JP2009053636A - 光導波回路およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導波回路の損失を低く抑えつつ、溝などの加工が精度良くおこない得る光導波回路を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例による光波長合分波器は、入力用チャネル導波路と、出力用チャネル導波路と、チャネル導波路アレイと、入力側スラブ導波路と、出力側スラブ導波路とを備え、入力用チャネル導波路の入力端および出力用チャネル導波路の出力端には、低損失で光ファイバと接続するために、スポットサイズ変換器が形成されている。スポットサイズ変換器の上部クラッド部分を、拡大されたモードフィールド径に合わせて厚くすることで、この部分での損失を低減し、その他の導波路の上部クラッド部分を、導波光のモードフィールド径に合わせて薄くすることで、この部分での溝などの加工精度を良くすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、スポットサイズ変換器を備えた光導波回路に関する。
インターネット利用の世界的な広がりにより、画像や映像情報などの大容量データを高速に伝達できる光波長分割多重(WDM)技術などを用いた光通信システムは、メトロ網にも商用導入が進んでいる。これに伴って、光通信システムを構成する光回路の研究開発にも拍車がかかっており、LSI微細加工技術を応用して平面基板上に光導波路を一括形成できる導波路型光回路は、集積性・量産性に優れていることから、高性能で複雑な光回路を実現できる手段として期待されている。特に石英系光導波路は、低損失で信頼性が高いため、様々なモジュールが実用化されている。
光導波回路では、光の干渉現象を機能的に利用することによって多種多様な光回路を実現することができる。中でも光波長合分波器は、WDMシステムのキーデバイスとして重要である。
図5に、光波長合分波器の一例を示す。図中、一点鎖線で示した部分は、光波長合分波器の各部を模式的に拡大したものである。この光波長合分波器500は、アレイ導波路格子(AWG)を用いたアサーマルタイプのものであり、入力用チャネル導波路502と、出力用チャネル導波路504と、チャネル導波路アレイ506と、入力側スラブ導波路508と、出力側スラブ導波路510とを備えている。また、アサーマル化を実現するために、入力側スラブ導波路508には、樹脂が充填された深溝512が形成されている。さらに、低損失で光ファイバと接続するために、入力用チャネル導波路502の入力端および出力用チャネル導波路504の出力端には、スポットサイズ変換器514および516がそれぞれ形成されている。
図6は、光波長合分波器の製造工程の概略図である。まず、図6(a)に示すように、基板602の上に下部クラッド604、コア606、そして上部クラッド608を順次形成する。次に、図6(b)に示すように、上部クラッド608の上に、アサーマル溝を形成するためのレジストパターン610を形成する。そして、図6(c)に示すように、反応性イオンエッチングで溝612を形成した後、図6(d)に示すように、レジスト610を除去し、図6(e)に示すように、シリコーン樹脂614を充填する。
図7に、別の例として光減衰器を示す。図中、一点鎖線で示した部分は、光減衰器の各部を模式的に拡大したものである。この光減衰器700は、非対称マッハツェンダ干渉計(MZI)を用いたものであり、2本の入力用導波路702と、2本の出力用導波路704と、2本のアーム導波路706とが、2つの3dB方向性結合器708で結ばれ、アーム導波路706の上には薄膜ヒータを用いた位相シフタ710が形成されている。また、アーム導波路の両側には、低消費電力および低偏波依存性を実現するために、熱の伝搬を遮断し、応力を解放する溝712が形成されている。さらに、図5の光波長合分波器と同様に、低損失で光ファイバと接続するために、入力用導波路702の入力端および出力用導波路704の出力端には、スポットサイズ変換器714および716がそれぞれ形成されている。
近年、こうした光導波回路は、コアの屈折率を高くして光の導波路への閉じ込めを強化し、導波路の密度を増加させることによって、小型化を図っている。
特許第3178565号公報 特開平9−61652号公報 J. H. den Besten et al., "Low-Loss, Compact, and Polarization Independent PHASAR Demultiplexer Fabricated by Using a Double-Etch Process," IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 14, No. 1, January 2002
