JP2009083270A - 制電性塩化ビニル系樹脂積層体 - Google Patents

制電性塩化ビニル系樹脂積層体 Download PDF

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Tadashi Kitada
匡史 北田
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Abstract

【課題】 透明性、難燃性、高い生産性を確保するのに必要な熱安定性及び滑性を有し、且つ制電性を備えた制電性塩化ビニル系樹脂積層体を提供すること。
【解決手段】 上記課題を解決する制電性塩化ビニル系樹脂積層体は、基材上に少なくとも1層の制電層を有する積層体であって、前記基材が塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂1〜50質量部、高温分解阻害機能を有する有機化合物0.1〜7質量部、低温分解抑制機能を有する熱安定剤1〜10質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物からなる基材を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明で難燃性を備え、且つ制電性を備えた制電性塩化ビニル系樹脂積層体に関する。
塩化ビニル系樹脂は、分子中に塩素を含有しており、難燃性に優れるのみならず、各種の添加剤を広い含有量で添加できるため、機械的特性、耐熱性、成形性、耐候性などを広範囲にわたって調整することができ、様々な用途に用いられてきた。例えば硬質塩化ビニル系樹脂組成物の成形品は、航空機、船舶、車両等の輸送機内外装材;建築物内外装材;家具、事務用具等の日用品;家電機器、電子機器等のハウジング材;半導体装置の部品等として使用されてきた。
しかし、塩化ビニル系樹脂は、火災等により耐熱温度以上の高温に晒されると、分子内の塩素に起因して、多量に発煙すると共に、塩素ガスや塩化水素ガス等の有毒ガスを発生する。このため、添加剤の種類及び配合量を検討することにより、有毒ガスの発生を抑制することが試みられてきた。
例えば特許文献1には、FM規格を満足する透明塩化ビニル系樹脂を目的として、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、亜鉛化合物を金属亜鉛量に換算して0.005〜5重量部、錫安定剤を0.5〜7重量部含有し、所望の形状に成形してなる透明難燃性塩化ビニル系樹脂成形体が開示されている。
しかし、この開示技術では、十分な難燃性を確保できず、加工条件によっては粉末の亜鉛化合物由来の分散不良焼け等の外観不良の可能性を有し、また滑性や熱安定性に劣り成形加工性が悪いためその改良が望まれていた。
また、特許文献2には、難燃性を有する透明塩化ビニル系樹脂成形体を目的として、塩素化度が低い塩化ビニル層と塩素化度が高い塩化ビニル層を積層し、成形体内の平均塩素化度が60%以上で、所望の形状に成形してなる透明難燃性塩化ビニル系樹脂成形体が開示されている。
しかし、この開示技術では、組成の異なる樹脂を積層するため、その樹脂界面で屈折率差が生じ、高い透明性を得ることが難しい上、工程が煩雑となり生産性が上がらない問題がある。生産性を上げるために、単層にすると、難燃性が不十分となるばかりでなく、十分な透明性の確保も困難となる。
さらに特許文献3には、有機錫安定剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物において、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、高温分解促進剤として有機亜鉛化合物0.01〜1質量部、低温分解抑制剤として金属水酸化物0.001〜1質量部を有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物及びそれから得られた成形品が開示されている。
この開示内容では、優れた透明性と難燃性を確保することができるが、さらなる透明性と難燃性の向上に加えて加工性の向上が期待される。
以上のように、従来の塩化ビニル樹脂成形体は、高い透明性と難燃性と共に、高い生産性を同時に満足することが困難であった。
一方、特許文献4にはプラスチックフィルムの表面に導電剤及びバインダー樹脂からなる導電層を設けた制電性合成樹脂板が開示されている。
しかし、この開示内容の基材のプラスッチクフィルムでは、透明性、難燃性、高い生産性を満足し、且つ制電性を有する制電性合成樹脂板を提供することは、困難であった。
特開2001−192520号公報 特開2005−15620号公報 特開2004−300299号公報 特開平8−311217号公報
本発明は、優れた透明性、難燃性とともに、高い生産性を確保するのに必要な熱安定性及び滑性を備え、且つ制電性を有する制電性塩化ビニル系樹脂積層体を提供することを目的とする。
かかる目的のため、本発明者は、基材上に少なくとも1層の制電層を有する積層体であって、前記基材が塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂1〜50質量部、高温分解阻害機能を有する有機化合物0.1〜7質量部、低温分解抑制機能を有する熱安定剤1〜10質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物からなる基材であることを特徴とする制電性塩化ビニル系樹脂積層体を発明した。
本発明の制電性塩化ビニル系樹脂積層体によれば、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂の分解促進機能と、高温分解阻害機能を有する有機化合物の分解阻害機能との相乗効果により、難燃性に優れるばかりでなく、塩化ビニル系樹脂が本来有している高い透明性をそのままのレベルで維持することができると共に、高い生産性を確保するのに必要な熱安定性、滑性においても優れたものとなり、且つ制電層を設けることによって制電性を有する。
また、本発明者は、特定の高温分解促進剤と低温分解抑制剤と共に、特定の有機化合物であって、特に滑剤や加工助剤などとしても優れた機能を有する有機化合物を、特定の割合となるように塩化ビニル系樹脂に配合したところ、次の知見を得、かかる知見に基づき本発明を想到したものである。
(1)このような有機化合物は、上記特定の高温分解促進剤と低温分解抑制剤と共存する系において、高温分解阻害剤として機能する。
(2)この高温分解阻害剤としての機能(分解阻害機能)が、上記高温分解促進剤の分解促進機能と相俟って、母材樹脂(塩化ビニル系樹脂)の高温での分解を良好にコントロールし、塩化ビニル系樹脂に一層優れた難燃性を付与する。
(3)上記有機化合物のもう一方の特性である滑剤や加工助剤などとしての機能が、一般に塩化ビニル系樹脂に使用されている通常の滑剤や加工助剤などの使用を不要とするため、これら助剤の配合で損なわれる塩化ビニル系樹脂が本来有している高い透明性を、そのままのレベルで維持することができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての制電性塩化ビニル系樹脂積層体(以下「本積層体」という)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本積層体は、基材と基材上に少なくとも1層の制電層を有する積層体である。ここで、本発明でいう「基材上に」とは、基材表面上、直に制電層を設ける場合、及び基材表面上、直に単層または多層である他の層を設け、前記他の層上に制電層を設けることを意味するものである。
又、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意図と共に、「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。
(基材)
本積層体の基材は、塩化ビニル系樹脂組成物から成る。また本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物は、母材樹脂としての塩化ビニル系樹脂のほかに、高温分解促進剤、低温分解抑制剤及び高温分解阻害剤を含有している。
ここで、高温分解促進剤とは、高温領域における本積層体の分解を促進する機能を有する物質であり、高温分解阻害剤とは、高温領域における本積層体の分解を阻害する機能を有する物質であり、低温分解抑制剤とは、低温領域における本積層体の分解を抑制する機能を有する物質である。
なお、本積層体の分解挙動に関して言えば、加工温度領域である220℃までは脱塩酸挙動が開始する温度領域であり、220℃から370℃付近が脱塩酸挙動が盛んに生じる温度領域である。それ以上の温度領域、例えば450℃以上では、本積層体の主鎖の切断により分解されたり、本積層体の炭素の燃焼や炭化が起きたりする。よって、本発明において、低温領域における分解とは、成形加工温度領域である220℃までの温度領域における分解挙動のことをいい、高温領域における分解とは、主鎖の切断やカーボン燃焼が生じる450℃以上の温度領域における分解挙動のことをいう。
