JP2009080053A - X線ct装置,x線ct装置のx線検出方法,x線センサ信号処理システム、及びx線センサ信号処理方法 - Google Patents

X線ct装置,x線ct装置のx線検出方法,x線センサ信号処理システム、及びx線センサ信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、X線検出の測定感度を向上しつつ、X線センサの出力ばらつきを抑えることによりCT画像の品質劣化を防止して、X線CT装置による撮影画像の品質を向上させることにある。
【解決手段】
本発明は、X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、前記信号処理装置が、前記X線センサに順方向のバイアス電流を供給するとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段を設けたことを特徴とする。
【効果】
本発明によると、X線検出の測定感度を向上しつつ、X線センサの出力ばらつきを抑えることによりCT画像の品質劣化を防止して、X線CT装置による撮影画像の品質を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線CT装置,X線CT装置のX線検出方法,X線センサ信号処理システム、及びX線センサ信号処理方法に関する。
産業用X線CT装置は、物体の内部形状を観察,計測するために、非常に有用な非破壊検査装置である。このため、最近では自動車会社を中心に、開発品の形状計測や鋳造品の巣の分布計測などに活用されるようになってきた。大型鋳造品などの断層像を撮影するためには、透過力の高い高エネルギーX線を発生する加速器をX線源に用いたX線CT装置が開発されている。たとえば、非特許文献1には電子線加速器をX線源とし、短冊形のシリコン半導体センサをX線検出器に用いた産業用X線CT装置が示されている。このX線CT装置は被試験体をX線ファンビームに垂直な軸周りに1回転させて断層像を撮影する、いわゆる第3世代方式のX線CT装置である。
また、半導体センサを使用したX線CT装置は、特許文献1(特表平10−512398号公報)などに記載されている。とくに、化合物半導体であるCdTe(テルル化カドミウム)センサを使用し、X線検出の測定感度を向上させるとともに長時間撮影時に問題となるセンサの出力低下現象を防止したX線CT装置は特許文献2(特開2006−010364号公報)に記載されている。
特表平10−512398号公報 特開2006−010364号公報 上村 博、産業用高エネルギーX線CT装置とディジタルエンジニアリングへの応用、日本電気学会雑誌、122巻2号、100〜103頁、2002年
しかしながら、X線検出の測定感度を向上しつつ、X線CT装置で多数使用される個々の半導体センサにおける出力のばらつき抑制については考慮されていなかった。個々の半導体センサにおいて出力にばらつきが生じると、撮影画像に悪影響を及ぼす。
そこで本発明の目的は、X線検出の測定感度を向上しつつ、X線センサの出力ばらつきを抑えることによりCT画像の品質劣化を防止して、X線CT装置による撮影画像の品質を向上させることにある。
本発明は、X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、前記信号処理装置が、前記X線センサに順方向のバイアス電流を供給するとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段を設けたことを特徴とする。
本発明によると、X線検出の測定感度を向上しつつ、X線センサの出力ばらつきを抑えることによりCT画像の品質劣化を防止して、X線CT装置による撮影画像の品質を向上させることができる。
産業用X線CT装置に使用するセンサとして、シリコン半導体センサがある。シリコン半導体センサは、センササイズやX線エネルギーにより異なるが、高エネルギーX線の検出効率が20%程度となる。しかしながら、断層像の密度分解能を向上させるためには、X線センサの検出効率(感度)が高い方が望ましい。そのため、シリコンより密度が2倍ほど大きく、検出効率も約2倍向上できるCdTe半導体センサの使用が考えられている。
このCdTeセンサの一つに、電極の一方をショットキーダイオード電極としたセンサがある。この電極を用いるとリーク電流も少ないため、X線CT装置への適用が広く検討されている。
