JP2009040309A - 自動二輪車 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリの着脱作業を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】エンジンの上方にはシート15が配され、前端部に設けられたヒンジを中心として燃料タンク21の上方で開閉可能である。燃料タンク21の後方にはバッテリ36がバッテリ格納部35に収容されている。バッテリ36の後方には荷台パネルユニット38が配され、荷台パネルユニット38にはバッテリ36を上方から覆う抜け止め部材44が着脱可能に取り付けられている。バッテリ36のメンテナンスを行う場合には、シート15を開放して抜け止め部材44を取り外すことで、バッテリ36を上方へ抜き取ることができる。
【選択図】図5
【解決手段】エンジンの上方にはシート15が配され、前端部に設けられたヒンジを中心として燃料タンク21の上方で開閉可能である。燃料タンク21の後方にはバッテリ36がバッテリ格納部35に収容されている。バッテリ36の後方には荷台パネルユニット38が配され、荷台パネルユニット38にはバッテリ36を上方から覆う抜け止め部材44が着脱可能に取り付けられている。バッテリ36のメンテナンスを行う場合には、シート15を開放して抜け止め部材44を取り外すことで、バッテリ36を上方へ抜き取ることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は自動二輪車に関する。
従来より、自動二輪車のバッテリは外部に露出しないようにして装着されてきた。この理由は、車両の外観保持やバッテリ自体が不用意に触れられないようにすること等が挙げられる。そのようなバッテリの配置構造として、下記特許文献1のものが知られている。
ここに開示された車両においては、シートがヒンジによって開閉可能になっているとともに、シートの下方空間がラッゲージボックスとして利用されている。また、ラッゲージ-ボックス内の奥壁には蓋体が開閉可能に設けられていて、蓋体の奥方がバッテリの収容室として設定されている。
特開平7−69259号公報
しかし、上記のような構造では、バッテリの取り付け・取り外しを行う場合にはラッゲージボックス内から小物類を取り出してから、蓋体の開閉を行わねばならない煩わしさがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、バッテリの着脱作業を容易に行うことができる自動二輪車を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、本発明は、シリンダの軸線を車両前後方向に向けてエンジンを搭載する形式の自動二輪車であって、エンジンと、このエンジンの上方で車両構造部に対して開閉可能に組み付けられたシートとの間に配され内部が中空室となった空洞部材と、この空洞部材の車両後方に配された格納部内に格納されたバッテリと、このバッテリの上方に配されて同バッテリを上方への抜き取り不能に保持するとともに、車両構造部に対して着脱可能に設けられかつ車両構造部との固定箇所が常にはシートによって覆い隠されるが、シートの開放に伴って露出され全体が車両構造部から取り外されることによってバッテリを上方へ抜き取り可能とする抜け止め部材とを備えてなる構成とした。
なお、車両構造部は、車体フレーム自体及び車体フレームに対して固定された部材等、例えばクロスメンバ、荷台パネル等も含む。
本発明によれば、バッテリのメンテナンス作業を行う場合には、まずシートを開放状態にする。これによって、車両構造部に対する抜け止め部材の固定箇所が露出するため、固定箇所の固定を解いて抜け止め部材を取り外す。これにより、バッテリは格納部からそのまま上方へ抜き出すことができる。