ところで、図5および7に示すアサーマルAWGやMZIでは、製造工程で溝などの加工をしなければならない。アサーマルAWGでは、コアを切断するように溝514を形成しなければならないが、これらの溝では、原理上、放射損失が発生する。特にコアの屈折率が高くなればなるほどこうした放射損失は大きくなる。そのため、コアの屈折率を高くするほど導波路に形成する溝は細くしなければならない。
また、MZIでは、消費電力を削減するために、アーム導波路の両側に形成される断熱溝714はできるだけ導波路に近接させる必要があるが、製造誤差等により溝が導波路に近接しすぎると、光が染み出して損失が増加する。
このような細い溝や高精度の溝の加工には、溝形成に伴う寸法シフトを抑えるためにエッチングの深さが浅ければ浅いほど良い。すなわち、上部クラッドの厚さが薄ければ薄いほど良い。というのは、エッチングする溝が深いと、フォトレジストパターンを厚くする必要があり、フォトレジストパターンが厚くなればなるほど細い溝や高精度の溝のパターンを露光解像することが難しくなるからである。
他方で、こうした光導波回路は、光ファイバに低損失で接続するために、光導波路に閉じ込めた光のモードフィールド径を光ファイバのモードフィールド径に変換するスポットサイズ変換器が必要となる。一例として、スポットサイズ変換器は、図5および7に示すように、光回路が形成されたチップの端面に向かってコア幅が細くなるように形成される。このスポットサイズ変換器の部分では光のモードフィールド径がそれ以外の部分に比較して拡大されるので、上部クラッドの厚さは、スポットサイズの大きいスポットサイズ変換器の部分に合わせて厚くしなければならない。
このように、高精度で溝を加工するためには上部クラッドを薄くする必要があるが、上部クラッドを薄くしすぎると、光のスポットサイズが拡大されるスポットサイズ変換器では上部クラッドから光が染み出し、損失が増加するという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光導波回路の損失を低く抑えつつ、溝などの加工を精度良く行うことができる光導波回路を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光ファイバとの接続のために入力用光導波路または出力用光導波路にスポットサイズ変換部と、その他の光導波路部とを備えた光導波回路であって、前記その他の光導波路の上部クラッドの厚さA1は、前記その他の光導波路のコアの厚さをB1、前記その他の光導波路における導波光の最大モードフィールド径をR1としたときに、A1≧(R1−B1)/2を満足し、前記スポットサイズ変換部の上部クラッドの厚さA2は、前記スポットサイズ変換部のコアの厚さをB2、前記スポットサイズ変換部における導波光の最大モードフィールド径をR2としたときに、A2≧(R2−B2)/2を満足し、前記スポットサイズ変換部の上部クラッドの厚さA2は、前記その他の光導波路の上部クラッドの厚さA1よりも厚くなるように、すなわち、A2>A1を満たすように構成されたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光導波回路であって、上部クラッドの厚さA1の領域に、溝が形成されたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光導波回路であって、上部クラッドの厚さA2の領域は、光導波回路の入力または出力端面から一定の範囲を占め、当該領域に板張りガラスが接着され、前記入力用光導波路または出力用導波路に光ファイバが接続されるように構成されたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、スポットサイズ変換部を備えた光導波回路の製造方法であって、基板上に下部クラッドを形成するステップと、前記下部クラッド上にスポットサイズ変換部を備えたコアを形成するステップと、前記コアおよび下部クラッド上に上部クラッドを形成するステップであって、前記上部クラッドの厚さA2が、前記スポットサイズ変換部のコアの厚さをB2、前記スポットサイズ変換部における導波光の最大モードフィールド径をR2としたとき、A2≧(R2−B2)/2となるよう前記上部クラッドを形成するステップと、前記スポットサイズ変換部以外の光導波路部の上部クラッドをエッチングするステップであて、前記光導波路部の上部クラッドの厚さA1が、前記光導波路部のコアの厚さをB1、前記光導波路部における導波光の最大モードフィールド径をR1としたとき、A2>A1