JP2009050080A - スナバ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】最小限の部品でスナバ回路を構成し、電力変換装置の小形化、低コスト化を図ることのできるスナバ回路を提供する。
【解決手段】スナバダイオードと逆並列にエミッタ端子およびコレクタ端子を接続したトランジスタと、このトランジスタのベース端子とスナバ抵抗器の一方の端子が接続されたスイッチング素子の一端との間に介装されて、該トランジスタのベース電流を規制するベース抵抗器とを備え、トランジスタは、スナバコンデンサの放電時間よりも長く、かつスイッチング素子の通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有する。
【選択図】図1
【解決手段】スナバダイオードと逆並列にエミッタ端子およびコレクタ端子を接続したトランジスタと、このトランジスタのベース端子とスナバ抵抗器の一方の端子が接続されたスイッチング素子の一端との間に介装されて、該トランジスタのベース電流を規制するベース抵抗器とを備え、トランジスタは、スナバコンデンサの放電時間よりも長く、かつスイッチング素子の通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有する。
【選択図】図1
Description
本発明はスナバ回路に係り、特にスイッチング電源等に用いられるスイッチング素子またはダイオード等の半導体素子に印加されるサージ電圧を抑制するに最適なスナバ回路に関する。
従来、入力された直流電圧を半導体スイッチング素子によりスイッチングし、異なる直流電圧に変換して出力する直流コンバータ(DC−DCコンバータ)がある。このDC−DCコンバータの一種としては、一次側(電源側)と二次側(負荷側)とが変圧器によって絶縁された絶縁型DC−DCコンバータが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図8には、半導体スイッチング素子にMOSFETを用いて構成した絶縁型DC−DCコンバータの一例を示す。この絶縁型DC−DCコンバータ(以下、DC−DCコンバータと称する)は、2つのMOSFETのうち、一方のMOSFET(Q1またはQ3)のソースと、他方のMOSFET(Q2またはQ4)のドレインを接続した直列回路が2組並列に接続されてインバータ1を構成する。
オンオフ制御部3は、MOSFET(Q1,Q4)をそれぞれオンにする一方、MOSFET(Q2,Q3)をそれぞれオフにする状態(第1の状態)と、このオンとオフを入れ替えた状態(第2の状態)およびすべてのMOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)をオフする状態(第3の状態)を作る。そしてオンオフ制御部3は、第1〜第3の状態を高速で切り替え、変圧器Tの一次巻線T1に高周波の交流(矩形波)が印加されるように制御する。このように制御すると変圧器Tの二次巻線T2には、一次巻線T1に与えられた矩形波に従う電圧(交流)が生じる。この高周波交流の周波数は、変圧器Tの小形化、騒音防止のため一般的に10kHz以上とされる。
図8には、半導体スイッチング素子にMOSFETを用いて構成した絶縁型DC−DCコンバータの一例を示す。この絶縁型DC−DCコンバータ(以下、DC−DCコンバータと称する)は、2つのMOSFETのうち、一方のMOSFET(Q1またはQ3)のソースと、他方のMOSFET(Q2またはQ4)のドレインを接続した直列回路が2組並列に接続されてインバータ1を構成する。
オンオフ制御部3は、MOSFET(Q1,Q4)をそれぞれオンにする一方、MOSFET(Q2,Q3)をそれぞれオフにする状態(第1の状態)と、このオンとオフを入れ替えた状態(第2の状態)およびすべてのMOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)をオフする状態(第3の状態)を作る。そしてオンオフ制御部3は、第1〜第3の状態を高速で切り替え、変圧器Tの一次巻線T1に高周波の交流(矩形波)が印加されるように制御する。このように制御すると変圧器Tの二次巻線T2には、一次巻線T1に与えられた矩形波に従う電圧(交流)が生じる。この高周波交流の周波数は、変圧器Tの小形化、騒音防止のため一般的に10kHz以上とされる。
二次巻線T2には、この二次巻線T2に生じた交流を整流する四個のダイオード(D1,D2,D3,D4)からなるダイオードブリッジ4が接続されている。このダイオードブリッジ4の出力は、脈流であるため、負荷5に直列および並列に直流リアクトルLおよび平滑コンデンサCからなる平滑回路6が設けられて平滑された直流が負荷5に供給される。
そうしてオンオフ制御部3は、上記第1〜第3の状態を高速で切り替えると共に、MOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)のオン期間とオフ期間の比率を制御することによって負荷5に印加される直流電圧値を調整する。
ちなみに上記MOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)のすべてをオフする期間(第3の状態)、すなわち変圧器Tの一次巻線T1に印加される電圧が[0V]となる期間においても、DC−DCコンバータは、直流リアクトルLに蓄えられた電磁エネルギーを放出し、負荷5に電流を供給し続ける(還流期間)。
DC−DCコンバータは、還流期間から変圧器Tに電圧が印加される第1の状態に移行するとダイオードD2,D3には逆電圧が印加されるため、ごく短時間に逆電流、すなわち逆回復電流を流した後、これを遮断する。このときの逆回復電流の供給源は、変圧器Tである。この変圧器Tの電流経路には、変圧器Tの漏れリアクタンスLeが存在する。このため漏れリアクタンスLeには、電流遮断時における電流変化率に応じた電圧(サージ電圧)が発生する。このとき発生したサージ電圧は、ダイオードD2,D3の両端に印加される。ダイオードD2,D3は、サージ電圧のレベルが高くなると破損するおそれがある。
そうしてオンオフ制御部3は、上記第1〜第3の状態を高速で切り替えると共に、MOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)のオン期間とオフ期間の比率を制御することによって負荷5に印加される直流電圧値を調整する。
