JP2006292393A - X線ct装置及びx線ct装置によるx線検出方法 - Google Patents

X線ct装置及びx線ct装置によるx線検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
X線検出で所望の測定感度を維持しつつ、X線CT装置による撮影画像の品質向上を可能とする。
【解決手段】
本発明のX線CT装置は、X線を被試験体に出射するX線発生手段と、被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、複数のX線センサの出力信号を処理するX線センサ信号処理回路とを備え、X線センサを分極効果を有する半導体センサとし、エネルギー分布が硬質化されたX線が半導体センサに入射するよう構成する。或いは、X線を被試験体に出射し、被試験体を透過したX線を分極効果を有する半導体センサで検出する方法で、エネルギー分布が硬質化されたX線を用い、X線を半導体センサで検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線CT装置及びX線CT装置によるX線検出方法に関する。
半導体センサを用いたX線検出装置は、たとえば、特許文献1(特表平10−512398号公報)などに記載されている。
特表平10−512398号公報
しかしながら、従来、X線検出の測定感度を考慮しつつ、X線CT装置による長時間撮影時の画像の品質を向上することについては考慮されていなかった。
本発明の目的は、X線検出で所望の測定感度を維持しつつ、X線CT装置による撮影画像の品質向上が可能なX線CT装置及びX線CT装置によるX線検出方法を提供することにある。
X線CT装置で用いるX線を、硬質化するか又は低エネルギー成分を減衰させたものとし、分極効果を有する半導体検出器で検出する。
本発明によると、X線検出で所望の測定感度を維持しつつ、X線CT装置による撮影画像の品質向上が可能なX線CT装置及びX線CT装置によるX線検出方法を提供することができる。
X線CT装置で用いるX線を、硬質化するか又は低エネルギー成分を減衰させたものとし、分極効果を有する半導体検出器で検出することで、X線検出で所望の測定感度を維持しつつ、X線CT装置による撮影画像の品質向上が可能なX線CT装置及びX線CT装置によるX線検出方法を提供することができる。
産業用X線CT装置は、医療用とは異なり、物体の内部形状を観察,計測するために、非常に有用な非破壊検査装置である。このため、自動車会社を中心に開発品の形状計測や、鋳造品の巣の分布計測などに活用される。大型鋳造品などの断層像を撮影するためには、透過力の高い高エネルギーX線を発生する加速器をX線源に用いたX線CT装置が開発されている。たとえば、電子線加速器をX線源とし、短冊形のシリコン半導体センサをX線検出器に用いた産業用X線CT装置である。このX線CT装置は被試験体をX線ファンビームに垂直な軸周りに1回転させて断層像を撮影する、いわゆる第3世代方式のCT装置である。
図2は、第3世代方式のCT装置の構造を有する産業用X線CT装置の構成を示す。X線CT装置は、X線ファンビーム202を出力する電子線加速器201と、被試験体214を設置するスキャナ203,被試験体214を透過してきたX線を検出するX線センサ
204−1から204−512と、X線センサ204のSN比を向上させるためX線センサ204への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ205,センサの出力信号を増幅し、デジタル信号に変換する信号処理装置210、および信号処理装置からのデジタルデータを収集すると共に装置全体を制御する制御装置206,画像の再構成を行う画像再構成装置207,画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示装置208,制御装置206からの制御指令により電子線加速器201,スキャナ203、及び信号処理装置210の動作を制御するコントローラ209からなる。図2のX線CT装置は、被試験体を回転させて一断面を撮影する第3世代のX線CT装置を示しており、被試験体設置機構であるスキャナ203は、被試験体を回転する回転手段を備え、被試験体の各高さの断面撮影を行うために被試験体を上下方向に移動動作させる手段を備えている。
電子線加速器201は、制御用ケーブル216によりコントローラ209に接続され、該コントローラによりX線ファンビームの発生・停止が制御される。スキャナ203も同様に制御ケーブル215でコントローラ209に接続され、スキャナの回転・上下位置の調整が行われる。また、センサの出力信号をデジタル信号に変換する信号処理装置210も制御ケーブル219でコントローラ209に接続され該コントローラによりデジタル変換のタイミングが制御される。
