JP2009067837A - 導電性接着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来品よりも焼結温度が低温であり、焼結時間が短時間の熱処理で、接着材中の金属粒子が融解・焼結するとともに、基板の材質を問わず密着性に優れ、低抵抗である導電性接着材を提供する。
【解決手段】粒子径4〜40nmである金属(例えば銀)粒子の表面が、分子量300以下の不飽和結合を有するアミンである有機化合物により被覆されてなる粒子を導電性接着材の構成成分として用いる。これは、例えば溶媒中で金属化合物と分子量300以下の不飽和結合を有するアミン化合物を反応させて製造することができる。また、金属粒子のCV値が40%以下が好ましい。さらに、金属成分が乾燥前の接着材の50質量%以上を占めることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は低温の焼成処理でも高い導電性と接着力を発揮する導電性接着材に関する。
エレクトロニクス実装分野において、一般的な電荷の接続方法は半田付けなどが主に利用されてきた。しかし、半田付けの場合、基板と半田の剥離が生じ、密着性の面で問題が生じることもある。また、接続時に半田を溶融させ接続する必要があるため、一時的にも高温を加える必要があり、耐熱性の低い基板では使用することが困難になるといった問題もあった。
そこで表面活性が高く、比較的温度が低くても粒子同士の結合が生じる金属ナノ粒子を用いて導電性を付与する方法の検討が広くなされてきた。例えば非特許文献1にナノロッド銀粉による導電性接着材の技術が開示されており、少ない含有率でありながら効率の良い電気伝導性を示すことが開示されている。
また、非特許文献2には有機物で被覆された金属ナノ粒子は300℃以下で長時間熱処理を施すことによって、表面の有機物が脱離すること、ポアの発生もほとんどない薄膜を形成させることができるとされている。
さらに、非特許文献3にはコアの部分の炭酸銀の還元作用と炭酸銀を被覆している有機殻の分解の相互作用によって銀を析出させることで薄膜を形成し、銅板などとの間に高い密着性を生じさせることができることが開示されている。
小日向茂、日本接着学会誌、43,5 (2007) p166-178 中許昌美、溶接学会誌、76,3(2007) p167-171 廣瀬明夫、溶接学会誌、76,3(2007)p.162-167
ところが、上述の非特許文献にも記載されているように、従来のナノ粒子による接合では、接着する金属の種類によっては基板と金属の密着性が不十分になり、密着強度がほとんどとれないと言うこともあった(例えば非特許文献3 p.64の図7参照)。ナノ粒子を汎用性の高い接着性の材料として使用できるようにするためには、基板によらず密着性の高い塗膜を形成することを可能にすることが必要になると考えられる。
また、有機脂肪酸で表面を被覆している場合、低温での焼成は可能になるが、十分な電気伝導性を得るためには、長時間の熱処理が必要であるため、必ずしも効率的であるとは言えず、また短時間で処理を完結させなければならないような熱に対する耐久性がやや劣るような材質のものに対応させることは難しい。
そこで、本発明の解決すべき技術的課題としては、従来よりも焼結温度が低温であって焼結時間が短時間の熱処理で接着材中の金属粒子が融解・焼結するとともに、基板を問わず密着性に優れ、低抵抗である導電性接着材を提供することを目的とする。
上記の課題は、一次粒子径4〜40nmの金属粒子の表面が分子量300以下の有機化合物により被覆されてなる粒子を導電性接着材の構成成分として用いることによって達成できる。
さらに、表面を被覆する有機化合物は、好ましくは不飽和結合を有するアミン化合物であり、これによって、金属粒子そのものの独立性がさらに保たれた、より好適な導電性接着材となる。
金属粒子表面が不飽和結合を有し還元力を有した物質で被覆されている粒子が導電性接着材に含まれていることで、焼成処理時の金属粒子由来の金属薄膜と基板との間の密着性をより高めることができ、かつ粒子が細かいものとなるため、焼成時におけるポアが少なく充填性に富む金属薄膜を形成させることができる。
本発明で使用される粒子は、一次粒子の平均粒子径が4〜40nm、好ましくは5〜30nm、より好ましくは5〜20nmである。40nmを超える大きさの金属粒子になると、描画したパターンを焼成したとしても緻密な膜を形成させることが困難になるとともに、抵抗率の悪化を引き起こすことがあるので好ましくない。一方、金属粒子が4nm未満であると金属粒子表面を被覆する有機化合物の相対的な割合が増大し、金属の含有率が相対的に低下してしまい、緻密な膜が形成できないので好ましくない。