ちなみに上記MOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)のすべてをオフする期間(第3の状態)、すなわち変圧器Tの一次巻線T1に印加される電圧が[0V]となる期間においても、DC−DCコンバータは、直流リアクトルLに蓄えられた電磁エネルギーを放出し、負荷5に電流を供給し続ける(還流期間)。
DC−DCコンバータは、還流期間から変圧器Tに電圧が印加される第1の状態に移行するとダイオードD2,D3には逆電圧が印加されるため、ごく短時間に逆電流、すなわち逆回復電流を流した後、これを遮断する。このときの逆回復電流の供給源は、変圧器Tである。この変圧器Tの電流経路には、変圧器Tの漏れリアクタンスLeが存在する。このため漏れリアクタンスLeには、電流遮断時における電流変化率に応じた電圧(サージ電圧)が発生する。このとき発生したサージ電圧は、ダイオードD2,D3の両端に印加される。ダイオードD2,D3は、サージ電圧のレベルが高くなると破損するおそれがある。
この対策としては、サージ電圧からダイオードブリッジ4を保護するスナバ回路を備えた電力変換装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に示されるスナバ回路は、図8に示されるようにサージ電圧によって生じる電荷を蓄えてサージ電圧のエネルギーを吸収して該サージ電圧の急上昇を緩和するスナバコンデンサCsと、スイッチング素子に電圧が印加されていないときスナバコンデンサCsの不必要な放電を防止するスナバダイオードDsと、スナバ回路に流れる電流のピーク値を抑制し、またスナバ回路Csと回路上のインダクタンスとの共振を抑制するスナバ抵抗器Rsを有するスナバ回路10がダイオードブリッジ4と平滑回路6との間に設けられている。
スナバ回路10を備えたDC−DCコンバータにおいてダイオードD3の逆回復電流は、変圧器Tの二次巻線T2→漏れリアクタンスLe→ダイオードD1→ダイオードD3→変圧器Tの二次巻線T2の経路で流れる。このときダイオードD3がこの経路で流れる電流を遮断するが、変圧器Tの二次巻線T2→漏れリアクタンスLe→ダイオードD1→スナバダイオードDs→スナバコンデンサCs→ダイオードD4→変圧器Tの二次巻線T2の経路で電流が流れ続ける。このため漏れリアクタンスLeに流れる電流の時間変化(電流変化率)が抑制され、ダイオードD3に印加される電圧が低くなる。このときスナバコンデンサCsが充電され、その電圧は一端上昇するもののスナバ抵抗器Rsを介して放電されるので、次に充電されるサイクルが来るまでに充電前の電圧に復帰する。このスナバ回路10は、ダイオードブリッジ4から出力される電圧と、負荷5の両端に加わる電圧との差が小さいほどスナバ抵抗器Rsで消費される損失が小さくなる。
スナバ回路10を備えたDC−DCコンバータにおいてダイオードD3の逆回復電流は、変圧器Tの二次巻線T2→漏れリアクタンスLe→ダイオードD1→ダイオードD3→変圧器Tの二次巻線T2の経路で流れる。このときダイオードD3がこの経路で流れる電流を遮断するが、変圧器Tの二次巻線T2→漏れリアクタンスLe→ダイオードD1→スナバダイオードDs→スナバコンデンサCs→ダイオードD4→変圧器Tの二次巻線T2の経路で電流が流れ続ける。このため漏れリアクタンスLeに流れる電流の時間変化(電流変化率)が抑制され、ダイオードD3に印加される電圧が低くなる。このときスナバコンデンサCsが充電され、その電圧は一端上昇するもののスナバ抵抗器Rsを介して放電されるので、次に充電されるサイクルが来るまでに充電前の電圧に復帰する。このスナバ回路10は、ダイオードブリッジ4から出力される電圧と、負荷5の両端に加わる電圧との差が小さいほどスナバ抵抗器Rsで消費される損失が小さくなる。
なお、ダイオードD2に対する作用も同様である。
あるいは図9に示す降圧チョッパを適用したスナバ回路を備えるDC/DC変換装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。このDC/DC変換装置は、前述した図8に示したDC−DCコンバータにおけるスナバ抵抗器Rsを、スイッチング素子(MOSFET)Q、リアクトルLf、およびダイオードDfに置き換えたものである。
この降圧チョッパは、MOSFET(Q)がオンするとリアクトルLfに流れる電流が増加し、オフするとその電流が減少する。したがってMOSFET(Q)のオン時間とオフ時間の比率を調整することでスナバコンデンサCsの電圧を平滑コンデンサCより高い、所定の範囲内に維持することができる。具体的には変圧器Tの一次巻線T1に印加される高周波交流に同期して半導体スイッチング素子Qをオンさせることでスナバ回路の電圧を整流電圧付近に維持することができ、スナバコンデンサCsの放電にともなう損失を最小限にすることができる。
あるいは蓄積時間が長いダイオードによるスナバ回路を適用したDC−DCコンバータが知られている(例えば、特許文献3を参照)。このDC−DCコンバータに適用されるスナバ回路は、変圧器の漏れリアクタンスと浮遊容量とに基づいて変圧器の巻線に生じる振動電圧の周期の1/2よりも長く、かつ整流回路に用いられるスイッチング素子の最小オフ期間よりも短い蓄積時間を有する整流ダイオードをスナバ回路に用いたものである。
特開昭61−106068号公報
特開平1−177870号公報
特開2001−186759号公報
あるいは図9に示す降圧チョッパを適用したスナバ回路を備えるDC/DC変換装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。このDC/DC変換装置は、前述した図8に示したDC−DCコンバータにおけるスナバ抵抗器Rsを、スイッチング素子(MOSFET)Q、リアクトルLf、およびダイオードDfに置き換えたものである。
この降圧チョッパは、MOSFET(Q)がオンするとリアクトルLfに流れる電流が増加し、オフするとその電流が減少する。したがってMOSFET(Q)のオン時間とオフ時間の比率を調整することでスナバコンデンサCsの電圧を平滑コンデンサCより高い、所定の範囲内に維持することができる。具体的には変圧器Tの一次巻線T1に印加される高周波交流に同期して半導体スイッチング素子Qをオンさせることでスナバ回路の電圧を整流電圧付近に維持することができ、スナバコンデンサCsの放電にともなう損失を最小限にすることができる。
