JP2009048113A - 帯電装置、帯電方法、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

帯電装置、帯電方法、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられ、感光体等の像担持体を帯電させる帯電装置であって、かかる像担持体を帯電させるための、金メッキ処理された放電ワイヤと、この放電ワイヤを清掃する、研磨剤を有する清掃部材とを備え、かかる金メッキが経時的にも良好に維持される帯電装置、これを用いた帯電方法、かかる帯電装置を用いたかかる画像形成装置、これらを用いる画像形成方法、かかる画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】清掃部材112aが、アルミナ及び/又はシリコンを含む研磨剤を有し、研磨剤の粒度が、♯6000〜8000であり、放電ワイヤ31aが、金メッキ処理によるメッキ膜を形成されたタングステンワイヤであり、メッキ膜の厚さが1.5μm以上であり、タングステンワイヤの直径が30μm以上である。
【選択図】図5

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられ、感光体等の像担持体を帯電させる帯電装置であって、特に、かかる像担持体を帯電させるための放電ワイヤとこの放電ワイヤを清掃する清掃部材とを備えた帯電装置、これを用いた帯電方法、かかる帯電装置を用いたかかる画像形成装置、これらを用いる画像形成方法、かかる画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジに関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、感光体等の像担持体を帯電させるための放電ワイヤを有するスコロトロン方式等の帯電装置を備えたものが知られている。かかる放電ワイヤには、経時的に汚れが付着するが、汚れが付着すると放電性能が低下する。
そこで、放電性能の低下を抑制するべく、かかる帯電装置は、〔特許文献1〕ないし〔特許文献5〕等において開示されているように、放電ワイヤの表面を拭うようにして清掃する清掃部材を有している。
清掃部材としては、〔特許文献1〕ないし〔特許文献4〕等において開示されているように、放電ワイヤの表面に付着した汚れの除去性を向上するために研磨剤を含むものが知られている。また、清掃部材としては、〔特許文献5〕において開示されているように、清掃部材が研磨剤を含むと放電ワイヤを削り取ってしまうことに配慮して、研磨剤を含まないようにしたものも知られている。
一方、放電ワイヤの表面に、〔特許文献4〕、〔特許文献5〕にそれぞれ記載されているように、酸化膜、金メッキ等の保護膜を形成したものが知られている。
酸化膜を保護膜とした場合には、耐摩耗性が高く、清掃部材が研磨剤を含む場合にも放電ワイヤの保護性が高い。しかしながら、酸化膜には汚れが付きやすく、清掃の頻度を高くする必要がある。清掃中は画像形成を行うことができないため、清掃の頻度を高くすると画像形成装置のダウンタイム増加という問題がある。
これに対し、金メッキを保護膜とした場合には、汚れが付きにくいという利点があるものの、〔特許文献5〕にも記載されているように、清掃部材が研磨剤を含む場合には傷が付きやすいという問題がある。
特開2004−317702号公報 特開平10−301368号公報 特許第3619057号公報 特開平08−095349号公報 特開2003−050496号公報
しかし、画像形成装置のダウンタイムを考慮すると、放電ワイヤに金メッキを施して放電ワイヤの表面に汚れが付きにくくなるようにすることが好ましい。ただし、放電ワイヤの清掃性を考慮すると、清掃部材が研磨剤を含むものであることが好ましい。そして、経時的に金メッキが良好に維持されることも必要である。
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられ、感光体等の像担持体を帯電させる帯電装置であって、かかる像担持体を帯電させるための、金メッキ処理された放電ワイヤと、この放電ワイヤを清掃する、研磨剤を有する清掃部材とを備え、かかる金メッキが経時的にも良好に維持される帯電装置、これを用いた帯電方法、かかる帯電装置を用いたかかる画像形成装置、これらを用いる画像形成方法、かかる画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体を帯電させるための放電ワイヤと、前記放電ワイヤを清掃する清掃部材とを備え、前記清掃部材が、アルミナ及び/又はシリコンを含む研磨剤を有し、前記研磨剤の粒度が、♯6000〜8000であり、前記放電ワイヤが、金メッキ処理によるメッキ膜を形成されたタングステンワイヤであり、前記メッキ膜の厚さが1.5μm以上であり、前記タングステンワイヤの直径が30μm以上である帯電装置にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の帯電装置において、前記メッキ膜の厚さが3μm以下であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の帯電装置において、前記タングステンワイヤの直径が40μm以上60μm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の帯電装置において、前記メッキ膜表面が鏡面加工されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置を有する画像形成装置にある。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、体積平均粒径が10μm以下で、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の画像形成装置において、平均円形度が0.93以上1.00以下であるトナーを用いることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、形状がほぼ球形状であり、短軸の長さr2と長軸の長さr1との比r2/r1が0.5以上1.0以下であり、厚さr3と前記短軸の長さr2との比が0.7以上1.0以下であり、前記長軸の長さr1≧前記短軸の長さr2≧前記厚さr3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項5ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項5ないし9の何れか1つに記載の画像形成装置において、前記トナーは少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを含むトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸張反応させて形成したものであることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項5ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置に着脱可能に備えられ、請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置と、前記帯電装置によって帯電される像担持体と、前記像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置と、前記像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置とのうちの少なくとも1つを一体的に構成したプロセスカートリッジにある。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置を用いて像担持体を帯電させる帯電方法にある。
請求項13記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置、または、請求項5ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置、または、請求項12記載の帯電方法を用いて画像形成を行う画像形成方法にある。
本発明は、像担持体を帯電させるための放電ワイヤと、前記放電ワイヤを清掃する清掃部材とを備え、前記清掃部材が、アルミナ及び/又はシリコンを含む研磨剤を有し、前記研磨剤の粒度が、♯6000〜8000であり、前記放電ワイヤが、金メッキ処理によるメッキ膜を形成されたタングステンワイヤであり、前記メッキ膜の厚さが1.5μm以上であり、前記タングステンワイヤの直径が30μm以上である帯電装置にあるので、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成に寄与することができる帯電装置を提供することができる。
前記メッキ膜の厚さが3μm以下であることとすれば、メッキ膜のコストを抑制しつつ、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成に寄与することができる帯電装置を提供することができる。
前記タングステンワイヤの直径が40μm以上60μm以下であることとすれば、タングステンワイヤの強度を確保してその破断を防止ないし抑制しつつ、放電によるオゾンや放電生成物を抑制することができこれを処理するための手段を簡素化でき、また、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成に寄与することができる帯電装置を提供することができる。