金属粒子の表面は分子量300以下、好ましくは50〜300、より好ましくは100〜300の窒素、炭素を構成要素として有する有機化合物で被覆される。従来用いられているチオール等による被覆では、硫黄分(S)が含まれ、これは粒子の保存安定性に悪影響を及ぼす可能性があるが、本発明において使用する窒素(N)を含有する表面被覆物質であれば、金属粒子表面の変質を抑制することができるので好ましい。金属粒子を被覆する有機化合物の分子量が300より大きくなると、有機化合物の金属粒子表面からの脱離がおこりにくくなる。その結果、接着材を焼成することによって塗膜内に炭素や窒素の残存が生じやすくなり、導電性の低下を生じるようになるので好ましくない。したがって、表面を被覆する有機化合物はできるだけ分子量が小さいことが好ましい。
金属粒子の表面を被覆する有機化合物は、不飽和結合を少なくとも一つ有していることが好ましい。詳細な機構については明らかでないところも多いが、発明者の考えでは、反応液、洗浄液、分散液などの液中の溶存酸素等で酸化を受けた場合でも、金属粒子を被覆する有機化合物中に不飽和結合があると、熱処理により銀等の金属を焼結し薄膜化する際に、溶存酸素等の影響で一部存在していた酸化銀等の酸化金属が有機化合物の不飽和結合によって還元され、純粋な金属銀等の金属となり、結果としてより緻密で導電性が高く、基板と密着性の高い薄膜の形成ができていると推測している。
以上のような物性を有する有機化合物としては、トリアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。なかでも、1級アミンが好適であり、特にオレイルアミン(C9H18=C9H17-NH2)は金属粒子表面に対する付着力があまり強すぎないため、焼結温度のより低い金属微粒子を得る上で極めて有利である。また、オレイルアミンに替えて、オクチルアミンも好適な対象になる。有機化合物としてこれらは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても構わないが、粒子の均一性を維持できる範囲に調整することが好ましい。
一次金属粒子の変動係数(CV値)は40%以下、好ましくは30%、一層好ましくは20%以下である。CV値が40%よりも大きいと、小粒径の金属粒子を被覆する有機化合物が比較的多く存在することになってしまい、こうした小粒子が焼結し難くなり、結果として緻密な膜の形成に支障を来すとともに、不純物の残存を許しやすくなり、導電性にも悪影響を及ぼすので好ましくない。ここで、金属粒子のCV値(金属粒子の一次粒子径の変動係数CV値)は、下式により算出する。
金属粒子のCV値(%)=100×{金属粒子径の標準偏差σ}/{金属粒子の平均粒子径}
本発明に従う被覆金属粒子と分散媒とから構成される導電性接着材は、全体の質量に対する金属割合が50質量%以上となる導電性接着材である。こうした分散媒の質量割合を変更することにより、全体の質量に対する金属割合をより高めることができ、下記の製造条件に従う粒子であれば、導電性接着材全体に対する金属割合は75〜90質量%にまで高めることもできる。導電性接着材における金属割合が大きくなると、非特許文献1にも示されているように金属の粒子間距離が短くなり導通が取りやすくなるとともに、薄膜化したときの抵抗が小さくなるので好ましい。50質量%未満の金属濃度の場合には、塗布時において金属コア同士の間隔が広くなることに起因して、乾燥・焼結時に空隙が生じてしまい、充填性に劣った薄膜の形成となることがあるので好ましくない。
以降、本発明の特徴である粒子を与える還元工程について詳述する。
本発明における還元工程とは、液相還元法によるもので、還元力を有したアルコール溶媒に金属化合物を溶解した後に液を昇温し、高温とすることでアルコールの還元力を増大させ、金属粒子を析出させる工程をいう。その際にアルコールを還流状態とすれば、溶媒であるアルコールが揮発により反応液から失われることがなく、沸点付近で金属化合物の金属がより効率的に還元されるようになる。
ここで用いられるアルコールが還元剤として働いた後に生成する物質は、液中に残存すると還元反応の障害になるので簡便に除去できうることが好ましい。
その際、有機化合物(好ましくは、不飽和結合を有するアミン化合物)の存在下において還元反応を進行させると、この有機化合物によって金属粒子表面が被覆され、保護された粒子が形成され、金属粒子の成長が阻害されるようになる。この効果により、この有機化合物により被覆された粒径の小さい金属微粒子を合成することができる。