また、本発明における高温分解促進機能とは、塩化ビニル系樹脂が、450℃以上において、塩化ビニル系樹脂の主鎖の切断により分解されることや、塩化ビニル系樹脂内の炭素の燃焼によって炭化されることを、促進する機能であると言える。また、本発明における高温分解阻害機能とは、前記した450℃以上での、塩化ビニル系樹脂の分解や炭化を阻害する機能であると言える。さらに、本発明における低温分解抑制機能とは、220℃未満において塩化ビニル系樹脂からの脱塩酸挙動が開始するのを抑制する機能であると言える。
基材の厚みの下限値は、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは3 mm以上、上限値は、40mm以下、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15mm以下の範囲である。基材の厚みが0.5mm以上であれば、基材の厚みが十分であるので、積層体の全体が折曲がるという問題が発生しない。また、基材の厚みが 40mm以下であれば可視光線が透過しやすく、全光線透過率、ヘーズとも所望の値を得ることが可能である。
(塩化ビニル系樹脂)
本積層体の基材は、母材樹脂として塩化ビニル系樹脂である、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他のビニル化合物の共重合体を使用することができる。また、これらは単独或いはこれら2種の混合樹脂として使用することができる。
上記の共重合体において、塩化ビニル成分と共重合し得る他のビニル化合物としては、特に限定するものではない。例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のアルキルビニルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸、あるいはその酸無水物等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の共重合体において、他のビニル化合物の共重合量が30質量%を超えなければ、塩化ビニル系樹脂本来の難燃性や高い透明性を損なうことがないため、当該他のビニル化合物は30質量%を超えない範囲で含有するのが好ましい。また、前記の共重合量は、透明性、難燃性の観点より、好ましくは20質量%、さらに好ましは10質量%である。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は300〜2,000であるのが好ましく、より好ましくは500〜1,500である。平均重合度が小さ過ぎると、成形体が充分な強度とならないおそれがあり、大き過ぎれば、成形加工時に充分に混練させることが難しく、加工性が低下するおそれがある。
塩化ビニル系樹脂は、その重合方法を特に制限するものではなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の種々の方法を用いて重合されたものを使用することができる。
(高温分解促進剤)
高温分解促進剤は、高温領域において(例えば450℃以上)成形体の燃焼時に、塩化ビニル系樹脂の主鎖の切断及び炭化を促進し、発煙量を低減する役割を果たすものである。
高温分解促進剤としては、塩化ビニル系樹脂の主鎖の切断挙動を促進する作用のある、塩化水素を発生させることができる塩素含有樹脂が好ましい。
高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂としては、塩素化ポリエチレン樹脂、後塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などを特に好ましいものとして挙げることができる。
上記の塩素化ポリエチレンとしては、質量平均分子量50,000〜350,000のポリエチレンを塩素化して得られる樹脂であって、塩素含量28〜43質量%、DSC法による結晶融解熱25cal/g以下である塩素化ポリエチレン等を例示することができる。中でも、透明性の観点から、質量平均分子量50,000〜150,000のポリエチレンを塩素化して得られる樹脂であって、塩素含量28〜35質量%、DSC法による結晶融解熱10〜25cal/gである塩素化ポリエチレンが好ましい。
後塩素化塩化ビニル樹脂としては、塩素化前の塩化ビニル樹脂の平均重合度として500〜1400のものが好ましい。平均重合度が500未満では耐衝撃性が低下する可能性があり、1400を超えると溶融流動性が低下して成形が困難となる可能性がある。
また、後塩素化塩化ビニル樹脂の平均塩素含有量は58〜70質量%、好ましくは60〜70質量%である。平均塩素含有量が少なすぎると耐熱性が低下して変形が発生しやすくなり、多すぎると、特に70質量%を超えると、流動性が大きく低下して成形が困難となる。
塩化ビニリデン樹脂としては、塩化ビニリデンの単独重合体及び共重合体を挙げることができる。熱分解温度と融点との間に差のあるもの、すなわち共重合体を用いるのが好ましい。
塩化ビニリデンの共重合体としては、塩化ビニリデンと、公知のラジカル重合性モノマーを単独あるいは2種以上とを共重合させたものを用いることができる。
このラジカル重合性モノマーとしては、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸又はメタアクリル酸等の不飽和脂肪酸及びこれらのエステル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルケトン類、エチレンやプロピレン等のオレフィン類、n−メチルアクリルアミド、シクロヘキシルマレイミド等の特種官能基を含有するモノマー等を挙げることができる。
塩化ビニリデンと前記モノマーとの共重合体の組成は、特に限定されないが、難燃性を満足させるには、塩化ビニリデンの含有量が65〜99質量%、好ましくは80〜97質量%であるものを選定するのが好ましい。
また、塩化ビニリデンの共重合体の分子量は、特に限定されるものではないが、加工性、成形体の物性等の点で質量平均分子量が30000〜150000、好ましくは50000〜120000が好ましい。
塩化ビニリデンの重合体の重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、気相重合等を挙げることができ、良好な粉状体を安価に得る観点から、特に懸濁重合が好ましい。
高温分解促進剤は、添加量が少ないと、燃焼時に炭化が促進されないので難燃性が向上しない一方、添加量が多過ぎると、透明性の低下や耐温水白化性の悪化などが生じるようになる。よって、高温分解促進剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、中でも5〜30質量部、その中でも特に10〜20質量部であるのが好ましい。
(低温分解抑制剤)
低温分解抑制剤としては、従来から塩化ビニル用の熱安定剤や熱安定化助剤として知られているものの中から、透明性が良好なものを選択して使用するのが好ましい。例えば、ブチル錫マレート、オクチル錫マレート、ジ−nアルキル錫メルカプチド、ジ−n−アルキル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ラウリルメルカプチド、ジオクチル錫S,S´−ビス−(イソオクチル−メルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス−イソオクチルチオグリコレート、ジ−(n−オクチル)錫マレート重合体、ジブチル錫メルカプトプロピオナート等の錫系安定剤、鉛系安定剤、カリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸等の脂肪酸から誘導される金属石鹸系安定剤、Ba−Zn系、Ca−Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn系、Ca−Zn−Sn系、Pb−Ba系、Pb−Ba−Ca系等の複合金属石鹸系安定剤、バリウム、亜鉛等の金属基と、2−エチルヘキサン酸、イソデカン酸、トリアルキル酢酸等の分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、ナフテン酸等の脂環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸及びそれらの置換誘導体等の芳香族酸の中から選ばれる通常2種以上の有機酸とから誘導される金属塩系安定剤、これら安定剤を石油系炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