JP2009064398A - 細胞解析方法及び装置並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞の薬剤反応の評価精度を向上させることができる細胞解析方法および装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】異なる条件でそれぞれ培養された各細胞群を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において取得された細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測工程と、前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成工程と、前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化工程とを含む細胞解析方法を提供する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、生細胞を使ったガン等の病理診断および薬剤スクリーニング等に使用される細胞解析方法、細胞解析プログラムおよび細胞解析装置に関するものである。
様々な薬物の効果を評価し、特に有効な薬剤を検索することを一般的に薬剤スクリーニングと称する。特に、生細胞を使った薬剤スクリーニングにおいては、薬剤を投与した後、適当な刺激を培養細胞に与え、刺激を与えていない細胞との差異を定量化することにより、薬剤効果を測定する。
例えば、蛍光を用いた薬剤スクリーニングでは、細胞に対して蛍光たんぱく遺伝子を投与し、一定時間経過後に細胞から発せられる蛍光量を検出することにより、細胞の化学物反応を定量化し、薬剤効果を測定する。この場合、細胞内における特定の遺伝子の発現量が大きいほど、蛍光量が大きくなる。
一般的に、上述したような薬剤反応については、検査者が薬剤投与前後の細胞変化を顕微鏡などで目視することにより観察している。しかしながら、検査者による作業は、多大な労力を費やすだけでなく、定量性に欠けるという問題がある。そこで、近年、これらの細胞解析を自動で行う細胞解析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、細胞を収容した容器をステージに載置し、カメラによって試料を撮像して分析対象の細胞画像を取得し、この細胞画像を分析することにより細胞の化学物反応を定量化する細胞解析装置が開示されている。
特開2001−307066号公報
しかしながら、細胞における薬剤反応を画像解析によって自動で定量化する場合、画像に含まれるノイズ等により解析精度が低下するという問題がある。例えば、細胞画像における細胞の輝度(蛍光量)は、画像取得の際に試料に照射する照明光の光量や、試料を収容している容器の自家蛍光、容器の厚さ変化等の様々な影響を受け、これらがノイズとして細胞画像に表れることから、解析精度が低下する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞の薬剤反応の評価精度を向上させることのできる細胞解析方法および装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、異なる条件でそれぞれ培養された各細胞群を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において取得された細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測工程と、前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成工程と、前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化工程とを含む細胞解析方法を提供する。
本発明によれば、異なる条件で培養された細胞群がそれぞれ撮像されることにより複数の細胞画像が取得される。続いて、取得された各細胞画像において各細胞の輝度を計測し、培養条件毎に輝度データの分布特性を作成し、この分布特性の規格化を行う。このように、分布特性の規格化を行うことにより、培養条件の違いによる誤差を低減することができ、信頼性の高い分布特性を取得することが可能となる。従って、これらの分布特性を培養条件間で比較することにより、細胞の薬剤反応の評価をより正確に行うことが可能となる。
上記細胞解析方法において、前記規格化工程は、複数の前記分布特性に基づいて基準となる基準分布特性を設定する基準設定工程と、各前記分布特性が前記基準分布特性に一致するように前記分布特性における各輝度データを線形変換することにより前記分布特性の規格化を行う分布特性変換工程とを含むこととしてもよい。
基準分布特性を設定し、各分布特性を基準分布特性に一致させるように各輝度データを線形変換するので、容易に規格化を行うことが可能となる。
上記細胞解析方法において、前記分布特性変換工程は、各前記分布特性のピークと前記基準分布特性のピークとを一致させるように、前記分布特性における各輝度データを線形変換することとしてもよい。
