JP2009091707A - グラフト重合された機能性不織布の製造方法 - Google Patents

グラフト重合された機能性不織布の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体ろ過フィルタやエアフィルタ用途などに好適に用いることができる各種素材のグラフト重合された高性能の機能性不織布の製造方法を提供する。
【解決手段】(I)ポリアミド又はポリオレフィンを原料とする平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維から構成される繊維充填率が5〜45%の不織布を、窒素雰囲気及び氷点下の大気と遮断された密封状態に置いて、該不織布に、30kGy以下のガンマ線を照射する第一工程と、次いで、(II)大気下、窒素雰囲気下又は減圧下にあるエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの液槽に浸漬して、液相にてグラフト重合させる第二工程、及び(III)グラフトされたビニル基含有モノマー鎖に、さらに、機能性官能基を導入する第三工程からなり、かつ、第一〜第三の各工程がそれぞれ独立した非連続の工程からなることを特徴とする機能性不織布の製造方法などを提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラフト重合された機能性不織布の製造方法に関し、さらに詳しくは、極細繊維からなる高分子素材不織布をガンマ線照射の後、エマルジョングラフト重合により機能性官能基を導入し、有害金属成分や有害ガスを吸着するフィルタなどに使用する機能性不織布の製造方法に関する。ここで言う「機能(性)」とは、イオン交換機能によって、液体に含まれる金属イオンの吸着除去や空気清浄に求められる有害ガスの吸着除去などのフィルタ性能にかかわる機能のことをいう。
不織布のごとき通気性のある高分子基材のグラフト重合において、従来技術では、電子線照射により実施されるものが殆どである(例えば、特許文献1〜4参照。)。その主な理由は、ガンマ線よりも格段に照射率が高い(およそ10kGy/Secレベル)という利点及び電子線の遮蔽が容易であることから、グラフト重合設備に組み込み易く、大量生産ロット向きとされるためである。
一方、ガンマ線照射においては、照射線量率が低く(およそ10kGy/Hrレベル)、また、従来技術に見られる30kGy〜200kGyの高線量照射には、3〜24時間を要し、経済的ではなく、さらに、高度の遮蔽管理が必要であることから、長尺連続基材としての不織布の照射を、グラフト重合の処理設備に連続一貫設備として組み込むことは容易でないため、永らく使用されてこなかった。
上記のような背景により、不織布のグラフト重合には、電子線照射が適用されているが、その制約も存在する。その第一の制約は、電子線は透過力が弱いため、ロール状に巻かれた原反(不織布基材)をシート状に展開して照射せざるを得ず、このため、照射装置に張力制御を伴う原反の送り出しと巻き取り装置が必要となる。
第二の制約は、照射において生ずる高分子の劣化により、強度低下や繊維の脱落などを伴いやすい。それ故、従来から、繊維素材として、高分子劣化のおき易いポリプロピレン、ポリアミドなどの繊維・不織布基材は、当用途には不適当とされ、比較的強度低下の少ない自己架橋型のポリエチレンを原料とする不織布に限られてきた。
また、第三の制約として、不織布繊維の照射による強度低下を考慮し、比較的太い繊維で不織布を構成する必要があった。例えば、ポリエチレンやポリエチレン・ポリエステル芯さや複合繊維の長繊維を溶融紡糸と延伸操作を経て、40〜50mmのステープル状短繊維(注:単繊維と記すこともある。以後短繊維と呼ぶ)にカットし、これをカードマシンでシート化し、ニードルパンチ加工や平滑状またはピン状エンボスを敷設した熱プレスロール(カレンダロールともいう)加工などに繊維間を固定し、不織布化するのであるが、このような工程を経るため、機械設備上の制約も加わり、通常は2〜6デシテックス(素材の比重にもよるが、およそ18〜30μmの繊維径に相当)の繊度のものが使われてきた。
このような繊維径の太い繊維へのグラフト重合では、グラフト率を高めるためには、繊維の深部までラジカルを発生させる必要があり、そのため、放射線の必要線量が高くなり、かつ、グラフト反応時間も時間単位の長いものになっている。このことは、放射線が電子線のみならずガンマ線であっても同様である。
また、グラフトする反応性モノマーは、従来、モノマー原液か、またはアルコールジメチルスルフォキシドなどの有機溶媒との混合状態で用いられているが、該有機溶媒の使用は、環境への負荷が大きく、また、操業の安全対策や廃棄のためのコスト増にもつながっていた。この点において、例えば、特許文献4に開示されたエマルジョングラフト重合法は、水と界面活性剤によりエマルジョン化された反応性(重合性)モノマーを用い、アルコールなどの有機溶媒を使用しないので好都合である。
しかしながら、この特許文献4に開示されたエマルジョングラフト重合法において、放射線の照射量を下げることも、可能ではあるが、前述にある数デシテックスの太さの短(単)繊維を使用するため、照射線量を下げると、十分なグラフト率に達せず、また、反応時間が長くなるという欠点があった。
