JP2009091420A - グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】成形品の耐衝撃性および表面外観を低下させることなく、成形品に艶消し性を付与でき、かつ熱可塑性樹脂組成物の流動性、艶消し性の成形条件依存性を改善できるグラフト共重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物、および成形品を提供する。
【解決手段】肥大化ゴム10〜90質量部の存在下、不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物10〜90質量部を重合して得られたグラフト共重合体を用いる。肥大化ゴム:ゴム状重合体ラテックス(A)(固形分100質量部)と縮合酸塩(B)(0.1〜10質量部)と酸基含有共重合体ラテックス(C)(固形分0.1〜10質量部)とを混合して得られた質量平均粒子径0.6〜3μmの肥大化ゴム。酸基含有共重合体ラテックス(C):酸基含有単量体5〜30質量%および不飽和カルボン酸エステル系単量体95〜70質量%を重合して得られたラテックス。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラフト共重合体、該グラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、および該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に関する。
成形品の耐衝撃性を向上させることは、成形品の用途を拡大させるだけでなく、成形品の薄肉化や大型化への対応を可能にする等、工業的な有用性が非常に高い。そのため、成形品の耐衝撃性向上については、これまでに様々な手法が提案されてきた。
成形品の耐衝撃性を向上させる手法としては、ゴム状重合体と、ゴム状重合体を含まない重合体とを組み合わせた熱可塑性樹脂組成物を用いる手法が、既に工業化されている。
該熱可塑性樹脂組成物としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂(ASA樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)強化ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。
最近、自動車内装用部品(ダッシュボード、インストルメントパネル等。)、住宅用樹脂化建材等として、光沢が著しく低減された成形品、いわゆる艶消し成形品に対する需要が高まりつつある。該艶消し成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物としては、下記の熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
(1)架橋重合体を含む熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1〜9参照)。
しかし、(1)の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品は、耐衝撃性の低下が顕著であるため、(1)の熱可塑性樹脂組成物の使用には制限がある。最近は、成形品に対する耐衝撃性の要求が厳しくなってきており、(1)の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品では、その要求を満足できなくなってきている。
耐衝撃性の低下が抑えられた艶消し成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物としては、下記の熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
(2)粒子サイズの大なるゴム状重合体を含む熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献10〜14参照)。
(2)の熱可塑性樹脂組成物は、粒子サイズの大なるゴム状重合体を含むため、成形品の耐衝撃性の低下が抑えられる。しかし、(2)の熱可塑性樹脂組成物は、成形品の艶消し性の成形条件に対する依存性が大きいため、成形品の部位によって光沢差が生じやすく、斑になりやすい傾向がある。
艶消し性の成形条件依存性が少なく、斑が少ない成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物としては、下記の熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
(3)反応性の官能基を有する重合体を含む熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献15〜21参照)。
しかし、(3)の熱可塑性樹脂組成物は、反応性の官能基を有する重合体を含むため、熱可塑性樹脂組成物の流動性の低下が著しく、成形加工に支障がある場合が多いという問題がある。
以上のことより、耐衝撃性、表面外観、および艶消し性に優れる成形品を得ることができ、かつ流動性に優れ、艶消し性の成形条件依存性が少ない熱可塑性樹脂組成物が強く望まれている。
特開昭53−071146号公報 特開昭56−036535号公報 特開昭59−161459号公報 特開昭63−086756号公報 特開昭63−297449号公報 特開平08−073686号公報 特開平08−253641号公報 特開平08−199027号公報 特開2000−212293号公報 特開平02−214712号公報 特表平02−503322号公報 特表平11−508960号公報 特開平09−194656号公報 特開2000−198905号公報 特開昭60−018536号公報 特開昭61−236850号公報 特開昭63−156847号公報 特開昭63−156851号公報 特開平01−056762号公報 特開平01−101355号公報 特開平10−219079号公報
本発明は、成形品の耐衝撃性および表面外観を低下させることなく、成形品に艶消し性を付与でき、かつ熱可塑性樹脂組成物の流動性、艶消し性の成形条件依存性を改善できるグラフト共重合体;耐衝撃性、表面外観、および艶消し性に優れる成形品を得ることができ、かつ流動性に優れ、艶消し性の成形条件依存性が少ない熱可塑性樹脂組成物;および耐衝撃性、表面外観、および艶消し性に優れる成形品を提供する。
本発明のグラフト共重合体は、下記肥大化ゴム10〜90質量部の存在下、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体混合物10〜90質量部(肥大化ゴムと単量体混合物との合計100質量部)を重合して得られたものであることを特徴とする。
肥大化ゴム:ゴム状重合体ラテックス(A)と、該ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して0.1〜10質量部の縮合酸塩(B)と、前記ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜10質量部となる量の下記酸基含有共重合体ラテックス(C)とを混合することによって、ゴム状重合体を肥大化させて得られた、質量平均粒子径が0.6〜3μmの肥大化ゴム。
酸基含有共重合体ラテックス(C):水中にて、酸基含有単量体5〜30質量%および不飽和カルボン酸エステル系単量体95〜70質量%を含む単量体混合物を重合して得られた酸基含有共重合体のラテックス。
前記ゴム状重合体ラテックス(A)は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックスであることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)中、本発明のグラフト共重合体(I)10〜70質量%と、下記重合体(III)30〜90質量%とを含むことを特徴とする。必要に応じて、下記グラフト共重合体(II)0〜50質量%を含んでいてもよい。
グラフト共重合体(II):ゴム状重合体の存在下、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体成分を重合して得られたグラフト共重合体(ただし、グラフト共重合体(I)を除く。)。
重合体(III):不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつゴム質重合体を含まない重合体。
前記重合体(III)は、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体;または不飽和カルボン酸エステル系単量体5〜100質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体;または不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体と、不飽和カルボン酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体との混合物であることが好ましい。
前記重合体(III)が混合物である場合は、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体と、不飽和カルボン酸エステル系単量体5〜100質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体との混合物であることが好ましい。