前記メッキ膜表面が鏡面加工されていることとすれば、放電ワイヤへの不要物の付着がさらに抑制されることで、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成に寄与することができる帯電装置を提供することができる。
本発明は、かかる帯電装置を有する画像形成装置にあるので、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
体積平均粒径が10μm以下で、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることとすれば、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ、またかかる比の設定によって高画質で高解像度の、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
平均円形度が0.93以上1.00以下であるトナーを用いることとすれば、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ、またかかる平均円形度を設定することで適正な濃度の再現性のある高精細な、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
形状がほぼ球形状であり、短軸の長さr2と長軸の長さr1との比r2/r1が0.5以上1.0以下であり、厚さr3と前記短軸の長さr2との比が0.7以上1.0以下であり、前記長軸の長さr1≧前記短軸の長さr2≧前記厚さr3の関係を満たすトナーを用いることとすれば、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ、またかかる形状を設定することでドット再現性、転写効率、トナーの流動性が良好であり高品位で、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあるトナーを用いることとすれば、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ、またかかる形状を設定することでトナーの流動性、転写性が良好であるとともに画像上にトナーが散ることを防止ないし抑制し高品位で、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
前記トナーは少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを含むトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸張反応させて形成したものであることとすれば、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ、また、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを用い、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
本発明は、かかる画像形成装置に着脱可能に備えられ、かかる帯電装置と、前記帯電装置によって帯電される像担持体と、前記像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置と、前記像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置とのうちの少なくとも1つを一体的に構成したプロセスカートリッジにあるので、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長寿命であるとともに、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成を行うことができる画像形成装置に用いる、交換部品として取り扱うことができメンテナンス性が良いプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明は、かかる帯電装置を用いて像担持体を帯電させる帯電方法にあるので、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長期にわたって像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成に寄与することができる帯電方法を提供することができる。
本発明は、かかる帯電装置、または、かかる画像形成装置、または、かかる帯電方法を用いて画像形成を行う画像形成方法にあるので、メッキ膜が経時的にも良好に維持され、放電ワイヤへの汚れが付着しにくく清掃されやすい状態が維持され、長期にわたって、像担持体を良好に帯電させることができ良好な画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置100は、プリンタ、ファクシミリとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも記録用紙であるシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占める本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと中間転写ベルト11との間に向けて搬送されるシートを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23とを有している。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである被転写体たる中間転写体としての中間転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
中間転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する中間転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、シートに一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式言い換えると間接転写方式を採用している。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャたる第1の転写手段としての1次転写装置である転写部材たる1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの真下の位置すなわち転写位置にて行われる。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、中間転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に当接し、中間転写ベルト11への当接位置において中間転写ベルト11と同方向に回転して中間転写ベルト11上のトナー像をシートに転写する転写チャージャたる第2の転写手段としての2次転写装置である転写部材たる2次転写ローラ17と、2次転写ローラ17によって中間転写ベルト11上のトナー像を転写されたシートを搬送する搬送装置76と、中間転写ベルト11に対向して配設されトナー像がシートに転写された後の中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての書込みユニットである露光装置たる光走査装置8と、シート給送装置23から搬送されてきたシートを、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ13と、シートの先端がレジストローラ13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、搬送装置76によって搬送されてきたシートが進入し、シートにトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着手段たる定着装置6と、定着済みのシートを本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ13に向けて搬送する反転経路とを備えシートを何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成されたシートを反転経路に搬送した場合に、そのシートをスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みのシートを積載する排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する図示しない制御手段とを有している。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、中間転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動ローラ72、2次転写対向ローラとしての転写入口ローラ73および従動ローラであるテンションローラ74と、2次転写ローラ17と、中間転写ベルトクリーニング装置14と、転写ベルトユニット10を揺動する図示しない駆動手段とを有している。
転写ベルトユニット10は、駆動手段により、図1において駆動ローラ72を中心に反時計方向に揺動することで、中間転写ベルト11に対する感光体ドラム20BKの当接状態を維持したまま、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させることができるようになっている。
図1に示す状態は、フルカラー画像形成を行う場合であり、黒色の単色画像形成を行う場合に、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させる。駆動手段の作動は制御手段により行われる。