更に、先行技術に見られる製造方法と装置の多くは、電子線照射の工程とモノマーのグラフト工程を連続化し、生産速度の向上を図っているが、両工程を連結することによって、長大な反応槽が必要となり、重厚長大な装置とならざるを得ない。例えば、電子線照射下での走行速度は、実用上、5m/分〜20m/分程度とみられるが、これと連結した重合反応槽は、液中反応時間が長いため、例えば先行技術に見られるように1〜2時間を要するとなれば、数十〜百mの長さの走行長さを有する反応槽が必要である。このような連続方法では、長い走行に耐える強度の不織布が必要か、または精密な張力制御が必要となり、それを実現可能な設備、及び立地共に過大な投資負担を要するため、大量産向けの事業化を前提とせざるを得ず、種々多様な機能性グラフト不織布の生産には適さない。
上述したように、従来の技術では、設備面、素材面、繊維径面、環境面において、数々の制約がある。然るに、最近の半導体、液晶、バイオ、医薬などの諸分野において、その機能性グラフト不織布に対して、各種のイオン除去性能、耐薬品性、耐熱性、使用寿命、通液(通風)性、低ダスト性などの要求レベルが格段に高度化、多様化してきており、従来のごとき単一の不織布基材やそのグラフト重合法では、その要求への対応が難しく、多品種素材の不織布による多機能かつ効率的なグラフト重合法での対応が求められる情勢になってきている。
尚、本発明において、上記「十分なグラフト率」とは、用途により異なるが、官能基容量(=使用寿命)性能とコスト、生産性との関係から、好ましくは100%程度(基材に対するグラフトモノマーを重量比で表す)が実用上の好ましい目安としている。
特開平11−279945号公報 特許第3787596号公報 特許第3293031号公報 特開2005−344047号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、電子線照射の替わりに、ガンマ線照射を用いる不織布のグラフト重合方法を鋭意検討し、液体ろ過フィルタやエアフィルタ用途などに好適に用いることができる各種素材のグラフト重合された高性能の機能性不織布の製造方法を提供することにある。
特に、本発明の目的は、(i)ガンマ線の照射線量を低くしても、十分高いグラフト率が得られ、高度のイオン交換容量を付与できること、(ii)連続繊維で構成される低ダスト性不織布(メルトブロー法不織布)を基材とし、ポリエチレンおよびそれ以外の高分子素材へ適用範囲を拡げること、及び(iii)様々なグラフト条件の調整が簡便にでき、各種イオン除去に対応する機能性不織布を少量多品種にて提供すべく、非連続工程からなる機能性不織布の製造を検討し、近年ますます要求が高度化、スペシャル化する液体ろ過フィルタや消臭フィルタ、住宅、自動車内装材、建築資材、消臭シート資材などに好適に用いることができる機能性不織布の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(i)数ある不織布の製法の中から、メルトブロー法不織布に着目し、この不織布製造において、極細の連続繊維で構成される不織布を生産するに際し、グラフト重合に適した繊維構成(繊維径、目付け重量、繊維充填率など)となるように、その不織布基材の仕様を選定すること、及び、(ii)グラフト重合させる反応性モノマーを水と界面活性剤とによってエマルジョン化すること、の二つの手段を組み合わせることによって、ガンマ線の照射に際し、低い放射線線量かつ短時間の反応時間において、目標以上のグラフト率を得ることができることを見出した。これらの知見により、ガンマ線照射の時間を短縮でき、そのガンマ線装置の照射率の低さの問題点を克服し、さらには、低照射線量化により、不織布基材の分子劣化を抑えられるため、従来は適用されなかったポリアミド、ポリプロピレンの極細不織布などへのグラフト重合が可能になり、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(I)ポリアミド又はポリオレフィンを原料とする平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維から構成される繊維充填率5〜45%の不織布を、窒素雰囲気及び氷点下の大気と遮断された密封状態に置いて、該不織布に、30kGy以下のガンマ線を照射する第一工程と、次いで、(II)大気下、窒素雰囲気下又は減圧下にあるエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの液槽に浸漬して、液相にてグラフト重合させる第二工程、及び(III)グラフトされたビニル基含有モノマー鎖に、さらに、機能性官能基を導入する第三工程からなり、かつ、第一〜第三の各工程がそれぞれ独立した非連続の工程からなることを特徴とする機能性不織布の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記グラフト重合用基材としての不織布は、繊維原料がポリアミド、ポリプロピレン、プロピレンとエチレンの共重合体、ポリエチレン、又はエチレンと炭素数4以上の他のα−オレフィンとの共重合体より選ばれる一種であり、目付け重量が10〜100g/mのメルトブロー法不織布であることを特徴とする機能性不織布の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記機能性官能基は、スルホン基、アミノ基、リン酸基、グルカミン酸基、又はイミノジ酢酸基より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする機能性不織布の製造方法が提供される。
一方、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明に係る機能性不織布の製造方法から得られる機能性不織布からなることを特徴とするフィルタが提供される。
