JP2009047450A - 試料分析方法及び試料分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 損傷及び/又は汚染が発生するまでの間に測定された特性X線強度の値に基づいて試料分析を行うことにより、適切な試料分析を実行することのできる試料分析方法及び試料分析装置を提供する。
【解決手段】 試料8に電子線9を照射し、電子線9の照射に応じて試料8から発生する特性X線10の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料8の分析を行う試料分析において、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)等の特性X線を用いて試料分析を行う試料分析方法及び試料分析装置に関する。
電子プローブマイクロアナライザにおいては、集束レンズ及び対物レンズにより集束された電子線(電子プローブ)を分析対象となる試料に照射し、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線を検出して、試料分析を行っている。
当該分析時において、電子線は偏向コイルにより偏向され、試料上での所望とする分析位置に電子線が照射される。
ここで、偏向コイルの動作により、試料上の一点に電子線を照射して試料分析を行う点分析が行われる場合や、試料上の所定領域を電子線が走査することにより、当該所定領域についての面分析が行われる場合がある。
電子線の照射に応じて試料から発生した特性X線は、EDS又はWDS等からなるX線分光器により検出され、X線分光器からの検出信号に基づいて信号処理手段により特性X線の強度(特性X線強度)が測定される。
このようにして測定された特性X線強度に基づいて、試料分析としての定性分析及び/又は定量分析が行われる。
上述した試料分析において、継続して試料に電子線が照射されるために、時間経過に応じて、試料に損傷や汚染が発生することがある。ここで、損傷としては、電子線照射に起因する熱の発生による損傷や、電荷の蓄積等が該当する。また、汚染としては、試料室内の浮遊物によるコンタミネーション等が該当する。
ここで、電子線の照射電流値と試料の吸収電流値とを測定して、これらの値の割合を算出し、予め求めておいた帯電の判定条件データとの比較を行って、試料の帯電の有無を監視するものもある(特許文献1参照)。
特開2006−58033号公報
試料に電子線を継続して照射し、測定される特性X線強度の時間変化を調べたときに、当該特性X線強度の時間変化が殆ど生じない電子線の照射条件が、分析条件として最適な条件となる。従って、電子線の照射電流や加速電圧を変化させて、最適な電子線の照射条件を探すこととなる。
しかしながら、当該条件出しは手間がかかり、また、実際に測定された特性X線強度のデータが、試料の損傷や汚染による影響を受けているか否かを判断することは困難である。
また、試料への電子線の照射電流が小さい条件や照射時間が短い条件のほうが、試料に対する損傷や汚染が少なくなる。よって、複数の条件で分析を実行し、損傷と汚染がより少ない結果と矛盾しない分析結果を、正しい分析結果として採用することもされている。
しかしながら、この場合、試料の損傷の評価はできるが、分析を複数回行うために、多くの手間がかかることとなる。
従来の試料分析においては、電子線の照射によって試料に損傷及び/又は汚染が発生しても、分析装置が継続して試料分析を行い、特性X線強度の測定を続行するので、測定された特性X線強度全体に基づく試料分析結果が適切であるか否かをオペレータが判断する必要があり、その判断の基準となる判断材料を集めることは手間がかかっていた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、電子線の照射による試料の損傷及び/又は汚染が発生するような試料分析において、当該損傷及び/又は汚染が発生するまでの間に測定された特性X線強度の値に基づいて試料分析を行うことにより、適切な試料分析を実行することのできる試料分析方法及び試料分析装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく第1の試料分析方法は、試料に電子線を照射し、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料の分析を行う試料分析方法であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことを特徴とする。
本発明に基づく第2の試料分析方法は、試料に電子線を照射する工程と、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を時間経過とともに時分割にて測定する工程とを有する試料分析方法であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行うステップと、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止するステップと、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うステップとを備えることを特徴とする。