中間転写ベルトクリーニング装置14は、中間転写ベルト11に当接するゴムブレード19を有し、中間転写ベルト11上のトナー汚れ等、すなわち中間転写ベルト11に付着したトナーや紙粉等の付着物をゴムブレードで掻き取ってクリーニングし、中間転写ベルト11上から除去するものである。
画像形成装置100は中間転写ベルトクリーニング装置14を備えているので、原則的には、黒色の単色画像形成を行う場合にも、黒色の残留トナーが、中間転写ベルト11から感光体ドラム20Y、20M、20Cに転移して感光体ドラム20Y、20M、20Cを汚染することはないため、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させる必要はないが、何らかの原因で中間転写ベルトクリーニング装置14をもっても残留トナーを完全に除去し得ない場合を考慮して、黒色の単色画像形成を行う場合に、感光体ドラム20Y、20M、20Cを中間転写ベルト11から離間させるようにしている。黒色のトナーは目立ちやすく、感光体ドラム20Y、20M、20Cに付着した場合に画像に与える影響が大きいためである。
同様の理由により、黒色の画像形成を行う感光体ドラム20BKは、A1方向において他の感光体ドラム20Y、20M、20Cよりも下流側に配設されている。フルカラー画像形成を行う場合には中間転写ベルト11と感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKとを当接させた状態に維持するため、黒色のトナーが中間転写ベルト11を介して感光体ドラム20Y、20M、20Cに付着することを防止ないし抑制するには、感光体ドラム20BKをA1方向における最下流位置に配設し、かつ中間転写ベルト11への転写を最後に行うのが最も好ましいからである。
搬送装置76は、シートを搬送する無端状の搬送ベルト5と、搬送ベルト5を巻き掛けた駆動ローラ15及び従動ローラ16とを有している。
2次転写ローラ17は、転写入口ローラ73に対向し、転写入り口ローラ73との間で中間転写ベルト11に圧接している。2次転写ローラ17は、搬送装置76の従動ローラ16と共通の部材として用いられシートを定着装置6に向けて搬送する転写搬送ユニットを構成するものであっても良い。
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしての図示しないレーザー光を発する図示しない発光源と、発光源によって発せられたレーザー光をその回転により走査する図示しないポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを回転駆動する図示しないポリゴンモータと、ポリゴンミラーによって走査されたレーザー光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20B上に結像させ走査する図示しない多数の光学素子とを有している。発光源としてはLEDを用いることができる。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64を圧接する加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持したシートを定着ベルト64と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みのシートを、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みのシートを搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成されたシートを一旦積載するトレイ92と、トレイ92上のシートをスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされたシートをレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
シート給送装置23は、多数枚のシートを積載した複数の給紙カセット25を有するペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出されたシートをレジストローラ13に向けて搬送する搬送ローラ28と、搬送ローラ28によって搬送されるシートが通過する給紙路29とを有している。
給紙路29はシート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位のシートを給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ13に突き当てて止められるようになっている。
手差し給紙装置33は、シートを積載する手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上にシートが載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位のシートを本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ13に突き当てて止められるようになっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有し、読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。画像形成装置100を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス21a上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じて原稿をコンタクトガラス21aに押圧する。
操作パネルは、複写等を開始するためのスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー、フルカラー画像形成を行うか黒色の単色画像形成を行うか等の画像形成モードを選択するモード選択キー等を備えている。
制御手段は、CPU、記憶手段としてのメモリ等を備えている。
画像ステーション60Y、60C、60M、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーションの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
図2に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中反時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、除電手段としての除電器たる除電装置61Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置40Yと、帯電手段である帯電器たる帯電ユニットとしての帯電装置30Yと、現像手段としての現像ユニットである現像器たる現像装置50Yとを有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yと、除電装置61Yとは一体化されており、プロセスカートリッジ95Yを構成している。プロセスカートリッジ95Yは本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置されている。
プロセスカートリッジ95Yは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
プロセスカートリッジ95Yは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yと、除電装置61Yとのうち、少なくとも感光体ドラム20Yとその他の1つが一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。
感光体ドラム20Yは、アルミ等の素管の表面に感光性を発揮する有機感光層が形成されたものであり、図示しない駆動手段によってB1方向に回転駆動されるようになっている。
帯電装置30Yは、放電対象物たる感光体ドラム20Yに放電するための放電ワイヤたるワイヤ31aYと、ワイヤ31aYのケーシング31bYとを有している。ワイヤ31aYには、ワイヤ31aYに放電を生じさせる所定の電圧を印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20Yと対向する帯電領域において放電を行い、感光体ドラム20Yの表面を所定の極性に帯電するようになっている。
このように、本形態では、ワイヤ31aYを用いたスコロトロン方式の非接触型の帯電システムを採用しているが、ワイヤ31aYを用いたスコロトロン方式以外の方式の非接触型の帯電システムを採用したものであっても良い。
その他、帯電装置30Yの詳細については後述する。
なお、本体101側には、帯電装置30Yの駆動によって生ずるオゾンや放電生成物を処理するための処理手段としての図示しない排気ダクトが配設されている。
1次転写ローラ12Yは、本体101に回転自在に支持され1次転写ローラ12Yの回転中心となる軸37Yを有している。1次転写ローラ12Yには、図示しない1次転写電圧印可電源としての電源を備えたバイアス印加手段とバイアス制御手段とによって1次転写に適した所定の電圧が印加されるようになっている。
図1に示した光走査装置8は、図2に示すように、感光体ドラム20Yにおける帯電領域と現像領域との間の領域に、画像情報に応じて光変調されたレーザー光Lを照射して帯電ローラ31Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面を露光し、現像装置50Yによってイエロートナー像として可視像化される静電潜像を形成するようになっている。