本発明は、上記した如く、機能性不織布の製造方法などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)前記エマルジョン化は、前記反応性モノマーを水と界面活性剤とによって行い、その際に用いられる該界面活性剤は、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、又はそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする上記のいずれかの機能性不織布の製造方法。
(2)前記反応性モノマーは、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル及びクロロメチルスチレンからなる群から選択されるビニル基を有するモノマーであることを特徴とする上記のいずれかの機能性不織布の製造方法。
また、本発明の機能性不織布の製造方法から得られた機能性不織布の好ましい使用態様としては、上記の機能性不織布を、単独または別種の不織布と積層して、プリーツ状または円筒巻き状のカートリッジとすることができる。さらに、上記の機能性不織布と、高密度ポリエチレン又はPTFEの微多孔膜とを組み合わせて、プリーツまたは円筒状に積層してカートリッジ化してなる流体ろ過用カートリッジフィルタを提供することができる。また、別種の不織布やネットなどと複合して、ガス吸着型エアフィルタを提供することができる。
本発明の機能性不織布の製造方法によれば、平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維からなる繊維充填率が5〜45%の不織布を用い、かつ、水と界面活性剤によってエマルジョン化した反応性モノマーを使用することによって、ガンマ線の放射線線量が低く、かつ、従来法よりも極めて短い反応時間で高グラフト率が得られる方法を提供することができる。また、従来から敬遠されてきた照射率の低いガンマ線照射を活用できる道が拓け、工業的に際立って優れている。
また、ロール巻きの不織布を、そのままの形態でガスバリヤー性樹脂フィルム袋などの包装資材に封入し、脱気と窒素置換操作を経て、ヒートシーラーにより密閉、冷凍保存することにより、不定形のバルク梱包形態のまま、透過力の強いガンマ線でバッチ照射処理することができる。このような包装形態は、ガンマ線照射時に発生する熱を除熱し、また、照射後においても、低温下で酸素との接触を絶つ機能があり、生成ラジカルの消失を簡便に防止するため、本発明におけるガンマ線照射に基づくグラフト重合には、極めて有効である。
さらに、本発明によれば、反応性モノマーを水と界面活性剤とでエマルジョン化したものをグラフトして重合に用い、メタノール等のアルコールやジメチルスルフォキシドなどの有機溶媒を使用しないため、作業安全性も高く、環境負荷も低減することができる。
本発明の機能性不織布の製造方法は、(I)ポリアミド又はポリオレフィンを原料とする平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維から構成される繊維充填率が5〜45%の不織布を、窒素雰囲気及び氷点下の大気と遮断された密封状態に置いて、該不織布に、30kGy以下のガンマ線を照射する第一工程と、次いで、(II)大気下又は窒素雰囲気下又は減圧下にあるエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの液槽に浸漬して、液相にてグラフト重合させる第二工程、及び(III)グラフトされたビニル基含有モノマー鎖に、さらに、機能性官能基を導入する第三工程からなり、かつ、第一〜第三の各工程がそれぞれ独立した非連続の工程からなることを特徴とするものである。
以下、本発明の機能性不織布の製造方法などについて、詳細に説明する。
I.第一工程:
本発明に係る基材となる不織布としては、ポリアミド又はポリオレフィンから選ばれる基材の平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維からなり、繊維充填率が5〜45%のものであり、好ましくは、メルトブロー法によって製造される不織布が選ばれる。
ここで、メルトブロー法不織布とは、熱可塑性高分子(ポリマー)を溶融し、極細のノズルより押出すと共に高温高圧の空気で吹き飛ばしてスクリーンコンベア上に集積する極細連続繊維からなるシート状不織布である。このシート状不織布を任意の長さにロール状に巻き取って、当用途に提供される一連の連続工程から生産される不織布である。
このメルトブロー不織布による極細化は、適用原料の種類によって異なるが、現在、工業的に生産され得るメルトブロー不織布の平均繊維径は、0.2〜15μmの範囲であり、当用途に好ましい範囲としては、0.2〜10μmである。この繊維径は、従来の短繊維不織布のそれとは、格段に細い繊維径である。このことは、単位不織布重量あたりの繊維数、即ち表面積(比表面積)の増大を意味し、グラフト重合反応の基材表面増ともなるので、グラフト率を決定的に高める因子である。
また、繊維径のみならず、不織布の一定容積内の繊維の充填密度即ち繊維充填率(単に充填率%と呼ぶこともある)を、原反の製造過程で、容易に調節できる。この繊維充填率は、不織布内の空隙率とも関連して、グラフト率を左右する重要な因子であり、本発明では、繊維充填率が5〜45%(空隙率が95〜55%)であることが好ましい。
尚、連続繊維不織布としては、スパンボンド法不織布も用いることが可能であるが、現時点での工業生産では、10μm以下の繊維径を実現することが難しく、本発明の対象からは割愛した。