このように、バッテリの取り出しのためにはシートを取り外さない限り、抜け止め部材の固定解除をすることができないため、バッテリの盗難防止に有効である。また、バッテリの抜き取り・装着は格納部に対し上下方向への作業ですむため、メンテナンス作業に必要な作業スペースは僅かにバッテリの上方空間だけでよく、したがって多数の装置類を高密度に配置することが可能となると同時に、空洞部材の容量確保にも寄与する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。図1において、1は後部に荷台を有したスクータ型自動二輪車両の全体を示している。車体フレーム5はヘッドパイプ2、ダウンチューブ3、及び左右に一対配されたリアフレーム4とから構成されている。ヘッドパイプ2にはステアリング軸6が回動可能に挿通されている。ステアリング軸6の下端部には左右一対のフロントフォーク7が設けられており、このフロントフォーク7によって前輪8が支持されている。車両の中央部には、シリンダ20の軸線を車両前後方向に向けたエンジンEが配されている。エンジンEは車体フレーム5に支持されたユニットスイング式エンジンであり、その駆動力は動力伝達部9を介して後輪10に伝達されるようになっている。
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。図1において、1は後部に荷台を有したスクータ型自動二輪車両の全体を示している。車体フレーム5はヘッドパイプ2、ダウンチューブ3、及び左右に一対配されたリアフレーム4とから構成されている。ヘッドパイプ2にはステアリング軸6が回動可能に挿通されている。ステアリング軸6の下端部には左右一対のフロントフォーク7が設けられており、このフロントフォーク7によって前輪8が支持されている。車両の中央部には、シリンダ20の軸線を車両前後方向に向けたエンジンEが配されている。エンジンEは車体フレーム5に支持されたユニットスイング式エンジンであり、その駆動力は動力伝達部9を介して後輪10に伝達されるようになっている。
車両の略全体は車体フレーム5に固定された車体カバー11によって覆われている。車体カバー11のうち車両の前部はレッグシールドとして機能する車体本体12となっている。車体本体12はヘッドパイプ2に対し車両前後方向から挟み込むようにして車体フレーム5に固定されている。車体本体12の後部下端には略水平に足置き台13が連続し、その下面側にはアンダーカバー14が取り付けられている。足置き台13の後端とシート15の前部との間はシートアンダーカバー16によって覆われ、シートアンダーカバー16の後方は左右一対のサイドアンダーカバー17によって覆われている。シート15の後方には荷台プレート18が水平に配され、リアフレーム4によって固定されている。荷台プレート18の側面下部には左右一対の荷台カバー19が取り付けられ、荷台プレート18の側方下部を覆っている。
シート15の下方であって、シート15とエンジンEとの間には燃料タンク21(空洞部材)が配されている。燃料タンク21の外側面には接合用のフランジ縁21Aが全周に亘って水平に張り出し形成されている。フランジ縁21Aの後部寄りで車幅方向両側には一対の取り付け片22が外方へ延出して形成されている。一方、両リアフレーム4の上側水平部4Aの車両前端部寄りには長孔23付きのブラケット24が固着され、両取り付け片22はこのブラケット24上に載せられ、長孔23内へボルト25を締め込むことによって燃料タンク21全体が固定されている。燃料タンク21の上面における前端部とシート15の裏面前端部との間はヒンジ26によって接続されている。これによって、シート15全体はヒンジ26を中心として後端部側を車両前後方向へ鉛直面内で回動可能となっている。シート15の回動範囲は、ほぼ垂直に切り立った姿勢から、燃料タンク21の上部を覆い隠す水平姿勢(閉じ位置)に至る間に設定されている。
燃料タンク21の上面におけるヒンジ26寄りの位置にはキャップ27によって開閉がなされる給油口28が突設されている。一方、燃料タンク21の後方で両リアフレーム4の上側水平部4A間には、センタークロスメンバ29が架設されている。センタークロスメンバ29は車幅方向両端部が下向きに屈曲して形成され、全体は両リアフレーム4から上方へ立ち上がった状態で支持されている。センタークロスメンバ29の下面側には、シート15をロックするためのロック爪30を備えたロック機構31が配されている。ロック爪30はセンタークロスメンバ29の上面において車両前後方向に延びる中心軸線から車幅方向一方側へずれた位置(車両前方視で右側へずれた位置)に露出した状態で配されている。一方、シート15の裏面でヒンジ26が設けられた側と反対側の端部寄りにはシート係止具32が突設されていて、シート15が閉じられた姿勢にあるときに、ロック爪30と係止してシート15を閉じ姿勢にロックすることができる。ロック機構31はロック爪30にシート係止具32に対する係止及び係止解除の動作を行わせるためのキー機構33も備えている。サイドアンダーカバー17に設けられたキー孔33へキーを差し込んで操作することにより、ロック爪30はキー機構33を介してシート係止具32に対する係止及び解除動作が行われる。