しかし、CdTeセンサでは長時間のバイアス印加による出力低下現象が発生する。この出力低下現象を防止するために、特許文献2ではCdTeセンサにショットキーダイオードで電流が遮断される方向とは逆のバイアス電圧を印加し、出力低下現象を防止する方法を開示する。ここで、ショットキーダイオードで電流が流れる方向をショットキーダイオードの順方向とし、順方向バイアスと定義する。順方向バイアスではCdTeセンサのX線検出感度がSi半導体センサの約2倍に向上するだけでなく、出力電流も逆方向バイアスの約4倍となり、S/Nが良く、ひいてはCT断層画像の画質向上が可能となる。
ここで、X線CT装置は1台で多数のセンサ(500から100個)を使用することも考慮する必要がある。つまり、撮影されたCT画像の画質を向上させるためには、各センサのX線検出特性ができるだけ等しいことが望ましい。しかしながら、順方向バイアスでCdTeセンサの出力を測定してみると、出力電流のばらつきが大きく、このままではCT画像の画質に悪影響を及ぼす恐れがあることがわかった。
順方向バイアスでCdTeセンサを使用した場合に出力電流がばらつく理由は、一定電圧の順方向バイアスにより発生するリーク電流(バイアス電流)がセンサ素子により大きく異なることに起因する。このため、複数のX線センサ間でリーク電流を一定にすることにより、CdTeセンサがX線を検出する時に、センサから出力する電流のばらつきを低減できる。以下、センサから出力する電流のばらつきを低減する本発明の実施例について説明する。
図2は実施例1の構成を示す図である。
X線CT装置100は、X線出射手段としてX線ファンビーム2を出力する電子線加速器1と、被試験体14を設置するスキャナ3,被試験体14を透過してきたX線を検出するX線センサ4−1から4−512と、X線センサ4のS/N比を向上させるためにX線センサ4へ入射する散乱X線の量を抑えるコリメータ5,X線センサの出力信号を増幅しデジタル信号に変換する信号処理装置10、および信号処理装置10からのデジタルデータを収集すると共に装置全体を制御する制御装置6,画像の再構成を行う画像再構成装置7,画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示装置8,制御装置6からの制御指令により電子線加速器1,スキャナ3、及び信号処理装置10の動作を制御するコントローラ9を備えている。
図2のX線CT装置は、被試験体14を回転させて1断面を撮影する第3世代のX線CT装置を示す。スキャナ3は、回転機能のほかに被試験体14の各高さにおける断面撮影を行うために、上下方向に動作する機能を持つ。
電子線加速器1は、制御用ケーブル16によりコントローラ9に接続され、コントローラ9によりX線ファンビーム2の発生・停止が制御される。スキャナ3も同様に制御ケーブル15でコントローラ9に接続され、スキャナの回転・上下位置の調整が行われる。
X線センサ4は、X線ファンビーム2の発生点を見込むように一列に配置され、本実施例では512個が設置されている。X線センサ4は、センサ数が多いほど撮影解像度を向上させることが出来る。そして、このX線センサ4はスキャナの回転と同期してX線を検出しており、スキャナ3が回転する一定角度ごとに電子線加速器1からX線パルスが出力され、被試験体14を透過してきたX線を検出する。X線センサ4から出力されたX線量に対応する信号は、信号処理装置10で増幅されデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は、信号ケーブル17を通して制御装置6に送信される。その後、制御装置6から画像再構成装置7にデジタル信号を送信し、CT画像の再構成に用いられる。
また、加速器を用いたX線CT装置の場合、加速器から出射されるX線は、加速器の特性から周期的に発生するパルス状X線となる。一般的には、5ms周期に5μs幅の強力なX線パルス(X線光子の集まり)が出力される。本実施例では、被試験体が1回転する間にX線パルスが1920回出射され、データを測定する。すなわち、0.1875度ごとにX線量を測定する。本実施例では、512個のX線センサがあるため、1断層を再構成するためのデータは512×1920個のデータ量になる。