クリーニング装置40Yは、感光体ドラム20Yに対向する部分に開口部を有するクリーニングケース43Yと、感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を掻き取ってクリーニングする回転ブラシとしてのブラシローラ45Yと、感光体ドラム20Yの回転方向B1において、ブラシローラ45Yよりも下流側の位置で感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の付着物を掻き取ってクリーニングするためのブレードとしてのクリーニングブレード41Yとを有している。
クリーニング装置40Yはまた、クリーニングケース43Yに回転自在に支持され、ブラシローラ45Y、クリーニングブレード41Yによって掻き取られ、また除去されることによって生じた廃トナー等の不要物を図示しない廃トナータンクに向けて搬送するための図示しない廃トナー経路の一部を構成する排出スクリュ42Yを有している。
除電装置61Yは、1次転写後の感光体ドラム20Yを除電して感光体ドラム20Y表面を電気的に清浄な状態とするとともに、クリーニング装置40Yにより、感光体ドラム20Y表面上の付着物が容易に除去される状態とする。除電装置61Yの構成は、帯電装置30Yの構成と同様になっている。
現像装置50Yは、感光体ドラム20Yに対向する部分に開口部を有する現像ケース55Yと、かかる開口部から感光体ドラム20Yに臨むよう一部が露出し感光体ドラム20Yに近接対向して配設されトナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、現像剤という)を担持する現像剤担持体としての現像ローラ51Yと、現像ローラ51Y上の現像剤を一定の高さに規制する規制部材としてのドクタである現像ブレード52Yとを有している。
現像装置50Yはまた、現像ケース55Yの下部に互いに対向するように配設され、互いに逆方向に回転駆動されることで現像剤を攪拌するとともに現像ローラ51Yに現像剤を供給するための現像剤供給部材としての第1搬送スクリュ53Y及び第2攪拌スクリュ54Yと、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとの間に設けられた仕切り壁57Yと、仕切り壁57Yによって仕切られ第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yをそれぞれ収容した現像剤収容器としての現像剤収容部を構成する第1収容室58Y、第2収容室59Yとを有している。
現像装置50Yはまた、イエロー色のトナーを蓄えるトナーホッパー80Yと、トナーホッパー80Yと第2収容室59Yとを連通させる、現像ケース55Yに穿設されたトナー補給口87Yと、現像剤中のトナー濃度を測定するトナー濃度検知手段としてのトナー濃度検知センサ56Yとを有している。
現像装置50Yはまた、直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、現像ローラ51Yを駆動する図示しない現像駆動手段と、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとを互いに逆方向に回転駆動する図示しない搬送駆動手段と、トナーをトナーホッパー80Yから第2収容室59Yに補給する図示しないトナー補給手段等を有している。
現像ローラ51Yは、磁界発生手段としてのマグネットローラ81Yと、マグネットローラ81Yを内包し現像駆動手段により図中時計方向であるC1方向に駆動される非磁性の現像スリーブ82Yとを有している。
マグネットローラ81Yは、図示を省略するが、現像ケース55Yに固定されたプラスチックローラと、プラスチックローラに埋め込まれた複数の磁極を形成する複数の磁石であるマグネットブロックとを有している。
現像スリーブ82Yは、現像ケース55Y及びマグネットローラ81Yに回転自在に支持されている。現像スリーブ82Yは、バイアス印加手段により感光体ドラム20Yとの間に適当な大きさの現像バイアスを印加される。現像領域における現像スリーブ82Yと感光体ドラム20Yとのギャップすなわち現像ギャップは、0.3±0.05mmとなるように設定されている。
現像ブレード52Yは、SUS材料で形成されている。現像スリーブ82Yと現像ブレード52Yとのギャップすなわちドクターギャップは、0.5±0.04mmとなるように設定されている。
第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yは、現像ローラ51Yの幅方向言い換えると現像ローラ51Yの長手方向である、図2における紙面に垂直な方向に延在するように配設されている。
第1搬送スクリュ53Yは、現像ローラ51Yに隣接するように現像ローラ51Yと対向配置されており、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、第1収容室58Y内の現像剤を、図2における紙面手前側から奥側へと搬送しながら現像ローラ51Yに供給する。第1搬送スクリュ53Yによって第1収容室58Y内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Y一端部に形成された図示しない開口部を通って第2収容室59Y内に進入し、第2搬送スクリュ54Yに受け渡される。
第2搬送スクリュ54Yは、第1搬送スクリュ53Yを挟んで現像ローラ51Yと逆側に配設されており、第2収容室59Y内において、搬送駆動手段によって回転駆動されることで第1収容室58Yから送られてくる現像剤を第1搬送スクリュ53Yとは逆方向に搬送する。第2搬送スクリュ54Yによって第2収容室59Y内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Y他端部に形成された図示しない開口部を通って第1収容室58Y内に進入し、第1搬送スクリュ53Yに受け渡される。
このとき、トナーホッパー80Yからトナー補給口87Yを介してトナーが補給された場合には、第2搬送スクリュ54Yは、補給されたこの新規トナーを現像剤中に攪拌混合しながら搬送を行う。これにより、補給されたトナーは、現像装置50Y内の現像剤全体に徐々に広がっていく。その過程で、供給されたトナーは、現像剤中のキャリアや他のトナーとの摩擦によって帯電される。
本形態において、トナーには、正極に帯電するものを用いている。すなわち、トナーが正規帯電したとき、その極性は正極となり、トナーが逆帯電したとき、その極性は負極となる。
第1搬送スクリュ53Yと現像ローラ51Yとの対向領域において、第1搬送スクリュ53Yによって搬送されている現像剤は、マグネットローラ81Yによって汲み上げられて現像ローラ51Y表面に担持される。
現像ブレード52Yによって現像剤の担持量を規制され層厚を規制された現像ローラ51Yは、その回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ51Yと感光体ドラム20Yとの間の現像領域に、現像ブレード52Yによって量を適量とされた現像剤を運ぶ。
現像領域においては、現像剤がマグネットローラ81Yによって現像スリーブ82Y上に穂立ちして磁気ブラシを形成し、バイアス印可手段によるバイアスにより、現像剤中の、特に磁気ブラシ先端部のトナーに現像ポテンシャルが作用し、磁性キャリアの表面からトナーが感光体ドラム20Yの表面に形成された静電潜像に静電的に移行して、静電潜像をイエロートナー像として可視像化するようになっている。なお、現像ブレード52Yによる規制によっても、トナーの帯電が促進される。
現像によりイエロートナーを消費した現像剤は、現像ローラ51Yの回転に伴って現像装置50Y内に戻される。
本形態では、バイアス印加手段により直流成分の現像バイアスを印加しているが、現像バイアスは、交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
このように、現像装置50Yにおいては、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yによって攪拌搬送された現像剤は、マグネットローラ81Yの磁力により汲み上げられて現像スリーブ82Yに担持され、感光体ドラム20Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体ドラム20Y上の潜像にトナーが供給されて現像が行われる。現像後のトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ82Y表面から第1収容室58Y内に解放され、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yにより第1収容室58Y、第2収容室59Y内の現像剤と攪拌され、再び現像スリーブ82Y表面に汲み上げられるというサイクルを繰り返す。マグネットブロックはこのようなサイクルを繰り返すように配設されている。
このようなサイクルにおいて、現像剤中のトナーが消費されるため、トナー濃度が低下する。トナー濃度の低下はトナー濃度検知センサ56Yによって検知される。トナー濃度検知センサ56Yは、現像剤の透磁率によりトナー濃度を測定する透磁率センサである。
トナーと磁性のキャリアとを含む現像剤において、トナー濃度が低いとキャリアの比率が増加するため透磁率が高くなり、トナー濃度が高いとキャリアの比率が低下するため透磁率が低くなることから、トナー濃度の低下と電圧Voutの上昇とはほぼ正比例の関係にある。
よって、トナー濃度検知センサ56Yからの出力電圧Voutに基づいて制御手段がトナー濃度の低下を認識したときに、制御手段が、出力電圧Voutが所定の大きさに回復するまで、トナー補給手段を駆動し、トナーホッパー80Yから、トナーを第2収容室59Yに供給するように構成することで、現像剤中のトナー濃度が、現像に適した所定の範囲内となるように制御され、高品質の画像を得るのに寄与する。