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるもの、または成形品本体表面に、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる被覆層を有するものであることを特徴とする。
本発明の成形品は、押出成形により得られたものであることが好ましい。
本発明のグラフト共重合体によれば、成形品の耐衝撃性および表面外観を低下させることなく、成形品に艶消し性を付与でき、かつ熱可塑性樹脂組成物の流動性、艶消し性の成形条件依存性を改善できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、耐衝撃性、表面外観、および艶消し性に優れる成形品を得ることができ、かつ本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性に優れ、艶消し性の成形条件依存性が少ない。
本発明の成形品は、耐衝撃性、表面外観、および艶消し性に優れる。
本明細書においては、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
(ゴム状重合体ラテックス(A))
ゴム状重合体ラテックス(A)は、ゴム質重合体が粒子状態で水中に分散したものである。
ゴム状重合体ラテックス(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックス、エチレン−プロピレンゴム(EPR)ラテックス、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)ラテックス、ジエン系ゴムラテックス、ポリオルガノシロキサンラテックス等が挙げられ、耐候性に優れる成形品を得ることができるASA樹脂等を製造する場合、(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックス、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体ラテックス、EPRラテックス、EPDMラテックス、ポリオルガノシロキサンラテックスが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックスが特に好ましい。
ゴム状重合体は、2種以上を併用したものであってもよく、2種以上を複合化したものであってもよい。2種以上を併用したものとは、2種以上のゴム状重合体が化学的または物理的な結合を有していない状態のものを意味する。2種以上を複合化したものとは、2種以上のゴム状重合体がミクロレベルで接触または化学的に結合している状態のものを意味する。ゴム状重合体は、用途に応じて適宜選択して用いればよい。
(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックスは、水中にて、(メタ)アクリル酸エステル、必要に応じて他の単量体、グラフト交叉剤、架橋剤を含む単量体成分を重合して得られる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、メタクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等。);アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等。)が挙げられ、アクリル酸n−ブチルまたはアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルの割合は、単量体成分(100質量%)中、50〜100質量%が好ましく、成形品の耐衝撃性が優れる点から、60〜99.9質量%がより好ましく、70〜99.9質量%が特に好ましい。
他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。)、不飽和ニトリル系単量体(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。)、官能基を有する他の(メタ)アクリル酸エステル(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等。)、ジエン系化合物(ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等。)、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等が挙げられる。他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、0〜50質量%が好ましく、成形品の耐衝撃性が優れる点から、0〜39.9質量%がより好ましく、0〜29.9質量%が特に好ましい。
架橋剤およびグラフト交叉剤としては、例えば、アリル化合物(メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル等。)、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸エステル化合物(ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコールジエステル、ジアクリル酸1,6−ヘキシル等。)が挙げられ、グラフト交叉剤としてのアリル化合物と、架橋剤としてのジ(メタ)アクリル酸エステル化合物との組み合わせが好ましく、メタクリル酸アリルとジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステルとの組み合わせが特に好ましい。
グラフト交叉剤および架橋剤の合計の割合は、成形品の耐衝撃性と艶消し性とのバランスがよくなる点から、単量体成分(100質量%)中、0.1〜3質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
ゴム状重合体ラテックス(A)は、乳化重合により製造することが好ましい。
2種以上のゴム状重合体を併用する場合、2種のゴム状重合体ラテックスを混合してもよく、1種以上のゴム状重合体の存在下で他のゴム状重合体を製造してもよい。
ゴム状重合体ラテックス(A)に含まれるゴム状重合体の質量平均粒子径は、0.15μm以下が好ましく、0.12μm以下がより好ましい。質量平均粒子径の大きいゴム状重合体をあらかじめ製造することは、生産性に劣るため好ましくない。
(縮合酸塩(B))
縮合酸塩(B)としては、縮合酸と、アルカリ金属との塩が好ましい。
縮合酸は、オキソ酸が縮合した多核構造の酸である。縮合酸としては、ポリリン酸(ピロリン酸等。)等が挙げられる。
縮合酸塩(B)としては、ピロリン酸と、アルカリ金属との塩が好ましく、ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸カリウムが特に好ましい。
(酸基含有共重合体ラテックス(C))
酸基含有共重合体ラテックス(C)は、水中にて、酸基含有単量体5〜30質量%、不飽和カルボン酸エステル系単量体95〜70質量%、および必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体0〜25質量%を含む単量体混合物(単量体の合計100質量%)を重合して得られた酸基含有共重合体のラテックスである。
酸基含有単量体としては、カルボキシ基を有する不飽和化合物が好ましく、該化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。酸基含有単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸またはメタクリル酸と、炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を有するアルコールとのエステルが挙げられ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
不飽和カルボン酸エステル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体は、酸基含有単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体と共重合可能な単量体であり、かつ酸基含有単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体を除く単量体である。
他の単量体としては、芳香族ビニル系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等。)、不飽和ニトリル系単量体(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。)、2つ以上の重合性官能基を有する化合物(メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸ポリエチレングリコールエステル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル等。)等が挙げられる。他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸基含有単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、5〜30質量%であり、8〜25質量%が好ましい。酸基含有単量体の割合が5質量%以上であれば、ゴム状重合体を十分に肥大化できる。酸基含有単量体の割合が30質量%以下であれば、酸基含有共重合体ラテックス(C)の製造の際、凝塊物の発生が抑えられる。
