JP2009092022A - エンジン及びそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの回転抵抗を小さく保ちつつ、ストレーナから空気が吸い込まれることを抑制する。
【解決手段】ストレーナ70は、オイル溜まり60内において、クランクシャフト51の軸線方向に関して、隣接するシリンダ29,34の間に配置されている。オイルパン54には、クランクシャフト51の軸線方向に関して隣接するピストン41a,41bの間において、クランクシャフト51の軸線に垂直な方向に延び、クランクケース50の内部を複数の部屋56,57に区画する隔壁65が形成されている。隔壁65は、垂直な方向に関してストレーナ70の吸入口71と重なるように配置されている。垂直な方向に関して吸入口71とは異なる部分には、複数の部屋56,57を相互に連通させる連通部80が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン及びそれを備えた車両に関する。本発明は、特に、複数のシリンダが並列に配列されたウエットサンプ方式のエンジン及びそれを備えた車両に関する。
従来、エンジンのオイルパン構造が種々提案されている。図13は、特許文献1に記載された4シリンダエンジン用のオイルパン100の斜視図である。図14は、エンジンに組み込まれた状態におけるオイルパン100の要部の部分断面正面図である。図13に示すように、オイルパン100には、3つの補強部101a,101b,101cが形成されている。補強部101a,101b,101cのそれぞれは、オイルパン100の前端から後端にわたって形成されている。これらの補強部101a,101b,101cにより、オイルパン100内に独立した4つの区画室102a,102b,102c,102dが形成されている。区画室102a,102b,102c,102dにはオイルが溜められている。
図14に示すように、補強部101aには、隣接する区画室102aと区画室102bとの間を連通させる連通孔104が形成されている。これにより、区画室102aと区画室102bとの間のオイルの流動が可能となっている。同様に、補強部101cにも、隣接する区画室102cと区画室102dとの間を連通させる連通孔104が形成されている。これにより、区画室102cと区画室102dとの間のオイルの流動が可能となっている。
図13及び図14に示すように、各連通孔104には、ストレーナ103が配置されている。このストレーナ103からオイルが吸入される。吸入されたオイルは、エンジンの各摺動部にオイルが供給される。
特許文献1には、図13及び図14に示すオイルパン100を用いることで、以下に示す効果が得られると記載されている。
つまり、図14に示すように、第1のピストン105aが下死点に向かって移動すると、区画室102aの圧力が高くなる。それと共に、第2のピストン105bは上死点に向かって移動する。このため、区画室102bの圧力は低くなる。この区画室102aと区画室102bとの間の圧力差によって、区画室102a内のオイルが連通孔104を通って区画室102bに向かって流れ込む。よって、オイルの油面が大きく変動する。
しかし、連通孔104にストレーナ103が配置されているため、区画室102aから区画室102bに流れ込むオイルが主としてストレーナ103吸い込まれる。このため、区画室102aと区画室102bとの間の圧力差が緩和される。従って、区画室102aと区画室102bとの間の圧力差が交互に生ずることによるオイルの油面の乱れを確実に抑制できる。その結果、カウンターウエイトとオイルの油面との接触を防止できる。
実開昭62-185857号公報
上述のように、オイルパン100に補強部101を形成すると共に、ストレーナ103を補強部101の連通孔104に設けることにより、オイルの油面の乱れを抑制することができる。しかしながら、図13に示すように、補強部101a,101b,101cはオイルパンの前端から後端にわたって形成されている。このため、区画室102a,102b,102c,102dは、それぞれ独立している。従って、区画室102aと区画室102bとの間の空気の流動が実質的に禁止される。
例えば、図14に示すように、第1のピストン105aが下死点に向かって移動したときにおいても、区画室102aと区画室102bとの間において、空気の流動は起こりがたい。区画室102の圧力は、オイルがストレーナ103から吸入されるか、または連通孔104を介してオイルが区画室102bに流入するかによってのみ調整される。オイルの流動抵抗が空気の流動抵抗よりもはるかに大きいため、このようなオイルの流動による圧力調整では、区画室102の圧力調整が十分に行われない。従って、エンジンの回転抵抗が増加するという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの回転抵抗を小さく保ちつつ、ストレーナから空気が吸い込まれることを抑制することにある。