場合によって、還元剤として、溶媒兼還元剤のアルコールの他に、さらに不飽和結合を有しないアミンを主体とする還元補助剤を使用することができる。ここで、還元補助剤とは、溶媒として使用するアルコールと比較して還元力の強い物質を言う。還元反応時に添加する還元補助剤はアルコールよりも還元力が大きい物質で構成されるので、添加量によっては非常に細かい微粒子になることがある。還元補助剤を使用することによってアルコールでは還元しきれなかった金属が還元され、液中に存在する金属の還元率を向上させることができる。発明者の検討によれば、分散媒への分散性の高い粒子を得るためには、上述の金属粒子を被覆する有機化合物の使用量をある程度高くすることが好ましいが、金属粒子を被覆するこの有機化合物の使用量を多くすれば、金属の還元率が低下する傾向を示す。すなわちこれらはトレードオフの関係になる。ところが還元補助剤を使用すると、金属粒子を被覆する前記有機化合物の添加量が多い場合でも高い還元率で金属粒子を得ることが可能になる。
還元補助剤を構成するアミンを例示すると、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジエタノールアミン、ビス(2−シアノエチル)アミン、イミノビス(プロピルアミン)、N−nブチルアニリン、ジフェニルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、N−ニトロソジメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリアリルアミン、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、トリエタノールアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリ−n−オクチルアミンなどが挙げられる。なかでも、工業的に入手が比較的容易であり、アミン族の中でも比較的還元力の強いジエタノールアミンやトリエタノールアミンが好適である。還元補助剤としてのこれらのアミン化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
還元反応の温度は、50〜200℃の範囲内とすることが望ましい。反応温度が50℃未満であるとアルコール類の還元作用が発揮されにくく、反応が進みにくいと同時に還元不良を生じるおそれがある。粒子径を適当な粒子径とするための方法の一つとしては、還元反応時における還流温度を適度に調整すれば、上記に示した本発明の趣旨に添った金属粒子を調製することも可能であるが、温度をただ高くするだけでは粒度分布の悪い粒子群となってしまう虞があるので好ましくない。特に、反応温度が200℃を超えると、金属粒子の一次粒子平均径のばらつき(粒度分布幅)が大きくなるので好ましくない。
また、場合によって還元を多段に分けて実施することもできる。すなわち、還元が急激に進行すると粒子の成長が著しくなりすぎる場合がある。粒子径の制御を効果的に行うためには、還元をまずは低温で行い、その後温度を上げて還元を行う、あるいは徐々に温度を高めながら還元を進行させるとよく、また粒子形状を調製するためには当初の還元を高温で行い、その後、低温で還元することも考えられる。こうすることによって、初めは粒子核が一気に生成し、金属粒子の粒径を時間で制御できるようになるので好ましいと言える。
さらに、還元反応を高温で行い、有機溶媒で希釈した前記の還元補助剤を徐々に添加すれば、同様に粒子の緩やかな成長を促すことができるので好ましいと言える。このとき、還元反応中の反応温度は、最も低い温度と最も高い温度の差を20℃以内とすることが望ましい。15℃以内、あるいはさらに10℃以内で厳密にコントロールすることが一層好ましい。これにより、還元により生成する金属粒子の粒径および粒度分布の制御性が向上する。
[導電性接着材の調製]
上述の方法により得られた有機化合物(好ましくは、不飽和結合を有するアミン化合物)で被覆された金属粒子は、分散や洗浄工程を経て、有機溶媒(分散媒)に再分散されることで導電性接着材を形成する。具体的には、次の工程を経て得られる。
〔分散媒の選択〕
分散媒としては、飽和もしくは不飽和炭化水素、または極性の小さい高級アルコールを少なくとも一種用いるのがよい。また、こうした分散媒の中でも、スクリーン印刷で微細配線を安定的に印刷するために、上記の有機化合物で被覆された金属粒子が極めて良好な分散性を呈する物質を選定することが必要である。