体等の有機溶剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止剤、プレートアウト防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合した金属塩液状安定剤等の金属系安定剤、エポキシ樹脂、エポキシ化植物油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル、エポキシ化芳香族アルキルエステル等のエポキシ化合物、リンがアルキル基、アリール基、シクロアクリル基、アルコキシル基等で置換され、かつプロピレングリコール等の二価アルコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の芳香族化合物を有する有機亜リン酸エステル、ヒンダードアミン又はニッケル錯塩の光安定剤、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコール、β−アミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、ジフェニルチオ尿素、ジシアンジアミド等の含窒素化合物、ジアルキルチオジブロピオン酸エステル等の含硫黄化合物、アセト酢酸エチル、デヒドロ酢酸、β−ジケトン等のケト化合物、有機ケイ素化合物、ホウ酸エステル等の非金属系安定剤などを好ましい例として挙げることができる。これらの中から選択したものをそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上の中でも、有機錫系安定剤、金属石鹸系安定剤、ゼオライト系安定剤、ハイドロタルサイト類、アルミニウム系、マグネシウム系水酸化物が好ましく、その中でも特に、低温分解抑制機能及び透明性がともに優れる観点から、錫系安定剤、金属石鹸系安定剤が特に好適である。
錫系安定剤としては、マレート系錫安定剤、ラウレート系錫安定剤、メルカプト系錫系安定剤などを挙げることができ、中でも、透明性に有利なメルカプト系錫安定剤が特に好ましい。
金属石鹸系安定剤としては、炭素数10〜22、特に14〜18の飽和〜不飽和脂肪酸の金属石鹸、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等を挙げることができ、これらの中でも、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩が特に好適である。これらは単独でも2種以上の組合せでも使用できる。
金属石鹸の脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、2エチルヘキソイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、t−ブチル−安息香酸等の芳香族脂肪酸を挙げることができる。
中でも、透明性の観点から言えば、同じ炭素数であれば脂肪酸亜鉛より芳香族脂肪酸亜鉛が好ましく、また、炭素数は短いほうが塩化ビニル系樹脂に対して相容性がよく、高い透明性を得やすいので好ましい。よって、t−ブチル−安息香酸や2エチルヘキソイン酸のカルシウム、亜鉛塩などが特に好適である。
熱安定化助剤としては、ゼオライト系安定剤としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY等の合成ゼオライト、その部分ないしは完全酸処理物、あるいはそれらの金属イオン(例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛イオン)交換処理物のアルミノ珪酸塩を挙げることができる。これらの中でも、熱安定性付与が良好なナトリウムイオン交換A型ゼオライトが特に好適である。
ハイドロタルサイト類としては、次の式(1)〜(4)で表されるものを挙げることができる。
すなわち、式(1): MgxAly(OH)2x+3y-2CO3・aH2O(式中、x,yは1/4≦x/y≦8を満足する正数、aは0.01≦a/(x+y)≦1.0を満足する正数である)で表されるハイドロタルサイトや、
式(2): MgxAly (OH) 2x+3y-2・(Yn -b・aH2O(式中、x,yは1/4≦x/y≦8を満足する正数、nは1以上の整数、bはO<b≦2、b・n=2を満足する正数、aは0.01≦a/(x+y)≦1.0を満足する正数、Yはリンのオキシ酸、イオウのオキシ酸、窒素のオキシ酸、ホウ素のオキシ酸、炭酸、ハロゲン水素酸、ハロゲン酸素酸、過ハロゲン酸素酸、カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の整数モル単位の酸アニオンを組合せることができる単独ないしは複合のアニオンを表す)で表されるものや、
式(3): MxAly (OH) 2x+3y-2z (Y)z・aH2O(式中、x,y,zは1/4≦x/y≦8及びz/x+y>1/20を満足する正数、MはMg,Ca,Zn等二価の金属イオン、YはCO3 2-,SO4 2-等の二価のアニオン、aは0又は正の数である)で表されるものや、
式(4): MgxAly (OH) 2x+3y-z (A2-)P(A-)q・aZ・bH2O(式中、A2-はCO3 2-等の2価アニオン、A-はハロゲン酸素酸イオン、Zは多価アルコール又はその部分エステル、x,y及びzはz=2p+q、8≧(x/y)≧1/4及びz/(x+y)>1/20を満足する正数であって、p及びqは1≧q/(2p+q)≧1/10を満足する数であり、a及びbは0.01≦a/(x+y)≦1.0及び0≦b/(x+y)≦1.0)の化学組成を有し、特公平3−36839号公報記載の複合水酸化物などを挙げることができる。
アルミニウム系水酸化物及びマグネシウム系水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。また、これら水酸化物粉末に表面処理を施した水酸化物でもよい。この表面処理剤としては、脂肪酸やモリブデン化合物を含むものを用いることが分散性、難燃性の面で好ましい。
上記無機系の低温分解抑制剤は、平均粒径の下限値が0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、上限値は、0.6μm未満、好ましくは0.3μm未満である。平均粒径が0.01μm以上であれば熱安定剤自体で凝集してしまうことがなく取り扱い易い。他方、0.6μm未満であれば、可視光の波長より小さいため透明性が良い。
以上の点から、低温分解抑制剤としては、透明性を勘案すると、屈折率が塩化ビニル系樹脂に近い有機錫メルカプト系安定剤、ハイドロタルサイト類、水酸化マグネシウム系化合物が特に好ましい。
低温分解抑制剤は、添加しないと動的熱安定性が低すぎて成形加工ができず、添加量が多すぎると、透明性、物性低下を生じ、満足できる成形体が得られない。よって、低温分解抑制剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂を100質量部とした場合に、下限値は、1質量部以上、好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、上限値は、10質量部以下、好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。低温分解抑制剤の配合量が、1質量部以上であれば低温分解が促進されず成形性が良く、また10質量部以下であれば、難燃性が良好である。
(高温分解阻害剤)
本塩化ビニル系樹脂組成物においては、上記の配合成分以外に、高温分解阻害剤として、高温分解阻害機能を有する有機化合物を配合することが重要である。
この高温分解阻害剤としては、物性、成形加工性などの付与機能を併せて有する点から、滑剤、加工助剤、衝撃改良剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを好ましい例として挙げることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を組合せて使用するのが好ましい。
上記の滑剤としては、例えば流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、低分子量ポリエチレン等の純炭化水素系;ハロゲン化炭化水素系;高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系;脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系;脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪族アルコールエステル(エステルワックス)等のエステル系;金属石鹸、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル等を挙げることができる。 中でも、高温分解阻害機能に優れた脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル及びその部分エステルが特に好ましい。