本発明に係るエンジンは、クランクケースと、クランクシャフトと、シリンダボディと、複数のピストンと、ストレーナとを備えている。クランクケースは、オイル溜まりが形成されるオイルパンを有する。クランクシャフトはクランクケースに収納されている。シリンダボディはクランクケースに取り付けられている。シリンダボディには、複数のシリンダが形成されている。複数のピストンは、複数のシリンダのそれぞれに収納されている。複数のピストンは、クランクシャフトに接続されている。ストレーナは、オイル溜まり内において、クランクシャフトの軸線方向に関して複数のシリンダのうちの隣接するシリンダ間に配置されている。ストレーナは、吸入口を有する。ストレーナは、オイル溜まりに溜められたオイルを吸入する。オイルパンには、隔壁が形成されている。隔壁は、クランクシャフトの軸線方向に関して隣接するピストン間において、クランクシャフトの軸線に垂直な方向に延びている。隔壁は、垂直な方向に関して吸入口と重なるように配置されている。隔壁は、クランクケースの内部を複数の部屋に区画している。本発明に係るエンジンでは、垂直な方向に関して吸入口とは異なる部分には、複数の部屋を連通させる連通部が形成されている。
本発明に係る車両は、上記本発明に係るエンジンを備えている。
本発明によれば、エンジンの回転抵抗を小さく保ちつつ、ストレーナから空気が吸い込まれることを抑制することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について、図1に示す自動二輪車1を例に挙げて説明する。但し、本発明に係る車両は、図1に示す自動二輪車1に限定されるものではない。本発明に係る車両は、V型エンジンを備える車両であれば特に限定されるものではない。本発明に係る車両は、四輪車であってもよいし、鞍乗型車両であってもよい。ここで、「鞍乗型車両」とは、ライダーがシート(鞍)に跨って乗る車両のことをいう。鞍乗型車両としては、自動二輪車以外に、ATV(All Terrain Vehicle)などが挙げられる。また、自動二輪車も、図1に示す所謂アメリカンタイプに限定されない。本発明において、自動二輪車は、狭義のモーターサイクル、モペット、スクーター、オフロード車などを含む。また、本明細書において、自動二輪車には、前輪及び後輪の少なくとも一方が一体に回転する複数の車輪により構成されており、車両を傾斜させて進行方向を変更する車両も含まれるものとする。
なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート14に着座した間から見た方向を言うものする。
(自動二輪車1の概略構成)
図1は、自動二輪車1の概略側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は車体フレーム10と、車体カバー13と、シート14とを備えている。車体カバー13は、車体フレーム10の一部を覆っている。シート14は、車体フレーム10の上に配置されている。
車体フレーム10の前端部には、ヘッドパイプ15が回転可能に取り付けられている。ヘッドパイプ15の上端部には、ハンドル16が図示しないハンドルフォルダによって固定されている。また、ヘッドパイプ15には、左右一対のフロントフォーク20が固定されている。フロントフォーク20は、前方に向かって斜め下方向に延びている。フロントフォーク20の下端部には、前輪21が回転可能に取り付けられている。
一方、車体フレーム10の後端部には、ピボット軸22が取り付けられている。ピボット軸22には、リアアーム23が揺動可能に取り付けられている。リアアーム23の後端部には、後輪24が回転可能に取り付けられている。後輪24は、図示しないドライブシャフトなどの動力伝達機構により、後述するエンジンユニット30の出力軸に接続されている。これにより、エンジンユニット30の動力が後輪24に伝達され、後輪24が回転する。
図1及び図2に示すように、車体フレーム10には、エンジンユニット30が懸架されている。エンジンユニット30は、V型のエンジン31と、スロットルボディアッセンブリー17と、図示しないクラッチ及び変速機構などとを備えている。図2に示すように、スロットルボディアッセンブリー17は、吸気系部品としてのエアクリーナー49に接続されている。スロットルボディアッセンブリー17において、エアクリーナー49から吸入された空気と、燃料とが混合された混合気が生成され、エンジン31に供給される。
(エンジン31)
次に、エンジン31について、主として図2〜図9を参照しながら詳細に説明する。図2は、自動二輪車のエンジンユニット30部分の右側面図である。図3は、エンジン31の一部を前後方向に切断した概略断面図である。具体的に、図3は、図4に表す切り出し線III-IIIで切断したエンジン31の一部の概略断面図である。図4は、図3に表す切り出し線IV−IVで切断したエンジン31の一部の断面図である。図5は、下ケーシング部53の平面図である。図6は、下ケーシング部53の底面図である。図7は、下ケーシング部53の左斜め前方から視たときの斜視図である。図8は、オイルパン54の平面図である。図9は、オイルパン54の斜視図である。
