JP2009031568A - 定着装置 - Google Patents

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Hidehiko Fujiwara
秀彦 藤原
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Abstract

【課題】通紙可能な最大サイズよりも小さな幅の記録材(小サイズ紙)を定着ニップに複数回通紙することで発生する非通紙部昇温を、大小の発熱体を別途用意することもなく、また、複雑な温度制御することもなく防止できる定着装置を提供すること。
【解決手段】金属など熱伝導率の高い部材でローラ状に形成された吸熱部材20と、その吸熱部材20を所要位置に移動させる移動部21とを備えて構成された熱伝導部11を、赤外線ヒータ18を備えた定着部7と加圧ローラ8とを圧接衝合して形成した定着ニップNの非通紙部分に対応するように、薄肉円筒状に形成された定着フィルム13の両端部に進退動可能に設けて、非通紙部分で発生する高熱を吸熱部材20で吸熱する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置は、ヒータを内挿させた定着部と加圧部とを圧接衝合させて形成された定着ニップに、未定着のトナー像が担持された記録材を通紙させて、熱と圧力でもって記録材にトナー像を固定像として定着させるものであるが、そのなかでも、定着可能な状態への立ち上がり時間が短い、所謂、オンデマンド方式の定着装置がある。
)。
このオンデマンド方式の定着装置は、定着部を、セラミックヒータ等のヒータが内挿され可撓性を有する薄肉円筒状の定着フィルムとすることで、この定着フィルムと加圧ローラ(加圧部)とを圧接衝合して形成した定着ニップにおける昇温速度を速めたものである。
このような効果を奏するオンデマンド方式の定着装置においても、以下の問題点があった。
すなわち、通紙可能な最大サイズよりも小さな幅の記録材(小サイズ紙)を定着ニップに通紙すると、定着ニップの通紙部分では、記録材へ熱が移動することで温度が極端に上昇することはないが、定着ニップの非通紙部分では記録材に熱が移動しないことから、通紙部分に比べて高温(以下、「非通紙部昇温」という)になり易い。
この非通紙部昇温が進むと、ヒータ、ヒータステー、定着フィルム、加圧ローラ等の各構成部材が劣化し、画像に不具合が生じる恐れがあった。特に、例えば、厚紙、封筒等の最大サイズよりも小さな幅で厚い記録材(小サイズ厚紙)が重送して通紙された場合、通紙部分では記録材に大量の熱を奪われることから、制御部が温度下降と判断してヒータに大量の電力が供給され、その結果、上記した非通紙部昇温となる可能性が極めて大きかった。
そこで、かかる問題を解決するものとして、例えば、ヒータ基板の両面に発熱体を設け、一方の発熱体をもう一方の発熱体より短くし、小サイズ紙の通紙時には短い方の発熱体にのみ通電して非通紙部昇温を防止している(例えば特許文献1参照)。
また、通紙部に非通紙部昇温検知用の第2の温度検知素子をハウジングに収容して設け、このハウジングを介して加熱体と接触させ、さらに、通紙部に設けられた第2の温度検知素子の出力により、非通紙部昇温を監視し昇温を緩和する制御を行っているものがある(例えば特許文献2参照)。
また、加熱体の温度を検知する第1の検温素子と、加熱体の長手方向で第1の検温素子とは異なる位置に設けた第2の検温素子を設け、記録材が加熱***置を搬送されている場合は、第2の検温素子の出力より加熱体の第2の検温素子付近の温度上昇速度を計算し、その値が所定の値を超えた場合、加熱体への通電を停止するあるいは該加熱体への通電電力を減少させるようにしたものがある(例えば特許文献3参照)。
特開2003−337484公報(第1頁、図1) 特開2001−356621公報(第4頁、図2) 特開2000−206826公報(第1頁、図1)
しかしながら、特許文献1に開示された定着装置は、大小の発熱体を別途用意して適宜使い分ける手段であるため、例えば、小サイズ紙や小サイズ厚紙を定着させた後、最大サイズ紙を定着させたい場合、大きい発熱体を加熱する必要があることから、再度、立ち上がり時間を要してしまうといった問題点があった。
特許文献2及び3に開示された定着装置は、温度検知素子を複数設け、一つの加熱体への通電を停止する、あるいは通電電力を減少する、といった非通紙部昇温を監視して加熱体全体を一定の温度に制御するものであるが、上記したように、通紙部分では記録材に熱を奪われるわけであるから、小サイズ紙、小サイズ厚紙、最大サイズの記録材など、様々なサイズの記録材に応じた定着に最適な温度を確保しつつ、非通紙部昇温をしないように制御することは、極めて困難なものと思料される。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる定着装置を提供することを目的とする。
上記技術課題を達成するために、本発明にかかる定着装置は、下記の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1にかかる定着装置は、加熱源を備えた定着部と加圧部とを圧接衝合させて形成された定着ニップに、未定着のトナー像が担持された記録材を通紙させて、前記トナー像を熱と圧力でもって前記記録材に定着可能に構成される定着装置であって、前記定着ニップの非通紙部分に対応した前記定着部の所要位置に当接可能な熱伝導部を備えたことを特徴とする。
請求項2にかかる定着装置は、請求項1において、前記定着部は、ローラ状に形成され、前記熱伝導部は、前記定着部の両端の外周面と当接可能に、前記定着部の両側夫々に配設されていることを特徴とする。
請求項3にかかる定着装置は、請求項2において、前記熱伝導部は、前記定着部の両側夫々に複数配設されていることを特徴とする。