これらは、これらから選ばれる1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を組合せて併用することもできる。
上記の加工助剤としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;上記アルキルメタクリレートと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレートとの共重合体;上記アルキルメタクリレートと、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物との共重合体;上記アルキルメタクリレートと、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物等との共重合体等を挙げることができる。中でも、高温分解阻害機能に優れたメチルメタアクリレートとブチルアクリレート及びエチルメタアクリレートとの共重合体が特に好ましい。これらは、これらから選ばれる1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を組合せて併用することもできる。
このようなアクリル系加工助剤を適当添加量とすることにより、難燃性の向上効果を得ることができ、成形時に成形機駆動部の負荷が高くなり、成形が困難となることがない。
上記の衝撃改良剤としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系グラフト共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、シリコーン含有アクリル系ゴム、シリコーン/アクリル複合ゴム系グラフト共重合体、シリコーン系ゴム等を挙げることができる。中でも、高温分解阻害機能が低いアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系グラフト共重合体などが特に好ましい。これらの衝撃改良剤は、これらから選ばれる1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を組合せて併用することもできる。
なお、上記のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)のジエンとしては、1,4−ヘキサンジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニルノルボルネン等を挙げることができる。
これらの衝撃改良剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の可塑剤としては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、2−エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、オクチルデシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、オクチルベンジルフタレート、ノルマルヘキシルノルマルデシルフタレート、ノルマルオクチルノルマルデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ノルマルオクチル−ノルマルデシルアジペート、ノルマルヘプチル−ノルマルノニルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソノルマルオクチルアジペート、ジノルマルオクチルアジペート、ジデシルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジイソオクチルセバケート、ブチルベンジルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジヘキシルアゼレート、ジイソオクチルアゼレート等のアゼライン酸エステル系可塑剤;クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等のクエン酸エステル系可塑剤;メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコール酸エステル系可塑剤;トリブチルトリメリテート、トリ−ノルマルヘキシルトリメリテート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−ノルマルオクチルトリメリテート、トリ−イソクチルトリメリテート、トリ−イソデシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルイソフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレート等のフタル酸異性体エステル系可塑剤;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート等のリシリノール酸エステル系可塑剤;ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート及びこれらの変型ポリエステル等のポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシ(2−エチルヘキシル)ステアレート、エポキシ化あまに油、2−エチルヘキシルエポキシトーレート等のエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。中でも、高温分解阻害機能が低いリン酸エステル系可塑剤が特に好ましい。
これらは、これらから選ばれる1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を組合せて併用することもできる。
上記の帯電防止剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミン、アミドの硫酸塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタレンスルホン酸塩類及びこれらの混合物等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩類、第四級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩及びこれらの混合物等を挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエステル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類及びこれらの混合物等を挙げることができる。
非イオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤あるいはカチオン性界面活性剤との混合物でもよい。
両性界面活性剤としては、イミダゾリン型、高級アルキルアミノ型(ベタイン型)、硫酸エステル、リン酸エステル型、スルホン酸型等を挙げることができる。
中でも、高温分解阻害機能が低い非イオン性界面活性剤が好ましく、特にその中でもソルビタンアルキルエステル類がより好ましい。
上記の紫外線吸収剤としては、ヒンダードフェノール、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。中でも、高温分解阻害機能が低いベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が特に好ましい。
上記の酸化防止剤としては、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(ミックスドモノ及びジ−ノニルフェニル)ホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤、ジステアリルチオジプロピオネート等のチオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。中でも、高温分解阻害機能が低い4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