例えば、薬剤濃度による反応評価を行う場合、全ての細胞が薬剤に反応するわけではなく、その大部分は無反応なことが多い。また、無反応な細胞は、略同じ程度の輝度を示すことから、分布特性におけるピークは無反応な細胞が示したデータであると判断することができる。従って、各分布特性におけるピークを合せこむことにより、分布特性間における誤差を容易に低減することが可能となる。
更に、薬剤濃度による反応評価を行う場合、高い値を示している輝度データを薬剤濃度間でそれぞれ比較することが好ましい。このような場合において、本発明によれば、分布特性のピークと基準分布特性のピークとが一致するように分布特性における輝度データを線形変換して分布特性を規格化するので、薬剤反応を評価する際に重要とされる輝度範囲における輝度データの変化を正確に把握することができ、信頼性の高い薬剤反応の評価結果を得ることが可能となる。
上記細胞解析方法において、規格化後の前記分布特性を比較し、他の分布特性に比べて異なる傾向を示す輝度データを削除または補正する補正工程を含むこととしてもよい。
このようにすることで、信頼性の低い輝度データを削除することが可能となる。この結果、より信頼性の高い分布特性を取得することが可能となる。
本発明は、異なる条件で培養された複数の細胞を撮像することにより取得された細胞画像を用いて細胞解析を行う細胞解析装置であって、前記細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測手段と、前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成手段と、前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化手段とを具備する細胞解析装置を提供する。
本発明は、異なる条件で培養された複数の細胞を撮像することにより取得された細胞画像を用いて細胞解析を行うための細胞解析プログラムであって、前記細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測ステップと、前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成ステップと、前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化ステップとをコンピュータに実行させる細胞解析プログラムを提供する。
この発明によれば、細胞の薬剤反応の評価精度を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の細胞解析方法、細胞解析プログラムおよび細胞解析装置の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る細胞解析装置の構成を示す図である。
本実施形態に係る細胞解析装置は、図1に示されるように、サンプルプレート1を搭載するステージ101と、励起光源102と、該励起光源102に接続された電源ユニット103と、励起光源102からの光をオンオフするシャッタユニット104と、光を平行光に変換するレンズ105と、サンプルに入射させる励起光の波長を選択するフィルタユニット106と、励起光を反射してサンプルに入射させ、蛍光を透過するミラーセット107と、励起光を標本に集光する対物レンズ108と、対物レンズ108により集光されミラーセット107を透過した蛍光を集光する結像レンズ109と、結像された蛍光を撮像するCCDカメラ110と、シャッタユニット104、フィルタユニット106およびミラーセット107を制御するユニバーサルコントロールボックス111と、ステージ101を制御するステージコントローラ115と、CCDカメラ110により撮像された蛍光を処理するとともに、ユニバーサルコントロールボックス111およびステージコントローラ115を制御するコンピュータ112とを備えている。
サンプルプレート1としては、図2に示されるように、例えば、直径20mm、深さ15mmのウェル1aが15個、3行5列に配置されたものが使用される。各ウェル1aの中に検査対象となる蛍光色素で染色された細胞が播種されるようになっている。本実施形態で使用する蛍光色素は、例えば、GFPのような、細胞を生かしたままで蛍光を発する事ができる色素であり、細胞質に染まるものである。また、サンプルプレート1にはバーコード1bが貼り付けられている。バーコード1bは、不図示のバーコードリーダによって読み取られることにより、データベースとの照合が行なわれ、サンプルプレート1とデータベース内のデータの整合性が保たれるようになっている。
ステージ101は、サンプルプレート1を搭載して、電動で水平方向に2次元的に駆動し、任意の位置にサンプルプレート1を位置決めすることができるようになっている。
励起光源102には、水銀光源等が用いられる。シャッタユニット104は、励起光源102から出射される励起光の光路上に配置され、開閉可能なシャッタ板104aを内蔵している。
フィルタユニット106は、2枚の励起フィルタ106aを内蔵しており、波長の異なる2種類の励起光をサンプルに向けて照射することができるようになっている。ミラーセット107は、励起光を反射し、蛍光を透過するダイクロイックミラー107Aとそれに取り付けられた励起フィルタ107Dおよび吸収フィルタ107Cとにより構成されている。