請求項4にかかる定着装置は、請求項2または3において、前記熱伝導部は、前記定着部に当接される吸熱部材と、該吸熱部材を前記所要位置に移動させる移動部とを備えたことを特徴とする。
請求項5にかかる定着装置は、請求項4において、前記吸熱部材を前記定着部に対し直交方向に向かって進退動可能に、前記吸熱部材と前記移動部とが係合されていることを特徴とする。
請求項6にかかる定着装置は、請求項4において、前記吸熱部材を前記定着部に対し平行方向に向かって進退動可能に、前記吸熱部材と前記移動部とが係合されていることを特徴とする。
請求項7にかかる定着装置は、請求項4乃至6の何れか1項において、前記定着部は、回動可能に構成され、前記吸熱部材は、前記定着部の回動に従動可能なローラ状に形成されていることを特徴とする。
請求項8にかかる定着装置は、請求項4乃至7の何れか1項において、夫々の前記移動部を動作制御させて、前記吸熱部材と前記定着部との当接面積を可変可能にさせる制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項9にかかる定着装置は、請求項8において、前記定着部の温度が検出可能な温度検出部を備え、前記制御手段は、前記温度検出部の温度情報に基づいて、前記吸熱部材の当接動作のタイミングとさせることを特徴とする。
請求項10にかかる定着装置は、請求項8または9において、前記制御手段は、定着させる前記記録材の幅サイズに応じて形成される非通紙の定着ニップ領域に対応するように、前記吸熱部材を動作させることを特徴とする。
請求項11にかかる定着装置は、請求項10において、前記記録材の幅サイズは、当該定着装置が内装される画像形成装置に通紙された前記記録材の幅情報に基づいて決定されることを特徴とする。
請求項12にかかる定着装置は、請求項10において、前記記録材の幅サイズは、当該定着装置が内装される画像形成装置の画像形成部で形成された画像データの幅情報に基づいて決定されることを特徴とする。
請求項13にかかる定着装置は、請求項1乃至12の何れか1項において、前記熱伝導部は、ヒートシンクを備えていることを特徴とする。
請求項14にかかる定着装置は、請求項1乃至12の何れか1項において、前記熱伝導部は、外部に設けられたヒートシンクと接続される接続部材を備えていることを特徴とする。
請求項15にかかる定着装置は、請求項1乃至14の何れか1項において、前記熱伝導部は、冷却ファンを備えていることを特徴とする。
請求項16にかかる定着装置は、請求項15において、前記記録材の種類に応じて前記冷却ファンの回転数を可変させる制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項17にかかる定着装置は、請求項8乃至14の何れか1項において、前記熱伝導部は、冷却ファンを備え、前記定着部との当接面積に応じて前記冷却ファンの回転数を可変させる制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項18にかかる定着装置は、請求項1乃至17の何れか1項において、前記定着部は、可撓性を有する薄肉円筒状の定着フィルムと、該定着フィルムに遊挿されると共に端部が機枠に支持され、長手方向に向かって切欠部が設けられた円筒状の保持部材と、前記切欠部を被装させるように前記保持部材に支持され、前記定着フィルムの裏面に当接される加熱板と、該加熱板の直上となる所要位置に前記保持部材内の長手方向に向かって架設されると共に、前記保持部材から挿脱可能に係合された前記加熱源であるヒータとを備え、前記加圧部は、前記機枠に回動可能に支持され、前記加熱板と対応した前記定着フィルム表面の所要位置に圧接衝合させて前記定着ニップを形成させると共に、該定着フィルムを従動させる加圧ローラを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、加熱源を備えた定着部と加圧部とを圧接衝合して形成した定着ニップの非通紙部分に対応した定着部の所要位置に、熱伝導部を当接可能に構成して、その熱伝導部が、非通紙部分で発生した高熱を吸熱するから、大小の発熱体を別途用意することもなく、また、複雑な温度制御することもなく、非通紙部昇温を防止できる。
次に、本発明にかかる定着装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、図1は本実施の形態にかかる定着装置が内装された画像形成装置の概略を示し、図2〜図6は実施の形態1を、図7は実施の形態2を、図8は実施の形態3を、図9は実施の形態4を、図10は実施の形態5を夫々示す。
まず、本実施の形態にかかる定着装置が内装された画像形成装置の概略を、図1を参照しながら説明する。
この画像形成装置は、小サイズ紙や小サイズ厚紙、最大サイズ紙等の記録材Pが収納された給紙部1と、装置頂部に設けられ、原稿の画像を電気的に読み取って取り込む原稿読込部2と、その原稿読込部2で取り込んだ情報を画像データとして生成し、その画像データに基づいた潜像を感光体ドラム3に形成させると共に潜像を現像させてトナー像を形成させる画像形成部4と、感光体ドラム3上のトナー像を給紙部1から搬送された記録材Pに転写させて未定着のトナー像を記録材Pに担持させる転写部5と、その未定着のトナー像が担持された記録材Pを通紙させて熱と圧力でもって記録材Pにトナー像を固定像として定着させる定着装置6とを備えて構成された、所謂、電子写真方式の画像形成装置である。
要部は上記構成のうち定着装置6であるため、以下、その定着装置6について詳述する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる定着装置6は、図2及び図3に示すように、定着部7と、加圧ローラ8(加圧部)と、検知手段9と、ガイド板10と、熱伝導部11と、温度検出部12と、制御手段(図示せず)とを備えて構成される。
定着部7は、定着フィルム13と、保持部材14と、反射板15と、加熱板16と、第2保持部材17と、赤外線ヒータ18と、付勢部材19とを備えて構成される。