X線センサ204は、ファンビーム202の発生点を見込むように一列に配置される。センサ数が多いほど撮影解像度が向上するが、本例では512個が設置されている。X線センサ204は、電子線加速器201からスキャナの回転と同期して一定角度ごとにX線パルスが出力される毎に、被試験体を透過してきたX線を検出する。X線センサ204から出力されたX線量に対応する信号は、増幅されデジタル信号に変換された後、信号ケーブル217を通して制御装置206を経由して画像再構成装置207に送られ、CT画像の再構成に用いられる。
加速器を用いたX線CT装置では、X線は、加速器の特性から通常、周期的に発生するパルスX線となる。一般的な値としては5ms周期に5μs幅の強力なX線パルス(X線光子の集まり)が出力される。本例では、被試験体を1回転する間にX線パルスが1920回照射され、データを測定する。すなわち0.1875 度ごとにX線量を測定する。512個のセンサがあるため、1断層を再構成するためのデータは512×1920個のデータ量になる。
半導体センサの中で、シリコン半導体センサでは、高エネルギーX線の検出効率が20%程度(センササイズやX線エネルギーにより異なるが)得られる。しかしながら、断層像の密度分解能を向上するためには、センサの検出効率(感度)を向上させる必要があり、シリコンよりもさらに密度が2倍ほど高く、検出効率も2倍以上向上できると予想されるCdTe半導体センサの使用が好ましい。ただし、CdTe半導体センサは放射線波高分析用にすでによく使用されているが、信号対雑音比(SN比)を向上させるためにリーク電流(漏洩電流)をできるだけ少なくすることが望ましい。現在では、陽極にIn電極、陰極にPt電極を用いたCdTeセンサ(以下、In/CdTe/Ptセンサという)がよく使用されている。このセンサはIn電極とCdTe結晶の界面がショットキーダイオード接合となる。このためIn電極を陽極(正電圧をかける)に使用するとダイオード接合が逆バイアスになるため、このセンサではリーク電流は1nA以下と非常に少なくなる。
In/CdTe/Ptセンサを用いれば、シリコン半導体センサの2倍以上の検出効率を実現できるため、実際に高エネルギーX線CTにIn/CdTe/Ptセンサを適用してみたところ、センサの出力は2倍以上になるが、長時間の断層像測定時に本来一定でなければならないIn/CdTe/Ptセンサの出力が変動し、リング状のアーチファクト(偽の像)が画像に現れる。このような状態では断層画像を集合した3次元ビットマップデータからの寸法計測などの精度を向上することは困難である。
原因はCdTeセンサ等の化合物半導体センサに特有の分極効果により、撮影中にセンサの出力特性が変化したためと考えられる。
分極効果とは、CdTe結晶内のトラップ準位にX線で発生した電子が徐々にトラップされる量と、トラップされていた電子がトラップ準位から脱する量とがバランスして平衡状態に達するまでの間、センサの出力が過渡的に変化する現象である。線量率が大きい方が分極効果の影響も大きい。また温度を下げるかバイアス電圧を上げることにより分極効果をある程度抑えることができる。放射線分析の用途では線量率は大きくても104cps
(カウント毎秒)程度であるため、通常の放射線分析用途においてはバイアス電圧を高くすることにより分極効果は問題ないレベルに抑えられている。
これに対し、高エネルギーX線CT装置では5μsの間に10000個以上のX線がセンサに入射する。すなわち2×109cps となり、放射線分析用途とは桁違いに大きな線量率である。このような高線量率下では、In/CdTe/Ptセンサは10%/時間以上の出力低下を起こす。一定時間照射していると出力はほぼ一定になりSiセンサの2倍以上の感度で断層像を撮影できるが、X線CT装置においては、被試験体の大きさにもよるが、通常数十分から数時間かけて被試験体の多数枚(数百枚)の断層像を連続撮影する。通常X線CT装置においては、被試験体の全く無い初期状態で空気層のデータを取得しておき、被試験体の各断面の減衰データは空気層のデータで規格化した後画像再構成計算に用いる。このためセンサの出力特性が初期状態から時間的に変化すると各断面のCT値のベースラインが変化することになるため、各断面間のCT値の比較ができなくなる。また、全てのセンサの出力特性が同じ割合で変化するのであれば簡易的に補正することも可能であるが、分極効果は線量率に依存するため、被試験体で常に遮蔽されているセンサ(例えば中心付近のセンサ)と長時間被試験体に遮蔽されないセンサ(例えば端付近のセンサ)とでは出力特性の変化の程度が異なり、変化の程度は被試験体の形状や材質に依存するためデータの補正も事実上困難である。
分極効果を有するセンサでのこのような測定環境では、In/CdTe/Ptセンサは分極効果の影響が大きく、高エネルギーX線CT装置では非常に大きな問題になることがわかった。