ここで、繊維径が細いと、グラフト重合に有利となるメカニズムを考察し、詳述する。まず、繊維径が小になると、不織布基材の一定重量あたりの表面積(比表面積)が増加する。反応性モノマーのグラフト重合は、繊維表面から生長するので、放射線によるラジカル生成及びグラフト重合を繊維の深部まで浸透させなくともよく、また、個々の繊維のグラフト率が低くても、繊維の絶対数が増えるので、その積算によって、基材全体として高いグラフト率を得ることができる。この理由によって、放射線照射量の引き下げとグラフト重合時間の短縮が可能になると、推察できる。
本発明において、極細繊維の使用に基づく低照射線量を実現していることから、単位重量に対して、比表面積が大きいため、繊維深部へのラジカルを発生とグラフト重合の浸透は必要がなくなると、考察できる。
その結果、基材への損傷を軽減することができるので、適用できる高分子素材が広がり、ポリエチレン(PE)以外にも、照射による分子量の崩壊を伴うポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)など、多岐に渉るメルトブロー不織布素材が利用できる。
特に、極細のポリプロピレン製のメルトブロー不織布では、10kGy以下の照射でもグラフト重合として十分であり、同材料では、5〜10kGyの照射量が損傷を軽減するうえでも好ましい照射量である。
ここで、ポリアミド(PA)としては、特に限定されなく、ナイロンの一般名をもつ、酸アミド(−CONH−)を繰り返し単位に持つ合成高分子であり、例えば、ポリアミド3(ナイロン3)、ポリアミド4(ナイロン4)、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド6−6(ナイロン6−6)、ポリアミド12(ナイロン12)などが挙げられる。
また、ポリオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などのα―オレフィンの単独重合体、あるいはこれらα−オレフィンの2種類以上のランダムあるいはブロック共重合体が挙げられる。中でもポリプロピレン(PP)としては、ポリプロピレン単独重合体、又はエチレン・プロピレン系共重合体などであり、そのエチレン含量については特に特定されないが、メタロセン触媒により製造されたものは、放射線の損傷による物性低下が少なく好ましい。
また、ポリエチレン(PE)としては、特に限定されなく、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のいずれもメルトブローで不織布化が可能なものであり、繊維径が10μm以下のものは、使用に好適である。
さらに、本発明の機能性不織布の製造方法では、前述の平均繊維径、繊維充填率の範囲とともに、不織布の目付け重量は、10〜100g/mの範囲から選択されるのが望ましい。
なお、繊維充填率(単位容積内に占める繊維量に相当)は、次式で表され、また、空隙率(単位容積に占める空隙)とは、以下の関係がある。
充填率(%)={目付け重量g/m/厚みmm/比重/1,000}x100(%)
空隙率(%)=100−繊維充填率(%)
ここで、本発明においては、繊維径はグラフト率とグラフト反応時間に対して支配的であり、一方、不織布の目付け重量は、グラフト重合させる繊維数の絶対量に比例するのでグラフト量を左右する。また、空隙率(ないしは繊維充填率)は、グラフト鎖が生長する繊維の密度と自由空間(空隙)を与えるので、達成するグラフト率に影響する。空隙率が小さ過ぎると、即ち繊維充填率が大き過ぎると、一定容積に繊維が過密に配置されることになるので、反応性モノマーが自由に不織布内部に浸透できず、反応が進むと不織布内部が液涸れの状態になり、好ましくない。一方、空隙率が大き過ぎると、即ち繊維充填率が小さ過ぎると、メルトブロー法不織布においては、毛羽立ちや強度低下を伴いやすいので好ましくない。従って、グラフト用途の基材としては、繊維充填率が5〜45%の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜40%の範囲から選ぶことが望ましい。
このような不織布の繊維構造は、グラフト率を支配するため、極めて重要であり、単に繊維径だけのファクターだけでは、良好なグラフト重合を達成することは困難である。この点において、メルトブロー法不織布では、本発明に係るグラフト重合に適する繊維構造を比較的自由にコントロールできるので、好適である。
本発明では、その実施態様の例として、ガンマ線の高い透過力を利用し、ロール状に巻かれた不織布をガスバリヤー性樹脂フィルム袋などの包装資材に封入し、脱気と窒素置換操作を経て、ヒートシーラーにより密閉し、ドライアイスなどによって冷凍することにより、バルク梱包形態のまま、透過力の強いガンマ線で、バッチ照射処理することができる。このような包装形態は、ガンマ線照射時に発生する熱を除熱し、また、照射後においても、低温下で酸素との接触を絶って、生成ラジカルの消失を長時間に渉って簡便に防止するので、本発明におけるガンマ線照射に基づくグラフト重合には、極めて有効である。
尚、ガンマ線の照射と照射後の状態が、脱気密封状態及び冷凍状態に保たれる容器を使用してもよく、前記フィルム袋の包装形態のこだわるものではない。
前記包装資材としては、空気中の酸素の遮断性のあるものが望ましいから、フィルム素材としては、ポリエチレン/ナイロン/ポリエチレンの3層フィルムか、ポリエチレン/EVOH(エバール)/ポリエチレンなどの多層ガスバリヤー性のフィルムが適している。このようなフィルム袋への包装は、市販されている自動機械化装置を用いれば、特段の労力を要しない。例えば、食品包装分野で多用されている真空脱気と窒素充填可能な包装機械が利用できる。