定着フィルム13は、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等の熱容量の低い材料でもって可撓性を有する薄肉円筒状に形成されている。また、定着フィルム13の表層には、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等からなる層が形成されて、トナーに対する離型性が確保されている。
保持部材14は、定着フィルム13をその内側からガイドして定着フィルム13の保形性を維持させるように、耐熱性樹脂材料でもって軸長手方向に向かって切欠部14aが設けられた円筒状に形成されている。このように形成された保持部材14は、両端が突出するように、定着フィルム13内に遊挿されると共に、両端が定着装置6の機枠(図示せず)に支持されて、後述する加熱板16や赤外線ヒータ18、反射板15を一体的に保持するようになっている。
なお、保持部材14と機枠(図示せず)との支持であるが、保持部材14は回動することなく、図3において上下方向にスライド可能に支持されており、後述する付勢部材19によって加圧ローラ8側へ付勢可能になっている。
反射板15は、図4に示すように、薄板のアルミニウム等の金属材を略U字状に折り曲げられた所要長さの板状部材であり、少なくともその内周面が鏡面仕上げされて、後述する赤外線ヒータ18から発せられた赤外線を効率良く反射させるようになっている。このように略U字状に形成された反射板15は、図3に示すように、その折り返し側が保持部材14内に位置するように、かつ、折り返し側と反対側である先端部が切欠部14aから突出するように、その切欠部14aに嵌合されている。
また、この反射板15は、図4に示すように、その中央部15aの両縁が切欠されて、幅方向両端部における反射板15による赤外線の反射量を幅方向中央部よりも多くなるようにしており、加熱板16の両端部から放熱されて両端部の温度が低下する分を補うようにしている。この特異な形状によって、加熱板16の幅方向の温度分布が均一化されて、定着ムラの発生が軽減される。
なお、本実施の形態では、この反射板15は、後述する赤外線ヒータ18と別部材で構成しているが、赤外線ヒータ18のガラス管の一部に、金メッキやアルミニウム蒸着を施して反射面を形成して赤外線ヒータ18と一体化しても良い。
加熱板16は、図4に示すように、金属やセラミックやポリイミド樹脂からなる薄板状部材でもって、反射板15の先端部の外面と嵌合可能な略コ字状に形成されている。その内面には、赤外線の吸収率を向上させるために黒色塗装が施され、外面には磨耗を軽減させるためにフッ素樹脂がコーティングされている。さらに、この加熱板16は、図5に示すように、その長手方向中央部の厚さt1が、長手方向両端部の厚さt2よりも厚くなるように形成されている。
これにより、加熱板16における長手方向両端部の加熱効率が長手方向中央部の加熱効率よりも高くなるために、加熱板16の両端部から熱が放散されて両端部の温度が低下する不具合を抑止することができる。すなわち、加熱板16の長手方向の温度分布が均一化されて、定着ムラの発生を軽減させることができる。
このように形成された加熱板16は、保持部材14に形成された切欠部14aを保持部材14の外周面側から被装させるように、反射板15の先端部の外面と嵌合されて、定着装置6の機枠に支持された保持部材14と一体化するように取り付けられている。また、平面形状の外面は、定着フィルム13の裏面に当接されるようになっている。
第2保持部材17は、図2に示すように、略L字状に形成された金具であり、そのL字の長片側の先部が反射板15の折り返し内に位置するように、かつ、保持部材14の端面から離間するように、そのL字の短片側が、保持部材14の両端の外周面に螺着されている。また、反射板15の折り返し内に位置させる第2保持部材17の先部は、赤外線ヒータ18の端部が挿嵌されるようになっている。
赤外線ヒータ18は、両端が段付軸状に形成されたカーボンヒータやハロゲンヒータからなり、その両端が第2保持部材17の先部に挿嵌されて、加熱板16の直上となる所要位置に保持部材14内の長手方向に向かって架設されている。この赤外線ヒータ18は、画像形成装置からの通電により発熱するようになっている。
なお、赤外線ヒータ18として、カーボンヒータを用いた場合には、ハロゲンヒータを用いたときと比較して、オンオフ制御の自由度が高まる。具体的に、ヒータのデューティが100%に達する前に通電をオフする制御を繰り返しても断線することなく、経時における出力低下も軽減される。
また、カーボンヒータを用いる場合には、その形状を最適化して、加熱板16に対向する方向(図3において上下方向)に発せられる輻射熱の熱量がその方向に直交する方向(図3において左右方向)に発せられる輻射熱の熱量よりも大きくなるように形成することが好ましい。これにより、カーボンヒータから発せられる熱を加熱板16に集中的に向けることができるため、加熱板16の加熱効率を高めることができる。
また、本実施の形態では、赤外線ヒータ18が、加熱板16からある程度ギャップをあけて設けていることから、加熱板16が定着フィルム13を介して加圧ローラ8に圧接した状態で定着装置6を輸送した場合等、赤外線ヒータ18が加熱板16等から直接的に受ける振動を軽減するから、赤外線ヒータ18の破損を防止できる。
さらに、加熱板16が定着フィルム13を介して加圧ローラ8に圧接した状態で、定着装置6の位置でジャムした記録材Pを取出した場合(ジャム処理)、このジャム処理動作によって赤外線ヒータ18がニップ部から直接的に受ける衝撃を軽減するから、赤外線ヒータ18の破損を防止できる。
また、図6に示すように、第2保持部材17を保持部材14から取り外すだけで、定着フィルム13を介して加熱板16が後述する加圧ローラ8に当接した状態のまま、定着装置6から赤外線ヒータ18を抜き出すことができる。その逆に、加熱板16が定着フィルム13を介して後述する加圧ローラ8に当接した状態のまま、定着装置6に赤外線ヒータ18を取り付けることができ、利便性を向上させている。