現像剤の詳細については後述する。
帯電装置30Yは、ワイヤ31aY、ケーシング31bYの他に、ワイヤ31aYを清掃する放電ワイヤ清掃装置を備えている。以下、帯電装置30Yのこれらの構成について、符号の末尾のYを省略して説明する。
図3又は図4又は図5に示すように、放電ワイヤ清掃装置111は、ワイヤ31aの張設方向XYに沿って往復動する清掃部材112と、清掃部材112を支持し清掃部材112とともにワイヤ31aに沿って往復動する往復動部材113と、往復動部材113をその正逆回転により往復動させる回転軸としての送りねじ棒であるねじ棒114と、ねじ棒114を回転駆動する図示しない駆動源としてのモータとを有している。図4、図5において矢印X1、X2は、ワイヤ31aの張設方向X1X2とともに、これと平行な、往復動部材113の往動方向X1、復動方向X2を示している。なお、図5においては、ねじ棒114の図示を省略している。
往復動部材113は、清掃部材112を支持した支持部113aと、支持部113aをその一方の面に突設された平板状の基部113bと、ねじ棒114にねじ結合した螺合部113cと、基部113bの他方の面側に位置し基部113bを螺合部113cに対して回転自在に支持し連結した連結部113dと有している。支持部113aと基部113bとにより支持部材としてのクリーナ115が構成されている。螺合部113cと連結部113dとによりクリーナ115をワイヤ31aに沿って往復動させるためのスライダ116が構成されている。
支持部113aは、ワイヤ31aを挟んで互いに対向する第1の支持部113a1と第2の支持部113a2とを有している。基部113bは、支持部113aの反対側に、連結部113dに回転自在に嵌合する図示しない突部を有しており、連結部113dにより、感光体ドラム20に対向する平面内すなわち図5の紙面と平行な平面内で回転自在に支持されている。感光体ドラム20は、図3、図4における上方、図5の紙面手前側に位置する。これにより、クリーナ115は、感光体ドラム20に対向する平面内で回転自在とされている。
螺合部113cは、下部が切り欠かれた円筒状をなし、その内周面に図示しない螺旋溝が形成され、この螺旋溝がねじ棒114と螺合している。これにより、スライダ116が、ねじ棒114の正転時には、X1方向に移動し、ねじ棒114の逆転時には、X2方向に移動するようになっている。
清掃部材112は、往動時にワイヤ31aに係合し摺接する第1の清掃部112aと、復動時にワイヤ31aに係合し摺接する第2の清掃部112bとを有している。
第1の清掃部112aは、ワイヤ31aの他方側かつX1方向下流側に位置する部材である清掃材としてのワイヤクリーナパッド112a1と、ワイヤ31aの一方側かつX1方向上流側に位置する部材である清掃材としてのワイヤクリーナパッド112a2とを有している。
第2の清掃部112bは、ワイヤ31aの一方側かつX1方向下流側に位置する部材である清掃材としてのワイヤクリーナパッド112b1と、ワイヤ31aの他方側かつX1方向上流側に位置する部材である清掃材としてのとしてのワイヤクリーナパッド112b2とを有している。
このように、第1の清掃部112aと第2の清掃部112bとはそれぞれ、ワイヤ31aに対して互いに反対側から係合する2つの部材を有している。
ワイヤクリーナパッド112b1とワイヤクリーナパッド112a2とは、第1の支持部113a1によって支持されており、ワイヤクリーナパッド112a1とワイヤクリーナパッド112b2とは、第2の支持部113a2によって支持されている。クリーナ115は、図6に示すように、第1の清掃部112aをワイヤ31aに係合させる第1の態位と、図7に示すように、第2の清掃部112bをワイヤ31aに係合させる第2の態位とを占めることが可能となっている。
クリーナ115は、その往動の始端部で第1の態位を占める状態となり、その復動の始端部で第2の態位を占める状態となるようになっている。クリーナ115のこのような動作は、放電ワイヤ清掃装置111に備えられた、図3ないし図19の何れかに少なくともその一部を示す搖動手段117によって行われる。
搖動手段117は、スライダ116と、ワイヤ31aの張設方向X1X2にほぼ平行に設けられた内側面を有する並設部材としてのケーシング31bと、基部113bに凸設して形成された第1の係合部としての凸部である爪部118と、図5に示すクリーナ115の往動又は復動の始端部に配設され、爪部118に係合してクリーナ115の態位を第1の態位と第2の態位との間で変更するための第2の係合部としての、爪部118を受け入れるようケーシング31bに形成された凹部である孔部119、120と、孔部119、120が爪部118を受け入れた状態で基部113bに係合し、第1の清掃部112aと第2の清掃部112bとの何れもがワイヤ31aから離間するようクリーナ115の姿勢を制御する、図8ないし図19にその何れかを示す姿勢制御部材121、122とを有している。
なお、図5においては、クリーナ115の往復動の始端を区別することなく図示しているため同一の部分を孔部119、120として示しているが、実際には、孔部119は図8ないし図10又は図17ないし図19に示すように、クリーナ115の往動の始端、言い換えると復動の終端に位置し、孔部120は図11ないし図16に示すようにクリーナ115の復動の始端、言い換えると往動の終端に位置している。
また、姿勢制御部材121は図8ないし図10又は図17ないし図19に示すように、クリーナ115の往動の始端、言い換えると復動の終端に位置し、姿勢制御部材122は図11ないし図16に示すようにクリーナ15の復動の始端、言い換えると往動の終端に位置している。
爪部118は、尖端118aの両側に辺118X、118Yを有している。辺118Xは、尖端118aよりX1方向下流側に位置している。辺118Yは、尖端118aよりX2方向下流側に位置している。本形態において凹部はケーシング31bに穿設された孔部119又は孔部120とされているが、本発明にかかる凹部とは、以下説明するように、爪部118のような凸部を受け入れ、またその縁部で凹部に係合してかかる凸部を備えたクリーナ115のような支持部材を搖動させる形状を意味するものであって、孔形状に限らず、文字通り凹形状をなしているものであってもよい。
図5又は図8又は図13又は図14又は図19に示すように、爪部118は、クリーナ115の往復動の始端部においては、基部113bが姿勢制御部材121または姿勢制御部材122と係合することにより、ケーシング31bとの係合が解除された状態となり、清掃部材112のワイヤ31aに対する係合も解除された状態となる。
クリーナ115が往動を開始するときには、爪部118が孔部119のX1方向下流側の縁部に係合し、クリーナ115が感光体ドラム20に対向する平面内で搖動し、図5に示すように、クリーナ115の往動中においては、辺118Xが、ケーシング31bの内側面に摺接し、クリーナ115の第1の態位を維持する。
クリーナ115が復動を開始するときには、爪部118が孔部120のX2方向下流側の縁部に係合し、クリーナ115が感光体ドラム20に対向する平面内で搖動し、図7に示すように、クリーナ115の往動中においては、辺118Yが、ケーシング31bの内側面に摺接し、クリーナ115の第2の態位を維持する。
ワイヤクリーナパッド112a1、112a2、112b1、112b2は何れも、ワイヤ31aの形状に沿って変形する弾性部材を有している。具体的には、第1の清掃部112aを構成するワイヤクリーナパッド112a1、112a2は、弾性部材としての多孔性発泡部材を有しており、第2の清掃部112bを構成するワイヤクリーナパッド112b1、112b2は、弾性部材としてのフェルト状の不織布を有している。
図20に示すように、第1の清掃部112aを構成するワイヤクリーナパッド112a1、112a2は、多孔性発砲部材150と、多孔性発砲部材150上に一体化されワイヤ31aに当接する研磨剤含有層151とを有している。研磨剤含有層151は、ポリエステル製不織布であり、研磨剤が全体に含浸してあり、ワイヤ31aを研磨する機能を有している。研磨剤含有層151は研磨剤を練り込んだものであってもよい。
このようにしてワイヤクリーナパッド112a1、112a2にワイヤ31aを研磨する機能を持たせることで清掃部材112にワイヤ31aを研磨する機能を持たせる場合には、研磨剤含有層151に研磨剤を含浸あるいは練り込んだ構成に代えて、またはこれとともに、多孔性発砲部材150に研磨剤を含ませた構成あるいは練り込んだ構成とすることができる。
研磨剤含有層151を有する構成においては、ワイヤ31aが多孔性発砲部材150の弾性によりワイヤクリーナパッド112a1、112a2に食い込むことで常に安定した清掃機能を保つという利点がある。
多孔性発泡部材には、スポンジ等が含まれる。
研磨剤の詳細については後述する。
第2の清掃部112bを構成するワイヤクリーナパッド112b1、112b2の材質であるフェルト状の不織布は、ワイヤ31aに付着した不要物を吸着し、保持するものである。ワイヤクリーナパッド112b1、112b2の材質は、多孔性発泡部材でもよく、多孔性発泡部材には、第1の清掃部112aにおけると同様、スポンジ等が含まれる。多孔性発泡部材とする場合には、多孔性発砲部材150の材質と共通化することがコスト抑制の点から好ましい。
不要物とは、感光体ドラム20等から飛翔し又画像形成装置100内の雰囲気中を漂っていたトナーや紙粉、及び第1の清掃部112aの研磨機能によりワイヤ31aから剥離されたかかるトナー等、第1の清掃部112aの研磨により生じた研磨粉等であって、ワイヤ31aに付着しており、放電に影響を及ぼすものをいう。第2の清掃部112bを構成するワイヤクリーナパッド112b1、112b2の材質は、このような不要物をワイヤ31aから除去するものであれば、かかる不要物を吸着するもの、保持するもの、あるいはその両方の性質を有するものの何れであってもよい。