≧(R1−B1)/2となるように前記光導波路部の上部クラッドをエッチングするステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光導波回路の製造方法であって、上部クラッドの厚さA1の領域に、溝を形成するステップをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の光導波回路の製造方法であって、上部クラッドの厚さA2の領域に、光ファイバ接続用の板張りガラスを接着するステップをさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、光導波回路の溝を形成する部分の上部クラッドの厚さを薄くできるので溝の加工精度を高くすることができる。これにより、アサーマルタイプの導波路では、細い溝を形成することができ、溝部での損失を低減することができる。また、MZIでは、加工精度の高い溝を形成することができるので、導波路に近接させて溝部を形成することができ、断熱性能の改善により、消費電力を低減することができる。この結果、特に比屈折率差Δの高い導波路で問題となる損失特性の劣化を抑えることができ、低損失で高性能な光導波回路を実現することができる。
また、光ファイバとの接続損失を低減するために光のスポットサイズが拡大されるスポットサイズ変換器の上部クラッドの厚さを厚くすることができるので、スポットサイズ変換器部分での損失を低減することができる。さらに、光導波回路の光ファイバ接続用板張りガラスの接着領域を十分に確保すれば、光ファイバを実装する信頼性も十分に確保できる。加えて、上部クラッドの厚い領域は、光導波路回路の入出力端面に限れば、溝パターン形成用のレジストパターン膜の厚さが不均一になることはない。
ところで、スポットサイズ変換器を有する光集積回路において、スポットサイズ変換器上部のクラッドを厚くした構造が知られている(特許文献1)。しかし、この構造では、対象となっている光導波路がレーザを構成し、スポットサイズを制御するためにクラッドの層の厚さを調整している。したがって、この構造では、スポットサイズ変換器の上部クラッドの厚さを緩やかに変化させる必要がある。本発明では、スポットサイズが拡大された導波光が外に染み出して損失が増加するのを防ぐために、導波光のスポットサイズ径に合わせて一定値以上に厚くするだけでよい。また、スポットサイズ変換器の上部だけでなく、光導波回路の入出力端から一定の幅の範囲を厚くすれば、光ファイバ接続用の板張りガラスの接着領域を十分に確保することができる。
また、特許文献2に示されるように、コア層の膜厚を出射端に向かって薄くした結果、上部クラッドが厚くなる構造が知られている。しかし、この構造も、レーザの出射端に関するものであり、スポットサイズを制御するためにクラッドの厚さを調整している。したがって、この構造も、スポットサイズ変換器の上部クラッドの厚さを緩やかに変化させる必要がある。
さらに、非特許文献1に示されるように、エッチングを2段階で行う構造も知られている。これは、半導体AWGのスラブ導波路とチャネル導波路アレイの接合部を2段階でエッチングして、この部分で発生する損失を低減している。これは、斜めのスロープを作製するのが困難であることから、階段状のステップで代用したものである。こうした構造を実用的な観点から見ると、最初のエッチングで段差が形成されているところに2度目のエッチングパターンのレジストを塗布する段階で、凹凸のある表面にレジストを塗布しなければならないことから、レジストが均一になりにくい。本発明では、上部クラッドが厚い領域はスポットサイズ変換器を有する入出力導波路の端部でよいため、2回目のエッチングの際のレジスト不均一性をまったく心配する必要はない。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施例によるアサーマルタイプのAWGを用いた光波長合分波器を示す。図中、一点鎖線で示した部分は、光波長合分波器の各部を模式的に拡大したものである。光波長合分波器100は、入力用チャネル導波路102と、出力用チャネル導波路104と、チャネル導波路アレイ106と、入力側スラブ導波路108と、出力側スラブ導波路110とを備えている。また、スラブ導波路108には、3角形の溝112が形成されており、この溝にはシリコーン樹脂が充填され、アサーマル特性を実現している。さらに、低損失で光ファイバと接続するために、入力用チャネル導波路102の入力端および出力用チャネル導波路の出力端には、スポットサイズ変換器114および116が形成されている。なお、溝112は、入力用スラブ導波路108、出力用スラブ導波路110、チャネル導波路アレイ106の少なくとも1つ以上に設計に応じて形成すればよいことが知られている。