なお、本実施形態においてエンジン31はオイルタンクを有さないウエットサンプ方式の水冷式4サイクルのV型4シリンダエンジンである。ただし、本発明において、エンジンは、クランクシャフト51の延びる方向に配列された複数のシリンダを有するものである限りにおいて特に限定されない。例えば、エンジン31は空冷式エンジンであってもよい。また、エンジン31は2シリンダまたは3シリンダ若しくは5シリンダ以上のV型エンジンであってもよい。さらに、エンジン31は、並列多気筒エンジンまたは3気筒以上の水平対向エンジンであってもよい。
なお、「V型エンジン」とは、Vバンクをなすように配置された前側シリンダと後側シリンダとを有するエンジンをいう。「前側シリンダと後側シリンダとがVバンクをなすように配置されている」とは、前側シリンダと後側シリンダとが、前側シリンダの中心軸と後側シリンダの中心軸とがクランク軸の軸心を中心に斜めに交わるように配置されていることをいう。
図3に示すように、エンジン31は、クランクケース50を備えている。クランクケース50には、図4に示すクランクシャフト51が収納されている。
図1及び図2に示すように、クランクケース50には、シリンダボディ25が取り付けられている。シリンダボディ25は、前側シリンダボディ33と、後側シリンダボディ35とを有する。前側シリンダボディ33と後側シリンダボディ35とは、側面視において、クランクシャフトを中心とするV字状に配置されている。前側シリンダボディ33の上には、前側シリンダヘッド36が取り付けられている。前側シリンダヘッド36のさらに上には、前側ヘッドカバー38が取り付けられている。同様に、後側シリンダボディ35の上には、後側シリンダヘッド37が設けられている。後側シリンダヘッド37の上には後側ヘッドカバー39が取り付けられている。
図4に示すように、前側シリンダボディ33の内部には、幅方向に配列された第1の前側シリンダ34aと第2の前側シリンダ34bとが形成されている。同様に、後側シリンダボディ35の内部には、幅方向に配列された2つの第1及び第2の後側シリンダ29が形成されている。前側シリンダ34と後側シリンダ29とは、Vバンクをなすように配置されている。より具体的には、前側シリンダ34が上方に向かって斜め前方向に延びるように配置されている一方、後側シリンダ29は上方に向かって斜め後ろ方向に延びるように配置されている。
図3及び図4に示すように、各前側シリンダ34には、ピストン41aが収納されている。各ピストン41aは、コンロッド40aに接続されている。同様に、各後側シリンダ29にも、ピストン41bが収納されている。各ピストン41bは、コンロッド40bに接続されている。各コンロッド40a,40bは、図4に示すクランクアーム部51aまたはクランクアーム部51bに接続されている。つまり、クランクアーム部51aとクランクアーム部51bとのそれぞれには、コンロッド40aとコンロッド40bとがそれぞれ1本ずつ接続されている。
なお、以下の説明において、図4に示すように、2つのコンロッド40aのうち、第1の前側シリンダ34aに収納された方をコンロッド40a1とし、第2の前側シリンダ34bに収納された方をコンロッド40a2とする。また、2つのピストン41aのうち、第1の前側シリンダ34aに収納された方をピストン41a1とし、第2の前側シリンダ34bに収納された方をピストン41a2とする。
(クランクケース50)
主として図3に示すように、クランクケース50は、上ケーシング部52と、下ケーシング部53と、オイルパン54とを備えている。上ケーシング部52と下ケーシング部53とは、上下方向に付き合わされている。下ケーシング部53には、下方に向かって開口する開口部が形成されている。オイルパン54は、その下ケーシング部53の開口部に取り付けられている。オイルパン54には、オイルが溜められるオイル溜まり60が形成されている。
図4に示すように、クランクケース50内には、車幅方向に延びるクランクシャフト51が回転可能に収納されている。具体的には、図4に示すように、クランクシャフト51は、上ケーシング部52と下ケーシング部53との間に形成された軸受55a,55b,55c,55dによって回転可能に軸支されている。
クランクシャフト51には、クランクアーム部51aとクランクアーム部51bとが形成されている。クランクアーム部51aは、軸受55aと軸受55bとの間に配置されている。一方、クランクアーム部51bは、軸受55cと軸受55dとの間に配置されている。
図3に示すように、クランクケース50の内部には、車両前側に位置するクランク室45と、車両後側に位置するミッション室58とが区画形成されている。クランク室45は、図4に示すクランクシャフト51を収納している。一方、ミッション室58は、図示しない変速機を収納している。
クランク室45とミッション室58とは、区画壁59によって区画されている。具体的に、区画壁59は、上ケーシング部52に形成された壁部52aと、下ケーシング部53に形成された壁部53aとを有している。図3、図6及び図7に示すように、壁部53bの下部には、クランク室45とミッション室58とを連通させる連通孔59aが形成されている。これにより、クランク室45とミッション室58との間の空気の流動が許容されている。