なお、シート係止具32が設けられている位置はシート15の後端縁に近い位置であり、ロック爪30と係止した状態で、シート15の後端縁に対する強引な捲り上げ操作を有効に規制することができる。
両リアフレーム4の上側水平部4A間でセンタークロスメンバ29の後部側には、樹脂製のトレイ部材34が略水平に配されており、リアフレーム4に対しねじ等によって取り付けがなされている。トレイ部材34の前端部はリアフレーム4間の全幅に亘って前壁34Aが起立して形成され、燃料タンク21側とを区画している。前壁34Aはセンタークロスメンバ29に沿って配され、かつその上端縁の高さ位置はセンタークロスメンバ29の上面より低い位置にある。この前壁34Aの背面側で、かつ車幅方向中心軸より車幅方向一方側へ偏った位置(ロック爪30とは反対側へ寄った位置)にはバッテリ36を収容するためのバッテリ格納部35が凹み形成されている。バッテリ格納部35は、前記した前壁34Aと後壁と車幅方向に対向する一対の側壁とによって上方へ開口するボックス状に形成され、内部にバッテリ36を前後方向及び車幅方向に位置決めした状態で収容することができる。バッテリ36は直方体形状をなしており、その縦、横、高さの各寸法のうち最も小さい寸法の辺(この実施形態では縦寸法の辺)が車両の前後方向に沿うような姿勢で収容されている。バッテリ36は前面側上部における車幅方向両端部にバッテリ端子36Aが備えられており、それぞれには電源ケーブル(図示しない)の一端側が接続されている。
トレイ部材34において、バッテリ格納部35が車幅方向の片側に寄せられて配置されることで、バッテリ格納部35と車幅方向に隣接した領域は、車両に搭載された各種電装品に対するハーネスを集約して配索するためのハーネス配索領域37となっている。
シート15の後方で、リアフレーム4における上側水平部4Aの後端部には荷台パネルユニット38が装着されている。荷台パネルユニット38は、上面が積荷面となった荷台プレート39と、車幅方向に対向する一対の荷台カバー19と、これらによって挟持される金属製の枠部材40とからなっている。荷台パネルユニット38を構成するこれら各部材19,39,40は予め組み付けられてユニット化され、その状態で、リアフレーム4側への組付けがなされる。荷台プレート39の幅方向両側面及び後端面からは、それぞれ枠部材40に設けられた係止バー41が突出しており、積荷をロープ等で縛り付ける時に、ロープを係止バー41の相互間で掛け渡すことができるようにしている。
荷台パネルユニット38における両荷台カバー19の前端縁にはサイドアンダーカバー17との接続のための一対の取り付け片42が前方へ向けて突出して形成されている。荷台プレート39の前端縁で車幅方向両端部には一対のサイドブロック43が前方へ張り出しつつ上方へ突出するようにして膨出形成されている。
両サイドブロック43は車両後方視で略直角三角形状をなし、車幅方向の外面側はサイドアンダーカバー17の上部後端縁部によって後端部側の一部は露出するものの、大半部が同カバー17によって覆われるようになっている。この覆い箇所において相互が密着するよう、両サイドブロック43の外面はサイドアンダーカバーの後端縁の形状に倣って略下半分は緩斜面43Aとなり、略上半分は急斜面43Bとなっている。両サイドブロック43の後面43Cは上方へ行くにつれ前方側へ傾斜するような僅かな勾配が設定されている。また、この後面43Cはシート15が閉じ位置にあるときにおいても、両サイドブロック43の上面の一部と共に車両後方へ露出する。さらに、両サイドブロック43において車幅方向で対向する側面はほぼ鉛直方向に切り立ったガイド面43Dとなっていて、後述する抜け止め部材44を組み込んだり、取り外したりする際の案内をする。両ガイド面43D間の車幅方向への間隔はバッテリ格納部35及びハーネス配索領域37を上方へ露出させることができる寸法に設定されている。この実施形態では、一方のガイド面43D(図3に示す上側に配置された側)はバッテリ格納部35の一方の側壁と車両平面視においてほぼ面一をなすように設定されている。また、両ガイド面43Dの車両前後方向に沿った寸法(厚み寸法)はバッテリ格納部35の車両前後方向に沿った前後寸法と同じかやや大きめに設定されている。