この様に梱包されたロール状の不織布原反を、ドライアイスとともに断熱ボックスに収納し、そのまま照射するので、不織布基材の巻き出し、巻取り設備を照射設備に持ち込むことが不用になる。
上記のごとく梱包された不織布を保冷下でガンマ線を照射し、その後も冷凍状態のまま保存して、次工程であるグラフト重合工程(II)に移される。
II.第二工程:
本発明の機能性不織布の製造方法の第二工程は、上記の窒素雰囲気、保冷下でガンマ線を照射した不織布を、大気下、窒素雰囲気下又は減圧下にあるエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの液槽に浸漬して、液相にてグラフト重合させる工程である。
具体的には、ガンマ線照射後の梱包された不織布を開梱して、速やかに水と界面活性剤によりエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの槽に投入し、液相にてグラフト重合を完了させる。
本発明では、ビニル基含有反応性モノマーを水と界面活性剤によって、エマルジョン化することによって、前記第一工程において、低放射線量、短時間での反応が可能となる。
これは、極細繊維と微小なエマルジョン化モノマー液滴粒が効率よく会合し、反応を促進した効果と、推察される。繊維と会合するモノマー液滴そのものは、凡そ100%の濃度と見られ、そのことによって、グラフト反応性が高まっているものと考察できる。このことが、ガンマ線が低照射量であっても、短時間の反応時間にて、十分なグラフト率を得ることができ、さらに、エマルジョン液中での重合反応であるため、槽内を窒素雰囲気にする特段の必要もなく、反応開始前後に、エマルジョンへの窒素バブリングを行う程度でも、十分なグラフト率が達成できる。
グラフト重合用の反応性モノマーをエマルジョン化する界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン系、両性イオン系、非イオン系界面活性剤のいずれも、使用することができる。また、これらの数種を併用してもよい。
具体的には、陰イオン系界面活性剤としては、特に限定はないが、アルキルベンゼン系、アルコール系、オレフィン系、リン酸系、アミド系の界面活性剤などであり、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。
また、陽イオン系界面活性剤は、特に限定はないが、オクタデシルアミン酢酸塩、トリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。非イオン系界面活性剤は、特に限定はないが、エトキシル化脂肪アルコール、脂肪酸エステルなどであり、例えば、Tween 80が挙げられる。両性イオン系界面活性剤は、特に限定はないが、例えば、アンヒトール(商標)(花王株式会社)が挙げられる。
使用する界面活性剤の濃度は、特に限定はなく、反応性モノマーの種類、濃度に依存して、適宜決定することができる。界面活性剤の濃度は、溶媒の全重量を基準として、0.1〜10%が好ましい。
界面活性剤を使用することにより、水に対して不溶性の反応性モノマーの分散を促進することができる。エマルジョンの外観は、分散相の液滴の大きさに依存して種々変化するが、一般的には、乳濁状態であり、マイクロエマルジョンからナノエマルジョンへと液滴の大きさが小さくなるにつれ、透明を呈するようになる。
エマルジョン化のための水は、特に限定はないが、イオン交換水、純水、超純水が使われる。溶媒として有機溶媒ではなく、水を使用することにより、廃液処理および作業環境の問題を排除することができ、環境保護面に資することとなる。
ここで、上述のエマルジョン化モノマーのグラフト重合条件については、モノマーの反応性にもよるが、40℃〜60℃である。反応時間は、5分〜40分の範囲であり、エマルジョン中のモノマー濃度は、5〜30%のなかで、適宜選択される。
本発明において、第一の工程(照射)と第二の工程(グラフト重合)は、工程間の時間を短縮するという意味においては、連続工程とすることも考えられるが、特にガンマ線の照射設備にこのようなグラフト重合槽を組み込むことは、安全操業を確保するうえで、また、大きな設備投資を伴ううえで好ましくない。したがって、両工程を非連続の独立した工程とすることが好ましい。
また、本発明によれば、照射後にグラフト基材を窒素雰囲気下で冷温保存の処置を施しておくことが望ましい。照射工程(第一工程)とグラフト重合工程(第二工程)は、分離しているため、照射量と反応モノマーのバッチ液槽でのグラフト反応時間とがそれぞれ用途・目的に応じて独立に変更できるので、少量多品種の生産に好都合である。さらに、第一工程と第二工程とが分離独立していることは、操業立地形態において、さらに自由度を与える。たとえば、照射を外部業者に委託することができ、高額のガンマ線照射装置や電子線装置及びそれに付随する建屋や遮蔽、取り扱い資格者などは必要でなくなる。
尚、本明細書中における「エマルジョン」とは、一般に、水に対して不溶性である反応性モノマー液の小滴が水溶媒中に分散した系をいう。反応性モノマー液の小滴の大きさに限定はなく、数nm〜数十nm程度のマイクロエマルジョンや1nm程度のナノエマルジョンも含むものとする。したがって、水に対して不溶性である反応性モノマー液と水溶媒が存在する限り、界面活性剤の添加により、水/油間の界面張力を低下させて、見かけ上一様に混ざり合った状態の系も含むものとする。