付勢部材19は、機枠等の固定端と保持部材14の両端との間に張架された圧縮スプリングであり、回動することなく上下方向にスライド可能に支持された保持部材14を、後述する加圧ローラ8側へ付勢させている。これにより、加熱板16に接した定着フィルム13の一部表面と加圧ローラ8とが圧接衝合し、加熱板16の平面状の外面に沿うように定着フィルム13が弾性変形して、所要幅の定着ニップNが形成される。
加圧ローラ8は、芯金8a上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料からなる弾性層8bが形成され、加熱板16と対応した定着フィルム13表面と圧接衝合されるように機枠に回動可能に支持されていると共に駆動モータ(図示せず)と係合されて、図3において反時計方向に回転するようになっている。なお、弾性層8bの表層にPFA等からなる薄肉の離型層(チューブ)を設けても良い。
このように構成された加圧ローラ8は、上記したように、赤外線ヒータ18によって加熱(輻射熱による加熱)可能な加熱板16に接した定着フィルム13の一部表面と圧接衝合して、所要幅の定着ニップNを形成すると共に、駆動モータによって加圧ローラ8が回転することで、定着ニップNにおける摩擦力によって上記した定着フィルム13が従動(回転)する。
なお、この駆動モータは回転速度が可変可能なタイプであり、後述する制御手段の制御信号に基づいて加圧ローラ8の回転速度が可変するようになっている。したがって、この駆動モータは、定着フィルム13の駆動速度を可変する可変手段としても機能することになる。
なお、本実施の形態では、加熱板16の対向面(加圧ローラ8に対向する面)が平面形状になるように形成していることから、定着ニップNの形状が記録材Pの画像面に対して略平行となって、定着フィルム13と記録材Pとの密着性が高まることから、定着性を向上できると共に、定着ニップNを通過する記録材Pに、カールやシワが発生する恐れが低減できる。さらに、定着ニップNの出口側における定着フィルム13の曲率が大きくなるために、定着ニップNから送出された記録材Pを定着フィルム13から容易に分離できる。
また、本実施の形態では、加熱板16の記録材Pの搬送方向長さが、定着ニップNのニップ幅よりも長くなるように設定している。これにより、定着ニップNの出口側では、定着フィルム13が加圧ローラ8の形状にならって加圧ローラ8側に凸状に変形することになり定着工程後の記録材Pは、定着フィルム13から分離する方向送出されることになる。すなわち、定着ニップNの送出時の搬送分離性を高めることができる。
検知手段9は、定着フィルム13の外周面に対向する位置に配設された光学センサを備えてなる。この検知手段9は、定着フィルム13上に形成されたマーカ(例えば、黒色の定着フィルム13上に形成した白色のマーカ)を光学センサが光学的に検知して、定着フィルム13の回転速度を検知するようになっている。
ガイド板10は、定着ニップNの入口側と出口側の夫々に、機枠から延設された板状部材であり、確実に記録材Pを定着ニップNへ導入させると共に、確実に記録材Pを定着ニップNから導出させるようになっている。
熱伝導部11は、吸熱部材20と、移動部21とを備えて構成される。
吸熱部材20は、金属など熱伝導率の高い部材で所要長さのローラ状に形成されている。
移動部21は、吸熱部材20の両端を回動可能に支持させた略コ字状の支持フレーム21aと、進退動可能、かつ、廻り止めされたロッド21bを備え、支持フレーム21aの中間部にそのロッド21bの先端を固着させたアクチュエータ21cとを備えて構成される。
このように構成された熱伝導部11は、図2に示すように、定着フィルム13の両端部に吸熱部材20が定着フィルム13と平行に接するように、かつ、吸熱部材20が定着フィルム13に対して直交方向から進退動可能に配設されていると共に、図3に示すように、熱伝導部11と付勢部材19とが干渉しないように、付勢部材19の配設位置を基準にして、定着フィルム13の回転方向上流側に熱伝導部11が配設されている。そして、アクチュエータ21cのロッド21bを前進させることで、定着フィルム13に吸熱部材20が当接され、その吸熱部材20は、定着フィルム13の回転に伴って従動(回転)するようになっている。なお、図2及び図3は、定着フィルム13に吸熱部材20が当接している状態を示す。
また、吸熱部材20が当接される定着フィルム13の両端部は、通紙可能な最大サイズよりも小さな幅の記録材Pである小サイズ紙を定着ニップNに通紙した際、定着ニップNの非通紙部分に対応した位置になっている。
温度検出部12は、図3に示すように、定着フィルム13両端部に設けられた温度センサ12aと、中央に接するように設けられた温度センサ12bとで構成され、付勢部材19の配設位置を基準にして、定着フィルム13の回転方向下流側に配設されている。
制御手段(図示せず)は、上記した温度検出部12、定着フィルム13に吸熱部材20を接離させる移動部21、定着フィルム13の回転速度を検知する検知手段9等と電気的に接続され、当該定着装置6を統括制御させている。
すなわち、この制御手段は、定着フィルム13の中央に接するように設けた温度センサ12bの検出温度に基づいて、定着フィルム13の温度(定着温度)が所望の温度となるように赤外線ヒータ18を制御させるようになっている。
また、この制御手段は、定着フィルム13の両端部に接するように設けた温度センサ12aの検出温度に基づいて、移動部21の移動制御を行って吸熱部材20の当接動作タイミングとさせている。すなわち、定着フィルム13の両端部の温度が設定値を越えて非通紙部昇温となった場合に、離間状態の吸熱部材20を速やかに前進させて定着フィルム13の両端に吸熱部材20を当接・従動させ、高温部分が正常な温度になるまでこの吸熱状態を維持させる。そして、その高温部分が正常な温度になったら、即座に定着フィルム13から吸熱部材20を離間させるようになっている。