また、本形態のように、第1の清掃部112aに放電ワイヤを研磨する第1の機能を持たせ、第2の清掃部112bに放電ワイヤに付着した不要物を吸着等する第2の機能を持たせれば、第1の清掃部112aと第2の清掃部とで異なる機能を有し、往動時、復動時の両方で清掃が行われるため清掃効率が向上している上に、これに加えて、往動時、復動時での清掃機能が異なっているので、さらに清掃効率が向上している。特に、第1の清掃部112aにより往動時にワイヤ31aから研磨によって剥離された不要物が、第2の清掃部112bにより復動時にワイヤ31aから拭われるようにして除去されるため、清掃効率が極めて高い。
なお、第1の清掃部112aと第2の清掃部112bとで異なる機能を持たせる場合には、本形態と異なり、第2の清掃部112bに研磨機能を持たせ、第1の清掃部112aに吸着等の機能を持たせてもよいが、クリーナ115の一回あるいは複数回の往復動で一回の清掃動作が終了する場合には、研磨機能により剥離された不要物をすぐに拭うことが好ましく、したがって、本形態のように往動にて作用する第1の清掃部112aに研磨機能を持たせ、復動にて作用する第2の清掃部112bに吸着等の機能を持たせることが好ましい。また、コスト面等を考慮し、第1の清掃部112aと第2の清掃部112bとに同一の機能をもたせてもよい。
このような構成の放電ワイヤ清掃装置111においては、図8に示すように、クリーナ115は、往動の始端部において、姿勢制御部材121に係合し、爪部118が孔部119に進入してケーシング31bに対する係合を解除され、清掃部材112もワイヤ31aから離間している。この状態においてクリーナ115の占める位置をクリーナ115のホームポジションという。
モータに通電されねじ棒114が正転されると、スライダ116の作用によりクリーナ115が往動を開始してX1方向に移動を開始する。図9に示すように、爪部118が孔部119のX1方向下流側縁部に係合し、さらにクリーナ115がX1方向に移動すると、クリーナ115が感光体ドラム20に対向する平面内で、図における時計方向であるD方向に回転、搖動を開始し、第1の清掃部112がワイヤ31aへの係合を開始する。
図10に示すように、クリーナ115がさらにX1方向に移動すると、辺118Xがケーシング31bの内側縁に係合し、同内側縁に辺118Xが摺接しながら、クリーナ115がX1方向への移動を続け、この過程において第1の係合部112aがワイヤ31aの清掃作用、具体的には研磨作用を行い、不要物をワイヤ31aから剥離する。
図11に示すように、クリーナ115が往動端付近まで移動すると、図12に示すように、爪部118とケーシング31bの内側縁との係合が解除され、基部113bと姿勢制御部材122との係合が始まり、爪部118が孔部120に進入し、クリーナ115は図における反時計方向であるE方向に回転、搖動を開始する。
図13に示すように、クリーナ115が往動の終端まで移動すると、基部113bと姿勢制御部材122との係合により、第1の清掃部112aがワイヤ31aから離間するまで、クリーナがE方向に回転、搖動し、この状態でモータへの通電が停止し、ねじ棒114の回転が停止されてクリーナ115のX1方向への移動が停止する。これによりクリーナ115の往動が終了するとともに、第1の清掃部112aによるワイヤ31aの清掃、具体的には研磨工程が終了する。
図13又は図14に示すように、クリーナ115は、往動の終端部、言い換えると復動の始端部において、姿勢制御部材122に係合し、爪部118が孔部120に進入してケーシング31bに対する係合を解除され、清掃部材112もワイヤ31aから離間している。往動のためのモータへの通電の停止に続けて、モータに復動のための通電が開始され、ねじ棒114が逆転されると、スライダ116の作用によりクリーナ115が復動を開始してX2方向に移動を開始する。
図15に示すように、爪部118が孔部119のX2方向下流側縁部に係合し、さらにクリーナ115がX2方向に移動すると、クリーナ115が感光体ドラム20に対向する平面内で、E方向に回転、搖動を開始し、第1の清掃部112がワイヤ31aへの係合を開始する。
図16に示すように、クリーナ115がさらにX2方向に移動すると、同内側縁に辺118Yが摺接しながら、クリーナ115がX2方向への移動を続け、この過程において第2の係合部112bがワイヤ31aへの清掃作用、具体的には不要物の吸着作用、保持作用を行い、不要物をワイヤ31aから除去する。
図17に示すように、クリーナ115が復動端付近まで移動すると、図18に示すように、爪部118とケーシング31bの内側縁との係合が解除され、基部113bと姿勢制御部材121との係合が始まり、爪部118が孔部119に進入し、クリーナ115はD方向に回転、搖動を開始する。
図19に示すように、クリーナ115が復動の終端まで移動すると、基部113bと姿勢制御部材121との係合により、第2の清掃部112bがワイヤ31aから離間するまで、クリーナ115がD方向に回転、搖動し、この状態でモータへの通電が停止し、ねじ棒114の回転が停止されてクリーナ115のX2方向への移動が停止する。
これによりクリーナ115がホームポジションを占め、復動が終了するとともに、第2の清掃部112bによるワイヤ31aの清掃、具体的には不要物の吸着工程、保持工程が終了し、放電ワイヤ清掃装置111による清掃動作が終了する。放電ワイヤ清掃装置111による清掃動作は、クリーナ115のかかる往復動を複数回行うことで終了するようにしてもよい。
図21に示すように、ワイヤ31aは、細線加工されたタングステンワイヤ152と、タングステンワイヤ152表面に金メッキ処理によって形成された保護膜としてのメッキ膜153とを有している。同図(a)は、メッキ膜153を、タングステンワイヤ152表面に単に金メッキ処理によって形成した状態を示しており、同図(b)は、メッキ膜153を、タングステンワイヤ152表面に単に金メッキ処理によって形成した後、金メッキ処理に次ぐ2次加工として鏡面加工した状態を示している。
ワイヤ31aにタングステンワイヤ152を用いているのは、小径化によって放電電圧を低くすることが可能であり、初期の放電電圧が低いことにより経時でワイヤ31aへの付着物の増加に応じて帯電電圧が上昇した場合でも部分的あるいは突発的なアーク放電言い換えるとリークが発生しにくいという利点があるためである。
ワイヤ31aは、メッキ膜153によって、その表面に不要物が付着しにくくなっており、経時的にも帯電に適した良好な状態が保たれやすくなっている。またメッキ膜153が、酸化膜等に比べて不要物の付着しやすい金メッキであることにより、清掃頻度が低減され、ダウンタイムが短縮されている。
ただし、タングステンワイヤ152の周面には、タングステンワイヤ152の細線加工時に形成される、タングステンワイヤ152の長手方向に沿った微小な凹凸が見られる。そのため、同図(a)に示されているように、メッキ膜153を、タングステンワイヤ152表面に単に金メッキ処理によって形成した状態では、メッキ膜153表面に、タングステンワイヤ152表面のかかる凹凸に沿った微小な凹凸が現れる。このようなメッキ膜153でも、金メッキ処理せずタングステンワイヤ152が露出した状態に比較すると不要物の付着は圧倒的に少ないが、かかる微小な凹凸によっても、同図(b)に示したメッキ膜153に比べて、不要物は付着しやすくなる。
そこで、同図(b)に示すように、メッキ膜153には、かかる凹凸がほぼなくなる鏡面加工を施すことが好ましく、本形態ではこのメッキ膜153を有するワイヤ31aを採用している。このワイヤ31aでは、同図(a)に示したワイヤ31aに比べて、不要物がより付着しにくい。
それでも、経時的には、ワイヤ31aへの不要物の付着はゼロにはできず、不要物が付着するため、放電ワイヤ清掃装置111によって、上述のように清掃を行うようになっている。ただし、清掃間隔は、同図(a)に示した場合よりも、同図(b)に示す場合の方が大きくすることが可能となっている。
しかし、放電ワイヤ清掃装置111のように、清掃性向上のために研磨剤を採用した構成においては、すでに述べたように、放電ワイヤの保護層すなわち本形態におけるワイヤ31aのメッキ膜153が傷付きやすい。
そこで、放電ワイヤ清掃装置111において用いる研磨剤は、アルミナをその成分としているとともに、その粒度が、♯6000〜8000であり、かつ、メッキ膜153の厚さを1.5μm以上とし、タングステンワイヤ152の直径を30μm以上としている。
このような条件の組み合わせにより、清掃によるメッキ膜153の傷はなくなるか、ほぼ無くなり、経時においても不要物の付着が少ない状態が維持される。
このことは、図22にその結果を示す、ランニング試験によって確かめられたものである。このランニング試験は、画像形成装置100の構成と同様の構成のフルカラー画像形成装置にて、メッキ膜153の膜厚と、研磨剤の粒子直径を変化させ、実通紙による試験によって行ったものである。同図(a)はタングステンワイヤの直径が40μmの場合、同図(b)はタングステンワイヤの直径が60μmの場合である。
上記条件においてタングステンワイヤ152の直径が30μm以上であるのは、タングステンワイヤの強度に起因する帯電装置30の生産限界がかかる範囲となるためである。ランニング試験において直径が40μm、60μmのタングステンワイヤを用いたのは、タングステンワイヤの直径を40μm以上とすればかかる生産性が損なわれないためである。
メッキ膜153の膜圧は1μm、1.5μm、3μmのいずれかとした。