ミラーセット107は、必要な励起波長分だけ不図示のミラーホルダに格納されており、不図示の電動ユニットにより任意に光路入れ替え可能となっている。このミラーセット107の反射光路上には、対物レンズ108およびサンプルプレート1が配置されている。また、ミラーセット107の透過光路上には、結像レンズ109およびCCDカメラ110が配置されている。CCDカメラ110は、例えば、12ビットで1000×1000ピクセルの100万画素カメラである。
コンピュータ112には、キーボード113、モニタ114およびマウス116が接続されている。
以上のように構成された本実施形態に係る細胞解析装置を用いた細胞解析方法について図を参照して説明する。
まず、サンプルプレート1(図2参照)のウェル1aの1行目には、例えば、細胞を植えつける薬剤候補となる化合物Aを濃度aで投与する。同様に、2行目には細胞を植え付けると共に薬剤候補となる化合物Aを濃度bで投与する。さらに3行目には細胞を植え付けると共に薬剤候補となる化合物Aを濃度cで投与する。このように、本実施形態では3つの異なる条件化で複数の細胞を培養する。各ウェル1aには、ウェル番号が付されている。これにより、ウェル番号によって細胞の培養条件を判別することができるようになっている。
続いて、検査者は、サンプルプレート1をステージ101にセットし、コンピュータ112上で不図示の制御プログラムを起動してサンプルプレート1のバーコード(ID:10001)を読み取り、観察・撮影をスタートさせる。これにより、ウェル1a毎に細胞画像が取得され、ウェル番号と細胞画像とが対応付けられてコンピュータ112内のハードディスクに保存される(撮像工程)。
全てのウェルについて画像取得が終了すると、検査者はコンピュータ112上で細胞解析プログラムを起動し、解析開始を指示する。これにより、細胞解析プログラムが実行される。
以下、細胞解析プログラムがコンピュータにより実行されることにより実現される細胞解析方法について図3を参照して具体的に説明する。図3は、本実施形態に係る細胞解析方法の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップSA1において、コンピュータ112のハードディスク内に格納されている細胞画像が不図示のメモリにロードされる。
ステップSA2において、複数の細胞画像がウェル番号に基づいて培養条件毎に区分けされる。ステップSA3において、条件毎に各細胞の輝度が細胞画像から計測され、条件毎に輝度のデータセットが作成される(輝度計測工程)。ここで、一般的に、1個の細胞内においても場所によって輝度が異なる。このため、本実施形態では、輝度データとして細胞全体の平均輝度、或いは、最大輝度を採用する。
続くステップSA4において、各条件における輝度のデータセットから分布特性が作成される(分布特性作成工程)。本実施形態では、濃度a,b,cの3つの条件について細胞を培養したので、3つの分布特性が作成されることとなる。
図4は輝度の分布特性の一例を示したものである。図4に示されるように、輝度の分布特性は、横軸に輝度、縦軸に頻度を示すグラフとして得られる。頻度は、例えば、細胞の個数であってもよいし、個数を所定の値で割った比率であってもよい。図4に示されるように、例えば、薬剤応答の場合、分布特性は、ピークを持ち、輝度が高くなるにつれて頻度が緩やかに減少する特性を示す。
次に、ステップSA5において、上述した分布特性の規格化を行う(規格化工程)。図5は、ステップSA5において行われる規格化工程の手順について示したフローチャートである。
まず、ステップSB1において、基準分布特性を設定する(基準設定工程)。基準分布特性は、規格化を行うのに基準となる分布特性を決定するもので、例えば、上記ステップSA4において作成された3つの分布特性のうちの一つを基準分布特性として設定する。
続くステップSB2では、基準分布特性以外の分布特性の1つを規格化対象として選択し、続くステップSB3では、基準分布特性及び選択した分布特性(以下「選択分布特性」という。)に1以上の代表点を設定する。代表点としては、例えば、図6に示すように、ピーク、輝度最小値、上位10%の境界輝度等が一例として挙げられる。
次に、ステップSB4では、図6に示されるように、選択分布特性の各代表点が基準分布特性のそれらに一致するように、選択分布特性に関する輝度のデータセットを以下の変換式(1)を用いて線形変換する(分布特性変換工程)。
例えば、輝度データをxとした場合、以下に示す(1)式を用いて輝度データxを線形変換する。
X´=ax+b (1)
(1)式において、X´は線形変換後の輝度データ、a,bは変数、xは計測された輝度データである。
変数bを変化させることで、選択分布特性をX軸に沿って平行移動させることが可能となる。このデータ操作は、例えば、サンプルプレート1の自家蛍光等に起因するノイズを低減する操作に対応する。つまり、プラスチック製のサンプルプレート1は蛍光を発するため、計測される細胞の輝度は、この自家蛍光の影響を受けた値となる。このため、変数bを調節することで、自家蛍光によるデータのバラツキを補正することが可能となる。
また、変数aを変化させることで、最大頻度および最大頻度を取る輝度データを変更させることが可能となる。このデータ操作は、照明光の強度変化に起因する輝度データの計測誤差を低減させる操作に対応する。
ステップSB4では、上記a,bの値を所定範囲内で任意に変化させることにより、選択分布特性を線形変換し、変換後の選択分布特性と基準分布特性との各代表点における誤差を算出し、この累積誤差が最小となるときのa,bの値を特定する。このように、データの規格化を行うことで、上述したような種々の要因により発生するノイズ成分を低減させることが可能となる。