In/CdTe/Ptセンサに電子線加速器からのX線を長時間当てると図4に示すように出力が低下する。本図では、In/CdTe/Ptセンサに隣接して設置された分極効果のないSiセンサを同時に照射して測定し、In/CdTe/PtセンサとSiセンサの出力比の時間変化を図示している。ただし、値は、測定開始時の値で規格化してある。Siセンサの出力で補正しているため、図4の時間変化は電子線加速器の出力変動を含んでいない。SiセンサとIn/CdTe/Ptセンサに印加しているバイアスはそれぞれ30Vと100V(ダイオード接合が逆バイアスになるように陽極のInに正電圧を印加)である。本図より時間の経過につれてIn/CdTe/Ptセンサの出力が徐々に低下することがわかる。このように出力が大きく変化するとX線CT装置への適用は困難である。
このため、X線パルスごとに、CdTeセンサにかけるバイアス電圧を変化させ分極効果を回復させて、CdTeセンサの出力の変化を防ぐことも考えられている。しかし、
CdTeセンサに使用するバイアス電圧は約100V以上であり、msオーダーでON/OFFするためには複雑な制御回路が必要になると共に回路自体がノイズ発生源となり再構成画像の測定精度を低下させる可能性がある。
次に、より具体的に本発明の一実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示す図である。本図を用いて概要を説明する。X線CT装置は、X線を被試験体に出射する手段であり、X線ファンビーム2を出力するX線発生装置すなわち電子線加速器1と、被試験体14を設置するスキャナ3,被試験体14を透過してきたX線を検出するX線センサ4−1から4−512と、X線センサ4のSN比を向上させるためX線センサ4への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ5,センサの出力信号を増幅し、デジタル信号に変換する信号処理装置10、および信号処理装置からのデジタルデータを収集すると共に装置全体を制御する制御装置6,画像の再構成を行う画像再構成装置7,画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示装置8,制御装置6からの制御指令により電子線加速器1,スキャナ3、及び信号処理装置10の動作を制御するコントローラ9とを備えている。
第3世代方式の技術におけるX線CT装置の動作についてはすでに図2を用いて説明した。ただし、本実施例ではX線センサ4−1から4−512は、陽極にIn、陰極にPt電極を用いたCdTe半導体センサ(In/CdTe/Ptセンサ)であり、そのバイアス電圧はPt電極に負電圧を、In電極に正電圧を印加し、ダイオード接合が逆バイアスになる方向で用いており、かつ、そのセンサの出力を測定する信号処理装置のセンサ信号増幅部に交流結合の電流積分アンプを用いている。
図3は、本実施例に使用しているX線センサの構造を示す立面図と平面図である。図3(a)は、立面図、図3(b)は、平面図を示す。CdTeの結晶300の上下にPt電極301とIn電極302が沈積されてIn/CdTe/Ptセンサを構成している。
In/CdTe/Ptセンサは絶縁基板303に接着され、絶縁基板303側のIn電極302は直接プリント配線端子307に導電性接着剤で接合され、上方のPt電極301はボンディングワイヤー305でプリント配線端子306に結合されている。CdTe結晶の大きさは縦3mm×横40mm×高さ0.5mm である。絶縁基板303はフレキシブル基板が用いられている。ヘビイメタル基板304はタングステン合金製で、センサの保護と同時に隣のセンサからの散乱X線や反挑電子を遮蔽する役割を担う。
X線センサ4は、X線が図3の矢印方向から入射するように装置に設置される。Siに比べて約2倍の密度を有するため、入射X線に対する吸収効率、すなわち検出効率は約2倍になる。電子線加速器1に6MVの電子線加速器を用いると(もちろん加速器先端にはターゲットとしてタングステンターゲットが付属しており、電子ビームの照射によりX線が発生する)、最大エネルギー6MeVを有するX線が発生するが、この条件でモンテカルロ法により各センサの検出効率を計算すると、従来のSiセンサで約25%、CdTeセンサでは約55%である。
このX線センサは検出効率が高く、かつリーク電流がないものが良いが、高検出効率のCdTeセンサでX線波高分析に使用されるIn/CdTe/Ptセンサはリーク電流も1nA以下と少なく理想的である。CdTe結晶と仕事関数の差が大きいInを電極として用いることにより高いショットキー障壁を生成し、それによりリーク電流を減らすことができる。このため、検出効率が高くリーク電流が少ないが、X線CT装置の高線量率環境下においては分極効果による出力変化が大きいことが実験により判明した。