不飽和カルボン酸エステル系単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、70〜95質量%であり、75〜92質量%が好ましい。
他の単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、0〜25質量%であり、0〜20質量%が好ましい。
酸基含有重合体ラテックス(C)は、乳化重合により製造することが好ましい。
乳化重合で用いる乳化剤としては、アニオン系乳化剤等が挙げられる。
アニオン系乳化剤としては、カルボン酸塩(脂肪酸(オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ロジン酸等。)のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩等。)、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乳化剤は、重合初期に全量を一括で仕込んでもよく、一部を重合初期に仕込み、残りを重合中に間欠的または連続的に追加してもよい。
乳化剤の量および仕込み方によって、酸基含有重合体ラテックス(C)に含まれる酸基含有重合体の質量平均粒子径、さらには肥大化ゴムの質量平均粒子径を調整できる。
乳化重合で用いる重合開始剤としては、熱分解型開始剤、レドックス型開始剤等が挙げられる。
熱分解型開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
レドックス型開始剤としては、有機過酸化物(クメンヒドロパーオキシド等。)−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート−鉄塩等の組み合わせが挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乳化重合の際には、分子量を調整する連鎖移動剤(メルカプタン類(t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等。)、テルピノレン、α−メチルスチレンダイマー等。)、pHを調節するアルカリまたは酸、減粘剤である電解質を用いてもよい。
酸基含有重合体ラテックス(C)に含まれる酸基含有重合体の質量平均粒子径は、0.2μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましい。酸基含有重合体の質量平均粒子径が大きいと酸基含有重合体ラテックスの安定性が低下する傾向にあるが、酸基含有重合体の質量平均粒子径が0.2μm以下であれば、凝塊物の発生を抑えて酸基含有重合体の製造を行うことができる。
(肥大化ゴム)
肥大化ゴムは、ゴム状重合体ラテックス(A)、縮合酸塩(B)および酸基含有共重合体ラテックス(C)を混合することによって、ゴム状重合体を肥大化させたものである。
肥大化ゴムの製造方法としては、ゴム状重合体ラテックス(A)に、縮合酸塩(B)および酸基含有共重合体ラテックス(C)を添加する方法が好ましく;ゴム状重合体ラテックス(A)を撹拌しながら、ゴム状重合体ラテックス(A)に縮合酸塩(B)を添加し、ついで酸基含有重合体ラテックス(C)を添加する方法がより好ましい。
縮合酸塩(B)は、0.1〜10質量%の水溶液として添加することが好ましい。
縮合酸塩(B)の量は、ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、0.5〜7質量部が好ましい。縮合酸塩(B)の量が0.1質量部以上であれば、ゴム状重合体の肥大化が十分に進行する。縮合酸塩(B)の量が10質量部以下であれば、ゴム状重合体ラテックス(A)の濃度が低下することなく、かつラテックスが安定化して凝塊物の発生を抑えて、ゴム状重合体の肥大化が十分に進行する。
ゴム状重合体ラテックス(A)に縮合酸塩(B)を添加した段階で、混合液のpHは7以上が好ましい。pHが7以上であれば、ゴム状重合体の肥大化が十分に進行し、質量平均粒子径が0.6μm以上の肥大化ゴムを得やすくなる。pHを7以上とするために、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等。)を用いてもよい。
酸基含有重合体ラテックス(C)は、一括で添加してもよく、連続的または断続的に滴下してもよい。
酸基含有重合体ラテックス(C)の量は、ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して、酸基含有重合体ラテックス(C)が固形分で0.1〜10質量部となる量が好ましく、0.3〜7質量部となる量がより好ましい。酸基含有重合体ラテックス(C)が固形分の量で0.1質量部以上であれば、ゴム状重合体の肥大化が十分に進行し、質量平均粒子径が0.6μm以上の肥大化ゴムを得やすくなる。また、凝塊物の発生が抑えられる。酸基含有重合体ラテックス(C)が固形分の量で10質量部以下であれば、ラテックスのpHの低下が抑えられ、ラテックスが安定化する。
肥大ゴムと小粒子または中粒子のゴムを併存させる場合には、酸基含有重合体ラテックス(C)の添加後に、さらにゴム状重合体ラテックス(A)を添加してもよい。
肥大化を行う際の撹拌は適度に制御する必要がある。撹拌が十分であれば、肥大化が均一に進行することにより、未肥大のゴム状重合体の残留が抑えられ、質量平均粒子径が0.6μm以上の肥大化ゴムを得やすくなる。なお、過度に撹拌を行うと、ラテックスが不安定になり、凝塊物が多量に発生することがある。
肥大化を行う際の温度は、10〜90℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。温度が10〜90℃であれば、ゴム状重合体の肥大化が十分に進行し、質量平均粒子径が0.6μm以上の肥大化ゴムを得やすくなる。
肥大化ゴムの質量平均粒子径は、0.6〜3μmであり、0.6〜2μmが好ましい。肥大化ゴムの質量平均粒子径が0.6μm以上であれば、得られる成形品の耐衝撃性、艶消し性が良好となる。肥大化ゴムの質量平均粒子径が3μm以下であれば、ラテックスが安定化する傾向が強くなり、肥大化を行う際に凝塊物の発生を抑制できる。
(グラフト共重合体(I))
本発明のグラフト共重合体(以下、グラフト共重合体(I)と記す。)は、肥大化ゴムの存在下、単量体混合物をグラフト重合して得られたものである。
単量体混合物は、不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体、および必要に応じて他の単量体を含むものである。
不飽和ニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
他の単量体は、不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体であり、かつ不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体を除く単量体である。
他の単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等が挙げられる。他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体混合物としては、成形品の耐衝撃性が優れる点から、スチレンとアクリロニトリルとの混合物が特に好ましい。
不飽和ニトリル系単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、3〜50質量%であり、10〜40質量%が好ましい。不飽和ニトリル系単量体の割合が3質量%以上であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。不飽和ニトリル系単量体の割合が50質量%未満であれば、成形品の熱による変色が抑えられる。
芳香族ビニル系単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、20〜97質量%であり、30〜80質量%が好ましい。芳香族ビニル系単量体の割合が20質量%以上であれば、成形性が良好となる。芳香族ビニル系単量体の割合が97質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。
他の単量体の割合は、単量体混合物(100質量%)中、0〜50質量%であり、0〜40質量%が好ましい。他の単量体の割合が50質量%未満であれば、成形品の表面に外観不良が発生することが抑えられる。
肥大化ゴムと単量体混合物との合計100質量部のうち、肥大化ゴムは10〜90質量部であり、単量体混合物は10〜90質量部である。肥大化ゴムの量が10質量部以上であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。肥大化ゴムの量が90質量部以下であれば、成形品の耐衝撃性および艶消し性が良好となる。
肥大化ゴムと単量体混合物との合計100質量部のうち、肥大化ゴムは30〜70質量部が好ましく、単量体混合物は30〜70質量部が好ましい。肥大化ゴムおよび単量体混合物が該範囲であれば、成形品の耐衝撃性、成形性、艶消し性が、高いレベルでバランス良く発現される。
グラフト共重合体(I)ラテックスは、肥大化ゴムラテックスの存在下、単量体混合物を乳化重合することにより製造できる。
乳化重合で用いる乳化剤としては、乳化重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高めることができる点から、アニオン系乳化剤が好ましい。