次に、ステップSB5では、全ての分布特性について規格化が行われたか否かを判定する。この結果、全ての分布特性について規格化を行っていなかった場合には、ステップSB2に戻り、規格化を行っていない分布特性を選択し、選択した分布特性についてステップSB3以降の処理を行うことにより、同様に分布特性の規格化を行う。
一方、ステップSB5について、全ての分布特性について規格化が行われていた場合には、当該規格化工程を終了し、図4のフローに戻る。
図4のステップSA6では、規格化後の各分布特性を比較し、他の分布特性に比べて異なる傾向を示す輝度データを削除または補正する(補正工程)。
補正工程では、規格化後の分布特性を平均化することにより平均分布特性を求め、この平均分布特性との偏差を分布特性毎に求める。そして、偏差が所定の閾値以上であった場合には、その部分の輝度データを削除または平均特性に近づける補正をすることで、ノイズの更なる低減を図ることが可能となる。
図7に平均分布特性と規格化後の分布特性とを示す。図7に示されるように、平均分布特性に対して偏差が所定の閾値以上とされている領域Pについては他の特性の輝度データを採用、調整するか、或いは、削除することで、ノイズ除去を図ることとしている。
このように、規格化後の分布特性から平均分布特性を求め、この平均分布特性に対して特異な傾向を示す輝度データについては削除或いは補正することで、信頼性の高い分布特性を取得することが可能となる。
なお、異なる種類の薬剤等を用いて細胞を培養した場合には、薬剤の違いによって特異な傾向を示しているのか、或いは、ノイズによって特異な傾向を示しているのかを判断しにくい。その場合には、平均分布特性に対して特異な傾向を示す輝度データを削除や補正することなく、そのままの状態としておき、後の評価において、この特異傾向を解析することとしてもよい。
このようにして、信頼性の高い分布特性が得られると、図3のステップSA7において、最終的に得られた各条件に対する分布特性を比較することにより、薬剤による化学反応を定量化して評価する評価処理を行う。
以上説明してきたように、本実施形態に係る細胞分析方法及び装置並びにプログラムによれば、培養条件毎に作成された輝度の分布特性を規格化するので、培養条件の違いによる輝度データの誤差を低減することができ、信頼性の高い輝度データ並びに分布特性を取得することが可能となる。従って、これらの分布特性を培養条件間で比較することにより、細胞の薬剤反応の評価をより正確に行うことが可能となる。
例えば、薬剤濃度による反応の差を評価する場合、高い値を示している輝度データを薬剤濃度間でそれぞれ比較することが好ましい。このとき、薬剤に反応している細胞数を比較するために、輝度の閾値を設定し、この閾値よりも高い輝度を示している細胞を反応ありとして個数をカウントする評価方法がある。このような評価方法を採用する場合においても、本実施形態に係る細胞解析方法によれば、各分布特性のピークと基準分布特性のピークとが一致するように分布特性における輝度データを線形変換して分布特性を規格化するので、薬剤反応を評価する際に重要とされる輝度範囲における分布特性の傾向を正確に比較することが可能となる。これにより、これらの比較結果に応じて薬剤評価において適切な輝度の閾値を設定することができ、薬剤評価を高い精度で行うことが可能となる。
なお、上述した実施形態に係る細胞解析方法では、図4のステップSA5で行う規格化工程において、基準分布特性の代表点と、選択分布特性の代表点とが一致するように分布特性の線形変換を行っていたが、この方法は一例であり、例えば、以下の方法1、或いは方法2を採用することとしてもよい。
〔方法1〕
まず、図8に示すように、基準分布特性の最小輝度をmin_i,最大輝度をmax_i、分布特性の最小輝度をmin_j,最大輝度をmax_jとした場合、以下の(2)式、(3)式を用いて、それぞれの分布特性における最大輝度と最小輝度との差分Li,Ljを算出する。
Li=max_i−min_i (2)
Lj=max_j−min_j (3)
続いて、基準分布特性に関する差分Liを分布特性に関する差分Ljで除算することにより上記aを以下の(4)式を用いて求める。
a=Li/Lj=(max_i−min_i)/(max_j−min_j) (4)
また、上記bについては、以下の(5)式を用いて算出する。
b=min_j−min_i (5)
上述のように、各分布特性の最小輝度及び最大輝度を用いてa,bを取得し、取得したa,bの値を用いて選択分布特性を規格化することとしてもよい。このような方法によって、a,bを求めることが可能なのは、各分布特性は同様の特性を示していることに関係する。つまり、各分布特性が、輝度の低い領域にピークを持ち、輝度が高くなるほど頻度(個数)が緩やかに低下する特性を示していることに関係している。このように、各分布特性の形状が略同じことから、上述した方法を用いることで容易にa,bの値を求めることができ、選択分布特性の規格化を容易に行うことが可能となる。
〔方法2〕
方法2では、上述した方法1と同様に、基準分布特性の最小輝度をmin_i,最大輝度をmax_i、分布特性の最小輝度をmin_j,最大輝度をmax_jとした場合、a,bの変化数値範囲を以下のように予め決定しておき、この設定範囲を予め設定された数で分割することにより、a,bの候補値をそれぞれ設定する。