図1に示すように、本実施例では、X線のエネルギー分布を硬質化する手段を備えている。硬質化する手段として、アルミニウムやSUSでできた薄いフィルター20を設置している。
このフィルター20により、X線のエネルギー分布を硬質化し、低エネルギ−成分を減衰させ、硬質化後のX線がセンサに検出される。X線発生手段から出射したX線が半導体センサに入射するまでの間に硬質化する手段を設けることで、硬質化後のX線がセンサで検出できる。
フィルター20を、In/CdTe/Ptセンサで構成されるX線センサ4のX線入射面にX線のエネルギー分布を硬質化する手段として設けたことで、分極効果による信号の減衰量が大幅に軽減するという実験結果が得られた。この結果は高エネルギーX線よりも低エネルギーX線の方が分極効果に与える影響が大きいことを示している。これは電子線加速器1からの多色X線に含まれる低エネルギー成分がフィルター20により選択的に減衰し、X線が硬質化したことによる。高エネルギー成分はあまり減衰させずに、低エネルギー成分を減衰させて、エネルギー分布を硬質化している。よって、センサの出力変化を抑制することができ、長時間撮影時にも再構成画像の品質が劣化しない産業用X線CT装置を提供できる。
本実施例では、フィルター20をX線センサ4のX線入射面に設けている。つまり、X線発生手段と該被試験体との間に硬質化する手段を設けている。このように、フィルター20を被試験体よりもセンサ側に配置することで、他の目的で設置するフィルターとの区別がつきやすい。また、フィルター20をセンサのすぐ前に設置する場合、センサ直前に貼り付ければよいだけなので改造や設置が容易である。センサに一体的に取り付けても良い。また、X線は、電子線加速器1から広がりをもって放射状に出射されるので、本実施例では、フィルター20をコリメータ5とほぼ同様の幅/面積で構成し、硬質化後のX線がサンサに検出されるようにしている。
図6は、他の実施例のX線ターゲット近傍の拡大図である。図6に示すように、本実施例では、ターゲット601のX線発射面側に隣接して設置している。このフィルター602により、X線のエネルギー分布を硬質化し、低エネルギ−成分を減衰させ、硬質化後のX線をセンサに検出させることができる。
X線発生手段から出射したX線が半導体センサに入射するまでの間に硬質化する手段を設けることで、硬質化後のX線がセンサで検出でき、センサの出力変化を抑制することができ、長時間撮影時にも再構成画像の品質が劣化しない産業用X線CT装置を提供できる。
また、X線発生手段と該被試験体との間に硬質化する手段を設けることで、硬質化後のX線がセンサで検出できる。更に、X線は放射状に広がってゆくため、X線発生手段と該被試験体との間に設置することでフィルター602の面積が小さくて済み、小型化が可能となる。硬質化する手段をX線発生手段と一体的に設置してもよい。
次に、図5に異なる厚さのフィルター用SUS板に対する信号の減衰量を測定した結果を示す。縦軸は照射10分後の初期状態に対する信号の減衰量であり、横軸はSUS板の厚さである。X線源は6MV電子線加速器であり、センサに印加しているバイアス電圧は100Vである。この結果はSUS板を厚くしてX線を硬質化させるほど信号の減衰量も減少することを示している。このように、硬質化手段による感度変化の安定化が確認できた。
またフィルター602はX線を硬質化する効果のある材質であれば必ずしも金属である必要は無い。例えばアクリル,鉛ガラス,ベリリウム含有ガラスなどでもX線を硬質化できる透過厚さがあれば同様の効果が期待できる。
硬質化する程度は、所望の感度を得るため、X線の総減衰量が数%程度に収まるように適切に設定する。測定における許容する所望の感度を得る程度に硬質化する。例えば、フィルター602の厚さをX線の総減衰量が数%程度に収まるように適切に設定する。いくら分極効果を抑制できるとはいえ、フィルターによる減衰が大きすぎてはCdTeセンサを用いて検出効率を上げても感度低下をまねく。例えば図5に示したSUS板1.2mm の場合には、6MV電子線加速器から発生するX線の平均エネルギーである1.5MeV のX線の減衰量はわずか5%に過ぎず、フィルターによる減衰を考慮しても分極CdTeセンサを用いたことによる感度向上のメリットの方が大きい。両者の相乗効果で、感度向上及び感度変化抑制が可能となる。
本実施例ではセンサの材質としてCdTeを用いているが、本発明は分極効果を有する他の化合物半導体、例えばCd1-xZnxTe(CZT),GaAs,InP,HgI2などにも適応することができる。
また、リーク電流が大きくなるが、陰極,陽極ともPt電極を用いたPt/CdTe/Ptセンサに適用することも良い。