図5に示す従来の光波長合分波器500と比較して、図1に示す本発明による光波長合分波器100では、スポットサイズ変換器114および116をカバーする領域124および126の上部クラッドが、溝112を形成する領域125の上部クラッドよりも厚くなっている。これは、スポットサイズ変換器114および116で導波光のモードフィールド径が拡大されるため、領域124および126の上部クラッドを厚くする一方で、溝112の加工精度を良くするため、領域125の上部クラッドを薄くした結果である。すなわち、スポットサイズ変換器114および116の上部クラッドを、スポットサイズ変換器での導波光のモードフィールド径に合わせて厚くすることにより、導波光がクラッドの外へ染み出し、損失が増大するのを防ぐことができる。他方、溝112の上部クラッドをコアでの導波光のモードフィールド径に合わせてできるだけ薄くすることにより、溝112を細く形成することができ、溝112での放射損失を低減することができる。
本実施例では、コアとクラッドの比屈折率差Δを2.5%、下部クラッドの厚さを15μm、スポットサイズ変換器をカバーする領域124および126の上部クラッドの厚さを15μm、それ以外の領域125の上部クラッドの厚さを5μmに設計した。スポットサイズ変換器114および116は、光波長合分波器100の端面に向けて導波路幅が狭くなるように構成されている。しかし、コアの膜厚が変わらないか、または徐々に薄くなるような特徴を有するスポットサイズ変換器であれば、他の構成を用いてもよい。このような光波長合分波器では、領域125の導波路では垂直方向のモードフィールド径(コアに分布する光の光強度が1/e2になる光分布直径)が約5μmであり、出力用チャネル導波路104の端面では約10μmに拡大される。したがって、領域125の上部クラッドの厚さを5μmとし、領域124および126の上部クラッドの厚さを15μmとした。
上記の膜厚設計を一般化して記述すれば、上部クラッドの厚さA1は、領域125における導波路のコアの厚さをB1、導波路の垂直方向の最大モードフィールド径をR1としたときに、次式を満足するように設計する。
A1≧(R1−B1)/2
同様に、上部クラッドの厚さA2は、領域124,126における導波路のコアの厚さをB2、導波路の垂直方向の最大モードフィールド径をR2としたときに、次式を満足するように設計する。
A2≧(R2−B2)/2>A1
図2は、本発明の一実施例による光波長合分波器の製造工程の概略図である。まず、図2(a)に示すように、基板202の上に下部クラッド204、コア206、そして上部クラッド208を順次形成する。このとき、上部クラッドの厚さA2が15μmとなるようにする。次に、図2(b)に示すように、スポットサイズ変換器をカバーする領域の上部クラッド208の上にレジストパターン210を形成する。そして、図2(c)に示すように、反応性イオンエッチングで溝をカバーする領域の上部クラッドの厚さA1が5μmとなるようにエッチングする。その後、レジストパターン210を一旦除去し、改めてレジストを全面塗布し、フォトリソグラフィで溝を形成するためのレジストパターン212を形成する(図2(d))。そして、図2(e)に示すように、反応性イオンエッチングで溝214を形成する。溝の深さは、上部クラッド5μm、コア3.5μm、下部クラッド5μmとして合計13.5μmとする。最後に、レジスト212を除去し(図2(f))、シリコーン樹脂216を充填する(図2(g))。
図5に示すような従来の光波長合分波器では、上部クラッドの厚さが15μmあるため、溝の深さは、23.5μmとなる。図1に示す本発明による光波長合分波器では、溝の深さは13.5μmであり、エッチングの深さを大幅に削減できることが分かる。これにより、加工可能な溝の最小幅を5μmから2.5μmに低減でき、その結果、アサーマル用の溝部での放射損失を1.5dBから0.5dBに低減することができた。
図3は、図1の光波長合分波器に光ファイバを接続した状態を示している。入力用チャネル導波路および出力用チャネル導波路の上部クラッドの上には、板張りガラス302および304が接着され、光波長合分波器の入力および出力側の端面の面積を増加させている。これら端面にそれぞれ入力用ファイバブロック312および出力用ファイバグロック314を接着し、光波長合分波器の導波路に光ファイバ316および318を接続している。実際には、光波長合分波器とファイバブロックを接着する端面は、反射を防ぐために斜めに研磨されているが、図3では垂直に簡略化されている。