本発明に基づく試料分析装置は、試料に電子線を照射し、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料の分析を行う試料分析装置であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことを特徴とする。
本発明においては、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行う。
当該経時値が上記許容値範囲から外れたときには、電子線の照射に起因して発生する試料の損傷及び/又は汚染による特性X線強度への影響が大きくなっていることが判明するので、その時点で測定を中止するとともに、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことにより、当該損傷及び/又は汚染による影響を殆ど受けない試料分析を実行することができる。
以下、図面を参照して、本願発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明における試料分析装置を示す概略構成図である。
図1において、電子銃1からは、所定の加速電圧により加速された電子線9が試料8に向けて放出される。電子銃1から放出された電子線9は、集束レンズ2及び対物レンズ3によるレンズ作用によって、試料8上に細く集束される。これにより、試料8上には、集束された電子線9からなる電子プローブが照射される。
このとき、電子線9は偏向コイル4による偏向作用により適宜偏向され、試料8上において所望とする分析位置に電子線9が照射される。
試料8上での電子線9が照射された分析位置からは、特性X線10が発生する。この特性X線10は、EDS又はWDSからなるX線分光器7により検出される。X線分光器7からは、検出した特性X線10に応じた検出信号が信号処理手段7aに出力される。
信号処理手段7aは、当該検出信号に基づいて、X線分光器7が検出した特性X線10の強度を求める。これにより、特性X線強度が測定され、当該特性X線強度のデータは、バスライン11を介してCPU12に送られる。
電子銃1は、駆動制御部1aにより駆動される。駆動制御部1aは、バスライン11を介してCPU12に接続されている。これにより、電子銃1は、駆動制御部1aを介して、CPU12により制御される。
また、集束レンズ2、対物レンズ3及び偏向コイル4は、それぞれ対応する駆動制御部2a〜4aにより駆動される。各駆動制御部2a〜4aは、バスライン11を介してCPU12に接続されている。これにより、集束レンズ2、対物レンズ3及び偏向コイル4は、それぞれ対応する駆動制御部2a〜4aを介して、CPU12により制御される。
さらに、試料8は、ステージ機構5に載置されている。ステージ機構5は、駆動制御部5aにより駆動され、これによりステージ機構5上の試料8は、X,Y,Zの各方向に移動し、また回転若しくは傾斜する。駆動制御部5aは、バスライン11を介してCPU12に接続されており、これによりステージ機構5は、駆動制御部5を介してCPU12により制御される。
そして、偏向コイル4と試料8との間には、照射電流検出器6が配置されている。この照射電流検出器6は、電子線9の光軸上の位置と、該光軸上から退避した位置との間で移動可能となっている。
照射電流検出器6が電子線9の光軸上に位置しているときには、電子銃1からの電子線9は照射電流検出器6に到達する。これにより、照射電流検出器6は、電子線9の照射電流を検出することができる。
この状態において、照射電流検出器6は、電流検出信号を電流検出部6aに出力する。電流検出部6aは、当該電流検出信号に基づいて、電子線9の照射電流値を測定する。これにより、電子線9の照射電流値(照射電流)が測定され、当該照射電流値のデータは、バスライン11を介してCPU12に送られる。
CPU12は、電子線9の照射電流値が予め設定された所定値となるように、駆動制御部1aを介して電子銃1の制御を行う。これにより、電子銃1からは、所定の照射電流に設定された電子線9が照射される。
このようにして電子線9の照射電流値の設定がされた後に、照射電流検出器6は、上記光軸上から退避する位置に移動される。これにより、当該照射電流値とされている電子線9が、電子銃1から試料8に向けて照射される。その後、当該電子線照射条件による試料の分析が開始される。
すなわち、電子線9が照射された試料8上の分析位置からは特性X線10が発生し、当該特性X線10は、X線分光器7により検出される。X線分光器7からは、検出した特性X線10に応じた検出信号が信号処理手段7aに出力される。