また、この制御手段は、定着フィルム13の両端部に設けた夫々の熱伝導部11を個別に動作制御可能になっており、吸熱部材20と定着フィルム13との当接面積が可変可能になっている。
さらに、この制御手段は、検知手段9で検知した定着フィルム13の回転速度の結果に基づいて、定着フィルム13の回転速度が安定化するように、加圧ローラ8の駆動モータを制御するようになっている。また、定着フィルム13の回転速度が所定値以下であるときに、定着フィルム13の回転駆動に何らかの異常(例えばスリップ)が生じて、非通紙部昇温も定着フィルム13に局部的な過熱(非通紙部昇温に限らず)が生じる恐れがあるものとして、赤外線ヒータ18に供給する電力を遮断するようになっている。
次に、以上のように構成された実施の形態1にかかる定着装置6の一連の動作を説明する。
まず、画像形成装置の電源スイッチを投入すると、赤外線ヒータ18に通電が開始して加熱板16の加熱が始まり、これと略同時に駆動モータが駆動して加圧ローラ8の回転が始まり、定着フィルム13が、この加圧ローラ8の回転に従動する。このとき、吸熱部材20は、初期位置(待機位置)に位置して定着フィルム13から離間している。
次いで、原稿読込部2等で原稿の画像を読み取り、画像形成部4が画像データを生成し、その画像データに基づいて感光体ドラム3に潜像およびトナー像を形成する。そして、転写部5が、感光体ドラム3上のトナー像を給紙部1から搬送してきた記録材Pに転写する。
このようにして未定着のトナー像を担持した記録材Pは、定着ニップNの入口側のガイド板10に案内されながら定着ニップNに通紙し、加熱板16によって加熱した定着フィルム13による加熱と定着ニップNの圧力とによってトナー像が固定像として定着する。この定着ニップNを通過した記録材Pは搬出部に向かって移動する。
この一連の動作でもって画像形成が終了するが、場合によっては、小サイズ紙(通紙可能な最大サイズよりも小さな幅の記録材P)を複数回に亘って行う場合がある。この場合、定着ニップNに数回通紙することにより、定着ニップNの非通紙部分が、通紙部分に比べて高温になり、非通紙部昇温が発生する恐れがある。
しかしながら、実施の形態1にかかる定着装置6は、定着フィルム13の両端部に接するように設けた温度センサ12aが、常時、温度検出を行い、制御手段が、非通紙部昇温になっていないかを判断する。
制御手段が、仮に、定着フィルム13の両端部の温度が設定値を越えて非通紙部昇温と判断したら、離間状態の吸熱部材20を速やかに前進して定着フィルム13の両端に吸熱部材20を当接、従動して吸熱を行う。
この間も、温度センサ12aは、かかる部分の温度を検出しており、高温部分が正常な温度になるまでこの吸熱状態を維持する。そして、制御手段は、その高温部分が正常な温度になったと判断したら、即座に定着フィルム13から吸熱部材20を離間する。
このように実施の形態1にかかる定着装置6は、非通紙部分で発生した高熱を吸熱部材20が吸熱するから、大小の発熱体を別途用意することもなく、また、複雑な温度制御することもなく、非通紙部昇温を防止できるようになっている。
なお、実施の形態1では、定着フィルム13の両端部の温度が設定値を越えた場合を想定して、両端の吸熱部材20を同時に動作させたものを例示したが、定着フィルム13の一端部の温度のみが設定値を越えた場合、その一方の吸熱部材20のみを動作させる。
また、実施の形態1では、温度センサ12aの検出温度に基づいて吸熱部材20を動作させているが、非通紙部昇温に達しているか否かを動作条件とせずに吸熱部材20を動作させても良い。すなわち、定着装置6が内装される画像形成装置に通紙された記録材Pの幅情報又は定着装置6が内装される画像形成装置の画像形成部4で形成された画像データの幅情報に基づいて小サイズ紙と判断したら、吸熱部材20を動作させる。この場合、小サイズ紙の通紙回数をカウントし、設定回数に達したら、非通紙部昇温の恐れがあるとして、吸熱部材20を動作させることが好適である。
次に、他の実施の形態を、順を追って説明するが、実施の形態2と実施の形態3は、図7及び図8に示すように、熱伝導部11の構成に冷却ファン、ヒートシンクを加えたものを例示しており、実施の形態4は、実施の形態1で例示した熱伝導部11を、定着フィルム13の両端夫々に複数(2つずつ)配設させたものを例示しており、さらに、実施の形態5は、吸熱部材20の移動方向を定着フィルム13と平行方向にしたものを例示しており、その他の構成は実施の形態1と同じであるため、かかる構成の説明は省略する。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる熱伝導部22は、図7に示すように、吸熱部材23と、冷却ファン24と、移動部25とを備えて構成される。
吸熱部材23は、金属など熱伝導率の高い部材で所要長さのローラ状に形成されている。
冷却ファン24は、吸熱部材23の一方の端部に、吸熱部材23外方に向かって送風するように、制御手段と電気的に接続されており、吸熱によって昇温した吸熱部材23を冷却させるようになっている。
移動部25は、吸熱部材23の他方の端部を回動可能に片持ち支持させた略L字状の支持フレーム25aと、進退動可能、かつ、廻り止めされたロッド21bを備え、支持フレーム25aの中間部にそのロッド21bの先端を固着させたアクチュエータ21cとを備えて構成される。
このように構成された実施の形態2にかかる熱伝導部22は、基本的には実施の形態1と同様に配設されるが、冷却ファン24が機枠側(定着装置外方)に向くように配設される。そして、吸熱の動作と連動して冷却ファン24が回転して吸熱部材23を冷却する。したがって、この実施の形態2にかかる熱伝導部22は、吸熱部材23の冷却効率が向上し、定着フィルム13の吸熱量を増加できる。