アニオン系乳化剤としては、カルボン酸塩(サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等。)、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。また、肥大化ゴムの製造時に用いた乳化剤をそのまま利用してもよい。
乳化重合で用いる重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられ挙げられる。
乳化重合の際には、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するための連鎖移動剤を用いてもよい。
乳化重合における単量体の添加方法としては、全量一括添加、分割添加、逐次添加等の方法を用いることができ、一部を一括で添加し残量を逐次添加する等のようにこれらの方法を組み合わせて用いることもできる。また、単量体を添加した後しばらく保持し、その後に重合開始剤を添加して重合を開始する方法も用いることができる。
乳化重合で得られたグラフト共重合体(I)ラテックスから、グラフト共重合体(I)を回収する方法としては、下記の方法が挙げられる。
グラフト共重合体(I)ラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入し、グラフト共重合体(I)を固化させる。
ついで、固化したグラフト共重合体(I)を、水または温水中に再分散させてスラリーとし、グラフト共重合体(I)中に残存する乳化剤残渣を水中に溶出させ、洗浄する。
ついで、スラリーを脱水機等で脱水し、得られた固体を気流乾燥機等で乾燥することによって、グラフト共重合体(I)が粉体または粒子として回収される。
凝固剤としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等。)、金属塩(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等。)等が挙げられる。凝固剤は、乳化剤の種類に応じて適宜選定される。例えば、乳化剤としてカルボン酸塩(脂肪酸塩、ロジン酸石鹸等。)のみを用いた場合、どのような凝固剤を用いてもよい。乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を用いた場合、無機酸では不十分であり、金属塩を用いる必要がある。
(グラフト共重合体(II))
グラフト共重合体(II)は、ゴム状重合体の存在下、単量体成分を重合して得られたグラフト共重合体(ただし、グラフト共重合体(I)を除く。)である。
ゴム状重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム、EPR、EPDM、ジエン系ゴム、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
グラフト共重合体(II)に用いるゴム状重合体の質量平均粒子径は、0.05〜0.6μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。質量平均粒子径が前記範囲内であれば、高いレベルでの衝撃強度が良好となる。
単量体成分は、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体、および必要に応じて他の単量体を含むものである。
不飽和ニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
他の単量体は、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体と共重合可能な単量体であり、かつ不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体を除く単量体である。
他の単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等が挙げられる。
単量体成分としては、成形品の耐衝撃性が優れる点から、不飽和ニトリル系単量体と芳香族ビニル系単量体との混合物が好ましく、スチレンとアクリロニトリルとの混合物が特に好ましい。
不飽和ニトリル系単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、3〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。不飽和ニトリル系単量体の割合が3質量%以上であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。不飽和ニトリル系単量体の割合が50質量%以下であれば、成形品の熱による変色が抑えられる。
芳香族ビニル系単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、20〜97質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。芳香族ビニル系単量体の割合が20質量%以上であれば、成形性が良好となる。芳香族ビニル系単量体の割合が97質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。
不飽和カルボン酸エステル系単量体および他の単量体の合計の割合は、単量体成分(100質量%)中、0〜50質量%が好ましく、0〜40質量%がより好ましい。該単量体の割合が50質量%以下であれば、成形品の表面に外観不良が発生することが抑えられる。
ゴム状重合体と単量体成分との合計100質量部のうち、ゴム状重合体は10〜90質量部が好ましく、単量体成分は10〜90質量部が好ましい。ゴム状重合体の量が10質量部以上であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。ゴム状重合体の量が90質量部以下であれば、成形品の耐衝撃性および艶消し性が良好となる。
ゴム状重合体と単量体成分との合計100質量部のうち、ゴム状重合体は30〜70質量部がより好ましく、単量体成分は30〜70質量部が好ましい。ゴム状重合体および単量体成分が該範囲であれば、成形品の耐衝撃性、成形性、艶消し性が、高いレベルでバランス良く発現される。
グラフト共重合体(II)の具体例としては、通常のABSグラフト共重合体、ASAグラフト共重合体等が挙げられる。
グラフト共重合体(II)は、ゴム状重合体(肥大化ゴム)の質量平均粒子径が異なる以外は、グラフト共重合体(I)と同種のグラフト共重合体であってもよく;ゴム状重合体の種類、単量体成分が異なる、グラフト共重合体(I)とは異種のグラフト共重合体であってもよい。グラフト共重合体(II)として、グラフト共重合体(I)とは異種のグラフト共重合体を用いた場合、低温衝撃強度、表面硬度等のさらに異なる特性を成形品に付与できる。
グラフト共重合体(II)ラテックスは、ゴム状重合体ラテックスの存在下、単量体成分を乳化重合することにより製造できる。
乳化重合で用いる乳化剤としては、乳化重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高めることができる点から、アニオン系乳化剤が好ましい。
アニオン系乳化剤としては、カルボン酸塩(サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等。)、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。また、ゴム状重合体の製造時に用いた乳化剤をそのまま利用してもよい。
乳化重合で用いる重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられ、レドックス系開始剤が好ましく、硫酸第一鉄−ピロリン酸ナトリウム−ブドウ糖−ヒドロパーオキシドを組み合わせたレドックス系開始剤、または硫酸第一鉄−エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート−ヒドロパーオキシドを組み合わせたレドックス系開始剤が特に好ましい。
乳化重合の際には、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するための連鎖移動剤を用いてもよい。
乳化重合で得られたグラフト共重合体(II)ラテックスから、グラフト共重合体(II)を回収する方法としては、下記の方法が挙げられる。
グラフト共重合体(II)ラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入し、グラフト共重合体(II)を固化させる。
ついで、固化したグラフト共重合体(II)を、水または温水中に再分散させてスラリーとし、グラフト共重合体(II)中に残存する乳化剤残渣を水中に溶出させ、洗浄する。
ついで、スラリーを脱水機等で脱水し、得られた固体を気流乾燥機等で乾燥することによって、グラフト共重合体(II)が粉体または粒子として回収される。
凝固剤としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等。)、金属塩(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等。)等が挙げられる。凝固剤は、乳化剤の種類に応じて適宜選定される。例えば、乳化剤としてカルボン酸塩(脂肪酸塩、ロジン酸石鹸等。)のみを用いた場合、どのような凝固剤を用いてもよい。乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を用いた場合、無機酸では不十分であり、金属塩を用いる必要がある。
(重合体(III))