研磨剤の粒子直径は、累積高さ50%点〔規格番号JISR6002、規格名称:研削といし用研磨材の粒度の試験方法(電気抵抗試験方法)〕におけるものである。
研磨剤の粒子直径において、♯4000、♯6000、♯8000とあるのは、JIS規格による粒度であることを示している。このJIS規格は、具体的には、〔規格番号JISR6001、規格名称:研削といし用研磨剤の粒度〕である。なお、研磨剤の粒子直径が♯6000〜8000であることは、累積高さ50%点の粒子径が1.2〜2.0μmであることに等しい。
清掃は1万枚の画像形成ごとに行った。
同図において、試験の結果は、ランク1〜5によるランク付けによって行っている。かかるランク付けは、ワイヤ31aの劣化による異常を判断するために、ハーフトーン画像を出力し、濃度ムラを目視して行った。ワイヤ31aの劣化は放電ムラとなり、感光体ドラム20上の帯電ムラとなって画像の濃度ムラとして現れるためである。ランク4未満のであるとワイヤ寿命と判断される。すなわち、ランク4以上でワイヤ31aは放電に適した状態であると判断される。
同図から、上述の条件を満たす場合に、長期にわたって、濃度ムラは問題とならず、ワイヤ31aは放電に適した状態に保たれることが分かる。すなわち、かかる寿命試験の結果、上述の条件を満たせばメッキ膜153の傷や剥れ等の不具合が顕在化することがない事が確かめられた。これは、研磨剤の直径が、タングステンワイヤ152の直径よりも十分に小さいためと考えられる。
なお、後述するように、現像剤は、高画質化が可能であるものの感光体ドラム20のクリーニング性に不利な重合トナーを含んでいるが、このような現像剤を用いても、20万枚通紙後においてハーフトーン濃度ムラはランク4以上であり、良好であった。
また、研磨剤の粒子直径が♯6000よりも小さい、すなわち上記粒子径2.0μmよりも大きい研磨剤では、経時でメッキ膜153へのダメージが現れ始めるため、装置寿命が不十分となり、一方、研磨剤の粒子直径が♯8000より大きい、すなわち上記粒子径1.2μm未満の研磨剤では、不要物の除去性が低下することが確かめられた。
研磨剤は、全てがアルミナでなくても、アルミナを主成分としていれば良い。またアルミナに代えてその全てあるいはその主成分がシリコンであっても良い。また研磨剤の全てあるいはその主成分がアルミナ及びシリコンの混合物であっても良い。研磨剤がこれらのものであっても、上述と同様の効果が得られる。
メッキ膜153の厚さは、上述のように1.5μm以上であることに加え、3.0μm以下であることが好ましい。メッキ膜153の厚さが3.0μmを超えるとコストが急激に上昇するためである。またかかる範囲であれば、上述の効果も同様に得られる。
タングステンワイヤ152の直径は、上述のように、30μm以上であれば良いが、さらには、40μm以上60μm以下であることが好ましい。タングステンワイヤ152の直径が40μm未満であると、上述のように強度が低下してワイヤ31aが破断しやすくなり、帯電装置30の生産性が低下し、また、タングステンワイヤ152の直径が60μmより大きいと、放電によるオゾンや放電生成物が増大しこれらを処理するための排気ダクトとを大型化する必要が有り帯電装置30、画像形成装置100の大型化及びコスト増を生じるためである。
以上のような構成により、汚れの付着しにくいワイヤ31a、及び、研磨剤を用いた清掃性の高い放電ワイヤ清掃装置111を用い、清掃後におけるワイヤ31aには不要物の残留がほとんどなくなるとともに、このような良好な清掃性を確保しつつも、メッキ膜153の状態が経時的に維持され、放電ムラ、帯電ムラ、濃度ムラが問題とならない、高寿命の帯電装置30が実現されている。
画像形成装置100において用いる現像剤について説明する。現像剤は、キャリアとトナーとを含んでいる。
トナーは、体積平均粒径10μ以下、特に3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲にあることが好ましい。
小粒径のトナーを用いることで、潜像に対して緻密にトナーを付着させることができる。しかしながら、かかる範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。逆に、トナーの体積平均粒径がかかる範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。しかしながら、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)及びパーソナルコンピュータ(PC9801:NEC社製)に接続し、測定した。
トナーの平均円形度は、0.93以上1.00以下であることが好ましい。
円形度とは、トナーの形状を表すパラメータの1つである。
トナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.93未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。
なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。詳しくは後述する。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.90以上1.00以下のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である事が判明した。より好ましくは、平均円形度が0.93〜0.97で円形度が0.94未満の粒子が10%以下である。
平均円形度が0.93未満であると、例えば、画像面積率の低い画像を出力する場合、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合、さらには、給紙不良等で未転写の状態の画像が感光体ドラム20上に残ってしまった場合、クリーニング不良が発生しやすい。
トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
また、画像形成装置100で使用するトナーは、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあることが好ましい。
図23は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム20との接触が点接触に近くなるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム20との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーはクリーニングブレード41と感光体ドラム20との間隙に入り込みやすいため、トナーの形状係数SF−1又はSF−2はある程度大きい方がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
尚、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
画像形成装置100に好適に用いられるトナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤と含むトナー組成物を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法の例を挙げて説明する。
(変性ポリエステル)
トナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
(未変性ポリエステル)
前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、トナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図24は、トナーの形状を模式的に示す図である。図24において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、トナーは、短軸と長軸との比(r2/r1)(図24(b)参照)が0.5以上1.0以下で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図24(c)参照)が0.7以上1.0以下の範囲にあることが好ましい。短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体ドラム20にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、上述のように自動原稿給紙装置22に原稿をセットするか、コンタクトガラス21a上に原稿を載置した状態で、操作パネルのスタートボタンを押下する。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
複写を行う場合であって、原稿を自動原稿給紙装置22にセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像データが生成される。
原稿の読み取りに際しては、第1走行体21b、第2走行体21cが走行し、光源からの光が原稿に向けて照射され、原稿面からの反射光が第1の反射体により第2走行体21cの方向に反射され、これが第2の反射体によって180度方向を変えて結像レンズ21dを通って読み取りセンサ21eに入射し、読み取りセンサ21eによって原稿の内容が読み取られる。
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKが作動する。
画像ステーション60Yにおいては、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に良好に帯電される。この帯電は、上述のようにワイヤ31aYの状態が経時的に良好に保たれることから、経時的にも良好に行われる。