本発明は、この第二の工程及び第三の工程を経て、基材に形成されたモノマーのグラフト鎖に、スルホン基、アミノ基、イミノジ酢酸基などの機能性官能基を導入することを含むものである。
該不織布基材に、グラフト重合させる反応性モノマ−としては、ビニル基を有するモノマーが挙げられ、特に限定はなく、例えば、アクリロニトリル(CH=CHCN)、アクロレイン、グリシジルメタクリレート(GMA)、ビニルベンジルグリシジルエーテル、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。
また、反応性モノマーにおけるビニル基を有するモノマーとして、リン酸基を有するビニルモノマーも挙げられ、例えば、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート:CH=C(CH)COO(CHOPO(OH)、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート:[CH=C(CH)COO(CHO]PO(OH)、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート:CH=CHCOO(CHOPO(OH)、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート:[CH=CHCOO(CHO]PO(OH)、又はこれらの混合モノマーなどである。
このビニル基を有するモノマー、例えば、GMAを基材にグラフトし、次に第三の工程として、このグラフト側鎖にイオン交換機能のある官能基を導入し、例えば、亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させてスルホン化し、カチオン交換基に転化させたり、ジエタノールアミンなどを用いてアミノ化し、アニオン交換基を導入したりすることができる。また、イミノジ酢酸などのキレート化剤を作用させてイミノジ酢酸基(イミノ二酢酸基、(IDA基:−N(CHCOOH))をグラフト鎖に導入することができる。
また、本発明においては、第二の工程において、上述のごとき選ばれた基材に導入される反応性モノマーとしては、それ自体がイオン交換を有するものを使用してもよい。
例えば、アクリル酸と強酸性基を含有するスチレンスルホン酸ナトリウム、メタアクリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸などとの水溶液下での共重合、また、強塩基性基を含有するビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどである。このような共重合では、第二工程と第三工程が統合された実施形態となる。
III.第三工程:
本発明の機能性不織布の製造方法の第三工程は、上記のビニル基含有反応性モノマーを液相にてグラフト重合させた不織布に、すなわち、グラフトされたビニル基含有モノマー鎖に、さらに、機能性官能基を導入する工程である。
具体的には、ビニル基を有するモノマー、例えばGMAを不織布基材にグラフトし、次に、第三の工程において、このグラフト側鎖にイオン交換機能のある官能基を導入し、例えば、亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させてスルホン化し、カチオン交換基に転化させたり、ジエタノールアミンなどを用いてアミノ化し、アニオン交換基を導入したりする工程である。また、イミノジ酢酸などのキレート化剤を作用させてイミノジ酢酸基をグラフト鎖に導入し、鉛などの重金属の吸着機能を付与することができる。
また、第三の工程において導入される機能性官能基としては、スルホン基、アミノ基、リン酸基、グルカミン酸基、又はイミノジ酢酸基より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。しかし、それら以外にも、所望する機能、例えば重金属(鉛、カドミニウム、砒素など)の吸着機能により、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基、エチレンジアミン三酢酸基、イミノジエタノール基などが挙げられる。
IV.機能性不織布の用途
本発明の機能性不織布の製造方法により得られた機能性不織布は、各種フィルタに加工することができ、例えば、先ず、流体に溶解した金属イオンを吸着・回収する分野へ適用できる。例えば、半導体製造に用いられる純水に含まれる各種の金属イオン、銅、ナトリウムなどは、スルホン基により吸着でき、また、飲料水、廃液に含まれる鉛、カドミニウムなどは、イミノジ酢酸基によって、捕捉することができる。
また、流体が気体の場合、イオン交換基をスルホン基またはアミノ基化することにより、気体に含有する酸性またはアルカリガスを効率よく吸着させることができる。
気体に含まれる有害成分の除去の例として、アンモニアやトリメチルアミンなどのアルカリガス、NO、SOなどの酸性ガス、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどを吸着することができる。
本発明に係る機能性不織布をフィルタ用途に用いた機能性不織布フィルタは、気体及び液体用のフィルタ素材として用いる場合には、圧力損失を小さくするために、フィルタ素材をプリーツ状に成形して、フィルタを形成することがよく行われるために、本発明においても、プリーツまたは円筒状に形成して用いることができる。
また、本発明に係る機能性不織布フィルタと、高密度ポリエチレン又はPTFEの微多孔膜とを組み合わせて、プリーツまたは円筒状に積層してカートリッジ化してなる流体ろ過用カートリッジフィルタとして、用いることもできる。