重合体(III)は、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつゴム状重合体を含まない重合体である。
単量体成分は、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体、および必要に応じて他の単量体を含むものである。
不飽和ニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
他の単量体は、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体と共重合可能な単量体であり、かつ不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体を除く単量体である。
他の単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等が挙げられる。
重合体(III)としては、下記の重合体(III−a)〜(III−c)のいずれかが好ましい。
重合体(III−a):不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体。
重合体(III−b):不飽和カルボン酸エステル系単量体、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体。
重合体(III−c):不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体と、不飽和カルボン酸エステル系単量体、必要に応じて他の単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体との混合物。
重合体(III−a):
不飽和ニトリル系単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、3〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。不飽和ニトリル系単量体の割合が3質量%以上であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。不飽和ニトリル系単量体の割合が50質量%以下であれば、成形品の熱による変色が抑えられる。
芳香族ビニル系単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、20〜97質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。芳香族ビニル系単量体の割合が20質量%以上であれば、成形性が良好となる。芳香族ビニル系単量体の割合が97質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。
他の単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、0〜50質量%が好ましく、0〜40質量%がより好ましい。該単量体の割合が50質量%以下であれば、成形品の表面に外観不良が発生することが抑えられる。
重合体(III−b):
不飽和カルボン酸エステル系単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。不飽和カルボン酸エステル系単量体の割合が50質量%以上であれば、成形品の耐候性、表面硬度が良好となる。
他の単量体の割合は、単量体成分(100質量%)中、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。該単量体の割合が50質量%以下であれば、成形品の耐候性、表面硬度が良好となる。
重合体(III−c):
重合体(III−c)としては、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%、必要に応じて他の単量体0〜50質量%を含む単量体成分(単量体の合計100質量%)を重合して得られた重合体と、不飽和カルボン酸エステル系単量体50〜100質量%、必要に応じて他の単量体0〜50質量%を含む単量体成分(単量体の合計100質量%)を重合して得られた重合体との混合物が好ましい。
重合体(III)の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。重合体(III)は、目的に応じて、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(熱可塑性樹脂組成物)
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)中、グラフト共重合体(I)10〜70質量%と、重合体(III)30〜90質量%とを含むものである。必要に応じてグラフト共重合体(II)0〜50質量%を含んでいてもよい。
グラフト共重合体(I)が10質量%以上であれば、耐衝撃性および表面艶消し性に優れる成形品が得られる。
重合体(III)が30質量%以上であれば、熱可塑性樹脂の流動性が良好となり、成形が容易となる。
グラフト共重合体(I)およびグラフト共重合体(II)に含まれるゴム状重合体の含有量の合計は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、5〜25質量部がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(I)、重合体(III)、および必要に応じてグラフト共重合体(II)、他の成分を、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合し、該混合物を溶融混練することで製造される。溶融混練では、押出機、混練機(バンバリーミキサー、加熱ニーダー、ロール等。)等を用いる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、着色剤(顔料、染料等。)、熱安定剤、光安定剤、補強剤、充填材、難燃剤、発泡剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、加工助剤等を含んでいてもよい。
(成形品)
本発明の成形品は、下記の成形品(i)または成形品(ii)である。
(i)本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
(ii)成形品本体表面に、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる被覆層を有する成形品。
成形品(i):
成形法としては、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法等が挙げられる。
成形品(i)としては、押出成形をしやすい点、表面の均一な艶消し性を確保しやすい点から、押出成形により得られたものが好ましい。
成形品(ii):
成形品本体の材料としては、樹脂、金属等が挙げられる。
樹脂としては、重合体(III)、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、メラミン樹脂等。)等が挙げられる。成形が容易な点、表面の均一な艶消し性を確保しやすい点から、成形品本体を押出成形する際に本発明の熱可塑性樹脂組成物を被覆する被覆押出成形法による成形品が好ましい。
他の熱可塑性樹脂とは、グラフト共重合体(I)を含む熱可塑性樹脂、重合体(III)を除く熱可塑性樹脂である。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、スチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体(SIS)等。)、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタール樹脂、変性PPE樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフェニレンスルフィド(PPS樹脂)、ポリエーテルスルホン(PES樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK樹脂)、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン等。)、ゴム変性熱可塑性樹脂(ABS樹脂、HIPS樹脂等。)等が挙げられる。
他の熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の成形品の用途としては、例えば、車両部品(無塗装で使用される各種外装部品、内装部品等。)、建材(壁材、窓枠等。)、食器、玩具、家電部品(掃除機ハウジング、テレビジョンハウジング、エアコンハウジング等。)、インテリア部材、船舶部材、電気機器のハウジング(通信機器ハウジング、ノートパソコンハウジング、PDAハウジング、液晶プロジェクターハウジング等。)等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。実施例における部は、質量部を意味し、%は、質量%を意味する。
(平均粒子径)
ゴム状重合体および肥大化ゴムの質量平均粒子径は、日機装社製のMicrotrac Model:9230UPAを用いて光子相関法より求めた。
(固形分)
ラテックスの固形分は、ラテックス1gを正確に秤量し、200℃で20分かけて揮発分を蒸発させた後の残渣物を計量し、下記の式より求めた。
固形分(%)=残渣物質量/ラテックス質量×100。
(重合転化率)
重合転化率は、前記固形分を測定し、下記の式より求めた。