両サイドブロック43の上部でほぼ前半分は後半分よりも一段低くして形成され、ここには第1・第2の取り付け台座45,46が配されており、各取り付け台座45,46上には金属製のワッシャが載置されている。第1・第2の取り付け台座45,46は車幅方向に並列して配置され、かつ車幅方向内側に位置する第2の取り付け台座46側が第1の取り付け台座45に比べて若干高い位置に形成されている。第1の取り付け台座45に対してはサイドアンダーカバー17に対するねじ止めがなされ、第2の取り付け台座46に対してはバッテリ36を保持するための抜け止め部材44に対するねじ止めがなされる。
抜け止め部材44は、合成樹脂材によって横長の略直方体形状をなし、内部に小物収容室47を有した中空ボックス状に形成されている。抜け止め部材44は、図6及び図7に示すように、底壁49の車両前後方向の後端縁寄りの位置においてヒンジ縁48が車幅方向の全幅に亘って形成され、このヒンジ縁48を中心として、底壁49からバッテリ36側と対向する側の側壁50にかけての部分(開閉蓋44Bと言う、抜け止め部材44における開閉蓋44B以外の部分を基部44Aと言う)が開閉可能となっている。なお、抜け止め部材44全体は、開閉蓋44Bが基部44Aに対して全開した状態(図6に想像線で示す状態)で成形がなされる。
基部44Aにおいて、開閉蓋44Bと対向する部分における両短辺部の途中高さ位置にはねじ孔を有する一対の突条部50が内向きに突出している。開閉蓋44B側には、同開閉蓋44Bを閉じたときに両突条部50と対向する位置にも差込孔52が貫通し、差込孔52を通して突条部50のねじ孔へねじ62を用いて締め込むことによって、開閉蓋44Bを閉じ、内部に小物収容室47を備えた抜け止め部材44を組み立てることができる。組み立てられた状態の抜け止め部材44において、シート15側に対向する前面の上端部には全幅に亘って投入口52が開口している。投入口52の開口縁のうち上縁側全縁は斜め上方へ向けて屈曲して拡開部53が形成され、下縁側の全縁は前方へ張り出して受け片54となっている。
抜け止め部材44は両ガイド面43Dに摺接しつつ両面間へ上方から嵌め入れ可能な幅寸法をもって形成され、嵌め入れ時にはバッテリ36の上方に位置するようになっている。基部44Aにおける車幅方向に対向する両側壁の外面で上端部寄りの位置には、ねじ孔55Aを有する一対の張り出し片55が水平に張り出し形成されている。両張り出し片55は抜け止め部材44が両サイドブロック43間に嵌め入れられたときに、第2の取り付け台座46の上面に載置され、ねじ孔55Aを通して第2の取り付け台座46へとねじを締め込み可能である。
開閉蓋44Bの底壁49において、車幅方向の一方側に偏った位置(車両前方視で右側に偏った位置で、バッテリ36からは車幅方向外方にずれた位置)にはボス部56が下向きに膨出して形成されている。このボス部56の底面56Aは、開閉蓋44Bが閉じられた状態で、後方でかつ斜め下向きの勾配をもって形成されている(図6参照)。ボス部56の底面56Aは抜け止め部材44が両サイドブロック43間に装着されたときに、荷台プレート39の前端縁からハーネス配索領域37へ向けて突出した突片57の上面に設定された傾斜と適合して相互は密着して重なり合い、かつ相互はねじ締めによって連結される。底面56Aに貫通したねじ締め用の孔56Bの軸線は、開閉蓋44Bが閉じられた状態で、投入口52を通過するように設定されている。これによって、抜け止め部材44は開閉蓋44Bを閉じたままの形態で、投入口52からドライバー等の工具を差し込み、荷台プレート39からの突片57に対するねじ締め操作を可能としている。