感光体ドラム20Yはさらに、光走査装置8からのレーザー光Lの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置50Yによりイエロー色のトナーにより現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する中間転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置40Yにより除去されて除電装置61Y、帯電ローラ31Yによる次の除電、帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する中間転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写され、フルカラーの合成カラー画像が形成される。中間転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、中間転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ17と転写入口ローラ73との対向位置である圧接部となった2次転写ニップまで移動しシートに2次転写される。
中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間に搬送されてきたシートは、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ13によって、搬送を一時停止された後、センサによる検出信号に基づいて、中間転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ17に到達するタイミングを計って搬送を再開され、送り出されたものである。
シートは、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、搬送装置76に搬送されて定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、シート上にカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みのシートは、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。一方、2次転写を終えた中間転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、除電工程は、クリーニング工程の後、かつ帯電工程の前に行うようにしても良い。1次転写、2次転写は、上述の帯電装置のようなワイヤ方式による転写装置によって行っても良い。2次転写後の除電装置を備えていてもよく、この除電装置は上述の帯電装置のようなワイヤ方式を採用することができる。
本発明は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。
いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像をシート等に直接転写する直接転写方式を採用しても良い。この場合、複数の像担持体上のトナー像は、直接、シートに転写される。画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。これらの場合、その構成は、たとえば、上述したように、図2を参照して、転写ベルト11がシートに相当しうる。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた複数の像担持体のうち1つの像担持体周りの構成を示す概略正面図である。 図2に示した帯電装置に備えられた放電ワイヤ清掃装置の正面図である。 図3に示した放電ワイヤ清掃装置の側面図である。 図3に示した放電ワイヤ清掃装置の平面図である。 図5に示した支持部材の第1の態位を示す平面図である。 図5に示した支持部材の第2の態位を示す平面図である。 支持部材が清掃開始時においてホームポジションを占める状態を示す平面図である。 第1の係合部が往動時において第2の係合部への係合を開始した状態を示す平面図である。 支持部材が第1の態位を維持したまま往動を継続する様子を示した平面図である。 支持部材が往動の終端付近まで移動した様子を示した平面図である。 第1の係合部が往動時においてケーシングへの係合を終了した状態を示す平面図である。 支持部材の往動の終端での様子を示す平面図である。 支持部材の復動の始端での様子を示す平面図である。 第1の係合部が復動時において第2の係合部への係合を開始した状態を示す平面図である。 支持部材が第1の態位を維持したまま復動を継続する様子を示した平面図である。 支持部材が復動の終端付近まで移動した様子を示した平面図である。 第1の係合部が復動時においてケーシングへの係合を終了した状態を示す平面図である。 支持部材が清掃終了時においてホームポジションを占める状態を示す平面図である。 図2に示した帯電装置に備えられた清掃部材の拡大断面図である。 図2に示した帯電装置に備えられた放電ワイヤの拡大断面図である。 メッキ膜厚、研磨剤の粒度、放電ワイヤの直径を変化させて放電ワイヤの経時変化の度合いを調べたランニング試験の結果を示したチャートである。 図1に示した画像形成装置に用いるトナーの形状係数SF−1、SF−2を説明するための概念図である。 図1に示した画像形成装置に用いるトナーの長軸、短軸、厚さの相互関係を説明するための概念図である。
符号の説明
20Y、20M、20C、20BK、20 像担持体
30Y、30M、30C、30BK、30 帯電装置
31aY、31a 放電ワイヤ
100 画像形成装置
112a1、112a2 清掃部材
152 タングステンワイヤ
153 メッキ膜

Claims (13)

  1. 像担持体を帯電させるための放電ワイヤと、
    前記放電ワイヤを清掃する清掃部材とを備え、
    前記清掃部材が、アルミナ及び/又はシリコンを含む研磨剤を有し、
    前記研磨剤の粒度が、♯6000〜8000であり、
    前記放電ワイヤが、金メッキ処理によるメッキ膜を形成されたタングステンワイヤであり、
    前記メッキ膜の厚さが1.5μm以上であり、前記タングステンワイヤの直径が30μm以上である帯電装置。
  2. 請求項1記載の帯電装置において、
    前記メッキ膜の厚さが3μm以下であることを特徴とする帯電装置。
  3. 請求項1または2記載の帯電装置において、
    前記タングステンワイヤの直径が40μm以上60μm以下であることを特徴とする帯電装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の帯電装置において、
    前記メッキ膜表面が鏡面加工されていることを特徴とする帯電装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置を有する画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置において、
    体積平均粒径が10μm以下で、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5または6記載の画像形成装置において、
    平均円形度が0.93以上1.00以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    形状がほぼ球形状であり、
    短軸の長さr2と長軸の長さr1との比r2/r1が0.5以上1.0以下であり、
    厚さr3と前記短軸の長さr2との比が0.7以上1.0以下であり、
    前記長軸の長さr1≧前記短軸の長さr2≧前記厚さr3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5ないし9の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは少なくとも、
    窒素原子を含む官能基を有するポリエステルポリマーと、
    ポリエステルと、
    着色剤と、
    離型剤と
    を含むトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸張反応させて形成したものであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項5ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置に着脱可能に備えられ、
    請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置と、
    前記帯電装置によって帯電される像担持体と、
    前記像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置と、
    前記像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置とのうちの少なくとも1つを一体的に構成したプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置を用いて像担持体を帯電させる帯電方法。
  13. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置、または、請求項5ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置、または、請求項12記載の帯電方法を用いて画像形成を行う画像形成方法。
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