あるいは蓄積時間が長いダイオードによるスナバ回路を適用したDC−DCコンバータが知られている(例えば、特許文献3を参照)。このDC−DCコンバータに適用されるスナバ回路は、変圧器の漏れリアクタンスと浮遊容量とに基づいて変圧器の巻線に生じる振動電圧の周期の1/2よりも長く、かつ整流回路に用いられるスイッチング素子の最小オフ期間よりも短い蓄積時間を有する整流ダイオードをスナバ回路に用いたものである。
しかしながら上述した特許文献1に記載の電力変換装置におけるスナバ回路は、整流回路と出力電圧との差電圧が大きい場合、スナバ抵抗器Rsで発生する損失が大きくなるという問題がある。
例えば図8に示すDC−DCコンバータで入力電圧(直流電源2)が200Vであり、かつ変圧器Tの変圧比が1:1であって、負荷5の定格電圧が100Vである場合を想定する。この場合、例え変圧器Tに漏れリアクタンスLeが存在していなかったとしてもスナバコンデンサCsは、ダイオードブリッジ4の出力電圧Erのピークである200Vまで充電された後、還流期間に負荷の定格電圧Eoの100V付近まで放電される。またダイオードブリッジ4の出力電圧Erの印加中にスナバ抵抗器Rsの両端には、出力電圧Erと定格電圧Eoの差電圧100Vが印加される。
この操作を繰り返すため変圧器Tの漏れリアクタンスLeが保持するエネルギーより大きなエネルギーがスナバ抵抗器Rsから失われる。更に、実際には漏れリアクタンスLeとスナバコンデンサCsとが直列共振を起こすため、本来の印加電圧より高い電圧がスナバ抵抗Rsに加わり、放電損失がより大きくなるという問題もある。
もちろんこれらの問題は、スナバ抵抗器Rsの抵抗値を大きくすればある程度改善することが可能である。しかしスナバ抵抗Rsの抵抗値の増加は、DC−DCコンバータの作動条件下において、いかなる場合であっても、スナバコンデンサCsの放電不足によって過電圧を生じないレベルに留めなければならず、その効果は限定的になるという懸念がある。
例えば図8に示すDC−DCコンバータで入力電圧(直流電源2)が200Vであり、かつ変圧器Tの変圧比が1:1であって、負荷5の定格電圧が100Vである場合を想定する。この場合、例え変圧器Tに漏れリアクタンスLeが存在していなかったとしてもスナバコンデンサCsは、ダイオードブリッジ4の出力電圧Erのピークである200Vまで充電された後、還流期間に負荷の定格電圧Eoの100V付近まで放電される。またダイオードブリッジ4の出力電圧Erの印加中にスナバ抵抗器Rsの両端には、出力電圧Erと定格電圧Eoの差電圧100Vが印加される。
この操作を繰り返すため変圧器Tの漏れリアクタンスLeが保持するエネルギーより大きなエネルギーがスナバ抵抗器Rsから失われる。更に、実際には漏れリアクタンスLeとスナバコンデンサCsとが直列共振を起こすため、本来の印加電圧より高い電圧がスナバ抵抗Rsに加わり、放電損失がより大きくなるという問題もある。
もちろんこれらの問題は、スナバ抵抗器Rsの抵抗値を大きくすればある程度改善することが可能である。しかしスナバ抵抗Rsの抵抗値の増加は、DC−DCコンバータの作動条件下において、いかなる場合であっても、スナバコンデンサCsの放電不足によって過電圧を生じないレベルに留めなければならず、その効果は限定的になるという懸念がある。
一方、特許文献2に記載のDC/DCコンバータに適用されるスナバ回路は、上述した問題点を解決するものではあるものの、降圧チョッパ回路を大容量としなければならないという問題がある。つまり、このDC/DCコンバータにおいて、スナバコンデンサCsの充電時における電流経路は、変圧器Tの二次巻線T2→漏れリアクタンスLe→ダイオードD1→スナバダイオードDs→スナバコンデンサCs→変圧器Tの二次巻線T2である。
したがって、この回路における起電力Erは、図10(a)に示したように漏れリアクタンスLeに生じる逆起電力ΔEと二次巻線T2の起電力E2の和となる。このためスナバコンデンサCsの両端における電圧Ecが図10(b)に示すようになるので、スナバコンデンサCsは、漏れリアクタンスLeが保持するエネルギーだけでなく、変圧器Tからもエネルギーを受け取ることになる。
漏れリアクタンスLeに生じる逆起電力ΔEは、スナバコンデンサCsのキャパシタンスによって調整することができるものの、逆起電力ΔEを抑制する目的から、二次巻線T2に誘起される起電力E2の10%程度以下とされる。
なお、変圧器Tの二次巻線T2と漏れリアクタンスLeに流れる電流は、共通であり、それらの電圧の比率は電力の比率に等しくなる。したがって漏れリアクタンスLeのエネルギーを電力換算すると、DC/DCコンバータの容量の数%程度であるにかかわらず、この理由によって降圧チョッパ回路は、装置容量の10〜20%もの余計な電力容量が必要となる。
したがって、この回路における起電力Erは、図10(a)に示したように漏れリアクタンスLeに生じる逆起電力ΔEと二次巻線T2の起電力E2の和となる。このためスナバコンデンサCsの両端における電圧Ecが図10(b)に示すようになるので、スナバコンデンサCsは、漏れリアクタンスLeが保持するエネルギーだけでなく、変圧器Tからもエネルギーを受け取ることになる。
漏れリアクタンスLeに生じる逆起電力ΔEは、スナバコンデンサCsのキャパシタンスによって調整することができるものの、逆起電力ΔEを抑制する目的から、二次巻線T2に誘起される起電力E2の10%程度以下とされる。
なお、変圧器Tの二次巻線T2と漏れリアクタンスLeに流れる電流は、共通であり、それらの電圧の比率は電力の比率に等しくなる。したがって漏れリアクタンスLeのエネルギーを電力換算すると、DC/DCコンバータの容量の数%程度であるにかかわらず、この理由によって降圧チョッパ回路は、装置容量の10〜20%もの余計な電力容量が必要となる。
更に、この方式は、MOSFET(Q)のスイッチングを制御する図示しない駆動・制御回路の他、MOSFET(Q1,Q2,Q3,Q4)のスイッチングを制御する図示しない主制御回路との制御信号のやり取りを行う伝送回路が必要となる。このため、この方式は、特に小容量の電力変換装置の小形化、低コスト化の妨げになっていた。
発明のスナバ回路は、上述した事情を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、最小限の部品でスナバ回路を構成し、電力変換装置の小形化、低コスト化を図ることのできるスナバ回路を提供することにある。