なお、この冷却ファン24の回転速度は、常時一定でも良いが、小サイズ厚紙(厚紙、封筒等の最大サイズよりも小さな幅で厚い記録材P)や、単なる小サイズ紙等の、記録材Pの種類に応じて冷却ファン24の回転数を可変させたり、定着フィルム13の両端部に接するように設けた温度検出部の検出温度に応じて冷却ファン24の回転数を可変させたりすることが好適である。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる熱伝導部26は、図8に示すように、吸熱部材27と、ヒートシンク28と、移動部25と、冷却ファン29とを備えて構成される。
吸熱部材27は、金属など熱伝導率の高い部材で所要長さのローラ状に形成されている。
ヒートシンク28は、放熱フィンが連設されてなり、吸熱部材27の一方の端部に固設されて、吸熱部材27の放熱面積を増大させている。
移動部25は、吸熱部材27の他方の端部を回動可能に片持ち支持させた略L字状の支持フレーム25aと、進退動可能、かつ、廻り止めされたロッド21bを備え、支持フレーム25aの中間部にそのロッド21bの先端を固着させたアクチュエータ21cとを備えて構成される。
冷却ファン29は、制御手段と電気的に接続されており、定着装置内方または外方に向かって送風可能に、定着装置の機枠の、吸熱部材27の動作上となる所要位置に設けられており、吸熱によって昇温した吸熱部材27を冷却させるようになっている。
このように構成された実施の形態3にかかる熱伝導部26は、基本的には実施の形態1と同様に配設されるが、ヒートシンク28が機枠側(定着装置外方)に向くように配設される。そして、吸熱の動作と連動して冷却ファン29が回転して吸熱部材27を冷却する。したがって、この実施の形態3にかかる熱伝導部26は、吸熱部材27の冷却効率が向上し、定着フィルム13の吸熱量を増加できる。
なお、実施の形態3にかかる熱伝導部26は、ヒートシンク28のほかに冷却ファン29を備えたものを例示しているが、吸熱部材27の放熱面積を増大させるヒートシンク28のみでも良い。
また、その吸熱部材27の放熱面積を増大させるヒートシンク28に代えて、画像形成装置の金属筐体をヒートシンクとして、熱伝導部26にそのヒートシンクに接続させる接続部材を設けても良い。この場合、接続部材は、熱伝導率の高い部材でもって伸縮可能または屈曲可能に形成し、吸熱部材27を支持させる略L字状の支持フレーム25aまたは実施の形態1で例示した略コ字状の支持フレーム21aに、その接続部材の一端を接続し、他端を画像形成装置の金属筐体に接続することが極めて簡単な構成となることから好ましい。例えば、黒鉛シートやポリイミド樹脂等の熱伝導率の高い帯板状部材でもって、支持フレームと画像形成装置の金属筐体とを接続させて、吸熱部材27の熱を画像形成装置の金属筐体に逃がすことが好適である。
また、定着装置の機枠に設けた冷却ファン29の回転速度は、常時一定でも良いが、小サイズ厚紙(厚紙、封筒等の最大サイズよりも小さな幅で厚い記録材P)や、単なる小サイズ紙等の、記録材Pの種類に応じて冷却ファン29の回転数を可変させたり、定着フィルム13の両端部に接するように設けた温度検出部の検出温度に応じて冷却ファン29の回転数を可変させたりすることが好適である。
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる定着装置31は、図9に示すように、実施の形態1で例示した熱伝導部11を、定着フィルム13の両端夫々に2つずつ配設させて、記録材Pの様々なサイズに応じて形成される非通紙の定着ニップN領域に対応させた例である。なお、図9は、定着フィルム13に吸熱部材20が当接している状態を示す。
この場合、定着フィルム13の両端夫々に、上記した温度センサ12aが1つずつ配設されている。
また、制御手段は、当該定着装置31が内装される画像形成装置に通紙された記録材Pの幅情報又は当該定着装置31が内装される画像形成装置の画像形成部4で形成された画像データの幅情報に基づいて、非通紙の定着ニップN領域を決定して、吸熱させる吸熱部材20を予め選択するようになっている。そして、定着フィルム13の両端夫々に一つずつ設けられた温度センサ12aによって非通紙部昇温を検出した場合、その予め選択した吸熱部材20で吸熱するようになっている。
例えば、記録材Pの幅情報又は画像データの幅情報が小サイズ紙である場合、その小サイズ紙を定着ニップNに数回通紙して非通紙部昇温が発生したら、全ての吸熱部材20を前進動して吸熱する。記録材Pの幅情報又は画像データの幅情報が中サイズ紙である場合、その中サイズ紙を定着ニップNに数回通紙して非通紙部昇温が発生したら、内側の2つの吸熱部材20を前進動して吸熱する。なお、大サイズ紙の場合は実施の形態1と同じく非通紙部昇温が発生しないことから吸熱の動作はしない。
他の例として、定着フィルム13の両端夫々に2つずつ配設した吸熱部材20と対応するように、吸熱部材20の当接動作タイミングをとるための温度センサ12aを2つずつ配設(計4つ)し、その温度センサ12aが非通紙部昇温を検出したら、対応した吸熱部材20で吸熱するようにしても良い。この場合、記録材の幅サイズの情報(画像形成装置に通紙された前記記録材の幅情報に基づく、または、画像形成装置の画像形成部で形成された画像データの幅情報に基づく)は必ずしも必要ではない。
なお、この熱伝導部11も、実施の形態2、実施の形態3で例示した熱伝導部22、26で構成しても良い。
また、この実施の形態4では、熱伝導部11を、定着フィルム13の両端夫々に2つずつ配設させたものを例示したが、その配設数は特に限定されない。