このとき、信号処理部7aは、測定開始からの時間経過とともに、一定期間(所定期間)ごとに特性X線強度の測定を行う。これにより、所定期間ごとの測定タイミングでの時分割による特性X線強度の測定が行われる。
CPU12は、信号処理部7aから送られた各測定タイミング(測定開始時を含む)における特性X線強度の各データを、順次メモリ13に格納していく。また、これと並行して、CPU12は、信号処理部7aから順次送られた当該各データに基づいて、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線の値(経時値)との比較を行う。
そして、測定開始後に順次測定された特性X線強度の経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに、CPU12は駆動制御部1aに対して動作停止の信号を送る。これにより、電子銃1の動作が停止して電子線9の照射が止まり、測定が中止される。なお、電子線9の照射を止める方法としては、図示しないブランキング手段により電子線9の遮断を行うようにしてもよい。
ここで、図2に、電子線9の照射により損傷を受けやすい試料8において、測定される特性X線強度の経時的変化をグラフとして示す。同図において、実線は、損傷を受けやすい試料8の場合に測定される特性X線強度の変化を示し、点線は、損傷を殆ど受けない試料8の場合に測定される特性X線強度の変化を示す。
図2のグラフ中での実線のように、特性X線強度が経時的に著しく低下していくような場合では、測定された特性X線強度のデータの全てに基づいて、定性分析又は定量分析等の試料分析を行うことはできない。この場合では、時間経過とともに、電子線9による試料8の損傷が大きくなっているときの特性X線強度のデータが多く含まれており、このようなデータに基づいて試料分析を行うと、分析精度が著しく低下してしまうからである。
そこで、本発明において、CPU12は、測定開始時において測定された特性X線強度の初期値をメモリ13に格納するととともにメモリ13から該初期値を読み出し、その後の各測定タイミングにおいて順次測定された特性X線強度と当該初期値との比較を行う。
具体的には、CPU12は、メモリ13から読み出した初期値に対して、例えば20%(2割)の程度の増減幅を設定しておき、各測定タイミングでの特性X線強度(経時値)が、この増減幅に基づく許容値範囲(すなわち、初期値をKとすると、0.8K〜1.2Kの範囲)内にあるか否かを判断する。そして、ある測定タイミングでの特性X線強度が当該許容値範囲から外れたことを確認した時点で、CPU12は、試料8への電子線9の照射を停止する。
ここで、図3は、測定開始後、ある測定タイミングにおいて測定された特性X線強度が減少し、許容値範囲から外れた場合の例を示すグラフである。同図では、第6回目の測定タイミングにおいて測定された特性X線強度が、ある許容値範囲から外れたものと判断された例を示している。
この場合には、第6回目に測定された特性X線強度について、許容値範囲から外れたと判断された時点で、CPU12は、試料8への電子線9の照射を中止する。そして、第1回目(測定開始時)から第5回目までに測定された特性X線強度のデータに基づいて、試料分析を行う。
なお、測定される特性X線強度が、測定開始から比較的短時間で許容値範囲から外れてしまうような場合には、試料分析に使用できる測定データの数が少なくなるため、精度の良い試料分析をすることが困難となる可能性がある。
このような場合、分析条件の自動調整を行い、そのときの分析対象となる試料8に対して最適となる電子線9の照射条件を設定できるようにすることもできる。このとき、当該自動調整時における電子線9の試料8上での分析位置の設定は、オペレータ(ユーザー)が行う必要がある。なお、この分析条件の自動調整は、当該試料8の分析実行前に行うようにしてもよい。
当該自動調整において、電子線9の照射条件として調整されるパラメータとしては、(1)照射電流[初期値として十分小さい値(例えば10pA程度)から終値(測定される特性X線強度が短時間で許容値範囲から外れてしまう値)までの範囲で調整]、(2)倍率[初期値として低倍率(ユーザー入力)から終値(測定される特性X線強度が短時間で許容値範囲から外れてしまう高倍率)までの範囲で調整]、(3)プローブ径[初期値として大きなプローブ径(ユーザー入力)から終値(測定される特性X線強度が短時間で許容値範囲から外れてしまう小さなプローブ径)までの範囲で調整]、(4)加速電圧[初期値として低加速電圧(ユーザー入力)から終値(高加速電圧(ユーザー入力))までの範囲で調整]の4つのパラメータを挙げることができる。ここで、各パラメータにおいて、初期値は試料に対する損傷又は汚染がほとんど発生しない条件であり、終値に近づくに従って、当該損傷又は汚染の発生の確率が高くなる。
この自動調整においては、複数のパラメータの値を変化させることにより調整を行ってもよいが、以下に、単純化のため一つのパラメータを選択して値を変化させる実施例について説明する。