また、図4に示すように、クランク室45は、上ケーシング部52の壁部52b,52cと下ケーシング部53の壁部53b,53cとによって、第1のクランク室56と第2のクランク室57とに区画されている。第1のクランク室56は、第1のクランクアーム部51aを収納している。第1のクランク室56は、第1の前側シリンダ34aと第1の後側シリンダ29とに連通している。一方、第2のクランク室57は、第2のクランクアーム部51bを収納している。第2のクランク室57は、第2の前側シリンダ34bと第2の後側シリンダ29とに連通している。
第1のクランク室56と第2のクランク室57とのそれぞれは、上記連通孔59aによってミッション室58と連通している。このため、連通孔59a及びミッション室58を介して、第1のクランク室56と第2のクランク室57とのの間の空気の流動が許容されている。
(オイルパン54)
図3に示すように、オイル溜まり60が形成されたオイルパン54は、下ケーシング部53の開口部にボルト止めされている。オイルパン54は、前後方向に関して、中央部54aが両側部分54b,54cよりも深くなっている。
図3,図4、図8及び図9に示すように、オイルパン54には、隔壁65が形成されている。図3に示すように、隔壁65は、クランクシャフト51の軸線に垂直な方向に延びている。言い換えれば、隔壁65は、前後方向に延びるように配置されている。
図4に示すように、車幅方向に関しては、隔壁65は、隣接するピストン41a,41b間に配置されている。言い換えれば、隔壁65は、第1のクランクアーム部51aと第2のクランクアーム部51bとの間に配置されている。さらに言い換えれば、隔壁65は、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間に配置されている。
また、図3に示すように、前後方向に関しては、隔壁65は、クランク室45内に配置されている。具体的には、隔壁65は、実質的に、クランク室45の前端から後端にわたって形成されている。このため、図4に示すように、第1のクランク室56と第2のクランク室57とは、壁部52b,52cと壁部53b,53cと隔壁65とによって実質的に隔離されている。言い換えれば、隔壁65は、クランク室45を第1のクランク室56と第2のクランク室57とに区画している。
但し、隔壁65と壁部53b,53cとの間には若干の隙間が形成されている。このため、第1のクランク室56と第2のクランク室57とは完全には隔離されていない。
図3に示すように、隔壁65は、前後方向に関して、クランクケース50の内部空間の一部にのみ形成されている。具体的には、隔壁65は、クランク室45内にのみ形成されている。隔壁65は、ミッション室58内には形成されていない。このため、第1のクランク室56と第2のクランク室57とは、ミッション室58を経由して連通している。言い換えれば、ミッション室58には、隔壁65よりも後方において第1のクランク室56と第2のクランク室57とを連通させる連通部80が形成されている。
図4、図8及び図9に示すように、本実施形態では、隔壁65は、具体的には、相互に平行に延びる一対の壁部65a,65bを有している。車幅方向に関して、壁部65aは、壁部53bのほぼ真下に配置されている。一方、壁部65bは、車幅方向に関して壁部53cのほぼ真下に配置されている。この壁部65a,65bによって、オイル溜まり60は、第1のオイル溜まり60aと、第2のオイル溜まり60bと、第3のオイル溜まり60cとに区分されている。但し、オイル溜まり60内に溜められたオイルの量によっては、壁部65a,65bよりもオイル溜まり60の油面60dが高くなることもある。その場合は、第1のオイル溜まり60aと、第2のオイル溜まり60bと、第3のオイル溜まり60cとは、上部においてつながっている。また、隔壁65は必ずしも一対の壁部65a,65bを有していなくともよい。隔壁65は、例えば1つの壁部により構成されていてもよい。
図8及び図9に示すように、オイルパン54には、壁部66が形成されている。壁部66は、図3及び図9に示す中央部54aと端部54bとの間において、車幅方向に延びるように形成されている。壁部66の先端は、車幅方向に関して、第1の壁部65aにまで至っている。壁部66は、壁部65a,65bよりも低く形成されている。
この壁部66により、前後方向に自動二輪車1が傾いた際に、壁部65aよりも右側に位置するオイルが、後述するストレーナ70が配置された中央部へと導かれる。具体的には、自動二輪車1の停止するときなどにおいて車体が前方へ傾いた場合、壁部66の後方にあるオイルが、壁部66によって、オイル溜まり60の中央部に導かれる。一方、自動二輪車1の発進時などにおいて車体が後方へ傾いた場合は、壁部66の前方にあるオイルが、壁部66によって、オイル溜まり60の中央部に導かれる。