本実施例のX線センサ4−1から4−512は、陽極にIn、陰極にPt電極を用いたCdTe半導体センサ(In/CdTe/Ptセンサ)である。そのバイアスは、各X線センサに等しい大きさのバイアス電流が供給されるように、X線センサ毎に調節した正電圧を、本来陰極であるPt電極に印加することにより、In電極部のダイオード接合が順方向バイアスになる。そのため、本実施例のX線センサは、バイアス電流が大きくなる方向(順方向)で使用する。
以下、図3を用いてX線センサの構造を詳細に説明する。図3は本実施例に使用しているX線センサの構造を示す立面図と平面図である。CdTe結晶200は、細長い直方体の形状をしており、CdTe結晶の大きさは縦3mm×横約40mm×高さ0.5mmである。X線は、CdTe結晶の横方向と並行に入射する。CdTe結晶200の上下面には、Pt電極201とIn電極202が蒸着されてIn/CdTe/Ptセンサを構成している。In/CdTe/Ptセンサは絶縁基板203に接着されている。絶縁基板203側のIn電極202は直接プリント配線端子208に導電性接着剤で接合され、上面のPt電極201はボンディングワイヤー206でプリント配線端子207に接合されている。絶縁基板203にはフレキシブル基板が用いられている。ヘビイメタル基板204はタングステン合金製である。このヘビイメタル基板204は、X線センサの保護と同時に、隣のX線センサで散乱したX線の入射や反跳電子を遮蔽する役割を担う。
図4は順方向バイアスにおけるX線センサの電流−電圧特性の一例を示す図である。縦軸にリーク電流値、横軸に電圧値を示す。順方向バイアスのため、低い電圧でリーク電流が流れ始める。電流−電圧特性はX線センサにより異なる。本図に示した2つのX線センサにおいても、バイアス電圧を一定とするとリーク電流は数10%異なることがわかる。なお、逆方向バイアスでは100Vを印加しても1nA程度のリーク電流となる。
ここで、CdTeセンサに生じる現象を逆方向バイアス、順方向バイアスに分けて説明する。
逆方向バイアスにおけるCdTeセンサの出力低下現象は、CdTe結晶内部の不純物に起因するエネルギー準位(以下、トラップ準位という)に電子がトラップされて、X線によりセンサ内部に発生した電子・正孔対の収集が不十分になるために起こる。トラップ準位は負の電荷を持つために、トラップ準位の数が増加するとセンサ内部の電場が弱まる。そのため、X線により発生した電子・正孔対がセンサの両電極に収集されにくくなりセンサの出力電流が小さくなると考えられる。
トラップ準位の数Nの時間変化dN/dtは(1)式のように生成項と消滅項で表現できる。
dN/dt=C1・(N0−N)−C2・N (1)
ここで、N0は存在するエネルギー準位の数、Nはトラップ準位の数、C1は発生確率、C2は消滅確率である。逆方向バイアスでは生成項>消滅項のため、Nは徐々に増加し出力低下が発生すると考えられる。
次に、順方向バイアスではリーク電流が逆方向バイアスよりも多く流れているために、生成項は非常に大きい。そのため、バイアスをかけるとすぐにエネルギー準位に電子がトラップされてしまい、Nは飽和状態になる(N0は有限のため)。このため、図4を見ても分かるように、CdTe内の電場は小さくなる。但し、逆バイアスと違いエネルギー障壁が無いため、電子・正孔は自由に電極からCdTe結晶内に出入りできる。従って、X線により生成した電子・正孔対は再結合する割合が少なく、大部分がセンサ外に出力される。これが、CdTeセンサを順方向バイアスで使用すると逆方向バイアスよりも出力電流が大きくなる理由であると考えられる。
ここで、(1)式でdN/dt=0とするとNは、
N=(1−C2/(C1+C2))N0≒(1−C2/C1))N0 (2)
となり(C1>>C2であるので)、X線センサによるNの値の違いはC2に依存する。トラップ準位の消滅のためには正孔が多く結晶内に存在することが必要である。このため、リーク電流が大きければC2が大きくなり、これによりトラップ準位数Nは小さくなり、X線センサの出力は大きくなる。したがって、順方向バイアスにおけるX線センサ出力のばらつきは、それぞれのX線センサに等しい大きさのバイアス電流(リーク電流)を供給することにより低減できる。
ただし、リーク電流があまりに大きいと測定結果にノイズとして現れ、最終的にはCT画像の品質を悪化させる。これを避けるためには、リーク電流は1μA以下程度に抑制する必要がある。例えば、図4に示したX線センサでリーク電流を1μAに制御するためには、センサ1で約0.6V、センサ2では約0.75Vの順方向バイアス電圧を印加する必要がある。そのために、本実施例ではX線センサ毎に一定電流を供給するバイアス電流供給手段を設けた。