具体的には、沸点は180〜300℃、好ましくは230〜280℃であるものがよい。沸点が180℃未満であると、常温であっても揮発性が高くなるため、分散媒の揮発による接着材の粘度上昇が起こりやすくなり、印刷時に印刷ムラが生じやすく、安定した印刷を得ることができなくなるので好ましくない。また、沸点が300℃を超えると、導電膜の焼結が生じにくく、緻密性に欠け、揮発せず膜中に分散媒が残存することとなるので好ましくない。
分散媒に用いる飽和または不飽和炭化水素としては、具体的にはアミルベンゼン、1,2ジエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、ケロシン、ドデカン、ドデシルベンゼン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ノナデカン、n-ヘキサデカン、n-ペンタデカンが例示でき、前述の極性の小さい高級アルコールとしては、具体的には2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、テルピネオール、ベンジルアルコール、テキサノール、1,6ヘキサンジオールが例示できる。これら分散媒は単独で用いることもできるし、2種類以上を組み合わせて併用して使用することもできる。
また、分散媒の添加量は導電性接着材全体に対して5〜40質量%、好ましくは10〜20質量%とするのがよい。5%未満の場合、ペースト状になりにくく、取扱が不便であり好ましくない。一方40%を超えると、液状化してしまい、各種印刷時の狙いの線幅よりも広がる、すなわち必要のないところにまで導電性膜を形成することとなってしまうので、導通させたときに短絡する可能性があるので、導電性接着材としては不適なものとなる。
[導電性接着材の塗布]
上記の工程を経て得られた導電性接着材を基板上に塗布して、金属層を形成する。具体的にはインクジェット法による印刷、ローラーコート、スピンコート、リソグラフィ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などが例示できる。方法については特に選ばないが、大量かつ広範囲に塗布層を形成するにはローラーコート法、といったように目的や対象面積に沿った形成法を適宜選択すればよい。特に微細な配線形状を形成するためには、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法が好ましい。
こうして対象物上に導電性接着材を塗布して形成した被膜を、加熱により有機物質の脱離および被膜の緻密化を行う。温度は高ければ高い方が金属膜の緻密化による表面抵抗値の低減ならびに有機物質の脱離、および処理時間の短縮には好適であるが、配線を形成する基板等の対象物の性質により適宜調整するのがよい。対象物が軟化温度の低い有機物(ポリエチレンフィルムなど)の場合には、軟化温度よりも10℃以上、より好ましくは20℃以上低い領域で加熱をするのがよい。
以上の工程を経ることによって導電性接着材を構成するとともに、熱処理を加えることによって導電性接着材の接合効果により被膜を基板等の対象物に密着させることができるようになる。さらに、接合する対象物Aの上に本発明の導電性接着材を塗布し、この塗布した接着剤上に接合する対象物Bを置き加熱することにより、導電性および接着力の優れた接合層を有する対象物AとBの接合体を形成することができる。
[実施例1]
イソブタノール(和光純薬株式会社製の特級試薬)200mLに、オレイルアミン(分子量267.49、和光純薬株式会社製)132.74mL と硝酸銀結晶13.73gを添加し、マグネットスターラーにより攪拌して室温で溶解した。この溶液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該溶液をマグネットスターラーにより180rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、105℃の温度で5時間の還流を行って、反応を終了した。105℃に至るまでの昇温速度は2℃/minである。
その後、得られた粒子を3000rpmの条件で30分間遠心分離にかけ、得られた上澄み部分を後の評価に付した。
このとき得られた粒子をTEM(透過型電子顕微鏡、日本電子株式会社製JEM-100CX Mark-II型)写真により倍率600,000倍で観察される粒子のうち、重なっていない独立した300個の粒子をそれぞれ計測し、求まる平均粒子径は4nmであり、上記で計測された個々の粒子により定まる変動係数CV値が17%の均一性のとれた粒子が得られた。ただし、変動係数CV値=100×{粒子径の標準偏差σ}/{平均粒子径}により算出される。