また、オイルパン54には、複数の補強リブ67が形成されている。この補強リブ67は、オイルパン54の強度を向上させる目的で形成されたものである。このため、補強リブ67の高さはそれほど高い必要はない。従って、本実施形態では、壁部66よりもさらに低く形成されている。
(ストレーナ70)
図4に示すように、クランク室45において、第1のオイル溜まり60aには、ストレーナ70が配置されている。図4に示すように、ストレーナ70は、第1の前側シリンダ34aと第1の前側シリンダ34bとの間に配置されている。言い換えれば、ストレーナ70は、クランクアーム部51aとクランクアーム部51bとの間に配置されている。さらに言い換えれば、ストレーナ70は、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間に配置されている。ストレーナ70が配置された第1のオイル溜まり60aは、壁部65a,65bによって第1のクランク室56及び第2のクランク室57と、第2のオイル溜まり60b及び第3のオイル溜まり60cとから隔離されている。
図3などに示すように、ストレーナ70の下端部には、吸入口71が形成されている。ストレーナ70は、この吸入口71からオイル溜まり60に溜められたオイルを吸入する。ストレーナ70は、下ケーシング部53に形成されたオイル経路62aを介してオイルポンプ63に接続されている。このため、オイルポンプ63が駆動されることで、吸入口71からオイルが吸入され、オイルポンプ63に供給される。また、オイルポンプ63に供給されたオイルは、下ケーシング部53に形成されたオイル経路62bを経由して、オイルクーラー46、オイルフィルタ47に移送される。オイルフィルタ47を通過したオイルは、一端メインギャラリ64に溜められた後、エンジンユニット30の各摺動部に供給される。これによりエンジンユニット30の各摺動部が潤滑及びシールされる。
上述のように、エンジン31は、ウエットサンプ方式を採用するものである。このため、オイルポンプ63により吸入されたオイルを一端溜めておくための別個のオイルタンクは設けられていない。
なお、図3に示すように、本実施形態では、隔壁65と吸入口71とは、前後方向に関して重なる位置に配置されている。言い換えれば、隔壁65と吸入口71とは、クランクシャフト51の軸線と垂直は方向に関して重なる位置に配置されている。また、連通部80は、前後方向に関して、吸入口71とは異なる位置に形成されている。具体的には、図3に示すように、連通部80はミッション室58に形成されている。一方、吸入口71は、クランク室45に配置されている。
(作用及び効果)
次に、図10〜図12を主として参照しながら、本実施形態において得られる作用及び効果について説明する。
まず、図10に示すように、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間に隔壁65が配置されていない場合を考える。その場合、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間で空気は自由に流動することができる。このため、図10に示すように、ピストン41a,41bがシリンダ34,29内を往復運動することで、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間で空気の大きな流動が繰り返される。これに伴って、オイル溜まり60の油面60dが大きく変動する。
具体的には、図10に示すように、ピストン41a1が下死点に向かって移動する一方、ピストン41a2が上死点に向かって移動するとき、第1の前側シリンダ34a内の空気が第2の前側シリンダ34b側へと流動する。この空気の流動に伴って、オイル溜まり60に溜められたオイルも第1の前側シリンダ34a側から第2の前側シリンダ34b側へと流動する。その結果、第1の前側シリンダ34a側の油面60dが低下する。従って、ストレーナ70から潤滑油と共に空気が吸い込まれるおそれがある。よって、エンジンユニット30の各摺動部の潤滑及びシールが十分に行われなくなるおそれがある。
例えば、第1の前側シリンダ34aと第2の前側シリンダ34bとの間の空気の流動を規制する方法としては、特許文献1に記載されている方法が挙げられる。すなわち、第1の前側シリンダ34aと第2の前側シリンダ34bとの間に隔壁を形成する方法である。
図11は、オイルパン54の前端から後端にわたって隔壁81を形成した場合を示す概略的な概念図である。図11に示す例では、隔壁81が形成されているため、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動は実質的に規制される。このため、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動に起因する油面60dの変動は抑制される。
しかしながら、第1のクランク室56と第2のクランク室57とは、隔壁81によって隔離されている。このため、ピストン41a,41bがシリンダ34,29内を往復運動することで、第1のクランク室56及び第2のクランク室57の圧力が大きく変動する。