発明のスナバ回路は、上述した事情を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、最小限の部品でスナバ回路を構成し、電力変換装置の小形化、低コスト化を図ることのできるスナバ回路を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明のスナバ回路は、保護対象のスイッチング素子と並列に接続されて、スイッチング時に生じるサージ電圧を抑制するスナバ回路であって、前記スナバ回路は、前記サージ電圧のエネルギーを吸収して該サージ電圧の急上昇を緩和するスナバコンデンサと、このスナバコンデンサの一方の端子と接続されて、前記スイッチング素子に電圧が印加されていないとき前記スナバコンデンサの放電を防止するスナバダイオードと、このスナバダイオードの他方の端子と接続されて、スナバ回路に流れる電流のピーク値を抑制し、また前記スナバコンデンサと回路上のインダクタンスとの共振を抑制するスナバ抵抗器とを直列に接続してなり、
更に前記スナバ回路は、前記スナバダイオードと逆並列にエミッタ端子およびコレクタ端子を接続したトランジスタと、このトランジスタのベース端子と前記スナバ抵抗器の一方の端子が接続された前記スイッチング素子の一端との間に介装されて、該トランジスタのベース電流を規制するベース抵抗器とを具備し、
前記トランジスタは、前記スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電時間よりも長く、かつ前記スイッチング素子の通常スイッチング時(通常運転時)にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有することを特徴としている。
更に前記スナバ回路は、前記スナバダイオードと逆並列にエミッタ端子およびコレクタ端子を接続したトランジスタと、このトランジスタのベース端子と前記スナバ抵抗器の一方の端子が接続された前記スイッチング素子の一端との間に介装されて、該トランジスタのベース電流を規制するベース抵抗器とを具備し、
前記トランジスタは、前記スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電時間よりも長く、かつ前記スイッチング素子の通常スイッチング時(通常運転時)にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有することを特徴としている。
また前記スナバ回路は、前記トランジスタに代えて前記スナバダイオードと逆並列にソース端子およびドレイン端子を接続したMOSFETと、このMOSFETのゲート端子と前記スナバ抵抗器の一方の端子が接続された前記スイッチング素子の一端との間に介装されて、該MOSFETのゲート端子電圧の変化時間を調整するゲート抵抗器とを具備し、前記MOSFETのゲートキャパシタンスは、前記ゲート抵抗器が接続された条件において前記スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電時間よりも長く、かつ前記スイッチング素子の通常スイッチング時(通常運転時)にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも短い放電時間を有することを特徴としている。
あるいは前記スナバ回路は、更に前記スナバ抵抗器と並列に接続されて、該スナバ抵抗器に流れる電流を分流させる分流ダイオードを備えることを特徴としている。
またスナバ回路は、更に前記スナバコンデンサと並列に接続されて、該スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段を備えることを特徴としている。例えば、この放電手段には、ツェナダイオードが適用される。
あるいは前記スナバ回路は、更に前記スナバ抵抗器と並列に接続されて、該スナバ抵抗器に流れる電流を分流させる分流ダイオードを備えることを特徴としている。
またスナバ回路は、更に前記スナバコンデンサと並列に接続されて、該スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段を備えることを特徴としている。例えば、この放電手段には、ツェナダイオードが適用される。
本発明の請求項1に係るスナバ回路によれば、スナバコンデンサの放電時間よりも長い蓄積時間を有するトランジスタをスナバダイオードと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器に生じた電圧降下によってトランジスタをドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、トランジスタは導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
また本発明のスナバ回路は、通常運転時にスイッチング素子に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い蓄積時間を有するトランジスタを用いているので、スイッチング素子印加電圧が喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電を防止できる。
あるいは本発明の請求項2に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの放電時間よりも長い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFETをスナバダイオードと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器に生じた電圧降下によってMOSFETをドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、MOSFETは導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
また本発明のスナバ回路は、通常運転時にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFETを用いているので、二次側直流ラインの電圧が喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電が防止できる。
また本発明のスナバ回路は、通常運転時にスイッチング素子に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い蓄積時間を有するトランジスタを用いているので、スイッチング素子印加電圧が喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電を防止できる。