この実施例では、一つのパラメータとして、電子線9の照射電流を選択した例とする。そして、照射電流が初期値に設定された状態の電子線9を試料8に照射し、該照射電流を当該初期値から終値に順次変化させた各値における、試料8からの特性X線10の強度(特性X線強度)を時間経過とともに時分割にて測定し、特性X線強度の変化が大きく検出される元素(以下、「特定元素」という)についての各測定タイミングにおける特性X線強度のデータをグラフ化する。
このとき、当該パラメータを、初期値から終値までの間で細かく分けて変化させると、特性X線強度の測定に時間がかかることとなる。そこで、当該パラメータを指数関数又はべき乗で変化させたときの各値において当該測定を行うようにすると、効率的に測定を実行できる。また、分析対象となる元素についての全元素同時分析が可能であれば、当該測定時に特定元素以外の元素についての特性X線強度の測定を行うことができる。
ここで、特定元素について、当該パラメータである照射電流を順次変化させたときの各値において、時間経過における各測定タイミングにて測定された特性X線強度の変化の例を図4に示す。この例において、例えば、照射電流の初期値を10pA、終値を50nAとし、これらの値の間における値を100pA,1nA,5nA,20nAの各値に設定することができる。
同図において、(1)のグラフは、照射電流が10pA,100pA,1nAの各値における特性X線強度の経時変化を示す。これらの各値においては、初回を含む計6回の各測定タイミングにおいて、測定される特性X線強度の変化はほとんどないことが示されている。
また、同図において、(2)のグラフは、照射電流が5nAの値における特性X線強度の経時変化を示す。この値のときにおいては、計6回の各測定タイミングで測定された特性X線強度のうち、第6回目の測定タイミングの測定において、特性X線強度の低下が認められる。
さらに、同図において、(3)のグラフは、照射電流が20nAの値における特性X線強度の経時変化を示す。この値のときにおいては、計6回の各測定タイミングで測定された特性X線強度のうち、第3回目の測定タイミングからの測定において、特性X線強度の低下が認められる。
そして、同図において、(4)のグラフは、照射電流が50nAの値における特性X線強度の経時変化を示す。この値のときにおいては、計6回の各測定タイミングで測定された特性X線強度のうち、第2回目の測定タイミングからの測定において、特性X線強度の低下が認められる。
このようにしてグラフ化された各測定データに基づいて、そのときの分析対象となる試料8に対して最適となる電子線9の照射条件を求める。上記例においては、照射電流を5nAとすることにより、初回を含む5回までの各測定タイミングにおいて測定される特性X線強度のデータを試料分析に用いることが可能となる。
以上の動作(方法)は、CPU12による制御に基づいて行うことができ、試料の点分析時に適用することができる。
なお、上述と同様の方法は、試料の面分析の際にも適用できる。この場合にも、測定開始からの時間経過における特性X線強度の測定を、所定の測定タイミングごとに時分割にて行う。このとき、面分析では測定データの容量が大きいため、測定時間を、指数又はべき乗に比例して分割するのが望ましい。
ここで、1回分の面分析における全X線強度の総和を、当該1回の測定時間中での特性X線強度とする。そして、上述と同様に、測定開始時での当該特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングにおける当該特性X線強度(経時値)との比較を行う。
図5に、面分析における取得画像の一例を示す。同図の(1)は、測定開始時(第1回(初回))における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度(総カウント数)をAとする。
また、同図の(2)は、第2回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をAとする。
さらに、同図の(3)は、第3回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をAとする。
そして、同図の(4)は、第4回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をAとする。
また、同図の(5)は、第5回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をAとする。
同図の例においては、各測定タイミングにおける測定時間は一定としている。そして、上記各測定取得画像の輝度は当該特性X線強度に対応しており、図中の各画像を目視にて確認して明らかなごとく、第5回における当該特性X線強度は低下している。
CPU12は、測定開始時において測定された当該特性X線強度の初期値Aをメモリ13に格納するととともにメモリ13から該初期値Aを読み出し、その後の各測定タイミングにおいて順次測定された当該特性X線強度と当該初期値Aとの比較を行う。