図1は、信号処理装置10の内部構成を示す。プリアンプ21−1から21−512はX線センサ4の出力電流を電圧に変換し増幅する。サンプル・ホールドアンプ(S/Hアンプ)22−1から22−512は、おのおの接続されたプリアンプ21の出力をホールドする。そして、AD変換器23−1から23−512が、サンプル・ホールドアンプ22の出力をデジタル値に変換する。制御回路24はコントローラ9からの信号19により、これらのタイミングを制御する。
バイアス電流供給手段27は、それぞれのX線センサ4に対応して設けられている。バイアス電流指示手段28は、個々のバイアス電流供給手段27−1から27−512がそれぞれのX線センサ4に等しい大きさのバイアス電流を供給するために、対応する指示電圧で供給する。バイアス電流供給手段27−1から27−512は、前記指示電圧に従って一定のバイアス電流をX線センサ4−1から4−512にそれぞれ供給する。各X線センサの測定値(AD変換器23−1から23−512の出力値)はバス25,インターフェース26を介して制御装置6に信号17として出力される。
図5は、プリアンプ21とバイアス電流供給手段27の詳細回路図である。プリアンプ21は電流積分と波形整形の2段構成である。X線センサ4に供給するバイアス電流(リーク電流)は直流成分の電流であるため、バイアス電流はコンデンサ31で除去される。一方、X線パルスにより生じたX線センサ4のパルス電流は、コンデンサ31を通過した後、コンデンサ33に蓄積される。抵抗32はOPアンプ36の入力回路保護のための抵抗であり、抵抗34は電流を積分して得られた出力電圧を徐々に放電するための抵抗である。その時定数はコンデンサ31と抵抗34の値の掛け算で決まる。次段は初段の出力波形を整形するための微分回路である。時定数はコンデンサ37と抵抗38の値の積で決まる。
パルス電流がコンデンサ33,抵抗34に流れ込むためには、バイアス電流供給手段27の出力インピーダンス>>抵抗32の値であることが必要である。但し、バイアス電流供給手段27の出力インピーダンスは数MΩ以上あり、抵抗32には100から0Ωが用いられるので問題は無い。また、コンデンサ31には0.1μF、コンデンサ33には10から200pF程度、抵抗34には1から10MΩ程度が用いられる。そして、コンデンサ37,抵抗38はその微分時定数が約200μsになるように調整される。このような定数を用いると、5μs幅のX線パルスがX線センサ4に入射した場合、パルス電流はコンデンサ33に流れこんで積分され、入射X線量(フォトン数)に比例した出力電圧がプリアンプ21の出力端子に出力される。
バイアス電流供給手段27は、市販の計装アンプICとOPアンプを組み合わせることで実現できる。計装アンプ43は通常+,−入力,リファレンス入力(図6中のREF)、及び出力端子を有する。計装アンプ43は電圧ゲインを制御するための入力端子もあるが、本実施例ではゲイン1で用いるので省略している。計装アンプ43の+入力にはバイアス電流指示手段28からの指示電圧Vcが入力される。計装アンプ43の出力は抵抗41に接続され、抵抗41の他端はCdTeセンサ4に接続される。
OPアンプ42はゲイン1のバッファアンプを構成し、その+入力は抵抗41のCdTeセンサ側端子に、出力は計装アンプ43のREF端子に接続される。このようにバイアス電流供給手段27を構成すると、X線センサ4に供給するリーク電流(バイアス電流)Iは、
I=Vc/R (3)
の一定値に制御される。ここで、Rは抵抗41の抵抗値、Vcはバイアス電流指示手段28からの指示電圧である。1μAのバイアス電流をX線センサに供給するためには、抵抗41のRを100kΩとし、バイアス電流指示手段28からの指示電圧Vcを0.1Vとすればよい。
それぞれのX線センサに供給されるバイアス電流Iは、CdTeセンサの特性の違いとは無関係に、バイアス電流供給手段27の働きにより一定に保持される。そのため、複数のX線センサから出力される出力電流のばらつきを抑制し、X線CT装置による撮影画像の品質を向上させることが可能である。バイアス電流Iを変更するためには、バイアス電流指示手段28からの指示電圧Vcを変更するだけでよい。
図6は、X線センサに入射するX線パルスとセンサの出力電流,プリアンプ出力電圧、および次段のS/Hアンプ出力電圧の時間変化を示した図である。縦軸にX線パルス、出力電流等のパラメータ、横軸に時間経過を示す。