高温分解阻害剤は、多過ぎると難燃性がかえって悪化し、少な過ぎると難燃性の向上効果を得ることができないため、高温分解阻害剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して下限が0.1質量部以上、好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1.6質量部以上、上限値は、7質量部以下、好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは、4質量部以下である。
(制電層)
本積層体は、基材上に少なくとも1層の制電層を有する。制電層を構成する主成分は、バインダー樹脂と導電剤である。ここで、前記でいう「主成分」とは、制電層の全質量に対してバインダー樹脂と導電剤との合計質量が50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であることをいう。また、本発明の制電性塩化ビニル系樹脂積層体は、複数層の制電層を設けることも可能である。例えば、2層の複数層を設ける場合には、表面と裏面の両面に制電層を設けることが可能である。
制電層の厚みの下限値は、0.05μm以上、好ましくは0.06μm以上、さらに好ましくは0.07μm以上、上限値は、0.30μm以下、好ましくは0.20μm以下さらに好ましくは、0.15μm以下の範囲である。制電層厚みが0.05μm以上であれば、制電層が厚いので、ピンホール発生が防げ、また製膜がし易い。また、制電層の厚みが0.30μm以下であれば可視光線が透過しやすく、全光線透過率、ヘーズも所望の値を得ることが可能である。。
(導電剤)
本積層体の制電層で使用する導電剤は、公知の導電剤を使用することが可能である。例えば、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛粉、酸性溶液に前述した黒鉛を浸漬させた後加熱して膨張させた膨張黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラックやファーネス法等で作られたカーボンブラック、PAN系、ピッチ系等のカーボン繊維、アーク放電法、レーザ蒸着法、気相成長法等で作られた炭素繊維、タングステンカーバイト、シリコンカーバイト、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化バナジウムなどの金属炭化物、導電性酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化錫などの金属酸化物、窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ガリウム、窒化ニオブ、窒化バナジウム、窒化ホウ素などの金属窒化物、鉄繊維、銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、チタン粉、ニッケル粉、錫紛、タンタル紛、ニオブ粉などの金属粉末、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどのπ電子共役系高分子等が、挙げられる。
前記炭素繊維とは、所謂カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバーを含むことである。カーボンナノチューブは、炭素のチューブ構造が単一チューブである単層カーボンナノチューブ、及びチューブ構造が二重以上である多層カーボンナノチューブを含むことである。また、カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの一方の端が閉じて、他方の端が開いているナノホーン型、及び底の無いカップ形状を成す炭素網層が多く積層され、炭素網層の環状端面が露出したカップ型等の形態をも含むものである。
上記の導電剤の中でも、酸化錫と、炭素繊維と、導電性酸化チタンとが好ましく使用される。これらのうち、酸化錫と炭素繊維はカーボン粉末のように制電層の透明性を大幅に損なうことがなく、本積層体の良好な透明性を維持できる。また、炭素繊維は、制電層に含有させると、制電層の表面抵抗率のバラツキが少なくなり、少量含有させるだけで優れた制電性を発揮できるし、本積層体を二次加工しても絡み合いがなくなることなく制電性を保持する。また、導電性酸化チタンを含有する制電層は不透明となり易いので、微量添加にて使用するのが好ましい。
導電剤で使用する酸化錫としては、平均粒径の下限値が0.01μm以上、好ましくは 0.03μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、上限値は0.4μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下である。平均粒径が0.1μm以上であれば酸化錫の粉末はバインダー樹脂との混練性が良好で、均一に混練することが可能である。また、平均粒径が0.6μm以下であれば良好な透明性を有する制電性塩化ビ二ル系樹脂積層体を得ることが可能である。また、本発明の制電層には、アンチモンを含有した酸化錫を使用することも可能である。
また、酸化錫等に酸化アンチモンをドープしたものを使用することが可能である。この酸化錫は、酸化錫単体であってもよいが、他の酸化物(例えば酸化アンチモン、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化セリウム等)との混合物であってもよい。特に、アンチモン等によりドーピングしたものが制電性が優れるため好ましい。
導電剤として使用する炭素繊維は、アスペクト比が大きく線径が小さい繊維であって、不定形炭素質繊維でもグラファイト質繊維でもよい。また、繊維に不定形炭素とグラファイトとが共存するような炭素繊維であってもよい。特に好ましい長炭素繊維は、構造上はグラファイト質繊維であって、繊維軸に同軸状にグラファイト層が積層形成された断面円形のグラファイト質の極細の繊維である。炭素繊維の線径の下限値は、0.7nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上であり上限値は、80nm以下、好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下である。また、アスペクト比は、100以上、好ましくは200 以上、さらに好ましくは300以上である。アスペクト比の上限は特にないが、3000以下のものが好適使用できる。炭素繊維の線径が3.5nm以上であれば炭素繊維を取り扱い易く、100nm以下であれば制電性が良く発現する。また、アスペクト比が5以上であれば炭素繊維の線形の特性を活かすことができる。
導電剤として使用する導電性酸化チタンは、球状、リン片状、針状等の形状の酸化チタンの表面を酸化錫あるいはアンチモンドープ酸化錫で被覆してなるものであり、針状の導電性酸化チタンは互いの接触頻度が多いので好ましく用いられる。
本制電性塩化ビニル樹脂系積層体は、制電性を有することを特徴とする。本発明において制電性を有するとは、制電層の表面抵抗率が1010Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、さらに好ましくは10Ω/□以下であることをいう。制電層の表面抵抗率が1010Ω/□以下であれば、本制電性塩化ビニル樹脂系積層体の制電層の表面に、埃等が静電気により付着することを十分に防止することができる。また、制電層の表面抵抗率は、低いほどこのましいが、10Ω/□以上あれば十分に静電気による埃等の付着を防止することが可能である。
本発明で使用する酸化錫の質量%の下限値は、制電層を構成する全成分の全質量に対して、下限値が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、上限値は、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。酸化錫の添加量が60質量%以上であれば、制電層に制電性を発現させることができる。一方酸化錫の添加量が95質量%以下であれば、制電層の透明性が良好である。
本発明で使用する炭素繊維の質量%の下限値としては、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、上限値は9質量%以下、8質量%以下、さらに好ましくは7質量%の範囲である。制電層中の炭素繊維の質量比が2質量%以上であれば、炭素繊維の量が十分であるために、微細な炭素繊維が接触し易く、制電性が良好に発現する。さらには、一定の距離を有する炭素繊維間で、π電子がジャンプして制電性を示すトンネル効果によるトンネル電流が発生しやすくなるため、表面抵抗率が小さくなり、塵埃が付着し難くなる。また、制電層中の微細な炭素繊維の質量比が9質量%以下であれば、可視光線が透過し易く、全光線透過率が高くなり、ヘーズも低くなりやすい。尚、本発明の炭素繊維の質量比は、制電層を構成する全成分の全質量比に対しての質量比である。
(バインダー樹脂)