例えば、上記第5回目における当該特性X線強度Aが、初期値Aに対して所定割合(例えば、20%)の増減幅内に設定された許容範囲から外れたと判断した場合には、CPU12は、電子線9の試料8への照射を停止する。
そして、この場合には、第1回目から第4回目までにおける各特性X線強度A〜Aのデータに基づいて、試料分析が実行される。
また、図6に、面分析における取得画像の他の例を示す。同図の(11)は、測定開始時(第1回)における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度(総カウント数)をA11とする。
また、同図の(12)は、第2回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をA12とする。
さらに、同図の(13)は、第3回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をA13とする。
そして、同図の(14)は、第4回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をA14とする。
また、同図の(15)は、第5回における測定取得画像である。このときの当該特性X線強度をA15とする。
同図の例においては、各測定タイミングにおける測定時間は、「2のn乗」倍の設定時間としている。各測定取得画像の輝度は当該特性X線強度に対応しており、図中の各画像をから明らかなごとく、第5回における当該特性X線強度は低下している。
この例においても、CPU12は、測定開始時において測定された当該特性X線強度の初期値A11をメモリ13に格納するととともにメモリ13から該初期値A11を読み出し、その後の各測定タイミングにおいて順次測定された当該特性X線強度と当該初期値A11との比較を行う。
例えば、上記第5回目における当該特性X線強度A15を「2の(n−1)乗」で割った値(すなわち、第1回における測定時間に換算した強度値)が、初期値A11に対して所定割合(例えば、20%)の増減幅内に設定された許容範囲から外れたと判断した場合には、CPU12は、電子線9の試料8への照射を停止する。
そして、この場合には、第1回目から第4回目までにおける各特性X線強度A11〜A14のデータに基づいて、試料分析が実行される。
なお、面分析において、電子線9の走査領域(視野)内の特定箇所が損傷を受けることがわかっている場合には、その損傷を受ける箇所をオペレータが指定し、当該箇所からの特性X線強度のみを損傷の評価の対象とすることもできる。
このとき、当該損傷を受ける箇所の指定を、反射電子像又は二次電子像等のSEM像から画像処理により自動的に指定できることが望ましい。
また、当該箇所からの特性X線強度のみに着目すれば、上述した点分析の場合の例を適用することができる。
本発明では、試料の分析中に特性X線強度の変化を評価することにより、分析装置が自動的に試料の損傷と汚染を判定し、損傷と汚染の進度に応じて試料分析を自動的に停止することができる。これにより、試料の損傷と汚染の影響の小さいデータのみに基づいて試料分析を行い、当該データに基づく分析結果を残すことができる。
さらに、試料の損傷と汚染が特に大きくなる場合には、自動的に損傷と汚染の少ない分析条件に調整することができる。
このように、本発明に基づく試料分析方法では、試料8に電子線9を照射し、電子線9の照射に応じて試料8から発生する特性X線10の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料8の分析を行う試料分析方法において、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行う。
また、本試料分析方法は、試料8に電子線9を照射する工程と、電子線9の照射に応じて試料8から発生する特性X線10の強度を時間経過とともに時分割にて測定する工程とを有し、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行うステップと、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止するステップと、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うステップとを備える。
さらに、本発明に基づく試料分析装置は、試料8に電子線9を照射し、電子線9の照射に応じて試料8から発生する特性X線の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料8の分析を行う試料分析装置において、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行う。
上記において、電子線9の照射条件を、分析対象の試料8において時間経過に対する特性X線強度の経時値の変化が相対的に少なくなる照射条件に選択し、当該照射条件に基づいて試料8に電子線9を照射するようにすることもできる。