抜け止め部材44が装着された状態では、底壁49は車両後方へ向けて下り勾配が設定されていて、ヒンジ縁48寄りには二箇所の水抜き穴58が開口している。これら水抜き穴58はボス部56と車幅方向に沿った同一ライン上に並列している。両水抜き穴58は底壁49から下方へ突出する押さえ突部59の軸芯に沿って形成されたものであり、両押さえ突部59はバッテリ36の上面から僅かな間隔をおいて対向している。
開閉蓋44Bの前壁面の外面であって、車幅方向に関して前記した両水抜き穴58のほぼ中間位置にはリブ60が外方へ縦向きに膨出して形成されている。このリブ60は開閉蓋44Bの底面56よりもさらに下方へ突出するような長さに形成されている。この突出長さは、前記した両押さえ突部59の突出高さとほぼ同じに設定されている。このことにより、リブ60の下端部は両押さえ突部59と共にバッテリ36に対する押さえ機能を発揮する。リブ60は半円筒状に形成されるとともに、その底面には水抜き孔61が貫通して形成されている。
抜け止め部材44全体は両サイドブロック43の前後方向の寸法とほぼ同じ前後寸法をもって形成され、かつ高さ方向に関する寸法(拡開部53より後部側の高さ寸法)もまたサイドブロック43とほぼ同じ寸法に形成されている。したがって、抜け止め部材44が両サイドブロック43間に装着されると、抜け止め部材44と両サイドブロック43とは後面同士及び上面同士がほぼ面一をなした整合状態で装着される。シート15が閉じ位置にあるときには、抜け止め部材44の後面はサイドブロック43の後面と共に後方、つまり荷台プレート39側へ向けて露出される露出面63となっている。これらのことと、抜け止め部材44の後面(露出面63)及び両サイドブロック43の後面がシート15後端縁より後方へ突出していることから、露出面63と両サイドブロック43の後面は荷台プレート39上に搭載される積荷に対するストッパ面として機能し、シート15の後端部に積荷が直接当たってしまう事態を回避することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用効果を説明する。バッテリ36にメンテナンスの必要が生じた場合には、まずサイドアンダーカバー17のキー孔33へキーを挿入してキー操作をする。これにより、ロック爪30がシート係止具32との係止を解除するため、シート15が持ち上げられると抜け止め部材44及びその固定箇所が露出される。次に、両張り出し片55と荷台プレート39側の第2の取り付け座46とのねじ締めを解き、さらに投入口52よりドライバーを差し込んでボス部56と荷台プレート39側の突片57とのねじ締めも解く。これにより、抜け止め部材44が荷台プレート39から上方へ抜き取られると、直ちにバッテリ36の上面部が露出される。したがって、バッテリ36のターミナル36Aとバッテリケーブルとの接続を外して、バッテリ36の上面部を把持しつつ上方へ抜き上げればバッテリ36をバッテリ格納部35から簡単に取り出すことができる。このことは、シート15のロックを解除してシート15を開放しない限り、抜け止め部材44の取り外しもできないため、バッテリ36が不正に操作されてしまうことを回避することができる、と言うことを意味している。特に、抜け止め部材44を固定している両張り出し片55の位置は、シート15によって隠蔽され、かつシート15のロックがなされている箇所に近いため、シート15の後端縁を強制的に捲り上げようとしても、張り出し片55付近はロックによる拘束力が高く、張り出し片55を露出させるに至るまでの捲り上げは困難である。したがって、上記した不正操作をより確実に排除することができる。
また、バッテリ36に対する取り付け・抜き取りのために必要な作業空間は、僅かにバッテリ36の上方空間だけでよい。これに伴い、抜け止め部材44が小さなものですむため、抜け止め部材44の周辺に他の部材の配置を可能にするなど、配置の自由度及び配置の効率を高めることに寄与する。このことに関連して、バッテリ36は縦・横・高さの各寸法のうち、最も小さい寸法の辺を車両の前後方向に沿って配置するようにしたから、車両の前後方向に関しては寸法上のゆとりが生じる。このため、燃料タンク21の容量増加、あるいは荷台プレート39の上面の面積増も期待することができる。