制電層に含まれる透明なバインダー樹脂は、熱可塑性樹脂の基板との密着性を考慮して適宜選択すれば良い。例えばエチレンを含む単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン(PO)系樹脂又はポリオレフィン系エラストマー、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)等のポリスチレン系樹脂又はスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)等の水素添加されたスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
上記バインダー樹脂の中では、透明性、耐久性に優れ、基材との密着性に優れた、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート(PC)樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、ウレタン樹脂の使用が好ましい。尚、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に対して、酢酸ビニル樹脂の占める割合が30質量%以下、好ましくは20質量%以下さらに好ましくは15質量%以下である。
尚、制電性を阻害しない範囲で他の添加剤を含んでも良い。例えば、必要に応じて、滑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、流動調整剤等の添加剤を添加してもよい。
分散剤としては、例えばシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、界面活性剤、オレイン酸等の有機酸、アセタール樹脂等の水酸基含有高分子化合物、カルボキシル基含有高分子化合物等を使用することが可能である。
また、制電層は、公知の方法で基材に設けることが可能であるが、例えば、制電層を基材に塗布して設ける方法を採用する場合には、制電層を構成するための塗布液を製造する必要がある。前記塗布液の主成分は、前記バインダー樹脂、前記導電剤及び溶媒である。本発明の制電層を構成するための塗布液に使用する溶媒は、バインダー樹脂と導電剤との相溶性を考慮して選定する。例えば、前記溶媒として、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサン、シクロへキサノン、イソプロピルアルコールと水の混合溶液、エタノール、シクロヘキサンノンと酢酸エチルの混合溶液等が使用可能である。また、前記溶媒の量は、塗布時に必要な一般的な粘度を発現するよう調節を行い決定する。
(本積層体の製造方法)
本積層体は、基材を成形しその後、少なくとも1層の制電層を設けることによって製造することができる。
基材は、以下の方法により塩化ビニル系樹脂組成物を製造する。すなわち、所定量の塩化ビニル系樹脂、高温分解促進剤、低温分解抑制剤及び高温分解阻害剤を、ブレンダーやヘンシェルミキサー等を用いて混合することで得ることができる。このとき、耐熱向上剤や顔料等、他の配合剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合してもよい。
本積層体は、用途に応じて様々な形態に成形することが可能である。例えば、フィルム、シート、板材、パイプ、異型品などの形状に成形することが可能である。
また、本積層体の基材は、樹脂を成形する公知の方法により成形することができる。例えば、押出成形、カレンダー成形、プレス成形法あるいは連続プレス成形により成形することが可能である。
なお、上記の成形方法のうち、カレンダープレス成形法は、穏やかな条件での成形法であるため、低温分解抑制機能をもつ安定剤の選択の幅が広く、有機錫系安定剤、金属石鹸系安定剤、ゼオライト、ハイドロタルサイト類、アルミニウム系、マグネシウム系水酸化物の単独でも2種以上でも満足できる。
また、カレンダープレス成形法は、カレンダー成形段階では、薄い板体が好ましく成形できる。そして、所望厚みの板体とするためには、プレス成形段階で、複数枚の板を積層し所望の厚みを得る。したがって、カレンダープレス成形法は、成形体の厚みを変更する場合に成形機の大きな変更を必要としなく、成形体の厚みの変更を行なうことができる。
さらに、カレンダープレス成形法は、カレンダー成形段階で得られる複数枚の板体を、プレス成形段階で積層して所望厚みの板体とするが、カレンダー成形段階で得られる複数枚の板体は、成形時の条件等により或る程度の厚みの振れを持っており、この厚みの振れに、プレス成形段階での条件等により生じる厚みの振れが相乗され、厚み精度においても劣っている。
一方、押出成形法は、カレンダープレス成形法に比べれば、高温・高圧と言う過酷な条件での成形法であるため、低温分解抑制機能をもつ安定剤の選択の幅が狭く、有機錫系安定剤、金属石鹸系安定剤、ゼオライト、ハイドロタルサイト類、アルミニウム系、マグネシウム系水酸化物の併用が必要となる。好適な組み合わせとしては、有機錫系安定剤と、ゼオライト、ハイドロタルサイト類、マグネシウム系水酸化物の1 種以上との組み合わせなどが挙げられる。
押出成形法においては、いわゆる艶戻り現象が生じてしまうという問題はなく、また一度の押出で所望の厚みの板体を得ることができるため、層間剥離(耐溶剤性)の問題もない。
押出成形法は、押出条件の微妙な変動や、押出された板体を引き出す際の微妙な条件変動等を調節することによって、板体に波打ち現象が生じたり、厚みが均一にならない等の問題を防ぐことが可能である。
また、押出連続プレス成形法は、艶戻りの問題や層間剥離(耐溶剤性)の問題がないばかりか、押出された板体を、押出しに引き続いてプレスするため、波打ち現象は生じないし、所望の厚みの板体を、高い厚み精度で得ることができる点で特に好ましい成形方法である。
なお、押出連続プレス成形法に好適に使用される低温分解抑制剤としては、有機錫系安定剤、ハイドロタルサイト類、マグネシウム系水酸化物などを挙げることができる。
本積層体の制電層は、公知の方法によって設けることが可能である。例えば、制電層を設けたフィルムを基材にプレスすることによって制電層を設ける方法、制電層を形成する為の塗料を直接基材に塗布する方法、制電層を転写することによって基材の表面上に設ける方法等がある。
難燃性塩化ビニル系樹脂成形体の難燃性は、一般的に、ASTME1354に準じ、コーンカロリメータを用いて評価することができる。
コーンカロリメータを用いた燃焼試験により評価される難燃特性としては、単位面積及び単位時間当たりの燃焼による発熱量の最大値(最大発熱量、PHRRとも記載する;単位:kW/m2)、単位面積及び単位時間当たりの燃焼による発熱量の平均値(平均発熱速度、AHRRとも記載する;単位:kW/m2)、燃焼による総発熱量(総発熱量、THRとも記載する;単位:MJ/m2)、単位面積及び単位時間当たりの燃焼による質量減少率の平均値(質量減少率、AMLRとも記載する;単位:g/sec・m2)、単位面積及び単位時間当たりの燃焼による減光体積の最大値(最大減光体積、PSEAとも記載する;単位:m2/g)、単位面積及び単位時間当たりの燃焼による減光体積の平均値(平均比減光面積、ASEAとも記載する;単位:m2/kg)等を挙げることができる。
従来、難燃性の指標の一つとしては、産業相互保険組織(Factory Mutual System)が定める評価基準が有効に利用されてきた。この評価基準は、Class Number 4910として挙げられているクリーンルーム材料の難燃性テスト(FMRC、Clean Room Materials Flammability Test Protocol)に基づいて測定され、難燃性を示す延焼指数FPI、発煙性を示す発煙指数SDI、腐食性ガス発生を示す腐食指数CDI等が指標(FM規格とも記載する)とされる。
本発明においては、FM規格に代えて、コーンカロリメータを用いた燃焼試験により評価される値を難燃性の指標とした。FM規格は、産業相互保険組織に試験片を提出し、産業相互保険組織が評価して得られる規格であるため、評価結果が得られるまでに時間を要し、非効率的であるのに対し、コーンカロリメータを用いた燃焼試験は、発明者らによって行うことができるため、効率的である。
特に、FPIは、コーンカロリメータによって測定されるPHRR、AHRR及びTHR等の発熱量に関する指標と強い相関を有する。また、SDIは、PSEA及びASEA等の減光体積に関する指標と強い相関を有する。さらに、CDIは、AMLR等の質量減少に関する指標と強い相関を有する。
従って、コーンカロリメータを用いて難燃性を評価することにより、FM規格の凡その値を、効率的に得ることができる。