重合転化率(%)={固形分÷100×総仕込質量−単量体・水以外の仕込質量}/単量体総質量×100。
式中、総仕込質量は、単量体、水等、反応器に仕込んだ物質の総質量を示す。
(還元粘度)
還元粘度は、0.2g/dLの重合体(III)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液について、ウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した。
(メルトボリュームレート)
熱可塑性樹脂組成物のメルトボリュームレートは、ISO 1133に準拠する方法により、バレル温度220℃、加重98Nの条件で測定した。メルトボリュームレートは、熱可塑性樹脂組成物の流動性の目安となる。
(シャルピー衝撃強度)
成形品のシャルピー衝撃強度は、ISO 179に準拠する方法により、23℃雰囲気下で12時間以上を放置したノッチあり試験片について測定した。
(光沢度)
成形品の表面の光沢度は、スガ試験器社製のデジタル変角光計UGV−5Dを用い、入射角60°、反射角60°での反射率から求めた。
(表面外観)
成形品の表面外観は、表面状態(艶消し性、フィッシュアイやダイラインの発生状態、表面のきめの細かさ)を目視で評価した。
○:問題なく良好なシートであった。
△:○と×の中間。
×:問題が多く実用に耐えない。
〔合成例1〕
ゴム状重合体ラテックス(A−1)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、
脱イオン水(以下、単に水と記す。) 360部、
アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK) 1部、
アクリル酸n−ブチル 100部、
メタクリル酸アリル 0.2部、
ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールエステル 0.1部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.2部
を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。
内温55℃にて、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5部、
硫酸第一鉄七水塩 0.0003部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.0009部、
水 10部
からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。重合開始から3時間後に冷却し、固形分が21%、ゴム状重合体の質量平均粒子径が0.11μmであるゴム状重合体ラテックス(A−1)((メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックス)を得た。
〔合成例2〕
ゴム状重合体ラテックス(A−2)の製造:
アクリル酸n−ブチル100部を、アクリル酸n−ブチル60部、アクリル酸2−エチルヘキシル40部に変更した以外は合成例1と同様にして、固形分が21%、ゴム状重合体の質量平均粒子径が120nmであるゴム状重合体ラテックス(A−2)(アクリル酸エステル系ゴムラテックス)を得た。
〔合成例3〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−1)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、
水 200部、
オレイン酸カリウム 2部、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 4部、
硫酸第一鉄七水塩 0.003部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.009部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部
を窒素フロー下で仕込み、60℃に昇温した。60℃になった時点から、
アクリル酸n−ブチル 82部、
メタクリル酸 18部、
クメンヒドロパーオキシド 0.5部
からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに2時間60℃のまま熟成を行い、固形分が33%、重合転化率が96%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.15μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−1)を得た。
〔合成例4〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−2)の製造:
アクリル酸n−ブチル82部、メタクリル酸18部を、アクリル酸n−ブチル88部、メタクリル酸12部に変更した以外は、合成例3と同様にして、固形分が33%、重合転化率が95%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.11μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−2)を得た。
〔合成例5〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−3)の製造:
オレイン酸カリウム2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4部、アクリル酸n−ブチル82部、メタクリル酸18部を、オレイン酸カリウム3部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム5部、アクリル酸n−ブチル75部、メタクリル酸25部に変更した以外は、合成例3と同様にして、固形分が33%、重合転化率が93%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.12μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−3)を得た。
〔合成例6〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−4)の製造:
アクリル酸n−ブチル82部、メタクリル酸18部を、アクリル酸n−ブチル93部、アクリル酸7部に変更した以外は、合成例3と同様にして、固形分が33%、重合転化率が95%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.11μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−4)を得た。
〔合成例7〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−5)の製造:
アクリル酸n−ブチル82部、メタクリル酸18部を、アクリル酸n−ブチル70部、アクリル酸メチル20部、クロトン酸10部に変更した以外は、合成例3と同様にして、固形分が33%、重合転化率が96%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.11μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−5)を得た。
〔合成例8〕
酸基含有共重合体ラテックス(C−6)の製造:
アクリル酸n−ブチル82部を、アクリル酸n−ブチル79部、スチレン3部に変更した以外は、合成例3と同様にして、固形分が33%、重合転化率が96%、酸基含有共重合体の質量平均粒子径が0.14μmである酸基含有共重合体ラテックス(C−6)を得た。
Figure 2009091420
〔合成例9〕
肥大化ゴムラテックス(a−1)の製造:
試薬注入容器、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、ゴム状重合体ラテックス(A−1)476部(固形分100部)を仕込み、撹拌下でジャケット加熱機により内温を30℃に昇温した。ピロリン酸ナトリウム1部を5%水溶液として反応器内に添加し、十分撹拌した後、酸基含有共重合体ラテックス(C−1)1.2部(固形分0.4部)を添加した。内温30℃を保持したまま30分撹拌し、肥大化ゴムの質量平均粒子径が0.7μmである肥大化ゴムラテックス(a−1)を得た。
〔合成例10〕
肥大化ゴムラテックス(a−2)〜(a−17)の製造:
表2に記載したゴム状重合体ラテックス(A)、縮合酸塩(B)または他の電解質、酸基含有共重合体(C)、肥大化温度に変更した以外は、合成例9と同様にして、肥大化ゴムラテックス(a−2)〜(a−17)を得た。
Figure 2009091420
〔実施例1〕
グラフト共重合体(I−1)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、
水(肥大化ゴムラテックス中の水を含む) 250部
肥大化ゴムラテックス(a−1) 295部(固形分60部)、
アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK) 0.4部、
アクリロニトリル 10部、
スチレン 30部、
アゾビスイソブチロニトリル 0.3部
を仕込み、反応器内を十分に窒素置換した後、撹拌しながら内温を75℃まで昇温し、重合を開始させた。内温を75℃に保持したまま3時間撹拌した後、冷却し、グラフト共重合体(I−1)ラテックスを得た。