本実施形態のように、燃料タンク21の給油口28の位置がバッテリ36から遠くしてあると、給油の際に燃料がこぼれることがあっても、バッテリ36のターミナル36A部分が燃料で汚されたり、腐食してしまう事態を回避することができる、という効果も得られる。
また、前述したように、抜け止め部材44の露出面63と両サイドブロック43の後面とはシート15の後方に突出して積荷に対するストッパ面として機能するため、積荷がシート15の後端面と擦れてシート15を傷つけてしまう事態を回避することができる。換言すれば、抜け止め部材44と両サイドブロック43をシート15から積極的に後方へはみ出すようにし、シート15の後端縁の位置による拘束を受けないようにしている。このため、抜け止め部材44の位置を後退させることで燃料タンク21の容量増を図ることができる、とも言える。同様な理由から、抜け止め部材44および両サイドブロック43の大きさに関する設計の自由度が高められるため、抜け止め部材44の内部に形成された小物収容室47の容量増を図ることができる。
抜け止め部材44は、本実施形態のように、必ずしも積荷に対するストッパ面の一部を兼用しなくてもよいが、本実施形態のような構成であれば、抜け止め部材44がバッテリ36の抜け止めのための専用部品とならずにすむため、部品点数の削減に寄与する。
抜け止め部材44は荷台パネルユニット38に固定されるため、荷台と抜け止め部材44との位置関係を高精度なものとすることができ、例えば抜け止め部材44とサイドブロック43とによって構成されるストッパ面を面一化しやすい。また、荷台パネルユニット38が抜け止め部材44も含めて一体化されれば、取り扱い性に一層優れる。
<実施形態2>
実施形態1では、バッテリ36及び抜け止め部材44が設けられた位置を、シート15に対するロック箇所(ロック爪30とシート係止具32とが係止する箇所)よりも後方に設定されていた。しかし、実施形態2では、図8に示すように、実施形態1の配置に代えてシート15に対するロック箇所をバッテリ36及び抜け止め部材44の後方に設置してある。この場合、抜け止め部材44は例えばリアフレーム4に対してねじ等を用いて着脱自在に取り付けがなされるようにすればよい。
実施形態1では、バッテリ36及び抜け止め部材44が設けられた位置を、シート15に対するロック箇所(ロック爪30とシート係止具32とが係止する箇所)よりも後方に設定されていた。しかし、実施形態2では、図8に示すように、実施形態1の配置に代えてシート15に対するロック箇所をバッテリ36及び抜け止め部材44の後方に設置してある。この場合、抜け止め部材44は例えばリアフレーム4に対してねじ等を用いて着脱自在に取り付けがなされるようにすればよい。
実施形態2のような構造とすれば、シート15の強制的な捲り上げによる抜け止め部材44のねじ止め箇所の露出を確実に防止し、バッテリ36に対する不正操作の解消に一層有効となる。逆に、実施形態1のように、シート15に対するロック箇所をバッテリ36と燃料タンク21、特に給油口28との間に配置したものでは、バッテリ36が給油口28から、より遠ざけられるため、こぼれた燃料によってバッテリ36が腐食されてしまう事態の回避に有効である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態では、空洞部材として燃料タンク21を例示したが、ヘルメットを収容する空間をもった部材に置換することも可能である。
(2)シート15の開閉方向は必ずしも車両の前後方向に沿ったものでなくてもよく、車幅方向へ開閉する方式であってもよい。
(3)本実施形態では、抜け止め部材44の内部に小物収容室47を形成したが、本発明においては必須のものではなく、省略可能である。
(4)抜け止め部材44はシート15を閉じた状態で、後面は必ずしも露出している必要はなく、完全に覆われて外部に露出されないようにしてもよい。
(5)本実施形態では、荷台プレート39に対する抜け止め部材44のねじ止め箇所は両側面と底面の計三箇所としたが、数と配置は決して限定されるものではなく、例えば底面については廃止することも可能である。
(6)バッテリ格納部35として、本実施形態においてはトレイ部材34に凹み形成された形態を示したが、周辺から凹むことなくフラットな面によって形成された形態であってもよい。