このように、グラフト化不織布基材には、多くの機械的及び熱的加工がなされるが、本発明にある放射線の低線量化によって、基材の物性低下を抑えることができるので、フィルタ用途に好適である。
以下に本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
平均繊維径が6μmの高密度ポリエチレン原料のメルトブロー不織布(表1ではMBと略記、目付け重量81g/m、厚み0,38mm、繊維充填率24%)を幅30cm、巻き径20cmのロール状に巻いて、ポリエチレン/ナイロン/ポリエチレンの3層ガスバリヤーフィルム製の袋に収め、真空ポンプで脱気した後、窒素を導入し、袋のヒートシールして密閉した。この試料を発泡スチロール箱にドライアイスとともに収納した。
この試料に、20kGyのガンマ線を照射した(第一工程)。
次に、照射した試料を予め調液したエマルジョン化モノマーの貯槽に浸漬し、減圧下で40℃に保持しながら、エマルジョングラフト重合反応を20分間行った。モノマー液には、予め窒素バブリングを行った(第二工程)。
使用したモノマー溶液は、液全体重量基準で、グリシジルメタクリレート(GMA)10%と界面活性剤であるTween 80(関東化学株式会社製)を1%含む純水とのエマルジョンである。この時のグラフト率を評価したところ、GMAグラフト率は、150%であった。
ここで、グラフト率は、グラフト前後の不織布重量より、下式に基き、算出した。
グラフト率(%)=100×(B−A)/A
(式中、Aはグラフト前の不織布基材重量、Bはグラフト後の不織布基材重量を表す。)
このグラフト済みの不織布に、第三工程として、イオン交換基を付与するために、10%亜硫酸ナトリウム水溶液で80℃、2時間反応させ、スルホン基を導入した。
数式(1)に示すスルホン転化率(%)として、スルホン基に転化される前のエポキシ基のmol数に対するエポキシ基から転化したスルホン基のmol数の割合を算出した。その結果を表1に示すように、90%であった。
数式(1):転化率(%)=100×エポキシ基から転化したスルホン基のmol数/スルホン基に転化される前のエポキシ基のmol数
この不織布基布目付け重量と導入された官能基のモル数より、基布単位重量の官能基密度が計算できる。計算方法を以下に例示し、その結果を表1に示す。
官能基密度(m−mol/g)=導入された官能基のモル数[m−mol]/機能性不織布の重量[g]
上式の機能性不織布とは、官能基の導入後の不織布いう。
[実施例2]
実施例1の窒素置換したエマルジョン状態のモノマー液に窒素バブリングせずに、エマルジョン化したモノマー溶液に浸漬した以外は実施例1と同様に、グラフト重合を実施した。GMAグラフト率は、110%であった。
このグラフト済みの不織布に、第三工程として、トリメチルアミン塩酸塩の10%水溶液を調整し、この水溶液にNaOHを投入してPH9.4とした後、上記GMAグラフト不織布を浸漬して80℃、1時間の処理を行ったところ、転化率95%のトリメチルアミン付加型の機能性不織布を得た。その評価結果及び先の実施例1に示した方法により計算から求めた官能基密度を表1に示す。
[実施例3]
平均繊維径が9μmの高密度ポリエチレン原料のメルトブロー不織布(目付け重量80g/m、厚み0.56mm、繊維充填率16%)を用いた以外は、実施例1と同様に、エマルジョングラフト重合反応を実施した。GMAグラフト率は、105%であった。
このグラフト済みの不織布に、第三工程として、80℃のイミノジ酢酸ナトリウム10%水溶液に3時間浸漬し、転化率85%のイミノジ酢酸基付与型の機能性不織布を得た。その評価結果及び計算から求めた官能基密度を表1に示す。
[実施例4]
平均繊維径が0.6μmのポリプロピレン原料のメルトブロー不織布(目付け重量15g/m、厚み0.12mm、繊維充填率14%)を用い、ガンマ線照射線量を10kGyとした以外は、実施例1と同様に、エマルジョングラフト重合反応を実施した。GMAグラフト率は、170%であった。
このグラフト済みの不織布に、第三工程として、ジオキサンと水が90:10の溶液にグルカミン酸を10%溶解し、80℃、30分間浸漬した。その結果、転化率100%のグルカミン酸基付加型の機能性不織布を得た。その結果及び計算から求めた官能基密度を表1に示す。
[実施例5]
平均繊維径が6μmのポリアミド6(PA6)を原料としたメルトブロー不織布(目付け重量60g/m、厚み0.50mm、繊維充填率13%)を用い、ガンマ線照射線量を10kGyとした以外は、実施例1と同様に、エマルジョングラフト重合反応を実施した。GMAグラフト率は、190%であった。
このグラフト済みの不織布に、第三工程として、80℃のイミノジ酢酸ナトリウム10%水溶液に3時間浸漬し、転化率60%のイミノジ酢酸基付与型の機能性不織布を得た。その結果及び計算から求めた官能基量を表1に示す。
[実施例6]
実施例1のエマルジョングラフト重合反応を行ってGMAを150%付加した不織布に、第三工程として、85%リン酸に浸漬し、温度80℃、30分間浸漬した。その結果、転化率100%のリン酸基付加型の機能性不織布を得た。その結果及び計算から求めたイオン交換当量を表1に示す。
Figure 2009091707
[比較例1]
繊度2デシテックス(平均繊維径18μm)の高密度ポリエチレン短繊維を用いたカード法乾式不織布(目付け重量90g/m)に、30kGyのガンマ線を照射したのち実施例1と同様に、エマルジョングラフト重合反応(ただし、反応時間60分)を実施した。
GMAグラフト率は、32%であった。その結果を表2に示す。