こうして得られた粒子を、混練脱泡撹拌機(シンキー製AR-250)を用いてAg換算で質量比85(被覆粒子としては90)、分散媒としてn-テトラデカン(沸点243〜248℃)を質量比10の混合割合とし、合計で100gとなるように容器に充填した。その後、装置を運転し撹拌60秒、脱泡60秒それぞれ実施して導電性接着材を得た。得られた組成物を用いて、スクリーン印刷を施した。基板はAgめっき板、Cuハルセル板(ハルセル試験用のCu板を指す。以下同様です。)、Alハルセル板にそれぞれ行った。なお印刷は、スクリーン印刷機(マイクロテック(株)社製MT-320T)で行い、各金属板上には1mm×1mmの正方形パターンを0.5mm間隔で印刷している。
印刷操作を行った後、焼成を180、200、260、300℃で1分、5分、10分、60分でそれぞれ焼成し、サンプルを得た。そうした後、基板とAgの密着性を評価するため、得られた配線にセロテープ(登録商標)(ニチバン製、No.405)を圧着した後に剥離することで密着性評価を行った。評価指標としては全くテープに膜がつかないものを○、金属板と焼成膜の界面剥離はないが、テープにAgが付着しているものを△、金属板と焼成膜の界面剥離があるものを×としそれぞれ評価して表1に記載した。
Figure 2009067837
[実施例2]
実施例1の粒子の粒度分布を悪くする操作(具体的には遠心分離による分離操作を行わない)を行いCV(変動係数)=35%の粒子群を得た以外は、実施例1と同様の操作を行って基板に対する密着性の評価を行った。
[実施例3〜6,比較例1〜2]
表1に示すように処理に供するAg 粒子の平均粒子径をおのおの変化させた以外は同様にして、実施例1または2を繰り返した。得られた結果を表1に併せて示す。
[比較例3〜4]
導電性接着材を一般的なSn-Ag-Cuの3元系半田ペースト(千住金属工業株式会社製:品番M705GRN360K2V、平均粒径25〜36μm、溶剤:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、沸点259℃、分子量190.3、半田粉含有量88質量%、残部はフラックス成分)に変えた以外は、実施例1と同様に、パターンを印刷し、所定の焼成温度、焼成時間で焼成し、評価を行った。結果を表1に併せて示す。
[実施例7]
実施例3の導電性接着材を、8mm×10mmのガラス基板全面にベタパターンでスクリーン印刷し、各温度、時間条件で焼成した。
その後、得られた導電膜を四端子法で表面抵抗を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2009067837
上記の通り、本発明に従う導電性接着材は、接着材の用途では低温、短時間の加熱処理であっても優れた密着性を示し、なかでも従来はなかなか密着性がとれなかったAlに対しても高い密着性を有している。
また、導電性の面では表面抵抗は180℃の処理では、処理時間が10分以下の場合、処理温度200℃以上の場合と比較して表面抵抗が高いが、処理温度60分の場合は、処理温度200℃以上の場合と比較して顕著な差は認められなかった。また、処理温度が200℃以上では、短時間の処理でも表面抵抗は極端に低下し、優れた導電性を有するようになっている。

Claims (7)

  1. 一次粒子径4〜40nmの金属粒子の表面が炭素と窒素を含む分子量300以下の有機化合物により被覆されてなる粒子を主成分とする導電性接着材。
  2. 前記金属粒子が銀粒子である、請求項1記載の導電性接着材。
  3. 前記金属粒子のCV値が40%以下である、請求項1または2に記載の導電性接着材。
  4. 前記有機化合物が不飽和結合を有するアミン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性接着材。
  5. 前記金属成分が乾燥前の前記接着材の50質量%以上を占める、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着材。
  6. 請求項1〜5のいずれに記載の接着材で接着されてなる接合体。
  7. 溶媒中で金属化合物と分子量300以下の不飽和結合を有するアミン化合物を反応させ、該アミン化合物により表面が被覆された金属粒子を用いる導電性接着材の製造方法。
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