以上述べたように、本実施例では、X線センサにIn/CdTe/Ptセンサを用いてかつX線を硬質化するためのフィルターと組み合わせることにより、バイアス電圧等の複雑な制御装置を要せず、X線の検出効率を向上し画像の高SN比を実現できるだけではなく、CdTeセンサ特有の出力変化も抑制することができ、長時間撮影時にも再構成画像の品質が劣化しない産業用X線CT装置を提供できる。
X線CT装置のセンサの感度を維持しつつ、CT画像品質の向上が図れる。
本発明の一実施例の構成を示す図である。 産業用X線CT装置の構成図である。 実施例に使用しているX線センサの構造を示す立面図と平面図である。 従来の産業用X線CT装置におけるCdTeセンサの出力の時間変化である。 照射10分後のCdTeセンサ出力の減衰量のSUS板厚さ依存性である。 他の実施例のX線ターゲットとフィルター近傍の構成を示す図である。
符号の説明
1,201…電子線加速器、2…X線ファンビーム、3,203…スキャナ、4,204…X線センサ、5,205…コリメータ、6,206…制御装置、7,207…画像再構成装置、8,208…表示装置、9,209…コントローラ、10,210…信号処理装置、20,602…フィルター、300…CdTe結晶、301…Pt電極、302…
In電極、303…絶縁基板、304…ヘビイメタル基板、305…ボンディングワイヤー、306,307…プリント配線端子、601…ターゲット。

Claims (9)

  1. X線を被試験体に出射するX線発生手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記複数のX線センサの出力信号を処理するX線センサ信号処理回路とを備え、
    前記X線センサを分極効果を有する半導体センサとし、エネルギー分布が硬質化されたX線が前記半導体センサに入射するよう構成したことを特徴とするX線CT装置。
  2. X線発生手段から出射したX線が被試験体を透過し、透過したX線を検出する複数のX線センサを備えたX線CT装置であって、前記X線センサを分極効果を有する半導体センサとし、前記X線発生手段から出射したX線が前記半導体センサに入射するまでの間に該X線のエネルギー分布を硬質化させる手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  3. X線を被試験体に出射するX線発生手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記複数のX線センサの出力信号を処理するX線センサ信号処理回路とを備え、前記X線センサを分極効果を有する半導体センサとし、前記X線発生手段と該被試験体との間又は該被試験体と前記半導体センサとの間に該X線のエネルギー分布を硬質化する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  4. X線を被試験体に出射するX線発生手段と、前記被試験体を透過したX線を検出する複数のX線センサと、前記複数のX線センサの出力信号を処理するX線センサ信号処理回路とを備え、
    前記X線センサを分極効果を有する半導体センサとし、前記半導体センサに入射するX線の低エネルギー成分を減衰する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のX線CT装置において、
    前記硬質化する手段又は前記低エネルギー成分を減衰する手段を、フィルタとすることを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のX線CT装置において、
    前記半導体センサを、CdTeセンサとすることを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のX線CT装置において、
    前記半導体センサの出力信号を増幅してデジタル信号に変換する信号処理装置と、該信号処理装置からのデジタル信号の収集を制御する制御装置と、該信号処理装置からのデジタル信号の情報に基づき画像の再構成を行う画像再構成装置と、画像再構成により作成された画像情報を表示する表示装置とを備えたX線CT装置。
  8. X線を被試験体に出射し、前記被試験体を透過したX線を分極効果を有する半導体センサで検出するX線CT装置のX線検出方法において、
    エネルギー分布が硬質化されたX線を前記被試験体に透過させ、その透過したX線を前記半導体センサで検出することを特徴とするX線CT装置のX線検出方法。
  9. X線を被試験体に出射し、前記被試験体を透過したX線を分極効果を有する半導体センサで検出するX線CT装置のX線検出方法において、
    該X線が前記被試験体に透過した後に、該X線のエネルギー分布を硬質化してから前記半導体センサで検出することを特徴とするX線CT装置のX線検出方法。
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