4…リアフレーム
15…シート
20…シリンダ
21…燃料タンク(空洞部材)
26…ヒンジ
28…給油口
29…センタークロスメンバ(車両構造部)
32…シート係止具(シートのロック部)
35…格納部
36…バッテリ
38…荷台パネルユニット(車両構造部)
44…抜け止め部材
46…第2の取り付け座
47…小物収容室
55…張り出し片
56…ボス部
57…突片
63…露出面
E …エンジン
15…シート
20…シリンダ
21…燃料タンク(空洞部材)
26…ヒンジ
28…給油口
29…センタークロスメンバ(車両構造部)
32…シート係止具(シートのロック部)
35…格納部
36…バッテリ
38…荷台パネルユニット(車両構造部)
44…抜け止め部材
46…第2の取り付け座
47…小物収容室
55…張り出し片
56…ボス部
57…突片
63…露出面
E …エンジン
Claims (12)
- シリンダの軸線を車両前後方向に向けてエンジンを搭載する形式の自動二輪車であって、
前記エンジンと、このエンジンの上方で車両構造部に対して開閉可能に組み付けられたシートとの間に配され内部が中空室となった空洞部材と、
この空洞部材の車両後方に配された格納部内に格納されたバッテリと、
このバッテリの上方に配されて同バッテリを上方への抜き取り不能に保持するとともに、前記車両構造部に対して着脱可能に設けられかつ前記車両構造部との固定箇所が常には前記シートによって覆い隠されるが、前記シートの開放に伴って露出され全体が前記車両構造部から取り外されることによって前記バッテリを上方へ抜き取り可能とする抜け止め部材とを備えてなることを特徴とする自動二輪車。 - 前記シートは車両前部側の端部に回動中心が設定され、車両後部側の端部に前記車両構造部に対するロック部が設定され、かつ前記抜け止め部材の前記固定箇所は前記シートが前記車両構造部に対するロック箇所の近傍に配されていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記空洞部材は車両前部側に給油口を備えた燃料タンクであることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記ロック箇所が、前記バッテリの車両後方に配されていることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車。
- 前記空洞部材は車両前部側に給油口を備えた燃料タンクであり、前記ロック箇所が、前記バッテリの車両前方に配されていることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車。
- 前記抜け止め部材は、内部に小物収容室が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記バッテリは直方体形状をなし、かつその縦・横・高さの各寸法のうち最も短い寸法の辺を車両前後方向に沿わせた姿勢で前記格納部に対して収容されていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記抜け止め部材の少なくとも一部は前記シートの外方に露出していることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記抜け止め部材のうち前記シートから外方へ露出した面は起立し、かつ車両後方を向いて対面するとともに、この露出面は同面の車両後方に配された荷台の前端部に位置していることを特徴とする請求項8に記載の自動二輪車。
- 前記露出面は前記シートの後端部から後方へ突出していることを特徴とする請求項9に記載の自動二輪車。
- 前記荷台は、車両フレームに固定される荷台パネルユニットによって構成されるとともに、前記抜け止め部材は前記車両構造部である前記荷台パネルユニットに対し、締結具にて取り付けがなされていることを特徴とする請求項9に記載の自動二輪車。
- 抜け止め部材における全ての前記固定箇所が前記荷台パネルユニットに配されていることを特徴とする請求項11に記載の自動二輪車。
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