|a|<(max_i−min_i)/(max_j−min_i)
|b|<min_j−min_i
そして、設定した候補値aと候補値bの組み合わせを随時変えながら分布特性を変換し、各組み合わせにおける基準分布特性と分布特性との累積誤差dが最も小さくなるときのa,bの値の組み合わせを求める。累積誤差dは、以下の(6)式で表される。
d=sam_k|Pi(tk)−Pj(tk)| (6)
ただし、0≦k≦n
ここで、図9に示すように、Pi(tk)は輝度tkにおける基準分布特性の頻度、Pj(tk)は輝度tkにおける選択分布特性の頻度を示している。このtkを細かい刻みで設定するほど、選択分布特性と基準分布特性との誤差をより細やかに判定することが可能となる。
各分布特性について上記工程を行うことにより、各分布特性を基準分布特性に最も近似させたときのa,bの値を分布特性毎に得ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記実施形態においては、条件毎に分布特性を作成したが、これに限られず、例えば、ウェル1a毎に分布特性を作成して、同一条件に属する分布特性の間で上記輝度データの規格化を行うこととしてもよい。このように、ウェル毎に規格化を行うことで、ウェルの違いに起因するノイズや撮影時の照明におけるノイズを更に低減させることが可能となる。
また、上記実施形態においては、3つの分布特性のうちの一つを基準分布特性として設定したが、この例に限られることなく、例えば、3つの分布特性から基準分布特性を新たに設けてもよく、予め設定されている任意の基準分布特性を用いることとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る細胞解析装置を示す全体構成図である。 図1の細胞解析装置に用いるサンプルプレートの一例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る細胞解析方法の手順を示すフローチャートである。 輝度の分布特性の一例を示したものである。 規格化工程の手順について示したフローチャートである。 代表点の一例、及び分布特性の規格化方法について説明するための図である。 平均分布特性と規格化後の分布特性とを示す図である。 規格化工程の方法1についての説明に用いられる説明図である。 規格化工程の方法2についての説明に用いられる説明図である。
符号の説明
1 サンプルプレート
102 励起光源
110 CCDカメラ
111 ユニバーサルコントロールボックス
112 コンピュータ

Claims (6)

  1. 異なる条件でそれぞれ培養された各細胞群を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程において取得された細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測工程と、
    前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成工程と、
    前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化工程と
    を含む細胞解析方法。
  2. 前記規格化工程は、
    複数の前記分布特性に基づいて基準となる基準分布特性を設定する基準設定工程と、
    各前記分布特性が前記基準分布特性に一致するように前記分布特性における各輝度データを線形変換することにより前記分布特性の規格化を行う分布特性変換工程と
    を含む請求項1に記載の細胞解析方法。
  3. 前記分布特性変換工程において、各前記分布特性のピークと前記基準分布特性のピークとを一致させるように、前記分布特性における輝度データを線形変換する請求項2に記載の細胞解析方法。
  4. 規格化後の前記分布特性を比較し、他の分布特性に比べて異なる傾向を示す輝度データを削除または補正する補正工程を含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の細胞解析方法。
  5. 異なる条件で培養された複数の細胞を撮像することにより取得された細胞画像を用いて細胞解析を行う細胞解析装置であって、
    前記細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測手段と、
    前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成手段と、
    前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化手段と
    を具備する細胞解析装置。
  6. 異なる条件で培養された複数の細胞を撮像することにより取得された細胞画像を用いて細胞解析を行うための細胞解析プログラムであって、
    前記細胞画像から各前記細胞の輝度を計測する輝度計測ステップと、
    前記条件毎に輝度データの分布特性を作成する分布特性作成ステップと、
    前記条件毎に作成された前記分布特性を規格化する規格化ステップと
    をコンピュータに実行させる細胞解析プログラム。
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