図である。 比較例の発熱分布の説明図である。 画像形成装置例の概略構成模型図である。
符号の説明
12・・定着装置(画像加熱装置)、21・・ベルトユニット、22・・加圧ローラ(加圧部材)、31・・コイルユニット、N・・ニップ部(定着ニップ部)、23・・定着ベルト(加熱ベルト)、23a・・導電層、25・・加圧ステイ(金属ステイ)、26・・内部磁性部材、25a・26a・・開口部、28・・温度検知素子、28a・・信号線、31・・加熱手段、32・・コイル、33・・磁性体コア、33a・・コイル中心部の磁性体コア、T・・画像、P・・記録材

Claims (6)

  1. 導電層を有し回転可能な加熱ベルトと、前記加熱ベルトの外周面と圧接し回転可能な加圧部材と、前記加熱ベルトの内部にあって前記加熱ベルトを前記加圧部材の方向に向かって押圧する金属ステイと、前記金属ステイの加熱ベルト内周面側を覆い、前記加熱ベルトの内面に近接して配置された内部磁性部材と、前記加熱ベルトの外側に配設されていて前記加熱ベルトの前記導電層に誘導電流を発生させるコイルと磁性体コアを有する加熱手段であって、前記コイルは前記磁性体コアの一部を巻きつけるように構成された加熱手段と、前記加熱ベルトの温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検出値に基づき前記加熱ベルトの温度制御を行う温度制御手段と、を有し、前記加熱ベルトと前記加圧部材とのニップ部で画像を担持した記録材を加熱する画像加熱装置において、
    前記温度検知素子は前記加熱ベルトの内面に当接されており、前記温度検知素子の信号線は、前記内部磁性部材及び前記金属ステイとに対して、前記磁性体コアの前記コイルが巻きつけられた一部との対向位置において設けられた開口部を通して前記金属ステイの内側に配線され、前記金属ステイの端部から引き出されていることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記温度検知素子は前記加熱ベルトの内面において加熱ベルト周方向に関して発熱量がもっとも高い部分に当接していることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記開口部の加熱ベルト周方向の幅が、巻きまわされた前記コイルの横断面における内幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記金属ステイに設けられた前記開口部の金属ステイ長手方向における開口幅は、加圧ステイの長さの20%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像加熱装置。
  5. 前記磁性体コアに設けられた前記開口部と前記金属ステイに設けられた前記開口部の大きさは同等である、若しくは前記磁性体コアに設けられた前記開口部は前記金属ステイに設けられた前記開口部よりも大きさが小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像加熱装置。
  6. 前記温度検知素子は前記開口部よりも加熱ベルト回転方向の下流側において前記加熱ベルトの内面に当接していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像加熱装置。
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