具体的には、図11に示すように、ピストン41a1が下死点に向かって移動するときに、第1の前側シリンダ40a1及び第1のクランク室56の圧力が上昇する。それに伴い、ピストン41a2は上死点に向かって移動する。これにより、第2の前側シリンダ40a2及び第2のクランク室57の圧力は低下する。このため、オイル溜まり60の第1のクランク室56側の部分に溜められたオイルの大部分がストレーナ70に吸入されるか、または第2のクランク室57側の部分に流入する。その結果、オイル溜まり60の第1のクランク室56側の部分の油面60dが低下する。従って、図10に示す場合と同様に、ストレーナ70から潤滑油と共に空気が吸い込まれるおそれがある。
また、上述のように、ピストン41a,41bがシリンダ34,29内を往復運動することで、第1のクランク室56及び第2のクランク室57の圧力が大きく変動する。このため、エンジン31の回転抵抗が増大する傾向にある。
それに対して、本実施形態では、図12にも示すように、前後方向に関してストレーナ70の吸入口71と重なる位置に隔壁65が形成されている。このため、前後方向に関して吸入口71が配置されたところにおいて、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動が規制される。従って、前後方向に関して吸入口71が配置されたところにおける第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動に起因する油面60dの変動が抑制される。
また、本実施形態では、隔壁65がオイルパン54の前端から後端にわたって形成されていない。つまり、第1のクランク室56と第2のクランク室57とを相互に連通させる連通部80が形成されている。このため、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動が許容されている。従って、図11に示す場合のように、ピストン41a,41bがシリンダ34,29内を往復運動する際に、第1のクランク室56及び第2のクランク室57の圧力がそれほど変動しない。従って、第1のクランク室56及び第2のクランク室57の圧力変動に起因する油面60dの変動も抑制されている。その結果、ストレーナ70からの空気の吸い込みが効果的に抑制される。
すなわち、前後方向に関して、隔壁65をオイルパン54の一部にのみ形成することで、前後方向に関して吸入口71が配置されたところにおける第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動を抑制することができる。それと共に、第1のクランク室56及び第2のクランク室57の圧力変動に起因する油面60dの変動も抑制することができる。従って、ストレーナ70からの空気の吸い込みを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、隔壁65は、壁部65aと壁部65bとを有している。そして、ストレーナ70は、車幅方向に関して、壁部65aと壁部65bとの間に配置されている。これにより、ストレーナ70が位置する第1のオイル溜まり60aは、第2のオイル溜まり60bと第3のオイル溜まり60cとから隔離されている。よって、ピストン41a,41bがシリンダ34,29内を往復運動することで空気の流動や圧力変動が生じても第1のオイル溜まり60における油面60dの変動がより効果的に抑制される。その結果、ストレーナ70からの空気の吸い込みをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、クランク室45は、隔壁65によって第1のクランク室56と第2のクランク室57とに区画されている。そして、第1のクランク室56と第2のクランク室57とは、図3に示すように、ミッション室58に位置する連通部80によって相互に連通している。
このため、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動は、吸入口71が位置するクランク室45においては実質的に行われず、ミッション室58に位置する連通部80において実質的に行われる。このため、吸入口71が位置するクランク室45におけるオイル溜まり60の油面60dの変動を効果的に抑制することができる。従って、ストレーナ70からの空気の吸い込みをさらに効果的に抑制することができる。
以上のように、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動が主としてミッション室58を介して行われるようにすると共に、隔壁65により第1のクランク室56と第2のクランク室57とを隔離することで、ストレーナ70からの空気の吸い込みをなお効果的に抑制することができる。かつ、吸入口71の左右に壁部65a,65bを設けることで、ストレーナ70からの空気の吸い込みを特に効果的に抑制することができる。
