JP2009047858A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Toshifumi Tsuruta
稔史 鶴田
Yuichi Takei
勇一 武居
Hisahiro Ishihara
久寛 石原
Tsuneo Sato
恒雄 佐藤
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Abstract

【課題】装置全体のコンパクト化を図りつつ、移動体を光軸方向に駆動する際の推力を向上させることが可能なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】移動体(鏡筒14等)と、移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体(バックヨーク11等)と、磁気駆動機構(マグネット17等)と、固定体の被写体側を覆うカバー部(カバー12)と、を有するレンズ駆動装置1において、磁性材料からなるカバー部は、磁気駆動機構より被写体側に配置されるとともに、磁気駆動機構と磁路を形成する磁路形成部(板部121や爪部121a〜121d)を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズを光軸方向に変位駆動して被写体の像を結像させるレンズ駆動装置に関する。
近年、カメラが搭載されたカメラ付き携帯電話機が普及するにつれ、その携帯電話機を用いて様々な被写体を撮影する機会が増えている。例えば、友人や風景など、カメラのレンズからある程度離れた被写体を撮影(通常撮影)したり、バスの時刻表や花びらなど、カメラのレンズと近接した位置にある被写体を撮影(接写撮影)したりする場合がある。
接写撮影(マクロ撮影)の場合、カメラのレンズ位置は、通常撮影時のレンズ位置よりも、僅かに被写体側に近づいた位置にする必要がある。そのため、この種の撮影レンズ系では、レンズを光軸方向に変位駆動する磁気駆動機構を備えており、スイッチの切り替えによってこの磁気駆動機構を駆動し、レンズを光軸方向に移動させることができるようになっている。例えば、レンズを備えた移動体と、光軸方向において離間する2箇所に配置された2枚の板バネを介して、移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体と、コイルとマグネットにより、移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、固定体の被写体側を覆うカバー部と、を有するカメラ用アクチュエータが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたカメラ用アクチュエータでは、全高を低くするため、カバー部を構成する金属板として、薄いステンレス板が用いられている。また、レンズユニットの推力向上のため、マグネットとコイルを覆うように、フロントヨークとバックヨークが設けられている。
特開2007−65432号公報(段落番号[0050],図1)
しかしながら、カバー部として非磁性材のステンレス板を用いた場合、これを磁気回路の一部とすることができない。そのため、アクチュエータの推進能力を最大限に引き出しているとは言い難い。
この点、上述したカメラ用アクチュエータでは、フロントヨークとバックヨークに集磁機能をもたせていることから、アクチュエータの推進能力は引き出されている、とも考えられる。しかし、両ヨークがある分だけ、径方向におけるヨークの空間占有率が増え、その結果、径方向におけるコンパクト化の要請を満たすことができない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置全体のコンパクト化を図りつつ、移動体を光軸方向に駆動する際の推力を向上させることが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) レンズを備えた移動体と、前記移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体と、コイルとマグネットを備え、前記移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、前記固定体の被写体側を覆うカバー部と、を有するレンズ駆動装置において、前記カバー部は、磁性材料からなり、前記磁気駆動機構より被写体側に配置されるとともに、前記磁気駆動機構と磁路を形成する磁路形成部を備えることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体と、移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、固定体の被写体側を覆うカバー部とを有するレンズ駆動装置で、カバー部は、磁性材料からなり、磁気駆動機構より被写体側に配置するとともに、そのカバー部に、磁気駆動機構と磁路を形成する磁路形成部を設けることとしたので、その磁路形成部の存在によって、漏れ磁束を少なくすることができ、磁気回路のパーミアンスが向上する。
したがって、移動体を光軸方向に駆動する際の推力を向上させることができる。一般に、レンズ駆動装置に流せる電流値(規定電流値)は定められており、本発明は、電流値を増大させることなく(規定電流値を超えないようにして)、効果的にコイル推力を確保することができる。
また、本発明は、従来のカメラアクチュエータのように、フロントヨークとバックヨークの双方を備えるものではない。したがって、径方向におけるコンパクト化を図ることもできる。