板張りガラス302および304は、信頼性上、光波長合分波器の上面にしっかりと接着されていることが重要である。もし、図1の領域124および126の面積が小さいと、板張りガラス302および304との接着強度が弱くなってしまう。上部クラッドの厚い領域124および126における、光の導波しない部分の上部クラッドをメッシュ状に残すなどして、実効的に接着強度を増加させてもよい。なお、接着強度の観点から、領域124、126の幅は、少なくとも板張りガラス302、304の幅の半分以上に設定されていることが望ましい。
図4に、本発明の一実施例による非対称MZIを用いた光減衰器を示す。図中、一点鎖線で示した部分は、光減衰器の各部を模式的に拡大したものである。この光減衰器400は、2本の入力用導波路402と、2本の出力用導波路404と、2本のアーム導波路406とが、2つの3dB方向性結合器408で結ばれ、アーム導波路406の上には薄膜ヒータを用いた位相シフタ410が形成されている。また、アーム導波路の両側には、低消費電力および低偏波依存性を実現するために、熱の伝搬を遮断し、応力を解放する溝412が形成されている。さらに、低損失で光ファイバと接続するために、入力用導波路402の入力端および出力用導波路404の出力端には、スポットサイズ変換器414および416がそれぞれ形成されている。
図7に示す従来の光減衰器700と比較して、図4に示す本発明による光減衰器400では、スポットサイズ変換器414および416をカバーする領域424および426の上部クラッドが、溝412をカバーする領域425の上部クラッドよりも厚くなっている。これは、スポットサイズ変換器414および416で導波光のモードフィールド径が拡大されるため、領域424および426の上部クラッドを厚くする一方で、溝412の加工精度を良くするため、領域425の上部クラッドを薄くした結果である。すなわち、スポットサイズ変換器414および416の上部クラッドを、スポットサイズ変換器での導波光のモードフィールド径に合わせて厚くすることにより、導波光がクラッドの外へ染み出し、損失が増大するのを防ぐことができる。他方、溝412の上部クラッドをコアでの導波光のモードフィールド径に合わせてできるだけ薄くすることにより、溝412をコアにできるだけ近接させて形成することができ、溝412での断熱効果が向上し、位相シフタ410での消費電力を低減することができる。
本実施例では、下部クラッドの厚さを15μm、コアの厚さを3.5μm、スポットサイズ変換器をカバーする領域424および426の上部クラッドの厚さを15μm、それ以外の領域425の上部クラッドの厚さを5μmに設計した。この場合、溝412の深さは、下部クラッド15μm、コア3.5μm、上部クラッド5μmの合計23.5μとなる。これは、図7に示す従来の光減衰器700の溝712の深さ33.5μm(下部クラッド15μm、コア3.5μm、上部クラッド15μm)に比べて、70%程度である。この結果、製造工程における±1μmのパターンのばらつきを±0.7μmに抑えることができるようになった。
なお、光減衰器400の製造工程は、図2に示すものと基本的に同じであるが、図2(c)の状態で薄膜ヒータおよび配線を形成するプロセスが加わることになる。また、本実施例においても、図3と同様に、入力用および出力用のファイバブロックを接着し、光減衰器の導波路に光ファイバを接続することができる。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施例について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本発明は、コアとクラッドの比屈折率差Δがどのような導波路に対しても適用することができる。また、本発明は、ガラス形成法に依存せず、火炎堆積法、スパッタ法、CVD法などで作製した光導波回路に適用できる。加えて、基板として石英基板を用いる場合は、石英基板が下部クラッドを兼ねてもよい。さらに、代表的な光導波回路として、アサーマルAWGおよび非対称MZIを取り上げたが、スポットサイズ変換器を有し、溝などの加工を行う必要がある任意の光導波回路に適用可能である。したがって、ここに例示した実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
本発明の一実施例による光波長合分波器を示す図である。 本発明の一実施例による光波長合分波器の製造工程を説明するための図である。 本発明の一実施例による光波長合分波器に光ファイバを接続した状態を示す図である。 本発明の一実施例による光減衰器を示す図である。 従来の光波長合分波器を示す図である。 従来の光波長合分波器の製造工程を説明するための図である。 従来の光減衰器を示す図である。