また、この実施の形態4も実施の形態1と同様に、温度センサ12aの検出温度に基づいて吸熱部材20を動作させているが、非通紙部昇温に達しているか否かを動作条件とせずに吸熱部材20を動作させても良い。すなわち、定着装置31が内装される画像形成装置に通紙された記録材Pの幅情報又は定着装置31が内装される画像形成装置の画像形成部4で形成された画像データの幅情報に基づいて小サイズ紙、または、中サイズ紙と判断したら、対応した吸熱部材20を動作させる。この場合、小サイズ紙、または、中サイズ紙の通紙回数をカウントし、設定回数に達したら、非通紙部昇温の恐れがあるとして、吸熱部材20を動作させることが好適である。
(実施の形態5)
実施の形態5にかかる定着装置32は、図10に示すように、定着フィルム13に対して平行方向に向かって吸熱部材を進退動可能にして、記録材の様々なサイズに応じて形成される非通紙の定着ニップN領域に対応させた例である。
すなわち、実施の形態5にかかる熱伝導部33は、吸熱部材34と、移動部35とを備えて構成される。
吸熱部材34は、金属など熱伝導率の高い部材で所要長さのローラ状に形成されている。
移動部35は、吸熱部材34の両端を回動可能に支持させた略コ字状に形成されると共に、その中途部に、上方へ向かって取り付け部36aが延設された支持フレーム36と、任意の距離を進退動可能、かつ、廻り止めされたロッド21bを備え、取り付け部36aと直交するようにその取り付け部36aにロッド21bの先端を固着させたアクチュエータ21cとを備えて構成される。
このように構成された熱伝導部33は、定着フィルム13の両端部に定着フィルム13と吸熱部材34とが平行に接するように、かつ、吸熱部材34が定着フィルム13に対して平行方向から任意の距離に亘って進退動可能に配設されている。そして、アクチュエータ21cのロッド21bを進退動させることで、定着フィルム13と吸熱部材34との接触面積が可変され、その吸熱部材34は、定着フィルム13の回転に伴って従動(回転)するようになっている。なお、吸熱部材34は、図10に示すように、その初期位置(待機位置)が定着フィルム13の端と当接していることが好ましいが、定着フィルム13の端から離間していても良い。
また、定着フィルム13の両端夫々に、上記した温度センサ12aが1つずつ配設されている。
制御手段は、当該定着装置32が内装される画像形成装置に通紙された記録材の幅情報又は当該定着装置32が内装される画像形成装置の画像形成部で形成された画像データの幅情報に基づいて、非通紙の定着ニップN領域を決定して、吸熱部材34の前進移動量を予め設定するようになっている。そして、定着フィルム13の両端夫々に一つずつ設けられた温度センサ12aによって非通紙部昇温を検出した場合、その予め設定した前進移動量でもって吸熱部材34を前進して吸熱するようになっている。
例えば、記録材の幅情報又は画像データの幅情報が小サイズ紙である場合、その小サイズ紙を定着ニップNに数回通紙して非通紙部昇温が発生したら、その小サイズ紙に対応した定着ニップNの非通紙部分をカバーするように、吸熱部材34を前進動して吸熱する。記録材の幅情報又は画像データの幅情報が中サイズ紙である場合、その中サイズ紙を定着ニップNに数回通紙して非通紙部昇温が発生したら、その中サイズ紙に対応した定着ニップNの非通紙部分をカバーするように、吸熱部材34を前進動して吸熱する。なお、大サイズ紙の場合は実施の形態1と同じく非通紙部昇温が発生しないことから、吸熱部材34は初期位置(待機位置)に待機して吸熱の動作はしない。
他の例として、吸熱部材34の当接動作タイミングをとるための温度センサ12aを記録材のサイズに応じて設けると共に、個々の温度センサ12aと前進移動量とを対応付けておき、温度センサ12aが非通紙部昇温を検出したら、対応した前進移動量だけ吸熱部材34を前進して吸熱動作するようにしても良い。この場合、記録材の幅サイズの情報(画像形成装置に通紙された前記記録材の幅情報に基づく、または、画像形成装置の画像形成部で形成された画像データの幅情報に基づく)は必ずしも必要ではない。
また、この実施の形態5の熱伝導部33も、実施の形態2、実施の形態3で例示した熱伝導部11で構成しても良い。なお、この場合、吸熱部材34の前進移動量に応じて冷却ファン24の回転速度を可変(吸熱部材34の前進するほど回転速度が大)させることが好適である。
また、この実施の形態5も実施の形態1と同様に、温度センサ12aの検出温度に基づいて吸熱部材20を動作させているが、非通紙部昇温に達しているか否かを動作条件とせずに吸熱部材20を動作させても良い。すなわち、定着装置32が内装される画像形成装置に通紙された記録材Pの幅情報又は定着装置32が内装される画像形成装置の画像形成部4で形成された画像データの幅情報に基づいて、小サイズ紙、または、中サイズ紙と判断したら、予め個々に設定されている前進移動量でもって吸熱部材20を動作させる。この場合、小サイズ紙、または、中サイズ紙の通紙回数をカウントし、設定回数に達したら、非通紙部昇温の恐れがあるとして、吸熱部材20を動作させることが好適である。
以上、本実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
例えば本実施の形態では、熱伝導部を回転可能なローラ状の吸熱部材を備えて構成したが、たとえば、一対のローラに熱伝導性の高いベルト(吸熱ベルト)を掛架させ、そのベルトを、加熱源を備えた定着部に当接させたり、加熱源を備えた定着部に吸熱部材を回転することなく単に接離可能に設けても良い。すなわち、定着ニップNの非通紙部分に対応した定着部の所要位置に当接可能な熱伝導部を備えていれば良いもので、その態様は特に限定されない。
また、本実施の形態では、オンデマンド方式の定着装置を例示したが、他のタイプの定着装置にも適用可能であり、定着装置の態様は特に限定されない。
本実施の形態にかかる定着装置が内装された画像形成装置の概略図である。 実施の形態1にかかる定着装置の概略を示した正面図である。 図2におけるX−X線に沿える縦断拡大側面図である。 反射板と加熱板の分解斜視図である。 加熱板の縦断面図である。 定着装置から赤外線ヒータを抜き出す状態を示した説明図である。 実施の形態2にかかる定着装置の熱伝導部を示した斜視図である。 実施の形態3にかかる定着装置の熱伝導部を示した斜視図である。 実施の形態4にかかる定着装置の簡略した正面図である。 実施の形態5にかかる定着装置の簡略した正面図である。