あるいは本発明の請求項2に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの放電時間よりも長い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFETをスナバダイオードと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器に生じた電圧降下によってMOSFETをドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、MOSFETは導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
また本発明のスナバ回路は、通常運転時にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFETを用いているので、二次側直流ラインの電圧が喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電が防止できる。
更に本発明の請求項3に係るスナバ回路は、スナバ抵抗器と並列に分流ダイオードを設けているので、スナバ回路の電圧上昇を効果的に抑えることができる。
また本発明の請求項4に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段として例えばツェナダイオードを備えているので、スナバコンデンサが過電圧となることを防止することができる。
このように本発明のスナバ回路は、最小限の部品で構成することができ、電力変換装置の小形化、低コスト化を図ることのできるという実用上多大なる効果を奏する。
また本発明の請求項4に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段として例えばツェナダイオードを備えているので、スナバコンデンサが過電圧となることを防止することができる。
このように本発明のスナバ回路は、最小限の部品で構成することができ、電力変換装置の小形化、低コスト化を図ることのできるという実用上多大なる効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係るスナバ回路について添付図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図7は、本発明の一実施形態に係るスナバ回路を例示するものであって、これらの図によって本発明のスナバ回路が限定されるものではない。
図1は本発明の実施例1に係るスナバ回路を示すものであって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は、図8,9に示す従来のものと同様であるので、その説明を省略する。ちなみに本実施例1は、本発明のスナバ回路をDC−DCコンバータに適用したものである。
さて、実施例1に係るスナバ回路が従来のスナバ回路と異なるところは、スナバダイオードDsのアノード端子およびカソード端子のそれぞれにNPN型トランジスタQ(以下、単にトランジスタQと称する)のエミッタ端子およびコレクタ端子をそれぞれ接続した点、このトランジスタQのベース端子と正電圧ライン7との間にトランジスタQのベース電流を規制するベース抵抗器Rbを介装した点、およびスナバコンデンサCsと並列に接続されて、このスナバコンデンサCsの電圧が所定の電圧を超えたとき、スナバコンデンサCsに蓄えられた電荷を放電するツェナダイオードZdを接続した点にある。
上記トランジスタQは、特にスナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時にスイッチング素子に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間Tstgを有している。
このような特徴ある本発明のスナバ回路の作動について図2を参照しながらより詳細に説明する。このスナバ回路は、変圧器Tに存在する漏れリアクタンスLeに生じたエネルギーをスナバコンデンサCsで吸収することによってサージ電圧を抑制する。
さて、実施例1に係るスナバ回路が従来のスナバ回路と異なるところは、スナバダイオードDsのアノード端子およびカソード端子のそれぞれにNPN型トランジスタQ(以下、単にトランジスタQと称する)のエミッタ端子およびコレクタ端子をそれぞれ接続した点、このトランジスタQのベース端子と正電圧ライン7との間にトランジスタQのベース電流を規制するベース抵抗器Rbを介装した点、およびスナバコンデンサCsと並列に接続されて、このスナバコンデンサCsの電圧が所定の電圧を超えたとき、スナバコンデンサCsに蓄えられた電荷を放電するツェナダイオードZdを接続した点にある。
上記トランジスタQは、特にスナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時にスイッチング素子に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間Tstgを有している。
このような特徴ある本発明のスナバ回路の作動について図2を参照しながらより詳細に説明する。このスナバ回路は、変圧器Tに存在する漏れリアクタンスLeに生じたエネルギーをスナバコンデンサCsで吸収することによってサージ電圧を抑制する。
まずMOSFET(Q1〜Q4)のオンオフを制御するオンオフ制御部3がこれらMOSFET(Q1〜Q4)を高速にスイッチングして変圧器Tの一次巻線T1に高周波交流を与える。変圧器Tの二次巻線T2には、同一周波数の高周波交流が現れる(図2(a))。
そして二次巻線T2に生じた電圧が、[0V]から正の電圧に移行した瞬間、スナバ回路10には、スナバコンデンサCsを充電するべく正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって電流Isが流れる(図2(b))。この電流Isによってスナバ抵抗器Rsの両端には、電圧降下が生じる。するとトランジスタQのエミッタ電位は、正電圧ライン7より低くなる。このためトランジスタQは、正電圧ライン7→ベース抵抗器Rb→エミッタの経路でベース電流Ibが流れて導通状態になる(図2(c))。