ついで、1.2%硫酸水溶液150部を75℃に加熱し、該水溶液を撹拌しながら、該水溶液にグラフト共重合体(I−1)ラテックス100部を徐々に滴下し、グラフト共重合体を固化させ、さらに90℃に昇温して5分間保持した。
ついで、固化物を脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(I−1)を得た。
〔実施例2〜20、比較例1、2、5〕
グラフト共重合体(I−2)〜(I−22)、(I−25)の製造:
肥大化ゴムラテックス(a)、単量体成分を、表3に示す種類、量に変更した以外は、実施例1と同様にして、粉末状のグラフト共重合体(I−2)〜(I−22)、(I−25)を得た。
〔比較例3〕
グラフト共重合体(I−23)の製造:
肥大化ゴムラテックス(a−3)95部、アクリロニトリル1.3部、スチレン3.7部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、凝固、脱水の工程でグラフト共重合体(I−23)が塊状物となり粉末状のグラフト共重合体(I−23)を得ることはできなかった。
〔比較例4〕
グラフト共重合体(I−24)の製造:
肥大化ゴムラテックス(a−1)を肥大化ゴムラテックス(a−16)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、重合反応中に反応器内でグラフト共重合体(I−24)が固結し、粉末状のグラフト共重合体(I−24)を得ることはできなかった。
Figure 2009091420
〔合成例11〕
グラフト共重合体(II−1)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、
水(ゴムラテックス中の水を含む) 170部、
ブタジエンゴムラテックス(粒子径0.35μm) 100部(固形分50部)、
アルケニルコハク酸ジカリウム 0.5部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
を仕込み、反応器内を十分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を75℃まで昇温した。ついで、
アクリロニトリル 5部、
スチレン 15部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.08部
からなる混合液を1時間にわたって滴下した。
滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、
硫酸第一鉄七水塩 0.001部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
水 10部
からなる水溶液を添加し、ついで、
アクリロニトリル 8部、
スチレン 22部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.2部
からなる混合物を1.5時間にわたって滴下し、その間、内温が80℃を超えないように保持した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(II−1)ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体(II−1)ラテックスを実施例1と同様にして、固化、脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(II−1)を得た。
〔合成例12〕
グラフト共重合体(II−2)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、
水(ゴムラテックス中の水を含む) 170部、
ブタジエンゴムラテックス(粒子径0.35μm) 40部(固形分20部)、
アルケニルコハク酸ジカリウム 1部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
を仕込み、反応器内を十分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を75℃まで昇温した。ついで、
アクリロニトリル 8部、
スチレン 20部、
αメチルスチレン 4部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.1部
からなる混合液を1時間にわたって滴下した。
滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、
硫酸第一鉄七水塩 0.001部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
水 10部
からなる水溶液を添加し、ついで、
アクリロニトリル 12部、
スチレン 30部、
αメチルスチレン 6部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.3部
からなる混合物を1.5時間にわたって滴下し、その間、内温が80℃を超えないように保持した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(II−2)ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体(II−2)ラテックスを実施例1と同様にして、固化、脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(II−2)を得た。
〔合成例13〕
グラフト共重合体(II−3)の製造:
試薬注入容器、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、ゴム状重合体ラテックス(A−1)238部(固形分50部)を仕込み、撹拌下でジャケット加熱機により内温を30℃に昇温した。酸基含有共重合体ラテックス(C−2)1.5部(固形分0.5部)を添加し、内温30℃を保持したまま30分撹拌し、肥大化ゴムの質量平均粒子径が0.28μmである肥大化ゴムラテックスを得た。
反応器に、
水(肥大化ゴムラテックス中の水を含む) 170部、
アルケニルコハク酸ジカリウム 0.5部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
を追加仕込みし、反応器内を十分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を75℃まで昇温した。ついで、
アクリロニトリル 4部、
スチレン 14部、
メタクリル酸メチル 2部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.08部
からなる混合液を1時間にわたって滴下した。
滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、
硫酸第一鉄七水塩 0.001部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
水 10部
からなる水溶液を添加し、ついで、
アクリロニトリル 6部、
スチレン 21部、
メタクリル酸メチル 3部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.2部
からなる混合物を1.5時間にわたって滴下し、その間、内温が80℃を超えないように保持した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(II−3)ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体(II−3)ラテックスを実施例1と同様にして、固化、脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(II−3)を得た。
〔合成例14〕
グラフト共重合体(II−4)の製造:
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、
水(ゴムラテックス中の水を含む) 170部、
エチレン−プロピレン−ジエンゴムラテックス(粒子径0.48μm) 130部(固形分40部)
硫酸第一鉄七水塩 0.001部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部、
アルケニルコハク酸ジカリウム 0.2部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
を仕込み、反応器内を十分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を75℃まで昇温した。ついで、
アクリロニトリル 8部、
スチレン 16部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.1部
からなる混合液を1時間にわたって滴下した。
滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、
硫酸第一鉄七水塩 0.001部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
水 10部
からなる水溶液を添加し、ついで、
アクリロニトリル 12部、
スチレン 24部、
t−ブチルヒドロパーオキシド 0.3部