前述のようにX線パルス幅Tp(=t1−t0)は5μSである。また、X線パルスの発生間隔(t3−t0)はコントローラ9に制御されて一定であり、本実施例では5msである。X線センサ4の出力電流はX線パルスの有無に関わらず、それぞれのX線センサにおいて等しい大きさのリーク電流が流れており、X線センサ4にX線が入射する間だけX線に起因するパルス電流が増加する。プリアンプ21では、X線によるパルス電流のみがコンデンサ33に積分され、プリアンプ出力電圧となる。
したがって、In/CdTe/Ptセンサを順方向のバイアス電圧で用いて、CdTeセンサの特性の違いとは無関係に一定のバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段27を用いると、CdTeセンサの高感度によるプリアンプ出力の増加が得られるだけでなく、分極効果による感度の低下がなく、且つセンサ間の出力ばらつきが大きいという欠点を除去できる。
プリアンプ出力電圧は、X線パルス発生前は0V、X線パルスがX線センサに入射している間(時刻t0からt1)は電流を積分するため増加(反転回路なのでマイナス方向に)し、X線発生がなくなるとプリアンプの電流積分段と波形整形段による一定の時定数で減衰し、0にもどる。S/Hアンプはタイミングコントローラの制御により時刻t1で出力をホールドするため、ホールド期間(時刻t1からt2)の間にADコンバータでデジタル値に変換することができる。
なお、以上に述べた実施例のコンデンサや抵抗などの値は無論、この値に限定されるわけではない。また、本実施例ではIn電極側を接地し、Pt電極側にバイアス供給手段とプリアンプを接続する構成としている。しかし、本実施例とは逆に、Pt電極側を接地し、In電極側にバイアス供給手段とプリアンプを接続する構成とすることもできる。
さらに、X線出射手段はパルス状のX線を発生するX線源であれば加速器に限らないのはいうまでもない。さらに、上述の実施例ではX線センサと交流結合されたプリアンプでパルス電流を電圧に変換しかつ積分している。しかし、プリアンプでは電流電圧変換のみを行い、後段回路に積分機能をもたせても良い。さらに、測定信号の信号対ノイズ比を向上させるために、積分回路の後に帯域フィルターなどで波形を整形することも可能である。
以上述べたように、本実施例によれば、X線CT装置のX線センサに、In電極とPt電極をそれぞれ用いたCdTe化合物半導体センサを用い、該X線センサのIn電極部のダイオード接合が順方向バイアスになるように一定のバイアス電流を供給する手段を設け、X線センサからの出力電流を検出するために交流結合電流積分回路を設けて、バイアス電流(リーク電流)を除去することにより、高感度なCdTeセンサによるプリアンプ出力の増加が得られるだけでなく、分極効果による出力変化を避けることができる。さらにセンサ間出力の大きさのばらつきを低減でき、CT再構成画像の品質を向上した産業用X線CT装置を提供できる。
また、X線センサの半導体材料は本実施例で述べたCdTeに限ることはなく、分極効果を有する半導体であって、特許文献1に述べられているII−VI族のもの(CdTe:Cl,CdI−XZnXTe,CdTeI−XSeX,CdI−XZnXTe:Cl,GaAs,HgIn)や、TlBr(臭化タリウム)などを使用し、ダイオード接合が順バイアスになるようにバイアス電圧をかけても、同様の効果が期待できる。
X線CT装置に使用するX線センサの感度向上と出力ばらつきの低減が図れ、その結果CT画像品質の向上が図れる。
信号処理装置10の内部構成を示す図である。 本発明の一実施例の構成を示す図である。 実施例に使用しているX線センサの構造を示す立面図と平面図である。 本実施例におけるX線センサの順方向バイアスにおける電流−電圧特性の一例を示す図である。 プリアンプ21とバイアス電流供給手段27の詳細回路図である。 X線センサに入射するX線パルスとセンサの出力電流,プリアンプ出力電圧、および次段のS/Hアンプの出力電圧の時間変化を示した図である。
符号の説明
1 電子線加速器
3 スキャナ
4 X線センサ
5 コリメータ
6 制御装置
7 画像再構成装置
8 表示装置
9 コントローラ
10 信号処理装置
21 プリアンプ
22 S/Hアンプ
23 AD変換器
24 制御回路
25 バス
26 インターフェース
27 バイアス電流供給手段