ここで、「磁路形成部」は、磁気駆動機構と磁路を形成するものであれば、その大きさ・形状・数などの如何は問わない。
(2) 前記磁路形成部は、前記移動体を位置決めするストッパー部から構成されることを特徴とする(1)記載のレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した磁路形成部は、移動体を位置決めするストッパー部から構成されることとしたので、移動体の位置決めを行いつつ、磁気回路のパーミアンスを向上させることができる。
(3) 前記ストッパー部は、前記移動体の周方向における移動を規制する第一規制部を備えていることを特徴とする(2)記載のレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したストッパー部には、移動体の周方向における移動を規制する第一規制部が設けられていることとしたので、この第一規制部によって、周方向において移動体が所定距離以上移動するのを規制することができる。
(4) 前記ストッパー部は、前記移動体の光軸方向における移動を規制する第二規制部を備えていることを特徴とする(2)又は(3)記載のレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したストッパー部には、移動体の光軸方向における移動を規制する第二規制部が設けられていることとしたので、この第二規制部によって、光軸方向において移動体が所定距離以上移動するのを規制することができる。
(5) 前記ストッパー部は、前記移動体のラジアル方向における移動を規制する第三規制部を備えていることを特徴とする(2)から(4)のいずれか記載のレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したストッパー部には、移動体の光軸方向における移動を規制する第三規制部が設けられていることとしたので、この第三規制部によって、ラジアル方向において移動体が所定距離以上移動するのを規制することができる。
(6) 前記磁路形成部は、前記移動体に形成された凹部に係合することを特徴とする(1)から(5)のいずれか記載のレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した磁路形成部は、移動体に形成された凹部に係合することとしたので、周方向,光軸方向,及びラジアル方向(径方向)において移動体が所定距離以上移動するのを規制することができる。
本発明に係るレンズ駆動装置によれば、移動体を駆動する際の推力を向上させることができる。また、磁気回路のパーミアンスを改善するにあたって、磁路形成部により光軸方向で集磁機能をもたせることとしたので、径方向におけるレンズ駆動装置のコンパクト化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[機械構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の外観構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の機械構成を示す分解斜視図である。
図1及び図2において、レンズ駆動装置1は、バックヨーク11と、カバー12と、スリーブ組13(第一のスリーブ131及び第二のスリーブ132)と、スリーブ組13の内周に取り付けられる鏡筒14と、第一の板バネ15と、ワイヤースプリング16と、マグネット17と、コイル組(第一のコイル181及び第二のコイル182)と、台座19と、第三のスリーブ20、第二の板バネ21と、を有している。そして、レンズ駆動装置1は、移動体としての鏡筒14やスリーブ組13等を、光軸L方向に沿って被写体(撮像対象)に近づくA方向(前側)、被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるものである(図1参照)。
なお、一又は複数枚のレンズを備え、鏡筒14の内部に取り付けられるレンズ組は、説明の便宜上、図示を省略している。鏡筒14,スリーブ組13,及び第三のスリーブ20は、レンズを備えた「移動体」の一例として機能する。また、バックヨーク11,台座19は、鏡筒14を光軸方向に移動可能に支持する「固定体」の一例として機能する。
バックヨーク11は、例えば鋼板などの強磁性板から構成され、角筒状を呈している。また、バックヨーク11は、レンズ駆動装置1の側面で露出し、その側面部を構成している。カバー12は、固定体の被写体側を覆うものであって、その中央には、被写体からの反射光をレンズに取り込むための円形の入射窓が形成されている。台座19は、像側で撮像素子(図示せず)を保持するものである。なお、本実施形態では、カバー12は、バックヨーク11の筒穴のうち被写体側の穴の一部を覆うようにしている。
第一のコイル181及び第二のコイル182は、鏡筒14の外周面に光軸の方向に2段に配置され、円環状となっている。マグネット17は、第一のコイル181及び第二のコイル182に対して外周側で対向し、バックヨーク11の内周面のうち4箇所の角部分に固定される。
マグネット17は、図2に示すように、8個で構成され、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。また、本実施形態では、例えば、前側に配置されたマグネット17では、内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、後側に配置されたマグネット17では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。なお、バックヨーク11と、マグネット17と、第一のコイル181及び第二のコイル182は、鏡筒14などの移動体を光軸方向に駆動する「磁気駆動機構」の一例として機能する。