符号の説明
4…画像形成部 6、31、32…定着装置 7…定着部 8…加圧ローラ(加圧部) 11、22、26、33…熱伝導部 12a…温度センサ(温度検出部) 13…定着フィルム 14…保持部材 14a…切欠部 16…加熱板 18…赤外線ヒータ(加熱源) 20、23、27、34…吸熱部材 21、25、29、35…移動部 24、30…冷却ファン 28…ヒートシンク N…定着ニップ P…記録材

Claims (18)

  1. 加熱源を備えた定着部と加圧部とを圧接衝合させて形成された定着ニップに、未定着のトナー像が担持された記録材を通紙させて、前記トナー像を熱と圧力でもって前記記録材に定着可能に構成された定着装置であって、前記定着ニップの非通紙部分に対応した前記定着部の所要位置に当接可能な熱伝導部を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部は、ローラ状に形成され、
    前記熱伝導部は、前記定着部の両端の外周面と当接可能に、前記定着部の両側夫々に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記熱伝導部は、前記定着部の両側夫々に複数配設されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記熱伝導部は、前記定着部に当接される吸熱部材と、該吸熱部材を前記所要位置に移動させる移動部とを備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記吸熱部材を前記定着部に対し直交方向に向かって進退動可能に、前記吸熱部材と前記移動部とが係合されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記吸熱部材を前記定着部に対し平行方向に向かって進退動可能に、前記吸熱部材と前記移動部とが係合されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記定着部は、回動可能に構成され、
    前記吸熱部材は、前記定着部の回動に従動可能なローラ状に形成されていることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の定着装置。
  8. 夫々の前記移動部を動作制御させて、前記吸熱部材と前記定着部との当接面積を可変可能にさせる制御手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の定着装置。
  9. 前記定着部の温度が検出可能な温度検出部を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出部の温度情報に基づいて、前記吸熱部材の当接動作のタイミングとさせることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記制御手段は、定着させる前記記録材の幅サイズに応じて形成される非通紙の定着ニップ領域に対応するように、前記吸熱部材を動作させることを特徴とする請求項8または9に記載の定着装置。
  11. 前記記録材の幅サイズは、当該定着装置が内装される画像形成装置に通紙された前記記録材の幅情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記記録材の幅サイズは、当該定着装置が内装される画像形成装置の画像形成部で形成された画像データの幅情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  13. 前記熱伝導部は、ヒートシンクを備えていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の定着装置。
  14. 前記熱伝導部は、外部に設けられたヒートシンクと接続される接続部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の定着装置。
  15. 前記熱伝導部は、冷却ファンを備えていることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の定着装置。
  16. 前記記録材の種類に応じて前記冷却ファンの回転数を可変させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  17. 前記熱伝導部は、冷却ファンを備え、前記定着部との当接面積に応じて前記冷却ファンの回転数を可変させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項8乃至14の何れか1項に記載の定着装置。
  18. 前記定着部は、可撓性を有する薄肉円筒状の定着フィルムと、該定着フィルムに遊挿されると共に端部が機枠に支持され、長手方向に向かって切欠部が設けられた円筒状の保持部材と、前記切欠部を被装させるように前記保持部材に支持され、前記定着フィルムの裏面に当接される加熱板と、該加熱板の直上となる所要位置に前記保持部材内の長手方向に向かって架設されると共に、前記保持部材から挿脱可能に係合された前記加熱源であるヒータとを備え、
    前記加圧部は、前記機枠に回動可能に支持され、前記加熱板と対応した前記定着フィルム表面の所要位置に圧接衝合させて前記定着ニップを形成させると共に、該定着フィルムを従動させる加圧ローラを備えていることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の定着装置。
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