28 バイアス電流指示手段
200 CdTe結晶
201 Pt電極
202 In電極
203 絶縁基板
204 ヘビイメタル基板

Claims (8)

  1. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、
    前記信号処理装置が、前記X線センサに順方向のバイアス電流を供給するとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段を設けたことを特徴とするX線CT装置。
  2. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記複数のX線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、前記X線センサを半導体センサとし、前記X線センサに対してバイアス電流が多く流れる順方向にバイアス電圧をかけるとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給する複数のバイアス電流供給手段と、前記X線センサからの出力信号のうち直流成分を除去する手段とを有することを特徴とするX線CT装置。
  3. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記複数のX線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、前記X線センサを半導体センサとし、前記X線センサに対してバイアス電流が多く流れる順方向にバイアス電圧をかけるとともに、それぞれの前記X線センサにバイアス電流を供給する複数のバイアス電流供給手段と、前記バイアス電流供給手段がそれぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給するように制御するバイアス電流指示手段と、前記X線センサから出力された直流成分の電流及びバイアス電流を除去する手段とを有することを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記半導体センサを、ダイオード接合を有するCdTeセンサとすることを特徴とするX線CT装置。
  5. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備えたX線CT装置のX線検出方法であって、
    前記X線センサに順方向のバイアス電流を供給するとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給することを特徴とするX線CT装置のX線検出方法。
  6. 請求項5に記載のX線CT装置のX線検出方法において、
    前記被試験体を透過したX線によるパルス電流とともに前記バイアス電流を前記X線センサに発生させ、
    前記バイアス電流を除去し、前記パルス電流を検出することを特徴とするX線CT装置によるX線検出方法。
  7. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備え、
    前記信号処理装置が、前記X線センサに順方向のバイアス電流を供給するとともに、それぞれの前記X線センサに等しい大きさのバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段を設けたことを特徴とするX線センサ信号処理システム。
  8. X線を被試験体に出射するX線出射手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記X線センサの出力信号を処理する信号処理装置とを備えたX線CT装置のX線センサ信号処理方法であって、
    前記X線センサに順方向であって、それぞれの前記X線センサに供給された等しい大きさのバイアス電流と、前記被試験体を透過したX線によるパルス電流のうち、
    前記バイアス電流を除去し、前記パルス電流を検出することを特徴とするX線センサ信号処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109564175A (zh) * 2016-08-19 2019-04-02 株式会社石田 X射线检查装置

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