第一の板バネ15及び第二の板バネ21は、双方とも金属製の薄板から形成されており、光軸方向における厚さを同じにしている。これにより、生産性を高めることができるようになっている。
バックヨーク11は、第一のコイル181及び第二のコイル182が配置されている領域の光軸方向の寸法、および、マグネット17の光軸方向の寸法よりも大きくなっているため、マグネット17と第一のコイル181との間に構成される磁路、及び、マグネット17と第二のコイル182との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。その結果、鏡筒14の移動量と、第一のコイル181及び第二のコイル182に流す電流との間のリニアリティを向上させることができる。
レンズ駆動装置1は、円環状のワイヤースプリング(磁性部材)16を備えている。ワイヤースプリング16は、マグネット17との間に作用する磁気吸引力により、移動体(鏡筒14等)に対して光軸方向の付勢力を印加する。このため、鏡筒14が無通電時に自重で変位することを防止することができ、ひいては移動体(鏡筒14等)に所望の姿勢を維持させることができる。なお、ワイヤースプリング16は、移動体を構成するスリーブ組13のうち被写体側(前側)の端面に配置されるとともに、移動体を構成するスリーブ組13と第一の板バネ15との間に介在するように配置される。
ここで、図2に示すように、カバー12は、磁性材からなる板材であり、その外形はほぼ四角形となっている。また、カバー12の外側端は、バックヨーク11に接しながら固定されている。中央に入射窓が形成された板部121を有しており、その板部121の四隅内側には、撮像素子側(後側)に延びる爪部121a〜121dが形成されている。また、カバー12は、磁気駆動機構より被写体側に配置されており(磁気駆動機構のうちバックヨーク11に関しては、カバー12は、少なくともバックヨーク11の一部より被写体側に配置される)、固定体の被写体側を覆う「カバー部」の一例として機能する。以下、上述した爪部121a〜121dについて詳細に説明する。
[爪部]
図3は、レンズ駆動装置1におけるカバー12を拡大したときの様子を示す図である。図3(a)は、カバー12を被写体側から見たときの外観構成を示す平面図であって、図3(b)は、カバー12を撮像素子側から見たときの外観構成を示す斜視図であって、図3(c)は、図3(b)における爪部121cを拡大した様子を示す図である。
図3(a)〜図3(c)に示すように、カバー12の四隅内側には、爪部121a〜121dが形成されている。これら爪部121a〜121dは、第一の板バネ15の4箇所のアーム部15aに対応するように形成されており、板部121からほぼ直角に折れ曲がっている(角部分はR面)。そして、本実施形態では、爪部121a〜121dを含めて、カバー12は磁性材料(例えば鉄など)からできている。したがって、爪部121a〜121dは、磁気駆動機構と磁路を形成する「磁路形成部」の一例として機能する。
また、図3(c)に示すように、カバー12の爪部121cは、移動体(鏡筒14など)の周方向における移動を規制する第一規制部としての第一規制面122と、移動体(鏡筒14など)の光軸方向における移動を規制する第二規制部としての第二規制面123と、移動体(鏡筒14など)のラジアル方向(径方向)における移動を規制する第三規制部としての第三規制面124,125と、を有している。このような各面を有することによって、ラジアル方向,光軸方向,及び周方向において、移動体が所定距離以上変位するのを防ぐことができる。
特に、本実施形態では、カバー12の爪部121a〜121dを、スリーブ組13のうち第一のスリーブ131(図2参照)の内周面に形成された凹部131a〜131dに係合させるようにしている。したがって、上述した規制面のうち、第一規制面122は、凹部131cの内周面によって所定距離以上の移動が規制される。以下、図4を用いて更に詳述する。
図4は、第一のスリーブ131及び第二のスリーブ132,第三のスリーブ20,及びコイル組18(第一のコイル181及び第二のコイル182)を拡大したときの様子を示す拡大図である。なお、図4(b)は、図4(a)に示す図を、A−A'面で切断したときの断面図である。
図4(a)に示すように、第一のスリーブ131には8個の凹部が形成され、スリーブ組13の内周に配置される鏡筒14の外周面との間に空間を形成するようになっている。このようにして形成された空間において、マグネット17が配置された光軸L方向に形成された凹部131a〜131dのそれぞれに、カバー12の爪部121a〜121dが係合するようになっている。特に、凹部131cに着目すると、内周面131eは、爪部121cの第一規制面122と対向し、移動体の周方向における(所定距離以上の)移動を規制する。反対側の内周面131fについても、同様である。
また、第一のスリーブ131の内周面131gは、爪部121cの第三規制面125と対向し、移動体のラジアル方向における(所定距離以上の)移動を規制する。なお、爪部121cの第三規制面124については、鏡筒14の前面に形成された突起部141(図2参照)の外周面と対向することによって、移動体のラジアル方向における(所定距離以上の)移動を規制する。