FM規格においては、FPIが6以下、SDIが0.4以下と要求されているが、本発明においては、この規格と同等以上として、PHRRが130kW/m2 以下、AHRRが65kW/m2 以下、THRが100MJ/m2 以下、AMLRが13g/sec・m2以下、PSEAが1500m2/g以下、ASEAが800m2/kg以下であるのが好ましい。
本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物を使用して、厚さ5μmに成形した場合の成形体のASTM E1354に準じて測定される平均発熱速度(AHRR)の上限値は、65kW/m2以下、好ましくは50kW/m2以下、さらに好ましくは30kW/m2以下である。また本発明の本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物を使用して、厚さ5μmに成形した場合成形体のASTM E1354に準じて測定される平均比減光面積(ASEA)の上限値は、800m2/kg以下、好ましくは600m2/kg以下、さらに好ましくは500m2/kg以下である。
平均発熱速度(AHRR)65kW/m2以下、平均比減光面積(ASEA)の上限値が800m2/kg以下であれば、上記FM規格を満足することが可能である。
なお、本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物を使用して、厚さ5μmに成形した場合の成形体のASTM E1354に準じて測定されるに成形した場合の成形体の平均発熱速度(AHRR)、平均比減光面積(ASEA)を一定の範囲に調節する場合には、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂を入れ、高温分解阻害機能を有する有機化合物を入れる部数を少なくするのが好ましい。
本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物による成形体は、全光線透過率が55〜100%、好ましくは65〜100%で、さらに好ましくは70〜100%である。またヘーズ値が20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下の透明又は透明性の成形体であることが望ましく、特に厚さ5mmのときにこのような特性を有することが望ましい。
本積層体の基材を構成する塩化ビニル系樹脂組成物による成形体の全光線透過率及びヘーズを好ましい範囲に調節をする為には、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂及び低温分解抑制機能を有する熱安定剤を可能な限り少なく添加することにより調節するのが好ましい。
本積層体の基材は、難燃性に優れるばかりでなく、透明性にも優れる特徴を有するものである。従って、特に硬質塩化ビニル樹脂成形体とすることにより、航空機、船舶、車両等の輸送機内外装材;建築物内外装材;家具、事務用具等の日用物品;家電機器、電子機器等のハウジング材;半導体装置の部品等として好適に使用することができる。また、前記基材上に、制電層を設けた本積層体は、難燃性、透明性、制電性を有することによりクリーンルーム等のパーテーション等として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限を受けるものではない。
〔実施例1〜16〕
重合度800の塩化ビニル樹脂(塩化ビニルのホモポリマー)に対して、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂(表中の「高温分解促進剤」)、高温分解阻害機能を有する有機化合物(表中の「高温分解阻害剤」)、低温分解促成機能を有する熱安定剤(表中の「低温分解抑制剤」)を、表1及び表2に示す割合で配合し、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
次に、得られた樹脂組成物を、表1及び2に示した各成形方法で本積層体の基材を成形し、それぞれの成形方法に応じた方法で成形体の特性を評価した(詳しくは下記参照)。また、前記の本積層体の基材上に制電層を設けて、本積層体の表面抵抗率を測定した。
尚、表1の実施例1〜8は、導電剤に酸化錫(三菱マテリアル株式会社製、T−1)を使用した制電層を設けた。また、表2の実施例9〜16は、導電剤に多層カーボンナノチューブ(Nanocy社製、NC−7000)を使用した制電層を設けた。導電剤とバインダー樹脂の量、制電層の層厚は、表1、2に記載してあるようにそれぞれ調節した。尚、表1及び2に、バインダー樹脂として記載してあるPVCは、ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業社製、TK−800)であり、塩ビ−酢ビ共重合体とは、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂(カネカ社製、MA−1008)のことである。また、実施例1〜8、比較例1〜5、及び比較例13で使用している分散剤は、ラピゾールA−90(日本油脂株式会社製)を使用し、実施例9および比較例6で使用している分散剤は、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ナカライテクス株式会社製)を使用した。尚、制電層は、ワイヤーバーの番手を所望の層厚になるように調節して、基材層上に設けた。
〔比較例1〜13〕
実施例で使用したものと同じ塩化ビニル樹脂に対して、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂(表中の高温分解促進剤)、高温分解阻害機能を有する有機化合物(表中の高温分解阻害剤)、低温分解促成機能を有する熱安定剤(表中の低温分解抑制剤)を、表3及び4に示す割合で配合し、比較の塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
また、得られた樹脂組成物を、表3及び4に示した各成形方法で成形し、それぞれの成形方法に応じた方法で成形体の特性を評価した(詳しくは下記参照)。
なお、表1−4において、配合割合の数値は、塩化ビニル樹脂100質量部に対する各配合物の質量部である。
塩化ビニル樹脂には、重合度800の塩化ビニル樹脂(大洋PVC社製商品名“TH−800”)を使用した。
高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂として、次の樹脂を使用した(表1−4参照)。
塩素化ポリエチレン樹脂:昭和電工社製商品名“404B”
後塩素化塩化ビニル樹脂:カネカ製商品名“H527”
塩化ビニリデン樹脂:ダウケミカル製商品名“Saran168”
亜鉛化合物:ラウリン酸亜鉛(耕正社製商品名“ZS−3”)
高温分解阻害機能を有する有機化合物として、次の化合物を使用した(表1−4参照)。
滑剤:コグニス社製商品名“ロキシオールG60”
加工助剤:ローム&ハース社製商品名“K−120N”
衝撃改良剤:ローム&ハース社製商品名“BTA712”
可塑剤:ジェイプラス社製商品名“DINA”
帯電防止剤:花王社製商品名“エレクトロストリッパーTS−5”
紫外線吸収剤:チバスペシャリティ社製商品名“チヌビンP”
酸化防止剤:チバスペシャリティ社製商品名“イルガノックス1076”
高温分解阻害機能を有する有機化合物として、次の化合物を使用した(表1−4参照)。
有機錫系安定剤:日東化成社製商品名“N−2000E”
金属石鹸系安定剤:品川化工社製商品名“NMZ43”
ゼオライト:東ソー社製商品名“GSL−1000”
ハイドロタルサイト:協和化学社製商品名“アルカマイザー1”
アルミニウム系水酸化物:河合石灰工業社製商品名“ALH”
マグネシウム系水酸化物:協和化学社製商品名“マグサラットF”
〔カレンダープレス成形及び得られた成形体の評価方法〕
下記の評価方法で評価した結果を表1〜4に併せて示した。
(1)成形加工性:
下記(2)〜(4)のように成形した際の成形加工性を次の基準で評価した。
○:ロールに粘着、局所的な分解が発生せず、またプレスでプレス板から剥離が可能で表面平滑で、色むら、スジのない成形体が得られる。
△:ロールに粘着、局所的な分解が一部発生するが、またプレスでプレス板から剥離が可能で表面平滑で、一部色むらスジがあるが実用上問題のない成形体が得られる。
×:ロールに粘着、局所的な分解が発生し、カレンダーシートが得られない。
(2)難燃性:
実施例及び比較例の塩化ビニル系組成物を、180℃のカレンダーロールで混練し、1mm厚にシーティングし、得られたシート6枚を重ね、200℃の熱板(10cm×10cm、厚さ5mm)15分間プレス成形し、このカレンダープレス成形体について、アトラス社製コーンカロリメータを用い、ASTM E1354に準じ、AHRR(Kw/m2)とASEA(m2/kg)を測定した。
(3)熱安定性:
実施例及び比較例の組成物を、180℃のカレンダーロールで混練し、0.5mm厚にシーティングし、得られたシート6枚を重ね、200℃の熱板で2mm厚に10分間プレス成形した成形体と20分間プレス成形した成形体との黄味変化(ΔYI)を色差計で測定した。
(4)透明性:
上記の難燃性評価と同様に成形して得られたカレンダープレス成形体における透明性を、JIS K 7105に準じ、全光線透過率(%)とヘーズ値(%)とを測定した。
〔押出成形及び得られた成形体の評価方法〕
下記の評価方法で評価した結果を表1〜4に併せて示した。
(1)成形加工性:
下記(2)〜(4)のように成形した際の成形加工性を次の基準で評価した。
○:局所的な分解が発生せず、樹脂温、樹脂圧が制御でき、色むら、スジが発生せず 良好な成形体が得られる。
△:局所的な分解、色むら、スジが一部発生するが、樹脂温、樹脂圧で調整可能で実用上問題ない成形体が得られる。
×:局所的な分解が発生し、樹脂温、樹脂圧で制御困難であるため成形体が得られない。
(2)難燃性:
実施例及び比較例の塩化ビニル系樹脂組成物を5mm厚の板状に押出成形し、この成形体について、前記カレンダープレス成形体と同様にAHRR(Kw/m2)とASEA(m2/kg)を測定した。
(3)熱安定性:
実施例及び比較例の組成物を、二軸押出機で4mm厚の板状に200℃で押出成形し、得られた成形体の黄味変化(ΔYI)を色差計で測定した。
(4)透明性:
二軸押出機で1mm厚の板状に押出成形し、得られた成形体における透明性を、前記カレンダープレス成形体と同様に評価した。
〔連続プレス成形及び得られた成形体の評価方法〕
下記の評価方法で評価した結果を表1〜4に併せて示した。
(1)成形加工性:
下記(2)〜(4)のように成形した際の成形加工性を次の基準で評価した。
○:局所的な分解が発生せず、樹脂温、樹脂圧が制御でき、連続プレス板に粘着させず剥離が可能であるため良好な成形体が得られる。またスジ、色むらが目視により発見できない。
△:局所的な分解が一部発生するが、樹脂温、樹脂圧で調整可能で連続プレス板の条件調整の範囲で実用上問題ない成形体が得られる。またスジ、色むらがあるものの実用上問題ない。
×:局所的な分解が発生し、樹脂温、樹脂圧で制御困難であるとともに連続プレス板で粘着し成形体が得られない。
(2)難燃性:
実施例及び比較例の塩化ビニル系樹脂組成物を、二軸押出機で10mm厚の板状に押出成形し、これを200℃の熱板で5mm厚に連続プレス成形し、この押出プレス成形体について、前記カレンダープレス成形体と同様にAHRR(Kw/m2)とASEA(m2/kg)を測定した。
(3)熱安定性:
実施例及び比較例の組成物を、二軸押出機で4mm厚の板状に押出成形し、これを200℃の熱板で2mm厚に10分間プレス成形した成形体と20分間プレス成形した成形体との黄味変化(ΔYI)を色差計で測定した。
(4)透明性:
上記の難燃性評価と同様に成形して得られた押出プレス成形体における透明性を、前記カレンダープレス成形体と同様に評価した。
制電性:
実施例、比較例の制電性塩化ビニル系樹脂積層体の表面抵抗率は、JIS K6911に準じて、以下のように行った。
測定装置:ハイテスターUP MCP−HT450型(三菱化学株式会社製)、測定方式:定電圧印加方式、印加電圧:1000V
Figure 2009083270
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実施例1〜16は、高温分解促進剤、高温分解阻害剤、低温分解抑制剤を一定の範囲内で添加している為に、成形体に加工した場合に、透明性、難燃性、熱安定性、滑性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物を得た。また、前記塩化ビニル系樹脂組成物を本積層体の基材に成形し、前記基材表面上に制電層を設けることにより、制電性が良好な積層体を得た。
比較例1は、高温分解促進剤を過剰に入れているために、熱安定性が悪く、また連続プレス成形での成形加工性も良くなかった。比較例2及び3は、高温分解促進剤、高温分解阻害剤、低温分解抑制剤をそれぞれ過剰に添加している為に、熱安定が悪かった。又、比較例3に関しては、透明性も悪かった。比較例4は、高温分解促進剤が添加されていない為に、カレンダープレス方法による成形方法では、成形加工性が悪かった。比較例5では、高温分解促進剤が少なく、高温分解阻害剤が過剰に入っているため難燃性が悪かった。比較例6では、高温分解促進剤が小量であるために、難燃性が悪く、カレンダープレス成形法による成形加工性が悪かった。比較例7は、高温分解促進剤が過剰に添加されており、高温分解阻害剤も過剰に添加されているために、熱安定性が悪かった。比較例8及び9は、高温分解促進剤が少量であった為カレンダープレス成形、連続プレス成形において成形加工性が悪かった。比較例10は、高温分解促進剤と、低温分解促進剤が過剰に添加され、高温分解阻害剤が添加されていないので、連続プレスにより成形体を得られなかった。比較例11は、高温分解促進剤と高温分解阻害剤が過剰に添加されており、低温分解抑制剤が転化されていないために、連続プレスに成形において成形体を得られなかった。比較例12は、制電層が無い為に、制電性が悪かった。比較例13では、高温分解促進剤が添加されていないために、連続プレスにより成形した場合、難燃性が悪かった。
本積層体は、難燃性及び透明性に優れ、発煙量も少なく、高い軟化温度を有し、外観も良好となり、且つ制電性を備えている。特に基材の母材樹脂として、硬質の塩化ビニル系樹脂を使用した本積層体は、航空機、船舶、車両等の輸送機内外機材;建築物内外装材;家具、事務用具等の日用品;家電機器、電子機器等のハウジング材;半導体装置の部品、クリーンルームのパーテーション等として好適である。
特に、押出連続プレス成形法による成形された、本積層体は、熱加工時の艶戻りがなく、耐溶剤性に優れ、かつ高い厚み精度を有するため、上記のような種々の成形体の原体として良好に使用することができる。

Claims (8)

  1. 基材上に少なくとも1層の制電層を有する積層体であって、前記基材が塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂1〜50質量部、高温分解阻害機能を有する有機化合物0.1〜7質量部、低温分解抑制機能を有する熱安定剤1〜10質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物からなる基材であることを特徴とする制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  2. 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、厚さ5μmに成形した場合において、ASTM E1354に準じて測定される平均発熱速度(AHRR)が65kW/m2 以下であり、ASTM E1354に準じて測定される平均比減光面積(ASEA)が800m2/kg以下であり、光線透過率が55〜100%であり、且つ、ヘーズ値が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  3. 前記の高温分解促進機能を有する塩素含有樹脂が、塩素化ポリエチレン樹脂、後塩素化塩化ビニル樹脂及び塩化ビニリデン樹脂からなる郡から選ばれた1種又は2種以上の混合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  4. 前記の高温分解阻害機能を有する有機化合物が、滑剤、加工助剤、衝撃改良剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤からなる郡から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  5. 前記の低温分解抑制機能を有する熱安定剤が、有機錫系安定剤、金属石鹸系安定剤、ゼオライト、ハイドロタルサイト類、アルミニウム系及びマグネシウム系水酸化物からなる郡から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  6. 前記制電層の主成分が、熱可塑性樹脂のバインダー樹脂と導電剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  7. 前記制電層が、主に、熱硬化性樹脂のバインダー樹脂と導電剤を含有させた層であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
  8. 前記導電剤は、酸化錫、導電性酸化チタン、炭素繊維から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂積層体。
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