符号の説明
100 光波長合分波器
102 入力用チャネル導波路
104 出力用チャネル導波路
106 チャネル導波路アレイ
108 入力側スラブ導波路
110 出力側スラブ導波路
112 溝
114,116 スポットサイズ変換器
118 基板
124,126 上部クラッドが厚い領域
125 上部クラッドが薄い領域
202 基板
204 下部クラッド
206 コア
208 上部クラッド
210,212 レジストパターン
214 溝
216 シリコーン樹脂
302,304 板張りガラス
312 入力用ファイバブロック
314 出力用ファイバグロック
316,318 光ファイバ
400 光減衰器
402 入力用導波路
404 出力用導波路
406 アーム導波路
408 方向性結合器
410 位相シフタ
412 溝
414,416 スポットサイズ変換器
424,426 上部クラッドが厚い領域
425 上部クラッドが薄い領域
428 基板
500 光波長合分波器
502 入力用チャネル導波路
504 出力用チャネル導波路
506 チャネル導波路アレイ
508 入力側スラブ導波路
510 出力側スラブ導波路
512 溝
514,516 スポットサイズ変換器
518 基板
602 基板
604 下部クラッド
606 コア
608 上部クラッド
610 レジストパターン
612 溝
614 シリコーン樹脂
700 光減衰器
702 入力用導波路
704 出力用導波路
706 アーム導波路
708 方向性結合器
710 位相シフタ
712 溝
714,716 スポットサイズ変換器
718 基板

Claims (6)

  1. 光ファイバとの接続のために入力用光導波路または出力用光導波路にスポットサイズ変換部と、その他の光導波路部とを備えた光導波回路であって、
    前記その他の光導波路の上部クラッドの厚さA1は、前記その他の光導波路のコアの厚さをB1、前記その他の光導波路における導波光の最大モードフィールド径をR1としたときに、次式を満足し、
    A1≧(R1−B1)/2
    前記スポットサイズ変換部の上部クラッドの厚さA2は、前記スポットサイズ変換部のコアの厚さをB2、前記スポットサイズ変換部における導波光の最大モードフィールド径をR2としたときに、次式を満足し、
    A2≧(R2−B2)/2
    前記スポットサイズ変換部の上部クラッドの厚さA2は、前記その他の光導波路の上部クラッドの厚さA1よりも厚くなるように、すなわち、A2>A1を満たすように構成されたことを特徴とする光導波回路。
  2. 請求項1に記載の光導波回路であって、
    上部クラッドの厚さA1の領域に、溝が形成されたことを特徴とする光導波回路。
  3. 請求項1または2に記載の光導波回路であって、
    上部クラッドの厚さA2の領域は、光導波回路の入力または出力端面から一定の範囲を占め、当該領域に板張りガラスが接着され、前記入力用光導波路または出力用導波路に光ファイバが接続されるように構成されたことを特徴とする光導波回路。
  4. スポットサイズ変換部を備えた光導波回路の製造方法であって、
    基板上に下部クラッドを形成するステップと、
    前記下部クラッド上にスポットサイズ変換部を備えたコアを形成するステップと、
    前記コアおよび下部クラッド上に上部クラッドを形成するステップであって、前記上部クラッドの厚さA2が、前記スポットサイズ変換部のコアの厚さをB2、前記スポットサイズ変換部における導波光の最大モードフィールド径をR2としたとき、A2≧(R2−B2)/2となるよう前記上部クラッドを形成するステップと、
    前記スポットサイズ変換部以外の光導波路部の上部クラッドをエッチングするステップであて、前記光導波路部の上部クラッドの厚さA1が、前記光導波路部のコアの厚さをB1、前記光導波路部における導波光の最大モードフィールド径をR1としたとき、A2>A1≧(R1−B1)/2となるように前記光導波路部の上部クラッドをエッチングするステップと
    を備えることを特徴とする光導波回路の製造方法。
  5. 請求項4に記載の光導波回路の製造方法であって、
    上部クラッドの厚さA1の領域に、溝を形成するステップをさらに備えることを特徴とする光導波回路の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の光導波回路の製造方法であって、
    上部クラッドの厚さA2の領域に、光ファイバ接続用の板張りガラスを接着するステップをさらに備えることを特徴とする光導波回路の製造方法。
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