なお、凹部131bに着目すると、第一のスリーブ131の一面131hは、爪部121bの第二規制面123(図3(b)参照)と対向しており、移動体の光軸方向における(所定距離以上の)移動を規制する。他の凹部131a,131c,131dについても、同様である。
このように、カバー12に形成された爪部121a〜121dは、第1のスリーブ131により形成された凹部と係合することによって、移動体を位置決めする「ストッパー部」の一例として機能する。
図5は、カバー12に形成された爪部121bが、第一のスリーブ131の凹部131bに係合している様子を示す図である。
図5に示すように、爪部121bと凹部131bが係合した状態において、移動体は、第一のスリーブ131によって周方向及びラジアル外方向(径方向の外側へ)の移動が規制され、突起部141によってラジアル内方向(径方向の内側へ)の移動が規制され、第一のスリーブ131の一面131hによって光軸方向の移動が規制される。このように、移動体が所定距離以上移動するのを規制することができる。その結果、移動体のガタツキ防止にも貢献できる。
[基本動作]
本実施形態に係るレンズ駆動装置1において、移動体は、通常(第一のコイル181及び第二のコイル182の無通電時)は、撮像素子側(像側)に位置する。
ここで、ワイヤースプリング16は、マグネット17との間に作用する磁気吸引力によって、移動体の変位を規制している。ただし、ワイヤースプリング16とマグネット17との距離はある程度保たれているため、ワイヤースプリング16とマグネット17との磁気吸引力が強くなり過ぎることはない。これにより、移動体の中心軸がずれるのを防ぎ、ひいてはチルト特性の悪化を防ぐことができる。
このような状態において、第一のコイル181及び第二のコイル182に所定方向の電流を流すと、第一のコイル181及び第二のコイル182は、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、移動体(第一のコイル181及び第二のコイル182並びにスリーブ組13及び第三のスリーブ20が固着された鏡筒14等)は、被写体側(前側)に移動し始める。このとき、第一の板バネ15と第一のスリーブ131の前端との間、及び第二の板バネ21と第三のスリーブ20の後端との間には、それぞれスリーブ組13に取り付けられた鏡筒14等の移動体の移動を規制する弾性力が発生する。このため、移動体を前側に移動させようとする電磁力と、移動体の移動を規制する弾性力が釣り合ったとき、移動体は停止する。また、第一のコイル181及び第二のコイル182に逆方向の電流を流すと、第一のコイル181及び第二のコイル182は、それぞれ下向き(後側)の電磁力を受けることになる。
その際、第一のコイル181及び第二のコイル182に流す電流量と、第一の板バネ15及び第二の板バネ21によって移動体に働く弾性力を調整することで、鏡筒14(移動体)を所望の位置に停止させることができる。なお、第一のコイル181、および第二のコイル182に電流を流さないようにすれば、移動体はその自重や弾性力によって後側へ移動する。そして、移動体に保持させたワイヤースプリング16とマグネット17との付勢力も利用することで、移動体を原点位置に静止することができる。また、電磁力と弾性力との釣り合いを利用して移動体(鏡筒14)を停止させることで、衝突音の発生を防ぐことができるようになっている。
特に、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、カバー12が磁性体によって構成されるとともに、カバー12に形成された爪部121a〜121dが磁気駆動機構と磁路を形成しているので、漏れ磁束を少なくすることができ、磁気回路のパーミアンスが向上する。そのため、移動体の光軸方向に駆動する際の推力を向上させることができる。一般に、マグネットは、その磁束密度を高めることにより磁気吸引力が強くなる。すなわち、磁気回路(磁路)のパーミアンス(磁気抵抗の逆数、磁束の通り易さ)を大きくすれば、磁気抵抗が小さくなるので、エアギャップを高めるができる。そこで、本実施の形態では、コイルが外周に巻回された移動体の光軸方向に駆動する際の推力を高めるため、マグネットとコイルとの隙間、つまりエアギャップを通る磁束密度を高めることができる。
図6は、マグネット17や第一のコイル181及び第二のコイル182などを通過する磁束の流れの概要を説明するための概念図である。なお、図6では、説明の便宜上、爪部121bの近辺についてのみ着目している。
図6(a)に示すように、従来のレンズ駆動装置のうち、カバー12がないもの或いはカバー12が非磁性体であるものについては、コイルをほとんど通過せずに、第一のスリーブ131の前側から漏れる漏れ磁束が多くなる。一方で、図6(b)に示すように、本実施形態に係るレンズ駆動装置1によれば、カバー12の爪部121bの端面が、光軸方向において、第一のコイル181(第二のコイル182)と対向する位置に配置されているので、マグネット17から出た磁束のうち、第一のスリーブ131の前面から出た磁束は、第一のコイル181(第二のコイル182)に通過して、カバー12の爪部121bに吸収され、カバー12の板部121,バックヨーク11を通過して、マグネット17に戻ってくる。すなわち、図6(a)の場合と比べて、漏れ磁束が少ない。なお、爪部の位置は、第一のコイル(第二のコイル)と対向する位置であればよいが、できるだけ、コイルの内側またはスリーブ側より内側の位置に配置するようにすればよい。
[実施例]