そしてスナバコンデンサCsの充電が終了すると電流Isは[0A]となり、トランジスタQのベース電流Ibも[0A]となる。しかしトランジスタQは、ベース電流Ibが[0A]になったとしても、蓄積時間Tstgの間、導通状態を維持する性質がある(図2(d))。このためスナバコンデンサCs→トランジスタQ(コレクタ→エミッタ)→スナバ抵抗器Rsの経路で電流Isが流れ放電が行われる。この放電に伴って一部のエネルギーは、スナバ抵抗器Rsで失われるものの、正電圧ライン7と負電圧ライン8との間には、ダイオードブリッジ4が出力する出力電圧Erが印加されているので、大部分のエネルギーは、主回路に回生される。
そして二次巻線T2に生じた電圧が、[0V]から正の電圧に移行した瞬間、スナバ回路10には、スナバコンデンサCsを充電するべく正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって電流Isが流れる(図2(b))。この電流Isによってスナバ抵抗器Rsの両端には、電圧降下が生じる。するとトランジスタQのエミッタ電位は、正電圧ライン7より低くなる。このためトランジスタQは、正電圧ライン7→ベース抵抗器Rb→エミッタの経路でベース電流Ibが流れて導通状態になる(図2(c))。
そしてスナバコンデンサCsの充電が終了すると電流Isは[0A]となり、トランジスタQのベース電流Ibも[0A]となる。しかしトランジスタQは、ベース電流Ibが[0A]になったとしても、蓄積時間Tstgの間、導通状態を維持する性質がある(図2(d))。このためスナバコンデンサCs→トランジスタQ(コレクタ→エミッタ)→スナバ抵抗器Rsの経路で電流Isが流れ放電が行われる。この放電に伴って一部のエネルギーは、スナバ抵抗器Rsで失われるものの、正電圧ライン7と負電圧ライン8との間には、ダイオードブリッジ4が出力する出力電圧Erが印加されているので、大部分のエネルギーは、主回路に回生される。
したがって本発明の実施例1に係るスナバ回路は、トランジスタQの蓄積時間がスナバコンデンサCsの放電に必要な時間よりも長い必要がある。一方、通常運転時の変圧器Tの二次巻線T2に生じる起電力E2のパルス幅よりも十分短い蓄積時間を有するトランジスタQを選定することにより、正電圧ライン7と負電圧ライン8との間に出力電圧Erが印加されていないときの不必要な放電を防止することができる。
また図3(a)に示すように変圧器Tの二次巻線T2に誘起される起電力E2のパルス幅を短くした状態で運転することがある。これは、例えば起動時に平滑コンデンサCや負荷5に流れる突入電流を防止するため、徐々に起電力E2のパルス幅を広げ、出力電圧をゆっくりと定格電圧まで立ち上げる、いわゆるソフトスタートが相当する。あるいは、負荷5短絡時等に流れるか電流を防止するため、出力電圧を絞る場合にも同様に起電力E2のパルス幅が短くなる。
このときトランジスタQの蓄積時間Tstgが経過しないうちに起電力E2や、正電圧ライン7と負電圧ライン8との間の出力電圧Erが[0V]となり、スナバコンデンサCsの電荷が、過放電され得る状態になる(図3(b))。しかし、このときの放電電流は、スナバ抵抗器Rsの両端に電圧降下を生じさせ、それゆえトランジスタQに逆バイアスを与えることになる。するとトランジスタQには、負のベース電流が流れる(図3(c))。そのためトランジスタQは、比較的短時間でオフし、スナバコンデンサCsの放電を防ぐ(図3(d))。
また図3(a)に示すように変圧器Tの二次巻線T2に誘起される起電力E2のパルス幅を短くした状態で運転することがある。これは、例えば起動時に平滑コンデンサCや負荷5に流れる突入電流を防止するため、徐々に起電力E2のパルス幅を広げ、出力電圧をゆっくりと定格電圧まで立ち上げる、いわゆるソフトスタートが相当する。あるいは、負荷5短絡時等に流れるか電流を防止するため、出力電圧を絞る場合にも同様に起電力E2のパルス幅が短くなる。
このときトランジスタQの蓄積時間Tstgが経過しないうちに起電力E2や、正電圧ライン7と負電圧ライン8との間の出力電圧Erが[0V]となり、スナバコンデンサCsの電荷が、過放電され得る状態になる(図3(b))。しかし、このときの放電電流は、スナバ抵抗器Rsの両端に電圧降下を生じさせ、それゆえトランジスタQに逆バイアスを与えることになる。するとトランジスタQには、負のベース電流が流れる(図3(c))。そのためトランジスタQは、比較的短時間でオフし、スナバコンデンサCsの放電を防ぐ(図3(d))。
なお、スナバコンデンサCsと並列に接続されたツェナダイオードZdは、スナバコンデンサCsが過電圧にならないよう所定の電圧にクランプする役割を担う。ツェナダイオードZdがオンした状態になるとスナバ抵抗器Rs、トランジスタQ、およびツェナダイオードZdで通常時よりも大きな損失が発生する。しかしこの状態は、オンオフ制御部3のオンオフ時間の制御(パルス幅制御)によって、短時間に限定される。このため発生する損失は、DC−DCコンバータの効率に影響を及ぼすことがなく、またこれらの発熱に対応するためスナバ回路を大形化する必要もない。
ちなみに起電力E2のパルス幅を短くした状態が極めて短時間であれば、このツェナダイオードZdは、不要である。
かくして本発明の実施例1に係るスナバ回路は、スナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有するトランジスタQをスナバダイオードDsと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器Rsに生じた電圧降下によってトランジスタQをドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、トランジスタQは蓄積時間Tstgの間、導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
ちなみに起電力E2のパルス幅を短くした状態が極めて短時間であれば、このツェナダイオードZdは、不要である。
かくして本発明の実施例1に係るスナバ回路は、スナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有するトランジスタQをスナバダイオードDsと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器Rsに生じた電圧降下によってトランジスタQをドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、トランジスタQは蓄積時間Tstgの間、導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