そして、当該試料分析は、試料上での点分析又は面分析の何れの場合にも適用することができる。
これにより、本発明においては、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行う。
当該経時値が上記許容値範囲から外れたときには、電子線9の照射に起因して発生する試料8の損傷及び/又は汚染による特性X線強度への影響が大きくなっていることが判明するので、その時点で測定を中止するとともに、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことにより、当該損傷及び/又は汚染による影響を殆ど受けない試料分析を実行することができる。
本発明における試料分析装置を示す概略構成図である。 損傷を受けやすい試料において、測定される特性X線強度の経時的変化を示す図である。 ある測定タイミングにおいて測定された特性X線強度が減少し、許容値範囲から外れた場合の例を示す図である。 照射電流を順次変化させたときにおいて、各測定タイミングにて測定された特性X線強度の変化の例を示す図である。 面分析における取得画像の一例を示す図である。 面分析における取得画像の他の例を示す図である。
符号の説明
1…電子銃、2…集束レンズ、3…対物レンズ、4…偏向コイル、5…ステージ機構、6…照射電流検出器、7…X線分光器、8…試料、9…電子線、10…特性X線、11…バスライン、12…CPU、13…メモリ、14…表示部、15…入力部、1a〜5a…駆動制御部、6a…電流検出部、7a…信号処理部

Claims (7)

  1. 試料に電子線を照射し、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料の分析を行う試料分析方法であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことを特徴とする試料分析方法。
  2. 試料に電子線を照射する工程と、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を時間経過とともに時分割にて測定する工程とを有する試料分析方法であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行うステップと、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止するステップと、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うステップとを備えることを特徴とする試料分析方法。
  3. 電子線の照射条件を、分析対象の試料において時間経過に対する特性X線強度の経時値の変化が相対的に少なくなる照射条件に選択し、当該照射条件に基づいて試料に電子線を照射することを特徴とする請求項1又は2記載の試料分析方法。
  4. 試料分析は、試料上での点分析又は面分析であることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の試料分析方法。
  5. 試料に電子線を照射し、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の強度を、時間経過とともに時分割にて測定して試料の分析を行う試料分析装置であって、測定開始時に測定された特性X線強度の初期値と、その後の各測定タイミングで測定された特性X線強度の値(経時値)との比較を行い、時間経過に応じて順次測定された経時値が、初期値に対して所定割合の増減幅内に設定された許容値範囲から外れたときに測定を中止し、初期値及び許容値範囲内となっている各経時値に基づいて試料分析を行うことを特徴とする試料分析装置。
  6. 電子線の照射条件を、分析対象の試料において時間経過に対する特性X線強度の経時値の変化が相対的に少なくなる照射条件に選択し、当該照射条件に基づいて試料に電子線を照射することを特徴とする請求項5記載の試料分析装置。
  7. 試料分析は、試料上での点分析又は面分析であることを特徴とする請求項5又は6記載の試料分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010164442A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Jeol Ltd エネルギー分散型x線分光器による分析方法及びx線分析装置
JP2017142242A (ja) * 2016-02-05 2017-08-17 住友金属鉱山株式会社 単体硫黄分布の分析方法
JP2021032584A (ja) * 2019-08-19 2021-03-01 株式会社島津製作所 電子線マイクロアナライザ

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