まず、所定の位置に移動体が停止したときにおけるコイル推力(移動体に加わる力)を測定した。カバー12が非磁性体のときは、コイル推力は6.20[gf]であったが、カバー12が磁性体のときは、コイル推力は6.69[gf]であった。これにより、カバー12が磁性体のときの方が、0.49[gf]だけコイル推力が大きいことが分かる。そのため、このときの方が、消費電力を少なくすることができる。
次に、非通電時に移動体が最後端にいる原点位置から通電後、前側に引っ張られるときの力を測定した。カバー12が非磁性体のときは、コイル推力は5.89[gf]であったが、カバー12が磁性体のときは、コイル推力は6.18[gf]であった。これにより、カバー12が磁性体のときの方が、0.29[gf]だけコイル推力が大きいことが分かる。そして、このときの方が、消費電力を少なくすることができる。
[変形例]
なお、カバー12については、上述した爪部を形成しなくとも、磁性材で形成されていればよく、中央に入射窓が形成された板部全体を磁路形成部の一例として機能するようにしてもよい。また、爪部の位置を、スリーブよりも内側(鏡筒側)に伸ばして内ヨーク形状としてもよい。この場合も消費電力を少なくすることができる。
[実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ駆動装置1によれば、磁性材料からなるカバー12に、磁露形成部としての爪部121a〜121dを形成することとしたので、これらの存在によって、漏れ磁束を少なくすることができ、磁気回路(アクチュエータの磁気回路)のパーミアンスが向上し、ひいては移動体の光軸方向に駆動する際の推力を向上させることができる。特に、規定電流値という制約があったとしても、電流値を増大させずにコイル推力を高めることができる。
また、爪部121a〜121dにおける第一規制面,第二規制面,及び第三規制面によって、移動体が、それぞれ周方向,光軸方向,及びラジアル方向(径方向)に所定距離以上移動するのを規制することができる。その結果、移動体のガタツキ防止にも貢献することができる。
なお、レンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話機の他にも、様々な電子機器に取り付けることが可能である。例えば、PHS,PDA,バーコードリーダ,薄型のデジタルカメラ,監視カメラ,車の背後確認用カメラ,光学的認証機能を有するドア等である。
本発明に係るレンズ駆動装置は、磁気回路のパーミアンスを向上させることが可能なものとして有用である。
本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の機械構成を示す分解斜視図である。 レンズ駆動装置におけるカバーを拡大したときの様子を示す図である。 スリーブ組,第三のスリーブ,及びコイル組を拡大したときの様子を示す拡大図である。 カバーに形成された爪部が凹部に係合している様子を示す図である。 マグネットや第一のコイル及び第二のコイルなどを通過する磁束の流れの概要を説明するための概念図である
符号の説明
1 レンズ駆動装置
11 バックヨーク
12 カバー
121 板部
121a〜121d 爪部
13 スリーブ組
131 第一のスリーブ
132 第二のスリーブ
131a〜131d 凹部
14 鏡筒
15 第一の板バネ
16 ワイヤースプリング
17 マグネット
18 コイル組
181 第一のコイル
182 第二のコイル
19 台座
20 第三のスリーブ
21 第二の板バネ

Claims (6)

  1. レンズを備えた移動体と、前記移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体と、コイルとマグネットを備え、前記移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、前記固定体の被写体側を覆うカバー部と、を有するレンズ駆動装置において、
    前記カバー部は、磁性材料からなり、前記磁気駆動機構より被写体側に配置されるとともに、前記磁気駆動機構と磁路を形成する磁路形成部を備えることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記磁路形成部は、前記移動体を位置決めするストッパー部から構成されることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記ストッパー部は、前記移動体の周方向における移動を規制する第一規制部を備えていることを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記ストッパー部は、前記移動体の光軸方向における移動を規制する第二規制部を備えていることを特徴とする請求項2又は3記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記ストッパー部は、前記移動体のラジアル方向における移動を規制する第三規制部を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれか記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記磁路形成部は、前記移動体に形成された凹部に係合することを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のレンズ駆動装置。
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