なお、隔壁65の高さは、クランク室45における第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動が規制される程度であればよい。その限りにおいて、図4に示すように隔壁65の上端は、壁部53b,53cから離間していてもよいし、壁部53b,53cに接触していてもよい。
また、本実施形態では、上述のように、第1のクランク室56と第2のクランク室57との間の空気の流動が許容されている。よって、エンジン31の回転抵抗の増大も抑制される。従って、エンジン31の高出力化が図れると共に、エンジン31のエネルギー効率の向上も図れる。つまり、本実施形態によれば、エンジンの高出力化及びエネルギー効率の向上と、ストレーナからの空気の吸い込み抑制との両方を同時に実現することができる。
なお、四輪車では、通常、エンジンとミッションとは別個に配置されており、オイル溜まりはエンジンの下のみに配置されている。それに対して、二輪車では、通常、エンジンとミッションとの両方がクランクケース内に配置されており、オイル溜まりはエンジンとミッションとの両方の下に配置される。このため、四輪車と比較して、二輪車では、オイル溜まりが大きくなる。よって、オイル溜まりの油面変動が発生しやすい。従って、オイル溜まり60の油面60dの変動を抑制することができる本発明は、自動二輪車に特に有用である。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車のエンジンユニット部分の右側面図である。 エンジンの一部を前後方向に切断した概略断面図である。 図3に表す切り出し線IV−IVで切断したエンジンの一部の断面図である。 下ケーシング部の平面図である。 下ケーシング部の底面図である。 下ケーシング部の左斜め前方から視たときの斜視図である。 オイルパンの平面図である。 オイルパンの斜視図である。 隔壁が形成されていない場合を説明するための概念図である。 隔壁が前後方向にわたって形成されている場合を説明するための概念図である。 隔壁が形成され、かつ隔壁に連通孔が形成されている場合を説明するための概念図である。 特許文献1に記載された4シリンダエンジン用のオイルパンの斜視図である。 エンジンに組み込まれた状態における従来のオイルパンの要部の部分断面正面図である。
符号の説明
1 自動二輪車(車両)
29,34 シリンダ
31 エンジン
33,35 シリンダボディ
41a,41b ピストン
45 クランク室
50 クランクケース
51 クランクシャフト
54 オイルパン
56 第1のクランク室(部屋)
57 第2のクランク室(部屋)
58 ミッション室
59 区画壁
59a 連通孔
60 オイル溜まり
65 隔壁
65a 壁部
65b 壁部
70 ストレーナ
71 吸入口
80 連通部

Claims (6)

  1. オイル溜まりが形成されるオイルパンを有するクランクケースと、
    前記クランクケースに収納されたクランクシャフトと、
    前記クランクケースに取り付けられ、複数のシリンダが形成されたシリンダボディと、
    前記複数のシリンダのそれぞれに収納され、前記クランクシャフトに接続された複数のピストンと、
    前記オイル溜まり内において、前記クランクシャフトの軸線方向に関して前記複数のシリンダのうちの隣接するシリンダ間に配置され、吸入口を有し、前記オイル溜まりに溜められたオイルを吸入するストレーナと、
    を備え、
    前記オイルパンには、前記クランクシャフトの軸線方向に関して前記隣接するピストンの間において、前記クランクシャフトの軸線に垂直な方向に延び、該垂直な方向に関して前記吸入口と重なるように配置され、前記クランクケースの内部を複数の部屋に区画する隔壁が形成されており、
    前記垂直な方向に関して前記吸入口とは異なる部分には、前記複数の部屋を相互に連通させる連通部が形成されているエンジン。
  2. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記隔壁は、前記ストレーナの両側に配置された一対の壁部を有するエンジン。
  3. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記クランクケースには、前記クランクケース内の空間を、前記クランクシャフトが配置されたクランク室とミッション室とに区画する区画壁が形成されており、
    前記区画壁には、前記クランク室の前記複数の部屋のそれぞれと、前記ミッション室とを連通させる連通孔が形成されており、
    前記隔壁は、前記クランク室を複数の部屋に区画しており、
    前記ストレーナは、前記クランク室に配置されているエンジン。
  4. 請求項1に記載されたエンジンを備えた車両。
  5. 請求項4に記載された車両において、
    前記クランクシャフトは車幅方向に延びるように配置され、
    前記隔壁は、前後方向に延びるように配置されている車両。
  6. 自動二輪車である請求項4に記載の車両。
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