「比較例2」
比較例1に用いた、繊度2デシテックス(平均繊維径18μm)の高密度ポリエチレン短繊維を用いたカード法乾式不織布(目付け重量90g/m)に、100kGyのガンマ線を照射したのち、実施例1と同様に、エマルジョングラフト重合反応(ただし、反応時間60分)を実施したが、GMAのグラフト率は75%に留まった。その結果を表2に示す。
[比較例3]
平均繊維径が12μmの高密度ポリエチレンを原料とする、メルトブロー法不織布(目付け重量50g/m)を用いて、実施例1と同じ条件にて、グラフト重合(ただし反応時間60分)を実施したが、そのGMAのグラフト率は29%であった。その結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1における平均繊維径が6μmの高密度ポリエチレンを原料とするメルトブロー法不織布(目付け重量81g/m、厚み0.38mm)を、熱プレスロールを用いて0.15mmに圧密し、繊維充填率を50%に調節し、実施例1と同じ条件にて、グラフト重合を実施したが、そのグラフト率は23%であった。その結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例1における平均繊維径が6μmの高密度ポリエチレンを原料とするメルトブロー法(目付け重量81g/m)に、30kGyのガンマ線を照射し、次に、第二工程として、モノマー溶液として、グリシジルメタクリレート(GMA)10%とメタノール溶媒90%の溶液を用い、120分間反応させた。その結果、GMAグラフト率は、72%であった。その結果を表2に示す。
Figure 2009091707
表1、2から明らかなように、実施例1〜6では、ガンマ線20kGy又はそれ以下の低照射線量において、20分のグラフト反応時間にて、GMAのグラフト率が100%以上を達成している。
一方、繊維径が18μmの高密度ポリエチレン短繊維を用いた乾式カード法不織布を用いた比較例1では、グラフト重合を実施してもGMAグラフト率が32%となっている。これは、ガンマ線の線量が30kGyでは、低いためと見られ、比較例2において、照射量を100kGyに高めると、グラフト率が向上するが、反応時間が60分においても、グラフト率が75%に留まっている。また、比較例3では、繊維径が12μmの高密度ポリエチレンを原料とするメルトブロー法不織布に、グラフト重合を実施しても、GMAグラフト率は29%と低かった。ここに、繊維径のグラフト率への影響が認められる。
さらに、比較例4では、実施例1に用いたグラフト用基布を熱プレスロールにて圧密し、厚みを減じた結果、繊維充填率が50%となった。この不織布基材を、同じく実施例1と同様にグラフト重合を試みたが、GMAグラフト率は23%にしか到達しなかった。このことは、繊維充填率が高くなると、不織布内部の空隙が減少し、グラフト重合の進行に伴うモノマーの不織布表面から内部への浸透が追いつかなくなるか、あるいは、GMAグラフト鎖が成長する空間が減少したなどの原因と、推察される。
また、比較例5では、実施例1の不織布基材を用いて、グラフトモノマーをメタノール溶媒のもとでグラフト重合を実施したが、反応時間に120分を要しても、グラフト率が72%に留まり、エマルジョン化したモノマーを用いた実施例1との明らかな差が見られた。
本発明の機能性不織布の製造方法から得られた機能性不織布は、機能性官能基を導入することにより、液体に溶解している金属、陽イオン、陰イオンを吸着・回収する液体フィルタに好適に用いることができ、あるいは大気中に含まれる有害ガスを吸着除去するエアフィルタに、好適に用いることができる。また、例えば、半導体や液晶製造工程に用いられている超純水への利用や、ヒ素や重金属を吸着除去処理できるため、河川や地下水の浄化に利用できる。さらに、大気中に含まれる有害ガスを効率よく吸着除去するエアフィルタに用いることもできる。

Claims (4)

  1. (I)ポリアミド又はポリオレフィンを原料とする平均繊維径が0.2〜10μmの連続繊維から構成される繊維充填率5〜45%の不織布を、窒素雰囲気及び氷点下の大気と遮断された密封状態に置いて、該不織布に、30kGy以下のガンマ線を照射する第一工程と、次いで、
    (II)大気下、窒素雰囲気下又は減圧下にあるエマルジョン化されたビニル基含有反応性モノマーの液槽に浸漬して、液相にてグラフト重合させる第二工程、及び
    (III)グラフトされたビニル基含有モノマー鎖に、さらに、機能性官能基を導入する第三工程からなり、かつ、
    第一〜第三の各工程がそれぞれ独立した非連続の工程からなることを特徴とする機能性不織布の製造方法。
  2. 前記グラフト重合用基材としての不織布は、繊維原料がポリアミド、ポリプロピレン、プロピレンとエチレンの共重合体、ポリエチレン、又はエチレンと炭素数4以上の他のα−オレフィンとの共重合体より選ばれる一種であり、目付け重量が10〜100g/mのメルトブロー法不織布であることを特徴とする請求項1に記載の機能性不織布の製造方法。
  3. 前記機能性官能基は、スルホン基、アミノ基、リン酸基、グルカミン酸基、又はイミノジ酢酸基より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性不織布の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の機能性不織布の製造方法から得られる機能性不織布からなることを特徴とするフィルタ。
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