また通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い蓄積時間Tstgを有するトランジスタQを用いているので二次側電圧Erが喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電が防止できる。
更に本発明の実施例1に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段として例えばツェナダイオードを備えているので、スナバコンデンサに過電圧が印加されることを防ぐ。
なお、この実施例1は、NPN型トランジスタを用いたが、図4に示すようにPNP型トランジスタを用いて変形して実施することもできる。この変形したスナバ回路は、正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって、スナバコンデンサCs、スナバダイオードDsおよびスナバ抵抗器Rsとを直列に接続する。そしてスナバダイオードDsと逆並列になるように、スナバダイオードDsのアノード端子とPNP形トランジスタQのコレクタ端子、カソード端子とエミッタ端子をそれぞれ接続する。そしてこのPNP形トランジスタQのベース端子は、このベースに流れる電流を制限するベース抵抗器Rbを介して、負電圧ライン8に接続する。
このようにPNP型トランジスタを用いて構成された本発明の実施例1を変形したスナバ回路は、上述したNPN型トランジスタを用いて構成されたスナバ回路と同様の作用・効果を得ることができる。
更に本発明の実施例1に係るスナバ回路は、スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段として例えばツェナダイオードを備えているので、スナバコンデンサに過電圧が印加されることを防ぐ。
なお、この実施例1は、NPN型トランジスタを用いたが、図4に示すようにPNP型トランジスタを用いて変形して実施することもできる。この変形したスナバ回路は、正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって、スナバコンデンサCs、スナバダイオードDsおよびスナバ抵抗器Rsとを直列に接続する。そしてスナバダイオードDsと逆並列になるように、スナバダイオードDsのアノード端子とPNP形トランジスタQのコレクタ端子、カソード端子とエミッタ端子をそれぞれ接続する。そしてこのPNP形トランジスタQのベース端子は、このベースに流れる電流を制限するベース抵抗器Rbを介して、負電圧ライン8に接続する。
このようにPNP型トランジスタを用いて構成された本発明の実施例1を変形したスナバ回路は、上述したNPN型トランジスタを用いて構成されたスナバ回路と同様の作用・効果を得ることができる。
次に本発明の実施例2に係るスナバ回路について、図5を参照しながら説明する。この実施例が上述した実施例1と異なるところは、スナバ抵抗器Rsと並列に分流ダイオードDpを設けた点にある。この分流ダイオードDpは、スナバコンデンサCsの充電時に生じるスナバ抵抗器Rs両端の電圧上昇を抑制する役割を担うものである。
ちなみにトランジスタQの逆バイアス電圧は、この分流ダイオードDpに生じる順方向電圧が相当する。したがってベース抵抗器Rbの値は、上述した実施例1に比べて小さくし、トランジスタQの作動に必要なベース電流を確保する。
かくして本発明の実施例2に係るスナバ回路は、スナバ抵抗器Rsと並列に分流ダイオードDpを設けているので、スナバ回路の電圧上昇を抑えることができる。
ちなみにトランジスタQの逆バイアス電圧は、この分流ダイオードDpに生じる順方向電圧が相当する。したがってベース抵抗器Rbの値は、上述した実施例1に比べて小さくし、トランジスタQの作動に必要なベース電流を確保する。
かくして本発明の実施例2に係るスナバ回路は、スナバ抵抗器Rsと並列に分流ダイオードDpを設けているので、スナバ回路の電圧上昇を抑えることができる。
次に本発明の実施例3に係るスナバ回路について、図6を参照しながら説明する。この実施例が上述した実施例1,2と異なるところは、トランジスタQに代えてnチャネルMOSFET(Q5)を用いた点にある。つまりスナバダイオードDsと逆並列になるようスナバダイオードDsのアノード端子とnチャネルMOSFET(Q5)のソース端子、カソード端子とドレイン端子をそれぞれ接続する。そしてnチャネルMOSFET(Q5)のゲート端子は、このゲート端子に印加される電圧の時間変化を調整するゲート抵抗器Rgを介して正電圧ライン7に接続される。
この場合は、上述した実施例1に記載したトランジスタQの蓄積時間Tstgに代えて、MOSFET(Q5)が有するゲートキャパシタンスの放電に要する時間がスナバコンデンサCsの放電時間を確保することになる。したがってこの実施例3についても実施例1と同様な作用・効果を得ることができる。
かくして本発明の実施例3に係るスナバ回路は、スナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFET(Q5)をスナバコンデンサCsと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器Rsに生じた電圧降下によってMOSFET(Q5)をドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、MOSFET(Q5)は導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
この場合は、上述した実施例1に記載したトランジスタQの蓄積時間Tstgに代えて、MOSFET(Q5)が有するゲートキャパシタンスの放電に要する時間がスナバコンデンサCsの放電時間を確保することになる。したがってこの実施例3についても実施例1と同様な作用・効果を得ることができる。
かくして本発明の実施例3に係るスナバ回路は、スナバコンデンサCsの放電時間よりも長く、かつDC−DCコンバータの通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも短い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFET(Q5)をスナバコンデンサCsと逆並列に接続すると共に、スナバ抵抗器Rsに生じた電圧降下によってMOSFET(Q5)をドライブしているので、スナバコンデンサCsを充電した後も、MOSFET(Q5)は導通状態を維持し、スナバコンデンサCsに蓄えられたエネルギーを主回路に回生することができる。