からなる混合物を1.5時間にわたって滴下し、その間、内温が80℃を超えないように保持した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(II−4)ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体(II−4)ラテックスを実施例1と同様にして、固化、脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(II−4)を得た。
Figure 2009091420
〔合成例15〕
重合体(III−1〜4、7〜11)の製造:
公知の懸濁重合法により表5に記載の単量体成分を重合し、重合体(III−1〜4、7〜11)を得た。
〔合成例16〕
重合体(III−5)の製造:
公知の乳化重合法によりアクリロニトリル22部、α−メチルスチレン78部を重合し、重合体(III−5)ラテックスを得た。ついで、実施例1と同様の方法で、固化、脱水、洗浄、乾燥し、粉末状の重合体(III−5)を得た。
〔合成例17〕
重合体(III−6)の製造:
公知の連続溶液重合法により、アクリロニトリル15部、スチレン55部、N−フェニルマレイミド30部よりなる重合体(III−6)を得た。
Figure 2009091420
〔実施例21〕
グラフト共重合体(I)40部、重合体(III−1)60部、エチレンビスステアリルアミド1部、アデカスタブLA−77(旭電化工業社製)1部、アデカスタブLA−36(旭電化工業社製)0.3部、着色剤として酸化チタン(石原産業社製、CR60−2)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、該混合物をバレル温度230℃に加熱した脱揮式二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)で賦形し、ペレットを作製した。ペレットについて、メルトボリュームレートを測定した。結果を表6に示す。
得られたペレットを、25mmφ単軸押出機(サーモプラスチックス工業社製)を用い、ダイ温度180℃または220℃、冷却ロール温度85℃で、幅60mmTダイからシート状に押し出し、巻き取り速度を調節することによって厚さを200〜250μmに調節した幅50〜60mmのシート状成形品を得た。シート状成形品について、シャルピー衝撃強度、光沢度、表面外観を評価した。結果を表6に示す。なお、シャルピー衝撃強度については、180℃で成形したシートを重ねてプレスしたものについて評価した。
〔実施例22〜44、比較例6〜11〕
グラフト共重合体(I)、グラフト共重合体(II)、重合体(III)を、表6、7に示す種類、量に変更した以外は、実施例21と同様にしてシート状成形品を得た。結果を表6、7に示す。
比較例7は、スクリューが過負荷で停止したため、ペレットを作製できなかった。
Figure 2009091420
Figure 2009091420
〔実施例45〕
塩化ビニル樹脂(数平均重合度Pn=800)100部、安定剤(ジブチルスズマレエート)2部、耐衝撃助剤(三菱レイヨン社製、メタブレンC201A)7部、加工助剤(三菱レイヨン社製、メタブレンP551)2部、滑剤(ブチルステアレート)1部を混合したものを基材とし、実施例23で用いた熱可塑性樹脂組成物を被覆材とし、基材をナカタニ機械社製の40mmφ単軸押出機、バレル温度190℃、被覆材を池貝社製の25mmφ単軸押出機、バレル温度190℃で、幅40mm、厚さ10mmの被覆用ダイから角柱状の基材に被覆材を被覆して押し出した後サイジングし、実施例23で用いた熱可塑性樹脂組成物により被覆された角柱状の異形押出成形品を得た。表面の光沢度は8%で、異物等のない良好な表面外観であった。
実施例および比較例より、次のことが明らかとなった。
(1)実施例21〜44の熱可塑性樹脂組成物は、良好な流動性を示し、得られた成形品は、良好な耐衝撃性、艶消し性、表面外観を示し、また、成形温度が異なる条件でも艶消し性の変化が少なく、艶消し性が求められる成形品として極めて良好であった。
(2)実施例23の熱可塑性樹脂を被覆材として用いた実施例45の異形押出被覆成形品は、良好な艶消し性および表面外観を有していた。
(3)比較例6、9の熱可塑性樹脂組成物は、流動性は良好であるが、成形品の耐衝撃性が低く、また、180℃、220℃のいずれの成形温度においても艶消し性が著しく低く、艶消し性が求められる成形品としては好ましくない。
(4)比較例7の熱可塑性樹脂組成物は、流動性が著しく低く、成形困難であるため、成形材料として好ましくない。
(5)比較例8の成形品は、耐衝撃性が低く、また、成形品の表面にブツ状の外観不良が見られた。外観不良は成形品としての意匠性を損なうため、好ましくない。
(6)比較例10の成形品は、180℃成形では良好な艶消し性を示すものの、220℃成形では艶消し性が低下した。比較例10の熱可塑性樹脂組成物は、実際の成形条件により成形品の艶消し性が変動するため、工業的に好ましくない。
(7)比較例11は、従来の艶消し剤である水酸基含有重合体を用いた熱可塑性樹脂組成物である。成形品の艶消し性およびその成形温度依存性は極めて良好であるが、熱可塑性樹脂組成物の流動性、成形品の耐衝撃性が低く、また、成形品の表面外観が荒いため、工業的に好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形時の流動性に優れ、良好な艶消し性を有する成形品を得ることができる成形温度範囲が広く、かつ耐衝撃性に優れる成形品を得ることができる。これらのバランスは、従来の熱可塑性樹脂組成物では得られない非常に高いレベルであり、各種工業用材料としての利用価値は極めて高い。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、車両部品、建材、食器、玩具、家電部品、インテリア部材、船舶部材、電機機器のハウジング等の成形品、特に押出成形品に好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 下記肥大化ゴム10〜90質量部の存在下、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体混合物10〜90質量部(肥大化ゴムと単量体混合物との合計100質量部)を重合して得られた、グラフト共重合体。
    肥大化ゴム:ゴム状重合体ラテックス(A)と、該ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して0.1〜10質量部の縮合酸塩(B)と、前記ゴム状重合体ラテックス(A)の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜10質量部となる量の下記酸基含有共重合体ラテックス(C)とを混合することによって、ゴム状重合体を肥大化させて得られた、質量平均粒子径が0.6〜3μmの肥大化ゴム。
    酸基含有共重合体ラテックス(C):水中にて、酸基含有単量体5〜30質量%および不飽和カルボン酸エステル系単量体95〜70質量%を含む単量体混合物を重合して得られた酸基含有共重合体のラテックス。
  2. 前記ゴム状重合体ラテックス(A)が、(メタ)アクリル酸エステル系ゴムラテックスである、請求項1に記載のグラフト共重合体。
  3. 請求項1または2に記載のグラフト共重合体(I)10〜70質量%と、
    下記重合体(III)30〜90質量%と
    を含む、熱可塑性樹脂組成物。
    重合体(III):不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽和カルボン酸エステル系単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつゴム状重合体を含まない重合体。
  4. 前記重合体(III)が、不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体である、請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記重合体(III)が、不飽和カルボン酸エステル系単量体50〜100質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体である、請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記重合体(III)が、
    不飽和ニトリル系単量体および芳香族ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体と、
    不飽和カルボン酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体と
    の混合物である、請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記重合体(III)が、
    不飽和ニトリル系単量体3〜50質量%および芳香族ビニル系単量体20〜97質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体と、
    不飽和カルボン酸エステル系単量体50〜100質量%を含む単量体成分を重合して得られた重合体と
    の混合物である、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる、成形品。
  9. 押出成形により得られたものである、請求項8に記載の成形品。
  10. 成形品本体表面に、請求項3〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる被覆層を有する、成形品。
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