また本発明のスナバ回路は、通常運転時に印加される電圧パルス印加時間よりも十分短い放電時間を有するゲートキャパシタンスを備えたMOSFET(Q5)を用いているので、二次側電圧Erが喪失したとしても、スナバコンデンサCsの不必要な放電が防止できる。
なお、この実施例3は、nチャネルMOSFETを用いたが、図7に示すようにpチャネルMOSFETを用いて変形して実施することもできる。このスナバ回路は、正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって、スナバコンデンサCs、スナバダイオードDsおよびスナバ抵抗器Rsとを直列に接続する。そしてスナバダイオードDsと逆並列になるように、スナバダイオードDsのアノード端子とMOSFET(Q6)のソース端子、カソード端子とドレイン端子をそれぞれ接続する。そしてこのMOSFET(Q6)のゲート端子は、このゲート端子に印加されるゲート電圧を制限するゲート抵抗器Rgを介して、負電圧ライン8に接続される。
このようにpチャネルMOSFETを用いて構成された本発明の実施例3を変形したスナバ回路は、nチャネルMOSFETを用いても上述した作用・効果を導くことができる。
なお、この実施例3は、nチャネルMOSFETを用いたが、図7に示すようにpチャネルMOSFETを用いて変形して実施することもできる。このスナバ回路は、正電圧ライン7から負電圧ライン8に向かって、スナバコンデンサCs、スナバダイオードDsおよびスナバ抵抗器Rsとを直列に接続する。そしてスナバダイオードDsと逆並列になるように、スナバダイオードDsのアノード端子とMOSFET(Q6)のソース端子、カソード端子とドレイン端子をそれぞれ接続する。そしてこのMOSFET(Q6)のゲート端子は、このゲート端子に印加されるゲート電圧を制限するゲート抵抗器Rgを介して、負電圧ライン8に接続される。
このようにpチャネルMOSFETを用いて構成された本発明の実施例3を変形したスナバ回路は、nチャネルMOSFETを用いても上述した作用・効果を導くことができる。
尚、本発明のスナバ回路は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもかまわない。
Cs スナバコンデンサ
Ds スナバダイオード
Q トランジスタ
Rb ベース抵抗器
Rg ゲート抵抗器
Rs スナバ抵抗器
T 変圧器
Zd ツェナダイオード
1 インバータ
2 直流電源
3 オンオフ制御部
4 ダイオードブリッジ
5 負荷
6 平滑回路
7 正電圧ライン
8 負電圧ライン
10 スナバ回路
Ds スナバダイオード
Q トランジスタ
Rb ベース抵抗器
Rg ゲート抵抗器
Rs スナバ抵抗器
T 変圧器
Zd ツェナダイオード
1 インバータ
2 直流電源
3 オンオフ制御部
4 ダイオードブリッジ
5 負荷
6 平滑回路
7 正電圧ライン
8 負電圧ライン
10 スナバ回路
Claims (4)
- 保護対象のスイッチング素子と並列に接続されて、スイッチング時に生じるサージ電圧を抑制するスナバ回路であって、
前記スナバ回路は、前記サージ電圧のエネルギーを吸収して該サージ電圧の急上昇を緩和するスナバコンデンサと、
このスナバコンデンサの一方の端子と接続されて、前記スイッチング素子に電圧が印加されていないとき前記スナバコンデンサの放電を防止するスナバダイオードと、
このスナバダイオードの他方の端子と接続されて、スナバ回路に流れる電流のピーク値を抑制するスナバ抵抗器と
を直列に接続してなり、
更に前記スナバ回路は、前記スナバダイオードと逆並列にエミッタ端子およびコレクタ端子を接続したトランジスタと、
このトランジスタのベース端子と前記スナバ抵抗器の一方の端子が接続された前記スイッチング素子の一端との間に介装されて、該トランジスタのベース電流を規制するベース抵抗器と
を具備し、
前記トランジスタは、前記スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電時間よりも長く、かつ前記スイッチング素子の通常スイッチング時にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも短い蓄積時間を有することを特徴とするスナバ回路。 - 前記スナバ回路は、前記トランジスタに代えて前記スナバダイオードと逆並列にソース端子およびドレイン端子を接続したMOSFETと、
前記ベース抵抗器に代えて、前記MOSFETのゲート端子と前記スナバ抵抗器の一方の端子が接続された前記スイッチング素子の一端との間に介装されて、該MOSFETのゲート端子電圧の変化時間を調整するゲート抵抗器と
を具備し、
前記MOSFETのゲートキャパシタンスは、前記スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電時間よりも長く、かつ前記スイッチング素子の通常スイッチング時にその両端に印加される電圧パルス印加時間よりも短い放電時間を有することを特徴とする請求項1に記載のスナバ回路。 - 前記スナバ回路は、更に前記スナバ抵抗器と並列に接続されて、該スナバ抵抗器に流れる電流を分流させる分流ダイオードを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスナバ回路。
- 前記スナバ回路は、更に前記スナバコンデンサと並列に接続されて、該スナバコンデンサの電圧が所定の電圧を超えたとき、該スナバコンデンサに蓄えられた電荷を放電する放電手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスナバ回路。
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JP2007213544A JP2009050080A (ja) | 2007-08-20 | 2007-08-20 | スナバ回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-08-20 JP JP2007213544A patent/JP2009050080A/ja active Pending
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